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前回に引き続いて今回は下記読書中の本より音声認識と音声合成の技術について紹介します.・C++活用DSPプログラミング・ワンチップIC/モジュールで試す音声認識&合成(from Interface)・ハードとソフトをつなぐドライバ&ミドルウェア(from Interface)3つのモードで演奏できるキーボード初音ミク【千円以上の全品対象5%OFFクーポン・12/28終了】学研 歌うキーボード ポケット・ミク【NSX-39付属】(大人の科学マガジン特別編集)・音声合成について初音ミクに代表されるようなVOCALOIDもこの音声合成技術の応用である.音声認識の技術から今度は発音させるソースへと変換したものと考えてもいいかもしれない.実は意外と昔からある技術でロボットボイスと呼ばれる機械音も音声合成の一種である.時計やカーナビなどについている時間読み機能等も1="ichi"と時="ji"というサンプル音を組み合わせて一時="ichi-ji"と発音させていたりするため立派な音声合成である.VOCALOIDは単純なサンプリング組み合わせだけではなく,母音と各子音のサンプルをフィルターやタイムシフト等の技術を用いて違和感なく合成し,音程変更して,etc...処理を経て発音(歌う)に至っていると考えられる.もちろん,ファルセットや擦れ声等,声質毎にサンプルを変更しているため収録サンプル数も膨大だし,楽器や声では1つの発音から途切れることなく次の発音に移る等,既に収録されているサンプルだけではどうにもならないケースが沢山ある.それらを音声認識等で培われたノウハウから波形整形できる部分とサンプルを増やしてつなぐ部分とを組み合わせて実現しているわけだ.倍音成分や周波数をコントロールするような複雑な技術と言うことはもちろんシンセサイザーにも応用できるだろう.波形を合成するというシンセサイズが語源である通りミュージックシンセサイザーも歴とした音声合成器である.逆に言えばオルガンのようなフィートと呼ばれる倍音成分を加算して音色を作り出していく楽器も実は加算合成シンセサイザーなのである.加算合成は基本的に波形を同じ時間軸内に複数重ねていくことで実現している.各種波形をエンベロープジェネレータで時間変化した場合は声の音声合成のような"k"という子音成分後に"a"という母音成分を加えるような異なる波形を違う時間軸に張り付けるという応用もできるだろう.このように,1つの波形へ他の要素を加えることで新たな音を生んだりすることでシンセサイザーは音つくりを成り立たせている.逆を言えばシンセサイザーを扱うということは,複雑な音の変化を意識してそれを再現実現するということである.簡単に言えばAltSaxの発音をこう解釈することも必要だということになる.0.キーを押さえたタンポが当たる音1.リードは安定した周波数を振動挿せていないが管に息が吹込まれた際の吹き音2.徐々にリードが振動し,音程が安定していくまでの音3.リードが安定している間の音4.管内部に複雑なリードの振動数がこだまして生まれる倍音成分が発する音5.ビブラートのようなうねり音6.徐々に息が抜けて音がフェードアウトしていく音7.フェードアウト時に変化していく音色8.リードの振動が発音に至らないレベルまで抑えられた状態での吹き音あくまで,ある1音を発音するときに発生するだろう作用のほんの一例だ.人によってはブロウサウンドを出すためにより多くの変化をさせることもあるだろうし,ハイトーン等を鳴らす際はもっと複雑なリードの動きをするに違いない.シンセサイザーでこの"ほんの一例の音"を作るためには8種類の波形が必要になってしまうことになる.物理モデリングはこれらの情報をモデリング演算で再現しているので演算可能な範囲で再現できるかもしれないがPCMのようなサンプリング音による再現では1音色のサンプルバンクが膨大になりすぎて様々な音色を扱うことが難しくなる.なので,周波数や倍音成分の時間変化で省略できる項目は"Sax"だと思わせる音を再現できる程度にカットして発音させているわけである.以上のように,楽器の構造から音波が発声するまでの具体的な流れが物理的にわかっていなければ生楽器等の音声合成はできないと断言しておく.もちろん,クラブシーンやエレクトロ等でもちられるルーパーのように自動生成による偶然発生を狙って扱う場合は別だ.話が飛躍しているようにも見えるかもしれないが音声合成(シンセサイズ)は音声解析の集大成なのである.一般のユーザがこれだけの事をどこまで理解して扱っているかはわからないが本来はそういう部類の機材なのである.