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======///すずき・たたむのメディア研究 #5///========= ☆☆★★ O0o.メディア、素っ裸.o0O ★★☆☆============================================2002/10/20 おことわり~3ヶ月ぶりの発行で申し訳ありません。夏場、体調不良により、メルマガだけでなく、すずき・たたむ関連サイトの更新も滞りました。涼しい秋になり、回復傾向。ぼちぼちと、書いていこうと思います。--------------------------- ★■□// 又聞き記者 //□■★ マスコミ報道の中で、注目度の高いテーマと言えば、やはりスポーツが含まれるだろう。だが、このスポーツ報道、実際には、かなりの「手抜き」が横行している。今回は、かつてスポーツ記者だったS氏に会い、見聞した出来事の一部を紹介してもらった。 ~~~~~~~~~~~ 「Nさん、すみません、E新聞のYです。3時からの記者会見、出ました? あっ、そう! ちょっと、教えて! そんなこと言っていましたか。ふむふむ。それで? あ、スポーツ紙に出ていた、あれのことね。内容は、あの記事のまま? ほとんど同じなんだ。そうなんですか、なるほど! いや、助かりました。どーも、どーも!」 電話していたのは、E新聞スポーツ報道部に所属する不惑のベテラン記者Y。記者になって十数年。スポーツ取材歴は、もう7年になる。自身も、かつては格闘技系競技の選手として、そこそこの成績を収めた。スポーツは、人一倍、好きだ。そして、自分の仕事も好きな男だった。彼の文章は滑らかで、大胆で、読者にも多くのファンがいる。 ただ、情報収集するネタの大部分が、冒頭のように、同業他社に所属する記者への電話による情報聴取に基づくものだった--。 -------------------------- 最初に断っておくと、実を言うと、日本のスポーツ取材の世界では、「又聞き」はある程度、許されている。すなわち、必ずしも「ルール違反」ではないのだ。 例えば、プロ野球の取材。 試合が終わると、担当の記者たちは、バックネット裏の記者席から一塁、三塁のベンチ裏へと走る。スポーツ紙の場合は、1試合に何人もの人員を割いて取材している。最低限、本拠地側とビジター側の担当が1人ずつ、付いているのが普通だ。 だが、中央紙や地方紙の場合は、1人でその試合全体を担当するケースが多い。取材できる時間はごく短い。1人で両方のベンチ裏に行くわけにはいかないから、ライバル紙の記者と協力・分担して取材することも多いのだ。話したくないという選手がいる場合、球団の広報を通じて、コメントをもらうことも、よくある。 直接、選手やコーチ話を聞かないで、「取材」したことにしているのだ。いや、それだけではない。こんな「取材」がある程度終わると、各社の記者は、球場内の記者室や廊下などに集まって、このような会話を始める。 -------------------------- A記者「じゃ、監督の話、読みます。『田中がピリッとしなかった。ブルペンでは、腕が振れていたが、客がいると、ビビるんだろうな。2試合続けて3回でKOだからな。これじゃ、先発は任せられん。下(2軍)で鍛えなおしてもらおうかと思っている』と、飲んでいた水の紙コップを握りつぶす……。以上です」 (一斉に)「ありがとうございます」 B記者「その田中ね。『調子は悪くなかった。三回の(ホームラン)連発は、どちらもスライダー。次に頑張ります』だって。次はないだろうにな」 C記者「えーと、投手コーチはね、『先発が3回で8点取られちゃ、話にならん』と、ひと言!」 (一斉に)「ありがとうございます」 -------------------------- こういう「メモ交換」という方法は、スポーツ記者のほか、政治記者も同様にやっているという。だが、取材の対象に直接、話を聞いた記者は少ない。立ち話を元に、メモしたうえで他の記者に伝えているために、どうしても言葉が曲がって伝わったり、ニュアンスが変わることがある。他の記者が聞かない選手らに単独で取材していて、メモ交換の場に加われなかった記者は、「又聞き」した人を探して、さらに又聞きしなければならないので、なおさら選手の「生の声」からかけ離れていく。 巨人の清原選手など、関西出身のプロ野球選手の言葉が、たびたびヘンな関西弁で報じられるのも、こういう部分に原因の一部があるようだ。シアトル・マリナーズの鈴木一朗(イチロー)選手は、オリックス時代にマスコミ嫌いになった。これについても、S氏は「言ってもいないことを書かれることが多かったのが、大きな要因の一つだったと聞いている」と語る。 同じように、政治家の中にも、「こんなことは言っておらん」などと怒る人がいる。「根」は、スポーツと同じ部分にあるようだ。 こういう取材方法を肯定的、積極的に評価するとすれば、「特ダネ以外では、無用な争いはやめよう」という共通の意図が感じられる。確かに、メディアが集中豪雨のように取材対象を攻撃するのはやめなければならないケースが多いと思う。だが、記者の仕事って、なんだろう? 「ニュース」である人の話を直接聞いて、報じることではないのか。 -------------------------- さて、話をE新聞のY記者に戻そう。 プロ野球も、ラグビーも、バレーボールも、一通り取材経験のあるY記者だ。スポーツの知識は豊富だ。ネタさえ手に入れば、後は百戦錬磨の敏腕ライター。電話で聞いただけのことを、まるで見たかのように生き生きと書いた。 「『○○』と、はじけるような満面の笑顔を見せた。だが、『××』と尋ねられると、『△△』と、口元を引き締めた」--のような表現を使って……。 S氏によると、Y記者は今、スポーツ報道部幹部への道を、ひた歩いているそうだ。 ~~~~~~~~~~~ 次回は、営業を強要される記者についてお伝えしようと思う。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@yahoo.co.jp へ。■掲示板があります。http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00066739/ ----------------------------------------------------------------------♪発行者 すずき・たたむ♪
2002年10月20日
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こんにちは。すずき・たたむです。梅雨が明けました。暑い夏がやってきました。昨日は、タフィ(大阪近鉄のローズ選手)が久しぶりにホームランを打ったようです。29号本塁打。もちろん、今季、セ・パ両リーグ通じて、トップです。今月は打撃不振でしたが、これからまたアーチを量産してくれるでしょう。僕とタフィとの関係については、こんなものを書いたことがあります。↓http://www.mainichi.co.jp/sports/rose/column.html よろしかったら、ご覧下さい。ところで、発行以来、読者が増え続けているメールマガジン「O0o.メディア、素っ裸.o0O」ですが、次回はスポーツについて書きます。といっても、スポーツそのものではなく、スポーツジャーナリズムの堕落について。スポーツそのものは、ライバルズの「夏でもウマい冬物語」で書きます。メディア・ジャーナリズム批評については、メルマガでも取り上げていきます。現在、取材中です。もうしばらく、お待ち下さい。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@hotmail.com へ。------------------------------------------------★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 ♪発行者 すずき・たたむ♪☆他に、「O0o.メディア、素っ裸.o0O」というメールマガジンも発行しています。掲載サイトは、以下の通りです☆(登録・解除は、こちらで出来ます。各誌の人数は、前回発行2002年6月3日→12日→7月12日現在の読者数)・ゴザンス ( 7→ 8→11人) http://www.gozans.com/home/media/ ・まぐまぐ ( 1→203→216人) http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000091708 ・めろんぱん( 3→ 4→56人) http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=002866 ・パブジーン(28→31→33人) http://www.pubzine.com/detail.asp?id=18261 ・メルマ ( 2→ 2→4人) http://www.melma.com/mag/39/m00066739/ ■掲示板があります。http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00066739/ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++(rivals japan 2002年7月23日)
2002年07月23日
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こんにちは。すずき・たたむです。 台風が来ているはずなんですが、大阪はいたって平穏です。大雨が降った地域にお住まいの方、被害にあわれた方、たいへんだったことでしょう。1日も早く、普段の生活に戻ることが出来ますように、お祈りしております。 さて、「夏でもウマい冬物語」ですが、再び、「夏眠」状態。どうも、すみません。正直言いまして、この蒸し暑さにばててます。この夏の間に体を少し鍛えて、筆力もアップさせたいと思っています。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@hotmail.com へ。------------------------------------------------★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 ♪発行者 すずき・たたむ♪☆他に、「O0o.メディア、素っ裸.o0O」というメールマガジンも発行しています。掲載サイトは、以下の通りです☆(登録・解除は、こちらで出来ます。各誌の人数は、前回発行2002年6月3日→12日→7月12日現在の読者数)・ゴザンス ( 7→ 8→11人) http://www.gozans.com/home/media/ ・まぐまぐ ( 1→203→216人) http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000091708 ・めろんぱん( 3→ 4→56人) http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=002866 ・パブジーン(28→31→33人) http://www.pubzine.com/detail.asp?id=18261 ・メルマ ( 2→ 2→4人) http://www.melma.com/mag/39/m00066739/ ■掲示板があります。http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00066739/ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++(rivals japan 2002年7月16日)
2002年07月16日
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======///すずき・たたむのメディア研究 #4///========= ☆☆★★ O0o.メディア、素っ裸.o0O ★★☆☆============================================2002/07/12 ★■□// 内緒の話はアホなのね(2) //□■★ 借金を抱えて夜逃げしたある町の議員をめぐる報道の第2回。今回は、この町を担当していた中央紙のT記者が驚いた他のメディアの「奇行パート2」をお送りする。前回は、取材をしないで記事を書こうとする地方新聞の記者の話だったが、今回は、怠慢週刊誌の取材の一端をお知らせしよう。もちろん、今回も、現役の新聞記者から聞いた実話だ。====================== 西日本のある町の議員が1日だけ議会に登場して、数日後のことだ。議員は、この「1日」の出席によって、任期(4年)の残り1年間も議会に出なくても、計600万円(税込み)がもらえることになった。実際、この議員は報酬を受け取り続ける権利を得た。 T記者と、同僚たちは、なんとかこの議員を早期辞職に追い込もうと、続報を狙っていた。そんな時だった。聞きなれた名前の週刊誌の編集部から、Tの勤める会社に電話があったのは――。 「週刊××です。例の夜逃げ議員の話を、ちょっと教えてほしいんです」 たまたまTが電話を取った。相手の男は、丁寧な口調だった。 「どんなことですか?」とT。 「詳しく教えていただきたいと思いまして。薄謝をお送りしますので」 どうも、臭い。Tは、自分よりも、もっと責任のある人間に答えさせた方がいいと考えた。 「デスクに代わります」。Tは、電話を上司に振った。 デスクは、しばらく、週刊誌記者を名乗る男と電話で話していた。とは言っても、今までTの新聞が書いた記事のスクラップブックを開いて、その要点を答えているだけ。田舎の事件とはいえ、全国的に有名になった事件だ。中央紙なのだから、東京でも、大阪でも、記事は載っているはずだ。新聞は広く出ているわけだし、見つからなければ、図書館やデータベースでも探すことが出来る。 十数分、いや20分もデスクは話していただろうか。週刊誌記者が「薄謝をお送りする」と再び言ったらしく、デスクは「お礼は結構ですから、掲載誌をお送り下さい」と伝えて、電話を切った。 切るなり、デスクは、「アホだな。自分で取材もせんと、こんなふうに聞いてくるんだな」と、週刊誌の態度をバカにしていた。 だが、本当の意味で、「怠慢」が分かったのは、さらに数日後だった。 -------------------------- 議員の町の役場で、1冊の週刊誌が話題にのぼっていた。「週刊××」だった。 役場の職員が、久しぶりに会ったTに声をかけた。 「Tさん、『週刊××』読んだ?」 「いいえ、まだなんですよ。例の議員の話が出てるらしいですね」 職員は、にやりと笑い、Tに紙面を見せた。 「何ですか、これ!」 Tは絶句した。週刊誌の紙面に載っている写真といい、記事の中で、地元の記者が話したとされるカギカッコの部分といい、すべては、Tの新聞が載せた、そのものだった。写真は、新聞に載ったものを複写したのかもしれない。不鮮明な写真だった。驚いたのは、記事の方だ。要点となっていた部分は、Tの新聞に書いてあった記事を、話し言葉に変えて、カギカッコで括っただけだった。 さらにおかしいのは、カギカッコの後ろに、必ず、(社会部記者)と、話し手が「誰」かを書いてあること。これは、明らかな間違いだとTは思った。なぜなら、中央紙の「社会部」は、東京、大阪、名古屋などの大都市しか基本的には担当しない。もちろん、大震災や誘拐事件など、よっぽど大きなものならば、多くの記者が現場に集められることは言うまでもない。 しかし、今回の事件は、田舎で起こったもので、出来の悪い議員1人が「主人公」だ。中央紙でいう「地方部」とか「通信部」と呼ばれる部署のうち、1地方機関に所属する記者が数人でチームを組んで書いているものだ。 今回の事件は、「社会部」にご登場いただくような「大事件」ではない。雑誌記者が、新聞社の組織をよく知らないにもかかわらず、「事件取材なら、社会部の記者がやっているはずだ」と決め込んで、書いたようだ。こういうところにも、怠慢取材の形跡が残っている。 週刊誌の記事を読み終えたTは、妙な脱力感に襲われた。そして、この雑誌を見せてくれた職員に話しかけた。 「この週刊誌から、何日か前に、電話がかかってきたんですよ」。上司が応対したこと、どんなやり取りだったかも、伝えた。 それを聞くと、職員は、苦笑いしながら言った。 「まぁ、記事は正確だよね。Tさんのところの記事を、丸写ししただけなんだから」 -------------------------- その後、雑誌の編集部からの「お礼」はどうなったか。「薄謝」はもちろんのこと、「掲載誌」すら、待てど暮らせど、Tの職場に届かなかった。まぁ、別に、Tの職場に必要なものでもなかったのだが。 ~~~~~~~~~~~ 2回シリーズでお送りした「内緒の話はアホなのね」は、これで終わる。次回は、意外と知られていないスポーツ記者の、日常的な怠慢ぶりをお伝えしようと思う。++++++++ご意見紹介++++++++++++++++++++++++++++++++ 第3号を発行後に届いた読者からの感想をご紹介したい。 ★1人目> 初めまして。> まぐまぐからのメルマガ購読者です。> > バックナンバーとあわせて読みましたが、> メディアの倫理であるとか、取材者の実態などが判って> 非常に興味深い内容です。 ありがとうございます。メディアには、頑張ってほしいのです。だから、シリをたたこうと思うのです。このような励ましがいただけるとは思っていませんでしたので、ものすごく、うれしく思っています。 ★2人目> メルマガの件名を> 「O0o。.メディア、素っ裸.。o0O +号数(または日付)」などに> 揃えた方が良いのではないかと思ったのです。> > 他の発行媒体のものを見ていないので、> その辺りをどうされているか、わかりません。> ただ、件名が怪しい(?)と、> 読まずに、ポイしてしまいそうになります。> > 私は、たたむさんからのメールを> fromのアドレスでフィルタリングしてるので、> そういう間違いはない(はず)です。> でも、件名でフィルタリングできたほうが> 便利な場合もありますし、> 保存したとき、区別がつきにくいかな~と思います。 なるほどぉ。ちょっと、考えさせてください。実は、自動的に号数がつくメルマガ(発行媒体)もあるのです。それを生かせるかもしれません。
2002年07月12日
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こんにちは。すずき・たたむです。 あっという間にサッカー・ワールドカップが終わってしまいました。 最終的にはブラジル。決勝は、ドイツとの強豪対決で、見どころの多い試合でした。 にわかにサッカーファンになった人も多いと思いますが、7月5日から再開するJリーグでも、熱戦が展開されることを期待したいですね。 「夏でもウマい冬物語」は、「本業」の冬もののシーズンインまで、かなりあるので、今度はまた野球を中心に、他競技への“殴りこみ”を続けようと思っています。 ご意見、ご要望をお待ちしています。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@hotmail.com へ。------------------------------------------------★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 ※ 新連載【日刊?日韓W杯】をスタート!♪発行者 すずき・たたむ♪☆メールマガジン掲載サイト☆(登録・解除は、こちらで出来ます。各誌の人数は、前回発行2002年6月3日→12日現在の読者数)・ゴザンス ( 7→ 8人) http://www.gozans.com/home/media/ ・まぐまぐ ( 1→203人)http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000091708 ・パブジーン(28→31人) http://www.pubzine.com/detail.asp?id=18261 ・めろんぱん( 3→ 4人) http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=002866 ・メルマ ( 2→ 2人) http://www.melma.com/mag/39/m00066739/ ■掲示板が出来ました。http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00066739/ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++(rivals japan 2002年7月2日)
2002年07月02日
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こんにちは。すずき・たたむです。 サッカー・ワールドカップ、大詰めですね。僕は今回、会場に行けませんでしたが、多くの知り合いが日韓両国で取材を続けていますので、会場の様子は断片的に入ってきます。今日、明日が準決勝、29日に3位決定戦、30日に決勝戦と、あと4日・4試合だけ。ブラジル対韓国、ドイツ対トルコという、いずれも「伝統国対伸び盛りの国」の準決勝を堪能したいと思います。 さて、「日刊?」の名の通り、断続的にしか続けられなかったW杯企画【日刊?日韓W杯】。大会に絡み、もう2、3回執筆予定です。ご意見などがありましたら、ぜひお聞かせ下さい。 スポーツ以外のメディアについて語るメールマガジン「O0o.メディア、素っ裸.o0O」も着々と読者を増やしています。第4号発行も近いうちに発行します。第3号までは、バックナンバーでお読み下さい。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@hotmail.com へ。------------------------------------------------★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 ※ 新連載【日刊?日韓W杯】をスタート!♪発行者 すずき・たたむ♪☆メールマガジン掲載サイト☆(登録・解除は、こちらで出来ます。各誌の人数は、前回発行2002年6月3日→12日現在の読者数)・ゴザンス ( 7→ 8人) http://www.gozans.com/home/media/ ・まぐまぐ ( 1→203人)http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000091708 ・パブジーン(28→31人) http://www.pubzine.com/detail.asp?id=18261 ・めろんぱん( 3→ 4人) http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=002866 ・メルマ ( 2→ 2人) http://www.melma.com/mag/39/m00066739/ ■掲示板が出来ました。http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00066739/ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++(rivals japan 2002年6月25日)
