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2026.07.14
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カテゴリ: 朝雪録 全38話
※ATTENTION:ドラマにはグロテスクな内容が含まれています

朝雪录 Coroner‘s Diary
第27話

観音(カンノン)鎮事件の検視記録を調べながら京兆(ケイチョウ)府で朝を迎えた燕遅(エンチー)と秦莞(シンワン)。
秦莞はいつの間にか眠っていたが、目を覚ますと徹夜した燕遅がすでに張洞玄(チョウドウゲン)の疑わしい点をまとめていた。
「どうして彼を疑うの?」
「君と沈毅(シンキ)大人は信じる立場、私は疑う立場で捜査する
 それなら奴に振り回されずに済む」
資料の中には当時、張洞玄の家から見つかった3枚の地獄絵図があった。
秦莞はその絵が3人の死因と酷似していることに気づき、張洞玄から聞き取り調査したいという。


秦莞は張洞玄に地獄絵図を示し、3人の死因と重なると指摘した。
最初は重傷を負った弟から財産を奪った兄が皮を剥がされ死亡、2人目は妻の私通を偽装して再婚を企てた夫が舌を抜かれて死亡、3人目は父親を養わず外へ追い出し凍死させた息子が凍った川面に全裸で縛り付けられて死亡している。
しかし残酷な絵を見せられた張洞玄の顔から血の気が引いていた。
そこで秦莞は匕首を取り出し、刃先で張洞玄の指をわずかに傷つけて出血させる。
すると血を見た張洞玄は卒倒した。

張洞玄は血液恐怖症だった。
天道社(テンドウシャ)の血盟の儀式で倒れたのも無理はない。
張洞玄は当時、気づいていれば無実を証明できたはずだと憤ったが、秦莞は見抜ける役人はおろか医者さえ難しいと教えた。
「だが解せぬ、天道社はなぜ俺に罪を?官府に全てを暴露されてもいいのか?」
「それで信じてもらえた?」
確かに当時、張洞玄の荒唐無稽な話を誰も信じてくれなかった。

「あなたに罪を着せれば天道社の罪も存在も隠せて一石二鳥だったのね
 それで社主はどんな人物なの?」
「滅多に姿を見せなかったが白い仮面をつけていた
 背の高い痩せた男で年齢は不明、声は落ち着いていた」

張洞玄は潔白を証明してくれた恩に報いるため、全てを明かすと決めた。

社主自身も陥入れられた経験があり、黒い花弁に赤い蕊(シベ)の″無義花″を図案化、この種の花は処刑場でしか見られぬらしく、人の血を吸って咲く地獄の花だと言われていた。
殺害現場にこの花の絵を書くのは″天道なければ悪行が蔓延する″という世間への警告だという。
その時、燕遅が慌ててやって来た。
「九先生、都でも舌抜き事件が…」

船着場の小舟で舌を抜かれた死体が見つかった。
秦莞は早速、現場で初検を開始、燕遅が記録係を買って出る。
切り取られた舌は桟橋の上に落ちていた。
被害者は生存中に舌を抜かれており大量出血、すると被害者と一緒に小舟に積まれていた麻袋に無義花の絵があった。
「鉛粉(エンプン)筆による絵だ」
「…沈香の匂いがするわ」
すると京兆府尹・鄭白石(テイハクセキ)の命で絵師の寧不易(ネイフエキ)が到着した。
しかし寧不易は遺体を見るとまた気分が悪くなってしまう。

似顔絵のおかげで被害者の身元はすぐに分かった。
被害者の男は趙嘉許(チョウカキョ)。
趙夫人は夫が家計を支えるため魏(ギ)府へ通い、朝から晩まで学問を教えていたと話した。
しかし秦莞は被害者の下衣に染みを発見し、夫が妻に嘘をついて私通していたと知る。
結局、夫人に真実は伝えなかったが、これで天道社が下手人だと確定した。

秦莞と燕遅は張洞玄を訪ね、現場に残された無義花の絵を見せた。
実は張洞玄の実家は文具店で、彩色鉛粉筆を作る秘方があったという。
「この2色の鉛粉筆は社主の命で私が作ったものだ」
「もしかして墨に沈水香を加えた?」
「ああ、材料は全て支給された」
張洞玄の話では社主は礼法を重んじ天道に従う人で、全ての物事を暦法と時節に沿って行うという。
「社主によれば順序を乱せば天時も乱れると…」

皮剥ぎ事件に続き舌抜き事件、観音鎮事件と照らし合わせると次は凍死事件の可能性が高い。
燕遅は張洞玄に次の凶行の時刻と方角を推測するよう頼んだが、張洞玄は困惑した。
実は占卜師とは名ばかりで、若い頃に少し書物を読んだ程度の浅知恵しかなく、占いでは客の顔色を見て小銭を稼いでいたという。
仕方なく燕遅は観音鎮事件の節気と時刻、方角の関係を割り出すよう頼んだ。
「では今夜、あなたの症状を記録して殿下に渡します」
「明日には牢を出られる」
すると張洞玄は秦莞と燕遅に感謝し、恩人にその場で叩頭した。

