国守の最初の仕事は国内の各地の神社に参拝することであったようですから、大伴家持さんも、その習いで能登を巡行したのですかね。珠洲から伏木は船で楽々だったでしょうが、往路の珠洲までは陸行で、山越え、谷越えで大変だったことでしょうな。
そう思うと、「珠洲の海に朝開きして・・」の歌なんかは、漸くに長浜の浦に帰って来た、という家持さんの安堵の思いも交じっていると見るべきかも知れませんですね。
桜の次は椿ですか。楽しみに拝見させて戴きます。偐家持は河内に住まいすれば、そうタイムリーには、そちらの桜や椿を拝見する訳にも参りませぬから、越の人「ともしも（羨しも）」であります（笑）。
(2014.04.12 21:19:41)
偐万葉シリーズ第
204
弾は、ビッグジョン篇（その
22
）であります。偐万葉シリーズでのビッグジョン氏の万葉風のお名前は歩麻呂であります。
＜参考＞過去の偐万葉・ビッグジョン篇は コチラ
からどうぞ。
ビッグジョン氏のブログは コチラ
からどうぞ。
偐家持が歩麻呂に贈りて詠める歌20首
何となく 啄木の歌 思ひ出で コメントなどせむ 三日目の朝
（本歌）何となく 今年はよい事 あるごとし
元日の朝 晴れて風なし （石川啄木）
絵年賀は なつきたるらし さむらひの
かぶと模したり ししのかしらに （偐歩人）
（本歌）春過ぎて 夏来たるらし 白たへの
衣ほしたり 天の香具山 （持統天皇 万葉集巻1-28）
（年賀状） （JR福井駅）
よし母は きらきらしくも 息子らは
さにもあらぬか 継体然り （足羽石麻呂）
船岡の 歌碑なつかしみ 神さぶる
太郎坊山は 明日たのもうや （ヌカリノオホキミ）
（船岡山の万葉歌碑）
クレームを 隣の庭で ぼやく爺 ヤカモチ鳥の 鳴き来る知れば
夜を込めて 寝ぼけまなこに あるとても
五階の誤解 二回許さじ （迷走納言）
（本歌）夜をこめて 鳥のそら寝は はかるとも
よに逢坂の 関はゆるさじ （清少納言）
若草の 里ゆ氷室へ 伊予柑の
香りも届く 智麻呂絵画 （
柑果香国王
）
（注）柑果香国王＝漢倭奴国王のパロディ
海ゆかば 帆麻呂にあるか 山ゆかば 歩麻呂となれる
畑
にては 野菜作らめ 変り身の背よ （
大変身持
）
（本歌）・・海行かば 水漬
屍
山行かば 草生むす屍
大君の 辺
にこそ死なめ 顧みは せじと 言立
・・
（大伴家持 万葉集巻18-4094）
素心よし されど慣れねば 心せよ
素心狼狽 元の木阿弥 （素性坊主）
（素心蝋梅）
銀輪は かたかりと見ゆ ネパールは
偐家持の 事にはあらじ （迷月記）
（本案）紅旗西戎吾事に非ず（藤原定家 明月記）
一遍に 寄りし
真民
いっぺんに
歩人
も好きに なるもうべなり
（注）真民＝坂村真民（詩人）のこと。一遍上人に傾倒した仏教詩人。
種芋は 灰さすものぞ その習ひ
甲斐なき無駄と 言へる兒は誰 （灰麻呂）
たらちねの 母が申せし ことなれば
甲斐なき灰を などてささめや （芋郎女）
（本歌）紫は 灰指すものぞ 海石榴市
の
八十
のちまたに あへる兒や誰 （万葉集巻12-3101）
たらちねの 母が呼ぶ名を 申さめど
路行く人を たれと知りてか （同巻12-3102）
（ジャガイモの種芋） （葉牡丹）
葉牡丹の 薹立つ様も よかりなど
をみなに言ふまじ 角立つならし （失言家持）
春されば
消
ぬる雪もや 花と咲き
恋ひつつひとを 待つらむものを （雪郎女）
（注）歩麻呂に贈りたる歌にあらねど、歩麻呂が撮りたるスノードロップ
（別名、雪待草、雪の花）の写真に関連しての歌にてあれば、此処
に記し置くものなり。
（スノードロップ） （グリーンネックレス）
玉ばはきに 花は似たれど 首飾り
玉はゆらげど 箒にならじ （偐高野聖）
（本歌） 始春
の 初子
の 今日
の 玉箒
手に 執
るからに ゆらく玉の緒
（大伴家持 万葉集巻20-4493）
歩麻呂が 猟路 の小野に遊びましし時に、偐家持が作りたる歌1首
わが背子は 何を笠とし 行くならむ
猟路
の小野に 雨の降れれば
（本歌）ひさかたの 天行く月を 網に刺し わが大君は きぬがさにせり
（柿本人麻呂 万葉集巻3-240）
（猟路の桜） （ムラサキハナナ）
むらさきに さくもあるとは なのはなの
そのなもしらじ むらさきはなな （偐紫田舎式部）
明日あるや いなやは問はじ あだ桜
風がまにまに 散るこそよかり（心乱）
（本歌）明日ありと 思ふ心の あだ桜
夜半に嵐の 吹かぬものかは（親鸞）
日々
に 見つる花なり むらさきの
蔓日々草 をちこち咲きぬ （日々亭鶴瓶）
（ツルニチニチソウ）
＜注＞掲載の写真はビッグジョン氏のブログからの転載です。
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偐万葉・ひろみ篇（その18） 2025.10.03 コメント(6)
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偐万葉・若草篇（その30） 2025.08.10 コメント(15)
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偐万葉・龍の森篇（その６） 2025.07.15 コメント(4)
スノードロップの花は智麻呂様の絵に変身、先日、原画をいただけるように頼んでおきました。
グリーンネックレスは我が家にもぶら下がっており、コウヤボウキ（玉ばはき）に似た花を咲かせていましたよ。