2002年06月25日
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2002年6月15日付けの朝刊各紙(いずれも大阪本社発行最終版)は、いずれも1面で日本のサッカー・ワールドカップ決勝トーナメント初進出を伝えた。6月4日のベルギー戦、9日のロシア戦に続いて、14日のチュニジア戦でも、一部の新聞などが日本選手の評価を点数化している。前回に引き続き、日経、アサヒ・コム、読売、英国の新聞「ザ・サン(The Sun)」の評価を紹介しよう。「日経、アサヒ・コム、読売、ザ・サン」の順番とした。 アサヒ・コムは「asahi.com現地班が見た日本代表の評価」(http://www2.asahi.com/2002wcup/group_H/tun_jpn/win02.html )で、前半のみ出場の選手は前半終了時の評価。他の選手は試合終了時の評価。ザ・サンは、http://www.thesun.co.uk/article/0 ,,3-2002271095,00.htmlによる。なお、「チ」はチュニジア戦、「ロ」はロシア戦、「ベ」はベルギー戦での評価。===================================GK楢 崎チ6・5、○、6・5、6ロ7・0、◎、6・5、7べ6・0、○、5・5、6)DF中田浩チ7・0、○、7・0、7ロ7・0、○、6・5、7ベ5・5、◎、5・5、7)松 田チ7・0、△、6・5、7ロ7・5、◎、5・5、6ベ5・5、△、5・0、6)宮 本チ7・0、◎、6・5、7ロ7・5、◎、6・0、7ベ5・5、△、4・5、6)MF服 部ロ5・5、○、6・0、6ベルギー戦、チュニジア戦は出場せず稲 本チ5・5、○、6・0、6ロ7・5、◎、9・0、9ベ7・0、◎、8・0、8)戸 田チ7・0、○、8・0、6ロ7・5、◎、8・5、6ベ6・0、○、6・0、7中田英チ8・0、◎、9・0、7ロ6・5、○、8・5、8ベ6・5、◎、6・5、7小 野チ7・0、○、7・0、7ロ6・5、○、6・0、7ベ6・0、△、6・5、5市 川チ6・5、◎、7・5、7ベ5・5、○、5・5、7ロシア戦は出場せず明 神チ7・0、○、7・5、6ロ6・5、○、6・0、6ベルギー戦は出場せず福 西ロ―、○、―、5(日経と読売は、いずれも、出場時間が短く評価できずの意のコメント)ベルギー戦は出場せず三都主ベ5・5、○、6・0、6ロシア戦、チュニジア戦は出場せず小笠原チ―、○、―、6(日経と読売は、いずれも、出場時間が短く評価できずの意のコメント)ロシア戦、ベルギー戦は出場せずFW鈴 木チ6・5、○、7・5、6ロ6・0、◎、6・5、7ベ7・0、○、7・5、7柳 沢チ6・0、◎、5・5、6ロ6・0、◎、7・0、7ベ5・5、△、6・0、7中 山ロ5・5、◎、6・0、5ベルギー戦、チュニジア戦は出場せず森 島チ7・5、◎、9・0、8ロシア戦は出場せずベ5・5、◎、6・0、6 ※敬称略。服部選手は、アサヒ・コムがDF、他はMFと分類。森島選手の守備位置は、日経がFW、asahi.comと読売はMFに分類。=================================== こうして比較してみると、日経の評価はメリハリがなく、良く分からない。チュニジア戦の場合、稲本選手の5・5から中田英選手の8・0までの幅があるが、他の選手は、柳沢選手の6・0と、得点を挙げた森島選手の7・5を除くと、すべて6・5か7・0。一覧表を見ると、同じような数字が並んでいる。しかも、得点に絡むなど、何度も攻撃の起点になった市川選手の評価が6・5とそれほど高くなく、理由も「アシスト1。しかし失敗クロスも」と、よく分からない書き方をしている。 その点、読売は、記者が「いい」と思ったであろう選手には高い点がつき、柳沢選手のように「やや動きが鈍く、攻撃のリズムを狂わせた」選手は5・5と、低い点がついていて、分かりやすい。 決勝トーナメントでは、各社は、どんなふうに評価し、理由付けするのか。その判断が、正直言って「見もの」だと思っている。
2002年06月18日
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こんにちは。すずき・たたむです。 サッカー・ワールドカップが連日、にぎやかに行われていますね。大会前にマスコミが「有力」と報じていた出場国が、次々と負けて、楽しみが減ったという人もいるようです。 でも、僕は違います。こういう大会こそ、サッカー界に新しい風を吹き込むきっかけになると考えています。僕に言わせると、スポーツの楽しみには、大きく分けて、三つあります。一つは、無条件で応援しているチームが勝つこと。次は、レベルの高い選手のプレーが見られること。そして、何よりも大きな楽しみは、新しいスターが生まれる瞬間を確認できることです。 そういう意味で、今大会は、今までのサッカーW杯では見られなかった、素晴らしい大会だと考えています。 さて、飛び石連載中の【日刊?日韓W杯】。大会終了まで、ちょっとずつ書いていくつもりです。ご意見などがありましたら、ぜひお聞かせ下さい。スポーツ以外のメディアについて語るメールマガジン「O0o.メディア、素っ裸.o0O」も着々と読者を増やしています。近日中に第3号発行予定です。こちらも、ぜひご講読を。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@hotmail.com へ。------------------------------------------------★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 ※ 新連載【日刊?日韓W杯】をスタート!♪発行者 すずき・たたむ♪☆メールマガジン掲載サイト☆(登録・解除は、こちらで出来ます。各誌の人数は、前回発行2002年6月3日→12日現在の読者数)・ゴザンス ( 7→ 8人) http://www.gozans.com/home/media/ ・まぐまぐ ( 1→203人)http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000091708 ・パブジーン(28→31人) http://www.pubzine.com/detail.asp?id=18261 ・めろんぱん( 3→ 4人) http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=002866 ・メルマ ( 2→ 2人) http://www.melma.com/mag/39/m00066739/ ■掲示板が出来ました。http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00066739/ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++(rivals japan 2002年6月18日)
2002年06月17日
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サッカー日本代表、中田英寿選手が知人に「最後のW杯」について語ったと朝日新聞(2002年6月5日付け朝刊)が報じた件で、6月13日発売の週刊文春と週刊新潮が、続報を載せている。13日付け朝刊各紙に広告が載っていたため、早速購入して読んでみた。文春と新潮の書いた内容が正しいという前提で言うと、「【日刊?日韓W杯6】「ヒデ引退」報道」(http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210&p=2&stid=8088831 )で書いた「朝日は信念を持ってこの記事を書いた」という点を改めて強く感じた。他のメディアは、この問題をきちんと検証すべきだ。 両誌を比較すると、週刊文春の方がはるかによく情報を集めており、読み物としても数段面白い。 週刊文春には、中田英選手の所属事務所社長が、記事を書いた朝日新聞の忠鉢信一記者の携帯電話に連絡した様子や、スポーツ紙記者の話として、忠鉢記者本人がW杯公式ガイドブックで中田英選手をインタビューしたこと、さらに忠鉢記者は中学高校時代に日本ユースに選抜されたサッカー選手だったことなどが書いてある。 こういった背景を踏まえれば、6月5日付け朝刊で朝日が報じた「日本代表でプレーするのはこのW杯が最後だと、中田英寿(25)が周囲に伝えた。決意は固い」という書き出しの記事は、単なる「一サッカー担当記者」が十分な取材がないまま書いた「飛ばし」記事ではないと考えた方が自然だろう。 すなわち、実際に中田英選手がそういった「決意」を持っているかどうかは別として、忠鉢記者も、その原稿を載せた朝日新聞も、「絶対に間違いない」という自信を持って記事を掲載しており、いくら批判されようが、筋は曲げないのだろうと想像できる。 ということは、逆に言えば、ファンや読者の立場からは、朝日に対して、疑問点をどんどん指摘していいことになる。さらに、他の新聞が朝日の名前を伏せたまま中田英選手の否定会見を掲載したのは、やはり不十分だったと言える。なぜならば、マスメディアは、選手に直接会えないファンや読者の代わりとなって、疑問点を聞く立場でもあるからだ。 一方の週刊新潮は、簡単な取材で申し訳程度で書いたという印象を受けた。 中田英選手の所属事務所と、朝日OBのジャーナリストには取材しているが、週刊文春には書いてある忠鉢記者本人をめぐる部分が、全くない。このため、記事としての厚みが格段に違ってしまった。 両誌に対して、朝日は「真実性には自信を持っています」と答えている。しかし、現時点で、朝日の記事の信憑性が現段階で証明されたわけではない。他の新聞が真実の追究と、朝日の追及をやめてしまっている現段階では、両誌を含めた雑誌や電波メディアなどが、しっかりと責任を果たしてほしい。(rivals japan 2002年6月13日掲載)
2002年06月13日
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======///すずき・たたむのメディア研究 #3///========= ☆☆★★ O0o.メディア、素っ裸.o0O ★★☆☆============================================2002/06/12 ★■□// 内緒の話はアホなのね(1) //□■★ 西日本で数年前、ある町の議員が借金を抱えて夜逃げした。その町の条例では 、1年間、議会活動をしなかったら、議員報酬の支給が止まる。税込みで月に50万円。任期切れまで、まだ1年ほどあった。ということは、年に1日だけ議会に出れば、あと364日は働かずに計600万円(税込み)がもらえる。ギャンブルで借金まみれになった男に、この「収入」は大きかった。実際に、議員は期限切れ直前に1日だけ、議会に出た。そして、報酬をきちんと受け取り続けた。 この議員をめぐっては、中央紙が1社だけ先行して特ダネを連発していた。前号でも書いたように、記者にとって、「抜かれる」ことは、能力がないという証明になる。「抜かれ」まくって、追い詰められた地元新聞の記者は、ある日、記者として、絶対にやってはいけないことをやろうとしていた。 今回も、現役の新聞記者から聞いた実話だ。====================== 地方新聞の社会部記者Nは、同じ町を担当する中央紙のT記者に小声で話しかけた。その地域を担当する記者の詰め所になっている記者クラブから、同業他社の記者や職員が席を外した瞬間を狙っていたかのようだった。 「Tさん、教えてくださいよ。昨日、おたくに載ってた議員の話は、どこから出てきたんですか」 Tは、耳を疑った。新聞記者が記事を書いた時、「誰から聞いた」ということは、絶対に口外してはならない職業倫理だからだ。これは、世界的に認められている。そんな「職業倫理」うんぬんを以前に、実際に活字になった記事以外の情報は、相手が誰であっても教えられるものではない。どんな仕事でも、そういったルールやマナーはあるだろう。 N記者は40歳代前半。妻も子どももいると聞いていた。記者歴は、20年近いのではないだろうか。そんな人間が、記者としての「イロハ」の「イ」を度返しして、「取材源を教えてくれ」と尋ねて来たのだ。 「そんなの、言える訳、ないじゃないですか」。Tは苦笑いして答えた。Tはまだ20歳代。記者になって5年ほどしか経っていなかった。だが、それまでは「まともな」先輩方に恵まれていたせいか、記者としての常識も身に付けつつあった。Tとすれば、こんな話は、ここで終わると思っていた。 しかし、Nは続けた。「記者同士の話として、ここだけの話、しましょうよ」 「この人は、何を考えているんだろう。恥ずかしくないんだろうか」。Tがもし、同じように「抜かれた」立場ならば、記者クラブの中で安閑とはしていられない。事実、N以外の同業他社は、議会や役所、地元の有力者などを回って、「抜いた」社の情報が正しいのか、もっと隠れた話はないのかと、探り続けるはずだ。それを、よりによって、記者クラブの中で、ネタ元を知っている記者に対して、ただ「教えてくれ」というとは! 自分なら、恥ずかしくて、口が裂けてもそんなことは言えない。 Tに対して、Nはしつこく質問を続けた。前日の新聞を開いて、論評を始めた。 「ここの書き方は、よく分からないんですよね。その次は、うちも分かったんだけど、これだけじゃ、記事にならないし…」 確かに、Nのいる地方新聞は「抜かれ」に対しては上層部の締め付けが厳しいと聞いていた。経営が厳しいそうで、社員の仕事ぶりは、給与にも反映してくるという。しかし、そんなことと、記者としての取材態度は関係がない。 5分ほど聞いてやっていたが、Tは、もう、Nを相手にするのもばかばかしくなって来た。「取材があるから」と伝えて、Tは、記者クラブを出た。今回の事件とは関係ない、別の町に取材に向かうことにしたのだ。 記者クラブを出た後、一瞬、Nが追いかけてきたような気配があった。だが、無視した。取材先とは自分で開拓するものだ。他社の記者にネタ元を尋ねるような怠慢な人間は、相手にする必要はない。そんな人間は、「記者」ではない。Tにとって、Nとの会話は、時間の無駄だった。 Tの新聞は、その後も、議員をめぐる取材をしっかりと続けた。そして、Nの新聞に載っていない新事実を、載せ続け、問題の議員に、次回の選挙出馬を断念させた。 その間、Nの新聞には、ウラ(確認)を取ったのかどうか分からないような記事が多数載った。Nの新聞の読者は、そんな記事を、読まされ続けた。 ~~~~~~~~~~~ ただ、Tが驚いた他のメディアの「奇行」は、これだけではなかった。次号では、今回の続編として、Tとその同僚が体験した怠慢週刊誌の取材の一端をお知らせする。++++++++ご質問に答えて++++++++++++++++++++++++++++++++ 第2号を発行後に届いた読者からの質問に答えたい。> 今回の記事は、10年も前とのことですから、> まだ、新聞各社が掲載時期の早さを> 競っていた時代の話ですよね。> 今も、そういう面はあるのかもしれないけど。今も、まさに「そういう面」しかないでしょう。> 以前から読者として不思議だったのは、> なぜ、新聞は正確さを犠牲にしてまで、早さにこだわるのか、> ということです。> きっと、最近は変わってきたのでしょうし、変わっていません。基本はほかのメディアに載っていないことを、最初に書くということが「ニュース」の仕事だと考えているのでしょうね。そういう意味では、未来永劫変わらないと、僕は考えています。それに、書いた本人や載せたメディアは、そのニュースが「正確」だと考えているはずです。多少、違う点があったとしても、それは「誤差」(苦笑)。「誤差」があまりに大きいから、後で問題になるんでしょうね。> 次回のコラムが、その部分にかかわってくるのでしょう。> そちらを期待します。あまり、ご期待に添えなかったかもしれません。すみません。「メディア」を「素っ裸」にするために、まず、どんなことが実際にあるのかという検証が必要だと考えています。ですから、しばらくの間は、僕が現役記者から聞いた話を中心として、現場の人間がどのように取材し、記事を載せているのかというエピソードを載せていこうかと思っています。その中で、読者のご質問があれば、「ネタ元」の記者に再取材して、もっと掘り下げてみたいと考えています。> スクープって何でしょう。> 読者にとっては、早さが問題なのではなく、> とにかく、真実が表に出ることです。「真実が表に出る」のは、最も大切です。それに、早くて悪いことはないと思います。> 早さへの執着は、業界内の強迫観念というか、> 自己満足のような気もするし、この点は、ご指摘の通りでしょう。今回のネタ元記者によると、業界内の強迫観念や自己満足は多分にあるということです。ただ、「それが基本」でもあるということです。「ニュース」なのですから。> そのくらいしか、複数の新聞社が存在する意義が> ないということなのかもしれません。ここは、僕との意見が違います。新聞社やメディアが一つしかなければ、権力はすぐに言論統制できます。逆に、クーデターも簡単に起こせます。複数のマスメディアがあることは、そういう意味で健全な証左でしょう。> 特に、今のようにメディアがあふれている状態では、> 読者の生活には、あまり影響がないもので。> まぁ、端で見ていて不思議です。メディアがあふれているからこそ、しっかりとしたところがなくてはならないし、そのために成長してほしいと考えるのです。でも、実際には、今までメディアの側はそんなに批判されることはなかった。それに、批判に慣れていなかった。だから、ちょっとずつおかしいと思うところを指摘していって、変わってほしいという願いを込めて行きたいと考えています。うれしいことに、この号から読者が大量に増えました。いろんなご意見・ご要望が聞けることを楽しみにしています。メールでもけっこうですし、掲示板(http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00066739/ )もあります。
2002年06月12日
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2002年6月10日に行われたサッカー・ワールドカップの試合とそれに関する報道の中で、結果以外にも各紙が必ず伝えなければならなかったことが、一つあると、考えている。それは、韓国対アメリカ戦での韓国選手のパフォーマンスだ。同点に追いついた韓国が、今年2月にアメリカであったソルトレークシティー・オリンピックで不可解な失格となったスケート・ショートトラックの金東聖選手の滑りを真似したことだ。スポーツにとっての審判の大切さと、「足を踏まれた人間は、覚えている」ことを、端的に伝えたと思う。 最も目を引いたのは、ロイター通信が配信した写真だった。毎日新聞(大阪本社発行最終版)は、W杯面にカラーで大きく載せた。安貞桓選手の同点ゴールよりも、こちらの写真の方が、はるかに大きい。僕は、このニュース判断は、正しいと思う。今年2月23日付けで掲載した「【塩湖主義22】百行の原稿より1枚の写真」(http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210&p=2&stid=8082955 )で書いたように、一目見たら、ニュースが切り取れるという記事は、いい記事だと思う。 また、読売(同じく、大阪本社発行最終版)は、社会面トップに、このニュースを掲げた。こういう判断も、正しい。スポーツの試合中に起こったことで、社会的に意味のある出来事だ。スポーツの面だけで完結させるのではなく、一般ニュースを載せる社会面の記事として掲載するという判断は、意味がある。また、読売の良かったところは、インターネット(http://www.yomiuri.co.jp/wcup2002/schedule/group_d/20020610_1/0610_02.htm )にも、この記事と写真を掲載したことだ。この日、韓国でのテレビ生中継や、夜のニュースでの扱い方や、試合が行われた大邱スタジアムと周辺の様子、「五輪失格問題」という背景説明まで入っており、過不足がない。 ネットで検索したところ、韓国の朝鮮日報、東亜日報のサイト(日本語版)には、スケーティングの写真は見当たらなかった。各種の報道によると、金大中大統領も国民やサポーター組織「レッド・デビル(赤い悪魔)」に「秩序ある応援」を求めたという。個人的には、抑制しすぎのような気がするが、これも、儒教を重んずる礼儀正しい韓国の国民性かもしれない。 僕は、審判が「右」と言えば、それは「右」でしかないと考えている。それを「左」や「中」に変更させるのはおかしい。(だから、ソルトレーク五輪では、フィギュアスケートのペア種目で、「審判に不正があった」という理由で、金メダルを2組に渡したのは、今でもおかしいと考えている。) しかし、審判も時には「右」を「左」と言い間違えることがある。この場合は、判定は「左」のままであるが、審判の間違いを指摘し、以降の試合で間違いがなくなるように努めなければならないと考えている。この点は、五輪・パラリンピック開催時の連載「【塩湖主義17】神さまの贈り物」(http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210&p=2&stid=8082707 )と「【塩湖主義23】「1・5報」の大切さ」(http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210&p=2&stid=8082996 )でもそのように書いた。 今回の韓国サッカー選手のパフォーマンスを見て、五輪のスケート・ショートトラックで「右」を「左」と言い間違えた審判や国際スケート連盟が、きちんとした対応を採っていなかったと反省するきっかけにしてほしい。併せて、審判というのは、それほど大切な存在なのだということを、スポーツに携わる人が、しっかりと受け止めてほしいと願っている。(rivals japan 2002年6月11日掲載)
