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フランソワ・ジェルベともゲルベとも表記されます。このラベルも生産者サイン入り(左上)。最近名前を聞かないと思ったら、以下のようなことだそうです。2013年、ヴォーヌ・ロマネ村のドメーヌ・フランソワ・ジェルベは、娘のアメリー・ベルトーにドメーヌ・ジェルベから一部の畑を相続しベルトー・ジェルベ(Berthaut-Gerbet)名義としてドメーヌ・ベルトーのラインナップに加わりました。いつのまにか、メジャーな作り手の一部になっていたんですね。購入後きちんと保存していたことの証として、コルクの写真も載せておきます。濃厚で深めのルビーの色調。香りは火を通した黒い果実、丁子、ナツメグなどのスパイス類、黒土などの重々しいもの。口に含むと、香りから受ける印象ほどの鈍重さはありませんが、09年らしい濃厚な果実味と分厚いタンニンとで、これは飲むには少し早かったなぁと軽く後悔させられます。全般にこの作り手らしい目鼻立ちのクッキリした味わいですが、後半には少しばかりエグミが目立ち、「焦&濃」という09VTの呪縛から逃れられていないのが残念です。それと、香りからは感じませんでしたが、味わいの中に軽く「ブ」のニュアンスがあるんですよねぇ。生産者や流通でコントロールできることでないとはいえ、大事に寝かせたボトルがブショネだと本当に無念です。まあ今回は軽いニュアンス程度だったので、気にせず飲みましたけど。★★★
2022年01月31日
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以前からお気に入りのドメーヌひとつである、ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール。近年はスタードメーヌの仲間入りを果たしてしまい、上位銘柄にはおいそれと手が出なくなってきました。抜栓すると、コルクはまるでリリース当初のように綺麗です。色調は濃い目のルビーながら、エッジにかなり複雑なニュアンスが見られます。香りは、お、いいですね。赤と黒の中間ぐらいの果実やシナモンなどのスパイス、ファンデーション、それに花束のようなフローラルなニュアンスもあります。口に含むと、目の詰まった果実味のアタック。果実の甘みと旨みが口中で波が寄せるように広がります。酸はしなやかでタンニンは柔らか、テクスチャーはフィニッシュまで毛羽立ったようなところがなくなめらか。口内の抑揚や表情、余韻の美しさなど、状態の良さが際立つ素晴らしいボトルです。久しぶりに自宅でワインを飲んで心から美味しいと思いました。ジョルジュ・ミュニュレのラインアップの中で、村名ヴォーヌロマネに感心したことは今までほとんどなかったのですが、このボトルはたまたま状態の良さに加えて飲んだ時期も良かったんでしょうね。出自を確認してみたところ、2011年8月30日に楽天のヒロヤショップさんで購入したものでした。インポーターはラック。売価は5750円。他にNSGヴィーニュロンドとシェーニョも一緒に購入していましたが、ブログやHPを紐解いてもこれらを飲んだ記録がありません。ということは、寺田倉庫にでも預けっぱなし?最近放置プレイの寺田倉庫ですが、久しぶりに棚卸しにでも行ってみようかと。★★★★☆楽天でジョルジュ・ミュニュレ・ジブールを検索する
2018年05月08日
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ブルにとって良年と言い難い2003ビンテージ、ビオ系で出来不出来のムラがある(と私が勝手に思っている)作り手、そうなると微妙な味わいだろうなぁと覚悟して開けたボトルです。なぜ開けたのかというと(とうかそもそもなぜ購入したかというと)、この日が下の子の誕生日だったので、バースデーヴィンテージのボトルを選んだからなのですが。。。香りは真っ黒といってよいほどの黒系果実、墨汁、揮発性塗料、インスタントコーヒー。悪い意味で03年っぽい香り。飲んでみると、特級にふさわしい凝縮感はあるのですが、ブランデーチックで過熟感のある果実味とやや不自然な浮き気味の酸とで、なんともちぐはぐな味わいに終始しています。ブラインドで飲んだら、抜栓して1週間ぐらい経過したグランクリュと答えそうです。覚悟して開けたとはいえ、心のどこかで「嬉しい誤算」を期待していたところもありましたが、やっぱり世の中そう甘くはないようです。★★★小瓶に残した翌日は、タニックさも加わり、日にちを経過したボルドーのような奇妙な味わいになってしまいました。過去にすばらしいものも飲んでいるんですけどね〜>ビゾー。
2017年12月08日
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54回目の誕生日を迎えました。30代で始めたホームページ(今はブログですが)もすでに丸17年経過しました。もはやワインブログとは名ばかりのサイトに成り果てていますが、これからも気負わずにタイトルどおり日々の徒然を綴って行こうと思います。(ちなみに「話飲徒然草」というのは、YOMIURI ONLINEにコラムを連載していた時に、山本昭彦さんがつけてくれたタイトルです。)今年の誕生日は週初めの月曜日でしたが、久しぶりに贔屓のシャルロパン・パリゾを開けてみました。ザルトのグラスに注ぐと、濃い色調のガーネットで、エッジにははっきりとオレンジが見てとれます。まあそりゃそうですよね。05年も収穫からすでに12年経過しているわけですからね。香りがいつものパリゾ節ではありません。黒系果実やスパイス類、紅茶などは弱めで、墨やブランデー、それに埃っぽいニュアンスがあります。ブショネではないと思いますが、いつものパリゾ節が隠れてしまっているのは残念です。味わいは香りに比べると真っ当で、ややタニックながらも、集中力のある果実味と伸びのある酸とでパンと張ったような酒躯を楽しめました。香りが残念な一本でしたが、コルクは稀に見るほど綺麗な状態だったし、購入後はずっと寺田倉庫に預けていたので、状態が悪かったということはないはずです。凝縮度の高いVTでもあり、時期的にガチガチに閉じこもってしまう時期に当たってしまったのかもしれませんね。小瓶に残して、数日かけて飲んでみようと思います。その後、なかなか家でワインを飲む機会がなく、小瓶2本目を翌々日、3本目を約1週刊後に開けました。翌々日に開けたものは味わいこそこなれていましたが、香りは相変わらずでした。1週間後に開けた3本目はさすがに酸化が進んでしまっていました。どちらの瓶も香りに埃っぽいようなニュアンスをまとったままで、結局のところ、何が原因なのか、わからず仕舞いでした。★★★
2017年12月04日
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レシュノーというと、ニュイサンジョルジュのイメージが強いのですが、シャンボールやヴォーヌロマネの村名もリリースしています。以前ブラインドで並べて飲む機会がありましたが、それぞれの村の特徴がよく出ていて感心したものです。この10ヴォーヌロマネも期待を裏切らないものでした。グラスに注ぐと、赤と黒の中間のフルーツとともにシナモンや花畑の香り力強く立ち上り、スワリングによって皮革や土っぽいニュアンスも加わります。口に含むと、凝縮感や力強さはあくまで村名のレベルですが、高めの酸を集中力のある果実が支え、タンニンはしっかり存在を主張しつつもよく調教されて、きっちりバランスの整った味わいです。半年前に飲んだ09年のNSGプリュリエはまだ少し早い印象でしたが、今回のボトルは村名ということもあって、初期の飲み頃ドンピシャでした。ボトルの状態も良好。何度も期待を裏切られ続けても、たまにこういうボトルに出会ってしまうから、ブルゴーニュはやめられません(笑)。今回のように、自宅で寝かせて綺麗に熟成した村名ボトルを毎週末飲めたら理想的なんですけどねぇ。★★★★☆楽天でレシュノーを検索する
2017年11月23日
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大型台風接近で雨つづきの週末。手持ち無沙汰もあって、少しよいボトルを開けてみることにしました。2006年のデュジャックの1級、そろそろ飲み頃に達しているのではないかとも期待つつ。キャップシールは回りませんが、抜いたコルクの状態は非常に良好。底面からほとんど染み出していません。木村硝子29オンスのグラスに注ぎます。色調は濃い目ながら、かなりハッキリとエッジにオレンジが見て取れます。香りはトップノーズからホワッとシナモンのようなニュアンスが感じられ、グラスを回すと、さらに赤と黒の中間系果実、花束、さまざまなスパイス類などが渾然一体となった芳香が立ち上ります。なにより香りの出方が散漫になったりドロンとした感じになっておらず、集中力をキープしているところが素晴らしい。ボトルの状態のよさをうかがわせる香りです。飲んでみると、思いのほか甘く外向的な果実味のアタック。酸は不足してはいませんが、エッジが丸く、大人しめに感じられます。タンニンは滑らかで、絹のようなテクスチャー。フィニッシュも調和を乱すことなく、長めの余韻に繋がります。いや、このボトルは「当たり」ですわ。2000年代になってから、なかなか感動するようなデュジャックに出会うことができず、いつのまにか追いかけなくなっていました。このボトルも、90年代のジャック・セイス時代の味筋とは異なるように思いますが、いつまでも過去の追憶と憧憬にとらわれている場合ではないなぁと思わせるだけの説得力がありましたし、今後(フーリエの代わりに(笑))また毎年何アイテムか買ってみようかという気にさせてくれる、そんなインパクトのある一本でした。★★★★☆p.s.調子に乗ってボトル2/3程度、早めのペースで飲んだら、夜中に酷い頭痛と吐き気に襲われてマイりました。もはやこの程度の酒量しか飲めなくなったんだなぁと寄る年波を感じさせられました。楽天でデュジャックを検索
2017年10月24日
