昨年9月のドイツでは前回のバーデンの ノイヴァイヤー
やアウスマンズハウゼンの クローネ
のような高めのレストンランには時間と場所の関係で行けなかったのですが、それでも数少ない訪れた飲食店のことを書いていきます。
まずは前回の記事でもふれたエルトヴィレのブルク・クラスBurg crassです。町の中心からは少し離れていてライン川の川沿いにあるホテルとレストランです。

シーフードとほうれん草のスープの後はラザニアを食べました。3つ見えるのは海老です。
たしか北海道のチーズとかぼちゃ味と書いてあったのですがなじみのある日本らしいやさしい味でした。後で知ったのですが、コンビニやスーパーでも北海道と書いてあるものが今は多く売られているらしくて、日本の美味しいブランドとしてHokkaidoが使われているみたいです。おそらく実際には北海道のもを使っていない商品も多いのでしょう。
このメニューは前菜用とメイン用の2種類のサイズが選べたのですが、予想通り前菜用の少ない量のほうでも充分満足できる量でした。
ヤコブ・ユンクのカビネット・トロッケンを飲んだ後は画像の奥に見えるシュロス・シェーンボーンのロゼを飲みました。色は濃い目で、つんとしていてわりとしっかりした味わいでした。こういった食事に合うし昼食に飲むにはちょうどよかったです。
ボッパルトのワイン祭り
の時にも書きましたが最近ミッテルラインやラインガウではロゼ(主にシュペートブルグンダーによる)が多く造られるようになってきて、中途半端にしっかりとした赤よりはこういう飲みやすくてなおかつ良質なロゼのほうが僕としても大歓迎です。
お次はリューデスハイムのつぐみ横丁にあるリューデスハイマー・シュロスです。つぐみ横丁にあるレストラン、飲み屋は観光客向けのところがほとんどなのですが、ここはブロイヤーが経営しているのでちゃんとしたワインが数多く置いてグラスワインでもそういうワインが飲めます。
この日はGGの試飲会の後に一緒に同行した方と訪れたのですが目的は熟成したワインを飲むことでした。古いワインがあることを知っていたのでこちらにきました。この日はそれまでにたくさん飲んでいたので落ち着いた味わいのワイン、そしてせっかくなのでなかなか飲めない珍しいものをと思ったのです。

ワインを選ぶのにかなり時間がかかったので食べ物は選ぶのが面倒になって郷土料理のつまみの盛り合わせにしました。残念ながら美味しいと思えるものが少なくて郷土料理だから観光客は喜ぶという程度のものでしたが、ドイツはソーセージしか食べ物を知らないという方には色々と知れて食べられるので面白いかなと思います。

頼んだのはクロスター・エバーバッハのカビネット、リューデスハイムのトップ畑とされているベルク・シュロスベルクの1979年産です。
鷲の羽のところにあるのは競売会に出品された証のマークなのですが、若いときに競売会用のグレードだったから競売会用として出品されたロットではなく、樽のままか瓶詰めされてからかはわかりませんが10年、20年以上経って熟成しているものが競売会に出品されたものです。熟成している蔵出しを新しいヴィンテージにまぜてリストに載せて売り出すところも多いですが、クロスター・エバーバッハの場合は蔵出しものを競売会を通すというやり方をよくしています。今回の競売会でもそういう熟成したワインが何種類も出ていました。この79年産もそうやって出品されたものをこのお店が直接落札したのか他の業者が落札したものを購入したのかはかわかりませんがそういう経緯を経てこのお店にストックされていたものです。
酸っぱいと思いましたがまだおいしく飲める程度の酸っぱさでした。30年経っているとは思えないクリーンな味わいですらっとしていました。そしてラインガウの10年以上たったワインに表れてくる特有の香り、いわゆるペトロール香がこのワインには全くなかったことに驚きました。
そういうワインには今までも何度か出会っていますが良い畑、良い造り手こそだと思います。もちろんくせのある熟成香がないからおいしいというわけではないのですがそういうワインでおいしいく感じたものが今まで多かったのは確かなことです。
カビネットということもあって単体だと甘さがあまりないので飲み続けるのはつらいと思いますが、何かを食べながらだとゆっくりと味わいながら楽しむことができる熟成ワインでした。
価格は書きませんが、日本の飲食店で若い普通のワインを注文した時と変わらぬ値段でこういうのが飲むことできるのは驚きで、そして幸せでした。
ドイツ1日目の 観光に充てた日
の夜はハノーファーのワインにも力を入れている手ごろな値段のレストランとワインバーに行きました。

写真はレストランArestoで食べたサーモンとパスタ入りのグラタンです。ソーセージや肉の塊以外での食事の質としては悪くなかったです。飲んだフィリップ・クーンのリースリング・トロッケン2011もこれを頼んで正解でした。
ワインバーGegenüberも様々な産地のワインがあって欲するものを見つけられるラインナップだと思いました(ドイツワインだけの品揃えではありません)。
2杯目に飲んだグランス・ファシアンのCuvee9のファインヘルプはかなり気に入りました。深みがあって凝縮感のある酸味なのですが味わいとしては酸っぱく感じないのです。前にもトリッテンハイムの2010年産で気に入ったものがあったのですが、2010年産のモーゼルは酸が強めで酸っぱいと感じるワインが多い中この地のはやわらかい味わいになるので僕でも気に入るのだと思いました。
そしてこの日はパリ行きの夜行列車でザールブリュッケンに向かったのでした。
ザールのヴィルティンケン周辺のぶどう畑… 2013.03.26
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