2002年06月11日
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サッカー・ワールドカップで日本が初めて勝利を収めた。2002年6月10日付けの朝刊各紙(いずれも大阪本社発行最終版)は、いずれも1面で初勝利を伝えた。6月4日のベルギー戦に続いて、9日のロシア戦についても、一部の新聞などが日本選手の評価を点数化している。前回に引き続き、日経、アサヒ・コム、読売、英国の新聞「ザ・サン(The Sun)」の評価を紹介しよう。「日経、アサヒ・コム、読売、ザ・サン」の順番とした。 アサヒ・コムは「asahi.com現地班が見た日本代表の評価」(http://www2.asahi.com/2002wcup/group_H/jpn_rus/win02.html )、ザ・サンは、http://www.thesun.co.uk/article/0 ,,3-2002261202,00.htmlによる。なお、各選手名の下にあるカッコ内の評価は、ベルギー戦でのもの。===================================GK楢 崎 7・0、◎、6・5、7(6・0、○、5・5、6)DF中田浩 7・0、○、6・5、7(5・5、◎、5・5、7)松 田 7・5、◎、5・5、6(5・5、△、5・0、6)宮 本 7・5、◎、6・0、7(5・5、△、4・5、6)MF服 部 5・5、○、6・0、6(ベルギー戦は出場せず)稲 本 7・5、◎、9・0、9(7・0、◎、8・0、8)戸 田 7・5、◎、8・5、6(6・0、○、6・0、7)中田英 6・5、○、8・5、8(6・5、◎、6・5、7)小 野 6・5、○、6・0、7(6・0、△、6・5、5)明 神 6・5、○、6・0、6(ベルギー戦は出場せず)福 西 ―、○、―、5(日経と読売は、いずれも、出場時間が短く評価できずの意のコメント)(ベルギー戦は出場せず)FW鈴 木 6・0、◎、6・5、7(7・0、○、7・5、7)柳 沢 6・0、◎、7・0、7(5・5、△、6・0、7)中 山 5・5、◎、6・0、5(ベルギー戦は出場せず) ※敬称略。服部選手は、アサヒ・コムがDF、他はMFと分類。=================================== 今回、評価が最も大きく分かれたのは、松田選手だ。日経(7・5)は「体を張って奮戦。攻めにも積極的」、アサヒ・コム(◎)も「ピンチでのカバーリングがよく、相手とのフィジカル・コンタクトでも負けなかった」と評価した。だが、読売(5・5)は「パスミスなど集中力が途切れるケースが目立った」ということを、減点の対象としたようだ。 また、前回に比べ、評価が一気に高まったのは、宮本選手と戸田選手。宮本選手は、日経(5・5→7・5)が「ラインを統率。冷静に対処した」、アサヒ・コム(△→◎)は「最後までライン統率が乱れることはなかった。相手の前に出ての守備も光った」と、評価したが、読売(4・5→6・0)は「ミスが多く、他の選手の負担になることも」と、まだ不満な様子。 一方、戸田選手については、日経(6・0→7・5)が「再三、ピンチを未然に防いだ」、アサヒ・コム(○→◎)も「守備に徹して相手のスペースをつぶし、パスコースをカットし続けた」、読売(6・0→8・5)は「優れた危機管理能力を随所に発揮」と、高い評価を与えた。(rivals japan 2002年6月10日掲載)
2002年06月10日
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サッカー・ワールドカップに関する報道で、注目できるものは、海外の報道を日本語訳したものが載っていることだ。例えば、公式新聞・朝日は、韓国の東亜日報や、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(本社・パリ)との合同新聞「ヘラトリ朝日」記事を自紙に取り入れ、3カ国語を一つのページに載せるという試みをやっている。読売も、フランス・レッキプ紙の記事を翻訳して掲載している。2002年6月8日付けの読売夕刊(大阪本社発行最終版)には、「因縁対決」のイングランド対アルゼンチン(7日・札幌ドーム)での試合を端的に表現していた。 翻訳の書き出しを引用する。============================== サッカーは美しさを競うコンクールではない。ネットにボールを押し込むだけのゲームでもない。イングランドは、いつも通り、無益な意見など気にもかけずに、期待に応えた。アルゼンチンは、ボールの占有率が高くても、それを活用するアイデアに欠けると、わなになることを証明した。============================== これだけの文章で、この日の両チームの戦いぶりがよく見える。よく分かる。サッカーのことをよく知った人が書いた文章だと思う。 日本の新聞の場合、スポーツといえば、どうしても野球偏重になっている。1991年に社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が発足して、ようやく活字メディアも電波メディアも、サッカーを盛んに取り上げるようになってきた。それに伴って、サッカーを専門とする記者も増えてきた。いや、正確に言えば、「サッカー好きの記者が表舞台に立てるようになった」というべきかもしれない。 だが、戦前から続くプロ野球やそれ以前から歴史のあるアマチュア野球報道での蓄積に比べて、サッカーは、まだ人材が育っていないと感じる。W杯関連の各紙の記事を読んでも、途中で読むのが飽きたり、「こんなスペースをとる必要があるのか」と思うものも少なくない。もちろん、野球の方にも、つまらない原稿はある。だが、サッカーの方が、「こなれていない」という印象を抱いていた。 読売が、レキップ紙の記事の翻訳を載せたのを読み、ヨーロッパとのサッカーを取り巻く歴史の違いを感じた。こういった「黒船」が、日本のサッカー報道、スポーツ報道を変えてくれるのではないか。 僕は、そう期待している。(rivals japan 2002年6月9日掲載)
2002年06月09日
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朝日新聞は2002年6月5日付け朝刊1面で、サッカー・ワールドカップ日本代表の中田英寿選手が、「日本代表でプレーするのはこのW杯が最後だ」と報じた。中田英選手は同日の記者会見で、この報道を完全に否定した。だが、日韓共催大会で、唯一の「公式新聞」が書いたことだけに、波紋を広げている。誰かがウソをついていることには違いない。それを今、詮索する必要はないと、僕は考える。だが、中田英選手をめぐる「代表引退報道」については、今度、要チェックだ。現時点での問題点を指摘したい。(新聞は、いずれも大阪本社発行最終版) 5日付けの朝日は、「ヒデ『最後の代表』決意」という5段飾りつき見出しで報じた。書き出し部分を引用すると、================== 日本代表でプレーするのはこのW杯が最後だと、中田英寿(25)が周囲に伝えた。決意は固い。 国の名誉という鎧(よろい)を着せられた国対抗の代表戦は、チームのために働くことが優先される。プレーを楽しむことより勝負に執着するサッカーを終わりにし、自分を表現する場を探したい。 振る舞いには、最後にかける覚悟がにじむ。================== 全文は、アサヒ・コムのサイト内(http://www2.asahi.com/2002wcup/japan/K2002060500408.html )にあるので、省略する。 この記事を書いたのは、忠鉢信一記者だ。僕は、たいてい、記事を褒める時以外は、署名があっても、記者の名前を出さないようにしてきた。だが、この記事は、忠鉢記者が信念を持って書いたと考え、このコラムでも、あえて名前を出す。 「信念」と考えるのは、以下の理由がある。 まず、朝日が、今大会唯一の公式新聞である 次に、1面という「新聞の顔」に載せている さらに、忠鉢記者は、朝日新聞だけでなく、サッカー雑誌にも多数の記事を掲載しているサッカーの「専門記者」である ――という点だ。 こういった理由があるから、僕は、忠鉢記者が絶対の確信を持って記事を書いたと考えている。また、朝日新聞そのものも、その威信をかけた記事だと判断できる。こんな本筋の話で、もしも「間違っていました」などと後で書くことになったら、社長の首が飛んでもいいほどの出来事だからだ。 ただし、中田英選手が、本当に「代表からの引退」を「周囲に伝えた」のかどうかは分からない。「周囲」が誰かも分からない。 一方で、仮に中田英選手が本当に「決意」していて、本心と裏腹に否定会見をしても、おかしいことは全くないと考えている。逆に、完全否定したことの方が、本心であっても、おかしくはない。 一つはっきりと言えるのは、中田英選手にとって、朝日の「代表引退」記事を追認する状況にはなかったという事実だ。 情けないと思うのは、朝日以外の各紙だ。僕が調べた限り、中田英選手の否定会見の記事は、どのメディアを見ても、「一部報道」「ある全国紙の記事」などのように書いてある。「公式新聞・朝日」が報じたことを書いていない。朝日が「本気」で勝負してきたのがはっきりしているのだから、他紙も全面的に受けて立つべきだ。中田英選手の否定会見については、「公式新聞・朝日が5日付け朝刊で報じた。中田英選手は、それを完全に否定した」とはっきりと書いてやった方がいい。読者には、その方が、ずっと親切ではないか。 なぜ、書けないのか。朝日の報道を否定するだけの材料を、他紙が持っていないからだ。自信がないのだ。だから、日本のジャーナリズムは、ダメなままなのだ。(rivals japan 2002年6月7日掲載)
2002年06月08日
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2002年6月4日のサッカー・ワールドカップ日本対ベルギー戦の日本選手の評価についてのコラムを書いた後、日経、アサヒ・コムのほか、5日付けの読売新聞朝刊スポーツ面や、英国の新聞「ザ・サン(The Sun)」(http://www.thesun.co.uk/article/0 ,,3-2002251641,00.html)でも、同じような評価が出ていることが分かった。前日に載せたものと一部重複するが、比較のために、読売とThe Sunの評価と併せて、再掲したいと思う。各新聞が、ベルギー戦での日本選手をどのように評価していたか、比較すると面白いと思う。(日経と読売は、大阪本社発行最終版)。 ここに掲載した評価は、「日経、アサヒ・コム、読売、The Sun」の順番とした。アサヒ・コムは「asahi.com現地班が見た日本代表の評価」(http://www2.asahi.com/2002wcup/group_H/jpn_bel/win02.html )===================================GK楢 崎6・0、○、5・5、6DF中田浩5・5、◎、5・5、7森 岡6・0、○、6・5、8松 田5・5、△、5・0、6宮 本5・5、△、4・5、6MF稲 本7・0、◎、8・0、8戸 田6・0、○、6・0、7中田英6・5、◎、6・5、7小 野6・0、△、6・5、5市 川5・5、○、5・5、7三都主5・5、○、6・0、6FW鈴 木7・0、○、7・5、7柳 沢5・5、△、6・0、7森 島5・5、◎、6・0、6 ※敬称略。森島選手の守備位置は、日経がFW、asahi.comと読売はMFに分類。=================================== 読売も、日経と同じく10点満点で、読売の記者が採点したという。読売は「6点をまずまずの合格点」という位置づけ。つまり、楢崎、中田浩、松田、宮本、市川の各選手は「不合格」だと判断している。「4・5」と酷評された宮本選手については「判断が悪く、守備陣の足を引っ張った」と書いてある。 では、日経とアサヒ・コムとの評価が分かれた中田浩選手と森島選手は、読売での「理由」はどうだったか。中田浩選手は「得意のロングボールの精度を欠いた」ために「5・5」になったといい、森島選手は「飛び出しが良く、相手DFを混乱させた」ために、「合格点」を得たという。この点、日経の訳の分からない理由付けに比べて、読売は、理由と点数の相関関係があり、明快だと思う。 The Sunは、点数だけが書いてあったが、英国の新聞各紙のサイトを読むと、8点という高得点を獲得した稲本選手については、どこも極めて高く評価していた。例えば、「The Time(タイム)」(http://www.timesonline.co.uk/article/0 ,,1202-316845,00.html)も、稲本選手を最優秀選手にあたる「MAN OF THE MATCH」に選んでいる。 一方で、「5」点と評価の低かった小野選手については、これといったコメントが見当たらなかった。(rivals japan 2002年6月6日掲載)
2002年06月07日
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日本が初めての勝ち点を挙げた2002年6月4日のサッカー・ワールドカップ対ベルギー戦に関する報道で、5日付け日本経済新聞(大阪本社発行最終版)はスポーツ面に、日本代表選手がどの程度活躍したかを点数化し、理由を付けて掲載した。朝日新聞もインターネット版「アサヒ・コム」に似た評価を載せた。欧州では一般的な方法だが、日本の新聞がこういった採点を掲載することは少ない。僕はいい試みだと褒めたい。評価を不満に思う人もいるだろう。ならば、批判したらいい。僕は、新聞が批判されうることを承知で点数を掲載したと考える。それは、新聞・記者と、読者・ファンのレベルが双方向上するきっかけになると期待している。 日経が載せた点数と、アサヒ・コムの「asahi.com現地班が見た日本代表の評価」(カッコ内の◎、○、△。掲載サイトは、http://www2.asahi.com/2002wcup/group_H/jpn_bel/win02.html )は以下の通り。===================================GK楢 崎6・0(○)DF中田浩5・5(◎)森 岡6・0(○)松 田5・5(△)宮 本5・5(△)MF稲 本7・0(◎)戸 田6・0(○)中田英6・5(◎)小 野6・0(△)市 川5・5(○)三都主5・5(○)FW鈴 木7・0(○)柳 沢5・5(△)森 島5・5(◎) ※敬称略。森島選手の守備位置は、日経がFW、asahi.comはMFに分類。=================================== 日経は、10点満点で、同紙記者が採点したという。アサヒ・コムとの評価が分かれた中田浩選手と森島選手についての理由を書こう。読むと、日経の評価がちぐはぐなのが鮮明に分かる。 中田浩選手について、アサヒ・コムは「後半は高さへの対応やライン際のディフェンスも安定していた」として、◎。一方、日経は「終始落ち着いたプレー」と書きながら、5・5と低めの評価だった。 森島選手については、アサヒ・コムが「DF裏への飛び出しや相手DFをかく乱するような動きがよく、中田英との連係も取れていた」として、◎を付けたが、日経は「惜しいシュートが1本」と書いてあるだけだ。 アサヒ・コムの評価の理由は、読んでよく分かる。だが、日経の方は、これでは、訳が分からない。減点の理由が必要だ。日経の試みは、全く掲載していない新聞社に比べれば、はるかにマシだと重ねて言っておこう。だが、こんな理由付けしかできないのならば、読者は納得がいかない。日経の記者には、もっときちんとした理由付けが出来るように勉強してもらいたい。 ただ、朝日にも注文がある。アサヒ・コムには掲載してあるが、朝日新聞本紙には、これが見当たらないからだ。僕には、これは一種の「逃げ」だと感じる。新聞社なのだから、本来は、「本体」である新聞紙で勝負すべきだ。(rivals japan 2002年6月5日掲載)
2002年06月06日
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忘れかけていた歴史の一場面を、思い起こさせる記事だった。6月4日付け読売の国際面に載った「世界デビューは6・4/中国きょうW杯初戦」という記事だ。13年前の今日、1989年6月4日は「天安門事件」があった日。民主化を求める中国の若者たちが、自国の軍によって強制排除された日だ。この同じ日に、中国は、サッカー・ワールドカップに初めて登場する。しかも、舞台は、80年に韓国の民主化運動の聖地・光州。読売の記事は、「事件から丸13年、風化進む」とリポートしているが、「その日」であることをきちんと伝えた姿勢は、他紙に見あたらない。秀逸な視点だった。(記事は、いずれも大阪本社発行最終版) 読売の記事は、中国のサポーターが「六・四」について知らないと答えたり、W杯取材にあたる三十歳代後半の中国人記者が「『六・四』とは一体何だったのか、今も分からない」「我々の報道で、六・四初戦に特別な意味を持たせることは絶対にない」などと話したと伝えた。確かに、記事を読む限りでは、確かに「風化」の後が見える。 ただ、天安門事件について、中国の人たちが抱く印象の一部を伝えたに過ぎないだろう。「六・四」に特別な意味を感じる人もいるだろうと思う。少なくとも、この原稿を書いた杉山祐之記者と、国際面に掲載した読売の編集者は、「意味」を感じている。そして、その記事を読んで、僕は、このコラムを書きたくなった。 僕は、こんな記事こそ、日本の新聞に必要だと思っている。忘れそうになっていた「忘れてはならない」惨事が持つ「今の意味」を分析して、紹介する。特に「歴史の事実を忘れやすい」「歴史から学ばない」と批判されることの多い日本人にとって、必要なことだと感じる。 歴史に「もし」は禁物だというが、仮に13年前に日韓共催のW杯があったとして、大会の期間中に天安門事件が起こっていたら、どうなるか。今、当時よりは平和だから、こうして、世界的なスポーツイベントが行われているのだし、見ることも出来るのだろう。こうして、平穏・平和のありがたさを改めてかみ締めることが出来るのだ。 一方で、同じ日の朝日のサッカー面に載ったコラム・双眼鏡の「この空気は平和すぎる」には、苦笑いしてしまった。朝日のスター・スポーツ記者、西村欣也編集委員の書いたコラムだ。 西村記者は、このコラムで札幌ドームでのドイツ―サウジアラビア戦を取材した経験を踏まえてこう書いた。================================ 風が吹かない。月も見えない。突然の雨が選手をぬらすこともない。 空気が平和すぎる。 戦争にも例えられるW杯が内包する「凶暴性」のようなものが、見事に除去されているのだ。(中略) そのことのどこがいけないのか、と言われそうだが、いけなくはない。もちろん安全はすべてに優先するし、選手も観客も快適だ。 しかし、サッカーというスポーツの魅力のひとつが「野生の解放」であるとすれば、やはりどこかが違う。================================ ベテラン記者が、これまでの蓄積を踏まえて書いた、率直な感想をコラムにまとめたことは分かる。だが、W杯は、戦争に例えられようが、本当に戦争であってはならない。戦争によって、スポーツが今も出来なかったり、過去に出来なかった人は大勢いる。そんなことは、西村記者も当然分かっているはずだ。 だから、あえて言わせてもらう。弘法も筆の誤り。いや、そんな程度ではない。今日の西村さんのコラムは、「平和ボケ」している、と。(rivals japan 2002年6月4日掲載)
2002年06月05日