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正月休みが終わって、最初の3連休に開けたワインです。総じて、ワインは古ければ古いほど、そして価格が割安であればあるほどギャンブル性は上がるように思います。このジャン・ラフェは比較的近年入手したものですが、価格は1万円以下でした。ある程度ギャンブル的なボトルであろうと承知の上での購入です。抜栓してみると、コルクはかなりしっかりしていてあまり染み出してきてはいません。木村硝子29オンスのグラスに注ぐと、色調は全般にオレンジがかったガーネットになっています。香りは寡黙であまり立ち上ってこないのですが、優しくスワリングしてやると、赤い果実や枯葉、乾燥イチジク、アンズ、下草などの熟成香が漂います。口に含むと、やや酸が立っていますが、枯れ果てているということはなく、透明感もあるし、それなりに活力も感じます。コンディション的にはベストではないのでしょうけれども、翌日まで美味しく飲めたことを思えば、まあOKではないでしょうか。「これぞ特級!」というほどの威厳は感じないものの、余韻もそこそこにあってしんみりと滋味深い味わいのジャン・ラフェでした。★★★楽天でジャン・ラフェを探す
2017年01月13日
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53回目の誕生日に選んだのは、これまでさんざん飲み散らかしてきたR・アルヌーのクロ・ヴジョ。03年は下の子のビンテージです。ロベール アルヌーは2008年にドメーヌ名をアルヌー ラショーに変え、ラトリシエールシャンベルタンやシャンボールミュジニーなど、アイテムも増えています。私は96スショを飲んで以来、このドメーヌの大ファンになり、子供のビンテージの2002年はスショやエシェゾー、クロヴジョ、レ・ショームなど1ケース近く買い込みました。ちなみに今まで開けた02アルヌーの印象は‥04.12 レ・ショーム →還元的。2~3日目に開いてくる感じ。06.2 レ・ショーム →果実味が前面に出てきて飲みやすい。06.10 レ・ショーム →動物的なクサイニュアンスが出てきた。08.3 エシェゾー →同上。あまり印象よくない。08.12 エシェゾー →同上。09.11 エシェゾー →傾向は同じながら、熟成香が前面に出てきて飲みやすく。12.01 スショ →ネガティブなニュアンスは影を潜めたがあまり向上は感じられず。13.11・27 スショ →ブショネ。ということで、02VTについては熟成とともに、なにやら生臭いニュアンスが出てしまうのが残念で、私の中での評価も低下の一途を辿りました。なお、下の子の03VTはボルドー中心に買ったので、アルヌーはこの一本だけです。抜栓したコルクは底からほとんど染み出ておらず、状態の良さを予感させます。濃密なルビーでエッジはオレンジ。黒系果実のコンポートやリコリス、丁子、八角、シナモンなどのスパイス、皮革類、それに心地よい下草系の熟成香。口に含んだ第一印象は、テクスチャーのざらつきがなく、実になめらかだということ。クリーンな黒いフルーツがじんわりした旨みを伴って口中を満たし、懸念された酸の不足や焦げた風味もなく、タンニンも溶け込んで、濃厚でありながらクリーン、力強さとエレガントさが高い次元で両立しています。後半には乳酸を感じさせるヨーグルトっぽい風味が出てきて、フィニッシュにわずかに焼けたようなニュアンスを感じるものの、トータルの印象をスポイルするほどではありません。翌日はコッテリ目の味わいになりましたが、十数年経過したと思えないほど瑞々しい香味を楽しませてくれました。一時はすっかり見限っていたアルヌーですが美味しいボトルはやはり美味しいですね。見直しました。ちなみにこのボトルはリリース時に百貨店の実店舗で購入したもの。輸入元はラックさんでした。★★★★☆
2016年11月29日
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ご存知シャンボールのドメーヌが作る村名ヴォーヌロマネです。「気軽な、それでいて少しひねりのきいた」持ち寄りワイン会、なんていうのがあったら持っていこうかとセラーで寝かせていましたが、そのような機会もなさそうなので(笑)、週末自宅で開けることにしました。ザルトのブルゴーニュグラスに注ぐと、色調は濃いめのルビーでエッジがようやくほどけはじめています。香りは、ん?、全然立ち上ってきませんよ?閉じこもっているのでしょうか?それとも軽いブショネでしょうか?とりあえず口に含むと、なんともフワッとした味わいです。よく言えば尖がったところがなくてシルキー、悪く言えばグリップとインパクトが欠如気味。といってもクリーンとか薄旨という路線ではなくて、09年ということもあってか、タンニン豊富でモカっぽいフィニッシュを感じます。これはかなり期待外れだなぁと最初落胆したのですが、二杯目になると、シンナーのような塗料のようなニュアンスが出てきて、四杯目でようやく黒系果実やスパイスなどの香りが立ち上るようになりました。やはり凝縮感のあるワインが閉じこもってスリープモードに入ってしまっていたということのようです。翌日はタンニンが前面に出てきて、香味がやや単調になってしまった気がします。ユドロ・バイエ、好きな作り手なんですけどね。このボトルに限っては結果的にワイン会に持参しなくて正解のボトルでした。★★★楽天のユドロ・バイエ。
2016年11月22日
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ちょっと良いことがありまして、といって、パァッとお祝いするほどではないので、自宅で地味に良いワインを開けることにしました。選んだのはモンジャール・ミュニュレの07エシェゾー。地味な作り手、地味なビンテージですが、かえってそれが今の気分にふさわしいと思いまして。グラスに注ぐと、やや濃いめのルビーの色調ですが、エッジを中心にかなりオレンジが入っています。香りは赤と黒の中間ぐらいのコンポート状の果実、スパイス類、紅茶、枯葉、漬物、土瓶蒸しなど複雑で華やかです。口に含むと、やや細身ながらも酒躯はクリーンで、甘く濃縮された果実味を節度のある酸が支えます。余分なタンニンはすでに削げ落ちて、なめらかでエレガントな味わいです。これはイイですね。もう少しグリップや凝縮感が欲しい面もありますが、07年というビンテージを思えば上出来でないでしょうか。ちなみに、モンジャール・ミュニュレのエシェゾーはグランゼシェゾーとともに、ドメーヌを代表する銘柄のひとつ。エシェゾーV.Vと通常のエシェゾーがありましたが、最近V.Vの方はラ・グランド・コンプリカシオンという別ラベルになっているようです。★★★☆楽天でモンジャール・ミュニュレを探す
2016年11月12日
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黒系果実のコンポートやオリエンテルスパイス、それにスーボワや皮革、焦げ臭の加わった心地よい香りが立ち上ってきます。味わいも思いのほかこなれていて、集中力のある果実味は健在ながらも、柔らかなタッチのタンニンとしなやかな酸とで、想像していたよりもずっとエレガントです。(正直、もっとガシガシのワインを想像していました。)それでもやはり飲み進めるうちに、05VTにいつも感じる墨汁系のキャラクターが前面に出てきて、抜栓直後に感じられたデリカシーはやや影を潜めてしまいます。お焦げフレーバーと揶揄された2003年がここに来て良くなっているといわれるように、05年も、真価を発揮させるためにはもっと寝かせたほうがよいのでしょうね。毎回、05ブルを開けるたびに同じようなことを書いている気もします。忍耐の足りない若輩者です(^^;。翌日;香りはより芳醇になりましたが、酸がややピーキーに感じられるようになりました。★★★☆
2016年09月24日
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観念してグラスに注いでみます。最初の一杯こそやや紹興酒っぽいフレーバーがありましたが、2杯目からはなくなりました。ただ、香りが閉じこもってしまってあまり出てきません。味わいは黒っぽい果実と焦げたフレーバーが主体で、総じてタニック。陰性のくぐもった香味は、噴いた影響というよりは、「こういうもの」なのかもしれません。90年代のジャックカシューには何度か良い思いをさせてもらったんですが、どうも近年のヴィンテージのカシューは、濃いばかりで単調さが目立つ気がします。翌日・・と書きましたが、小瓶に残した翌日はスパイス香や黒糖、スーボワなどの入り混じった心地よい香りが復活して、味わいも初日には隠れていた陰影や抑揚が見られるようになり、高めの酸とあいまって、オーソドックスなブルゴーニュらしいものになりました。結局のところ、噴いた噴かない以前に、まだ早かったというところなんでしょうかね。ブルゴーニュの飲み頃ってつくづく難しいです。それにしてもこのボトル、きちんと脱酸素パック化できていれば、面白い検証になったところなんですけどねぇ。無念です。★★★→★★★★楽天でジャック・カシューを検索する
2016年07月01日
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週末に和泉屋さんで買った鴨のコンフィを肴ににブル赤を飲もうと思って選んだのが表題の銘柄。リリース時に購入したもので、長らく寺田倉庫に置いておき、その後自宅のセラーで保存していました。ちなみに、自宅に持ち帰った際に、脱酸素パック化していました。ところが、そのボトルを今回開けようしてみると、ご覧の通りです。液面が妙に低くなっているし、キャップシールが盛り上がっています。シールを剥がしてみると、、カビが山のようになっています。こんなにすさまじい状態のコルク、最近ではなかなか目にしません。どういうことなのかと思うに、寺田から持ち帰って脱酸素パック化した時点では、このようなことにはなっていませんでした(もしそうなっていれば、早々に飲んでしまっていた)。ということは、脱酸素パック化した後のこの2年ほどの間に噴いたのだと思います。コルクを抜いてみると、案の定、側面がヌルリと湿っていて、最近噴いたのだなと思わせる状態でした。どこかで急激な温度変化に見舞われたのでしょうか?といって、セラーでずっと保管していたボトルです。セラーが最近壊れたこともないし、セラー内の他のボトルたちにも何も問題はありません。やはり、という感じです。ジャック・カシューのコルクの弱さは当ブログでも何度か指摘したことがあります。今回のボトルも経年劣化でコルクが痩せて染み出してしまったと思われます。そして、ここでまた悪いめぐり合わせのハプニングが・・。脱酸素パック化できていれば、噴いても酸素が流入することはなかったはずなのですが、なんとこのボトル、脱酸素パック化に失敗していました。2個入れたエージレスがどちらもカチカチになっているし、酸素検知剤エージレスアイの色もどんよりした紫色を示しています。(酸素がきちんと抜けていれば明るめの赤っぽい色調になります)。初期の頃はハンディシーラーを使っていたこともあり、開口部が皺になってしまったりして、うまくシーリング出来なかったものがあるのですが、これもそのひとつだったようです。やれやれです。(つづく)
