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長らくブログを休んでしまいましたが、久々に記事を更新します。 と言っても、特段の話題もなく、月例の墓参の記事であります。 9月と言うのに真夏のような暑さの中のお墓参りでありました。(門前の言葉) 今日の門前の言葉は、 老いが 病いが 死が 私の生を 問いかけている ―二階堂行邦― という、何やら身につまされる言葉でありました(笑)。 墓地への坂道を上って行き、先ず目にとまったのは棗の木。(ナツメ) ナツメの実が少し色づき始めています。 ツクツクボウシが鳴く坂道を上って行きます。そして、住宅が取り壊された空き地に勢力を張っていたのは、チョウセンアサガオ。(シロバナチョウセンアサガオ)(同上)<参考>チョウセンアサガオ・Wikipedia 熱帯アメリカ原産の一年生草本で、日本へは明治初期に渡来した帰化植物とのことだが、草全体に有毒成分を含むそうだから、葉や茎を素手で触ってその汁が付着した手で目をこすったりしないことが肝要。 ということで、ヤカモチも眺めて行くだけ。写真を撮るだけ。(クズ) 墓地の入口近くの池の畔に生えているアキニレの木を覆い隠さんばかりにクズが這い広がり、花をつけてもいる。 クズの花は「萩の花尾花葛花撫子の花・・」の万葉歌に詠まれた「秋の七種」の一つであるから、秋を感じ取るべきなんだろうが、滴る汗がそれを裏切っています。(墓地からの眺め<西方向>)(同上<東方向>) 墓地に到着。(クスノキ) 墓地のランドマークであったクスノキの大木も、今は一部が辛うじて生きているのみで、主要な部分は伐採されて見る影もなしであります。 前頁の記事が「お盆のお墓参り」でありますので、墓参の記事が連続してしまうこととなり、いささか不本意のこととなりましたが、ヤカモチが無事に生きていることのご報告も兼ねての記事でもありますれば、ご容赦のほどを(笑)。<参考>墓参関連の過去記事はコチラ。
2024.09.07
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今日は月例の墓参。熱中症警戒アラートが出る猛暑の中、山麓の高みにある墓地への坂道を上って行きます。 家を出てスグのところの民家の塀にとまって出迎えてくれたのはコシアキトンボのメスまたは未成熟のオス。(コシアキトンボ)<参考>コシアキトンボ・Wikipedia このトンボは、子どもの頃には「チョウチントンボ」と呼んでいたように思うが、腹部の付け根の白いのがオスで、メスと未成熟なオスはその部分が黄色である。 漢字では「腰空蜻蛉」と書くように、腰の部分が空いているように見えることからの命名である。腰部を電灯に見立てて「電気トンボ」と呼ぶ地方もあるらしいが、ヤカモチの子ども時代となると当然に「電気」などは存在しない未電化の時代であるから、「提灯トンボ」と呼んでいたのだろうと思う(笑)。 最近は腰痛に苦しむヤカモチであるが、コシイタヤカモチを出迎えてくれたのがコシアキトンボというのは、悪い冗談でありますな(笑)。 次に迎えてくれたのは、カンナ。(カンナ) 墓地への坂道の上り口近くに咲いてましたが、いかにも猛暑にお似合いの夏の花である。 坂道を上り始めるとサルスベリの花。(サルスベリ) これも夏の青空によく似合う花。 そして、いつもの寺の門前を通り過ぎるのだが、門前の言葉は更新されて居らず、先月のものと同じなので、スルーします。 坂道をほぼ上り切ったところに咲いていたのは、キバナコスモス。(キバナコスモス) キバナコスモスの花は開花して時日が経過すると黄色から赤みを帯びた色に変化して行くようです。 この花の色からそのことに初めて気がつきました。 墓地に到着。(墓地) 墓参を済ませて、中央奥右手の建屋で水分補給の休憩。 この建屋に水道蛇口があり、ポリバケツや柄杓が備置されていて、墓参の人はここで水を汲んで行くことになる。もう一ヶ所、坂を上り切ったところのクスノキの巨木(今はほぼ枯死して、その幹だけが残っている)の近くにも同じような建屋があるので、そちらで水を汲むこともできる。 ヤカモチの先祖代々墓は、上下建屋のほぼ中間付近にあるので、下の建屋の方で水を汲んで行くのが普通。 下の建屋から、クスノキの方向を見やったのが下の写真。(水汲み場の建屋から墓地を見る)(ほぼ枯死したクスノキ) まだ完全には枯死して居らず、右側の一部は生きているようで、そこから出た小枝には青い葉があるのが見てとれる。 出がけにコシアキトンボがとまっていた塀の近くの道端で目にとまったのがこの花。(トウバナ)トウバナ・Wikipedia 遠目にはマメグンバイナズナかと思ってカメラを向けましたが、トウバナでありました。 久々のブログ更新となる本日の記事は墓参と花のそれでありました。<参考>墓参関連の過去記事はコチラ。 花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.08.02
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先日の会津若松プチ散策(2024.6.27.記事)にて、マメグンバイナズナを初めて目にしたと書きましたが、わが足元の花園中央公園でもこれを見つけました。(マメグンバイナズナ) 会津若松市内で見たそれのように立派な姿ではありませんでしたが、間違いなくマメグンバイナズナであります。 花の名を知ると、スグにその花に出くわすということがよくある。 これは、きっと名を知ったことでそれへの注意力が高くなり、通常なら目にしていてもそれと気づかず見過ごしてしまうというようなことが一定程度少なくなるからなんだろう。 今回も、いつもならナズナであると見過ごしていたであろうところ、実の形が異なるマメグンバイナズナという植物があるということを知ったからだろうが、少し印象が違うと感じられたので、自転車を停めて接近してよく見てみると、マメグンバイナズナであったのでした。 ナズナはこれまでにも何度かブログ記事にその写真を掲載しているので、参考までにその記事のリンクを貼って置きます。<参考>くれなゐにほふ桃の花・第11回ナナ万葉の会 2015.2.24. 銀輪花散歩・ホトケの顔も 2016.3.22. 墓参・花散歩―南天の露から苔の麦畑まで 2017.4.4. 銀輪花散歩・花は盛りをみるべかりける 2017.4.10. すみれつめくさからしななづな 2020.4.10.(同上) 上記参考記事に掲載の写真をご覧いただけば分かるが、ナズナの実は三味線のバチの先のような三角形に近い形をしている。 これに対して、マメグンバイナズナのそれは円形である。(同上) 同じく、花園中央公園で見かけた花です。(ヒメジョオンとアカバナユウゲショウ) 自転車で通り過ぎた瞬間の一瞥では、アカバナユウゲショウの赤花と白花が並んで咲いているように見えたので、引き返してみたのだが、白い方の花はヒメジョオンで、残念ながら白花のアカバナユウゲショウではありませんでした。 そして、公園の池に群れ咲いていたのはオオバナミズキンバイ。(オオバナミズキンバイ)<参考>オオバナミズキンバイ・Wikipedia 後方に見えているのは、花園ラグビー場です。(同上) 写真を撮っている時は昨年7月にもこの花のことを記事にしていることを忘れてしまっていたので、重複記事となりますが、折角撮った写真を没にするのも癪なので、写真だけは掲載することとします。 この花についてのあれこれは、下記参考記事をご参照ください。<参考>オオバナミズキンバイ 2023.7.9.(同上)(同上)(同上)(同上)(同上) 以上、銀輪花散歩記事でありました。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.07.13
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(承前) 6月1日の記事の続編です。 墓参の道の行き帰りに見かけた花と虫です。(ノビル) ノビルは春の若菜の一つで、その鱗茎と葉は食用とされた。 古事記(景行記)に、ヤマトタケルが足柄の坂本で食事をしている時に、坂の神の化身の白鹿に遭遇し、食べ残しの蒜の片端を投げてこれを打ち殺したという話が記載されているが、蒜にはその強い臭みによって神を打ち殺してしまうほどの呪力があると信じられていたのである。<参考>山河やまかはノ荒ぶる神等かみどもを平和やはし而て、還かへり上のぼり幸いでます時、足柄之坂本に到り、御粮みかりて食をす処ところ於に、其ノ坂ノ神白き鹿かに化なり而て来き立たちぬ。しかして、即ち其ノ咋くひ遺のこしたまへる蒜ひるノ片端かたはし以もちて待まち打うちたまへ者ば、其ノ目に中あたりて乃すなはち打ち殺したまひき。 (古事記・景行記) 以前の記事でも紹介したかと思うが、万葉集にもノビルの歌がある。醤酢(びしほす)に 蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて 鯛願ふ われにな見えそ 水葱(なぎ)の羹(あつもの) (長意吉麻呂(ながのおきまろ) 万葉集巻16-3829)<醤と酢に蒜をつき加えて、それをソースにして鯛を食べたいと願っている私に水葱のスープなんかは見えないでくれ> 長意吉麻呂さんは、宴会の席のその場で与えられた「お題」いくつかを折り込んだ即興歌を詠む名人だったようで、万葉集巻16には彼が詠んだその種の歌8首が掲載されているが、上の歌はその中の1首である。 この歌には、「酢、醤、蒜、鯛、水葱を詠みし歌」との題詞が付されているから、この五つの物を折り込んだ歌を詠め、というリクエストが宴会の同席者の誰かからあったのだろう。 即座にこのような歌が詠めるとは、大した才能である。(同上) まあ、ノビルとしては、こ花の美しさ、可憐さを詠んだ歌で万葉集にデビューしたかったのではないかと思うが、それは叶わなかったようです。 次は、またまたヒメコバンソウであります。(ヒメコバンソウ)<参考>ヒメコバンソウ・Wikipedia 先月7日の銀輪散歩(ブログ記事では5月12日)で撮影したヒメコバンソウはまだ緑色であったが、今月1日の墓参で見かけたものは、もみぢするのは少し早過ぎるような気もするが、黄色く色づいていました。<参考>銀輪花散歩・桃の小道 2024.5.12. 次は、オオキンケイギク。 これも、何度か過去記事に登場している花であるが、墓参の途中の民家の庭先に咲いていたもの。<参考>墓参&花散歩 2023.7.4. 道路からは少し奥まったところに咲いていて距離があり、遠目にはキバナコスモスかと思ってカメラを向けたのであるが、ズームで撮った写真をよく見るとオオキンケイギクであったという次第。(オオキンケイギク)<参考>オオキンケイギク・Wikipedia オオキンケイギクは、「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されている特定外来生物で、カワラナデシコなど在来種に悪影響を与えるとして、現在は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」により、その栽培、譲渡、販売、輸出入などが、原則禁止となっているのだが、これは庭先に勝手に生えて増えてしまったということなんだろうか。 菊つながりで、次はシロタエギク。 これも地中海原産の外来植物であるが、オオキンケイギクのように生態系への悪影響を与えるおそれのある植物ではない。(シロタエギク)<参考>シロタエギク・Wikipedia そして、これはヒベルティア・スカンデンス。 こんな舌を噛みそうな名前の花は知っている筈もなく、ネットで調べて行き着いた名前であります。(ヒベルティア・スカンデンス Hibertia scandens) 覚えにくい名前であるから、「へべれけは好かんでんす。」とでも覚えて置くか(笑)。 オーストラリア、ニュージーランド原産の蔓性の樹木とのこと。 西側窓を覆う形で西日を遮蔽するグリーンカーテンとしてこの植物を利用されているようです。 