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======///すずき・たたむのメディア研究 #2///========= ☆☆★★ O0o.メディア、素っ裸.o0O ★★☆☆============================================2002/06/04 ★■□// 「食い込み」という取材力 //□■★ 松本サリン事件をモデルにした映画「日本の黒い夏 [冤罪] 」(2001年日活・熊井啓監督)という映画がある。この中で、テレビ局の記者が旧知の捜査員に密会し、捜査方針を聞きだす場面がある。松本サリン事件の取材過程で、実際にそういった場面があったかのかは、明らかではない。だが、こういう取材方法は、現場では、いくらでもあることだ。 今回も、現役の新聞記者から聞いた実話だ。====================== 十年以上前になる。西日本のある県で土砂崩れがあり、観光客が多数死亡した。単に「事故」と考えるか、「予想出来た土砂崩れ」として、道路管理者の刑事責任を問うかということが問題になった。 その記者は、いわゆる「事件記者」としては、ヨチヨチ歩きだった。日々、同業他社のスクープの嵐に、悩まされた。夜中になると、いつもファックスの音が鳴らないか、冷や冷やとしていた。他社に先を越されると、「ご参考」という文字を書いた他紙の記事コピーが、本社からファックスで届くのだった。「ご参考」とは書いてあるが、実際は、「追いかけろ」という指令だった。記者にとって、「抜かれる」ことは、能力のなさの証明なのだ。 彼は、抜かれ続けた。負け続けた。だが「いつかは見返してやろう」と考えていた。それが、駆け出し記者の心の支えになったのだという。 ある日、彼は、普段なら世話話しかしない捜査幹部を訪ねた。これまでも、夜に幹部の自宅を訪れる「夜討ち」や、出勤前に話を聞き出そうと試みる「朝駆け」、役所内の部屋を訪ねる「昼回り」と、いろいろとやって来た。成果はなかった。しかし、それでもあきらめられなかった。この日は、「昼回り」をしてみた。 いつもと違ったのは、この捜査幹部とマン・トゥー・マンで会うのは、初めてだったことだ。奥さんも、幹部の部下も、他紙の記者もそばにはいなかった。こんなチャンスは、今までにはなかった。彼は、幹部に直接、土砂崩れについて、尋ねることにした。 「事故か、事件か」。 こんな短い問いかけでも、当事者同士なら、言いたいことは、互いにすぐに分かるものだ。幹部は、いつものようにはぐらかし始めた。彼は、「また、ダメか」と思ったという。 ところが、幹部は、おもむろに、自分の席に戻ると、1冊の大きな冊子を彼の目の前に置き、ぶつぶつといいながら、部屋の外に出て行った。 「事故資料」と書いてあった。まさに、彼が追っている「事故」だった。「部外秘」とも書いてあった。 彼は、恐る恐る、資料を開いた。現場付近を描いたと思われる図、関係者からの事情聴取の要点、今後の捜査方針・・・・・・。 5分経っても、10分経っても、幹部は部屋に戻ってこない。彼は、だんだんと、怖くなってきた。ふと、「カメラで全部のページを写してしまおうか」と考えた。ところが、悪いことに、予備のフィルムが24枚撮り1本しかない。カメラに残った枚数も合わせて、せいぜい40枚か。100ページ近い冊子を写しきることは出来ない。それに、カメラのシャッターを切れば、部屋の外のいる人に聞こえるかもしれない。音が部屋の外に漏れて、ばれてしまうのはまずい。彼は、ノートを静かに取り出して、メモし始めた。 すると、その瞬間に、幹部が戻ってきた。いなくなってから、15分間後のことだ。 「もういいか?」 「いえ、あの……」 「早く、せえ」 「あ、はい」 彼が、要点を書き写し終えたとみると、幹部は黙って冊子を机の引き出しに戻した。 幹部がニヤリと微笑む。 彼は尋ねた。「あのぅ、立件(=事件として、書類送検)するんですか?」 幹部は、改めて答えた。「アホやな。表紙、見んかったんか?」 確かに、「事故」と書いてあった。それが、捜査本部の方針だった――「偶発的な事故。道路管理者の責任は、問えない」――ということだった。 時効までには、少し間があったため、彼は、数カ月かけて、関係者を訪ねるなど、補足取材をした。そして、時機を見て、「観光客が多数死亡した事故は、事件としての立件を見送り、事故として処理することになった」という記事を載せた。 「抜かれ」た他社の記者は、翌朝から捜査員宅へ走り回った。どの捜査員も「まだ捜査継続中」として、彼の記事を否定した。ネタ元である幹部も、他社には否定した。当然である。公務員である捜査幹部には、守秘義務がある。職業上の秘密を漏らすことは、法律にも違反する。そういった制限がなくても、捜査側の立場で言えば、公式発表までは、伏せておきたいものだからだ。 時効直前、捜査本部は、改めて「立件見送り」を正式に発表した。 その後、彼は、ネタ元になってくれた幹部にどうして話す気になったのかを尋ねた。 幹部は答えた。「あんたは、年長の者に敬語使って話せるからな」。 こんな、些細なことだった。この記者のいいところは、人見知りをしないことと、年長者には、きちんと敬語で話しかけることぐらいだった。学生時代、体育会系のクラブに入っていたため、体力と「上」への礼儀だけは、しっかりと身に付けていたのが、捜査幹部の信頼を得る結果となったようだ。 逆に言えば、敬語一つ、満足に使えない記者が、あちこちにいるということだ。++++++++ご質問に答えて++++++++++++++++++++++++++++++++ 創刊号を発行後、読者からこんな質問が来た。> 遭難者の話、なんだかピンときませんでした。> > 「上司」の思い込みは、どんな説明があっても理解できないですけど。 これについて、僕は、 【「上司」の思い込みは、どんな説明があっても理解できないという】点が分かっていただけるだけで、十分です。新聞社というところは、世間がどう見ているかは別として、その程度の人材でも管理職になるということです。いろいろと大きなことを語るよりも、まずは、そういう人たちを、反面教師として生かすことを考えています。 と、答えた。 今回の話題では、捜査幹部に信頼を得て、本来は公表されないはずの捜査資料を見ることも、記者の仕事の一つであるという実例を出した。こういう取材方法がいいのか、悪いのかは、論議があるかもしれない。「癒着」だという指摘もあるだろう。捜査情報の垂れ流しだという見方も出来る。一方で、能力の高い記者による「食い込み」だという考え方もあるだろう。議論になるならば、それはそれでいいと思う。どのような意見が出ることも、メディアを「素っ裸」にするための過程としては、大切なことだと考えている。 では、こういった「食い込み」が出来ない記者は、どうしているのか。 次回は、今回の続編として、信じられないほどいい加減なことをやってのける記者やメディアの実例を紹介しようと考えている。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@yahoo.co.jp へ。
2002年06月04日
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ワールドカップ・サッカーの入場券問題は、ひどい。売り切れたはずなのに、どの会場でも空席が目立つ。6月2日に釜山で行われたパラグアイ―南アフリカ戦は、客席の半分しか入場者がいなかったという。噴出する今回の入場券問題の中で、僕が最も腹が立ったのが、毎日新聞(インターネット版)が報じた「乳児連れ観戦拒否」という問題だ。1日にあったドイツ―サウジアラビアの試合を観戦するために札幌を訪れたカナダ人夫婦が、生後8カ月の乳児を連れて会場へのシャトルバスに乗ろうとしたところ、乳児の入場券がないという理由で、乗車を拒否されたという。どうやら日本組織委員会(JAWOC)は、ファンを育てるつもりがないようだ。 この記事は、毎日新聞の大阪本社発行最終版では見当たらなかった。毎日新聞のサイト(http://www.mainichi.co.jp/entertainments/sports/worldcup/worldcup/0206/02-03.html )と、Yahooニュース(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020602-00002130-mai-soci )で確認した。 毎日のサイトに載っている記事を以下、転載する。=================================乳児連れ観戦拒否 札幌「子どもの切符必要」 --------------------------------------------- W杯観戦で、カナダから夫と生後8カ月の長男ステファンちゃんと札幌市に来たナタリー・マキューズさん(29)は1日、長男のチケットがないとして、同市中央区から札幌ドームに向かうシャトルバスの乗車を拒否された。ナタリーさんは観戦をあきらめてステファンちゃんとチケットがない人のためのパブリックビューイング会場(札幌市中央区)のスクリーンで見た。夫は一人でドームに向かった。JAWOCの広報は「入場券がなければ入場できないし、シャトルバスにも乗せないことは年齢にかかわらず決まっており、申込書にも書いてある」とコメントした。【野本みどり】 ================================= JAWOCの広報は、どういう思考回路をしているのか。日本で生まれ育った者の一般常識として、鉄道やバスなどの公共の交通機関や博物館、動物園、遊園地などの施設は、就学前の幼児は無料か、格安で利用できるのが普通だろう。 百歩譲って、「世界中から人が集まるイベントであり、日本の常識は当てはまらない」という立場をJAWOCがとるならば、そこまでは認めよう。しかし、乳児の場合、両親などの保護者と離れては、生きていけない。これは、万国共通だ。生後8カ月ならば、抱いて入場しても、何の問題があるのか。 JAWOCが言う「入場券がなければ、入場させない」という立場は、「入場券を持っている人の客席を確保する」という意味では、至極当然だろう。だが、それ以上のものではない。今回の場合、両親が入場券を持っていた。赤ちゃんが一緒に入場したところで、入場券があろうが、なかろうが、他の席を占有することもない。何の不都合もない。万が一、何かの事故があっても、事故にJAWOCが関与していない限り、それは一義的には、入場した両親の自己責任になる。 にもかかわらず、両親と一心同体である赤ちゃんの入場を拒否するとは、入場券を持っている両親を拒否したことと同じだと僕は考える。生まれたばかりのわが子とともに、サッカーの一大イベントが見たい――サッカーファンであるならば、ファンとして、親として、当たり前の感覚だ。JAWOCは、そういう気持ちを踏みにじった。 しかも、JAWOCのコメントを素直に読めば、「入場券があれば、生後8カ月の子どもが1人で入場してもよい」という解釈が成り立つ。そんな危険なことをJAWOCは許すのか。 明確な回答が聞きたい。(rivals japan 2002年6月3日掲載)
2002年06月03日
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日本と韓国が共催する2002年サッカー・ワールドカップ(W杯)が5月31日に始まり、報道合戦もスタートした。6月1日付けの朝刊各紙(大阪本社発行最終版)を読むと、前回王者・フランスが、初出場のセネガルに敗れたニュースが満載されている。この中で、僕が気になったのは、先発メンバーのフォーメーション図だ。MFの位置の描き方が、各紙まちまちなのだ。同じ時に、同じ現場で取材していながら、試合開始時点の「絵」が違うのは、不思議だ。読み比べると、読者は、混乱する恐れさえある。どの図が「正しい」のか。読者の立場では即座には確かめにくいことだけに、なおいっそう、新聞各紙の責任が問われていると考える。 どの新聞も、セネガル、フランスとも全体として「4・5・1」の隊形だったことを明記したり、図で示している。つまり、DFが4人であることと、FWが1人だったことに、各紙とも「異論」はないようだ。図を見ても、それは明らかだ。ただ、読み比べて、僕が戸惑いを感じるのは、既に書いたように、MFの配置だ。図に従って、両国代表の各5人を後方・左から順に書くと、こうなる。★朝日セネガル(1・4)「シセ」「ファティガ、B・ディオプ、ディアオ、Mo・ヌジャイ」フランス(2・3)「プティ、ビエラ」「アンリ、ジョルカエフ、ビルトルド」★読売セネガル(2・1・2)「シセ、ディアオ」「B・ディオプ」「ファティガ、Mo・ヌジャイ」フランス(2・1・2)「プティ、ビエラ」「ジョルカエフ」「アンリ、ビルトルド」★毎日セネガル(3・2)「B・ディオプ、シセ、ディアオ」「ファティガ、Mo・ヌジャイ」フランス(2・3)「プティ、ビエラ」「アンリ、ジョルカエフ、ビルトルド」★産経セネガル(1・4)「シセ」「ファティガ、B・ディオプ、ディアオ、Mo・ヌジャイ」フランス(2・3)「プティ、ビエラ」「アンリ、ジョルカエフ、ビルトルド」 当然だが、掲載された図そのものが、「だいたいの目安」と言っていい。「正解」などない。サッカーのように、選手の攻撃や守備の位置がめまぐるしく変わるスポーツで、選手がほぼ固定した位置にずっといることの方がおかしい。 この表で分かるように、セネガルMFの位置関係が、「1・4」(朝日、産経)だったのか、「2・1・2」(読売)だったのか、「3・2」(毎日)さえバラバラだ。グラウンド上にいる選手の位置を正確に表すことは不可能としても、もう少し、何とかならないのか。掲載しているのは、各国代表チームが、どのような戦い方をしたか、理解を深めるための図だろう。にもかかわらず、新聞を読んで混乱するのなら、本末転倒だ。 そもそも、こういった図を載せる必要はあるのだろうか。同じ日の日経は、先発メンバー表を載せてはいるが、図は掲載していない。図がどうしても不正確になるのなら、無理をして載せる必要はあるのか。 その点で、僕は、日経の判断で、十分だと考えている。==================================== 今日からサッカーW杯報道を見聞きして、感じたことを、(出来るだけ)日々、つづっていくことにする。(rivals japan 2002年6月2日掲載)
2002年06月02日
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こんにちは。すずき・たたむです。最近、突然、俄かに、書き始めました。「夏眠」していたつもりが、どうやら「春眠」だったようです。前回のニュースレターでお知らせしましたように、スポーツ以外のメルマガをスタートさせました。このメールの署名に入っていますように現在、五つのメルマガ(内容は全部一緒)を出しています。で、それだけでは寂しいので、ついに、「夏でもウマい冬物語」で新企画は始めたのです。題して、【日刊?日韓W杯】!そうです。サッカーです。他競技殴りこみです。というわけで、それなりに、動き始めています。ご意見、ご要望をお聞かせ下さい。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@hotmail.com へ。------------------------------------------------★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 ※ 新連載【日刊?日韓W杯】をスタート!♪発行者 すずき・たたむ♪☆他の「すずき・たたむ」関連サイト☆★駆け出しライター「すずき・たたむ」の世界http://communities.jp.msn.com/gg6mkf92rf1rai3fq04jj7jq34 ★「すずき・たたむ」の世界 ゴザンス内別室http://writer.gozans.com/writer/196/ ☆メールマガジン掲載サイト☆(登録・解除は、こちらで出来ます。各誌の人数は、2002年6月3日現在の読者数)・ゴザンス ( 7人)http://www.gozans.com/home/media/ ・パブジーン(28人)http://www.pubzine.com/detail.asp?id=18261 ・めろんぱん( 3人)http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=002866 ・メルマ ( 2人)http://www.melma.com/mag/39/m00066739/ ・まぐまぐ ( 1人)http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000091708 ■掲示板が出来ました。http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00066739/ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++(rivals japan 2002年6月4日)
2002年06月01日
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こんにちは。すずき・たたむです。ちょっとお知らせです。このたび、スポーツ以外の話題もしっかりと取り上げたいと考え、メールマガジンを発行し始めました。題して、「O0o.メディア、素っ裸.o0O」。新聞を中心とするメディア全般について、研究します。詳しくは、☆メールマガジン掲載サイト☆http://www.gozans.com/home/media/ をご覧下さい。こちらで、読者登録(無料)もやっています。よろしくお願いします。☆他の「すずき・たたむ」関連サイト☆★駆け出しライター「すずき・たたむ」の世界 http://communities.jp.msn.com/gg6mkf92rf1rai3fq04jj7jq34 ★「すずき・たたむ」の世界 ゴザンス内別室http://writer.gozans.com/writer/196/ ★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 (rivals japan 2002年5月28日)
2002年05月28日
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======///すずき・たたむのメディア研究 #1///========= ☆☆★★ O0o.メディア、素っ裸.o0O ★★☆☆============================================2002/05/27 ★■□// 思い込みという罠 //□■★ 現役の新聞記者から聞いた実話だ。 今を去ること十数年前の新人時代、彼は北日本の町に勤務していた。ある夜、海で釣り客が遭難した。場所は、海岸から100メートルほど離れた小島。家族で、中学生の男子と、高校生の女子を含んでいた。海がしけたために、取り残され、岸にたどり着けなくなったのだ。 既に夜更け。現場までは、車で1時間はかかろうか。今から現場に行っていたら、朝刊の締め切りに間に合わなくなる。また、遭難者は、既に救助され、けがもないという。 彼は、地元の警察や消防に電話を入れて、取材して、こんな原稿を書いた。 「○日午後八時○分ごろ、A県B郡C町Dの海岸の沖約百メートルの小島から「助けて」という若い男性と女性の声が聞こえるのを、近くを通りかかったC町Eの漁業、・・・」 この原稿を読むなり、上司が叫んだ。 「アホ! 何が若い男性、女性や!」 彼は、上司の言う意味が分からなかった。黙っていた。 「何が若い男性、女性や」と、再び上司氏。 「遭難した人の声です」と、彼。 「アホか! こんな時はな、『子どもの声が』って、書くんや!」 彼は、耳を疑った。「子ども? 中学生と高校生ですよ?」と、上司に答えた。 「子どもやないか! ほんまに、アホやな」。 上司は、彼が書いた原稿用紙をくしゃくしゃに丸めて、自分で原稿を書き出した。 「ホレっ!」と、上司が投げて渡した原稿には、当たり前だが、「子どもの声が」と書いてあった。彼は、しぶしぶ、本社にファックスで原稿を送った。 翌朝、新聞には、もちろん、「子どもの声が」という部分も載っていた。------------------------------------ 普通に考えてほしい。発生時間は「午後八時」を過ぎた時間だ。海岸から小島までは、「百メートル」離れている。遭難者の声は聞こえても、姿は見えない状況だろう。ならば、「声」の感じで、年齢を推定するしかない。 「彼」は新人で、取材や原稿が下手だったのかもしれない。だが、取材した結果、「夜であるし、島まで距離があるから、残された人の姿は見えない」という確証を得て、最初の原稿を書いた。その際、「若い男性と女性の声」と記したのは、彼なりの合理的な判断をしている。 ところが、遭難した人が(救助してみたら、)「中学生」「高校生」だったという事実だけを捉えて、「子ども」と決め付け、原稿をそのように書き直した「上司」の頭の中は、どうなっているのか。一般に、「子ども」の声といえば、声変わりしていない、小学生以下とか、就学前の「子ども」という印象がないだろうか。 「上司」には、そういう発想がなかったようだ。 この点について、「彼」が種明かしをしてくれた。「上司は単身赴任だったんですが、関西にある実家には、当時、高校生だったお嬢さんがいたんですよ。遭難者が『高校生』だと分かった段階で、勝手に『子ども』と思い込んで、原稿にもそう書き込むべきだと判断したんでしょうね」。 以後、彼は、この上司の「指導」を、反面教師として、今も生かしているという。~~~~~~~~~~~~~~~ マス・メディアは、こんな「ウソ」を時折、載せる。「ウソ」の原因は、取材不足であったり、デスクワークのまずさであることがほとんどだ。迷惑をするのは、読者である。++++++++このメールマガジン発行に寄せて++++++++++++++++++++++++++++++++ 多少はまともなジャーナリズムになってほしいという願いを込めて、新聞を中心として、マス・メディアについて研究・批評する。そのために、まずは「素っ裸」にしてしまいたいと考えて、タイトルを付けた。 記者、ライター志望者には、業界の内部についてもお知らせする。企業・団体の広報担当者の方で、「どうやったらメディアとうまく付き合えるか」という場合も、ぜひ質問してほしい。 報道が、噂話や陰口のレベルにとどまらないでほしいのだ。 例えば、有名なスポーツ選手の中に、マスコミ嫌いが多い。それは、スポーツの本質的な部分ではなく、噂話や陰口といった、つまらん部分に記者が群がっているという印象を抱いているからではないのか。嫌われて当然のことを、メディアの側がやっているという反省を、記者や報道機関はしていない。 「この人の書くことは厳しいけど、一理ある」と認められるようなライター、ジャーナリストが、一人でも増えてほしい。ライターやメディアは、好かれなくてもいいのだ。存在意義があるならば。 嫌われる時の主な理由は、「存在意義」を認められない相手だからだろう。「一理ある」書き手を生み、育てるためには、今、世間に出ている新聞や雑誌、放送がどのように報じていて、どこがよくて、どこがおかしいのかときちんと検証していく必要があると考えている。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++■このマガジンに関するご意見、ご要望は、 suzuki_tatam@yahoo.co.jp へ。----------------------------------------------------------------------♪発行者 すずき・たたむ♪========筆者注~事実上廃刊となったメルマガを、この日記で、再掲載します。
2002年05月27日
