PR
Keyword Search
Calendar
Comments
Freepage List
自分の部屋にある戸棚の中から彼女が送ってくれた手紙を、何の気なしに思い出して読み返してみたくなった。
彼女が手書きで書いたり、会社のパソコンで一生懸命書いてくれたものだ。
彼女は、読むと捨てているんでしょ、といつも言っていて自分もそうしているかのような顔をしていた。
たぶん、もらった手紙はほとんど大切に残していると思う。
彼女が聞いたらまず信じないだろう。
ケンカした後に書いた手紙、図書館で会話できないから手紙で書きあってた手紙、誕生日に書いた手紙、嬉しかった時に書いた手紙、会いたくて会えない辛い気持ちの手紙、いろんな手紙をもらった。
何げなく手に取って読み返した手紙は、自分が結婚直前に送ってきた手紙だ。
ちょうどこの時彼女は自分から離れて新しい道を探している時で好きな人の話とかも書かれていた。
でも、結婚してこれから会う事ができなくなる事の不満や、まだ好きな気持ちを書いていてくれてて彼女の愛する人への一途な気持ちに何年も経っても変わらなかった愛情の深さにまたすごく落ち込んだ。
手紙の最後に書かれていた「最後のお願い」。
一緒に東京ディズニーランドに行ってというものだった。
ディズニーランドとか好きじゃなかったし最後になるかもしれないデートでカップル達が賑わうところへ行くのも何か心苦しかったので、箱根の美術館とかに行った。
この時だけじゃなくてそれから続いた時間の中でも何度となく彼女はディズニーランドへ行きたがっていた。
もう遅いが彼女をもしどこかへ連れて行ってあげれるのなら間違いなくディズニーランドへ連れて行ってあげたい。
ただできなかった事の埋め合わせとかじゃなくて、彼女の輝く笑顔を見たいだけだから。