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かねてからの計画通り、禁酒三日目ののち訪れた週末は解禁日として夕食時にビールを飲んだ。3日ぶりのビールは全身に染み渡ってすぐに視界や脳がクリアになった。やっぱり炭酸飲料にはない特別な旨みがビールにはある。金・土・日と、自分なりには控えめな量にとどめながらも解禁した後、月曜は祝日だったもののこの日から禁酒を再開することにした。落ち着かないとかいらいらするとかそういうのはなかったが、やっぱり夕飯にビールがないのは寂しい。晩餐にワインがないのと同じぐらい物足りない。というほどヨーロピアンでもないけれども、食前酒は人のふるまいとして理にかなっていることを感覚でとらえたような気にもなった。再検査用の詳細な通知がとどいた。当初「Eランク」とおどしをかけられていた深刻度についてその程度がにわかに明らかになった。「良好」を示すAから最悪のFまであった。Eが最下位でなくて安心してなおかつ、ちょっとわかりにくいのだけれども、Eの下にDがあった。ここだけアルファベットの並びと前後が入れ替わっていて、Eが「要再検査」だとするとDが「要治療」だった。再検査組により深刻そうな「E」の烙印を押すことで、楽観視させまいとしている。それにまんまとひっかかってこうして禁酒する羽目になっている人が少なくともここに一人いる。普段は血液型占いなんか信じないのに「E」の烙印には結構なショックを受けた。このようなことから、このEとD入れ替え作戦は相当な効果を挙げているのではないかと推測される。ともあれ再検査は今週の金曜22日。それが終わったらじゃぶじゃぶ飲もうと思っているが、それほど待ち遠しくはない。これを機に、経済面と健康面両方の観点から、平日は飲まないようにする意気込みもないことはないと、心の片隅で思っている。思っているだけ。
2006.09.19
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吐き気に襲われることもないし立ち上がりざま眩暈が起こってふらつくこともない。こうして向えた禁酒三日目の朝は昨日よりも軽快だ。ただし夜中に何度も目が覚めるのは相変わらずで眠りそのものがもともと浅いからできればもう少し眠くなくなるまで寝ていたいとは思うが、奴隷の身分ではそうも言っていられない。 働き出しても終始快調だった昨日とは違って今日は、朝の眠り足りない感覚を一日じゅう引きずっていた。 今週の月曜から職場が変わった。繁華街に程近い八重洲から、新興ビル群の建設が進む臨海地区に事業所ごと引っ越した。最寄り駅でいうと「品川シーサイド」という洒落た名前がついていて、オフィスビルも周辺施設も真新しくデザイナーズチックだ。しかし名前と外観だけで中味はほとんど何もない。サラリーマンのための居酒屋とOLのためのパスタ屋と、あとはコンビニと歯医者だけあればいいだろう的な、薄っぺらい都市計画に基づいて設計されたような「シーサイドフォレスト」の約中央には、複合娯楽施設「ジャスコ」が寒々と君臨している。当然、ジャスコ食品売り場のフードコートには、サラリーマンやOLらが大挙して群がる。全てがお仕着せで安っぽくて白々しくて、もの悲しくて腹立たしい。コンクリに無理やり植えつけられた樫の木は弱々しく揺れて邪魔なだけで、どこをどう見たらフォレストなのかさっぱりわからない。 そんな僻地というか刑務所のようなところに隔離されている上に、真新しいオフィスビルのペンキが発する化学物質によってアレルギーが出そうになってただでさえイライラして疲れている。一日中眠いのがこのお寒い「品川シーサイドフォレスト」のせいなのか禁酒のせいなのかはまだ自分では判断がつかない。とにかく一日中ボーっとしていて夢の中にいるようだった。 仕事が終わった後の楽しみはビールではなくコーラを買うことだ。いつからコーラを飲まなくなったのだろう。たぶんビールを飲むようになってからだ。家に帰ってまっさきに飲む飲み物は、とりあえず炭酸が入っていて喉越しがさわやかであればコーラでもいいらしいということに気付いた。最近はいろんな種類のコーラが出ているから、自分に合った銘柄を選ぶのも楽しみの一つ。もちろん炭酸であればいいという点では、カナダドライでもファンタでもいいに違いない。楽しみはつきない。 郵便で診断書が送られてきていた。確かに肝臓の悪性物質を示す数値は平均より高かった。高かったが、なんのことはない前回や前々回の検査の数値とさほど変わらない結果ではあった。そういえば同じような調子で再検査を促す通達が再三にわたって来ていたような気がする。