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Japanese baseball players are increasing in number in the Major League. Every American baseball fans must know SUZUKI,Ichiro.But I don’t think most of them know which team he was playing in Japan; it is the Orix Blue Wave.So I made up mind to write some words on Japanese baseball. Here are the first column on the theme. I hope you will find some fun reading to know Japanese baseball and future-players in the States. Here you are;Japanese Baseball for Dummies #1!!!!~~~~~~~~~~~~ There are 12 professional teams.6 each in the Central League and the Pacific League. Here are the leagues and teams(home).========================================★Central LeagueYakult Swalloes(Meiji Jingu Stadium in Tokyo)Tokyo Yomiuri Giants(Tokyo Dome)Yokohama Bay Stars(Yokohama Stadium)Hiroshima Toyo Carp(Hiroshima Stadium)Chunichi Dragons(Nagoya Dome)Hanshin Tigers(Hanshin Koshien Stadium in Nishinomiya,Hyogo prefecture)-----------------------------------------★Pacific LeagueOsaka Kintetsu Buffaloes(Osaka Dome)Fukuoka Daiei Hawks(Fukuoka Dome)Seibu Lions(Seibu Dome in Tokorozawa,Saitama prefecture)Orix Blue Wave(Green Stadium Kobe)Chiba Lotte Marines(Chiba Marine Stadium)Nippon Ham Fighters(Tokyo Dome)========================================== Each teams play 140 games a season.The league Champions fight against the other league Champs.In 2001 season.The Yakult Swalloes beat the Osaka Kintetsu Buffaloes by 4wins 1loss,and the Swallowes won the Japanese Series title.(rivals japan;May12,2002)
2002年05月12日
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おはようございます。いかがお過ごしですか。「夏でもウマい冬物語」は「夏眠」的状態ですが、すずき・たたむとしては、「報道と人権・関西の会」(http://kansainokai.hoops.livedoor.com/ )の会報「市民メディア」の原稿執筆などをしていました。こちらの方は、近日中に原稿が出るはずです。さて、「冬物語」もちょっとは更新しなければと思い、「スポーツ本の森」に一つ、新しい本を紹介しています。英語での日本野球紹介は、近々、スタートします。やるといって、そのままになっていて、すみません。(rivals japan 2002年5月7日)
2002年05月07日
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おはようございます。すずき・たたむです。「夏でもウマい冬物語」で、英語コラムを書くといいながら、何もしないまま1週間。すみません。実は、別の会の原稿を急ぎで仕上げる必要があり、書けていません。(言い訳)ご参考までに、その会のアドレスを、書いておきます。↓http://kansainokai.hoops.livedoor.com/ すずき・たたむがデビューするきっかけとなった会です。行ってみていただいたら、お分かりかと思うのですが、けっこう、硬派でしょう?こちらの活動も、手抜きをせずにやっていこうと思います。スポーツコラムを読みたいと言う方、しばらく、お時間を下さい。===============================♪すずき・たたむ♪suzuki_tatam@hotmail.com★駆け出しライター「すずき・たたむ」の世界 http://communities.jp.msn.com/gg6mkf92rf1rai3fq04jj7jq34 ★「すずき・たたむ」の世界 ライティングスペース内別室http://writer.gozans.com/writer/196/ ★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 ===============================(rivals japan 2002年4月16日)
2002年04月16日
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みなさん、こんにちは。すずき・たたむです。ついに、ランキングが大幅ダウンしてしまいました。2月の4位から、3月は一気に27位。う~ん、残念。しかし、なんとかランク内の「30位」以内には踏みとどまりました。そこで、新企画を始めます。題して、「Japanese baseball for Dummies」いわば、「サルでも分かる日本野球」でしょうか。米国では、例えば、「Baseball for Dummies」などの「Dummies」のシリーズがよく売れています。それにちなんで、簡単な日本野球入門をスタートさせようと考えました。今回の特徴は、全部、英語で書きます。ライバルズ内で見渡したところ、どうも、日本語のサイトばかり。ここで差別化を図りたいと考えました。既に、英語掲示板も作ってあります。日本以外からのアクセスも期待したいと考えています。では、また来週。===============================♪すずき・たたむ♪suzuki_tatam@hotmail.com★駆け出しライター「すずき・たたむ」の世界 http://communities.jp.msn.com/gg6mkf92rf1rai3fq04jj7jq34 ★「すずき・たたむ」の世界 ライティングスペース内別室http://writer.gozans.com/writer/196/ ★スポーツコラム「夏でもウマい冬物語」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210 ===============================(rivals japan 2002年4月9日)
2002年04月09日
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こんにちは。すずき・たたむです。ソルトレークシティーでのオリンピックとパラリンピックが終わりました。約1カ月半にわたって、五輪・パラ関連のコラムを連載する「塩湖主義」を続けてきましたが、いかがだったでしょうか。ソルトレーク大会の話題は、長く語り継がれることでしょうから、まだ「終わり」ではありません。突然、【塩湖主義】が再開することもあるかもしれません。春になって、新しいスポーツも次々と始まっています。突如、新シリーズが始まるかも(笑)また、いろいろとご意見、ご感想をお聞かせ下さい。(rivals japan 2002年3月25日)
2002年03月25日
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米国ユタ州でのソルトレークシティー・パラリンピックが閉幕した。3月18日付け朝刊各紙(大阪本社管内最終版)は、読売と毎日が1面で閉会式の写真を載せるなど、久しぶりに大き目に報道した。獲得したメダルはすべて「銅」で計3個。前回の長野大会(計41個獲得)でメダルを量産したアイススレッジスピードレースが行われなかったことを割り引いても、日本パラリンピック委員会(JPC)が目標に掲げた「7個」にすら遠く及ばなかった。アルペンの兵後正剛選手の資格取り消し問題などのミスもあった。2年後のアテネ、4年後のトリノ大会に向け、JPCは性根を入れて「世界」を追わねばならない。 数は力だ。数だけ比べたら、明らかに劣った。長野大会で日本が獲得したメダルは「金12、銀16、銅13」。スレッジレースでそのうち「金9、銀12、銅11」を獲得しているから、単純に引いて、今回が「金3、銀4、銅2」で「前回並み」ということになる。もともと「7個」という数字が、「前回」に及ばないことを見越しての目標だったと考えるのが自然だ。 だが、それにすら及ばなかった。原因はいろいろとあるだろう。外国で開催されたことも一つだろう。世代交代などを含めて、選手の強化に何かの問題があったかもしれない。選手団をサポートする体制が、外国に比べて、及ばなかった点もあるだろう。 18日付けの朝刊のうちで、こういった点を指摘したのは、読売スポーツ面に載った「日本は低調/メダル3個」という記事だけだった。全く書いていない他紙に比べれば、まだ、マシな記事だった。 記者は「選手のレベルアップには、合宿や海外遠征など強化計画を充実させるほかない。今後は企業などからの援助を含め、長期的視野に立った資金計画が不可欠だ」と指摘している。 基本的には、“真っ当な意見”だと思う。だが、甘い視点だとも言える。「メジャー」な一般スポーツでさえ、日本リーグクラスのチームがどんどんと消えていく世の中。「マイナー」な障害者のスポーツ活動に対して、企業がカネを出すものだろうか。パラリンピック・アスリートを、「新しい競技のスター候補生」と考えれば、卓球の岡紀彦選手のように、スポンサーがつくケースもあるだろう。だが、現時点では、ごくごく限られた選手だけだ。単に「金を集めろ」だけなら、誰にでも言える。では、どうやって集めるのか。その方法を指摘しないままでは、記事としての成熟度が低い。 では、どうするか。障害者のスポーツ活動をめぐっては、明るい兆しとして、一つだけ、はっきりしていることがある。「障害者のスポーツ活動」は、「絵」に、そして「ニュース」になるのだ。事実、NHKは今大会前から連日、特別番組やニュースの中で、報じ続けた。日本の2大新聞である読売と朝日も、日々、他のスポーツに負けないほどの大きさで、記事を載せた。地方の新聞社も、地域のニュースの一環として、地元選手を応援する記事を載せた。 すなわち、JPCや各競技団体は、もっとマスメディアを利用する方法を学ばなければならない。企業も、一般の市民も、メディアを「無視」は出来ない。メディアそのものに問題は多くあるのは事実だが、実際に、メディアを無視して生活することは、不可能と言っていい。新聞でも、放送でも、雑誌でもいい。JPCや各競技団体が、それぞれ努力して、自分たちを売り込むようにならねば、世間の注目は集まりにくい。その過程で、問題のある報道を逐一指摘し、記者たちを教育してやってほしい。 メディアに情報を流すことは、ファン層の拡大にもつながる。僕の知る限り、パラリンピック・サポーターの大部分は、マスメディアでの報道に不満で、自分たちでインターネットサイトを手作りし、ニュースを流している。知りたい人にとっては、何も報じないマスメディアに比べれば、はるかに大きな存在だ。貴重な存在だ。個人が手軽に情報を集め、広めるいい手段ではある。ただし、ほとんどが、「報じる」側としては素人で、情報にも片寄りがあるケースが多い。 上記の「片寄り」も含めて、インターネットに流れた情報は、玉石混交であるのは事実だ。根拠のない噂であっても、インターネットで広がれば、まことしやかに広まってしまうことがある。そういう意味では、「信用されない」ことの代名詞のようによく批判を受ける週刊誌よりも、さらに「低次元」な部分がある。この点は注意しなければならない。 JPCが今後、どのように選手育成をしていくか。お手並み拝見だ。日本の頂点を世界の頂点に近づけ、底辺を広げるため--メディアを活用するしかないと、僕は考えている。JPCが「本気」になるかどうか。注視していきたい。(rivals japan 2002年3月18日掲載)
2002年03月19日
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冬季パラリンピック第9日を模様を伝える3月17日付け新聞各紙(大阪本社発行最終版)のうち、読んでためになったのは、朝日だけだった。アイススレッジホッケーが5、6位決定戦でエストニアを6-2の大差でくだして5位。順位は長野大会と同じだが、大会終盤で、強豪のカナダを破り、ノルウェーに善戦し、この日も勝利を収めたのは、トリノ大会へ向けての希望の光となる。他紙がほとんど取り上げなかった中、朝日だけは1面とスポーツ面にそれぞれ写真を載せ、原稿も今後の課題と、現時点でほめるべきポイントを、しっかりと捕らえていた。 1面写真は、エストニアに勝ち、リンクでスティックを掲げて勝利の雄たけびを挙げるアイススレッジホッケー日本代表チームの写真を載せた。他紙と比べて、この写真は、鮮やかさでもひときわ目立った。 他紙は、読売が、英国留学中に他国に拉致されたとして、行方不明になった女性の両親が記者会見した写真、毎日は主催事業の「雪舟展」に長蛇の列という写真。産経は滋賀・近江八幡市の左義長まつり--を、それぞれメーン写真に使っていた(日経は1面に写真なし)。 ニュースとしての価値判断では、読売の行方不明(拉致)事件が最も大きなものだと、僕は考える。だが、「魅せる写真」としては、記者会見や他紙が使った写真よりも、スレッジの方が良かったのではないかと感じた。 朝日はスポーツ面でも、試合を終え、笑顔を見せる日本代表スレッジホッケーチームの写真を載せた。 記事は、「猛攻6点 ⅠSホッケー日本有終」という見出し。焦点記事「パス課題 勝負トリノへ」では、予選リーグ序盤で、なかなか勝利を挙げることが出来なかった状況などを踏まえて、終盤には堅い守りになって来て、組織的な攻撃につながったことなどを記している。また、パスの上達が今後のチーム力向上の課題で、06年トリノ大会に向けて、大きく羽ばたける可能性を得たことも書いた。原稿も、おおむね的確だと感じた。 ただし、スポーツ面の写真そのものは、1面と絵柄が似ているのが、残念。もし、2枚の写真を使うならば、1枚は試合後に喜んでいるところ、2枚目は、ゲーム最中の写真にした方が良かった。今回の2枚の選択は、場面としても、時間もほとんど変わらない。この点だけが失敗か。 今大会唯一のチームスポーツが、このアイススレッジホッケー。予選、順位決定戦を通じて、日本の新聞社は、ほとんど取り上げてなかった。そうなのだから、最後ぐらいは、きちんと各紙とも書いてほしかったと思っている。朝日だけがこのニーズに応えたからか、他紙はつまらなかった。もっと言うと、この日のパラリンピック報道には、朝日以外の新聞には、読むべきものは特になかった。(rivals japan 2002年3月18日掲載)
2002年03月18日
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ソルトレークシティーでの冬季パラリンピック大会は、いわば、最終コーナーを曲がったところだ。新聞各紙(いずれも、大阪本社発行最終版)は、それぞれ総括を載せる時期だと考える。だが、実際には、よく報道している読売と朝日、申し訳程度に載せている毎日、産経、何かないとまず載せない日経という、方針の違いが、くっきりと出ている。3月16日付け夕刊もそうだった。この日、特に目を引いたのは、朝日。スポーツ面と見開きで、カラー写真特集を掲載した。いろんなスポーツ、事件記事でもよく使う手ではあるが、見栄えのする紙面づくりだと思った。 写真特集のスペースは8段分、つまり、1ページのほぼ上半分と考えていい。そこに載ったのは、たった4枚だ。3位でゴールした女子バイアスロンのフランス選手をガイドが抱きしめ、選手の頬に、ガイドが口付けするシーン▽バイアスロン視覚障害の選手がヘッドホンをつけて、射撃する様子▽アルペン視覚障害クラスの選手が、ガイドとともに旗門を滑り送りいく姿▽距離シットスキー男子10キロで、5位に入った長田弘幸選手のスキーには、雪がびっちりとこびりついているというカット--の4枚だけだ。 たった4枚。だが、これら写真が、人が織り成すドラマの場面をきちんと切り取っている。選手の表情が写真を見るだけで伝わってくる。僕は2月23日付けの「【塩湖主義22】百行の原稿より1枚の写真」で、写真の大切さを訴えた。今日の夕刊の朝日は、ここで強調した「記者が力を込めて長々と書いた原稿よりも、たった1枚の写真が、すべてを物語ることも多い」ということを、改めて証明してくれたと感じた。 今大会の期間中、読売も、よく健闘してきた。だが、同じ日の夕刊は、朝日に比べると、物足りなかった。 題材が悪いわけではない。アルペン・チェアスキーのベテラン、四戸龍英選手(49)が、十数年にわたって戦ってきた世界の舞台での「ラストレース」について書いてある。四戸選手の男子回転の滑走姿の写真もあるし、「やっぱり寂しいねえ」という、心の中からしぼり出したと思える言葉も載せている。この記事だけを読めば、十分にいい原稿だと思う。しかし、これまで連日読んでくると、結局は、3月15日付けで掲載した「【塩湖主義40】そっくりじゃないか!」で指摘したパターン原稿で終わっている。結果的に、「普段」とさほど変わらない紙面となってしまった。非常に残念だ。 毎日は、社会面で本記筋だけの原稿。産経はスポーツ面で、前文と記録だけを載せた。読者の立場からみたら、「一応、調べて載せました」程度のことしか書いていないのと同じ。大阪本社発行の新聞を読む限り、毎日と産経は、パラリンピック報道について、とうてい「本気」になっているとは思えない。 今回の2002年パラリンピックは、以下の意味で非常に重要だったと考えている。96年アトランタでのメダルラッシュ、98年長野での国内開催、日本勢が大活躍した00年のシドニー大会--と、日本で「パラリンピック」という言葉が一気に広まって、初の大会だからだ。それを報じる側の態度、意識、紙面がどうなるのか、楽しみに見てきた。 実際には、各紙の意識の違いがはっきりと出た。これは、かえって面白いかもしれない。04年のアテネ、06年のトリノ、08年の北京と、2年ごとに行われる大きなスポーツの祭典を、新聞各社はどう報じるのか。前回や他紙の動向をきちんと見据えないと、新聞社が、世間の意識から、ますます取り残される。新聞社が、自分自身で解決しなければならない課題を、新たに抱え込んだようだ。やっぱり、面白い。(rivals japan 2002年3月17日掲載)
2002年03月17日
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3月14日付け新聞の夕刊各紙(大阪本社発行最終版)のうち、読売と朝日の記事を読み比べて、「ここまでパターンが似てくるか」と驚き、苦笑いしてしまった。読売スポーツ面に載ったチェアスキーの森井大輝選手の記事と、朝日の社会面に載ったアルペン・立位2の丸山直也選手の記事だ。二人とも大回転で8位になったということが一緒なのは、偶然だとしても、記事の書き方が全く別の会社で、別の記者が書いたのに、そっくりなのだ。新聞記者が知らず知らずのうちに身に付けている書き方のパターンなんだろうが、もう少し工夫があってもいいのではないか。 まず、読売の森井選手の記事から見て行こう。 最初に、森井選手の言葉が、かぎカッコでくくってある。「若い僕がこんな調子じゃいけないですよね」という悔いの言葉。続いて、8位になったこと、交通事故で車椅子生活を送るようになったこと、最近の大会のこと、そして、最終段落で「残るは回転の1レース」という段落で記事は終わっている。49行の原稿で、森井選手が滑っている写真が載っている。 朝日の記事は、やはり、丸山選手の悔いの言葉から始まっている。「世界は近づいている。でも、自分から遠ざかってしまった」という言葉だ。 続いて、8位になったこと。今大会や最近のレースについて触れる部分があり、4年前に中学生だった時に出場した長野大会でのことがかいてあり、最後の段落は「最後のレースは15日の回転だ」で締めくくってある。写真は、成績の掲示板を見る丸山選手の姿。滑っている最中ではないが、その直後だ。 パラリンピックで、世間に広く知られている人は少ないだろう。そうなると、記者は自分の原稿の中で、どうしてもその選手が歩んできた「歴史」を書き込まなければならない。特に、どうして「障害者」になったのか、スポーツを始めたきっかけは何か、最近の戦績はどうか--と、いったところに焦点が当たる。これは、仕方ない。ここを書かなければ、原稿そのものが成り立たなくなってしまうかもしれない。 だが、書き出しに選手の言葉を引用し、最後に「次のレースは」と、今後の予定に終わるというパターンまで一緒とは、どういうことか。二人が別々に書いたのに、こうも似てくると、「もしかしたら、お互いに原稿を見せ合ったんじゃないか」と、勘ぐりたくなるほどだ。 選手の様子を伝えるには、必ず言葉がいるというわけではない。例えば、掲示板を眺めたまま、何十秒動かなかったとか、滑り終わったのに、スキーの金具を何度も点検しなおしているとか。そういった「動き」が必ずあるはずだ。勝った選手なら、雪の上を転げ回るかもしれないし、真っ先に恋人のところへ近寄って、抱き合うかもしれない。 現場できちんと見ている記者なら、言葉だけに頼らなくても、様子を書き込めるはず。観衆の声援、風雪の強さ、それらに対して、選手、コーチらがどう動いたか。 そういうことを感じて、原稿にすることまでを、「取材」というのだ。 読売と朝日は、今大会を積極的に報道している。それだけに、記事の質の高さも求めたい。読んだ限り、今回の原稿は、事前に入手していたデータに、当日の言葉をくっつけただけという印象がある。もったいない。現場に行って、その場の空気を感じ取ることが出来ない記者を派遣するとは。 記者にとってももったいない。せっかく、めったに見ることが出来ない競技を、シーンを目の当たりにしているのに、この程度の原稿でお茶を濁しているとは。(rivals japan 2002年3月15日掲載)
