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「人間はみんな、ちがった目で星をみてるんだ。 旅行する人の目からみると、星は案内者なんだ。 ちっぽけな光くらいにしか思っていない人もいる。 学者の人たちのうちには、星を難しい問題にしている人も いる。 僕の会った実業家なんかは、金貨だと思ってた。 だけど、相手の星は、みんな、なんにも言わずに黙っている。 でも君にとっては、星が、ほかの人とは違ったものになるんだ」 ――「星の王子さま」より この前、浜ッ子の友人と横浜チャリンコツアーをした。 その時にアメリカンな雑貨やおもちゃが沢山ある、 倉庫のようなお店を訪れた。 私はこういう所へくるといつも、「星の王子様」の作者の こんな言葉を思い出す。 きっとある人からみたらガラクタにしか見えないだろう昔のおもちゃや食器、置きものなど。 でも他のある人にとったら、プレミアもので、何の役にも立たないとか、部屋が狭くなるとかならないといった問題ではないのだ。 ** 塾で教えていた頃、小学生のゆうや君が、大事に飼っていた 学校のにわとりの卵が、全部犬に食べられてしまったと言って とても悲しそうにしていた事があった。 「今日は産まれてるかな。何個卵があるかな。」 きっと、頬を赤らめて、短い足をせわしなく動かして、 せっせとにわとり小屋に向かったのだろう。 まず、卵を食らう犬ってどうよ?と私は心の中でつっこみをいれていたが(笑)、まぁそれはいいとして、 私は、そこでただ「悪い犬さんだねぇ」とは、 言えなかった。 どうしてだろう? 週末に読んだばななの「ハゴロモ」の中に、答えを見つけた。 主人公が、るみちゃんという保母をしている友達と会話している場面。 「聞いてよ、この間、ある男の子が、はとの雛を拾って、門のところに鳥かごをおいて、一生懸命育てていたの。もう本当に一生懸命に。その子ははととすっかり心を通わせて、その子は、鳥というもの全般を本当に愛するようになったの。でも、その鳩、浮浪者に食べられちゃったの。もう、どうしていいかわからなかったよ。」 「た、食べる?」 「この話をきいて、笑ってしまいたくなると同時に、ちくっとするところがあるじゃない?」 「ちくっとするどころかずきずきするよ。」 「そう、もう全く違う世界に生きているから、どっちが正しいっていうことはいえないのかもしれないもんね。あのおじさんは君と見ている世界が違うから、自分の世界を大切にして、なんど壊れても作り直してね。って言って上げるしかできなかった。」 ** あまりに私の経験と似た文章だったので驚いた。 生徒にとっては、ひたすらにわとりを可愛がって、愛して、 その大事な大事なにわとりの卵だったけれど、やってきた犬にとっては、生きていくために必要な食料だったのだ。 そう考えると、「わるい犬さんだねぇ。どうしようもないねぇ」とうかつに言えない気がしたのだ。 だって私たちだって、色々な動物の肉を食べて生きているんだもの。 そう、だから、どっちが正しいと言うことはいえないのだ。 動物を愛護する彼の思いが一見清らかで美しいように見えてしまうけれども。 自分が美しい、可愛い、大事だと思っているものを、誰かがけなしたり否定したり、粗末にしたりしたら悲しいし苦しい。 けれどそんなときには、この話を思い出したい、といつも願う。 そして、けなした誰かを責めたり憤慨したりするのではなくて、ただただ、人によって星の見え方が違うんだと解釈すること。 そして、自分の世界を大切にして、自分が見て感じること、自分が感じて行うことを、作り直してはかため、守っていけば いいのだということ。 ** ファイサルさんの授業があった。 バーベキュー以来だ。とても忙しそうだったが、面白さは今日も爆発だった。 奥さんのザイアナさんが群馬からわざわざ取り寄せてくれたと言う、あの日のメインディッシュともいえたやぎのお肉が とても美味しくて忘れられないと言うと、ファイサルさんは言った。 「インドの人たちは牛肉を食べられないし、ザイアナは豚肉を食べられない。だからヤギにしたんだよ。」 宗教、主義、いろいろなものによって、食べ物も人それぞれ違うけれど、 それをごく自然に受け入れ合い、誰もが食事を楽しんで歓談している光景は本当に素晴らしかった。 今まで数え切れないほどの留学生や外国人と出会い、文化の違いは当たり前のように感じてきているけれど、 なんということはない、私たち一人一人に好き嫌いがあるように、誰もが自分の世界を大切にしているだけのことだ。 ある人にとっては生きていくのに欠かせない星が、ある人にとっては食べてはならない星。 どの星も美しいし、どの世界も正しくてまっとうだ。 「でも僕は、何でも食べちゃうけどね」 いたずらな瞳で笑うファイサルさんは、やっぱり最初に思ったとおり、限りなくジェントルなコメディアンだと思った。