それをことごとく無視して生活を改めなくても、高レベルの数値が並行してゆくだけならなにも深刻に考えなくてもよかったのだ。 しかしきっかけはきっかけとして一度禁酒を始めた以上、再検査の数値レベル減少を目的としてそこまでがんばってみるのも一つの挑戦である。しかも思ったほど苦痛ではないから、あわよくば毎日飲まなくてもいい身体に変われるかもしれないし。 若い頃は漠然とした不安や弱さや寂しさを抱えていて、それを紛らわす技術も経験も知識もなくて、酒に頼ることで自分が強くなったような気持ちになれることもあって、不安を抱えるたびに飲みすぎてそれが習慣化していった、と仮定してみると、今は若い頃ほどの不安も不満もなくなってきているのか、あるいはそういった負の感情を受け入れられるようになってきたのかどうなのかとにかく、精神的依存面はすでにクリアされていると思われる。あとはこの「ものすごく眠い」という症状が、肉体的依存によるものなのかどうなのか、見極められるものなのかどうなのか。ちょう眠くなってきた。
2006.09.14
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5,6年前に1度だけ禁酒したときは2日目に熱が出て寝付かれず、そのうち幻覚も見出して相当だったから、今回もよほどの覚悟を持って禁酒に挑んだのだが、どういうわけか落ち着いていられる。ビールの代わりにと思ってコーラや炭酸水をごっそり買ってきてはみたものの、そんなものに頼る必要もなさそうで、コーラを1本飲んだらわりとシャキっとして、もう水分は欲しくなくなった。禁酒1日目が明けた今日の朝から昼はすこぶる体調がよかった。ただやっぱり昨晩の眠りが浅かったためか仕事が退屈だったためなのかはっきりと区別はつかないが、3時から4時の間はものすごく眠かった。居眠りしたいときにうっかり居眠りしてしまうほど体調が悪くないせいで、眠い状態が延々と続いてしまったようだった。1時間を棒に振るうより、15分居眠りしたほうが効率はいいに決まっているから、居眠りできないほど体力がある状態というのも考え物かもしれない。再検査までずっと禁酒しようと思うわけではなく、週末には3本ぐらい飲もうと決めている。そのこともあって今は飲まずに我慢していられるのかもしれない。週末になってみて、あるいは3本も飲めないかもしれない。そのときはそのときで飲みたくなくなったら止めればいい。酒を飲むこと自体が楽しいから飲んでいたわけだけれども、酒を飲まないなら飲まないなりに、家の中でもなんとなくやることはたくさんあって、体力があまりがちになっているのをいいことに、他の楽しみのために時間を使ってみる。すると酒を飲んで同じ作業をしていたころよりも効率よくできてより高い充実感を得られるということに気づく。そんなことは実践してみなくてもちょっと考えればわかることなのだけれども、今まではどちらかというと、「酒を飲んでも効率が落ちないようにトレーニングしているのだよ」というようなわけのわからない理屈を自分に与えて、でたらめなことを赦していた。酒を飲んだら手元が狂うし、深く物事を考えられないということはわかっていたのだけれども、こうして改めて確認してみることで、自分にとって禁酒がいい方向に働いているのだという自己暗示もかねてみたりして、なんとなく全体的に前向きな感じになっているところが我ながら小憎らしい。とにかく二日目が終わろうとしている。三日目も大丈夫そうな予感がする。
2006.09.13
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今日常駐先に会社から電話がかかってきた。先日の健康診断で芳しくない結果が出たから再検査のために出頭せよ、とのことだった。どれぐらい芳しくないのかと聞いたら相手は「Eランク、たぶん肝臓。」と答えた。詳しいことは文書で正式に送付するから、さしあたって再検査のために仕事の都合をつけろ、というだけで、Eランクの危険度がどれぐらいなのかとか、もっと下のランクがあるのかとか、最も重要な質問には一切答えてはくれず、不安を植えつけただけで電話は終わってしまった。おそらく肝臓が悪いだろうという予感はあったものの、痛みをともなうような実感はまるで無かったから、あまり気にせずにいた。というよりも肝臓を労わるために何か努力することを無意識的に放棄していた。ほとんど毎日痛飲することと、肝臓をいたわろうとすることを両立できるわけがない。調べてみると肝臓疾患の症状はいろいろあるらしく、自分自身に当てはまる項目はざっと以下の通りだった。・午後や夜は勿論、午前中から既に疲れている。 ・日中は常に頭が重くどんよりした気持ちでいっこうに気分がはれない・執拗な眠気・夜、熟睡が十分にできない・食欲は人一倍あるが食後2~3時間経ってもミゾオチのところでもたれている・記憶力の減退・イライラする、怒りやすい午前中から疲れていたり、頭が晴れなかったり、眠気に襲われるのは前の晩に飲みすぎることも影響していると思うし、熟睡が十分にできないから泥酔しようとするのだし、肝臓が悪いからなのか飲みすぎなのか今ひとつ原因は特定できないが、多分その両方が重なってきりもみ状に病状が悪化してゆくのだろう。ちなみにもっとひどくなると、・体全体の皮膚の黄色味、首筋から前の胸の赤味や耳の後ろの赤味・便通が悪く、屁が多く、臭気が強いこんなような症状も出るらしいが、幸いそこまではいっていない。同じビルにいる50がらみの建設会社役員のような小男らとエレベーターで一緒になったとき、彼らの耳の裏が確かに真っ赤なことに気づく。まだ赤耳にはなっていない。便の出もすこぶるよい。飲みすぎたりタイ料理を食った翌日に下痢するぐらいだけれども、それは一般の人でもよくそうなるときく。再検査を受けに行ったところで、酒を控えろとか酒をやめろとか言われて終わるだけに違いないのはわかりきっていて、2年前にも、再検査を受けろと書かれていたにもかかわらずすっぽかしたことがある。以来アタマのどこかに肝臓が蝕まれているという事実だけは記憶されたものの、その記憶はほとんど取り出されることはなかった。10年来、毎晩缶ビールを5~6本空けている。酔うために必要な酒量が、缶ビール5~6本だった。一日の緊張を解きほぐすために。楽しみのために。退廃的な精神のために。襲いかかる不安や恐怖を忘れるために。毎晩毎晩酔う必要があった。誰かが飲酒を「長期的自殺行為」といっていたことを思い出したが余計なお世話だ。生きのびるために飲んでいる。これから一生酒を飲まずに過ごすことは不可能とは思っているが、とりあえず再検査までの10日間、少し酒を控えてみようかと思いたった。辛いものも好きだし、確かに肝臓は常にフル回転しているに違いない。休ませてリセットさせたら、復活したときおいしい酒を飲めるかもしれないし、これで再検査の結果がなんでもなければまた元の酒量に戻るだろう。そうして禁酒1日目の夜である。まだ禁断症状は出ていない。いつもより眠たいだけある。このまますんなり寝付けたらいいと思うけれども、そうはいかないに違いない。
2006.09.12
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最近仕事で癪に障るようなことがあり、仕事から離れた時間は、現実からうんと遠いところへ行きたくなっていて、つまり世捨て人のようにどこかに逃避したくて、でも日々の生活のためには朝になると仕事には向かわなくてはならなくて、そういう精神と現実とが矛盾したままの状態だったので、うまく立ち回れませんでした。具体的には、書いた文章を書いた端から修正されて、それが下手に修正されていて、勝手に修正されるのも癪だったし、下手なのも癪だったし、そのことを言ったものかどうか迷ってる自分自身も癪だったり、人との関係性が大事なのか、文章の完成度が大事なのか、答えは明白なのにうまく表現できないところとか、まあいろいろ悩んだものですが。悩んだ挙句、結論として導き出したのは、過去のことは忘れよう、そして新しく生まれた癪に関しては、癪と思ったら即刻その旨を表現してしまおう、ということでした。溜め込んでいても、対人関係を見せ掛けだけ友好に保てるということ以外、なにもよいことはありません。見せ掛けだけの関係より、いい仕事をして自分を表現したいという思いのほうが強いということに気づくまでにしばらくかかってしまいましたが、これからはきっと迷わないでしょう。それではくれぐれもおからだにはきをつけて。
2006.09.06
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苛苛する。煙草を吸うと咽喉が苛苛する。直ぐにでは無く30分置きに1本ずつ吸って3本目に苛苛する。咽喉を鳴らして痰を絡め摂ろうとする。ごろごろと嫌な音が口腔から漏れる。意思を伝えるための音や、感情を表すための音の、どちらでもない音が口から漏れる。テッシュに痰を勢いよく吐き出して、中を見ずに丸めて捨てる。苛苛するほどの痰は無くなる。然しまた痰は生まれて来るであろう。若しかしたら膿んでいるかも知れない。因って何時までも苛苛がとれて無くなると謂うことは無い。殆ど四六時中にもごろごろ謂う。我輩は、猫では無い。況してや、コロスケでも無い也。
2006.09.01
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