2002年03月15日
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ソルトレークシティー・パラリンピックで、日本選手が初めてメダルを獲得した。スキー距離・短距離(運動機能障害)で、新田佳浩選手が3位となり、銅メダルを勝ち取った。3月13日付け夕刊各紙は、このことをみんな、大きく載せている。だが、新田選手は、銅メダルを得たことには「うれしいが残念」と語った。というのは、1位でゴールインしたドイツ選手が禁止薬物使用(ドーピング)違反で失格となり、新田選手が繰り上がってメダルを獲得したこと。そして、失格した選手が新田選手の憧れの存在だったということだ。心中、複雑だという。そうだろう。僕は、別の観点から、複雑な思いを抱いている。 冬季パラリンピック大会では、初のドーピング違反だという。僕は、ドーピングは絶対反対だ。2月25日付けの【塩湖主義24】「ドーピングには厳しく」でも書いたように、やってはいけない行為だと考えている。その点で、ドーピングが事実ならば、金メダルをはく奪された選手は、はく奪されて、当然のことをした。筋肉増強剤の一種に陽性反応があったといい、2年間の出場停止処分となるという。これも、国際パラリンピック委員会(ⅠPC)などが決めたことだから、当然の結果だと考える。 今回の報道を見聞きして、以下の2点は、きちんと考えなければならないと考えた。 一つは、違反したとされる選手側の言い分をきちんと伝えることだ。 3月13日付け夕刊(いずれも大阪本社発行最終版)は、読売と産経が1面とスポーツ面、朝日と毎日、日経が社会面で、この話題を大きく取り上げている。ところが、違反したとされる選手側の言葉を取り上げたのは、朝日だけ。ドイツ選手団が記者会見し、筋肉増強剤は持久力を高めるものではなく、距離選手が使うことは考えられないと、ⅠPCに再検査を求める意向を示したという。 いくら公の機関が発表したとはいえ、一方の話を鵜呑みにするのは、報道機関としては、不十分な取材だ。双方の話を聞いて、出来るだけ公平に記事を書くという態度がほしい。 そういう意味では、今回の記事は、朝日以外はすべて「失格」である。 もう一つのポイントは、くしくも、これで「競技スポーツ」としてのパラリンピックの認知度が高まってしまった点だ。僕は、そのように考えている。 僕の周辺では、パラリンピックは、せいぜい「障害者の大きな運動会」程度にしか考えていない人が少なくない。だが、ドーピングまでして勝とうとする選手がいたということで、パラリンピックの種目が「リハビリ」の延長ではなく、オリンピックと同等か、それに近いぐらいの大会であることを知らしめたのは事実だ。トップクラスの選手には、スポンサーがついていることも、競技によっては、非常に人気があるということも、今回の「違反」があって、初めて知ったという友人・知人も多かった。 この点は、非常に複雑な思いを抱いている。パラリンピックの競技性や認知度が高まることは、これまでも望んできたことだ。だが、こんなルール違反で知られるのは、本意ではない。(rivals japan 2002年3月14日掲載)
2002年03月14日
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毎日の3月12日付け朝刊(大阪本社発行最終版)は、スポーツ面でソルトレークシティー・パラリンピックの男子距離・視覚障害5キロクラシカルに出場した高橋正充選手を取り上げた。53歳。今大会の日本選手最高齢だ。毎日の記事は、応援に来ていた実の娘、縁さん(22)と、ガイドとして一緒に走った小泉洋美さん(25)の“2人の娘”に支えられて、滑り切った様子を伝えた。スポーツの話題ものとしては、よくあるケースだろうが、一般スポーツに比べて、パラリンピックに出場している選手は、40歳代とか、高橋選手のように50歳を超えている人もいる。「まだまだやれる」ことを証明した人の活躍を、しっかりと伝えてくれた。 見出しは飾りつき4段「2人の『娘』 雪原の光」と、「日本選手最高齢 高橋力走/53歳 晴れ晴れ」という横見出し。小泉さんにガイドされ、スキーを進める高橋選手の姿を写した特派員の写真が載っている。 00年暮れ、初めてガイドになった小泉さんは、高橋選手をうまく導くことができなかったという。高橋選手は、励ました。一方の実の娘、縁さんは、大学で福祉を専攻しており、「障害者のスポーツ活動について」を卒業論文のテーマに選んだという。 読んでいて、励まされる内容だった。 同じ日の朝日朝刊も、スポーツ面で、距離・視覚障害男子のフランク・へーフレ選手(ドイツ)を取り上げた。 34歳で出場6回目というだけでもすごいが、これまでに獲得した「金」が11個。84年のインスブルック大会に初出場して、この時はメダルを取れなかったが、88年以降のパラリンピックは、すべてで「金」を取っているという。4年後のトリノ大会にも出場し、優勝を狙っていく意欲を見せているといい、記者は「コレクションは、まだまだ増えそうだ」と記した。 この他のパラリンピック関連記事は、読売がスポーツ面で、アイススレッジホッケーの展望を中心に書いた。この原稿を執筆中、試合は進行しており、第2ピリオド終了時点でh、日本はスウェーデンに2-4と苦戦している。 産経と日経には、パラリンピック関連の記事は見当たらなかった。大相撲春場所が始まり、日米のプロ野球の話題が少しずつ増えるなど、スポーツ面に出る話題が多くなってきている。相撲は大阪でやっているし、野球は関西で育った選手が日米ともに多い。そう考えると、パラリンピックの記事の扱いが今までに比べて小さくなっても、仕方ないかもしれない。(rivals japan 2002年3月12日掲載)
2002年03月12日
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日本代表アイススレッジホッケーの遠藤隆行選手は、生まれつき両脚がない。このこと、そしてこの人を、真正面から取り上げた記事が、3月11日付け朝日(大阪本社最終版)のスポーツ面に載った。細かい部分だけを拾い上げると、「障害のある人を差別している」と言う人が出るかもしれない。だが、記事全体として、1人のスポーツ選手を、率直に取り上げた、いい記事だと感じた。これまで読んできた障害者のスポーツ活動関連の記事では、表面上のことを取り上げるだけだったり、無理やり美談に仕立て上げたものが多かった。それだけに、「本音を隠さない」(記事より引用)世界まで踏み込んで書いた朝日の“冒険”を評価したい。 見出しは、「脚がない。だから小回りが利く/遠藤、会心ゴール/ホッケー」という飾り文字付き3段の大きさ。新聞社で3段の見出しは、「大きくもなく、小さくもない」記事と聞いているが、飾りつきの文字を使う時は、単に活字だけの見出しの時よりも格が一つ上という。編集記者が「大きめに扱いたいけど、バカデカくはしたくない。かといって、あんまり小さくもしたくない」と悩みながら、見出しを付けたように読めた。 読んでいて、「取材した記者は、いい言葉を拾ったな」と感じたところが2カ所ある。引用する。、 ★引用1============================ 「脚があったことがないから自分では分からないけど、バランスもとりやすいらしい。おもしろいよね。障害を生かせるんだから」============================ ★引用2================= 障害者の世界だけは本音を隠さない。初めは抵抗感もあったが「今までは甘やかされてきたんだな」と。汗を流すうち、障害と素直に向き合えるようになった。================= 「引用1」でいうと、両脚がないと、なぜ「バランスがとりやすい」のかも書けば、もっと良かった。 「バランス」といえば、以前、大阪のPL学園高校野球部監督だった中村順司さんが選手を指導していたのを見たことがある。中村監督は、練習中、ずっとバランスの大切さを強調しておられた。スポーツは、どれもバランスがいいことが、上達に直結するものだ。スレッジというそりは、ただでも不安定な氷の上で、縦横無尽に動き回るもの。バランスの良さが、他の競技よりも余計に要求されると考えていいだろう。そういった部分が足りなかったのは、残念だ。 「引用2」の部分は、記者が聞いたことをかみ砕いて、書いたのだろうと感じる。もちろん、遠藤選手が、常に「障害と素直に向き合える」訳ではないだろうし、選手同士の「本音」には、今も抵抗があってもおかしくない。記事全体の流れとしては、素直に読めた。 ☆ ところで、11日付けの朝刊は、本来は発行されないはずだった。新聞休刊日だったからだ。休刊日は、月1回あるはずだった。 ところが、2月11日に産経新聞がこれまでの慣例を破って、同12日付けの新聞発行を決めたことで、他社も追随した。2月にやれば「3月も」と、各社とも休刊日を返上した。情報を求める立場としては、新聞が出るのはうれしい。だが、地域によっては、複数の新聞を同じ店で売る「合売店」という新聞販売店があり、1紙が発行されても、他紙が休刊したために、結果的に11日朝にはどの新聞も配達しない地域があったという。また、新聞社本体も、会社によっては、この配達対策や、人件費として、数千万円の赤字を出しているところもあると聞いている。 発行したのに配達しなければ、新聞に対する読者の信頼は低くなるだろう。また、赤字が出るなら、会社の体力も落ちるだろう。「新聞」というメディアの力がこれ以上落ちれば、日本のマスメディアはますます悪くなる。新聞が、今程度の落ちぶれ方で収まってくれているから、放送や雑誌がムチャをしても、まだ済むケースが多いと、僕は考えている。だから、新聞には踏ん張って、体力と知力を付けてほしい。そう思って、こんなコラムを続けているのだ。 本来「休刊日」だった日に発行すること--これは、考えモノじゃないか。事実、業界の「禁」を侵した産経は今回、「宅配」していない。理由は、配達するだけのカネと人がないからだ。(rivals japan 2002年3月11日掲載)
2002年03月11日
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新聞によるパラリンピック報道(大阪本社発行最終版)を調べていると、僕の感覚では、「意外」と感じる事実がある。記事の分量では読売が圧倒的に勝り、「質」もそこそこのレベルに達していると感じるのだ。「障害者」「新しいスポーツ」ということをキーワードに考えると、朝日や毎日の好きそうな分野だと思っていたのだが、今回ばかりは、「読売独走」の様相だ。3月9日付け夕刊と10日付け朝刊を読み、他紙に比べてどこがいいと感じたかを書きたい。 9日付け読売夕刊は、スポーツ面でバイアスロン女子7・5キロ視覚障害の小林深雪選手が、「連覇ならず」と伝えた。6位と、今一歩及ばなかった理由を「後半バテた」と記し、今後出場する距離5キロクラシカル、10キロフリーには、明るい兆しがあるという展望も書いた。 また、同じ面には、アイススレッジホッケーの加藤正主将が開幕戦の対アメリカで、右肩をいためて離脱、それが、日本チームにも大きな痛手になったと知らせている。 社会面では、バイアスロンの深沢春二選手(運動機能障害)の半生記。漁師だった深沢選手が、交通事故で車椅子を常用する生活となり、車椅子マラソン、バイアスロンへとスポーツ活動を広げたことや、地元の漁師仲間が、大会出場のために300万円ものカンパをしてくれたという話が出ている。 深沢選手の話題は、以前、NHKが特集番組を放送しており、これをみていたらほとんど書けるような内容ではあった。だが、最後の部分の「順位は三十位。『今日は四十キロぐらいの水揚げかな。これじゃ、大漁旗はあげられない。次のレースでは五トンぐらいとらないとな』。ちょっとばつが悪そうに言った」は、現地での「生」の声を伝えている。これがあるとないとでは、この記事の価値が全く変わってくる。 10日付け朝刊も読売は、スポーツ面でバイアスロンを取り上げた。ビーム銃に、天候に左右されない「エコー照準装置」を今大会から導入したという話題。パラリンピックでの技術革新を示すトピックとしては、面白い話だと感じた。 読売以外の記事では、10日付けの朝日朝刊スポーツ面のアイススレッジホッケーの記事が読み応えのあるものだった。記事の中ほどに、この競技の特徴を説明するために「アイススレッジホッケーは、両手のスティックをスキーのストックのようについて推進力を得る」と、書いてある。この部分がなければ、一般のアイスホッケーの記事かと思えるほどだ。これを書いた志賀英樹記者は、競技の特徴をきちんととらえ、正確に伝えたと思う。 また、朝日の9日付け夕刊はノルウェーの58歳、バイアスロン女子シットスキーのミュクレブスト選手が、今大会「金」1号となったという事実だけを伝えた。「パラリンピックは5回目の出場で、獲得したメダルの通算14個は史上最多となった」とは書いてあるが、これだけでは、「すごいなぁ」程度しか思わない。 これを読んだら、「どんな人なんだろう」と思う。記事の中に、「58歳」「14個」というびっくりするような内容を、盛り込んでくれたら、もっとよかった。ただ、夕刊の締め切りには、原稿が間に合わなかったのかもしれない。10日付け朝刊では、この選手についての記事がスレッジホッケーの横に「58歳、メダル14個/今大会「金」1号/ミュクレブスト」という4段見出しで載った。朝刊を読んで、やっとすっきりした。 ほかの社は、もう一つだ。小林選手が「バテた」ことや、深沢選手の「大漁旗」宣言など、分かりやすい記事がない。スレッジホッケーの話題もなければ、ミュクレブストの詳報もない。その中では、毎日が、10日付け朝刊社会面で取り上げたバイアスロンの伝田寛選手の人物像を描いたのは、まあ「いい原稿だった」と言ってもいい。だが、スポーツ面では、前文と記録だけと、寂しい扱い。ほかに目を引くパラリンピック関連記事はなかった。 産経は10日付け朝刊スポーツ面に記録だけを、日経は同じ日のスポーツ面に、大会の内容を一つまみだけした「本記」を載せただけ。力が入っていないのがありありだ。 今回のパラリンピックについて、これまでの新聞報道を読むと、朝・夕刊とも出し続けている読売と、朝刊に力を入れている朝日という日本新聞界の“両横綱”の優勝争いと言っていいかもしれない。朝日は、日本で唯一の国際パラリンピック委員会公認カメラマンの清水一二さんと専属契約するなど、早い段階で取り組んでいるだけに、今後、巻き返してきそう。それとも、「意外」なスタートダッシュをした読売が、このまま突っ走るのか。楽しみにしている。(rivals japan 2002年3月10日掲載)
2002年03月10日
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パラリンピックが開幕し、3月7日付け夕刊、8日付け朝刊各紙(いずれも大阪本社発行最終版)はかなりの分量の写真、記事を掲載した。一番気になるのが、選手を呼び捨てにするか、「選手」という肩書きを付けるかという点だ。僕のサイトは、「選手」を必ず付けている。新聞は、一般的にスポーツ面では呼び捨てにして、他のページでは、「選手」「さん」がつくことが多い。同じ日の新聞でも違うことがある。どうも、ちぐはぐな印象を受ける。障害者のスポーツ活動を続ける人たちは、「一般のスポーツと同じ扱いに」という意見が多い。今日は、この「肩書き問題」を検証してみたい。 調べてみると、以下のようになった。「面」は、パラリンピック関連の記事が載ったページだ。=============================★読売 ・7日夕刊~1面は選手名はなし、スポーツ面は呼び捨て、社会面は「選手」付き ・8日朝刊~スポーツ面で「選手」付き★朝日 ・7日夕刊~社会面で呼び捨て ・8日朝刊~スポーツ面で呼び捨て★毎日 ・7日夕刊~1面、社会面とも呼び捨て ・8日朝刊~スポーツ面で呼び捨て(ただし、名簿のみの掲載)★産経 ・7日夕刊~1面は選手名なし、社会面は「選手」付き ・8日朝刊~スポーツ面で呼び捨て★日経 ・7日夕刊~社会面で「選手」付き============================= 上の表に書いたように、現時点では、読売は、「呼び捨て」か「選手」付きかという点では、きちんとした判断基準を持っていないようだ。同じスポーツ面なのに、7日夕刊は呼び捨て、8日朝刊は「選手」を付けている。それは、おかしいと思う。 ただ、多少譲って、この読売の記事を読むと、肩書きがついてもおかしくないケースだとも思った。というのは、アルペン代表に選ばれながら、大会前の視力検査で出場が取り消された兵後正剛選手の話題だからだ。 一般に、新聞は「純粋な競技ならば呼び捨て、サイド的な話ならば、敬称などを付ける」というスタンスと聞いている。だから、スポーツ面で呼び捨てになり、家族やスタッフらも絡んだ話題の多い社会面記事ならば、「選手」がつくことが多いのだろう。 兵後選手は、「出場できなくなった人」だから、今大会は本来、「選手」という立場にはない。だから「呼び捨て」をやめたというのならば、分からなくもない。だが、ならば、その肩書きは「選手」ではなく、「さん」など、別のものになるはずだ。 今回の読売の記事は、そこがおかしい。読売を読んでいる人は、当事者が呼び捨てになったり、「選手」が付いたりで、混乱するかもしれない。基準はきちんと決めて、統一して運用してほしい。 僕は、基本的に、「選手」をつけようが、つけまいが、どちらでもいいと考えている。ただし、パラリンピックに出場する選手やスタッフなど、障害者のスポーツ活動に直接携わっている人たちが、「一般のスポーツと同じ扱いに」という気持ちは、よく分かる。だから、新聞を始めとするマスメディアが、他の競技と同じように「呼び捨て」にするというならば、その方がいいと考えている。 パラリンピック競技は、オリンピックなどが採用する類似のものとは、似て非なる競技ばかりだ。例えば、一般のバスケットボールの選手と、車椅子バスケットの選手が、車椅子バスケットで戦っても、「一般」側はかなわない。なぜなら、単に走って、パスしてボールを扱うのではなく、車椅子という別の器具を使うのだから、余計に難しいと言ってもいいのだ。スキーでも同じ。一般アルペンの選手が、チェアスキーに乗っても、速いとは限らない。 つまり、パラリンピックに出ている選手たちは、それぞれの競技・種目の第一人者ばかり。ならば、「普通」にスポーツ選手としての扱いをして当然だと考える。 ただし、「夏でもウマい冬物語」を含めて、僕が書くコラムでは、「選手」をつけることにしている。なぜならば、選手たちは、みな「選ばれた」人たちなのだから。僕は、敬意を持って「選手」と書いている。(rivals japan 2002年3月9日掲載)
2002年03月09日
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「もう一つのオリンピック」が3月8日(現地7日)、ソルトレークシティーで開幕した。「2002年ソルトレークパラリンピック冬季競技大会」は16日まで、五輪と同じ会場を使って開催される。8日付け朝刊各紙(いずれも大阪本社発行最終版)は、大きさに違いはあれ、スポーツ面で記事を掲載した。一般五輪と比べれば、どうしても扱いが小さくなるパラリンピックの記事だが、大会期間中の報道の様子を、五輪に引き続き、検証したい。 各紙朝刊の中で、この日最も扱いが大きかったのは、読売。凸版5段の見出しで、98年長野大会の女子バイアスロン(視覚障害)金メダリストで、今大会日本選手団旗手を務める小林深雪選手が、ガイドの小林卓司さんと二人三脚で「再び金を目指す」という内容だ。 記事は全般的にいい内容だと思う。ただ、残念なのは、現地に行ってからの「生」の声や動きが入っていない。公式練習での写真が載っているが、何か一言、ソルトレーク入りしてからの様子があれば、もっと良かったと思う。その程度の取材はできて当然だ。 毎日は「もう一つの五輪 きょう開幕」「日本36選手 3競技に火花」という3段見出し。写真は、特派員が撮影した聖火。ユタ州各地を回った火が一つにまとまった様子が載っている。ただ、記事そのものは、「36カ国から選手、役員約1000人を集めて開幕する」ことに始まり、アルペン、ノルディック、アイススレッジホッケーの3競技があることや、日本選手団は計76人ということなど、基本情報しか載っていない。現地に行かなくても書けるような内容だ。聖火がどのように採火されたのか、五輪との違いがあるのか、などは書いていない。ギリシャで採火することが決まっている五輪とは違い、パラリンピックは開催都市が採火地を決めることができる点を、書き込んでほしかった。 産経も3段見出し「パラリンピックきょう開幕」。共同通信配信の記事で、内容は毎日と同じような基本情報のみだった。また、日経も共同の原稿を使い、「パラリンピック/きょう開幕/36カ国が参加」というベタ見出しだけ。あまり力が入っていない様子がありありだ。 朝日の良かったところは、扱いは小さいが、「必要な情報」を載せた点。悪いのは、「きょう開幕」という内容が全くなかったことだ。 この日の朝日の記事は、「障害が軽い組へ/日本2選手変更/パラリンピック」というベタ見出し。アルペン・チェアスキーの志鷹昌浩選手とノルディック・シットスキーの深沢春二選手がLW10からLW11クラスに変わったことと、「目が見えすぎて」出場資格を失ったアルペン・視覚障害の兵後正剛選手がスタッフとして残り、前走などを務めるという内容だった。ニュースの部分は、日本選手団として、クラス変更を受け入れた、というところだけ。ただ、欲を言えば、こういった情報は、数日前からネットでは流れている。節目の原稿としては必要ではあろうが、もっと大きな節目の「きょう開幕」を忘れていては、新聞社としての感覚がおかしいのではないかと、疑ってしまう。(rivals japan 2002年3月8日掲載)
2002年03月08日