次は、お馴染みのヤマボウシ。(ヤマボウシ)<参考>ヤマボウシ・Wikipedia しかし、よく見かけるヤマボウシとは雰囲気が違う。 花のサイズがやや小ぶりなこと、花の色が黄色がかっていること、葉に光沢と厚みがあり常緑樹っぽい葉であること、などが、普通に見かけるヤマボウシとは異なる印象を与えるのだろう。 園芸品種として改良が加えられたヤマボウシではないかと思う。(同上) そして、これは「花」と言うべきか、「虫」というべきかが微妙な、エノキハトガリタマフシであります。 先月の墓参の折に目にしたエノキハトガリタマフシという虫こぶですが、その時は緑色であったものが、黄色、薄茶色へと変色し始めているようであったので、再度撮影してみました。<参考>墓参・ナガサキアゲハほか虫散歩 2024.5.4. エノキトガリタマバエという蝿がエノキの葉に卵を産み付けると、その卵または卵から孵化した幼虫が放つ何らかの物質に反応して、葉の細胞がこれを包み込むように分裂成長し、このような虫こぶを形成するのだろう。 この虫こぶをエノキハトガリタマフシといい、この虫こぶ形成の原因をなした蝿をエノキトガリタマバエという。 フシにはハが付き、ハエにはハが付かない、まことにややこしい。(エノキハトガリタマフシ)<参考>森林生物・エノキトガリタマバエ 虫散歩・虫こぶと繭 2022.5.3. 次は、正真正銘の虫、ナミテントウです。 ナナホシテントウと同じくナミテントウも肉食の虫ですから、益虫。(ナミテントウ)<参考>ナミテントウ・Wikipedia 最後は、モンシロチョウ。(モンシロチョウ)<参考>モンシロチョウ・Wikipedia 以上、二日遅れの花&虫散歩記事でありました。<参考>虫関連の過去記事はコチラ。 花関連の過去記事は下記の通り。 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.06.03
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今日から6月。 朝のうちに月例の墓参を済ませました。 墓参の道で見かけた植物ですが、これは何という植物なんでしょう。(名前不明) 何やら小さな豆がなっていますから、マメ科の蔓性の木のようですが、名前が分かりません。(同上) 全体の姿は上掲写真の通りです。 さて、今日はよく晴れた良いお天気で、墓への坂道を上って行くと、汗が出て、半袖Tシャツ1枚でも暑い位の気温。 墓地からの眺めは、こんな感じです。(墓地からの眺め・西方向) 色々な花を見つつの墓参道でありましたが、当記事ではそんな中の一つである、アメリカフウロとヤブジラミの写真を掲載して置きます。 アメリカフウロは、既に花の時期は過ぎていて、種子の季節となっていました。(アメリカフウロ)<参考>アメリカフウロ・Wikipedia(同上)(同上) アメリカフウロの花は姿を消していましたが、ヤブジラミの花は未だ咲いていました。(ヤブジラミ)<参考>ヤブジラミ・Wikipedia(同上) とても小さなはなであるが、カメラで撮って大きい画面で見ると、なかなかに可愛い花である。(同上) なのに、ヤブジラミなどという酷い名を付けられてしまったのは、その実の所為である。(同上・種子) これがヤブジラミの実というか種子である。(同上) 拡大してみると、このようにイガイガがあって、所謂「ひっつき虫、くっつき虫」の一種であるから、虱という有難くない名前を頂戴したのだろう。(同上) 今日の墓参で見かけたその他の花については、別途、後日の記事で取り上げることとします。<参考>墓参関連の過去記事はコチラ。 花関連の過去記事は下記の通り。 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.06.01
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(承前) 前頁の「群れ咲けば」の続きです。 前頁記事のニワホコリの写真の画面後方に写っているブタナの群生から始めることとします。(ブタナ)<参考>ブタナ・Wikipedia ブタナの原産地はフランス。 フランス語ではsaladede pore(豚のサラダ)と呼ばれることもあるそうだが、和名のブタナ(豚菜)はこれに由来するという。うまいねと 豚が言ったから 日本でも 26日は ブタナ記念日 (俵千智)(同上)(同上) ブタナは、名前の類似から時にブタクサと言い間違えることがあるヤカモチなので、ウイキペディアのブタクサに掲載の写真を参考までに掲載して置きます。これで言い間違えることもなくなるでしょう。 コチラは北アメリカ原産であるが、英語の俗名hogweed(豚の草)の直訳が和名になっている。<参考>ブタクサ・Wikipedia さて、豚から離れて、次はヒメスイバです。(ヒメスイバ)ヒメスイバ・Wikipedia(同上) 最後は、「群れ咲く」とは無関係ですが、上の写真に写っている樹木が桜なので、桜の実の写真を掲載します。 桜の果実は広い意味ではサクランボなんだろうが、一般にサクランボと言えば、セイヨウミザクラ(西洋実桜)の実のことを言うから、それとの混同を避けるため、単に「桜の実」と呼ぶこととしました。(桜の実)(同上)道の辺の 桜並木の 葉隠れに ここだもさはに 実のなるも見む (実家持)(同上) はい、最後は「実」のある話になったところで、「群れ咲けば」の銀輪花散歩終了であります。(完)<参考>花関連の過去記事は下記の通り。 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.05.26
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ブログ更新ながらくサボってしまいましたが、元気にして居ります。 何と言って記事ネタもないので、「群れ咲く」をテーマに銀輪散歩で見かけた花をご紹介することとします。(シロツメクサ)<参考>シロツメクサ・Wikipedia 小さな花を接写して大きいサイズの画像で見るのも面白いが、このように群生している様を少し離れた距離から俯瞰すると、それが一つの景色となり、いいものである。 江戸時代にオランダから長崎に輸入されたガラス器を衝撃から保護するための緩衝材として使用されたことから、「詰草」という言葉が生まれ、白い花を咲かせることから「白詰草」と呼ばれるようになったとのこと。 別名は、クローバー、オランダゲンゲ、シロツメグサ、シロクローバー、シロレンゲ、ホワイトクローバー、ツメクサなど色々。 そんな群れの中に一つ、二つ赤い花を咲かせているものがあった。(タチオランダゲンゲ)<参考>タチオランダゲンゲ・ムラサキツメクサ・シロツメクサ よく目にするアカツメクサ(ムラサキツメクサ)とは、花の形やサイズが異なるので、何かとネットで調べると「タチオランダゲンゲ」という名の花に行き着いたのだが、よくは分からない。(コメツブウマゴヤシ)<参考>コメツブウマゴヤシ・Wikipedia コメツブツメクサかもしれないが、コメツブウマゴヤシはコメツブツメクサよりもひと回りサイズが大きいとのことなので、取り敢えずコメツブウマゴヤシということにして置きました。 両者の区別が今のところヤカモチには曖昧であります。 さらに、両者以外にクスダマツメクサなどというのもあって、益々ややこしいのであります。(シロバナマンテマ)<参考>マンテマ・Wikipedia マンテマがこのように群生しているのを見るのは初めて。 これは、シロバナマンテマという種類。 薄紅色のものと白色のものとがあるが、それらをひっくるめてシロバナマンテマと呼ぶようです。(同上)(同上) 普通のマンテマはコチラです。(マンテマ) マンテマは花ビラの形が丸みを帯びた幅広な形であるのに対してシロバナマンテマは細長い形をしています。花の色も白い縁取りがあって中央部分が赤色と見た目が全く異なるので一目瞭然、見間違うことはありません。 次は、チガヤ。 万葉集では浅茅(あさぢ)、茅花(ちばな、つばな)などとして登場する。 開花前の若い花穂はチバナ、ツバナといい、噛むと甘味があり、昔は子どもがよく食べたとのこと。(チガヤ)(同上) こんなに穂が育ってしまうと賞味期限切れという奴で食べることはできないが、大伴家持と紀女郎との相聞の戯れ歌が思い出される。戯奴わけがため わが手もすまに 春の野に 抜ける茅花ちばなそ 食をして肥えませ (紀女郎 万葉集巻8-1460)<お前のために、私の手も惜しまず春の野で抜いた茅花ですよ。召し上がってお太りなさいな。>わが君に 戯奴(わけ)は恋ふらし 賜(たば)りたる 茅花(ちばな)を喫(は)めど いや痩せに痩す (大伴家持 同巻8-1462)<わが君に私めは恋しているようです。いただいた茅花を食べても、ますます痩せてしまいます。>(同上)<参考>チガヤ・Wikipedia アト1ヶ月もすれば、これらの穂が銀色に輝くことになるのではないかと思うが、浅茅ヶ原が一番美しいのはその時期だろう。(同上) 次は、ニワゼキショウの群れ。(ニワゼキショウ)<参考>ニワゼキショウ・Wikipedia 葉がセキショウ(石菖)に似ていることから庭石菖という名で呼ばれるようになったとのことであるが、セキショウも葉がショウブ(菖蒲)に似ていることから石菖と呼ばれたのであるから、名前の上では、ニワゼキショウはショウブの孫ということになる。あやめ草の 孫にしあれば 庭石菖 咲きて来鳴くや 今ほととぎす (菖家持) そして、庭つながりで、次はニワホコリです。(ニワホコリ)ニワホコリ・Wikipedia カゼクサとニワホコリの違いはその背丈にあるかと思うので、これはニワホコリだろうと判断しました。 まあ、ホコリっぽい雰囲気をかもしているというのがその理由であるという素人判断ですから、その正確性については保証の限りではありません。(同上)(同上) もう少し、群れ咲く景色の銀輪散歩を続けますが、本日はここまでとします。(つづく)
2024.05.25
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(承前) 前頁の銀輪散歩のつづきです。(ヒナキキョウソウ)<参考>キキョウソウとヒナキキョウソウ ヒナギキョウ・Wikipedia ヒナギキョウの葉 ヒナギキョウ、キキョウソウ、ヒナキキョウソウとあって、ややこしいのであるが、これはヒナキキョウソウだと思われる。 ヒナギキョウがキキョウ科ヒナギキョウ属の植物であるのに対して、キキョウソウとヒナキキョウソウはキキョウ科キキョウソウ属の植物であるのだが、ヒナギキョウは花茎が細長く立ち上がり、葉は花茎のずっと下の方に付くのみで、葉の形状も異なるから、ヒナギキョウでないことは一目瞭然である。 キキョウソウとヒナキキョウソウとの違いは上記参考記事をご参照いただくと分かりますが、キキョウソウは下から順に花が咲き、同時に複数の花を咲かせているのが普通であるのに対して、ヒナキキョウソウは最上部の花一つのみが開花し、他の花は閉鎖花で開花しない、ということなので、ヒナキキョウソウであると判断した次第。(同上) 次はハクチョウゲ。(ハクチョウゲ)<参考>ハクチョウゲ・Wikipedia アカネ科ハクチョウゲ属の常緑広葉低木。 チョウジ(丁字)の花に似た花を付けることから白丁花という和名が付けられたとのこと。白鳥花とも表記されるが、これは当て字で白鳥とは無関係だそうです。 当て字なら白蝶花の方がいいかと思うが、これはガウラ(白蝶草)と紛らわしくなるから、NGですかね。(同上) ハクチョウゲの葉は揉むと悪臭を放つらしいが、試していないので、いかなる悪臭かは不明。今度、試してみるか。(同上) 次は、トベラ。 恩智川畔で見かけたものです。(トベラ)<参考>トベラ・Wikipedia トベラについては、その実は何度か記事にしているが、花についてはこれまでとり上げたことがないように思う・・とまで書いて、念の為と調べてみたら伊勢志摩銀輪散歩の記事で花の写真を掲載しているのでした。<参考>銀輪花逍遥(その4)・トベラとシャリンバイ 2010.12.21. 伊勢志摩銀輪散歩(その1) 2010.5.14.(同上) 花は咲き始めは白っぽい色であるが、日を経過すると黄色に変化してゆくようです。まあ、白い花は大抵がそうですが。 トベラも上のハクチョウゲと同じく、その枝葉は切ると悪臭を発するとのことであるが、これも未だ如何なる悪臭かは未体験。 悪臭であるから、試してみようと思いつつも余り気の進むものでもなく、ついつい先送りになってしまうというもののようです。(同上)(同上) 同じく、恩智川畔のシャリンバイです。 花園中央公園の桜広場にあるシャリンバイはピンク色の花であるが、これは白花である。まあ、白い花のシャリンバイの方がよく見かける。(シャリンバイ)<参考>シャリンバイ・Wikipedia バラ科シャリンバイ属の常緑広葉低木。 上のトベラと同様、よく見かける木なので、シャリンバイもこれまで何度も記事に登場している。<参考>銀輪花散歩・パンジーの人相と山茶花、辛夷、車輪梅 2015.12.16.(同上)(同上) 最後は、タンポポ。 今月の墓参の折に見つけたタンポポがすべて外来種の西洋タンポポであったので、在来種の日本タンポポも健在であることを示すため、以下に掲載するものであります。<参考>花散歩・墓参の道すがら 2024.5.6.(タンポポ)<参考>タンポポ・Wikipedia セイヨウタンポポ・Wikipedia(同上)(同上)(同上)(同上) 小さな蜂が花の褥でまどろんでいます。(同上) 以上、前頁記事の12種と当頁記事の5種、合せて全17種の銀輪花散歩終了であります。(完)<参考>花関連の過去記事は下記の通り。 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.05.13
