大阪市住吉区・住之江区の学習塾『創心館』のブログ

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2017.07.20
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自分の体を思い通りに動かす。

普段多くの方は歩くときに、
「右足と左手を前に出して、次は左足と右手を前に…」
なんて、考えながら歩いていませんよね?
他にも座って本や新聞を読んだり、食事をしたりするときに
「足は地面につけて、背筋を伸ばして、腕の力は抜いて、手は物を落とさないぐらいの力で…」
なんて、考えているでしょうか?
中には、姿勢を正すことに意識を集中して取り組んでいる方もいるかと思いますが
そうなると肝心の本の内容や食事の味は、十分楽しめているでしょうか?

発達途上の子どもたちはおそらく、
「背筋を伸ばして!」「足をぶらぶらしない!」と言われると
その時はできても、だんだんと崩れてくるでしょう。
いわゆる、「姿勢の保持が苦手」と言われやすい子どもたちです。

実は、大人になってもこれらの傾向が残ってしまうことがあります。
姿勢の保持というのは体中の色々な筋肉を、
同時に/順番に、緊張させて/緩めて、という動きが
適切なバランスで行われて初めて可能になると言われています。
先に挙げたような、歩くときに自分の手足の動きを確認しないと
右手と右足が同時に出てしまう人は、実際にいます。
中には、こたつの中に足を入れると


このことは、体を思い通りに動かせる人が優れていて
動かせない人は劣っているという意味ではありません。
体を思い通りに動かせないからといって
ただちに発達に凸凹があるとか、そんなことは決して言えません。
体を思い通りに動かせていると思っている人でも

過度に力が入っている箇所を見つけてもらえるでしょう。

知っておいてもらいたいことは、
姿勢の保持が苦手な子は
何かに集中するときにエネルギーをそこへ向けると
無意識的に本人にとって楽な姿勢になりやすいということです。
学習がその最たる例です。
姿勢を正すように促されるとそこに意識が集中してしまい、
肝心の学習内容が入ってこなくなります。
そして学習に集中しだすとまた姿勢が崩れてきて、また注意され…
これを繰り返していると子どもはだんだん意欲をなくしていきます。
もしくは、大人に怒られないためのただの作業になってしまうかもしれません。

一般的に「正しい姿勢で学習したほうが集中しやすい」と言われがちですが
それは、「正しい姿勢を取ることにさほどエネルギーを使わなくて済む」
体になってからの話です。
実は学習だけでなく、将来の夢を抱くこと、自分の意思を伝えること、
思考したりイメージしたりすること、何かを作ること、
これらはすべて、自分の体を思い通りに動かせるようになればなるほど
実行しやすくなります。
「じゃあ思い通りに動かせない人は(先に挙げたことが)できないの?」
そんなことはありません。
ただ、動かせる人に比べると多くの時間や労力を要する可能性はあります。

自分の体を思い通りに動かすということに対して、
次のような批判があるかもしれません。
「生まれつき筋肉が発達しない子や動かせない子は、どうやって動かすんだ」
「事故で動かなくなったり無くしたりした場合、動かせないじゃないか」
このような批判には確かに一理あるかもしれません。
ただ、この観点はあくまで「通常の発達(身体機能)」を基準とした
見方ではないでしょうか。
私の考えは、「その子が思っている通りに自分の体を動かせる」ことであって
他の子と同じことができるようになることが重要だとは考えていません。
赤ちゃんが覚束ない手足をじたばたさせているのが楽しそうなように、
その子にとっての喜びが最も大切だと思っています。

では、どうすればいいのか?
残念ながらちょっと長くなり過ぎましたので、
今回はひとまず本の紹介で終わります。
次回、色々なアプローチ法についてお話できたらと思います。
最後まで閲覧いただき、ありがとうございました。

垣内 宏樹

#2
人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長
少し値段はしますが、非常に読みやすいです。私が発達についてもっと学びたいと思ったきっかけになった本です。



カウンセリングルーム住吉
https://counselsmys.wixsite.com/soushinkan





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最終更新日  2017.07.22 13:50:41
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