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3月7日付けの毎日新聞朝刊(大阪本社最終版)の特集紙面に目を奪われた。最上部に「企画特集 パラリンピックスキー」。1ページの上半分を使い、大きなカラー写真5枚を載せた。2月中旬に新潟・ARAIマウンテン&パークで行われた「2002ジャパンパラリンピックスキー競技大会」の概要報告記事だ。ソルトレークシティーでのパラリンピックの壮行会も兼ねたこの大会は、毎日新聞社が後援していた。主催・後援事業を大きく取り扱うのは、どこの新聞社・放送局でもやっていることだが、時期を見定めて、書いたことを、積極的に評価したい。 評価する理由は、二つある。一つは、障害者のスポーツ活動について、載せ続けているという点。もう一つは、毎日新聞が、少しは「成長」したように思えるからだ。 僕は2月7日付けの「【塩湖主義6】破格の扱いゆえに罪深い」http://hotwinter.rivals.ne.jp/default.asp?sid=210&p=2&stid=8082172 で、この大会について書いた事前記事を批判した。その記事は、あたかも「障害者のスポーツだから、感動しましょう」と呼びかけるような、押し付けがましい記事だったからだ。 今回の記事は、「魅せる」編集になっている。アルペンの田中哲也選手や大日方邦子選手が滑り、クロスカントリーの深沢春二選手が前へと進む姿。大会を終え、ファンにサインする青木辰子選手や、おどける田中、兵後正剛、佐々木如美、伊藤裕美の各選手が写っている。 「雪原に雄姿輝く」「ソルトレークでも完全燃焼」という見出しも、問題ないと思う。 また、アルペン、ノルディック、アイススレッジホッケーの3競技についての説明も、基本部分を押さえたうえで、あまり詳しくない人にも分かってもらいたいという文章だった。 そもそも、オリンピックやプロ野球、サッカーのトップレベル選手とは違い、パラリンピックに出る選手は、世間一般によく知られていない。競技についても、馴染みが薄い。だから、知っている人が読めば、今回の記事は、新鮮味に欠けるだろう。だが、一般への認知度を高める役割は、十分に果たしていると考える。 この日の毎日は、1面のコラム「余禄」でも、パラリンピックについて取り上げた。パラリンピックの歴史について、日本国内での動きも絡めて書いてある。 これも、障害者のスポーツ関係者の間では、よく知られていることで、「新鮮味」はない。とはいえ、大きな新聞社が「売り物」の一つである1面のコラムにパラリンピックを取り上げたことには、注目していい。 ステージは「次」の段階に入ったと、僕は思う。パラリンピックのことは、もうみんな、認識した。ならば、次は、その「競技」について伝える段階になった。大会が、いよいよ始まる。新聞社や記者が、今までのように「障害を乗り越えて」「ハンディを克服して」といった誤った表現を使う衝動を“克服して”原稿を書けるか。 しっかりと監視して行きたい。(rivals japan 2002年3月7日掲載)
2002年03月07日
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パラリンピック冬季大会を目前にして、ソルトレークシティー入りしていたアルペン日本代表の兵後正剛選手(40歳)=視覚障害B3クラス、三重県名張市=が、国際パラリンピック委員会(IPC)の視力検査によって、出場できなくなった。要するに、「目が見えすぎる」という理由だ。大阪本社管内発行の新聞では、毎日が3月5日付け夕刊社会面で時事通信電を短く報じた。その後、各紙・インターネット版などでも報じられている。報道を見聞きする限り、日本パラリンピック委員会(JPC)の審査の甘さが今回の問題発生の一因らしい。不惑の年でのパラリンピック初出場という「夢」を摘み取られた兵後選手の気持ちは、いかばかりだろうか。 毎日の5日付け夕刊以降のニュースを見ると、視力検査の国内基準と、国際基準が違うという。朝日のインターネット版の記事http://www.asahi.com/sports/update/0305/005.html や、毎日のインターネット版の記事http://www.mainichi.co.jp/news/flash/sports/20020306k0000e050021000c.html を読むと、JPCの若菜常信事務局長は、国内検査での不手際を認めている。しかも、朝日の記事にあるように「微妙だということは分かっていた」と述べている。国際大会に選手を送ろうとする時に、そんないい加減なことでいいのか。 競技団体やその役員は、選手の権利を守ることが仕事のはず。出場資格がないならば、選手に選んではならない。あらかじめ定められた手続きを踏まえないで、大会の会場まで行って、「ダメでしたか、そうですか」といった態度をとるのは、兵後選手にはもちろん、選考から漏れた選手、支えている人たち、ファンに対して、極めて失礼な話だ。パラリンピックという障害者のスポーツ活動における世界最高峰の大会への信頼も、JPCの不手際で、揺らいでしまう。 障害者のスポーツ活動は、96年のアトランタ夏季大会で水泳チームがメダルを量産して以降、一般の注目度が増した。98年の長野冬季大会は国内開催であり、アイススレッジスピードレース(今回は不採用)でメダルラッシュとなり、一般的に良く知られるようになった。00年のシドニー夏季大会では、水泳の成田真由美選手らの大活躍がきっかけとなって、「市民権」を得たと僕は考えている。今回のソルトレーク大会は、その延長上にある。日本のマスメディアも、読売(http://www.yomiuri.co.jp/sports/paralympics2002/main.htm )、共同通信(http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2002/para/ )、日経(http://sports.nikkei.co.jp/saltlake/ )が特集コーナーを設けているほどだ。 この原稿を書いている3月6日午後2時半現在、JPCの上部団体であり、事務局がある「日本障害者スポーツ協会」(http://www.jsad.or.jp )のサイトには、今回の兵後選手の「失格」について、何のコメントも載っていない。僕は、これは、無責任だと感じる。 当の兵後選手は、自身が会長を務める三重県障害者スキー協会のサイトで、「スペシャルメッセージ」として、気持ちを語っている。http://communities.jp.msn.com/MSAD21/msad.msnw?action=get_message&mview=1&ID_Message=99 「必ずや心機一転して、新たな自分ならではのパラを見つけて帰ります!」と書いてある。そう期待したい。選手団には同行し、開会式にも出られると言うことだ。帰国された時、ぜひ、詳しく、お話を聞きたいと思っている。(rivals japan 2002年3月6日掲載)
2002年03月06日
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こんにちは。オリンピックが終わり、世間はサッカーワールドカップモードに入りつつありますが、忘れてもらっちゃいけません。パラリンピック。現地7日(日本時間8日)に開幕です。 今大会は、日本でやるわけではなく、夏のように競技が多いわけでもないので、おそらく日本での報道は小さいと思います。それだけに、逆に扱いを間違うと、目立ちます。また、僕が以前書いたコラム「なぜ、『障害を克服』と間違うのか。」で問題提起したように、競技の姿を理解しないまま原稿を書いてくる記者、それを通してしまうデスクが出てくると思います。 たたき甲斐があるというものです(笑)。 【塩湖主義】は、パラリンピック大会終了まで続けます。ご期待下さい。(rivals japan 2002年3月5日)
2002年03月05日
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「もう一つのオリンピック」が間もなく始まる。ソルトレークシティー・パラリンピックは現地7日(日本時間8日)に開幕する。五輪と同じ会場を使い、アルペンスキー、ノルディックスキー、アイススレッジホッケーの3競技を行う。大会には、1000人を越える選手・役員が参加する予定で、日本からは、41人(ガイドを含む)の選手が出場する。大会前の日本での報道について、大阪本社管内で発行されている新聞各紙を比較すると、今のところ、朝日が一番力を入れている。 「力を入れている」朝日のことを書く前に、まずは、各紙が取り上げたパラリンピック全般のニュースを読んでみよう。 各紙がほぼ同時にパラリンピック関連の記事を載せたのは、3月2日付け夕刊だった。一番目立つ扱いにしたのは毎日。一面に写真入りで、「パラリンピック/選手団米国入り」と報じた。ただ、内容はややちぐはぐで、記事はアメリカに到着したことを書いているが、写真は、成田空港からの出発時点のもの。準大手ゼネコンの佐藤工業が自力再建を断念し、会社更生法申請する方針だという大きなニュースがあった日だが、ほかに一般ニュースの写真がなかったのだろう。無理やり前日の使った印象が残った。 この日の朝日と読売は、いずれも第二社会面で採火式の様子をほとんど同じ扱いで載せた。見出しも写真も3段。朝日が「もうひとつの聖火ともる」「パラリンピック/選手村が開村式」、読売が「氷雪の“主役”次は私/ユタ州で採火式 選手村オープン」。 一面に載せて、「目立った」だけの毎日に比べると、朝日も読売も、パラリンピックの聖火とする火をユタ州各地で採ったことや、開村式という現地の動きを取り入れた点で、はるかにいい記事。特派員がきちんと取材しているかどうかが大きな勝負の分かれ目だった。 この日の夕刊で、日経、産経の記事は見当たらなかった。だが、3日付け日経の朝刊スポーツ面を読むと、「パラリンピック/423人エントリー/日本は37人」という記事が載っている。選手数は、視覚障害のある選手を含まない数。この記事で、驚いたのは、「地元米国の五十七人についで二番目に多い」ということだった。日本は、実は、“大選手団”を送り込んでいたのだ。 さて、冒頭に書いた「一番力を入れている」朝日。2日付け朝刊スポーツ面で、大会を展望する「パラリンピック開幕まであと6日/大日方・青木 メダル期待」という記事を載せ、さらに連載企画「ロッキーは招く/ソルトレーク・パラリンピック」をスタートさせた。第1回(2日付け)はアルペンスキーの田中哲也選手を、3日付けの第2回は、選手団最年長(53歳)で、距離とバイアスロンに出場する高橋正充選手を取り上げた。 この「ロッキーは招く」は、選手がこれまでに歩んだ人生と、大会への意気込みを中心に書いており、記事自体には、特に新鮮な印象はない。だが、パラリンピックの選手をスポーツ面に連載企画として載せることは、これまでにほとんどなかっただけに、載せること自体に意義があるといっていい。4日付けは休載だったが、5日以降の記事にも期待している。(rivals japan 2002年3月4日掲載)
2002年03月04日
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地方紙のインターネット版での五輪報道「その3」は、関東と新潟を取り上げる。独自の五輪特集を持っていたのは、ノルディック複合の荻原健司選手の出身地・群馬の上毛新聞と、北海道、長野に並んでスキーが盛んな新潟の新潟日報だけだった。下野新聞(栃木)、茨城新聞、埼玉新聞は、共同通信サイトへのリンクのみで、千葉日報、神奈川新聞、山梨日日新聞は、五輪特集が見当たらなかった。地域のニュースを重視する地方紙だから、地元出身者が出場していなければ、特集がなくても当然だろう。 ★上毛新聞(群馬)の特集アドレスは、http://www.raijin.com/news/kikaku/olympic/index.htm メニューは以下のとおり。 【PDF】17日間の祭典に幕(2月25日付)【PDF】白幡が4位(2月23日付)【PDF】「悔しさ一生残る」(2月23日付)あす個人スプリント (2月21日付)複合団体は8位(2月19日付)【PDF】本田惜しくも4位(2月15日付)【PDF】岡崎、大健闘の6位(2月15日付)【PDF】清水、銀メダル(2月13日付)【PDF】清水1本目2位(2月12日付)【PDF】荻原、11位でゴール(2月11日付)【PDF】荻原、K点ジャンプ(2月10日付)【PDF】里谷多英が「銅」(2月10日付)【PDF】荻原、納得のいく戦いを(2月9日付)【PDF】ソルトレーク五輪開幕(2月9日付)健司、頑張れ 古里・草津から両親がエール(2月9日付)荻原復調に手ごたえ(2月8日付)【PDF】複合陣が現地入り(2月6日付)複合陣が現地入り(2月6日付け)荻原応援 地元は一丸 草津町 (1月30日付) 荻原選手の戦いぶりのほか、地元・草津町での応援、他の日本選手の活躍などを取り上げている。ここの特徴は、PDFでも記事を掲載しているところ。おそらく、号外として社外で配布したか、張り出したものなのだろう。カラー写真入りで、ニュースの筋が端的に分かるが、インターネットで見ようとすると、やや重かった。ここが難点だ。★新潟日報の特集は、こちら。http://www.niigata-nippo.co.jp/saltlake2002/saltlake.html メニューは、下記。------------------------------ ■最終日 閉会式 (2002/2/26) ■県勢健闘 ■ 横山 意地の22位 現役続行 (2002/2/26) ■ 男子回転 皆川 攻めきれず (2002/2/25) ■ 女子大回転 柏木35位もう一度出たい (2002/2/24) ■ 女子20キロR 好機生かせず日本10位 (2002/2/23) ■ 吹雪をついて大荒れレースで大健闘 (2002/2/22) ■ 日本アルペン陣が会見 皆川上位へやる気満々 (2002/2/19) ■ 2度目の五輪へ 伊藤裕美 (2002/2/17) ■ 距離女子複合 17人抜き横山29位 (2002/2/17) ■ バイアスロン男子10キロ井佐62位望月69位 (2002/2/15) ■ 距離10キロクラシカル横山33位後藤34位 (2002/2/14) ■ 男子モーグル下山は予選落ち (2002/2/14) ■ バイアスロン男子20キロ井佐44位目黒は66位 (2002/2/13) ■ 距離15キロフリー横山23位 後藤28位 (2002/2/11)■PDF号外 ■ 清水は銀メダルスピードスケート男子500m (2002/2/13) ■ 清水初日は2位スピードスケート男子500m (2002/2/12) ■ 里谷 銅 日本メダル第1号 (2002/2/10)■関連サイト ■ 共同通信:ソルトレーク冬季五輪特集 ■ 共同通信:日本代表選手紹介 ■ 新潟県観光協会:出場選手を応援しよう ------------------------------ リード部分で、オリンピックとパラリンピックを合わせて、選手10人、監督1人が出場することを書き、それぞれの選手らを顔写真入りで紹介している。こういう方法は、これまで見てきた各新聞では見当たらなかった。「こんな選手が出ますよ」という紹介としては、非常に分かりやすい、いい方法だと思う。ただ、県勢の戦歴などについて、もっと詳しく知りたい人には物足りないかもしれない。 また、新潟県勢の記事を集めてはいるが、記事の内容そのものは、大会の本筋の話ばかりで、地元の盛り上がりや応援については、触れていない。特派員がいたのかどうかも分からない。 もう一つ気になったのは、ホームページでは、新潟日報としての五輪特集と、共同通信の五輪特集へのリンクが、離れた場所にある。これは、見る人には不親切だ。五輪特集ページに共同へのリンクがあるから、許してもいいのかもしれないが。 新潟日報も、PDF号外を出している。上毛と違うのは、日本人選手がメダルに絡む活躍をしたときだけという点。この方が妥当な判断だと思うが、群馬での荻原選手のような存在を考えれば、上毛の判断がおかしいとも思わない。 このほか、新潟日報は、関連サイトとして、新潟県観光協会の「出場選手を応援しよう」というリンクがあった。地元との協力という手法としては、いいと思った。だが、PR不足からか、書き込みが少なかったのは残念。(rivals japan 2002年3月2日掲載)
2002年03月03日
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ブロック・地方新聞社がインターネットに載せたソルトレークシティー・オリンピック報道を比較する第3回。地方紙の2回目として、東北の新聞社のサイトを調べた。青森の東奥日報、秋田魁新聞、岩手日報はそれぞれ、県出身手の特集を組んだり、隣県出身者を精力的に取り上げるなど、見どころが多かった。だが、東北の有力紙・河北新報(宮城)は、共同通信の五輪特集にリンクしてあるだけで、山形新聞、福島民報、福島民友は、オリンピック情報が見当たらなかった。「雪国」の新聞としては、寂しい態度だ。 ★東奥日報http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/saltlake/index.html の2002年ソルトレーク五輪 特集メニューは以下のとおり。==============がんばれ!県勢 連載 「はばたけ県勢・白銀のソルトレークシティーに」 本社記者のソルトレークだより 五輪特集(共同通信) ============== メニューはシンプルだが、[がんばれ!県勢」では、選手だけでなく、スタッフについても逐一、記事としている点が、きめの細かな報道になっている。 連載「はばたけ県勢・白銀のソルトレークシティーに」は、蛯沢克仁、工藤博、福田修子、古沢緑、築館郁代、木村公宣の青森県出身選手を取り上げ、青森在住・出身で、ゆかりのある人の応援メッセージも載せた。 記者コラムも、他紙同様に面白い。 インターネットのいいところは、遠くにいても、気になる地域の情報を得られるところだ。東奥日報のように、作りを簡単にしたうえで、自分のところしか書けない情報を載せることが、一番いいと考える。★秋田魁新報http://www.sakigake.co.jp/Sports/saltlake/saltlake_top.html は、「がんばれ!県勢」で、ノルディック複合の高橋大斗 (鷹巣農林高-北海道東海大)、小林範仁(花輪高-日大)、女子距離の古澤緑(大館桂高-弘果ク)の各選手を特集。内容的には、人物紹介にとどまっているのが残念だった。 このほか、「秋田魁新報、さきがけスポーツ取材班から」というコーナーで、県出身2選手が出ているノルディック複合を中心に丹念に記事を書いているという印象を受けた。また、高橋選手の結果を速報するために号外を発行したという地元紙らしい良さが出ていると感じた。★岩手日報http://www.iwate-np.co.jp/salt%20lake2002/saltkaketop.html http://www.iwate-np.co.jp/salt%20lake2002/saltkakedayori.html は、「本社・四戸記者のページ」「ソルトレーク便り」の2本立て。青森、秋田、岩手の「北東北」3県のうちで、唯一県出身選手が出場していなかったため、サイトの五輪特集にも、あまり力が入らなくても仕方がない。だが、特派員が五輪一般ニュース、記者のコラムとも、かなりの分量を書いている。かえって、新聞としての個性が出たところが評価できる。(rivals japan 2002年3月2日掲載)
2002年03月02日
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インターネットでのソルトレークシティー・オリンピック報道を調べるシリーズ。第1回のブロック紙(中日、道新、西日本)に続き、地方紙のシリーズ第1回として、4年前の冬季五輪開催地だった長野の県紙・信濃毎日新聞のサイトを調べてみた。さすが、信毎。検索しやすく、情報も基本的な部分をきちんと載せているし、長野出身の選手についても、かなり触れていると感じた。オリンピックという世界共通の話題がある中で、新聞が特色を出すとしたら、地元・選手との密着度だろう。他紙も、信毎のサイトを大いに参考にしてほしい。 ★信濃毎日新聞のソルトレーク五輪特集http://www.shinmai.co.jp/2002olympic/ の分類は以下のとおり。=======================================長野県関係選手[クロカン]今井博幸、堀米光男、神津正昭、畔上大地[ジャンプ]山田大起[複合]荻原健司、富井彦、森敏[フリー]野田鉄平、中西拓、上村愛子[スノボ]宮脇健太郎、橋本通代[スピード]羽石国臣、今井裕介、野明弘幸、中嶋敬春、大菅小百合、外ノ池亜希[ショート]篠原祐剛、田中千景、小沢美夏[リュージュ]小口貴久、高橋敬[スケルトン]越和宏、稲田勝、中山英子結果一覧 メダリスト一覧 日本選手一覧 関連ニュース[スキー競技][スケート競技][そり系競技][開閉会式など] [ソルトレーク][周辺の話題2][周辺の話題1][競技関係2001][競技関係2002][連載企画] PDF号外 写真グラフ[笑顔と厳戒と][五輪の町歓声] 競技日程 共同通信特集 共同ニュース五輪・スポーツ ’98長野五輪 ======================================= 信毎のサイトが最も優れているところは、検索がしやすいところだ。例えば、スキー競技 関連ニュースを選ぶと、===========里谷、大技見せるか 第2日の見どころ (2002.2.9)上村、順調な仕上がり 期待集まる2人のエース (2002.2.9)愛子“三輪ヘア”で公式練習に (2002.2.9)ジャンプ予選延期 ノーマルヒル11日未明 決勝前に (2002.2.9)悪天候にも冷静な日本ジャンプ陣 (2002.2.9)===========のように古い順に見出しが並び、読みたい記事の見出し前にあるボックスをすべてチェックして、「選択決定」のボタンを押すと、すべてが同時に画面に出てくる。長野大会の時にも同じシステムを使っていた。どの新聞社も、これと同じようなものは作れるだろう。読み手のことを考えた、親切なサイト作り。これは、素晴らしいと思う。 さらに、上に載せた分類を見ても分かるように、話題が豊富だ。しかも、前回の長野大会のものも容易に検索できる。 残念なのは2点。不正判定や薬物問題など五輪の根幹を揺るがす事件については、独自ニュースが少ないことだ。信毎も加盟している共同通信の五輪特集に行けば、そういった記事が見られるから、一応、「掲載」したことにはなるが。 もう一つは、せっかく社員(信毎記者)である中山英子選手がスケルトンに出場したのであるから、もっと宣伝したらよかったのにと考える。記者として、取材する立場の人が、選手という取材される立場に立って分かったことも多いだろう。サイトに載った記事を読むと、帰国後に体験記を書くらしい。これには期待したい。(rivals japan 2002年3月1日掲載)