2016年06月30日
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誕生日といっても、そもそも五十路を越えて年齢を重ねることが嬉しくないのに加えて、ワインそのものへの興味が著しく減退しているので、豪勢なワインを開けようというモチベーションが湧きません。まあそれでも、せっかくなのでとセラーの中からチョイスしたのが、ソムリエさんで10K未満で購入したジャン・ラフェです。01年はわりと好きなビンテージですが、15年経過してさすがに古酒の趣となっているだろうなと思いつつ。木村硝子29オンスのグラスに注ぐと、色調は特級としては淡めのオレンジガーネットで、エッジにはレンガ色が見えています。香りはしんみりとしたもので、赤系のドライフルーツ、紫蘇、乾燥イチジク、紅茶、枯葉など。口に含むと味わいもまた老境にさしかかっていて、タンニンはきれいに溶け込み、しなやかな酸とややドライになった果実味とのバランスは悪くないものです。この手の古酒のお約束どおり、底の方に行くに連れて、スパイスや黒糖的な複雑なニュアンスが出来て、味わいも力強さを増しました。若いビンテージのような活力はなく、といってめくるめくような熟成によるマジックもないのですが、肩の力の抜けた、ナチュラルに年輪を重ねた味わいはそれなりに満足のいくもので、仮にワイン会に持参したとしても(絶賛とはいきませんが)そこそこ参加者に満足してもらえる内容かなと思いました。特筆すべきは小瓶に残した翌日。香りこそややヘタり気味でしたが、飲んでみると蜜のような甘みが乗って、味わいは明らかに向上していました。15年経った古酒でも適切に保存すれば翌日まで美味しく飲めるものなんですね。★★★☆★楽天でジェラール・ラフェ/ジャン・ラフェを検索★楽天最安値に挑戦中![2001]クロ・ド・ヴージョ ドメーヌ・ジャン・ラフェ ブルゴーニュ コート...価格:9,051円(税込、送料別)↑今でも10Kを切って売られてますね。楽天最安値に挑戦中![2000]クロ・ド・ヴージョ ドメーヌ・ジャン・ラフェ ブルゴーニュ コー...価格:12,960円(税込、送料別)↑00VTもわりと安いです。
2015年12月04日
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何をトチ狂ったか、こんな若いヴォーヌロマネを開けてしまいました。案の定、初期的な硝煙香が他のニュアンスをマスキングしてしまっています。これは二日目に期待するしかないかなと思いつつ、マルヌのグラスでスワリングを重ねるうちに、赤系の果実香やダージリン、スパイス香などが出てきました。飲んでみると、さすがの味わいですね。凝縮感はほどほどながら、酒質がクリーンで透明感があります。酸は伸びがあり、タンニンはなめらかで今でもスルスル飲めてしまいます。それでいて飲み込んだ後のバックテイストがきちんとあって、ブルゴーニュの相応のピノを飲んでいるという充足感があります。エレガントかつモダンにそつなくまとめられたヴォーヌロマネだと思います。ただ、問題は、価格ですね。結構「高い」んですよねぇ。5K台ぐらいなら飛びつくところですが、安いところでも7~8Kですからねぇ。この作り手のエシェゾーなどは相対的にまだ穏当な価格だと思うので、村名ももう一声買いやすい設定にしてほしいところです。★★★☆★楽天でジャン・マルク・ミヨを検索★
2015年11月03日
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ここ数ヶ月関わってきた懸案事項がようやく片付いたので、週末(我が家にしては)少し贅沢な銘柄を開けることにしました。赤系トーンの果実、紅茶、枯葉、スパイス、うっすらとスーボワ。それにやや茎っぽいニュアンスがあります。若いころに飲んだら青っぽく感じたであろう香りですが、今はある程度年数が経過して複雑さを醸し出しています。飲んでみるとこの作り手らしい柔らかなテクスチャーは健在で、果実味はよく熟していて、旨み感も十分です。力強さや大きさというベクトルではありませんが、タンニンもよく溶け込んでおり、ナチュラルでバランスのよい酒躯は魅力的です。飲み進むうちに、お花畑的な香りが全開になり、味わいにも旨みと甘みがさらに増してイイ感じになってきました。香りに感じられた茎っぽさは味わいではフィニッシュにかけてのエグ味となって顔を出しますが、こちらも味わいをスポイルするものではありません。ただ、この作り手全般に思うことですが、リリース後7年の1級にしてこのこなれ具合というのは、やはり熟成は早めなのかなと感じます。長く寝かせるよりは、若いうちに飲んだほうが吉の作り手なんですかね。★★★★★楽天でラルロを検索★
2015年06月29日
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ラベルの写真が派手に斜めになっているのは、酔って撮ったからでしょうか?黒い果実やナツメグ、黒胡椒などのスパイス、墨などが中心ですが、パレットを黒く塗りたくったような、やや陰影に乏しい香りです。味わいは黒系の豊富な果実味、じわじわとした酸、豊富でややざっくりとしたタンニン。テクスチャーは絹豆腐はなく木綿豆腐、もしくは焼き豆腐。濃縮感はあるものの、味わいが全般に単調で無骨、フィニッシュにかけてやや苦味と雑味が感じられます。あまり期待せずに開けましたが、ああやっぱりなぁという味わいです。どうも最近のジャック・カシューはピンとこないんですよねぇ。90年代のエシェゾーには何度か感動したものですが。★★☆★ジャックカシューを楽天で探す★
2015年02月10日
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最近気になっている作り手のひとり、セシル・トランブレ。11VTは高いので、バックビンテージの07年、08年をNOISYさんで買ってみました。この日開けたのは07年の村名ヴォーヌロマネ。グラスに注ぐとエッジの方はかなりオレンジのニュアンスが見えます。香りはそこそこ熟成が進んだ感じで、赤と黒の中間位の果実のコンポートやスパイス類に枯葉や湿った下草などが心地よいものです。ただし、味わいはいただけませんね。ギスギスしています。果実味はそこそこ旨み感は乗っているものの痩せ気味で、タンニンがやや刺々しく、酸とのバランスもよろしくありません。後半にはエグミも感じられます。かつて94VTなどでよく出くわしたような味わい。07年って力強さや凝縮感はないけれども酸が伸びやかで早くから飲めるという面で重宝するビンテージだと思っていたのですが、こういうアウトプットになってしまう作り手もいるんですね。これが本来の実力なのかなぁ…。ひょっとしたら状態面で問題があったのかもしれませんが。とかなんとか言いつつ、蕁麻疹から復帰後の初自宅ワインとあって、ひと晩で一本飲み干してしまいました。遠からず08年のほうも飲んでみようと思います。★★☆
2014年02月21日
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ジャン・グリヴォの89クロ・ヴジョ。ブルゴーニュ愛好家の方なら、この銘柄名とヴィンテージを聞いて「おっ!」と思うでしょうね。そうです。ギィ・アッカがコンサルタントをしていた時代のワインです。最近はめっきり見なくなりました。いい色です。ラズベリーやカシスのリキュール、ダージリン、オレンジピール、アーモンドに皮革や下草が絡む心地よい熟成香。味わいはリキュール的なよく熟した果実をやや太めながら伸びのある酸が支えており、タンニンは綺麗に溶け込んでいます。あまりデリカシーのあるタイプではありませんが、各要素のバランスが綺麗に取れていて、89年という早熟の年にもかかわらず鉄壁の安定感のある素晴らしい古酒です。 アッカのワインは長期の低温浸漬によってボルドーのような濃厚なワインになって、テロワールが毀損されていると当時非難の的になりました。 まあ、低温浸漬が極端に過ぎたことは事実かもしれませんが、彼のワインが理解されなかった大きな理由はむしろSO2を大量に投入したことによるのではないかと思いました。SO2が大量に入っているから、熟成が進まない→いつまでたっても真っ黒のままのワイン→ギィ・アッカってダメじゃん→ようやくSO2が消費されて熟成が進み、本来の姿を見せるようになった。いや、大変貴重な経験をさせていただきました。この日の他の銘柄についてはまた別のエントリーで。
2014年02月18日
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先週土曜日は仕事で休日出勤でした。帰り際にセール品狙いもあって東急試飲コーナーに立ち寄ってみました。閉店間際でしたが、気になる生産者のボーモンの飲み比べをすることができました。セシルトランブレ ヴォーヌロマネ・ボーモン11赤と黒の中間位の果実。白粉、バニラ、シナモン、タージリン、外向的で甘く、滑らか。タンニンがシルキーで今すでに美味しい。抜栓後半日経過していることもあるのか、柔らかくこなれていてとても美味しいです。ただ、ボトル19000円というプライスはどうでしょうかねぇ。デュジャック ヴォーヌロマネ・ボーモン11香り高いですがやや化粧っ気が強いですね。赤と黒の中間果実、ハーブ、オーク、バニラ。それと少しばかり青っぽいニュアンスもあります。味わいはセシル・トランブレ同様十分滑らかです。繊細さではやや劣りますが、こちらの方が要素が多く熟成のポテンシャルはありそうです。フィニッシュにタンニンが感じられます。セシル・トランブレ、たしかにいい作り手だと思いますが、価格がねぇ。
2014年01月28日