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ヤカモチの銀輪散歩の起点としている花園中央公園。 最近、このような新しいエリアが完成しました。 入口には「桃の花園」という石標があり、中に進むと「桃の小道」という石標もあるから、桃の木が植えられているエリアなんだろう。桜の広場の北側に隣接したブロックである。来春には桃の花が楽しめるかもしれない。(花園中央公園・桃の小道) さて、先ずはこの花園中央公園で見かけた花を紹介します。(ヒメコバンソウの霧の中に咲く花) 点々とヒメコバンソウが霧のように穂を散りばめる中に咲いているのは、オルレア(白い花)とヤグルマギク(青い花)とヒルザキツキミソウ(ピンクの花)。 ヒメコバンソウが自然に生えた結果の眺めなのか、意図してこのような眺めを現出するためにその種子を蒔いた結果の眺めなのか。 後者なら、なかなか粋でお洒落な演出である。(ヒメコバンソウ)<参考>ヒメコバンソウ・Wikipedia ヒメコバンソウを接写してみましたが、風に揺れるのでピンボケの写真になってしまいました。以前の記事に掲載した写真の方がもう少しましかもと思うので、その記事のリンクを貼って置きます。<参考>墓参・立夏、花散歩 2018.5.9. 次は、ヒルザキツキミソウ。(ヒルザキツキミソウ)<参考>ヒルザキツキミソウ・Wikipedia 北米原産の帰化植物らしいが、最近は野生化して道端などでもよく見かける花となっている。 そして、ヤグルマギク。(ヤグルマギク)<参考>ヤグルマギク・Wikipedia我妹子が 好きとふ花の 矢車菊 近頃余り 見なくあるかも (偐家持) この花、近ごろは余り目にしなくなった気がするが、気の所為か。 ヨーロッパ原産の雑草が園芸用に改良された花で、ドイツやフランスなどの国花にもされている花。日本に入って来たのは明治期。 この植物はかつてはヤグルマソウとも呼ばれていたそうで、ヤカモチもヤグルマソウと呼んだり、ヤグルマギクと呼んだりしていたのだが、ユキノシタ科のヤグルマソウという植物が別に存在することから、これとの混同を避けるため、現在はヤグルマギクという名で統一されているとのこと。 ヤカモチも今後は、ヤグルマギクに統一することにします。 次は、ムギセンノウ。(ムギセンノウ)<参考>ムギセンノウ・Wikipedia この花を初めて見た時の第一印象は、ムラサキカタバミのお化けというものでありましたが、それは、調べてみると7年前のことでありました。<参考>墓参・花散歩・ムギセンノウでありましたか 2017.6.10.(イモカタバミとネモフィラ)<参考>イモカタバミ・Wikipedia ネモフィラ・Wikipedia イモカタバミは、かつてはフシネハナカタバミの亜種とされていたが、現在は両者ひっくるめてフシネハナカタバミという名に一本化されていて、イモカタバミというのは園芸上の呼称だとのこと。 ネモフィラは、ムラサキ科ネモフィラ属の植物の総称で北米大陸に11種が分布しているとのこと。 園芸上ネモフィラと呼ばれる品種(英名five spotまたはbaby blue eyes)の和名はルリカラクサ。 次は、シャクヤク。 「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」のシャクヤク。 この言葉は美しい女性の姿の比喩として語られることもあるが、実際は婦人の生薬の用い方を示す漢方の言葉だとする説もある。即ち、イラ立ちやすい女性には芍薬の根を、坐りがちの女性には牡丹の根の皮をフラフラ歩く女性には百合の根を用いるとよいという意味なのである。(シャクヤク)<参考>シャクヤク・Wikipedia このシャクヤクはすっくと立って居らず、横に延びたり、傾いたりしている上、背丈も低いから「坐っているのに芍薬」の口であるか。 美人の比喩ともされるシャクヤクとは正反対のニワホコリという草。 カゼクサかと思ったが、随分と小型なのでニワホコリだろうというのがヤカモチの見解。(ニワホコリ?)<参考>ニワホコリ・Wikipedia そして、コメツブツメクサです。(コメツブツメクサ)<参考>コメツブツメクサ・Wikipedia コメツブウマゴヤシ・Wikipedia 往々にしてコメツブツメクサはコメツブウマゴヤシと間違えられるというから、ひょっとするとコメツブウマゴヤシであるかもしれない。 両者の違いは、コメツブウマゴヤシの方がコメツブツメクサより一回りサイズが大きいとのことだが、単独で観察している段にはサイズ感だけでは区別が難しい。(同上) 次は、シロバナマンテマ。(シロバナマンテマ)<参考>マンテマ・Wikipedia マンテマの花を初めて見たのは、富山を銀輪散歩していた時のこと。<参考>魚津から富山へ銀輪万葉(その2) 2011.5.23. この時は、花の名を知らなかったのですが、友人の小万知さんからマンテマだと教えていただいたのでした。その後、何度かこの花を記事に取り上げている。<参考>銀輪花散歩・水無き月の空の下にも 2017.6.1. 銀輪花散歩・白赤黄色 2019.5.27. 銀輪花散歩・クローバーやマンテマなど 2020.5.21.(同上)(同上) 最後は、ヘラオオバコ。(ヘラオオバコ)<参考>ヘラオオバコ・Wikipedia(同上) ヘラオオバコはヨーロッパ原産の帰化植物。江戸時代に日本に侵入。 河原や海岸べりなどでよく目にするが、最近は公園などでもよく見かけるようになった。(同上) もう少し、銀輪花散歩を続けますが、本日はここまでとします。 (つづく)<参考>花関連の過去記事は下記の通り。 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.05.12
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5月2日の墓参の道すがらに見かけた花たちです。(ウキツリボク)<参考>ウキツリボク・Wikipedia この植物については、アブチロン、別名チロリアンランプという風に漠然と記憶していたが、和名はウキツリボク(浮釣木)で、アブチロンというのは、英名ではtrailing abutilonとかbrazilian abutilonと呼ばれるように、その属名を指した言葉であるということなどを、今回知りました。(同上) これは、アメリカフウロ。 在来種のゲンノショウコと同じ仲間で、北アメリカ原産の帰化植物。 1932年に京都で発見されたそうだが、今は全国に広がり道端などでよく目にする植物である。(アメリカフウロ)<参考>アメリカフウロ・Wikipedia(同上) この写真、ちょっと気に入っています。道の辺の アメリカフウロ 今日もかも そひてたぐひて 二人しあらむ (偐家持) かたわらには、コマツヨイグサも咲いていました。(コマツヨイグサとアメリカフウロ) これは、墓地入口手前のお宅の石垣を覆い尽くすように生え広がっていたオボロヅキの花。(オボロヅキ<朧月>) オボロヅキというのは園芸植物としての呼び名かと思うが、グラプトペタルム・パラグアイエンセ(graptpetalum paraguayense)というのが品種名。 グラプトペタルム属の多肉植物で、昭和初期の園芸ブームの際に日本に入って来たものだそうだが、今や一般家庭で最も親しまれている多肉植物のひとつになっているとのこと。 その名の通り当初はパラグアイが原産地と考えられていたそうだが、実際はメキシコが原産地だとのこと。(同上) カラスノエンドウよりもスズメノエンドウの方がヤカモチには好ましく見える。どちらもはびこるが、カラスノエンドウほど図体が大きくないので、のさばっている感じがせず、つつましいものに見える所為かもしれない。 しかし、このような印象は相対的なものに過ぎないのだろう。 両者の中間位の大きさのカスマグサという同じ仲間の植物もあるのが愉快である。<参考>ヤハズエンドウ・Wikipedia スズメノエンドウ・Wikipedia カスマグサ・Wikipedia(スズメノエンドウ)(同上) カラスノエンドウは、農耕開始期の古代には作物として栽培されていたということが考古学的に証明されているようだが、若芽や若い豆果は食用になるとのこと。熟した豆も炒れば食べられるとのこと。 しかし、スズメノエンドウは小振り過ぎて食べ応えがないから、食用には不向きなんだろう。雀たちの食糧としてヒトは手出しをしないで置きましょう。(同上)(同上)(ツボミオオバコ)<参考>ツボミオオバコ・Wikipedia 在来のオオバコに比べて適応力、繁殖力が旺盛なのか、最近はこの北米原産のツボミオオバコやヨーロッパ原産のヘラオオバコなど帰化品種が幅をきかせていて、在来種は何やら日陰に追いやられている感じで影が薄くなっている気がする。 そしてテイカカズラ。(テイカカズラ)<参考>テイカカズラ・Wikipedia 万葉で「いはつな(石綱)」、「つた(都多)」として登場する植物は、このテイカカズラ(定家葛)のこととされている。 以前にも紹介したことがあると記憶しますが、その万葉歌を再掲載して置きます。石綱いはつなの また変若をちかへり あをによし 奈良の都を また見なむかも (万葉集巻6-1046)(岩に這う蔦のようにまた若返って、<あをによし>奈良の都をまた見るようになるだろうかなあ。)(同上)(同上) 次の花は、冒頭のウキツリボクの石垣のお宅の庭先に咲いていた花。 ネット検索で、トリトニア・パーヴァラ、和名はヒメアヤメという名前の花であることが分かりました。(トリトニア・パーヴァラ<ヒメアヤメ>) ハゴロモジャスミンは、墓地への坂道の上りかけたばかりのお宅の垣根に咲いていたもの。ジャスミンのような強過ぎる匂いを放つので、ヤカモチはどちらかと言えば苦手に属する花である。 上掲のテイカカズラもジャスミン系の香を放つが、かすかにそれと感じる程度なので問題はないが、ハゴロモさんは「過ぎたるは及ばざる」の香なのである。(ハゴロモジャスミン) 次は、ヒメツルソバ。(ヒメツルソバ)<参考>ヒメツルソバ・Wikipedia ヒマラヤ原産で、日本には明治期にロックガーデン用として導入されたとのことであるが、近ごろは雑草化して道端のあちこちによく見かける花である。 そして、ノゲシとクサイチゴとムラサキカタバミ。(ノゲシ)ノゲシ・Wikipedia(クサイチゴ<冬苺>)<参考>野いちごの仲間たち・いちご大学(同上)(ムラサキカタバミ)<参考>ムラサキカタバミ・Wikipedia(同上) 最後は、タンポポ。 もっとも、これはセイヨウタンポポ。 在来種のタンポポは花の基部を包んでいる緑の部分、総苞に反り返りがないが、写真のタンポポには総苞に反り返りが見られるから外来種のタンポポであることが分かる。 但し、在来種と外来種との交雑が進んで居り、交雑種のそれも反り返っているから、セイヨウタンポポなのか交雑種タンポポなのかは判別は難しい。(セイヨウタンポポ)<参考>タンポポ・Wikipedia セイヨウタンポポ・Wikipedia(同上)(同上) 以上、本日は花散歩記事でありました。<参考>花関連の過去記事は下記の通り。 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.05.06