それらを認識したうえで偶然性や必然性をコントロールして初めてシンセサイザーを扱うことができると言うことを忘れてはいけない.あのボーカロイド「初音ミク」が、ついにMACに対応!CRYPTON ( クリプトン ) 【在庫限り!】VOCALOID3 ◆ 初音ミク V3【MIKUV3】 ボーカロイドもちろん,初音ミクをはじめとするVOCALOIDソフトを扱ううえでも,人の声の成分がどのように音程変化をするとよりスムーズな発音になるのか?や早いパッセージをどのように人が発しているのかを想像しながら打ち込みに反映させていけばよりリアルなヴォイスを実現できるだろう.VOCALOD自体もVersion4になり,その辺を考えなくても自動で処理できるようになっては来ているわけだが,やはり考える癖や考える方向性を正確に持っている人と持っていない人では出来上がる疑似声1音1音に小さな差が生まれる.積み重ねた結果トータル大きな差になってしまうわけである.本気で打ち込みたいなら自分でまず歌ってるところを録音・録画し,口の動きや発声タイミング,また音の変化等をよく観察してみて欲しい.多くの発見があり音楽が科学であり物理であることもわかると思う.(もちろん,自分で歌った録音波形を打ち込みに反映させる自動生成機能がある現行のVOCALOIDは本当に優秀でどこまでマニュアル化で頑張る必要があるか迷うことも多々あるわけだが…)また,私の勝手な推測だが今後のシンセサイザー技術においては元ソースの音色をシンセサイザーに聴かせることで,その音に最も近い音色を選び出す技術や高度な変換技術が成立すれば自機の所有している波形バンクから近い音声に自動合成する技術も出てくるのではないかと考えている.簡単に言えばminimoogのシンセベースの音を聴かせてあげれば,実機が持つ波形バンクから自機で作り出せるもっとも近い再現音色を自動でパラメータ化してくれるという感じである.もはや実現すればマニュピレータや音色制作屋が失業することも考えられるわけだが,自動化の究極はこうなるのではないかと私は考えている.音声認識ならびに音声合成の技術一つ一つを自分で作り上げるのは難しいと思うが,その技術に用いられている要素が音を作り上げる上で重要なものだということは伝わっただろうか.大変取り留めのない話をだらだら書いてしまったが,結局私はこういう技術の知識がまだまだ乏しいと思っているから読んでは書いて残しているというわけである.これらをそれなりに理解してStudioT'sLABをはじめとする活動に返還できたらと毎回思っているからこそ今日も本を開いている.本当なら音楽理論を丹念に解説していけたらなんて思うわけだが,正直感覚派の私には音楽を文字化するのが難しいしガラでもない.素晴らしい専門書は各界のプロが書物にしているからそちらを参考にしてほしい.皆さんも,決して今の自分が持てる知識だけで満足しないで欲しい.確かに専門的な部分は専門家に任せればいいわけだが,少なくとも自分の持っている機器がどのように成り立っているのかを概要だけでも押さえておかないとそのスペックの半分以上はもてあますことになるはずである.技術飽和している電子楽器業界において,これからの時代はメーカーが打ち出した新技術をただ使うだけではなくユーザ視点で新しい技術や使い方が生まれていくことになるだろう.そういう意味でも,使う側が技術に強くなる必要性は必然になっていくに違いない.4回にわけて紹介させていただきました『DSPや音声認識の知識は音楽に活かされるのか?』はいかがでしたでしょうか?雑誌を読んだだけなのになぜこういう解説になるのかと自分でも疑問に思うわけですけれども誰かの何かを考えるきっかけになってくれたら幸いです.時にグラフィク等の知識を得たり,また時には電気の知識からPAへと返還していったりと常に忙しい私ですがやみくもに追っているわけではありません.乏しい頭をフル活用して音楽を起点に視野を広げているのです.極論,自然界にある以上は全てつながっているのかもしれませんね.p.s.最近『なんで,そう何でも難しい説明になるのか?』とキビシイご指摘いただきました.一応,反省はしていて"この手の書き方"が肌に合わない方がMajorityであることを理解しているつもりです.それでも,簡単に伝えるだけなら評論家やアーティスト,そしてメーカーや販売店の営業さんでもできますので,あくまで"意外とあるようで無いと感じる技術観点"からのアプローチを砕いて記載しています事をご理解いただければと思います.不定期更新でやっているので休載的処置等はないと思いますが今後の課題として次回をどうするか考える材料にさせていただきます.今後とも引き続き鍵盤天国をよろしくお願いいたします.