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昔よく飲んだダニエル・リオン。家族の内紛により、長男のパトリスが独立。現在のダニエル・リオンは次男と三男が運営しているそうです。最近はまったくといっていいほど話題に上りませんが、たまたまカーブドリラックスの実店舗で安く売られているのを見つけて購入してみました。木村硝子のcava29オンスのグラスに注ぐと、イイ香りが立ち上ってきます。赤と黒の中間位のコンポート的果実、スパイス類、森の下草や皮革、黒土。少しでもバランスを崩せば馬小屋系に振れてしまいそうな危うくも妖しい香りです。味わいは香りほど心を動かされることはなく、全般に薄めでそのわりに酸が立っており、後半にタンニンも目立ちます。ボトル下部になるとだいぶ濃厚さは増してはくるのですが、酸にややピリピリ感があったりフィニッシュのタニックさが際立ったりと、正直あまり感心しません。まあ5K台という直近の村名ぐらいのプライスで購入したことを思えば多くは望めないのかもしれませんが、その昔パリのビストロで飲んだ99年のVRボーモンが激ウマだった記憶からついついこのドメーヌへの期待値が高くなってしまうのかもしれません。今度は09や10年などの良年も試してみようと思います。★★★
2014年01月26日
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フィッチさんの11フーリエかわばたさんの06プス・ドール。ポマール・1er・ジャロリエールが6k台ですうきうきさんよりラルロの11クロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュ飛び石で忘年会やら会食やらの予定が入っていて、なかなか家でじっくりとワインを飲めない日が続きますが、合間を縫って、脱酸素パックの検証を兼ねて少しよさげなワインを開けてみました。R・シルグの05村名です。グラスに注ぐと全般に濃厚な色調ですが、縁にはオレンジのニュアンスが見えます。香りはブラックチェリーやカシス、スパイス、黒胡椒、それにスーボワや獣臭など。獣っぽいニュアンスはひとつ間違うと「クサイ」と言われかねない系統のものですが、このボトルに関する限りは「芳香」と呼べる範疇にとどまっています。色調の濃厚さから味わいはまだまだ険しいかなと思いましたが、飲んでみると意外やタンニンは柔らかく溶け込んでいて、酸も伸びやかで、果実の凝縮感と酒躯のなめらかさとを高い次元で両立させています。これはいいワインですね。今まで飲んできたシルグには、どうもタンニンが硬くぎごちないイメージがあったのですが、今回の一本で見直しました。★★★★ところで、前回の飲み残し脱酸素パックの結果を踏まえて再検証を試みました。今度はパック化するほうの瓶にコルクで栓をしてみたのですが、写真でみると最早何やっているんだか、という感じですね。結果はまた後日別のエントリーで。
2013年12月16日
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我が家はこの時期、イベントがつづきます。11月末が私の誕生日、12月初旬が下の子の誕生日、クリスマスと年末年始をはさんで1月上旬が今度は上の子の誕生日。上の子はともかく下の子の誕生日は、忘年会の時期と重なってしまうのが毎年悩みの種です。とりあえず今年は会食や宴会の予定をはずすことができたので、早々に帰宅して表記の銘柄を開けてみました。上の子の年の02ブルはワイン会などでも出番が多いのですが、下の子の03ブルはこういうときでもないとなかなか飲まないもので…(^^;中心が黒々とした濃いルビーの色調でエッジはオレンジ。色合いをみてまた例によってデリカシーのない、墨のような悪い意味での03VTを想像してしまいましたが、グラスに顔を近づけて驚きました。香水なバラの花束のような素晴らしい芳香です。赤と黒の中間位の果実のリキュール、さまざまなスパイス、木質、エスプレッソ。いや、この香りには参りました。味わいは香りと比べるとよくもわるくも03年っぽさが出ています。凝縮感のあるスパイス感たっぷりの黒系果実が口の中に力強く広がり、タンニンは非常に豊かですが、よく熟しているため、飲みづらさはありません。後半に焦げ系のフレーバーとエグミが感じられるあたりは03年らしいです。フィニッシュは果実がまとわりついてややクドい感じですね。ということで、これは久々の大当たりボトルかと思いましたが、香りに比べて味はビンテージの影響をもろに受けた感じでした。★★★☆ところで、この日の残りでちょっとした実験をしてみました。名づけて「脱酸素パック応用編」。小瓶に移した分をいつものように飲み口ギリギリまで注いで栓をするのではなく、栓をせずに脱酸素パックにしてみました。実は、この用途にクリップタイプのシーラーがとても役に立つのです。据え置き型でこれをシールするのはかなりシンドイです。パックの袋やエージレスは、元のボトルのものを再利用しました。エージレスはもともと各袋に二ついれており(空気1リットル分に相当)、余力が残っているはずなので、これで事足りるはずです。追記:翌日さっそく飲んでみました。初日と全く変わらない、ということはありませんでしたが(当然ですよね、いったん抜栓してデキャンティングしているようなものですから)、比較的クリーンな状態で酸化が進んだ感じとでもいいましょうか。果実味はやや細身になったものの、初日に隠れていたニュアンスや表情が感じられるようになり、美味しく飲むことができました。で、これがはたして普通にペリエの小瓶で保存したものと異なるのかどうか?もし異なるとすれば、脱酸素化が飲み残しのワインに何らかの影響をもたらしたということになります。次回はこの二つを比べてみようと思います。
2013年12月10日
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ついに50台に突入してしまいましたよ。このサイトを始めたころはまだ30台だったことを思うと隔世の感があります。当時はニフティサーブ華やかなりし頃で、日々ワインフォーラムをROMって知識を仕入れていたものです。ワインサイトも少なかったし、そもそもネットのショップというものがありませんでした。その点、今はネット上にワインの情報はあふれ返っていて、クリックひとつで日本全国からワインを買うこともできる。いい時代になったものです。私自身はといえば、最近はニューリリースのワインを追いかける気力がなくなってきて、ワインの購入頻度がだいぶ減りました。そのわりに手持ちのストックが減らないのはなぜなんだろうという気もします。ワインの好みも、ワイン会でご一緒する方々に美味しいローヌやカリフォルニア、イタリアなどを飲ませてもらっていることもあって、一時のブルゴーニュ一辺倒から、わりと浅く広く的な志向に戻ってきました。ワインを飲む頻度や一日あたりの酒量は以前よりむしろ増えていますが、年のせいか、酔いが回りやすくなってきました。ワイン会ではこのところ必ずといってよいほど寝落ちしてしまって、主催者や参加者に迷惑をかけています。さて、今年の誕生日に開けたのは表題の銘柄です。02年は娘のビンテージということで、いろいろと買い込みました。特にロベール・アルヌー(今はアルヌー・ラショー)についてはヴォーヌロマネ・レ・ショーム、エシェゾー、クロヴジョ、そしてスショと合計1ケース近く買いましたが、若いうちからガンガン開けてしまい(02VTで早くから開けたのがアルヌーとパリゾでした)、結局これが最後の1本です。今にして思えばさすがに早飲みしすぎたかもしれません。グラスに注ぐと、かなり濃いめながら、はっきりとオレンジがかったガーネットの色調です。香りは、お、いいですね。カシスやブラックチェリーのリキュール的な果実、八角、丁子、甘草などのスパイス、黒土、皮革や下草系の熟成香など。これまで飲んできたレ・ショームやエシェゾーでは熟成するにつれて、あまり好ましいとはいえない動物的な香りが目立ってきて、それによって私のアルヌーへの好感度もすっかり下がってしまったのですが、今回のボトルは久しぶりに非の打ち所のない素晴らしい芳香です。味わいはどうでしょうか?一口含むと、リキュール的に濃縮された果実味が広がります。タンニンはなめらかに溶け込んでいて、酸はバックボーンをきちんと支えています。無茶苦茶凝縮感があるわけではありませんが、ナチュラルなバランスと構造がすばらしい。いやあすばらしいですね。50歳の記念にあけるにふさわしい一本…と思いきや。どうも微妙に違和感があります。注意深く味わうと、芳醇な含み香に隠れてほんのわずか、味わいの中にコルキーなニュアンスが感じられるのです。う~ん、ブショネですか。香りのダメージはまったくないのですが、飲んでみると、本当に少しだけ感じるのです。頻度はそう多くないけれども、最近こういう味だけのブショネに時々遭遇します。まあ、といってこれだけのワインを流しに捨ててしまうのももったいないし、ブショネのことはなるべく気にしないようにして(と思うと逆に気になってしまうのですけどね)、飲み続けました。不幸中の幸いだったのは、飲んでいくうちにこのニュアンスが消えることもなかったけれども、酷くなることもなかったこと。最初はボトル半分翌日に残すつもりでしたが、さすがにブショネのワインを二日に分けて飲みたくはないので、結局その日のうちにひとりで一本飲みきりましたよ。コルキーなニュアンスさえなければ、本当にすばらしい一本だったのですが、まあこういう悲喜こもごもまたワインという飲み物の宿命でしょう。ちなみにこのスショの飲み頃を紐解いてみると、WA:2007~2017年、BH:2012+とのことで、体感的にもそのとおりだと思いました。##誕生日おめでとう、コメントはご不要に願います。##
2013年11月30日
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自分のストックの「脱酸素パック化」に備えて、セラーの整理をしていたら出てきたボトルです。おそらくかわばたさんのサンデーセールで買ったものかと。通常我が家でこのクラスの銘柄を買うことは滅多にありません。というのも1級クラスって、自宅で飲むには高すぎるし、ワイン会に持参するにはやや小粒だしと、入手しても出番がないからです。そんな1級クラスをあえて買ったのは、きっと相当安く買えたからでしょう(笑)。07年とあってか、色調はそんなに濃くはありません。全般にオレンジがかっています。香りは注ぎたてこそ無口でしたが、グラスを二回しほどスワリングすると、とたんにカシスやダークチェリー、それにスパイス類や紅茶、皮革、土などの入り混じった芳香が。もはやこの香りだけで元はとれた気分。飲む前からいやはやご馳走様でしたと言いたくなります。。でもって味わいはというと、果実味がクリーンで甘い。イチゴゼリーのようです。タンニンはすでになめらかに溶け込んでいて収斂性は感じられません。ただ、酸はやや引っ込み気味ですね。そのため酒質はやや平板な印象を受けます。十分にレベルの高いワインですが、ヴォーヌロマネの1級、しかもボーモンとあれば、もう少し上を求めたくもなります。美味しいですけどね。★★★★翌日:例によってペリエの小瓶の残りを。香りは初日よりさらに華やかになりました。味わいは初日より酸のバックボーンが前面に出てきて、果実味もしっとりとした印象になりました。明らかに二日目のほうが向上しましたね。この辺の底力はさすが1級です。ユドロノエラ、いいですわ。何本か買い増ししたいんですが、最近のVTは値段が高くなってしまったのが残念。
