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2010.08.30
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カテゴリ: 映画
阪本順治の「カメレオン」のDVDを借りてきた。
主演は藤原竜也。

30年も前に、脚本家が松田優作主演を前提に書いたものを、2年前に改めて映画にしたもの。
松田優作の世界が、「カメレオン」には色濃く反映されている。

阪本順治は日本映画界の中でかなり監督の特色を出すタイプで、結構好きだ。
引退したばかりのボクサー赤井英和が主演した「どついたるねん」がデビュー作で、
静かながら妙なリアリティを醸し出した、優れた映画だった。

「カメレオン」の公開は、タイの臓器売買を扱った「闇の子供たち」の前だったと思う。
「どついたるねん」の雰囲気を受け継いだ、阪本順治がやりたいように撮った魅力的な映画になっていた。

そんな映画の匂いは感じさせなかった。

詐欺師のゴローらが、偶然誘拐を目撃したことで追い込まれてゆく、というだけのストーリー。
藤原竜也が演じるゴローは、いったいほんとは何者なのか、仲間にも見ている者にもはっきりしない。
そしてはっきりとは語られない。

謎めいた存在感のあった松田優作をまさに彷彿とさせる。

長回しを多用し、驚くのは、一連の格闘シーンもカット割りのないまま流している。

派手な音楽も使用せず、石井隆の作品でも雰囲気を作っている安川午郎の音楽が時折BGMに使われるのみ。

藤原竜也のアクションはキレがあるし、
比較的おとなしく、コメディチックでもある平常のシーンとのコントラストがメリハリがある。
無駄と思わせるたるんだ場面もなく、テンポもいい。

決して名作映画ではない。

「なんだ、この映画」
と思うことが多いだろう。
だからメジャー公開されるヒット作にはなり得ない。

しかし、多作に埋もれる日本映画の中で、特異な魅力を放っているおもしろい作品であることは間違いない。





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Last updated  2010.08.31 09:46:40
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