December 26, 2014
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前回に引き続いて今回は下記読書中の本より音声認識の技術について紹介します.・C++活用DSPプログラミング・ワンチップIC/モジュールで試す音声認識&合成(from Interface)・ハードとソフトをつなぐドライバ&ミドルウェア(from Interface)【楽天ブックスならいつでも送料無料】イラストで学ぶ 音声認識 [ 荒木雅弘 ]・音声認識について音声認識は複雑なアナログ音声波形をディジタルサンプリングし,高速フーリエ変換や畳み込み(フィルタ)等の技術を複雑に用いて収集した要素からプログラムのユースケースに必要な情報を読み取ってコントロールに用いるというのが一連のシステムになる.これにはディジタルで音を扱う場合に重要なファクターが詰まっているのがわかるだろうか?波形編集ソフトを扱って波形を見ることができる人がごく一部の人間に限られている中で波形成分から"ここからここまでが『あ』の成分"と自動認識していると考えればその技術が相当すごいテクノロジーであることに気が付くだろう.リアルタイム音声認識と言うことはハードウェアではDSP等で音声を取り込んでその音声波形から例えば言葉に関連する音波形を保管していく作業から始まる.人間が『て・ん・き』と発音した場合,口の形を見なくてもそれがイントネーションなどから"天気"を指示していると認識すれば「今日は晴れだね」とか返答ができるわけであるが,それはまず,子音と母音である"TE","N","KI"という言葉の発音を知っていること,"天気"という単語を知っていること,また前後の会話や表情などから相手が天気を知りたがっているという情報を得たいと思っている可能性がある事等を経験記憶等を元に瞬時に分析して返答ができるからである.しかし,機械的にそれを処理するうえでは非常に難しいことが生じる.例えば単純なcase文(ケース1,ケース2...ケースnより合致する解を得る方法)やIF構文(もし~ならば...)で考えてみるとその難しさがわかる.まず,50音全ての文字を配列等にして保管してき,その中の何の文字に該当しているのかを照らし合わせると仮定しよう.仮に"TE","N","KI"と運よく全てを認識できたとしてそれが天気なのか転機なのか転記なのか全然分からないわけである.機器が使える機能に絞って天気予報の情報を出せれば運良ければ正解と言うことになる.これでは精度が悪い.また,この例えでは文字認識を単純なIF文等でループして"a"⇒×,"i"⇒×とやったように記載しているが良く考えてほしい,キーボードから打ち込んだなら間違いなくコンピュタは"TE"を"て"と認識して取りこぼしなく保管データから照合できるわけだが,それが音声となればもっと複雑である."TE"を構成する波形は人によっても周波数もちがければ倍音成分も全く異なる.もっと言えば同じ人が"て"を発音しても録音毎に波形レベルでは全く異なる波形になるのだ.単純にこの波形と同じ波形と言った判断はできないわけである.そこで必要になるものの一つに周波数特性等があげられる.縦軸=電圧(振幅),横軸=時間から周波数成分を抜き出すためにはフーリエ変換等を経て数値化されたデータにする方法がある."TE"という発音に含まれる特徴的な周波数や倍音成分,波形の成り立ち等ありとあらゆる情報から判断基準をさまざまな角度から行うことで"e","ke","se"、、、ではなく"te"の成分を最も多く持っていると判断して初めて認識できることになる.上記文の項目だけでは言葉を認識するに足りない情報かもしれないが,ニュアンス的にはこれらをICでリアルタイムに演算処理してはじき出しているのが音声認識のシステムと言うことになるのだ.この難しさは伝わっただろうか?では,これらの知識が電子楽器等にどんな有益があるかを述べてみる.脱プリセット! 実用的なシンセの音作り方法、教えます!【千円以上の全品対象5%OFFクーポン・12/28終了】リットーミュージック クリエイターが教えるシンセサイザー・テクニック99【書籍】まず,いったん声(Voice)から音(Sound)として切り替えて考えてみよう.近年,発売されるシンセサイザーのほとんどはPCM音源系のシンセサイザーになるわけだが,その波形はサンプリングされているものである.ユーザが自由に任意の波形を取り込むことができればサンプラーやサンプリング音源と呼ばれるようになるわけで基本的構造は同じである.サンプリングされた音はデータ容量の制約もあり無限な長さを収録することはできない.例え,自分でサンプリングした音色であっても発音に使える長さに制限があること想う.