2013年11月17日
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祭二日目の日曜日は前の二つの銘柄の残りだけでは飽き足らず、こちらも開けてしまったのでした。アップするのを忘れていました。個人的に気になっている作り手のひとり、フランソワ・ジェルベ。姉妹で運営しているとのことなので、「ひとり」というのはやや語弊がありますが、まあ細かい事は置いておきましょう。このボトルは近所の信濃屋さんの実店舗で購入したものです。ウォーキングしていて立ち寄ったら、3980円で平積みになっていたので思わず買ってしまいました。いまどき村名とはいえきちんとした作り手のヴォーヌロマネで3k台というのは貴重ですから。開けてみるとやや透明感の強めな紫色がかったルビーの色調。清澄していそうな色合いですね。香りは、ん?これは意外。赤系と黒系の入り交じった果実やスパイス類にまじって青っぽいというか茎っぽい香りが前面に出ています。10年のブルでこういう香りは嗅いだことがなかったなぁと思いつつ。味わいはこの作り手特有のなんというか彫りの深い、くっきりした果実味が健在。この日はさすがに飲みきれなかったので翌日に期待しましたが、次の日の味わいは香りがおとなしくなってしまい、味わいも意外にキャンディっぽいフレーバーが感じられたりして、イマイチでした。う〜ん、フランソワ・ジェルベ、いまだに私の中では評価の定まらない作り手です。前回飲んだ05年のクロヴジョなんかはすばらしかったんですけどねぇ。ちなみにこの日は昼から飲み続けた挙げ句、なんと日が沈む頃には玄関先で「寝落ち」してしまいました。近所の人たちの失笑を買っていたかも…。
2013年10月24日
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二つ前のエントリーで飲んだワインの感想です。ディエボル・ヴァロア トラディション ブリュット初めて飲むシャンパーニュです。コートデブラン地区のクラマンにある家族経営のRM。シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエそれぞれ三分の一ずつを樽発酵で醸造。細かく豊かな気泡。トースティな感じはそれほど強くありませんが、なめらかでふくらみもあり、クリーミーな酒質。バランスに秀でた味わいがすばらしい。アンドロー・リースリング2010(マルク・クライデンヴァイス)果実味に厚みがあり、辛口仕立ての中にも果実由来の甘さを感じます。それをしっかりしたこれまた豊かな酸が支えて、メリハリの効いた味わいになっています。やや繊細さには乏しいものの陽性で外向的な味わい。クロヴージョ05(フランソワ・ジェルベ)スワリングすると黒い果実やスパイス類、それにスーボワの入り混じった心地よい香りが出てきます。飲んでみるとマッシブで目鼻立ちがくっきりした味わい。この05年はまだ少し早かったようですが、ポテンシャルの高さは十分感じられました。フランソワ・ジェルベは好みの生産者ですが、人気がないみたいですね。★楽天でフランソワ・ジェルベ(ゲルベ)を検索。★帰り際にお隣から75ムートンのおすそ分けをいただきました。複雑で深遠な芳香とやや酸が強めの酸がひっぱる味わい。75ムートンを飲んだのは10年ぶりぐらいでしょうか。ありがとうございました。
2013年09月20日
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どうも私と相性のよくないシュルグ。裾モノをいろいろ飲んできて総じて感心しないなぁと思っていたのですが、セラーを見ると05の村名VRと06のVRのヴィエイユヴィーニュがあります。05年はまだ硬そうなのでとりあえず06年を開けてみることにしました。グラスに注ぐと、中心が黒々とした濃厚なルビーの色調。これは手ごわそうだなと思わせる色合いです。香りは、う~む。馬小屋とまではいいませんが、ノイジーなよくない意味での動物香が支配的。グラスに注いでこの香りを嗅ぐと、本当に損した気分になります。微弱てもいいからせめて心地よい香りがしてほしいんですよね。口に含むと例によって濃厚な液質。タンニンは豊富でフィニッシュには口の中がシュワシュワになります。濃厚でストラクチャーがしっかりしているのはいいのですが、言い方を変えれば無骨で見るべきものがないワイン。河野酒店さんの1万円福袋でマルク・ロワと一緒に入ってきたボトルですが、正価はたしか6~7千円だったはず。その価値があるかというと、どうですかねぇ。私がアタリボトルに出会えていないだけなのかもしれませんけど。★★
2013年03月04日
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大雪の中をバースデーケーキを引き取りに行った話を前々回書きました。疲れ果てて帰宅して、夕食前から飲み始めたのがこのジャック・カシューのエシェゾーです。もちろん子どものVTの02年。リリース直後にどこかのショップで購入して、寺田に預けていたボトルです。ちなみに2本買ったうち、もう一本は目下行方不明。多分寺田倉庫の別のダンボールに入っていると思うのですが…。キャップシールを剥がすと、なんともゴージャスに噴いています。保存はきちんとしていたはずなので、おそらくこれはコルクの問題でしょう。ジャックカシューのコルクは今までも何度か緩くて噴いてしまったものに遭遇しています。果たしてコルクを抜いてみると、コルク側面は未だにヌルヌルとしていました。かろうじて密閉の役割は果たしてくれていたようですが、このコルクはいただけませんね。香りはその影響かもしれませんが、若干馬小屋系の香りになてしまっています。少し火を通した黒系の果実、焦臭、丁子、黒コショウ、ナツメグなど、素性のよさそうな香りの要素の中に、若干不快なニュアンスがまざっているのが残念でなりません。飲んでみると、やや強めの酸とそれを受け止めるリッチな果実味があり、全般にトーンの高い暖色系の味わい。充実した味わいである反面、やや単調で一本調子な感もあります。以前、ワイン会で飲んだ95年のエシェゾーが、同時に開けた2000年のルソーのクロドベーズを食ってしまうほどすばらしい香味だったことがありました。それ以来、ずっとジャックカシューのエシェゾーを買い続けてきたのですが、その後、「そこそこの」ものはあっても、めくるめくようなものには当たらずじまいです。まあ値段も安いし、そもそもルソーのベーズと比べることに無理があると言われてしまえばそれまでですが。私が過大評価しすぎていたのかもしれません。最近のVTでは、プライスも8kを切るか切らないかぐらいまで落ちてきてますが、結構他の愛好家のみなさんも同じような思いなのかもしれませんね。なお、ボトルの下の方になってくると、厩臭は目立たなくなり、黒系果実中心の心地よい香りになってきました。最後の一杯には澱が随分混じっていましたが、凝縮感も十分ですばらしい味わいでした。やはり噴いたことで、ボトル上面から不自然に酸化が進んだということもあるのかと思います。★★☆
2013年01月22日
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我が家でグランクリュ、もしくはそれに準ずるようなワインを開ける機会は、実はほとんどありません。二人の子供の誕生日、私の誕生日、結婚記念日。ええと、それにGW、クリスマス、年末年始ぐらいでしょうか。これらの日でも特級を開けるとは限らないので、年間自宅で飲むグラン・クリュというのは、本数にするとせいぜい6~7本というところでしょう。ちなみに、直近のシャルムシャンベルタン(アルロー)は、クリスマスということで開けたものです。さて、年末30日は一日中雨でした。とくに出かけることもなく、家でダラダラと過ごしていたので、自然と早くからワインを飲み始めることに。おそらく年内ラストか、ラストから2番目のワインになるでしょうから、少しはよいワインを開けようということで、白羽の矢があたったのは、私の好きなシャルロパン・パリゾの04クロヴジョです。黒い果実のコンポート、カラメル、焦げ臭、ミネラル、それにこのVTらしい、ミントっぽいニュアンスがあります。飲んでみると、酸がしっかりしていて、ピンと張ったようなイメージは健在。果実味は柔らかく、旨みがたっぷり乗っていて、かなり熟成が進んできていることを伺わせます。弱い年のパリゾは樽の要素が突出してしまうことがままありますが、このボトルはさすがグランクリュだけあって、高い次元でバランスを保っていました。状態もよく、ほとんど非のつけ所のない内容でした。パリゾの特級は、ハズレが少ないこともあり、もっぱらワイン会で活躍してもらっています。特に02VTにはずいぶんお世話になりました。我が家のセラーに残っているのは、02年のクロサンドニとシャルムシャンベルタンが一本ずつ、05年のクロヴジョが2本、09年のマジシャンベルタンが2本。熟成のペースはわりと早めなので、残りの02年はそろそろ飲んでしまってもいいかもしれません。10VTも1~2本買おうと思っています。翌日:バキュバンを軽くしただけでしたが、香りが全開になりました。しおれたバラや香水のような芳香がグラスの中に広がり、味わいも透明感を増しました。年末を飾るにふさわしいワイン。値段次第ですが、見つけたら再購入もアリかなと思いました。★★★★☆★楽天でパリゾを検索。★
2013年01月03日
