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第16話「鳳凰関へ」

雲香荷(ウンコウカ)が目を覚ますと浅月(センゲツ)が付き添っていた。
侍女の話では浅月が池に落ちた香荷を助けてくれたという。
浅月は容景(ヨウケイ)のために身投げなど馬鹿馬鹿しいと呆れ、そもそも香荷は手が届かないものを欲しがっているに過ぎないと指摘した。
「無条件の愛をくれるのは親だけよ?赤の他人のために肉親を悲しませないで
 あなたは私のたった1人の姐姐(ジェジェ)なんだから…」
「でも昔からあなただけが可愛がられる、爺爺(イェイェ)も姑姑(グォグォ)もそうよ」
「2人は私を愛してくれる、でも小さい頃に孤児になって″躾が悪い小娘″だと陰口を言われたわ

香荷はようやく浅月への嫉妬から解放され、わだかまりも消えた。
しかしそこへ慌てて南梁睿(ナンリョウエイ)が飛び込んで来る。
「浅月!無事か?!…この性悪女に近づいてはダメだ!」
「ちょっと!性悪女って誰よ?!」
浅月は誤解だと伝えたが、今度は香荷と南梁睿が犬猿の仲になってしまう。



雲王府に月岐(ゲツキ)の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)がやって来た。
実は皇帝から四皇子との縁談を賜ったという。
「それから情報が…景世子が鳳凰関(ホウオウカン)へ行くわ、何でも遠い辺境の地で水害が酷いらしいの」
浅月は″鳳凰″と聞いて第3のお宝を思い出し、何か関係がありそうだと気づいた。

四皇子は幼い頃から浅月が好きだった。
しかし浅月は三兄と親しくなり、自分の気持ちを伝える機会を失ったまま今に至る。

月岐公主との縁談が進む中、四皇子は後悔しないよう浅月に告白しようと決めた。
そこで酒の力を借りて雲王府へ乗り込むと、ちょうど母の命日で墓参りに出かけるところだった浅月と出くわす。
「実は…その~話があるんだ…つまり~私は~私は~」
すると運悪く三皇子が現れ、結局、告白できずに終わってしまう。

三皇子は容景を牽制するため、鳳凰関に浅月を誘った。

すると三皇子は庭卓の上にある作りかけの同心結びに気づいた。
「…この結び方は私が教えた」
「違うわ、彩蓮(サイレン)から習ったのよ?」
「まさか、これは母妃のやり方だ、他の者は知らない」
「( ̄▽ ̄;)ぁ…これから母の墓参りなの、もう行くわね」

浅月は雲青晴(ウンセイセイ)の墓参りにやって来た。
「本物の雲浅月はどこにいるのかしら?とにかく帰る方法が見つからない…」
すると後をつけて来た三皇子が物陰から浅月の様子をうかがう。
「望春楼(ボウシュンロウ)の火事で記憶を失ったの、三殿下との約束も忘れてしまって…別の人を愛したわ」
三皇子は思いがけず浅月の口から真実を聞き、逃げるように引き返した。
「娘(ニャン)、どうすればいい?まあ~いずれは帰るから別にいいんだけど…」←いいのかーい!w

公主の婚礼のため月岐から使節が到着した。
葉倩は腹心の侍女・阿烏(アウ)と再会、必ず四皇子と幸せになると誓う。
一方、宰相は皇帝が四皇子に後ろ盾のある妻を娶らせ、三皇子との縁談を拒否した娘に何も言わないことから、三皇子には見込みがないと判断した。
さすがの秦玉凝(シンギョクギョウ)も三皇子に同情したが、巻き込まれるのはごめんだという。
「父上は私を支えてくださいね」



浅月が墓参りから戻ると屋敷のそばで三皇子が待っていた。
「浅月、鳳凰関行きは私のためか?…本心が聞きたい」
「その~屋敷にいるより外へ出たくて…退屈だから…」
三皇子は悲しみをぐっとこらえ、明朝に迎えに来ると笑顔を見せて帰って行った。

四皇子は浅月が三皇子と鳳凰関に行くと知り、悶々としていた。
…やはり月岐公主との縁談は断る、何が皇子だ、天下だ!欲しいのは君だけだ…
一方、浅月も三皇子の言葉を思い出して眠れぬ夜を過ごしていた。
…どういたらいいの?でもとにかく行かなくちゃ、第3のお宝があるかもしれない…←そっち?w

翌朝、雲王は浅月のため自ら旅支度を揃え、迎えに来た三皇子に孫娘の世話を頼んだ。
見送りに来た香荷だったが、南梁睿と顔を合わせれば喧嘩になってしまう。
その頃、四皇子は浅月を追いかけるため、葉倩が止めるのも聞かず宮中を出ようとしていた。

容景は城門で初めて浅月が一緒に鳳凰関へ行くと知った。
弦歌(ゲンカ)は彩蓮と一緒で嬉しいが、あっさり三皇子に乗り換えた雲郡主に困惑する。
そんな一行を墨閣(ボクカク)の閣主が見ていた。

道中で浅月の乗った馬の蹄鉄(テイテツ)が割れた。
驚いた容景は急いで浅月のもとまで駆けつけたが、三皇子がこれみよがしに自分の馬に浅月を乗せてしまう。
一方、四皇子は必死で浅月を追いかけたが、途中で馬を潰した。
その間に浅月たちの一行が見えなくなってしまう。
「まただ、いつも一歩遅い…だから君には私が見えない
 分かっている、公主との縁談を断って全てを捨てても、君の心に私がいなければ全て無駄だと…」
すると四皇子は父皇から言われた通り、浅月を陰ながら見守ろうと心に決めた。



四皇子は激しい雨の中、歩いて徳王府に戻った。
すると門前で葉倩がびしょ濡れになりながら四皇子の帰りを待っている。
四皇子は驚いて葉倩を抱き上げ、慌てて寝所へ運んだ。

鳳凰関に三皇子一行が到着した。
官吏たちは揃って城門で出迎え、三皇子に宴席の用意があると伝えたが、容景には挨拶もない。
弦歌は思わず主人も皇帝直々の使節だと不満を漏らした。
気まずそうな馮時道(フウジドウ)たち、しかし気を取り直して作り笑いで容景に拝礼する。
すると容景はすぐ公署へ案内して欲しいと頼んだ。
三皇子は一緒に宴席に出ようと浅月を誘ったが、長旅で疲れたと断られてしまう。

つづく



( ̄▽ ̄;)浅月…他人事すぎるのよね〜





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最終更新日  2022.12.23 22:07:07
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