だが,演奏に使う場合は例えばオルガンの音を発音させる場合,トップでEの音をずっと伸ばしながらソロフレーズを弾いたりすることがあると思う.収録されている音が3秒くらいしかなかったらそのEの持続音はどうやって発音を維持しているのかわかるだろうか?一言で言ってしまえばループしているのだ.生楽器における持続音は発音機構が許す限りの長さを維持できる.ピアノのように音量が減衰する楽器の場合は弦が揺らいで聴感上聞こえるまでが発音可能時間になり,打鍵の強さや湿度などによっても持続時間は変化することになるわけだが電子楽器における波形が同じ構成を強いられた場合は収録されている時間が絶対時間になってしまうことになる.ピアノの音が完全に消えるまで1音ずつ収録できるほどの大容量なメモリを背負っていれば可能かもしれないが,非常に効率が悪いし,アナログのシンセサイザーのように減衰しない音を作ることができる楽器を収録する場合はいったい何時間収録すればよいのか?という話になってしまう.それを打開するために使用する技術が波形ループなのである.生の楽器には音を発音するときに発する特定の周波数や倍音成分にある程度の規則性がある.音量などは物理的な減衰と密接な関係があるのと同じように,音色を構成する周波数成分にもある程度規則があるのだ.もちろん,絶対に同じ音を出すことができない自然物理の上で成り立つ楽器はディジタルのような固定成分ではないわけだが,規則的な要素をうまくループさせることで,"生に近い音"を任意の時間分だけ持続させることができるようになるのである.なので,シンセサイザーでは生楽器では絶対にありえないような物理を完全無視した音色をも作ることが可能である.例えばピアノのサンプル音でエンベロープジェネレータの構成をオルガンのような形(アタック・リリースがほぼゼロ,ディケイ・サスティーンが最大)に設定すると弾いている間,一切音圧が変化しないピアノの音を発音させることができる事と思う.ピアノの音としてとらえられる人間の脳には違和感しかないわけだが,このような音色作成の自由度を生むことができる裏側にあるのが波形に含まれる特性より特徴的な周波数成分のループを抜き出している波形ループ技術があるおかげである.ありがたみが分かりにくい例えなので自然にある音を考えるとオルガンの音を5秒しかサンプリングしなくてもある規則的な成分をループさせることで持続音を再現できれば奏者が演奏に使いたいだけ長く伸ばす音を最小のサンプル量で賄えることになる.データ量を減らしながらも,演奏に支障をきたさない技術力が,現在のPCM音源をリアルサウンドへと近づけているわけなのである.大変話がそれてしまったが,ここで重要なのはその波形から特徴的な周波数成分をループさせることができる技術力と言うことになる.音声認識で母音の波形と子音の波形を分けたりできるということは波形を見れば,発音ごとの波形成分を抜き出せるということになる.それを逆手に利用すれば波形から特徴的にループできる成分を抜き出してループポイントが生成できるようになれば,オリジナルのサンプリング音源を自由に扱うことができるということになるわけである.メーカー渾身のPCM音源で十分と言う人にはいらない知識かもしれないが,V-SYNTHシリーズやVariOS等,オリジナルサンプリングにより自由度が増す楽器においては,得たい音がサンプリング波形の要素のどの部分にあるのか,またループポイントをどう作ると違和感なく聞こえるのか等あって損はない知識と言うことになる.もちろん,玄人向けな話になるので割愛するがPCM音源のエディットでもループポイントを知っていることで解決できることもある.また,波形編集においてはループポイント作成だけではなく波形の切り貼り一つとっても振幅のどの位置で切り出すと音声的に不都合が低いのか等を考えるうえで波形を見る,解析するという知識は必要になる.オートメーションでプログラムが認識するという技術的な部分は置いておいても,波形認識の技術はサンプリングの分野をはじめ多くのDAWシーンで有効な知識が詰まっているということがわかるだろう.ここからは私の推測だが,将来この音声認識技術が発展すればユーザが任意に収録したサンプリング音から,この音声認識技術を応用したテクノロジーが自動ループポイント生成をして知識がない人でもオリジナルサンプリング音源を手に入れられるシンセサイザー,いわば未来型サンプリング音源が確立する時代が来るのではと想像している.既に現段階で人の声から正確な認識という分野ではメールの文章も声のみで入力可能になっているし鼻歌からの音程分析もできる技術があるわけだが,より精度の高い音声認識技術が確立すれば(既に確立している現状のサーチ方法を高速処理エンジンで動作するだけになるかもしれないが)日常生活でも非常に身近なところで役に立つことだろう.次回は最終号音声合成とまとめを記述します.