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火曜日が祝日で休みだったので、月曜日の夜はこんなワインを開けてみました。ユドロ・ノエラの98年。コルクが少し緩かったようで、力をいれずとも抜けてしまいました。外周には染み出た跡も。こういうボトルって、経験的に最初の1杯がかなり酸化傾向にあることが多いのですが、案の定、グラスに注ぎたてはかなりバランスを崩していました。ということで、最初の一杯は早々に諦めて流しに捨てたところ、2杯目から持ち直してくれて、中盤はかなり良くなってくれました。赤黒果実のリキュール、スーボワ、紅茶、各種スパイス。当初酸が立ち気味だった味わいも落ち着いてバランスが向上し厚みも感じられるようになってきました。力強さはありませんが、しみじみ美味しい。フィニッシュにはやや枯れたフレーバーとタンニンが優勢になります。総じて、もう少し早く飲んでやりたかったですね。グラスの中でしばらく放っておくと、目に見えて酸化していくのがわかります。ラマルヌのブラン用グラスだとそれが顕著。先のすぼまったルージュグラスの方が相性がよかったですね。98年は結婚年ということで、ボルドーを中心にストックしていますが、ブルについては結構難しいですね。成功している生産者もあるようなのですが、このボトルといい、前回のルイ・ラトゥールといい、特に長熟タイプというわけでない生産者の村名や1級クラスはもう飲んでしまった方がよいのでしょうかねぇ?★楽天でユドロノエラを検索。★
2012年03月21日
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金曜日は、午前中胃カメラの検査でした。ここ数年、人間ドックでは胃の検査はせずに、別の日に馴染みのクリニックでやってもらっています。最近、胃がキリキリ痛むことが多く、多少の不安はありましたが、内視鏡の名医と名高い(らしい)クリニックの先生の診立てでは、びらんや逆流性食道炎などがみられるものの、悪性の所見はなしとのこと。特に組織検査の類もありませんでした。仕事を終えて帰宅すると、ちょうど先日の人間ドックの結果も郵送されてきていました。血液検査の結果は当日の結果説明で改善著しいことが判っていましたが、他の検査についても特に大きな問題はなく、胃カメラの結果とあわせて一安心というところです。それで、金曜日ということもあって、プチ祝いに、とセラーから見繕って開けたのが表題のボトル。コント・リジェ・ベレールがラ・ロマネの隣に所有する一級畑です。購入後ずっと02年だとばかり思っていましたが、コルクを抜こうと手にとってみて初めて03年だとわかりました。それと、あらためて調べてみると、この銘柄、ずいぶんと高価なんですねぇ。買ったときはそれほどでなかったと思ったんですが‥。濃厚な色調。黒い果実のコンポートや八角、丁子、リコリスなどのスパイス、ミネラル、黒土、皮革などの香り。味わいは目が詰まっていて濃いです。VTを反映してか、黒々としていて果実味にやや過熟感があり、なんとなくボルドーチックなタンニンを感じる。飲み頃にはまだ少し早い感じですね。こういうつくりなのか、VTの悪い面が強調されているのか、ポテンシャルと素性の良さは感じるものの、正直好みの味筋ではありません。CP的な問題も含めて、リピートはないでしょうねぇ。
2012年03月10日
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ギィヨンの05VRショームドメジエール。比較的地味な村名や1級銘柄ばかり4本集めた、みちのくさんの05VT福箱で購入したうちの一本です。それにしても、あらためてじっくり眺めると、なんともセンスの悪いラベルですねぇ。最近は作られてない、またはインポートされてないんですかね。とんと目にしません。というか、そもそもギュイヨン自体が以前ほど騒がれませんが‥。ラベルのセンスは悪いが、味はなかなかのものです。赤と黒の中間ぐらいの果実といかにもVRらしいスパイシーで華やかな香り。飲んでみると、果実味豊かで、酸もしっかり。香味の奥底に、私がこの生産者に時折感じる、どことなく「クサイ」ニュアンスがありますが、豊かな果実味や他の要素にマスキングされて、少なくとも初日は気になりませんでした。小瓶に移した二日目は、このクサいニュアンスが前面に出てきて、やや飲みずらさを感じました。ただ、それも飲み進むうちに気にならなくなってきました。熟成したアルヌーなどでもよく感じるんですが、何が原因なんでしょうね?★楽天でギュイヨンを検索★
2012年01月31日
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今まで開けた02アルヌーの印象は‥04.12 レ・ショーム →還元的。2~3日目に開いてくる感じ。06.2 レ・ショーム →果実味が前面に出てきて飲みやすい。06.10 レ・ショーム →動物的なクサイニュアンスが出てきた。08.3 エシェゾー →同上。あまり印象よくない。08.12 エシェゾー →同上。09.11 エシェゾー →傾向は同じながら、熟成香が前面に出てきて飲みやすく。ということで、どうも熟成とともに、「クサイ」ニュアンスが出てしまうのが残念なんですよね。ごく初期のころはみずみずしい果実のおかげでマスキングされていたものが、数年後から不快な香りが前面に出てくるようになって、ようやく09年あたりから熟成香がそれを上回るようになったというところでしょうか。そんな流れで開けた、今回のスショですが‥。カシスやダークチェリーなど赤と黒の中間位の果実、ダージリン、スパイス、皮革、毛皮、焦げ臭。よく熟成していますが、やはりこのボトルも陶然とするような香りというよりは、ややノイジーな動物的ニュアンスが垣間見えます。味わいはミディアムボディからフルボディといったところで、酸がしっかりしており、タンニンはよく溶け込んでいます。果実味はドロンとした感じで、下草系の熟成香が含み香に感じられます。飲み進めるうちに「クサイ」ニュアンスは影を潜めてよい感じになってきましたが、10年の熟成を経て付加価値が加わっているかというと、せいぜい水平移動という感じで、長熟といわれる生産者に比べると物足りなさを感じるのも事実です。やはりアルヌーは早めに飲んだ方が幸せな生産なのか、それとも02年のアルヌーがたまたまこういうワインなのか、あるいは私の保存や流通過程で問題でもあったのか‥。購入先や保存には相当気を使っていたので、コンディションに問題があったとは考えずらいですけど。ちなみに、WA誌のこの銘柄の飲み頃予想とポイントは、2007-2017年(94点)、Burghound.comは、2012+(92点)。アラン・メドウ氏の予想の方が私自身の個人的な印象に近いですね。
2012年01月18日
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上の子のビンテージの02年。ブルゴーニュ全般にわたってかなり幅広く買いましたが、中でもドーヴィサ、アルヌー、パリゾ、ルーミエ、ジョルジュ・ミュニュレ、アルマン・ルソーについては、まとめて何本かずつ購入しました。当初の思惑としては、毎年誕生日などの記念日をターゲットに、まずはドーヴィサ、アルヌー、パリゾ、そのあとジョルジュミュレやルーミエ、ルソーにバトンタッチ、20歳近くになったらあとはボルドー中心かな、となんとなく思い描いていました。では、実際にどんなワインを飲んだか、記録を紐解いてみると‥1歳‥オーパスワン2歳‥記録漏れ3歳‥シャブリ・レ・クロ02(ドーヴィサ)4歳‥義母葬儀のため飲まず5歳‥ジュブレイシャンベルタン・ペリエール2002(フィリップ・パカレ)6歳‥ルバイヤート・メルロ2002塩尻収穫7歳‥クロ・ヴージョ・ミュジニー2002(グロ・フレール・エ・スール)8歳‥パッソピシャーロ20029歳‥シャブリ・グランクリュ・レクロ02(ドーヴィサ)‥とまあ、当初の思惑とはかなりかけ離れたラインアップになっているではありませんか(笑)。理由としては、~これと思った銘柄が寺田に預けっぱなしだった。~開けてしまうにはあまりに早くもったいなかった。~バースデーケーキがメインイベントとなって、ワインをゆっくり飲むヒマがなかった。といったところでしょうか。そんなわけで、誕生日にあわせて記念のワインを開ける醍醐味は、むしろ10歳を超えたこれからかな、なんて思ったりもするのですが、現実には手持ちの02ビンテージは、子供の記念日にとどまらず、持ち寄りワイン会などでたびたび開けています。特にアルヌーについては、比較的早くから開けてしまって、リリース時に購入したものとしては、今回のスショとあと一本テラダ倉庫に残すのみになりました。(つづく)
2012年01月17日
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首がポッキリ折れてしまった子供のリカちゃん人形が治ってきました。1500円也。新しいのを買ったほうが早いじゃないかと言われそうですが、こと人形にいたってはそういうものでもありませんよね。まあそれほど子供がかわいがっていたというわけでもないんですけど。ちなみにこの類の破損はよくあるようで、先方のサービスも勝手知ったるものだったそうです。 http://p.twipple.jp/4N5ZX6日火曜日はは下の子の誕生日でした。我が家のストックの過半数は、まさにこういうときのための子供のVT(02、03年)で占められているのですが、さすがに週はじめの平日とあっては、グランクリュなどの貴重なワインを開ける気にはなりません。で、セラーのストックから、グロフィエのレゾードワ、ボーカステルのヌフパプ、カレラ・ミルズ、ビゾのVRあたりを頭の中に思い描いていたのですが、帰宅したら、晩飯のメニューはホワイトシチューとのこと。ホワイトシチューですか。本当はシャルドネにしたいところですが、03年のセラーにないし、グロフィエやボーカステルはちょっと違うなあ、ということで、消去法でビゾーにしました。考えてみれば、ビゾーを飲むのって02ビンテージ以来、久しぶりです。グラスに注ぐと、濃い!やはり03ですね。エッジはやわらいでいるものの、まだまだ若い色調のルビー。香りが独特。黒系果実やスパイスにまざって、杉の木などの木質的な香りが非常に強く感じられます。口に含むと上質な凝縮された果実味を感じる一方で、やはり木質的な、ボルドーや一部のスーパータスカンを思わせるようなタンニンが中盤から目立ちます。う~ん、どうなんでしょう。かなり独特な香味に戸惑います。まだ早いのかなとも思いつつ、Burghound.comの飲み頃予想って、2009+なんですよねぇ‥。明日になるとまた変わるのかなぁ。翌日:なんだかドロンとした印象になりました。飲んでいて美味しいことは美味しいのですが、相変わらず木質的なニュアンスが残っています。う~む。セラーに03エシェゾーもあるんだけれども、開け時が悩ましい。ビゾーって、リリース当初の02エシェゾーを飲んで、それこそアンリ・ジャイエの再来かとぶっ飛んだ経験があるのですが、今にして思えば、あれって何だったのでしょう?