茯苓(フーリン)はようやく戻ってきた秦莞を出迎えた。
すると明らかに忠勇(チュウユウ)侯府の侍女たちの様子がおかしい。
秦莞は街中での検視が知れ渡ったのだと分かったが気にする必要はなかった。
「近々、引っ越すから荷物をまとめておいて」
その頃、胡(コ)氏は侍女から九娘子が戻ったと聞いた。
噂通り勅命で検視を行い、京兆府や義荘に入り浸っているという。
勅命であろうと卑しい生業、胡氏はやはり娘の秦朝羽(シンチョウウ)と同列ではないと見下した。

燕遅が夜間の外出禁止令を奏上しようと決めた矢先、朔西(サクセイ)軍の兵糧に傷んだ古米が混入して兵糧が尽きたと報告が上がった。
皇帝は急ぎ皇太子・燕徹(エンテツ)と燕遅を呼んで協議。
燕遅の進言に従い、朔西に近く十分な備蓄がある涼(リョウ)州で兵糧を調達することになる。
そこで皇帝は皇太子に自ら朔西まで兵糧を届けるよう命じ、横領した不届きものを突き止めるべく燕遅を監察御史(カンサツギョシ)に任命した。

一方、素(ソ)貴妃・馮齢素(フウレイソ)は朔西軍に潜入させた鄭(テイ)という間者が未だ昇進もできず苛立っていた。
すると成(セイ)王・燕麒(エンキ)は今回の兵糧事件を機に間者が昇進できれば自分たちの計画も軌道に乗ると安心させる。
燕遅が監察御史になっても睿(エイ)王とは不仲、父親を御すことなどできないと分かっていた。
しかし素貴妃は皇帝が皇太子に大役を任せたことが気に入らない。
燕麒も皇帝が皇太子に功績を積ませるためだと分かっていた。
「母妃がどんなに不満でも燕徹は正妃の子、嫡子であり長子です、地位は揺らがない」
「本来なら趙淑華(チョウシュクカ)の子に長子の資格はない!
 晋(シン)王が存命なら出る幕などなかった!」
素貴妃は同日に入内(ジュダイ)し嫁ぎながら、年上という理由だけで皇后に冊封された趙淑華を深く恨んでいた。

兵糧事件で忙しくなった燕遅は燕離と岳凝に秦莞の護衛を頼むことにした。
そこで翌朝、2人と一緒に秦莞を訪ね、秦莞専用の馬車を贈る。
車は火に強く、並の剣では貫通しない上、車内には薬棚や茶具から休憩用の寝具一式まで準備されていた。
「礼は不要だ、刺繍入りの巾着を縫ってくれれば…」
「私、裁縫は苦手なの…何か手作りの物を贈ればいいのね?」
「ああ、それが言いたかった」
「仕事に戻って、私は大理寺で調べ物が…沈寺卿が残した資料もある」
「李牧雲の邪魔が入るやも、後日、私が付き添うよ」
「鄭府尹がいるわ、慎重に動くから安心して」
そんな仲睦まじい2人の様子を燕離と岳凝が見守っていた。




秦莞たちは急ぎ大理寺へ出かけた。
そこで鄭府尹が李牧雲に話を通している隙に架閣(カカク)庫へ向かう。
守当は李寺卿の許可がいると止めたが、郡主の捜査だと押し切られた。

秦莞が資料を調べている間、燕離は門を見張り、岳凝は戸の前に立ちはだかった。
するとついに李牧雲と鄭府尹がやって来る。
燕離は岳凝に報告し、無駄話で李牧雲を引き止めた。
その隙に岳凝は秦莞に知らせておいたが、痺れを切らした李牧雲が奥の書庫へ来てしまう。

李牧雲は永寧(エイネイ)郡主を押しのけ、戸を開けて書庫へ入った。
「どうかしましたか?」
ぎりぎり書物を片付け終わった秦莞は冷静を装い、奥の書棚から出る。
李牧雲は許可書を持参したが永寧郡主に阻まれたと釈明し、これから許可書を提出してくると言った。
「お待ちください、張洞玄は血液恐怖症を患っており殺しは不可能です
 無罪と断定し釈放しても?」
「郡主の保証があるなら構いません」
「それから沈毅大人の疑問点の記録が資料にありません」
「私の手落ちです、すぐ調査して報告します」
そこへ展(テン)捕頭が駆けつけた。
「永慈郡主、酔仙(スイセン)楼の氷蔵庫で遺体が…」

秦莞たちは急ぎ現場へ向かった。
そこで李牧雲は秦莞が何を調べていたのか確認したが、沈毅が目的ではないと知る。
「奴の娘だと思ったが…」
すると皇宮資料と後三宮資料の箱を開けた形跡があった。
「目的は晋王か…」

つづく


(  ̄꒳ ̄)医者は針を使うのに裁縫が苦手とかw





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最終更新日  2026.07.14 22:03:18
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