December 23, 2014
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前回さらっと紹介しましたが,今回はDSPについて詳しく紹介したいと思います.・C++活用DSPプログラミング・ワンチップIC/モジュールで試す音声認識&合成(from Interface)・ハードとソフトをつなぐドライバ&ミドルウェア(from Interface)ディジタル信号処理シリーズC/C++によるディジタル信号処理入門 Code Composer Studioを使ったDSPプログラミング/三上直樹【後払いOK】【2500円以上送料無料】・DSPについて楽器のパンフレット等でも度々現れる文字だということくらいしかミュージシャンにとっては重要じゃないのかもしれないが,電子機器・電子楽器においてはこのDSPがなければディジタル音声処理をリアルタイムに行うことはできない.もちろん,ディジタル信号処理を高速で行う機器であれば今やDSPが処理している機器は多種多様にあるわけで,決して楽器だけの特殊なハードウェアではない.近年のモバイル端末をはじめTVやAV機器,カーナビ,etc...,から白物家電に至るまで様々な分野で使用されている.では,電子楽器のどの部分で何をしているのかを具体的に見てみよう.ディジタルミキサーを例に考えてみるとその重要度が明確になると思う.ディジタルミキサはXLR端子等で接続されるまではアナログの音声だが劣化を最小限に抑えるために入力したらほとんどの機種が即ディジタルにリアルタイムサンプリング変換されている.サンプリング自体を1chipのDSPが行う場合も往々にしてあるし,同じく音声出力部分も同chipのDSPがD/A(ディジタル⇒アナログ)変換していることもある.そしてミキサーで音圧の調整はもちろん,リバーブやディレイ,その他のエフェクトが使えるのもこのDSPが処理をしている結果なのだ.DSPがなければ既にディジタルミキサー自体の存続が怪しくなるのがわかるだろう.DAWにおけるI/F(インターフェース)の複雑な信号処理部分でもDSPの恩恵を受けてPC側の負荷を下げていることが多々ある.基本的にはディジタルミキサで行われている処理とほとんど同等である.Steinberg社のUR28MやUR44等でおなじみの,アンプシミュレータもこのDSPが実現させているエフェクト処理である.本来DAWではPC内部で処理を行い全ての結果を出力ポートへ送るわけだが,その一部のプラグインエフェクト処理をDSPが行えば,その分の処理負担が減るという考えなわけである.そんなマルチに使われているDSPだが,このDSP自体はFPGAのようにプログラマブルに回路構成を変更できない(自社製で仕様含め専用ハードに合わせて設計している場合はある)ただし,基本的なハーバードアーキティクチャの元で設計されたDSPチップをコントロールする命令は任意に作成されたプログラムによって行われるわけだ.ん?難しい?いや,近代の教育における情報処理学には必ず含まれる内容なはずだ.パソコンの内部構造を漫画形式で簡単に説明している書物もたくさんあるので是非一読しておくとよいだろうと言うことでここでは割愛するが,要するにハード制約こそあるもののソフトウェア開発は自由に行えるということである.旧来は実行スピードの性能が低かった故,リアルタイム処理を行うために命令スピードを極限まで縮めるべくプログラムの実行効率が高いアセンブリ言語がつかわれてきた.アセンブリ言語は機械語(0と1だけの命令※表記によっては16進数を用いる)に近い構文であり故に,高度なプログラミング能力が必要とされてきたわけだが,技術が飛躍的に向上した現在においては処理速度が相当早くなったため,組み込みでも用いられるC言語やC++言語等の高級言語が多様されるようになってきており,私のような凡人でも内容を理解し複雑な命令もコントロールすることができるようになったのである.自分で電子楽器やインターフェースを一から作るつもりはないがDSP機器を用いる以上はプログラムや電気電子的な観点での考察ができることで,より効率的にかつ理論的に扱ってあげることができる.例えがわかりにくくて申し訳ないが,いわばプロのカーレースドライバーが車の限界を知ることで速く走るための引きだしが多くなるそれに似ている感覚だと私は考える.【楽天ブックスならいつでも送料無料】頭文字D(21) [ しげの秀一 ]・デバイスドライバについてこちらは完全に技術サイドの話になるため,音楽的要素はないかもしれない.冒頭の簡単な説明で述べた通り,現状のコンピュータ・アーキテクチャにおいてオペレーティングシステム(OS)とあなたがコントロールする媒体(マウス,キーボードをはじめプリンタ等の周辺機器全て)をつなぐ橋渡しをしているのがドライバと呼ばれるソフトなのである.