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今日は月例の墓参。墓地へと向かう坂道にとりかかると、こんな花が目にとまりました。(ロンギカリウス) 帰宅してネットで調べるとシソ科の植物らしいが、ロンギカリウスとかクリーピングタイムというのがこの花の名前のようです。 グランドカバーとしてよく使われる植物だそうです。未だ蕾のようですが接近して撮るとこんな感じです。(同上) 少し上った先にあるお寺のいつもの門前の言葉ですが、今日のそれは、司馬遼太郎氏の言葉でありました。(今日の門前の言葉)人間は助けあって生きているのである――司馬遼太郎 さらに坂道を上り墓地への入口近くの、いつもお花がいっぱいのお宅の庭には、チューリップの花。(チューリップ) 墓地に到着。墓参を済ませて眼下の大阪平野を見下ろすと・・。(墓地からの眺め) 上の写真の左端の赤い矢印(↓)の所が、先日の若草読書会の花見散歩の折に見た、恩智川のセイヨウカラシナの花が帯状に群れ咲いている場所であります。 その場所に焦点を当ててズームアップで撮影したのが下掲の写真。(同上 手前の屋根が瓢箪山駅、奥の右手が東花園駅) 生駒の叔母の連れ合いである叔父が眠る墓が我が家の墓がある墓地区画に接して北側区画の墓地にあるので、それにもお参り。 叔母の家の墓から出たところでめにとまったのも菜の花でありました。(菜の花)(同上) 坂道を少し下ったところの畑地にはレンゲソウが咲き始めていました。 今年の桜は例年になく遅い開花であったようですが、レンゲソウは例年より随分早い開花なのではないかと思う。(レンゲソウ)(同上) まだ咲き始めというレベルのようで、一面のレンゲ畑といった咲き方ではありません。(同上)(同上) このレンゲ畑から少し下ったところで、道路の反対側・左手下方に目をやると、一面に咲き群れているレンゲ畑が目に入りました。 遠目にはレンゲ畑と見えたのであったが、近づいてみると、レンゲソウではなくホトケノザが群れ咲いているのでありました。(ホトケノザの群生) ホトケノザがこのように群生して咲いているのを目にするのは珍しい。 そして、これは緋寒桜なのか、種類は何とも分かり兼ねるが、桜と思しき花が咲いていたので撮りました。(桜花) 今日撮影の写真ではありませんが、花ついでということで、3月26日撮影のサンシュユの写真も掲載して置きます。(サンシュユ<山茱萸>) 今日は、墓参&花散歩でありました。<参考>墓参関連の過去記事はコチラ。 花関連の過去記事は下記の通り。 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.04.02
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今日は、大腸の内視鏡検査の日でありました。 昨年の検診でも便潜血が認められたということでこの検査を受けたのであるが、今年も同じ健診結果であったので、内視鏡検査を受けることにしたもの。 検査日前日となる昨日からは、大腸検査食エニマクリン(3食+間食セット)のみを食し、午後8時に下剤を飲み、腸内洗浄の準備に入る。午後9時以降は絶食。 因みに、エニマクリンの内容は、朝食が鯛がゆ。昼食が和風ハンバーグ+白がゆ。間食がゼリーミール+ビスコ。夕食がコーンポタージュ。 食に関しては余り頓着しないヤカモチであるが、これには参りました。殆ど苦痛と言ってよい食事でありました。去年も同じものを食しているので、経験済みなのであるが、そのことについての記憶が曖昧になっていたので、苦痛を新たにしたという次第。 そして、検査当日の今日は、午前8時に、先ず吐き気防止などのための錠剤を飲んだ後、経口腸管洗浄剤モビレップ配合内用剤を2リットルの水に溶かして、200㏄ずつを1杯とし、これを2杯20分~30分かけてゆっくりと飲み、次にお茶または水を1杯飲む。これを1セットとして、5セットを繰り返すというもの。 これは、更なる苦行にて、吐き気を我慢しつつ朝8時過ぎから、10時過ぎまで飲み続ける。その間に何度もトイレに駆け込み排便を繰り返し、最後は殆ど色のない透明な水だけというような排泄物となったところで、飲むことを中止としました。今回のヤカモチは4セット完了時点でそのような状態となったので、最後の5セット目を残し、全部は飲み切らずに済みました。 検査に際しては眠くなる薬を点滴にて投与するので、車や自転車での来院はしないでください、というのが病院側の注意事項。昨年の検査ではこれに従い、電車で出かけたのであるが、今回は自転車(MTB)で出かけました。検査開始前の「この後、車や自転車を運転する予定はありませんね。」という医者の質問には「はい、ありません。」という虚偽の回答をしてのことでしたが、眠気やふらつき感が残るようなら、自転車を押して歩けばいいというヤカモチなりの安全対策を予定してのことでありました。 昨年がどうであったかは記憶にないのであるが、今回は、検査中もその後もずっと眠くなることも、身体がふらつくということもなく検査終了となりました。検査後1時間の病院内安静という措置もなかったので、今回は麻酔もなかったのだろうと思う。 切除されたポリープ2個についての組織検査の結果は、4月1日以降の主治医の外来診察日にお越しください、とのことであるから、それまでは何とも言えないのであるが、多分今回もガンとは認められず、異常なしということなんだろうと思う。 会計を済ませて病院を出たのは午後4時前後。 道路向かいの馴染みの喫茶店・ペリカンの家にてサンドイッチ&珈琲で今日初めての食事。 30分ほどで店を出て恩智川べりを走って、帰宅。(恩智川畔のユキヤナギ)(同上・セイヨウカラシナ) 恩智川畔にはユキヤナギとセイヨウカラシナが咲き始めていました。 上は、デジカメを家に忘れたままであったので、スマホで撮影。 セイヨウカラシナの写真は、気づかずに動画で撮影していたようなので、これを静止画にエクスポートしての掲載であるため、やや不鮮明です。 以下は、今日の写真ではありませんが、花ついでに、14日の銀輪散歩で撮影したオオイヌノフグリとタンポポの写真を掲載して置きます。 桜の開花(開花予想日23日)も間近、いよいよ春本番であります。(オオイヌノフグリ)(同上)(タンポポ)<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.03.18
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昨日(3月8日)は、朝のうちは家でゴロゴロしていたが、昼食後タバコが切れたので、タバコ屋さんへ。 喫煙という悪癖から未だ脱せずにいるヤカモチであるが、タバコの購入は近所のタバコ屋さんで2カートン(20箱)をまとめ買いするのを原則としている。で、近所の駄菓子屋さんM商店併設のタバコ屋さんへこれを買い求めに外出。 そのついでに、馴染みの喫茶店「ペリカンの家」への届け物があったので、これを届けることとする。更に、そのついでのついでに、少しばかり銀輪散歩をしてみようというもの。 さて、その届け物というのは、今回の能登半島地震とその際の火災によって甚大な被害を受けた輪島の朝市通りの復興を願って、40年前に出版されたものの復刊として、福音館書店から今月出版された「あさいち」という絵本。 若草読書会のメンバーの一人であり、長年にわたり子どもたちへの本の読み聞かせ活動をされている景郎女さんから、メンバー宛メールでこの絵本の復刊のことをお知らせくださったのがその発端。 早速、ネット注文でこれを1冊買い求め、一読後、「まちかどライブラリー」をされている喫茶店「ペリカンの家」さんにこれを寄贈しようと思いついたという次第。 ペリカンの家へは、自転車で往路は10分余、復路は15分位の距離。往路と復路との差は、自宅が坂の上にあるため、往路は下り、復路は上りということになるためである。<参考>輪島朝市通りの火災は1か所から拡大した・NHK 朝市。 ☆もも☆どんぶらこ☆の日記あさいちの 絵本とどけむ ペリカンの 家へごごいち 銀輪駆けて (輪島家持) 珈琲しつつ、ペリカンの家・店主、ももの郎女さんと暫しのお喋り。 店を出て、近隣の公園などをMTB(マウンテンバイク)で巡ったアト、最後は花園中央公園へ。(クロガネモチ) すっかり葉を落としてしまったクロガネモチの木に鈴なりの赤き実。(同上)銀輪の 道まだ寒かれ 日の射せば くろがねもちの 実の照るも見む (実家持)(本歌) この雪の 消け残る時に いざ行ゆかな 山橘やまたちばなの 実の照るも見む (大伴家持 万葉集巻19-4226)(注)山橘=ヤブコウジ(同上) 時々、このように葉を落としてしまったクロガネモチの木を目にすることがあるが、本来は常緑広葉樹であるから、普通は下掲の写真のように葉は常にある筈のもの。これでは、ウメモドキみたいではないかと思ったりしたが(これで、実はウメモドキであったなら、とんだお笑いぐさ)、同じくクロガネモチなんだろうと思う。うめもどきの ごとにやあらむ 赤き実の 葉は落ちぶれの われくろがねもち (我家持) これはすぐ近くにあった別のクロガネモチの木。(同上) 通常はこういう姿なのがクロガネモチであるが、落葉樹のようにすっかり葉を落としてしまうクロガネモチというのは、品種が別なのか、単なる個体差なのか。 上掲写真の右奥に写っているのはサンシュユの木。(サンシュユ) 接近して撮ると・・。(同上) 昨日、3月8日は国際女性デーでありました。 この日はイタリアでは男性が女性にミモザの花束を贈る日とされているようで「ミモザの日」とされている。この習慣は、日本にも一部上陸しているようですが、まだ定着という状況ではなさそうなのは、日本男子としては有難いこと。 有難いと言えばサンキューであるから、今日3月9日は感謝の日。 まあ、これは日本でしか成立しない駄洒落であります。 その感謝の日でもあれば、イタリア男子でもないヤカモチは、ミモザの日の翌日ということで、同じ黄色のサンシュユの花の写真を掲載して感謝の意を表することとします。(東大阪市の市の木・クスノキ) 公園の桜広場の一角にあったのが、東大阪市制20周年記念植樹のクスノキの木。(同上副碑) 昭和63年(1988年)3月1日に市制20周年記念として植樹されたものであることが、この碑から見て取れる。ということは、枚岡市、河内市、布施市の三市合併により東大阪市が誕生したのは、昭和43年(1968年)3月、今から53年前ということになる。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2024.03.09