2006.08.15
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近頃のわたしは頭がイカれている。 土曜のバ-ベキュ-で日光にやられたせいなのか, はたまたスペイン語を始めてラテンに染まり始めたからか。 単純に暑さのせいか。 よく自分でもわからない動きをすることが多い。 (いつも??) ひどくリアルな,息もできないような甘い夢から目覚めて 『夢かあ~!!』なんて悔しがりながら,なぜか早朝のヒルズへ。 レッスンに毎週通うヒルズの会報誌に,『ヒルズで朝食を』なんて特集があったのを思い出して 気付いたら出向いてたのだ。 ずっと気になってた、スタバのブルーベリークリームチーズパンケーキ。 今、カフェが朝食をターゲットにしているとか。 食べたい。食べよう。直感で思った。 朝はイイ。 でも、雷が鳴っている。 今日に限って半そでなのに・・・。 夏ばてとダイエットで少しだけ痩せた胃にしみこんでいく,あったかいラテの味。 パンケーキも美味しい。 パンに黒糖?が練りこまれているのか、甘すぎず、私好み。 隣に座ったおしゃれなお姉さんが連れてるコイヌが可愛い。 ** 昨日は会社の友人みったんと,久々にランチをした。 15分もフライングしてフロアをぬけだし,まだ入ったことのないイタリアンへ。 オフィスが移りもう二週間。慣れるとこのあまりの自由さが快適。 (勝手に抜け出してるだけだが。。) 枝豆と茄子の冷製パスタ。最近,枝豆と冷製パスタに目がない。 みったんは,私の友人の中でおそらく1番はっちゃけている。 ずばずば物を言うし,それを嫌がる女の子もいるけど,私はその裏表のなさが大好きだ。 相手の気持ちを思いやってものを言うことは大前提だと思うが、 たとえ傷つこうとも、本音を聞けるほうが嬉しいこともある。 彼女は、私を思いやった本音を、いつもくれる。 しゃべるとフォークが進まない。 たべると話が進まない。 時間が足りないようなお昼休みだった。 ** なぜかそんなことを思い返しながら、過ぎていく朝の時間。 いつもなら長針が一番目に付く時計なのに、 朝はなぜか秒針に目が行く。 朝露みたいに、一秒一秒が、つついたら弾け飛んでしまいそうな しぶきを内包している気がする。 実は近頃ちょっぴり滞っていた。 会社で仕事をして、生活にゆとりを持ちながらレッスンを続ける。 それが私にとって最もいい黄金バランスだった。 そんな生活を続けて来て,それがいわば『飽和状態』を迎えている。 今はもう,確実に『違う』のだ。 私はイマを,抜け出したがっている。 でも、どこへどんなふうに?? 方法がわからないまま,自分で自分につっこみをいれる。 『ダッテワタシ,ウゴイテナイジャン』。 そして,動いてみた。 スペイン語を始め, 検定料の高さに迷っていた日本語検定を消印期限当日に申し込んで、 今まで毎回のレッスン後に手帳に走り書きしてきた、生徒の質問や 教えてる間の発見をワ-ドにまとめ始めた。 それだけで世界が変わり始めた。 仕事をしていても『この単語,スペイン語だと何?』とつねに考えるようになり, 生徒のことも教えながらよーく観察するようになった。 ぽかんとしている時間が減った。 そしてなにより,滞ることへの不安が見事に消えていた。 抜け出したいと思い込んでいたのは私自身で、 もともとそこには、壁も落とし穴もなかったのだ。 今,ものすごくしたいことがある。『子育て』だ。 みったんにぼやくと『んも~話とびすぎ!相手が先でしょ』 と一蹴。 自分ひとりでもやりたいことは沢山あるし,今まであまり自分が子供を持つことを 実感としてとらえたことはなかったのに,最近なぜだか強く思う。 