ソフトと記述しているがハードに最も近い層のプログラムであるため,一般の人が思い浮かべるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の優れたアプリケーションとは異なる.ちなみに,最近ではOSに標準ドライバと呼ばれるドライバがインストールされている.この標準ドライバ互換設計されているハードウェア機器は特別なインストールを経ることなくPCで使用できてしまうため,最近のユーザにはなじみが薄いかもしれないがAndoroid端末などでもドライバプログラムを返してハードウェアコントロールを実現している等,身近なところでも使われている.コンピュータはOSにおけるGUIの発展により,人間に近い視点,いわばユーザが目で見てコントロールできる仕様へと変化してきた.だが,基本的構成は実は変わっていない.一般ユーザでも扱えるように変化してきたPC市場は,あくまでユーザと内部演算装置を近づけるべく制御しているソフト側の進化があったお陰なのである.ドライバもその要素の一つであり,基本的にユーザとPCではなくハードウェアとPCをつなぐ役割を持っているということである.ドライバと言うのはコンピュータを構成するシステムの中でもCPUやメモリ等の中核システムと同等のカーネル層に位置するため,ユーザプロセスよりはるかに高い権限を持っている.故に,ハードウェアとソフトウェアについて開発レベルの詳細な情報を知らなければ設計はできないし,仮に間違った設定で動作させた場合,マシンやハードウェアを破壊してしまう可能性も孕んでいる.一般ユーザが知るべきはその設計要素ではなくドライバが自分の環境においてどのような作用をもたらしているのかを知っている程度で十分だろう.ハードウェアによっては,このドライバが影響してエラーを起こしてしまったり通信不良に陥ったりすることが数多くある.開発段階で仕様を明確にした上で自社開発で管理していればそのような不都合も少なくなるわけだが,業務効率化の一環などでプログラムを外注することは往々にしてあり市場にある製品でもドライバによる動作不良は意外と多い.自分の環境で何らかの動作不良を起こしていたら,ドライバの再インストールやOSのリフレッシュ等も考慮して解決することができるかもしれないことを念頭に入れておくと,もしものトラブルに備えることができるだろう.ちなみに,ハードウェアを自分で設計する場合でUSB等のインターフェース化するときは必然的にこのドライバを自分で作る必要がある.とは言え,普通は開発キットを使うだろうし問題ないのだろう.【楽天ブックスならいつでも送料無料】Raspberry Piで学ぶARMデバイスドライバープログラミング [ 米田聡 ]4回にわけて記述するため表題と前後してしまいました.次回は音声認識について紹介します.次項へ続く.
December 23, 2014
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最近,借り物ですが以下の本を隙間時間に眺めています.・C++活用DSPプログラミング・ワンチップIC/モジュールで試す音声認識&合成(from Interface)・ハードとソフトをつなぐドライバ&ミドルウェア(from Interface)珍しく今回は完全に趣味なんですが,大学時代にC++を勉強しておきながら社会人になってからはずっと電気・電子系になってしまったので活用する機会もなくなっているのでリハビリを兼ねての読書です.正直,眠くなるほどチンプンカンプンだったりするんですけど(苦笑)ハードウェアの楽器を扱う以上はそれらの技術的部分を知っていて損はないということで全て実は音楽に関連しているのだということに気が付いた人は…ま,いないですよね.それが普通ですよ.はい。。。私だって,MIDIハードウェアを作っていた卒研の年にこういう技術的な知識を持っていたらもっとすごいもの作っていたかも(笑)ただ,研究課題が膨大になりすぎて卒業できなかったでしょうね…と言うことで,今回はガラにもなくアカデミックな(?)話ですけどDSPや音声認識またドライバが電子楽器とどう関係しているのかを要約紹介しつつ,個人的に今後の発展性について考察した内容を記述してみます.※後半は,あくまで私の主観が多く含まれていることを予めご了承願います.一旦,すごく端的に簡単に説明しちゃいますね.『C++活用DSPプログラミング』と電子楽器の関係DSP(Digital Signal Processer)は電子楽器やインターフェースにおける音声信号処理にも使われているマイクロプロセッサ.