2002年03月01日
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筆者が住む大阪では入手が難しい新聞について、今日からインターネットサイトでのソルトレークシティー・オリンピック関連の報道を比較していきたい。第1回は、ブロック紙である中日、北海道(道新)、西日本の3紙のサイトを見た。正直な印象として、どのサイトも「個性がない」と感じた。冬の大会ということで、出身選手が少ない九州に本拠を置く西日本は、共同通信の五輪特集へのリンクしかしていない。これは仕方ないとしても、東海や北海道からは多くの選手を出している。地域のニュースも集めれば、面白いサイトになっただろうにと思うと、残念だ。 中日グループのサイトhttp://chuspo.chunichi.co.jp/saltlake/ の分類は、以下のとおり。 総 合 スキー スケート その他の競技 決勝記録 メダル獲得数 日 程 競技展望 日本選手団 特 集 コラム 良かった点を挙げれば、「総合」で不正・不可解判定問題や、薬物問題についての記事を多くのせていることだ。また、コラム「エルク通信」も読売、朝日、毎日、産経などに載ったものとは、ちょっと違った、記者の個性が出ているものが多かった。 しかし、ショートトラックの寺尾悟選手、勅使河原郁恵選手、フィギュアの恩田美栄選手ら、東海地方出身の選手の話題があまり載っていないのは、物足りない。本人はもちろん、周囲の人にしてみれば、五輪に出ることはものすごいことだ。だから、地元や近所のおじさん、おばちゃん、幼なじみなどの騒ぎっぷりも、載せていいんじゃないか。 中日グループとして発行する新聞として、ほかには東京新聞や日刊県民福井などがあり、東海に「特化」するのが難しいのか。インターネットなんだから、むしろ、地域の息遣いを伝える記事を載せやすいと思う。工夫が足りない。 道新のサイトhttp://www5.hokkaido-np.co.jp/sports/saltlake2002/ の分類は、以下のとおり。 ソルトレーク冬季五輪 開幕 日本選手団紹介北海道関係は55選手 競技の見どころ eyes 取材メモから 過去のメダル 特集 聖火その光と影 特集 日本のエース この中で、読んでよかったと思ったのは、4人の特派員によるコラム「eyes 取材メモから」だけだ。ソルトレーク市が五輪誘致の際に国際オリンピック委員会(IOC)の委員を買収していたことに触れたのは、他紙では見当たらなかった。また、スノーボードで入賞した若い選手が、義務付けられている記者会見の拒否したことを、やんわりと批判。そのうえで、コーチ・スタッフらに「立ち去った選手はまだ、高校生。日本を背負っていく宝だ。まず、スポーツマンの振る舞いを教えてあげてほしい。その後に公正な競技にするべく、ルール改正に向け動きだせばいい」と求めるなど、短い文章の中で、きちんと提言をしていた。 だが、道新も、北海道出身選手の特集などはなかった。かろうじて、「日本のエース」が、やや道産子中心の編集になっていると感じたが、北海道らしい空気は伝わってこない。 地域に根ざした新聞を自負するなら、それを積極的に訴える態度が必要だと考える。今日見た3紙のサイトは、あまり得るところがなかった。(rivals japan 2002年2月28日掲載)
2002年02月28日
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ソルトレークシティー・オリンピックが閉幕し、当然ながら、新聞での報道は一気に減った。そこで、これまでなかなか触れることの出来なかったインターネットでの報道について、何回かに分けて、書いていきたい。五輪終了直後に改めて五輪公式サイトと、日本の一般紙が開くサイトを中心に、見ていこうと思う。新聞には載らなかったり、載っても目立たなかったコラムなどが、インターネットでは読めるケースがあるのが長所。今後、時折、更新の様子などをチェックしていきたい。 ソルトレーク大会の公式サイトhttp://www.saltlake2002.com/x/f/frame.htm?u=/news/slocmain_front.asp は、けっこうやっかいだった。なによりも、ひどいのは、非常に重いことだ。ADSLやケーブルで接続している人ならば、そう気にならないだろうが、ISDNや一般回線で見ようとすると、なかなか画像を表示しない。これでは、入り口の段階で、見ることを挫折してしまう。この時点で、ほとんと失格の烙印を押していい。 朝日のサイトの中では、鐸木能光さんのコラム「スポーツの『勝負』とは何なのか? 」http://www.asahi.com/column/aic/Tue/takuki.html が面白い。フィギュア、ショートトラックでの判定問題について、「審判疑惑以前に、そもそも競技のルールがおかしくないか」という率直な論点で疑問を投げかけている。新聞では、このように素直に書いた記事は見当たらなかった。大会関連のhttp://www2.asahi.com/saltlake/index.html も、まあ、まとまっている。 毎日のサイトでは、佐々本浩材記者が担当する「特派員日記」http://www.mainichi.co.jp/entertainments/sports/02sl/column/ が興味深い。本人はスポーツ取材の現場の経験は少ないらしい。それゆえに、逆に、「発見」が随所にあった。そもそも、スポーツとは楽しいもののはずだ。人それぞれ、楽しみ方があるはずだ。経験の豊富なスポーツライターが、深層・真相・心想に切り込んでいく記事はもちろん大切。だが、僕が読む限り、専門家であるはずのスポーツライターが、妙な技巧に走ったり、勘違いした記事を書くことも多い。その点、佐々本記者は、一般人に近い立場から、面白いことも、分からん点も素直に表現しているところが、僕にとっても新鮮だった。 読売は、http://www.yomiuri.co.jp/sports/saltlake/new_news/new_news.htm で、大会終了後にも続けている連載記事を載せていることと、特派員による「ソルトレーク便り」http://www.yomiuri.co.jp/sports/saltlake/salt/salt.htm がいい。競技とは直接関係のないこぼれ話が楽しい。 日経は、http://sports.nikkei.co.jp/saltlake/ で、一般紙並みの特集を組んでいる。記事だけでなく、ウェブの読者からのコメントを載せるなど、工夫している。他社に比べて、ウェブの作り方も、よく考えていると思った。一見の価値あり。 産経は、http://www.sankei.co.jp/databox/saltlake/salt_index.html に主だった記事を掲載しているだけで、特に強い印象は受けなかった。ただ、サンケイスポーツの五輪特集にもリンクしてあり、選択肢は広げている点は評価していいか。そのサンスポも、あんまり見るところは見当たらないが。(rivals japan 2002年2月27日掲載)
2002年02月27日
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冬季五輪が閉幕した。昨年9月に同時多発テロがあり、一時は開催が危ぶまれた。だが、実際には、いろんな意味で、過去にない印象深い大会となった。そのなかでも、最も強い印象を受けたのが、今回の五輪が、ソルトレークシティーという米国内で行われた、米国による、米国のための五輪だったという印象だ。2月25日付け朝刊各紙(いずれも大阪本社発行最終版)にも、大会を総括して、米国や北米のメディアなどを批評する記事が多く載っている。特に良かったのは、毎日オリンピック面に載った橋本聖子さんのコラム、同じく毎日の村田隆和記者の「記者の目」、読売の社説、産経オリンピック面の記者座談会だった。 橋本さんのコラム「スケート分析」は、辛らつだ。「五輪精神が汚された」。東京五輪があった1964年10月に生まれ、「五輪の申し子」と呼ばれた橋本さんが、ここまではっきりと批判したことに、心地よさを感じる。橋本さんはこう書いている。============================= 米国は、実力的には素晴らしかったのだが、地の利を圧力と思わせる雰囲気の大会にしてしまい、不正判定などでロシアや韓国と混乱を引き起こした。平和の祭典とはほど遠かった。 私たちは、2年後のアテネ、4年後のトリノに向けてもう一度、本当の五輪に戻さねばならない。五輪の素晴らしさを、受け継いでいかなければならない。今回で五輪ファンが減ってしまったとしたら、とても悲しいことだ。============================= 同じ毎日に載った村田記者の記者の目は、フィギュアのペア判定を取り上げた。曰く「メディアに屈したIOC/不要だった『2個目の金』」。結論部分が、すべてを言い表している。================= 米国で開かれた米国のための五輪。昨秋の同時多発テロ事件の後遺症に苦しむ人々の心を少しを癒せたかもしれない。そうなればいいと大会前、思ってもいた。しかし、今の私はこうも言いたい。「こんな五輪なら、もういらない」================= 村田記者は、ペアの出場20組について、各審判の採点を最終結果と照らし合わせたという。すると、「最も最終順位に近い判定をしたのは、フランス人の審判員だった。8位と9位が入れ替わっていただけで、後はすべて最終順位と同じだ」 不正を行ったとされるフランスの審判がこういう採点をしていたとは、驚いた。さらに、村田記者は記す。「米国人、カナダ人審判員は12組も順位が違っていた。『ナショナル・バイアス(国による身びいき)』が問題と言うなら、この2人の方がよほど軸がずれている」 明快だ。いい記事だ。 この「記者の目」の対面に、毎日の社説「冬季五輪閉幕 問題をうやむやにするな」が載っている。ところが、社説の文章はかなり、もたもたとしている。これが、大学入試で受験生が書いた小論文なら、合格点を得たかもしれない。だが、新聞記事としては、何が言いたいのか分からなかった。そのために、余計に村田記者の言いたいことがきちんと伝わってきた。新聞が自らいい例と悪い例を載せてくれた。新聞もたまには乙なことをやる。 同じ社説でも、読売の「見直し迫られるスポーツの祭典」は、すっきりしていた。冒頭部分で、ストレートに言い放っている。================================ これではいけない。抜本的な見直しが必要だ。(中略)だが、不信と疑惑まみれの五輪となってしまった。続出した問題の解決を図らないと、五輪の存在価値が問われる。================================ 以下、時折話があちこちに行っているようにも読めるが、社説はどの社も、たいてい「いい文章」であることが少ない。その中では、まとまっている方だと思う。 また、読売は、社説と同じ面に載せた五輪の総括記事の中で、日本距離コーチの「平和ボケ」に言及した点は、他紙には見当たらない。忘れてはいけない、いいポイントを書いたと思う。 産経の記者座談会は、本音トークになっていて、面白い。「米国賛歌に閉口/分析甘かった日本」という見出しが、記者たちの主張を言い表している。この記事は、部分を引用するよりも、一つの記事として、きちんと読んでもらった方が、いいと思う。その方が、面白さが伝わる。 ただ、新聞社の使う「記者座談会」というものは、本当は「座談会」ではないと聞いている。記者が、それぞれ思ったことをメモに書いて、それを出し合って、まとめ役の1人か2人が、都合のいいようにつなぎ合わせるそうだ。だから、最初に「Aさん」で出た人の言葉が、あとの方では、「Cさん」の言葉になることもあるという。今回の産経がそんな「座談会」記事を載せたのかどうかわからないが、もし、違うのならば、本当に座談会をやったかのような読者に誤解を与えることは、出来れば避けてほしい。 その点、朝日は「正直」な記事を載せた。各特派員の署名入りで、大会期間中に抱いたことをそれぞれがコラムにまとめた。現場で取材した記者がどのように感じたかが読めるのはいい。ただ、一方で、まとまりがなくなった印象もある。 産経と朝日の記事だけで判断して、どちらが好きかと問われれば、僕は産経の方が好きだ。(rivals japan 2002年2月26日掲載)~~~~~~~~~~2月に入ってから続けている「塩湖主義」。読んでいただいていますか。オリンピックが閉幕しましたので、パラリンピックまでの間は、不定期掲載にするかもしれません。端境期ですから、その間に充電して、またパラの時期に「辛口」になろうかと思っています。いよいよ3月ですね。「冬」以外のスポーツも目白押し。他の分野の競技にも、いろいろと口を挟んでいくつもりです。ご希望、ご意見などがありましたら、ぜひ、お寄せ下さい。(rivals japan 2002年2月26日)
2002年02月26日
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ソルトレークシティー・オリンピックは、最終局面を迎えて、残念な事件があった。スキー距離の選手3人がドーピング(禁止薬物使用)で金メダルをはく奪されたり、入賞を取り消される事態となった。2月25日付け朝刊各紙(いずれも大阪本社発行最終版)は、選手の中で、持久性を高める効果のある禁止薬物を使用していた者がいたという途中の段階ではあるが、大きく報道した。この中では、朝日が最も踏み込んだ報道をしていた。今大会、精彩を欠いた朝日だったが、やっと光る記事を載せてくれた。各紙が報じた男子50キロクラシカルの件について、比較する。 朝日は1面、社会面、オリンピック面で、今回のドーピング問題を書き分けた。1面はトップ記事として、「距離3冠/ミューレック、薬物陽性/IOC『金』はく奪濃厚」と見出しを付け、直接問題となった50キロクラシカルに出場した時のヨハン・ミューレック選手(スペイン)の競技中の写真を載せた。記事は、陽性反応があった薬物「ダーベポエチン」の説明や、検査の概要、ミューレック選手の略歴、過去にドーピングによって金メダルをはく奪された選手などについて書いた。 社会面もトップ記事。「ミューレック薬物陽性/閉会目前、五輪また衝撃/異色の『英雄』一転」の見出し。ドイツ人のミューレック選手が、ドイツのスキー連盟と対立して、スペイン国籍をとり、スペイン代表として今大会に出場した経緯や、今大会での薬物疑惑などについて書いた。 オリンピック面には解説記事。ダーべポーチンがIOC(国際オリンピック委員会)の禁止薬物リストには入っていないものの、IOCが摘発に力を入れている禁止薬物エリスロポエチン(EPO)と同様の効果があり、化学構造が似ていることや、関連物質として、禁止されていることなどを記した。 読売も1面の2番手と、第二社会面で4段見出しの関連記事を載せ、「『金』はく奪濃厚」と記した。内容は朝日ほど詳しくはない。とはいえ、かなり大きな紙面を割いて、きちんと報じた。 産経は、1面2番手、オリンピック面に4段見出し。毎日も産経とほぼ同じく、1面2番手とオリンピック面凸版4段の扱いだった。産経と毎日は「『金』はく奪も」というやや弱いトーンで書いている。内容は、本筋のことだけで、産経や毎日だけを読んでも、ミューレック選手がどういう人かは、よく分からない。 このうち、毎日のオリンピック面の記事は、いずれも共同通信配信のもので、内容も物足りない。毎日が、この件の報道では、完全に出遅れたことを如実に表した。 また、日経は、オリンピック面に4段の記事を載せただけで、他紙と比べると、弱腰に思える。 今回の報道について、僕自身は「どうなのか」と悩むことがある。それは、ミューレック選手を実名で出すなど、「容疑者」扱いすることだ。ミューレック選手は、刑事上の罪を犯したわけではない。公人でもない。しかも、IOCや国際スキー連盟の処分をまだ受けてもいない。そういう人物を「犯罪者」「容疑者」扱いしていいのかという点だ。 異論があることを承知で書くと、僕は、この件は、実名報道でいいと考えている。刑事上の罪は犯していないが、スポーツ界では絶対にやってはいけない罪を犯した▽公人ではないが、スポーツ選手として、全世界に報道されている最高の舞台で、違反によって「英雄」になった▽処分はまだ出ていなかったが、IOCが禁止した薬物に陽性反応が出たことが明確--などの理由がある。お互いにルールを守ることによって成り立つスポーツで、こっそりとルールを破って、メダルを得ようとしたことは、世界中のスポーツファンに対しても、裏切り行為になる。夢を与えるはずのスポーツが、夢を奪う場になるなんて、あってはならない。 それに、今回の五輪では、IOCのジャック・ロゲ会長が開会式でこう言っていた。 「1着でゴールをするよりも、チャンピオンとなることが大切。チャンピオンは、勝者を上回る。チャンピオンというのは、ルールを尊重し、ドーピングを拒絶し、フェアプレー精神で戦う選手です。だから、順位がどうあれ、みなさんがチャンピオンになることができる」と。 ミューレン選手は、はく奪された「金」のほかにも、二つの金メダルを獲得した。この二つは、違反があったかどうかの証明がないから、奪われることはない。だが、ミューレン選手は、「チャンピオン」になることは出来なかった。彼にとっても、五輪の歴史にとっても、それは、汚点だ。(rivals japan 2002年2月25日掲載)
2002年02月25日
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人間の記憶はいい加減だ。確か読んだ記憶がある、聞いたことがあると思っていても、それが、どこに掲載されていたか、どこで見聞きしたのか、分からないことがある。紙メディアが報道に比べ、コピーなどで残しやすい点が優れている。だが、一つ一つ探し出すのは、面倒だ。そこで、大切なのが「1・5報」だと考える。読者が、「あの話、よく分からない」「今はどうなっているんだろう」と考えた時に、分かりやすく説明する解説記事だ。2月24日付け朝刊各紙(いずれも大阪本社発行最終版)の中では、読売総合面の「抗議五輪」、朝日オリンピック面の「ショートトラック なぜもめる」、日経オリンピック面「透視線」はいい記事だった。 読売の記事「抗議五輪」は、ソルトレークシティー五輪で、審判の判定をめぐるトラブルをまとめた。日々の新聞を丹念に読んでいれば、この中に書いてあることで、真新しいことは少ない。だが、細切れの情報では分かりにくかった点がまとまって出てくると、「なるほど」と思える。この記事がいいところは、ストレートに二つのポイントを指摘したところだ。 一つは、1980年代の五輪ボイコット事件と、今回のロシアの閉会式不参加示唆問題を踏まえ、「大きく違うのは、今回のボイコット示唆は政治的理由ではなく、競技の現場から出てきたIOCへの不満が根底にあるということだ」と示した点。 もう一つは、「今五輪でロシア、日本、韓国、リトアニアなど各国が続々と競技の判定結果に抗議するに至ったもとをたどれば、“二個目の金メダル”というIOCの『超法規的決定』にたどりつく」と、スポーツ界ではあってはならない「禁」を、国際オリンピック委員会自身が破ったことを批判している。 この記事では、「各国に『ゴネ得』空気」と、抗議する選手団の姿勢も批判している。だが、誤審や不正に対しては、選手側からきちんと批判しておく必要がある。競技のレベルを高めるには、審判自身も競技を知り、技術を磨く必要がある。さもないと、裁判官が法律や世間の常識を知らないで判決を言い渡すのと、同じことになってしまう。 朝日の「ショートトラック なぜもめる」は、日本と韓国の抗議について取り上げた。日本の寺尾悟選手と、韓国の金東聖選手がそれぞれ、不可解な失格となったことを受けて、日本と韓国の代表監督らに取材して書いている。ポイントとして、指摘しているのは、「審判に実力差」があることと、ショートトラックはある程度の接触が許され、その行為が「故意」かどうか判定が難しいという点だ。記者は、正直に「『故意』の判定は難しく、混乱の原因になることが、今五輪で分かった」と書いている。 記者自身が、プロとして、今後突き詰めておく方向性を見つけたということだろう。「勉強しよう」という姿勢を見せてくれたことは、評価したい。 日経「透視線」は、今回の連載でたびたび取り上げている国際スケート連盟フィギュアのレフェリー、杉田秀男さんのコラムだ。杉田さんは、「二つ目の金メダル」が出たペア競技で、審判を務めていた。そして、当初2位となったカナダペアに「1位」をつけた4審判のうちの1人だ。 このコラムも、かなり正直に心情を書いている。審判や裁判官という人たちは、グラウンドや法廷以外では、「黙して語らず」立場なのか、と僕は考えていた。だが、このコラムは、「審判が受ける圧力」について、現時点で書ける範囲で、率直に書いてくれた。 エッジの使い方一つで、ジャンプの種類が違う点などを指摘し、「ショートプログラムで同じジャンプを二度、やっても評価にはならない。減点の対象にすらなる」「だが、観客は『何もミスしていないのに、どうして点が低いのだ』と思い、ブーイングする。いくら米国でフィギュアスケートの人気が高いと言っても、細かな違いが分かる人は少ない」と書き、スケート界として、競技をもっと広く、深く知ってもらうための活動が必要だと述べた。 五輪が終盤となって、種目の情報が少なくなった分、読んでよかったと思える記事が増えてきたのは、うれしい。(rivals japan 2002年2月24日掲載)
2002年02月24日
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