理屈でも何でもなく、背中のほうから勝手にわいてくる思い。 未熟すぎな,成長過程である自分がそういう望みを持つというのは大きな変化だ。 少なくとも私自身の中では。 自分以外の何かを、全力をかけて守り育てようという意識が芽生えているということ… 異変だ。 ヒルズのちょっぴりセレブ感のある朝も,たちまちラッシュとむんむんした熱気に掻き消されていく。 ああ、またお休みのスカッと晴れた日に、ビールを飲んで騒ぎたい。 先月銀座の真ん中でそんなことしたっけなぁと目を細める。 ラッシュアワーの中、そんなことを考えている。 でも、どこで何を考えても、夏なら許されてしまう気がする。 それでもまた明日,はるばるパンケーキを食べに、 地下鉄に乗ってここへこようなんて思っている私は, やはり最近頭がイカれている。
2006.08.09
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土曜日。 生徒のファイサルさん夫妻が招待してくださったバーベキューに行ってきた。 バーベキューは、したいしたいと思いながらもなかなかその機会がなくいままできたので、 わくわくしながら出かけた。 友人夫妻、会社の後輩、日本語セミナーで隣の席だったのをきっかけに去年知り合った 友人、の5人連れ立って行った。 途中、スーパーで買出しをする。 「何がいいかねぇ?」「とりあえず、食べたいものかってこっか」 お肉、サイコロステーキ、そして冷凍食品コーナーで、焼きおにぎりやピザを買い込む。 隣の酒屋さんで、ビールやチューハイも忘れずに。 ファイサルさんの奥さんのザイアナさんがもともとは教わってくれていた。 ザイアナさんのお仕事が忙しくなってしまってから、代わり(?)に夫である ファイサルさんが教わってくれている。 ピンポーンと呼び鈴を押すと、久々のザイアナさんの笑顔。 「HeeeeeeeeeLLoooooooooooo!!」 変わらず明るい。 おじゃまするともう準備が始まっていて、インターナショナルな顔ぶれ。 ザイアナさんが群馬から取り寄せてくれたと言うヤギの肉(!)を串に刺したりしながら、 初対面同士、楽しく会話をする。 友人夫妻の旦那さんは、もうビールで若干酔っ払ったりしている(笑) マンションのすぐ近くにバーベキュー場があり、ファイサルさんたち男性陣が 火をおこしたりしてくれていた。 それにしても暑い。熱い。 串刺しのお肉、野菜、エビ、などなど・・ みんなが思い思いに持ちよった食べ物が次々にアミの上に載せられていく。 けむりが立つ。 クラッカーやチーズも開けて、お皿に可愛く盛り付ける。 「あ!これも焼かなきゃ」 焼きおにぎり。10個いり。 お肉や野菜が多い中、ゴハン物は結構レアだったのか、単純に珍しかったのか。 焼きおにぎりは、あっというまになくなってしまった。 買ってきた私たち5人のうち誰も、焼きあがったおにぎりを食べてないし、見ても いないという(笑) これには爆笑だった。相当大人気だったようだ。 気づくと人数が30人くらいに膨れ上がり、次々に色々な人があらわれ、 さしずめインターナショナルパーティのようだ。 私も次々に「ハロー!」&笑顔で、いろんな人と会話をした。 水のあるところ。 おいしいもの。 笑い。 とても楽しかった。 夏ばても吹き飛んでいくような気がした。 そして、今までもずっと思ってきたように、 ファイサル夫妻は本当に素敵で、心から憧れる存在だと思った。 ファイサルさんはコメディアンのようで、終始場を盛り上げていたし、 ザイアナさんお手製のお料理は、どれも本当に美味しかった。 二人のお人柄からか、集まる人たちもみんなとてつもなく親切で、あたたかくて、 感動した。 ** 日曜日。 申し込んでいたスペイン語の夏期講座が始まった。 バーベキューでも、やっぱり痛感したのがコトバの大切さ。 コトバが通じなくても、心は伝わる。 けど、やはり、ないよりは、あったほうが良い。 すべての名詞に男性・女性の区別があったりと、多少ややこしい。 でも、このなんともいえないラテン系なリズムやイントネーションと 今のこの夏の暑さの勢いで、身につけていけたらと思う。
2006.08.07
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