電子楽器やDAW用のインターフェースをはじめとするディジタルサウンド分野においてはリアルタイム音声処理で切り離すことのできない重要なファクターである.『ワンチップIC/モジュールで試す音声認識&合成』とデジタル音声技術の関係ミュージックシンセサイザーは波形合成楽器.PCM(パルスコードモジュレーション)音源を例で言えば波形は全てディジタル化されて収録されており,その波形を鍵盤が押された状態(どのくらいの強さで,どのくらいの長さ,どのような条件で押された等)からどう発音するかを決めて発音に至っている.故に,ディジタル波形の振る舞いや扱いを知っておくことは音作りをする上で非常に重要.もちろん,初音ミクをはじめとするVOCALOID技術も音声合成技術の集大成であることは皆さんご存じの通りである.『ハードとソフトをつなぐドライバ&ミドルウェア』と電子楽器の関係皆が使っているUSB機器をはじめとするハードウェアは全てドライバというソフトを返してOS(オペレーティングシステム)やOS上で動作するアプリケーションとやり取りができる.ドライバを制することはハードウェアとソフトウェアの内部構造全てをモーラするということとほとんど同じともいえるほど重要.と,まぁこんなところでしょうかね.脈絡を強引に作ったと言われればそれまでなんですけど,結局全部ディジタルシンセサイザー等に盛り込まれている技術なわけですよ.T'sLABはそのうち電子楽器も作ってしまうのかと言われてしまいそうですけど,色々な技術知識を蓄積しておけば現場で発生したトラブルなどにも耐えられるユースケースがより高度に組み立てられるという特権があるし,事前にあらゆる角度で危険予知訓練もできるわけであり電子楽器と付き合う上では必要不可欠なんですね.もちろん,楽曲制作や音色制作における過程でも技術的なことを知っているということは非常に強みになります.言わばギターを打ち込みで再現するためには,ギターが弾ける人のが奏法等に気を付けた不自然ではない打ち込みができる分,有利というのと同じではないかと思います.何を意味し今のパラメータをいじっているのか,どうすると自分の想像する音に近づけることができるのか?DAWは全てディジタル処理なわけですから当然技術を知っているということはそれだけ解への近道になる,効率よく短時間に目標達成できるということになるわけですね.ま,そんなこと考えているくらいなら演奏技術を磨けと言われてしまいそうですけど…今の時代,現場成り上がり的な経験則だけでその場をくりぬける危ない橋渡りはナンセンスですので技術観点での考察による電子楽器との向き合いがこれからの時代は重要なのではと思います.電気工事士の資格を取った目的の一つもPA現場における電気管理の理論裏付けを確かなものにしておきたかったからでもあるんです.結局,私個人としては音楽が起点な部分が全て同じと言う意味でつながっています.【楽天ブックスならいつでも送料無料】詳解第二種電気工事士筆記試験過去問題集(’15年版) [ コンデックス情報研究所 ]と,言うことでここまでは序章です.次項以降で,自分なりにこれらの知識と楽器との関係や将来的な発展をについて考察した内容を書いてみたいと思います.一応,注意しておきますけどこれからシンセサイザーを勉強しようと思っている人は読まないのがいいかもしれません.「え?こんなことまで考えなきゃいけないの?」と思ったら目の前のシンセがいきなりブラックボックスに見えちゃうでしょうから.まずは使って楽しむことを覚えて,それでもその先に何かを見出したい中級者以上の方を歓迎します.次項へ続く
December 23, 2014
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おそらくですが今年最後の演奏活動が全て終了しました.長年相棒を務めてくれたYAMAHA S90ESですが,鍵盤不調のまま数年を過ごしてしまったため本日をもって入院することになります.修理に至ったのは個人的な音色つくりスタンスの都合で,私にとっては代替え機種がないため来年以降も使い続けたいという理由からです.電子機器と言えど,鍵盤楽器はメカニカル要素が多く非常にメンテナンスが重要です.しかし残念ながら同種の鍵盤が存続する間は維持できるわけですが,後どのくらいまで延命できるかはメーカー次第と言うところもあり定かではありません.一時期はNordStage2も本気で検討したのですがバンドやレコーディングでは使い勝手が良くてもT'sLABの活動では逆に使いにくい機種であるという結論に達してしまい断念.NORDNord Stage2 HA76特価品入荷!!1台限定!!専用ソフトケースサービス!!