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先日(1月18日)、喫茶・ペリカンの家のお客さんからお聞きした、幸運のオリーブの葉というのは、こういう葉なんだろうか。 その話のことは、下記<参考>の記事をご参照ください。<参考>健康診断&ペリカンの家で遅い朝食 2024.1.18.(ハート型のオリーブの葉) これは、ペリカンの家の前にあるオリーブの木のものではなく、別の場所にあったオリーブの木でたまたま見つけたものである。 その日にお聞きした話のことを思い出し、通りがかりの道端で目にしたオリーブの木を、それほど熱心にというのではなく、冷やかし半分で枝先の葉を試しに見ていたら、ほんの数秒でこの葉に気が付きました。 これは、多分、葉先の先端、中央を、虫に齧られたか何かで少し欠損した結果、このようなハート型になったものと推測される。(同上) もっと大きく齧られたら、もっとハート型らしくなったかもしれないのだが、要は、葉先中央、左右均等に欠損する必要があり、そうでないと左右対称とはならず、ハート型を形成しない。こういう偶然はそうはないだろうから、稀有な葉の形ということになるのだろう。 普通、虫の齧った葉は、もっと乱雑、不定形で、こういう形になることはない。 さて、幸運の葉であるのかどうか、そういうことには、余り頓着するヤカモチではないので、写真撮影が済むとすぐに行方不明となってしまったから、幸運の葉であったとしても、その幸運はヤカモチのもとをすりぬけてしまうことでしょう(笑)。(通常のオリーブの葉)(追記2024.1.31.)通常の形の葉の写真も比較のため追加掲載しました。
2024.01.30
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銀輪散歩の途中で立ち寄ったりすることのある公園の一つが水走公園。 その公園で見かけたのがトウカエデの翼果。(トウカエデの翼果)<参考>翼果・Wikipedia(同上) 小さな蛾が群れてとまっている感じですが・・。 接近してみると・・。(同上)(同上) 木の姿は、近づき過ぎて全体が入らない。 距離を取って撮影するのも面倒なので、上下に分割して・・。(トウカエデ)(同上) この公園では、ムシヒキアブというのを初めて目にしたことや、青目の猫がこの公園をねぐらにしていたことなど、といった思い出もあるが、虻も猫も最近は見かけない。<参考>ムシヒキアブ・トンボとアブの中間みたいなアブ 2020.7.19. ヤカモチ的ネコ歩き5・おこげとアオメ 2020.7.22. トウカエデの隣には、サルスベリの木。 百日紅とは言え、さすがにもう花は散り、実が沢山なっている。 敢えて逆光で撮影し、雰囲気を出してみようという試み。(サルスベリ)(同上)(同上) その「意」よかれど「技」足らずにて、サルスベリだけにスベってしまったようであります。 「その心余りて、言葉足らず。萎める花の、色無くて、匂ひ残れるがごとし。」(古今和歌集・仮名序)という、紀貫之さんの在原業平評の如しでしょうか(笑)。 公園の片隅に一本の小さな枇杷の木があり、花が咲き始めていました。 何だか季節外れの気もしたが、枇杷の花期は11月~2月だから、季節は合っている。ということで、その写真も掲載して置きます。(ビワの花)(同上) 花蜜がたっぷりあると見えて、蟻たちもやって来ている。 彼らの働きで受粉し、実となるのだろう。(同上) 今日は、水走公園の話でありました。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.11.24
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昨日(13日)はお盆を控えての墓参でした。 いつもとは違って、往路復路共に池の辺の細道を辿って、墓への坂道に出る裏道ルートを採用。このルートだと坂道を少し上った処にあるいつもの「門前の言葉」の寺のすぐ近くで墓への坂道に出ることになる。 かつては、墓参はこの裏道ルートで行くことが多かったが、最近は滅多にこの道は歩かない。(墓地からの眺め) お盆とあって、いつもより墓参の人の姿が多い。 朝とは言え、既に10時近くになっていたので、急な坂道を上って行かねばならない墓参は、汗、汗、汗である。 暦の上では、立秋も既に過ぎ、夏の終わりを告げるツクツクボウシの鳴き声を、今年初めてこの墓参の道で耳にしたものの、残暑も亦猛暑の状態が続くようだ。(同上) さて、今回は、墓参を済ませての帰り道、その裏道ルートで見かけた草木の写真を紹介します。 先ずは、アカメガシワ。 アカメガシワはこれまでに何度かとりあげているので、過去記事と重複した記述になっていたら、ゴメンナサイであります。(アカメガシワ)<参考>アカメガシワ・Wikipedia(同上) アカメガシワは万葉集に登場する「久木(ひさき、ひさぎ)」だとされる。ぬばたまの 夜のふけゆけば 久木ひさき生おふる 清き川原かはらに 千鳥しば鳴く (山部赤人 万葉集巻6-925)去年(こぞ)咲きし 久木(ひさき)今咲く いたづらに 地(つち)にか落ちむ 見る人なしに (万葉集巻10-1863)波の間ゆ 見ゆる小島の 浜久木(はまひさき) 久しくなりぬ 君に逢はずして (万葉集巻11-2753)渡会(わたらひ)の 大川(おほかは)の辺(へ)の 若歴木(わかひさき) わが久(ひさ)ならば 妹恋ひむかも (柿本人麻呂歌集 万葉集巻12-3127)(同上・実) この木は、雌雄異株で、雄株と雌株がある。 今回目にしたアカメガシワの木は実がなっていたから、雌株の木ということになる。 下の写真のように、大きな池の岸辺にこの木は生えていました。 上の山部赤人の万葉歌では、吉野川に流れ込む「象の小川」の川原に生えていたようだが、こちらは、墓へと続く池の辺の道に生えていたのであり、 時刻も、赤人歌のそれは夜、こちらのそれは朝である。 従って、千鳥がしきりに鳴くということはなく、時折、池に棲む鯉たちが跳ねてたてるパシャッという音がするだけなのでありました。 松尾芭蕉ならぬ、杉尾馬笑なら、古池や 鯉の跳ねたる 水の音 とでも句作するのでしょうが、ここは偐万葉なので、山部赤人ならぬ、池部青人で短歌と参りましょう。墓参り 朝道(あさみち)ゆけば 久木(ひさき)生ふる 古池(ふるいけ)の面(も)に 鯉また跳ねる (池部青人)(同上・実) 「久木」はアカメガシワの木だと述べたが、諸説あって何とも定まらない不詳の木である。元々は「久しい時を経た木」という意味であるから、特定の種類の木を指した言葉ではなく、樹齢の古い木一般を指すという解釈もありうるだろう。雑木説はこれに該当する。 また、シバの類を指すという説もあるほか、キササゲの木だという説などもある。 しかし、今回はアカメガシワを目にしたのだから、ここではアカメガシワ説を採用しなければならない(笑)。 因みに、キササゲ説もあると述べましたが、その木を実際に目にしたことがなく、従って、ヤカモチの手許にはその写真がない。 多くの人もヤカモチと同様だろうと思うので、参考までにWikipedia記事に掲載のキササゲの木の写真を、以下に転載して置きます。(キササゲ Wikipediaに掲載の写真を転載)<参考>キササゲ・Wikipedia 次はヒメツルソバ。(ヒメツルソバ)<参考>ヒメツルソバ・Wikipedia ヒメツルソバはヒマラヤ原産のタデ科の植物。 5月から秋にかけてが花期にて、金平糖のような球状の花を咲かせるが、真夏には花がいったん途絶えるので、今は花が見られない。葉がある茎の部分が地面に接しているとそこから根を出し、地面を這うようにして横に広がって行く草で、近ごろは道端でよく見かけるようになった。 ヒメツルソバの生えていた道端の先で、石垣の隙間からモジャモジャ、フサフサという感じで生えている草が目に入った。カニクサである。(カニクサ<別名:ツルシノブ>)<参考>カニクサ・Wikipedia カニクサはシダの仲間。 ツルのように延びているのは茎ではなく、本当の茎は地面の下にあり、地上に顔を出しているのは、葉だという。この茎・ツルのように見える部分は葉の主軸であり、これら全体が構造的には一枚の葉であるとのこと。 まあ、ワラビやゼンマイなどの地上部は葉であり、茎は地下にあるのと同様であるが、このカニクサの茎のように見える葉の主軸の先端は無限成長するようになっていて、茎と同じ機能を有している。 シダの地上部を引っ張っても、それは地下部の茎から伸びた葉を引きちぎることになるだけで、通常の草のように根こそぎに引き抜くことはできない。地下部の逞しく太い茎とそこから延びる根は無傷・健在なのである。 このように石垣の隙間の奥から延びているカニクサは、ビッグモーターよろしく除草剤でも注入散布しない限り、その除去は不可能であるだろう。 以下の写真は、墓参の帰り道で撮影したものではなく、その日の夕刻に散歩に出た際に、この裏道ルートをまた歩くということがあったので、再度、これを撮影したものであります。(同上)(同上) 石走る垂水の上の早蕨の萌えいづる春、は万葉的であるが、石垣の隙間の奥に蟹草のはびこれる夏、は偐万葉的と言うべきか。 さて、大型で強い台風7号が今夜から明日(15日)にかけて東海、近畿に接近、上陸とか。 予想進路では我が家のある地域がその中心線付近に当たっている。 トラックが横転するほどの猛烈な風が吹くとの予想。 自宅敷地内の、強風で吹き飛ばされる危険性のあるものは、片づけたり、飛ばされないように括り付けたりするなど、風対策をそろそろして置くこととしますか。<参考> 墓参関連の過去記事はコチラ。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.08.14
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今日は月例の墓参。 我が家の墓は、生駒山西麓の高みにある。 自宅からは1km弱の距離であるが、400mほど坂道を上らなくてはならないので、「坂の上の雲」ならぬ「坂の上の墓」である。 途中の寺の門前の言葉は、先月(7月)のままであったので、撮影せず。 自販機でスポーツドリンクを購入。それを飲みながら行く。(墓地からの眺め) 今日はよく晴れて、空気も比較的澄んでいるようで、遠く六甲の山々も淡路島もよく見える。(同上・パノラマ撮影) 左手奥に見える高層ビルはあべのハルカス。 ズームアップして撮ると、こんな風です。(同上・あべのハルカス・ズームアップ撮影) 大阪城も見える筈と探してみるが、肉眼ではビル街に紛れ込んでいてよくは分からない。ズームアップして探してみると、発見。(同上・大阪城・ズームアップ撮影) 坂道途中のテニスクラブの外塀にツタの模様。(ツタ) ツタは万葉でも「都多」として登場するが、これはこのツタではなく、テイカカズラのこととされている。石綱(いはつな)、岩蔦(いはつた)とも表記される。 「柿本朝臣人麻呂、石見国より妻に別れて上り来る時の歌」と題された歌の中で、「延都多乃 別之来者(延ふ蔦の 別れし来れば)」(万葉集巻2-135)という形で登場している。 人麻呂の上の歌では、「延ふ蔦の」は、「別れ」の枕詞として使われていて、ツタそのものを詠んだ歌ではない。 ツタは枝分かれして先へと伸びてゆくことから、別れの喩えにも使われたのだろう。テイカカズラと同じくこのツタも上掲写真のように枝分かれしつつ伸びているから、「延ふ蔦の」の蔦をこのツタとイメージしても間違いではないとも言える。(注)テイカカズラの写真、石綱の歌は下記記事参照。 ツタやイバラも花咲けば 2023.5.3. テニスクラブの少し手前の民家の脇にあるのが棗の木。 実がなっていました。 6月の墓参の折には小さな花をつけていたが、2ケ月でこんなにも大きな実に変貌していたのでありました。<参考>墓参・花散歩 2023.6.6. ナツメというのは夏芽で、初夏に芽を出すことからこの名がついたとされるが、もう実になっているからナツミと呼ぶべきか(笑)。それとも、秋になると実は茶褐色に熟し食べられるようになるから、その頃にはアキミと呼ぶべきか。(ナツメ) ナツメも万葉歌に登場するが、これまでに何度か言及しているので、今回は割愛します。下掲の参考記事をご参照ください。<参考>墓参・ザクロとナツメ 2014.10.5. 墓参の道すがら 2016.9.5.(ハマユウ) そして、ハマユウの花。このハマユウも何度か記事にアップしているのであるが、上からの流れで来るとハマユウの万葉歌も採り上げなくてはならないだろう。 