2011年12月09日
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子どものVTの2002年のグロフレール。クロヴジョは2本買って、一本を一昨年レストランに持ち込んで飲みました。それが激ウマだったので、今回のボトルも期待して開けたのですが‥。まず、コルクが上まで染みていて、上部には青カビが少々。管理状態は前回のボトルと同様だったので、噴きこぼれるほどの急激な温度変化には晒していないはず。コルクの品質差でしょうか。グラスに注ぐと、エッジにはっきりとオレンジ色が見て取れる色調。香りはしんみりとしたスーボワ香主体で、火を通した黒系果実や中国系のスパイスがほんのりと。味わいは香りの印象よりはずっと元気で、しっかりした酸とコーヒー的なホロ苦いタンニンが果実味を支えています。とはいえ、パンと張った球体のような味わいだった前回ほどのインパクトは感じられずじまいでした。前回が第一次熟成のピークだったとすれば、今回は次のピークへの狭間といったところでしょうか。少し期待はずれ感はありましたが、翌日まで美味しく飲めましたし、10K未満の価格を思えば、まずまずの一本でした。グロフレの09クロヴジョ、RWGオークションでも狙っていたのですが、競り負けてしまいました。もう少し競り合ってもよかったかな‥。
2011年08月01日
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ヤケ酒です。どうせヤケ酒を飲むなら、しっかりと癒してくれるような銘柄にしようと、先日追加購入したばかりのフーリエを開けてみました。これでブショネとか熱劣化だったら、泣きっ面に蜂というところでしたが、状態に問題はありませんでした。赤系果実に紅茶、スパイス、下草、キノコ、タバコなどが渾然一体となったフーリエ香に思わずうっとり。味わいは、あまり濃くない色調からもわかるとおり、力強さや凝縮感に満ちたものではありませんが、ナチュラルで破綻のないバランス感はさすがです。ただ、経年的なものなのかVTのキャラクターなのか、ややグリップが弱く、同銘柄の07年よりは1ランク落ちる印象があります。ちなみにBURGHOUND.COMとWAの点数を調べてみると‥プチヴージョ 2009/ 2008 / 2007 / 2006BURGHOUND.COM 89-92 / 89-91/ 88-91 / 89eRobertParker 93 / 90 / 90 / 89まあ、そんなに変わらないといえば変わらないですが、WAでは06が一番低いですね。近年長足の進歩を遂げているフーリエのような生産者の場合は、ビンテージの良し悪しよりも、直近の年の方が出来がよい、ということもあるのかもしれません。ちなみにBURGHOUND.COMでは、飲み頃は2014+となっていますが、今回のボトルの感じからすると、もう少し早くてもいいように思います。ヤケ酒として飲むにはもったいない香味ですが、十二分に癒されたから、よしとしますかね。
2011年06月14日
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牛乳の品薄続く東北・関東 落ち込む生産量 容器も不足牛乳消費量の多い我が家としては、実に由々しき問題です。そういえば、先日コンビニで大量に売れ残っていたのを不思議に思いましたが、手にとってみると「那須山麓牛乳」。みなさん産地には敏感になっておられるようで…。フーリエの07年はACブル、ジュブレイ村名と飲みましたが、1級クラスは初めてです。。特級のクロヴージョが多くを占めるヴージョ村において、格下扱いの1級、しかも「プティ」がつくということで、この銘柄、名前でかなり損をしているように思います。しかし内容は想像以上に素晴らしいものでした。まだまだ紫色がかった色調の濃いルビー。香りがすばらしい。黒い果実のコンポートやスパイス、黒土などに加えて、時間と共になめし革やシャンピニオンなどのくらくらするような芳香が立ち上ります。飲んでみると、最初にうちこそピリピリした酸が感じられましたが、時間とともに落ち着いてきて、充実した果実味が口の中いっぱいに広がります。酸は伸びやかで、タンニンは豊富ながらきめ細かく、堅牢な構造と今の時点での飲みやすさを高度に両立しています。数年待てばさらに表情が豊かになりそうな予感はあるものの、今現在これだけ美味しく飲めてしまうと、開け時については悩みますね。まあ嬉しい悩みですが。それにしても07年のフーリエはすばらしいですよ。ACブルについては賛否両論あるものの、昨年飲んだ村名ジュブレイは抜群の味わいでしたし、今回の1級ヴージョも充分期待にこたえてくれるものでした。こんな折ですが、08ビンテージについても少し買い足そうかと思いました。★楽天でフーリエを検索。★
2011年03月31日
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体調を崩す前に飲んだボトルです。結果的にこのラマルシュのクロヴジョが10年最後の、そして正月休み唯一のワインとなりました。ずいぶん前にうきうきさんで「クロヴージョ飲み比べセット」と称して、ロベール・アルヌーの95年、フランソワ・ラマルシュの96年とのセットで販売されていたのを購入したものです。購入価格は当時3本で23Kぐらいでした。自分のホームページでチェックしてみると、04年10月にモンジャール・ミュニュレを、07年12月にアルヌーを飲んでますので、あしかけ6年をかけての飲み比べと相成りました。グラスに注ぐと、さすがに経年を感じる、オレンジのまざったガーネットの色合いです。香りはなかなか。コンポート状の黒い果実、丁子、ナツメグ、皮革、腐葉土などのアーシーで熟成した香りが立ち上ってきます。飲んでみると、かなりタニックで重々しい中にも96年らしい力のある酸がバックにあって、味わいに立体感を与えています。果実味はリキュール的にの濃縮されており、なかなか好ましい熟成状態です。もう数年寝かせても充分保ちそうですし、さらに長く寝かせた古酒の姿をみてみたい気もします。ラマルシュ×クロヴジョという地味な組み合わせとあって、そもそも期待はしていませんでしたが、開けてみればそれなりに満足できる香味でした。この3種飲み比べセット、購入時はアルヌーに期待していたのですが、足掛け6年の結果としては、モンジャール・ミュニュレ>ラマルシュ>アルヌー という具合でした。まあ、アルヌーがやや機嫌を損ねたようなボトルだったということもありますがね。それにしても、よく言われることですが、クロヴジョってホントに玉石混合ですねぇ。昨年飲んだだけでも、ユドロノエラの89年やパリゾの02年のようなぶっとびワインがあったかと思えば、エスモナンやフェブレのような冴えないボトルもあったし‥。このラマルシュはここ数年飲んだクロヴジョの中では、まあ中の上というところですかね。
2011年01月03日
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前回の06シャンベルドリが、コルクに起因すると思われる状態不良で楽しむことができなかったオーディフレッド。↓そのときの感想はコチラ。いつ買ったのか、セラーにもう一本、ヴォーヌロマネ・シャランダンの06年があったので、開けてみることにしました。キャップシールを剥がすと‥‥ゲッ!これは酷い。コルクが2mm、いや3mmほど陥没していて、廻りからワインが滲み出ています。ソムリエナイフでコルクを抜こうとすると、コルクと瓶との間に挟まっていた液体がジョボジョボと溢れ出してきます。こんなこと初めてです。乾いたものやドロドロになったものが付着していることはよくありますが、まんま液体の状態であふれてきたということは、まさに現在進行形で漏れていたのでしょう。コルク自体もソムリエナイフをぞんざいに刺したら落ちてしまいそうな危うさでした。これでは中身のほうは期待できません。テイスティング用に注いだ最初にひと口こそ良い香味だったものの、その後、香りは閉じこもりがちになり、トゲトゲしく角のある酸やジャムっぽい果実感は前回のシャンペルドリと同様。フィニッシュのエグミもいただけません。これって、結局のところ、06年に使用したコルクの品質の問題ということなんでしょうか?工業製品だったら、リコールものですね。他の年が無事であることを祈りたいです。オーディフレッド自体決して安いワインでないだけに、2本続けて状態不良というのはさすがに凹みました。なお、小瓶に移した翌日は、香りこそ死んでましたが、味わいは初日よりまろやかになっていて、そこそこ楽しめました。その点、マディラ香が出てしまっていた前回のシャンペルドリよりは救われました。とはいっても、当然オーディフレッドの真価には程遠いものだとは思いますが。
2010年12月21日
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前回の06シャンベルドリが、コルクに起因すると思われる状態不良で楽しむことができなかったオーディフレッド。↓そのときの感想はコチラ。http://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/201010260000/いつ買ったのか、セラーにもう一本VRシャランダンの06年があったので、開けてみることにしました。キャップシールを剥がすと‥‥ゲッ!これは酷い。コルクが2mm、いや3mmほど陥没していて、廻りからワインが滲み出ています。ソムリエナイフでコルクを抜こうとすると、コルクと瓶との間に挟まっていた液体がジョボジョボと溢れ出してきます。こんなこと初めてです。やはりコルクが緩いようですね。これでは中身のほうは期待できません。テイスティング用に注いだ最初にひと口こそ良い香味だったものの、その後、香りは閉じこもりがちになり、トゲトゲしく角のある酸やジャムっぽい果実感は前回のシャンペルドリと同様。フィニッシュのエグミもいただけません。これって、結局のところ、06年に使用したコルクの一部に問題がったということなんでしょうか?まあサンプルが2本だけなので断定はできませんが‥。オーディフレッド自体決して安いワインでないだけに、2本続けて状態不良というのはさすがに凹みました。
2010年12月19日
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http://www.domaine-faiveley.com/fr/clos-de-vougeot-~I_52.vin.domaine-faiveley先日のエスモナンに続いて、フェブレイのクロヴジョを飲んでみました。ヴィンテージは02年です。クロヴジョというと、畑の場所が気になりますが、ドメーヌの地図を見ると、斜面の中腹がメインで、それに加えて最下部を少しというところですね。開けたコルクは長くて材質も上々。ほとんど染みてきておらず、コンディションのよさを物語ります。グラスに注いで見ると、濃厚なルビーの色調で、エッジもまだオレンジのニュアンスはほとんど見られません。香りはブラックベリーなどの黒い果実やナツメグ、丁子、オレガノなどのスパイス、ウーロン茶、腐葉土や皮革などアーシーなニュアンスもみてとれます。飲んでみると、これが硬い!引き締まった、筋肉質な構造で、外向的な要素はみじんもなく、押し寄せるようなタンニンとしっかりした酸、それに比して奥に閉じこもった果実とで、辛い(カライ)とすら感じる味わいです。やや抽出が強いのか、後半にエグミが感じられるのもキツイですね。そういえば、ワイン飲み始めのころに飲んだ昔ながらの若いブルって、こんなのが多かったなぁと、それはそれで懐かしく思ったりもしますが、このボトルはあと最低5年は寝かさないと話にならなそうな感じです。エスモナンの99クロヴジョがヘタリ気味だったので、続けて開けてみたのですけれども、こちらはまだまだでした。つくづく、ワインって難しいですなぁ‥。三日目:中一日置いて飲んでみました。相変わらず粘り気のあるタンニンが優勢ですが、ひと晩おいたカレーのように、各要素がなじんで飲みやすくなっていました。香りがすっかり衰えてしまったのが残念。
2010年11月30日