【送料無料】[G-CLUB IKEBUKURO]電子楽器における機器の保守部品保証期間はメーカーにもよりますが約7~10年程度であり,S90ESは最終生産からもうそろそろ10年を迎えてしまいます.後継機種のS90XS(S70XS)はできることが多すぎるが故にPCありきの音色制作スタイルを基本としており即席も求められてしまうセッションやバンドには向きません.YAMAHA S90XS 【RCP】CPシリーズも真剣に悩みましたがとにかく多種多様な音色を使うT'sでは役不足.【送料無料】YAMAHA CP4 STAGE ステージピアノ 【送料無料】【あす楽_土曜営業】【あす楽_日曜営業】【RCP】また,私にとってはステレオオーディオ入力ポートがミキサーを取っ払ったステージセッティングに欠かせないためS90ES以外だと同社であればMOTIFシリーズになってしまいます.今度は重さがネックで運べません.61鍵FSX鍵盤の 音源、音質、拡張性のいずれも従来の「XS」を遥かに凌駕した新生MOTIF登場。YAMAHA ( ヤマハ ) MOTIF XF8 WHITE(ホワイト)【MOTIF XF8 WH】 ◆ヤマハ フラグシップ シンセサイザー MOTIF XF ▽ シンセサイザー ワークステーション モチーフ昔に戻ってピアノ鍵盤をあきらめるという路線も一時は考えましたが,自分の弱点克服のために選択した演奏スタイルでありT'sとしてもピアノ鍵担当Noriというスタイルは維持したいので却下(今後はTomもピアノ鍵盤かもしれませんけど)そのピアノ鍵盤のタッチ感と筐体重量の総体バランスからY社以外のメーカーは自分には合わないため結局選択幅が狭くなり無限ループに…結果,S90ESは個人的には非常にバランスのとれた楽器であり変更が利かないという結論に達したと言うわけなんです.S90ESが誰にとっても素晴らしい楽器だとは言いません.低音から高音まで均一なタッチレスポンスのバランスドハンマーは純粋なピアニストからすれば違和感でしかないでしょうし,シーケンスやサンプリング機能等を取っ払ったインターフェースは,どんなに流行り廃りに左右されない素晴らしいピアノサンプルを持っている機種であろうともコアなシンセ屋からはもう一歩の存在なのかもしれません.サンプルに関しても,最新の音からすれば古いと感じるものも多かれ少なかれあるでしょうし,ベロシティスイッチで切り替わるサンプルの量も断然少なく荒いです.私はそれらをスポイルして使い倒しているつもりです.ライブハウスやレコーディングでも良し悪しを把握すべく色々試しましたし,収録されているサンプルは嫌と言うほど聞きました.エフェクトのパラメータ一つとっても必要に応じて細かくいじり倒しました.レイヤーの限界も発音数の限界も感じながらも解決するべく自己流裏技も蓄積されています.音楽がコミュニケーションの1つである私にとってS90ESは相棒というよりも,息であり声帯であり,喉であり口なんです.そういう意味でも生楽器のような染み込んだ愛着で音を育て変化させることはありませんが電子楽器だからと言って簡単には手放せないです.昔はシンセサイザーと言えば1台の金額も高かったですし,できる事が限られていましたから買ったら「使い倒す」が基本でしたけど最近の方は恵まれている分だけ盲目になりがちなのか,ごく一部分しか使わないで満足されてしまうことが多い気がします.非常にもったいないことです.私は今の人にminiMoogを触らせたら大半の人がまるで無料アプリのように直ぐに飽きてしまうんじゃないかと言う恐怖があります.ま,これは私の偏見かもしれませんね…今なら特製USBメモリー&MOOG Tシャツプレゼント!【☆☆☆1台限定特価!】【MOOG EP2expペダルプレゼント!】MOOG モーグ Minimoog Voyager Performer Edition V3GREYPITCH MOD WHEEL 【送料無料】【smtb-u】 【渋谷店】でも,技術者は無駄に時間を消費して機能を追加しているわけじゃないですし,企画もマニュアル作成も大変な思いをして一つ一つの機能に対する検討や配慮をしていることでしょう.お手持ちの電子楽器の取扱説明書を取り出してみてください.無駄に分厚いわけじゃないはずなんです.あなたが一度も使っていないだろう機能の説明がこれでもかと言うほど丁寧に載っているんです.今一度初心に帰ったつもりで一つ一つの機能を使ってみてください.きっと今まで想像もしなかった何かが見つかるはずです.元技術者(←最近,ほとんど辞めてるので)のボヤキでした。
December 21, 2014
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