と言っても、ハマユウの歌はこの1首だけなのである。み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直に逢はぬかも (柿本人麻呂 万葉集巻4-496)(み熊野の浦の浜木綿のように幾重にも心では恋しく思っても、直接には逢えぬことよ。)<参考>囲碁例会・雨にも負けず 2017.7.5. 囲碁例会・里山散歩 2018.7.11. 墓参・六地蔵 2021.7.2.(ヘクソカズラ) 墓地入口前の池の畔にあるアキニレの木にまとわりついていたのはヘクソカズラ。この花も万葉植物である。 何とも酷い名前を付けられてしまった気の毒な花であるが、この名は万葉の頃からのものであるから、由緒正しき名であるとも言える。 尤も、万葉集では単に「屎葛(くそかづら)」であるが、今は「屁」まで付け加えられて「ヘクソカズラ」とまで呼ばれているのは「哀れなるかな」であります。ざうけふに 延はひおほとれる 屎葛くそかづら 絶ゆることなく 宮仕みやづかへせむ (高宮王 万葉集巻16-3855)(ジャケツイバラに這い広がっている屎かづらのように、絶えることなくいつまでも宮仕え致しましょう。)<参考>春夏連覇の大阪桐蔭高校の前を通って 2012.8.24. 最後はサルスベリの花。 サルスベリは漢字では「猿滑」であるが、普通には「百日紅」と漢字表記される。 百日紅は漢名である。この漢名からヒャクジツコウとも呼ばれるが、中国原産の植物。 わが国には江戸時代以前には入って来たとされるが、万葉人はこの花を知っていたのかどうか。万葉には登場しない花である。(サルスベリ) サルスベリは中国では「紫微」とも呼ばれるが、これは、唐の時代、長安の宮廷(紫微)に多く植えられていたことによるとのこと。 紫微というと、天平勝宝元年(749年)に設置された令外官・紫微中台とその長官となった藤原仲麻呂のことなどが想起されるが、勿論、これらとサルスベリとは何の関係もない。<参考>紫微中台・Wikipedia 猿も滑るというサルスベリの木。 滑った猿が坐るのがサルノコシカケ。 そのサルノコシカケが破壊されていました。(壊されたサルノコシカケ) これは、今日の写真ではなく、先月(7月)22日に撮影のもの。 7月20日の記事で紹介した、加納緑地のサルノコシカケがその二日後に行ってみると、このように壊されていたのである。遊びにやって来た子どもが壊したのだろうと思うが、猿が困っているかも。<参考>キノコも元気 2023.7.20. いや、7月20日の記事では、そのサイズからネコノコシカケと名付けたような気がするので、困っているのは猫かもしれない(笑)。<参考> 墓参関連の過去記事はコチラ。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.08.01
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数日前からクマゼミの声が喧しい。 こいつが鳴きだすと梅雨明けというのが、ヤカモチ気象台の見解。 そのクマゼミの鳴き声にせかされたか、大阪管区気象台も、今日、近畿が梅雨明けしたとみられると発表。 梅雨時は苔が元気であるが、キノコも元気になるのか、このところの銀輪散歩で立て続けにキノコを目撃した。(コフキサルノコシカケ)※サルノコシカケ科・Wikipedia これは、加納緑地で見かけたもの。 遠目にも、それと認められたので、近くまで行って撮影。 切り株の反対側に回ると、こちらにも同じようなキノコがあった。(同上) サルノコシカケにも色々な種類があるようですから、何とは断定できないのですが、一応コフキサルノコシカケということにして置きます。 加納緑地には、猫はいるが猿はいないので、そのサイズから言っても、ネコノコシカケと言う方が適切かも。 この切り株から少し離れたところで、しゃがんでじっと地面の草を見ている女性がいた。 何をされているのかと声を掛けると、雀の子だという。 覗き込むと、小さなサイズの一羽の雀が草の間でチュンチュンと鳴いているのが見えた。雀の幼鳥である。 彼女の話によると、石切公園近くの道路端に居たのを、車に轢かれてはいけないと、保護したのだと言う。自宅に連れ帰り、米粒やご飯粒などの餌を与えたが食べようとしない、水も飲まない、野鳥を飼うことは法で禁止されているから処置に困り、この公園の森ならと放しに来たのだと言う。 何でも最近、愛犬を癌で亡くし、所謂ペットロスで滅入って居られたようにて、この子雀を死なせてしまっては、耐えられないことになる、というような話であった。 その子雀、まだ十分には飛べないようで、ピョンピョンと草の間を跳んで移動するだけ。親鳥から巣立ちを促されたのか、その前段階で巣から転落して親鳥とはぐれてしまったのかは不明であるが、何か思いつめたような彼女に悲観的な意見を述べることは致し兼ね、「もう巣立ちをしているのだから、ここなら草の実などこぼれ落ちた餌となるものも豊富だから、何とか自力で生きていけるのではないか」と申し上げる。 その言葉で、立ち去り兼ねていた彼女も決心がついたのか、「ありがとうございました。」と言って去って行きました。子雀に「頑張って生きるんやで。」と言い残して。 その後、この子雀の姿は見ていないから、無事に生きているのかどうかは知る由もないのだが、カラスなどに突っつかれることもなく、猫や鼬などに襲われることもなく、自力で餌を食べて生き延びていることを祈るしかないのである。 さて、話が脱線しました。 もうひとつ別の場所で、立ち枯れた木に、サルノコシカケ風のキノコを目にしました。(同上) 完全に枯れてしまっているので、何の木であるかなどは分からないのであるが、上の切り株の方がクヌギかコナラのようであったのに対して、こちらはそれとは違う樹種のよう。 形はサルノコシカケのようであるが、色は黄色。キノコの子実体も成長し始めと成熟した段階では色も形も大きく変化するから、これも同じコフキサルノコシカケということにして置く。 この木の裏側にあったのも同じく成長し始めのキノコ。これも同じ種類のキノコなんだろう。(同上) キノコは素人には何とその名を特定するのが難しい。 こちらは、まだ現役の元気なケヤキの幹の根元に生えていたもの。(同上) これもサルノコシカケなんだろう。サイズ、形状から言えば「猿のお菓子」といったところか。 キノコの万葉歌は、この1首があるだけ。高松(たかまつ)の この峰(みね)も狭(せ)に 笠(かさ)立てて 盈(み)ち盛(さか)りたる 秋の香(か)のよさ (万葉集巻10-2233)(高松山のこの峰も狭くなるほど、笠を立てて満ち溢れている秋の香りの良いことよ。)(注)「高松」は「たかまと」と訓み、高円山のこととする解釈もある。 「秋の香」は、松茸の香のこと。 水走公園では、こんなキノコがありました。(オオシロカラカサタケ) 上のマツタケの万葉歌にかこつけて歌を詠めばこうなるか。水走みずはいの 草押し分けて 大白の 唐笠茸の 色の白さよ (偐家持)(同上)※オオシロカラカサタケ・Wikipedia(同上) こちらは、花園中央公園の名前不明のキノコです。(名前不明) これは今月12日の記事にて紹介したオニフスベですが、再掲載します。 同じく、花園中央公園でのものです。(オニフスベ<再掲載>)※オニフスベ・Wikipediaおにふすべ 草間にでんと 場違ひに ふわふわ白き なりのをかしさ (偐家持) 今日はきのこ散歩でありました。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.07.20
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先日の銀輪散歩で、花園中央公園の池に黄色い花が群れ咲いているのに気がつきました。 花そのものは美しく可憐でもあるが、これは外来種で、その旺盛すぎる繁殖力から、在来種に悪影響を及ぼすなど、生態系を乱す環境脅威となっているらしい。<参考>オオバナミズキンバイ・Wikipedia(オオバナミズキンバイ1<池の東側部分>)(同上2) アップで撮ると、こんな可愛らしい花であるが、先日の墓参の記事で取り上げたオオキンケイギクと同じで、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」によって、栽培、販売、保管、運搬等が禁止されている有害植物である。(同上3) アップで撮ると、ミツバチの姿も写っていました。 蜂には法律が適用されないから、ミツバチがこの花の花粉を運び、その繁殖を手助けしたとしても、お咎めなしである。(同上4) 以前、池のこの部分にはホテイアオイが繁茂していて、それをブログ記事にアップしたことがある。 その写真がこれ。(2020年9月7日記事掲載の写真・再掲載)(2020年9月9日記事掲載の写真・再掲載) これらのホテイアオイは、その後すべて駆除されて姿を消したのであるが、それに代わって一気に勢力を伸ばしたのが、このオオバナミズキンバイである。 この池は中央に遊歩道の橋が架かっていて、池を東西に分けている。 池の東部分では釣り糸を垂れる人の姿がよく見られるのであるが、この日も一人釣りをしている人の姿がありました。多い時には10名前後の釣り人の姿を目にすることもある。 さて、その橋の上から、池の西側部分を眺めると、その繁茂状況は一層顕著である。(池の西側部分のオオバナミズキンバイ5 後方は花園ラグビー場) ほとんど水面を覆い尽くさんばかりになっている。 奥に見えている背の高い植物はキショウブという外来のアヤメ科の植物であるが、この花も、特定外来生物には指定されていないものの、「生態系被害防止外来種」に指定されている要注意植物である。 ホテイアオイといい、キショウブといい、このオオバナミズキンバイといい、花園中央公園の池は、要注意外来植物の宝庫でありますな(笑)。(同上6) ホテイアオイと同様に、何れ近い時期に駆除されるのだろうから、このような眺めも今だけのことかもしれない。(同上7)(同上8) オオバナミズキンバイに似た花でミズキンバイというのがある。 ミズキンバイは、稲作伝来とともに我が国に入って来たと考えられている有史前帰化植物であるが、こちらは千葉、神奈川、高知、宮崎の4県のみでその生育が確認されているに過ぎない絶滅危惧種で、その保全活動が行われていたりするから皮肉なことです。 ミズキンバイとオオバナミズキンバイの違いは、その名の通り花の大きさや草丈にあるが、サイズの違いというのは、素人には両者を並べてみて区別できるに過ぎないから、一番の見分け方は毛の有無である。 オオバナミズキンバイは下掲の写真のように有毛であるのに対してミズキンバイは無毛であるとのこと。<参考>ミズキンバイ・Wikipedia(同上9)<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.07.09
