深秘の華苑
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あれから数ヶ月。奴から電話があった。2回。1回目は出産直前の11月。知らない番号だったから、思わず出ちゃったよ。再婚した事も旦那がどんな人かも妊娠した事も予定日間近な事も今何処に住んでいるかも教えていなかったからまあ良いや、と思って教えた。じゃあ、ちょっと今から会ってよ、とか、今からそっち行くよ、て言える距離では無い、と云う厳然たる事実が、こんなにも気持ちを強くしてくれるんだね(笑)。現状を伝えると、吃驚していて、でも出産頑張ってね、と言ってくれた。それでも(今、実家に帰っているのなら)近いうちに会えない?て言って来たのには吃驚したけど。臨月の人間を独りで遠出させる気か、みたいな。2回目は昨日。子どもは無事生まれたの?とか、今はもう自宅に戻ったの?とか訊いて来た。子どもは元気で既に自宅で毎日愉快に三人暮らししているよ、と伝えた。離婚したい、と言われた。何があったのかは知らないけど、離婚して私と暮らしたいんだってさ。何があったのかは知らないけど、自分の結婚も今の生活ももう我慢出来ないレベルで間違っているんだって。何があったのかは知らないけど、昔一緒に暮らした日々が忘れられないんだって。奴の暮らしぶりは判らないけど、私を何かからの逃げの口実に使っているよね。実際、奴の暮らしぶりを直接的には知らないし、何より奴がどうやって生きて来たかの詳細を私は知らない。確かに昔の奴の事は今でも胸の傷だけど、それは現在まで連続した奴が対象ではなくてあくまで昔の奴に対してのみ有効なものであって多分、それは奴にとっての私も同じように言える筈だよね。それ位、ここ数年はお互い直接の接触がない間柄ではないか。何で、そんな過去の存在である私が奴を救えると云うのだろうか。て云うか、それを子どもが生まれて幸せウフフで毎日がお花畑と修羅場の共存な私に言うのか。私は、奴と直接の接触はないけれど間接的な接触はあって奴が仕事その他を色々頑張っている事を知っている。1回目の電話だって、その頑張り関係の会合の帰りだった。そうやって、オフィシャルな奴はあの頃とは違う方向ではあってもあの頃と同じような力で精一杯頑張っている(と、少なくとも客観的な場所からは伺える)のに何故、私との事に関してはいつまでも学生時代の自堕落モードなままなのだろう。大学一回生の頃からの付き合いが着実に続いている人、と云う今となっては貴重な存在の一人が奴だった、と云う事実に思い至り非常に残念な気持ちになった。本当に、何をどう間違えたのだろう。
2012.04.23
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