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「病院に行くお金が無いので、貸してもらえませんか?」って人に頼むことができますか?健康保険が切れ、病院代が払えなくて、結果病気が手遅れ状態になり命を落とす人が増えている、というニュースがありました。なんとも痛ましい事です。 そんなニュースがあったときに、ある新聞の社説に、「お金が無いという理由で、医者にかかれずに命を落とす。そんな世の中ではいけない。」というものが有りました。 確かにその通りでしょう。分限者も、平均的な人も、金が無く貧乏を強いられている人であっても、命の大切さは変わりが無いのですから、お金がなくて、病院に行けない、そして死にいたるというのでは、人の命に軽重が有るようで、あまりいい気持ちはしません。その社説には、「これが世界トップクラスのGDPを誇る先進国の現状なのか!」と書かれています。例えばアメリカ合衆国。もうずいぶん長い間GDP世界第1位であり、先進国で有り続けている国ですが、生活困窮者の数と比率の高さは、日本の比ではありません。それなのに、オバマ大統領が登場するまでは、健康保険制度すら有りませんでした。GDPで日本を抜いて世界第2位となった中華人民共和国も、今の日本ほど行き届いた健康保険制度はまだ準備されていません。今後中国の経済はますます伸びていくことでしょうが、貧困者層を作らず、健保制度を充実させながら、経済発展を続ける事が、到底出来るとは思えません。つまり、「GDPで優っている国は貧困が少ない、だから病院に行けず死ぬ人が少ない。」というロジックは大変怪しいものです。景気がよくなり、みんなの所得は増えれば、貧困に苦しむ人の数は減るでしょうが、日本がよその国に比べて、急に金回りが良くなるとも思えません。ましてや、健保制度を現状維持以上の充実を保ちながら、経済発展をするなどということは、「それが出来りゃ、誰も苦労しない」というもので、相反する高望みのように思えて仕方がないのです。社会保障を高次元で保ちながら、経済発展をする方法をご存知の方がいたら、そんな人にこそ、今すぐこの国の指導者になってもらいたいものです。昔の時代劇に出てくるような、「おとっつあんをお医者様に見せてやりてぇけども、うちにゃ銭がねぇ」というような話は、心情的にはなくしていきたいと思いますが、「じゃ給料の半分を税金って事で?」って言われちゃうと、「うう・・((+_+))」ってなるのが偽らざる気持ちではないでしょうか?この社説にはこんなことも書かれていました。『低所得者などの支払いを減免する「無料低額診療事業」を行う病院が増えている。』と。場合によっては、「無保険」の人であっても対称となるようです。こういった制度を利用する人は、まだまだ大変少ないのだそうです。生活困窮者は、世の中の情報に触れる機会が極端に低いのだそうで、新聞、テレビ、インターネットなどの媒体に触れることも、なによりも人との交流が極端に減ってしまうのだそうです。生活困窮者を救うための制度も、その人たちに届いていない。そういう意味では、「孤独死」、「自殺」も同じかもしれません。人生のピンチの立たされた人が、「ネットで無料低額診療事業を検索。」なんて事は考えにくいし、誰って内向きな考えになってしまい、次第に孤立していくものだと思います。国、行政レベルででこういった問題を解決しようとすると、お金もかかるし時間もかかります。人間いつどうなるかわからないのですから、一人一人が、少しおせっかいになって、困っているようにみえる人、元気が無いようにみえる人、孤立してるように見える人に、声をかけ、手を差し伸べる事がることが、なにより困窮者を救う方法であり、自分自身をも救う道ではないかと感じました。いつ自分が生活困窮者にならないとも限りません、それにこんなことを行政に担わせるとすると、税金が余計に必要になるに違いないのですから。
2011.03.04
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