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今日は月例の墓参。本来は朝のうちに墓参をするのだが、今日は午前中他用ありで、午後からの墓参となりました。暑さ対策ということで、かなり時間をずらして、午後5時過ぎからという、遅い時刻の墓参となりました。 いつもの坂道を上って行くと、門前の言葉の寺にさしかかります。 今日は、門前の言葉が新しくなっていました。(今日の門前の言葉) 今日のそれは、松下幸之助氏の言葉でありました。 失敗することを恐れるよりも 真剣でないことを恐れたい ―松下幸之助― 真剣に、真摯に取り組んだからと言って成功するとは限らない。しかし、真剣に取り組んでいれば、たとえ失敗したとしても、その失敗から何かを学ぶことができる。そうでなければ、失敗から学ぶということもなく、また同じ失敗を漫然と繰り返すだけということになる、というようなことであるか。 坂道を上り切ったところに墓地はある。(墓地) 墓地に着く頃には汗だくである。 しかし、吹き来る風は、夕刻のそれにて、心地よい風である。(墓地からの眺め) 墓地に咲いていた花はオオキンケイギク。(オオキンケイギク)<参考>オオキンケイギク・Wikipedia この花は最近よく目にする。 北アメリカ原産らしいが、世界各地に拡散しているとのこと。 繁殖力旺盛で、カワラナデシコなどの在来植物を駆逐するなどの悪影響もあって、駆除すべき特定外来生物として、今は栽培、譲渡、販売、輸出入が原則禁止となっている。 しかし、咲いている場所は他人様の墓地であるから、ヤカモチが勝手に駆除することはできない、ということで眺めているだけであります。(ナツフジ)<参考>ナツフジ・Wikipedia 墓地の入口手前に小さなため池があり、その岸辺にアキニレの木があり、それに巻き付く形でナツフジ(学名Wisteria japonica または Millettia japonica)が花を咲かせていた。 こちらは、日本の固有種にて、オオキンケイギクのように環境への脅威を与えたりはしない植物。 夏に花を咲かせることから、夏藤とも土用藤とも言う。 葉陰につつましく目立ち過ぎずにそっと咲いているのがよろしい。 今日撮影の花は以上2点のみ。 先月の銀輪散歩で撮影した花なども、この際、便乗掲載させていただくこととします。(花園中央公園のアベリア)<参考>アベリア・Wikipedia アベリアの葉が日光を反射してキラキラと輝いていました。(土師山公園のブタナ)<参考>ブタナ・Wikipedia これは、近鉄京都線、高の原駅近くの土師山公園に咲いていたブタナ。 木陰を吹き渡る風にユラリ、ユラユラと揺れていました。(同上)(同上) そして、ギンヨウアカシア(ミモザ)の実。(ギンヨウアカシア<ミモザ>の実) これは、石のカラト古墳近くで見かけたもの。 ミモザはマメ科の植物であるのですな。 実というか、豆というか、鈴なりであります。(同上)<参考>ギンヨウアカシア・Wikipedia そして、名前不詳のキノコ。(名前不詳のキノコ) 名前をご存じのお方がいらっしゃればご教示願いたく。 以上、墓参&花散歩でありました。<参考> 墓参関連の過去記事はコチラ。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.07.04
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今日は月例の墓参。 墓への坂道の途中にある民家の庭先では、今年もギンバイカの花が咲いていました。(ギンバイカ)<参考>ギンバイカ・Wikipedia この花に気が付いたのは3年前のことでありましたが、道端から少し民家の庭先に入ったところにあるので、ながらく気が付かずにいたものでした。 3年前のその時の写真の方が鮮明に写っているみたいですから、下記の参考記事をご参照ください。<参考>墓参、花散歩ほぼ白い花 2020.6.5. このギンバイカの実は食べられるということをネット検索で知ったので、以前、黒く熟したとみられる実を齧ってみたことがあるが、渋みがあって、食えたものではない、ということを経験している。そのことは、下記の参考記事に記載しているので、省略します。<参考>墓参&病院へ(一過性脳虚血発作) 2020.12.4. さらに坂道を上る。 赤いタチアオイの花が民家の窓辺に咲いていた。(タチアオイ) 真っ赤なタチアオイの花というのは珍しい気もするが、白い壁によく似合っている。 タチアオイの花は下から順々に咲いて行き、テッペンの花が咲くと梅雨が明けると言われているらしいが、此処のタチアオイはもうテッペン近くまで咲き、アト二つ三つ咲くとテッペンの花に到達しそう。 どうやら此処のお宅は、梅雨明けが早そうである(笑)。 そこから、少し坂を上ったところにあるお寺が「門前の言葉」の寺であるのだが、ご住職の代が替わったのか、毎月貼り替えられていた門前の言葉が、近ごろはおざなりになっていて、今回も4月の墓参の時のものと同じものが貼られたまま。 これで、4月、5月、6月と三回も続けて、同じものを見せられたことになり、興醒めというものである(笑)。 寺の前で、一つ南側の坂道に移り、その坂道を上って行く。 テニスクラブを過ぎたところにムクロジの古木があり、そのそばに枇杷の木がある。4月の墓参の折に撮影し「枇杷の実の赤ちゃん」として紹介した枇杷の実がもう立派に熟して、枇杷の実らしくなっていました。<参考>ミツバアケビの花 2023.4.10.(枇杷の実) 枇杷の木の隣にはアカメガシワの木。 雄花が咲いていました。(アカメガシワの雄花)<参考>アカメガシワ・Wikipedia アカメガシワは雌雄異株である。雌花は余り見かけないから、雌株の木よりも雄株の木の方が多いのかもしれない。 もう9年も前のことになるが、河内飛鳥川べりを銀輪散歩した際に、その雌花を撮影して記事アップしたことがある。<参考>河内飛鳥川銀輪散歩(その1) 2014.6.20. 雌花の写真はコチラ。 さらに勾配がきつくなる坂道を上る。 左側は川になっていて、石垣にへばりつくように咲いていたのはヒルザキツキミソウ。(ヒルザキツキミソウ) 墓地入口近くにアキニレの木があるのだが、イタドリが大きく育って、アキニレに負けないくらいの高さにまで・・。(イタドリ 背後はアキニレ) アキニレに負けないくらいの高さ、というのはさすがに言い過ぎではあるが、背後のアキニレの高木の半分くらいの高さは十分にある。 墓地に到着。(墓地からの眺め 左手に見えるのがアキニレの木) 今日は、天気はイマイチ。今夜はまた雨のようである。 西に広がる大阪平野の眺めもイマイチ。OBPなど大阪市内のビル街もどんよりした靄の中に沈んでいる。(ドクダミ) 梅雨の時期に元気なのはドクダミ。(同上) その匂いはノーサンキューであるが、花は可愛い。(同上) ヒメジョオンも元気である。 墓地の所々に咲いている。(ヒメジョオン)(同上) ヒメジョオンによく似た花がハルジオン。 花園中央公園で先月に撮影したハルジオンの写真があるので、参考までに掲載して置きます。(ハルジオン) ヒメジョオンは細いけれど一応花びらという感じの花弁であるのに対して、ハルジオンはもっと細くて糸のような花弁である。 葉の付き方や背丈の高さや花が咲く時期なども違いがあるが、一番手っ取り早い見分け方は、茎を折ってみて、中が空洞であればハルジオン、白い芯が詰まっていればヒメジョオンという方法である。しかし、これはいささか乱暴であるから、最後の手段(笑)。(同上) 墓地には、ムラサキツユクサやオオキンケイギクなども咲いていましたが、そんな中で撮ったのはヤブジラミ。(ヤブジラミ)<参考>ヤブジラミ・Wikipedia この花もこれまで何度か記事に取り上げているが、所謂「ひっつき虫」であり、実のなる時期には近づかない方がいい。 さて、墓地の外周の木に白っぽいもの。南側はこれ。(カシの花か) 遠くに見えている木をズームで撮影したので、断定はできないが、樫の木の花らしきものも咲いていた。 そして北側はこれ。南側よりもずっと遠くの木で、肉眼では何か分からない。ズームアップしてみたら、こんな花。(何の花?) 墓参を済ませての帰り、ナツメの木のあるところまで坂道を下って来て、木を覗いてみると、花が咲いていました。(ナツメの花と蟻) ナツメの花は、上の写真でも分かるように、とても小さな花。 蟻が二匹仲良く並んで蜜を舐めてでもいるのだろうか。(同上)(同上) ナツメは蟻に受粉をして貰っているのか、それともアブラムシなど迷惑な虫を退治して貰うために蟻を呼び寄せているのであるか。 道教では、ナツメの実は不老長寿の薬とされる。仙人はこれを食しているらしい。アリが世話をするアリがたい薬という訳でアリます。 さて、帰り道、例の門前の言葉の寺の前まで帰って来たところで、杖をつきながら坂道を上って来られたお婆さんに声をかけられた。「この近くに郵便ポストがありますか?」というもの。寺の近くにあると、どなたかに説明を受けられたらしい。 しかし、ヤカモチの知る限りでは、近くに郵便ポストなどはない。 「さあ、存じ上げませんね。お寺はこれですが、ポストなどはなかったかと思いますが・・。」 とは言え、ヤカモチが見落としていただけのことかもしれず、また、こちらへは別の用があって上って来られたのかもしれないので、そのままやり過ごしましたが、今考えると、坂の上り口まで下り、自宅方向の北へと進むと、我が集落の寺への上り口に郵便ポストがあるから、そのポストのことを教えられたのかもしれない、と思い至った次第。 質問を受けたのは、郵便ポストのある位置からは300m以上離れていること、質問を受けた場所が隣の集落であったことなどから、とっさにはそのポストのことが思い浮かばず、この集落内の何処かのポストという思考に陥っていたということで、無意識のうちに我が集落内のポストのことに思いが行かなかったのだろう。 人は、ある状況下で物事に思いをめぐらす時、知らぬうちに一定の前提条件を置いて、思考するものであるらしい。 今回の場合、「この近く」「お寺の近く」ということで、隣接するわが集落内のポストは思考から排除されてしまったようだ。 「何処かポストのある場所をご存じですか?」という質問なら、自身が知っているポストの場所、ということで、すぐに我が集落内のポストの位置を告げただろうと思う。 「少し距離はありますが、来られた道を引き返して・・」などと道を教えたことだろう。或いは、帰り道のことだから、そこまでお婆さんをご案内することもできたかもしれない。 ヤカモチも、旅先などで自転車がパンクした時には、自転車屋さんが近くにあるかどうかなどを人に尋ねることがあるが、その場合、「近くに自転車屋さんがありますか?」ではなく、「何処か自転車屋さんのある場所をご存じですか?」と尋ねる方が適切かもしれないと思った次第。<参考> 墓参関連の過去記事はコチラ。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.06.06
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長らくブログをサボってしまいましたが、久しぶりの更新です。 と言っても、これというネタもないので、銀輪散歩の基地公園としている花園中央公園で見かけた花などを紹介します。 先ず、アカバナユウゲショウ。(アカバナユウゲショウ)<参考>ユウゲショウ・Wikipedia(同上)(同上) 白花のアカバナユウゲショウもあるらしいが、未だ白い花のそれは見たことがない。白花であってもシロバナユウゲショウとは呼ばず、白花のアカバナユウゲショウと呼ぶのだから面白い。 この辺のことは以前の記事でも触れているので、下記<参考>の記事をご参照ください。友人の小万知さんが送ってくださった「白花のアカバナユウゲショウ」の写真も掲載しています。<参考>花の時期は過ぎにけらしや 2017.6.24. 続・恩智川畔の花たち 2017.6.19. アカバナとは言うが、正確には赤ではなくピンク、桃色である。 花ではないが、赤い実をつけたヘビイチゴが近くにありました。(ヘビイチゴ)<参考>ヘビイチゴ・Wikipedia(同上) ヘビイチゴの実は有毒という訳ではないので、食べても問題ないのだろうが、その名の所為で食べようなどとは誰も思わない。 ヘビイチゴの花は赤でも白でもなく黄色である。 花の写真は、下記<参考>記事に写真を掲載しています。<参考>囲碁例会・脱線花散歩 2016.4.13. ヤカモチ的花散歩・だんだんと地味に 2020.5.5. 黄色の花ならコメツブツメクサ。 尤も、コメツブツメクサは往々にしてコメツブウマゴヤシと間違えられるというから、下掲の写真は、コメツブツメクサではなくコメツブウマゴヤシかもしれない。(コメツブツメクサ)<参考>コメツブツメクサ・Wikipedia コメツブウマゴヤシ・Wikipedia(同上) コメツブツメクサだということにして、白いツメクサ、シロツメクサへと話が移ります。(シロツメクサ)<参考>シロツメクサ・Wikipedia オオバコ、オランダミミナグサ、コメツブツメクサ(或いは、コメツブウマゴヤシ)などがはびこる中にシロツメクサが勢力を広げている。 