同じ多肉植物で三日月ネックレスやルビーネックレス（花は黄色）も植木鉢でぶら下がっています。
素性坊主さんの素心狼狽 元の木阿弥の歌、好きです。
前ページの川にはまった（？）水陸両用バス、先日、大阪市内の陸地を走っているのを見ましたが、とにかくどこから見ても派手な車体にびっくりでした。
車体に水滴がいっぱいついていたので川から這い上がってきたところだったのでしょうか？ (2014.04.11 16:28:33)
ビックジョンさんの「ムラサキハナナ」に英爺の詠んだ歌をおくりました１首です。
「むらさきに さく花のいろ おくゆかし
きいろ菜の花 対峙かなわず」
・・今日は氷見の「駒つなぎ桜」に行ってきました。今のこの場所の粟原集落は山間地ですが、家持殿が「能登巡行」に発った時、布施の湖の舟付き場所だったこの場所の桜の木に「駒を」繋いだとの伝説の桜の木です。・・伝説は所詮伝説ですが又ブログに載せますね。 (2014.04.11 16:39:41)
毎度毎度、歌付きのコメントをいただいた上に、こうしてまとめてご紹介いただきホントにありがたいことです。
歌もユーモアあり、ヒネリの効いたものありで楽しく、読み人の名前がこれまた愉快です。いつもクスリと笑わせられます。
返歌の方はままなりませんが、今後ともよろしくお願いいたします。
(2014.04.11 17:28:49)
そうですか。スノードロップの原画は小万知さんのお手元に行くことと決まりましたか。
グリーンネックレスは小万知家にもございますか。のみならず、三日月ネックレスやルビーネックレスまでも、と言っても花音痴の小生にはどのような花なのか分かりませぬが。
素性法師も苦笑いの素性坊主の歌、粗製乱造の素性の分らない坊主の歌なるに、お気に入り戴くとは・・それこそ狼狽致しまする（笑）。
小生も梅田の新阪急ホテルの近くでこのバスを見たことはありましたが、川にハマる前であったのでしょう、濡れてはいませんでした。今回、初めて川の中のバスを見ることが出来たという次第。
(2014.04.11 18:14:40)
ビックジョンさんに贈られた「ムラサキハナナ」の歌は同氏のブログで既に拝見させて戴いています。小生のコメントの次にコメントを入れて居られたかと。
氷見の「駒つなぎ桜」は、先般の氷見市銀輪散歩の際にも訪問候補地に挙げていたのですが、十二丁潟～布施神社～藤波神社と廻るコースからはちょっと外れていることもあって、諦めた場所です。
之乎路（しをぢ）から 直越え来れば 羽咋の海 朝なぎしたり 船楫もがも （大伴家持 万葉集巻17-4025）
の歌ですね。ブログ拝見させて戴きます。臼が峰の頂上にあるというこの歌の歌碑も取材されたのでしょうか。
(2014.04.11 18:31:36)
歌も、うまくハマることもあればスベることもありで、これはもうその時のお天気次第みたいな処があります。
遊びをせんとや詠ひけん、戯れせんとや詠ひけん、の「けん家持」でありますれば、お門汚しの戯れ歌もお赦し賜りますように（笑）、であります。
晴れのち曇り時々雨、ではありませんが、駄洒落のち言葉遊び時々真面目、で少しは真面目な歌も作りますれば・・です。
(2014.04.11 18:48:50)
＞本歌取というのですかね・・・
＞こういうのは。。。
語調を真似て単に言葉などを言い換えて滑稽味をつけたものは「パロディ」と言うべきで、所謂「本歌取り」とは違うのでしょうね。
「本歌取り」は「本歌」の意味や情趣を受けて、それを発展させたり、逆転させたりした歌にて、キーワードは引き継ぐことあっても、全体の語調などを真似ることは原則としてないと言うべきでしょうか。
その観点から言えば、小生のは多くはパロディですかね。ただ、その境目は明確ではありませんから、パロディも含めて、広い意味での「本歌取り」ということにして置きましょう（笑）。
本歌取り、は「本歌」を知らなければ、面白味などが半減してしまうものでありますから、読み手の誰もが知っている有名な歌を本歌にしなければ、それとは気付いて貰えません。
まあ、そんなことで、小生は必ず本歌を併記することとしています。無意識のうちに「本歌取り」となっているケースもあるでしょうが、これは作者自身が意識していないのですから、「本歌」を併記しようもありませんが。
俳句も短歌も短い詩型ですから、似たものになることはあり得ることで、これを禁じてしまっては歌も作れないこととなるし、著作権などという面倒臭い考えもなかった時代の習わしにてもありますが、そもそも歌は「集団遊戯」的なもので、誰がそれを作ったかはどうでもよいことであったのでしょう。
(2014.04.12 09:00:54)
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けん家持
養老２年（718年）の生まれゆゑ､年令1307才（養老元年生れ説だと1308才）。銀輪歌人、偐家持（ニセヤカモチ）｡若草の里の読書会に屯しています。時に「まっ黒の走子｣｡時に「偐定家」。時に「筆蕪蕉（不精者）」であります。また、時々は偐家持美術館のヤカモチ館長でもあります。自転車（銀輪）であちらこちらを気ままに散歩し、花を愛でたり、虫と遊んだり、万葉調の歌（と言っても大抵は戯れ歌）などを作ったりしています。
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