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ユドロバイエの06村名がやや期待値を下回っていたので、同じく新ブルゴーニュの旗手であるオーディフレッドの同年シャンペルドリを開けてみました。キャップシールを剥がすと、コルクがやや陥没しています。抜栓してみるとどうやらコルクが少し緩いようです。あまり力をかけずに抜けてしまいましたし、側面まで液体が回り込んだ跡があります。グラスに注ぎますと、前日のユドロバイエよりしっかりした色調。しかしこちらもエッジはかなり緩んで来ています。香りは、かなり閉じ気味。食事が終わる頃になってようやく火を通した黒い果実やスパイス類、杉の木、などのニュアンスがほんのり出てきた程度。味わいもかなり硬めで、木質的な要素が強く、色気が感じられません。タンニン、酸ともに相対的に強めで、酒質はなめらかとは言い難く、筋張った肉を食べているようなもどかしさを感じます。後味のジワジワとした酸のフィニッシュも調和を乱しています。う~む。これが実力なんでしょうか?時期的な要素(閉じている?)もあるのかもしれませんが、かなり不満の残る香味です。もしくはコルクの状態からして、コンディションが万全でないのかもしれません。ボトル半分小瓶に残しましたので、最終判断は翌日の状態を見てからにしようと思います。翌日:やはりダメです、このボトル。飲めないということはありませんが、微妙にマディラ風味が出てしまってます。コンディション不良ですね。おそらくコルクの欠陥では‥。でも、レストランなどでは、このレベルでは返品できないでしょうね。難しい飲み物です。
2010年10月26日
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四連休ということで、少しは良いワインを開けてみようと思い、セラーの中から表記のボトルを取り出してきました。プリューレ・ロックといっても、以前はほとんど関心がなかったのですが、昨年某誌のテイスティングで水平試飲した07年がドメーヌ直送のボトルだったこともあってか(実のところそれが大きいのかもしれませんが‥)想像以上にすばらしく心に響くものがあったので、それ以来安く出ているボトルを時々購入するようにしています。このボトルは、ヒグチワインさんのセールで購入したもので、お値段は11Kと看板銘柄のひとつであるクロ・ゴワイヨットにしてはかなり割安な価格でした。抜栓してみると、コルクは健全な状態。上部に全く染み込んでいないところをみると、急激な温度変化や極端な高温環境には晒されていないようです。ロブマイヤーのブルゴーニュとリーデルに注いでみると、色調はかなりくたびれた色調のガーネットで、全般にやや濁りを感じます。黒い果実やリコリスなどのスパイス、シャンピニオン、なめした革、出し汁、漬物などの、らしさ全開の香りですが、芳香力自体は期待したほどではなく、ややピークを越えているかな、という感じもあります。飲んでみると、凝縮感はさほどではないものの、旨みは充分乗っており、各要素のバランスもよく、ナチュラルな酒質。ひっかかりのない、独特のスルリとした喉越しは、私が普段飲んでいるブルゴーニュとは明らかに異なるものですが、反面、ややグリップに欠ける物足りなさも感じます。それと、澱がスゴイですね。小瓶に残した翌日、衰えるかと思ったら、意外に酒質はしっかりしていて、香味も初日よりオーソドックな感じになっていました。それにしても、悩ましい作り手です。過去に結構熟成したものも飲んでいますし、自然派の作り手の中では、よく熟成する方だと(個人的には)思っているのですが、今回のボトルは、ピークを越えてやや下り坂に入りつつあるような香味でした。二日に亘って美味しく飲めたのでよしとしたいところなれど、通常売られている15K超のプライスでは、ちょっとリピートは厳しいかな、と。まぁ、看板畑のひとつとはいえ、やや過大評価されている銘柄のように思いますので、7年経過していれば、こんなものなのかな、という気もするし、03年というVTの限界もあるのかな、という気もするし、状態は決して悪くなかったとはいえ、より繊細な扱いをするインポーターだったらどうだったのかな、という気もするし‥。03年は、寺田にNSGクロデコルヴェを預けてありますが、こちらも早晩飲んでみようと思います。
2010年09月25日
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気になっている作り手のひとり、フランソワ・ジェルベ。セラーを漁っていたら、なぜかラベルがびしょぬれになっていたので、飲んでしまうことにしました。キャップシールをはがすと、コルクの上には青カビ。スクリューをさすと、コルクが緩いのか、妙にスッポリと抜けてしまいますし、コルク脇面には噴きこぼれたあともあります。そんなわけで、若干心配しながら飲んでみたわけですが‥。最初はガチガチに閉じてます。まるで香りが立ちません。飲んでもあまり表情がないのですが、とりあえず痛んでいるわけではなさそうなので、少し時間をおいてみようと、ロブマイヤーのブルゴーニュグラスに注いで放置すること約30分。すると、お、香りが立ってきましたよ。ブラックベリーやカシスなどの黒系果実、丁子、ナツメグなどのスパイス、ゴム、黒土などのトーンの低い香り。飲んでみると、甘く張りのある、凝縮された果実味のアタック。後からじんわりした酸味と旨み。タンニンはよく熟して柔らか。それと、なんとなく全般にゴムのような独特のフレーバーがあります。この作り手を飲むたびに不思議に思うのですが、どこか新世界のピノっぽいニュアンスがあるんですよね~。といってもアルコール度がそれほど高いわけでもなく、トータルとしてはあくまでブルゴーニュなんですが。ま、それもまた個性ということで、コルクの質とかボトルのコンディション(前回飲んだ06の裾モノは明らかに劣化してました)とか、やや不安もありますが、それを承知の上でも追っかけてみたい作り手です。
2010年09月10日
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寒暖の差にやられたのか、あるいはなにかよろしくないものでも食したのか、昨晩は吐き気と胃の痛みとで一晩中よく眠れず、今日は午前中半休させてもらうことにしました。朝方寝たおかげで、今はもう大丈夫です。さて、表題の銘柄、ツイッターとゴッチャになって、こちらにアップするのを忘れていました。先週金曜日に某フレンチに行ったときのもの。4人で4本、アンリジロー、ボクスレー、パリゾ2本と来て、勢いでもう1本ということになり、パリゾのシャンベルタンをお持ちくださった方が予備で持参したものを開けてくださったのでした。う~ん、イイですねぇ。かなりオレンジが目立つ色調。香りはなんというんでしょ?まるでラム酒を1~2滴たらしたかのようなコクのあるリキュール的な黒系果実。雨上がりの森の中のようなスーボワ香、皮革など、長い熟成を遂げた液体からしか出てこない香りです。飲んでみると、果実味がしっかりと残っており、酒質もグジュグジュになったり干からびたようになっておらず、しっかりとバランスよく熟成しています。早熟といわれた89年ですが、このボトルは今まさに飲み頃のピークで、ややもすると下がり始めるあたりのタイミングではないでしょうか。若いうちに飲むと「真面目で堅物」的な印象を受けることもありますが、熟成させるとすばらしいですね、ユドロ・ノエラ。↑かわばたさんで89年ありますね。★楽天でアラン・ユドロ・ノエラを探す。★
2010年04月14日
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ワインの香りというのは、単純にある香りの要素が「ある/ない」というものではなくて、さまざまな要素が重なり合ってハーモニーを成しているものだと教えてくれたのは私の師匠格である平野弥の平野さんでした。(ちなみに平野さんはワインの香りへの知識を深めるために、香水の調香の講座を受講していたという本格派です。)でもって、今飲んでいるアルヌーのワインはまさに香りがさまざまな要素のハーモニーであることを教えてくれます。昨日書いたように、開けたては、ワイン本来のアロマは閉じこもって出てこずに、毛皮や馬小屋的な(ほんとはこの表現使いたくないんですけどね)臭いが感じられますが、時間とともに香りが開いてくると、芳香の中に取り込まれるのかあるはマスキングされるのか、そうした要素は気にならなくなります。小瓶に残した1杯目の今日は最初から香りが満開。加えて、トリュフのような蟲惑的なニュアンスも見えるようになりました。味わいも初日より酸が和らいでまろやかになっています。明らかに二日目のほうが良いですね。抜栓当初のイヤなニュアンスがないのかというと、きっとあるのでしょうけれど、全体の芳香の中で、相対的に目立たなくなっているのでそう。年代モノのワインですと、終わり間際には香りがピークアウトして、再び馬小屋臭に支配されることもあるのですが、今回のアルヌーさんは最後まで芳香を放ちつづけていました。リリース直後のタイミングを逃したら、あとはしばらく寝かせたほうがよいのでしょうね>アルヌーのワイン。
2009年11月28日
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ということで、子どもの誕生日でもないのに、上の子のVTを開けました。02年のアルヌーは、スショ2本、クロヴジョ1本、エシェゾー3本、ショーム3本の都合9本買いましたが、本館の記録をチェックしてみると、ショームはすでに飲んでしまっていて、エシェゾーもこれが最後です。リリースしたてのころは良かったのですが、果実味が閉じ始めた頃から、馬小屋チックな臭いを感じるようになり、これは早めに開けてしまったほうがよいのかな、と思って、毎年のように飲んできました。結論から言うと、この判断が正しかったのかどうかは、ちょっと自信がありません。今回のボトルも開けたての印象はよくありませんでした。明らかに菌の影響を受けている感じです。これだけ続くと、02のアルヌーは私が買ったボトルだけの話ではなくて、全体に亘ってそうなのかなという疑念も湧いてきます。(同じような印象をもった方いらっしゃいますか?)しかし、ここから先が面白いところで、2杯目、3杯目とだんだん開いてきて黒い果実やスパイス、土、皮革といった芳香が出てくると、最初の馬小屋チックな臭いはなくなるんですよね。おそらく健全な要素にマスキングされるんでしょうね。味わいは強めの酸が引っ張るバランスですが、果実味は充実しており、タンニンもキメ細かく、クリーミーなテクスチャーは健在です。こうなってくると、残りのスショやクロヴジョはもう数年単位で寝かせて、最初から熟成香満開になるぐらいの頃合いに開けるのがよいのではないかという気もしてきます。今までは早飲みしすぎてしまっていたんですかねぇ?★楽天でR・アルヌーを検索。★
2009年11月27日
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出口屋さんの試飲にて。抜栓後4時間ぐらい経過していたでしょうか。デキャンタージュされていたので、なぜ?とうかがったら、細かい澱がかなり舞っていたからだそうです。少し火を通したような黒い果実や丁子、甘草などのスパイス、それに土っぽさもあっていい香りなんですが、華やかな発散系の香りではなく、香りを嗅いでいるうちにグラスの中に引き寄せられていきそうな、しんみりとした香りです。ほんの少しばかり、あまり好ましくない鉛のような金属的なニュアンスを感じるのですが、スワリングするとすぐに消えます。このボトルに限らず、たまにこういう臭いに出会うことがありますが、なんなんでしょうね?味わいは濃密でしっかりした構造がありますが、タンニンはよく溶け込んでいます。ミネラルは感じられず、土っぽさが前面に出ており、そういう意味では若干野暮ったさも感じる味わいでもあります。熟成のピークというよりは、まだ向上しそうな余地を感じますが、出所を聞いてみると、長らく現地の蔵にあったものを個人的に引き取ったものだとのこと。もう少し寝かせるとさらにすばらしくなっていたことと思います。ブルの開け時は難しいですね。ドニモルテの拳銃自殺の訃報はまだ記憶に新しいですが、現在はご子息が立派に切り盛りしている様子。まだ息子さんのワインを飲んでいませんが、遠からず試してみたくなりました。↑楽天では30K以上しますね。★楽天でドニ・モルテ、ティエリー・モルテを検索★
2009年02月21日
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