シロツメクサはよく知っている花で、今更採り上げるまでもない花であるが、接近して撮影してみると、ちょっと違った印象に見えたりもする。(同上)(同上)(同上) タンポポなどもそうであるが、集合花は、当然のことながら、その全体の姿と一個一個の個々の花の姿とは、受ける印象が随分と違う。(同上)(同上) シロツメクサに立ち混じっていたオオバコがこれ。(セイヨウオオバコ)セイヨウオオバコ・Wikipedia 最近は、外来種のセイヨウオオバコなどの方をよく目にする。 在来固有種のオオバコより穂が大型なので繁殖力が強いのだろう。 このオオバコの背後に繁茂していたのはヨモギ。 木の切り株の周囲に繁茂して、切り株を覆い隠すまでになっている。(ヨモギ)ヨモギ・Wikipedia ヤブガラシ・Wikipedia ヨモギの隙間からヤブガラシの蔓が伸び始めているから、公園管理者が草刈りをせずにいたら、やがてこのヤブガラシがこの一帯を覆ってしまうことになるのだろう。 これはキキョウソウだろうか。 可憐な小さな花が咲いていた。(ヒナキキョウソウ)<参考>ヒナキキョウソウ・松江の花図鑑(同上) そして、ウラジロチチコグサ。(ウラジロチチコグサ)<参考>ウラジロチチコグサ・松江の花図鑑 ウラジロチチコグサも、下のように見上げる角度で撮ると、なかなか立派な姿である。蟻の目のアングルであります。(同上) 最後は、イネ科のナギナタガヤ。(ナギナタガヤ)<参考>ナギナタガヤ・Wikipedia(同上)(同上) 地中海地方から西アジアにかけてが原産地らしいが、明治初期に日本に侵入、「もっともふつうな雑草」と言われるほどに、広く帰化している植物である。別名はネズミノシッポ。さやさやと なぎなたがやに 穂波立ち 五月の風は 吹き渡りゆく (風家持)(同上) 今日は、花園中央公園の花たち、でありました。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.05.17
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今日は月例の墓参。 いつもの坂道を上って、山裾の高みにある墓地へと向かう。 墓参の道の楽しみの一つは、途中にある寺の門前の言葉なのであるが、今日のそれは、先月のものがそのままとなっていて、期待外れでありました。 その寺の前で右折して、一つ南側の坂道に移り、その坂を上って行くと、道端に一本の立ち木がある。立ち木のある側の先は水田である。水田と坂道の間には小さな川が流れている。 この立ち木の枝から川のこちら岸にかけて、川を覆う形で大きな蜘蛛の巣を張っている大型のジョロウグモをよく見かけたが、今はその姿はなく、代って木に絡まって蔓を繁茂させているテイカカズラが花を咲かせていました。(テイカカズラ) テイカカズラの花は、船のスクリューに似た形、或いは風車が回っているような動きのある独特の形をしているので、一度目にすると忘れることのない花である。 万葉集に、「つた(都多、津田)」、「いはつな(石綱)」などとして登場するのが、このテイカカズラである。石綱(いはつな)の また変若(を)ち返り あをによし 奈良の都を またも見むかも (万葉集巻6-1046)(<石綱の>また若返って、<あをによし>奈良の都をまた見ることができるだろうか。) ツタはどんどんツルを伸ばしてゆくが、その旺盛な生命力を万葉人は愛したのであろう。 上の歌は、聖武天皇の時代、奈良から恭仁京へと都が移り、奈良の都が荒廃してゆくのを嘆き悲しんだ歌3首のうちの1首である。 作者不詳の歌であるが、ツタが若返ってツルを伸ばすように昔の繫栄を取り戻した奈良の都を見たいと願う歌である。 更に坂道を上ったところで、石垣に横ざまに茎を伸ばしたオニタビラコが目に止まりました。 オニタビラコも綿毛(絮)によって広範囲に種子を飛ばすことができ、繁殖力旺盛な植物である。(オニタビラコ) ひと回り小さいコオニタビラコは、春の七草の一つホトケノザのことで、食用になるが、こちらのオニタビラコは食用にはならないのかも。 現在、ホトケノザと呼ばれているピンク色の花を咲かせる草は、春の七草のホトケノザとは別の植物である。多分、ホトケノザがタビラコと呼ばれるようになって、ホトケの座が空席となった結果、その空席に居座って「ホトケノザ」と名乗ったのが今われわれがホトケノザと呼んでいる草である。 タビラコは、春の七草部門では、依然としてホトケノザと呼ばれているということを理由に、違法な名称使用だとして、ホトケ様にその使用禁止を申し立てたそうだが、ホトケ様は「ホットケ」と言って申し立てを取り上げなかったらしい(笑)。 従って、ホトケノザと称している草を、春の七草だと間違って摘んで食しても、それはその人の自己責任ということになっています。 墓に到着。(墓地からの眺め) 我が家の墓の近くに咲いていたのは、ノイバラ。 相接して咲いていたので、どちらもノイバラかと思ったが、よく見ると花の姿が少し違う。 片一方はノイバラではなくてナニワイバラかもしれない。(ナニワイバラかも)<参考>ナニワイバラ・みんなの花図鑑(ノイバラ)<参考>ノイバラ・Wikipedia ノイバラは万葉では「うばら、うまら(茨、宇万良)」である。道の辺(へ)の 茨(うまら)の末(うれ)に 延(は)ほ豆の からまる君を はがれか行かむ (丈部鳥 万葉集巻20-4352)(道のほとりの茨の枝先にからみつく豆の蔓のようにまとわりつく君と引き離されて行くのだろうか。) うまらは、うばらの東国方言。上の歌は防人の歌である。 墓参を終えて、来た道をとって返す。(小太鼓を担ぐ練習) 坂道をかなり下ったところで、太鼓台を担ぐ練習をしている人たちの姿がありました。太鼓台は大型のものと小型のものがある。大型のものを大太鼓、小型のものを小太鼓と呼んでいる。これはその小太鼓である。 これは、ヤカモチの住む地区の隣の地区の小太鼓である。 各地区には、それぞれ大太鼓と小太鼓があり、毎年10月に開催される枚岡神社秋郷祭には、各地区から大太鼓(一部地区については小太鼓も)が神社境内に集結する。 最近は、5月5日の子どもの日に、小太鼓祭というのが催され、小太鼓が枚岡神社境内に集まるらしい。 しかし、担ぎ手不足や太鼓台に乗って太鼓を叩く、叩き手不足などに直面している地区もあるようで、担ぎ手募集、叩き手募集といったポスターが貼り出されている地区も多いようです。 これは、そのような募集で集まった人に担ぎ方や太鼓の叩き手に合わせての息の合わせ方などの練習をして貰っているのだろう。 自宅近くまで帰って来たところで、前方からやって来た夫婦連れを見やると、それはヤカモチの中学時代のクラスメイトの松〇君でありました。 やあやあ、と奇遇のご挨拶。しばし、立ち話をして、次にクラスの仲間と集まることがあったら声を掛けるのでよろしく、とお願いして別れました。<参考> 墓参関連の過去記事はコチラ。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.05.03
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わが銀輪散歩の起点公園である花園中央公園の一角にエゴノキがある。 今日、立ち寄ってみたら花が咲き始めていました。(エゴノキの花) 花の盛りはこれからで、多くは未だ蕾の状態。(同上)<参考>エゴノキ・Wikipedia エゴノキ・植物雑学辞典 エゴノキという名は、果実などを口に入れると舌や喉を刺激して「えぐい」ことに由来するという。 これはエゴサポニンという有毒成分が果実(特に果皮)などに含まれていることによる。エゴサポニンは胃や喉の粘膜に炎症を引き起こし、溶血作用もあるとのこと。 花にもエゴサポニンが含まれている。この花を「セッケン花」または「シャボン花」と称して、これを多数摘み、手で揉んで泡立てるというような子どもの遊びもあったらしい。ヤカモチはそのような遊びは知らずに来ましたが、その遊びの後、手を洗わずにお菓子やおにぎりをその手で掴んで食べたりすると、有毒なサポニンを摂取してしまう危険があるので、要注意だとのこと。 この花は万葉集にも登場する。「ちさの花(知佐の花)」として大伴家持の歌に登場している。 家持が越中の国守であった時の歌である。 越中の国(富山県)に左夫流児(さぶるこ)という遊女がいたが、家持の部下の尾張の少咋(をくひ)という若者がこの左夫流児に夢中になってしまい、妻を顧みなくなり、里人の噂にも上るようになるなど、仕事にも差し支えるようなことになったのであろう。この少咋という部下を教え諭したという歌である。大汝(おほなむち) 少彦名(すくなびこな)の 神代(かみよ)より 言ひ継ぎけらく 父母(ちちはは)を 見れば尊(たふと)く 妻子(めこ)見れば 愛(かな)しく愍(めぐ)し うつせみの 世の理(ことわり)と かく様(さま)に 言ひけるものを 世の人の 立つる言立(ことだて) ちさの花 咲ける盛りに はしきよし その妻の児と 朝夕(あさよひ)に 笑(ゑ)みみ笑まずも うち歎(なげ)き 語りけまくは 永久(とこしへ)に 斯(か)くしもあらめや 天地(あめつち)の 神(かみ)言(こと)寄(よ)せて 春(はる)花(はな)の 盛(さか)りもあらんと 待たしけむ 時の盛(さか)りそ 放(さか)りゐて 嘆(なげ)かす妹が いつしかも 使(つか)ひの来むと 待たすらむ 心不楽(さぶ)しく 南風(みなみ)吹き 雪消(ゆきげ)溢(はふ)りて 射水川(いみずかは) 流る水沫(みなは)の 寄るへなみ 左夫流(さぶる)その児に 紐(ひも)の緒の いつがり合ひて にほ鳥の 二人並びゐ 那呉(なご)の海の 沖を深めて 惑(さど)はせる 君が心の 術(すべ)もすべなさ (大伴家持 万葉集巻18-4106)(大汝と少彦名の神代よりの言い伝えたことに「父母を見れば尊く、妻子を見ればせつなくいとしい。それが<うつせみの>世の道理なのだ」と、このように言って来たのに、世の人の立てる誓いの言葉である筈だが、ちさの花の咲いている盛りの時に、いとしい妻であるその人と、朝夕に笑顔であったり、真顔であったり、嘆きつつ語り合ったことは、「いつまでもこんな風であってよいものか。天地の神のおはからいによって、春花の盛りの時もあるだろう」と、お待ちであった盛りの時なのだ。離れていて嘆いて居られる妻が、いつになったら使いが来るかと待って居られる心は寂しいことだろうよ。南風が吹き、雪解けの水が溢れ、射水川の流れに浮かぶ水の泡のように、拠り所もなくて左夫流児という名の女に、<紐の緒の>つながっていて、<にほ鳥の>二人並んで、<那呉の海の>心の奥底までも惑うたままの君の心の、何ともどうしようもないことよ。) 反歌三首あをによし 奈良にある妹が 高々に 待つらむ心 然(しか)にはあらじか (同上巻18-4107) (<あをによし>奈良にいる妻が首を長くして待っているだろうその心よ。今のままではいけないのではないか。)里人の 見る目恥づかし 左夫流児に さどはす君が 宮出後姿みやでしりぶり (同上巻18-4108)(里人の見る目が恥ずかしいではないか、左夫流児という女に惑う君の出仕する後ろ姿は。)紅くれなゐは 移ろふものそ 橡つるばみのなれにし衣きぬに なほ及しかめやも (同上巻18-4109)(紅というのは色褪せるものだ。橡染の着馴れた衣にやはり及ぶことがあろうか。) まあ、この歌を額面通りに受け止めれば、国守の家持が部下である少咋に対して、今風に言えば、コンプライアンスの指導をしたということになるが、万葉の頃は男女のことはそれほど厳格でも無かったように思われるから、これも部下の少咋と左夫流児とのことをからかった宴席での戯れ歌であったかもしれない。 以上の歌は5月15日作の歌であるが、その二日後の5月17日作の歌として万葉集に掲載されているこの次の歌では、少咋の妻が左夫流児の屋敷に馬で乗り込んで来てごたごたのあったことが面白可笑しく詠まれているから、余計にそんな気がする。左夫流児(さぶるこ)が 斎(いつ)きし殿(との)に 鈴掛けぬ 駅馬(はゆま)下れり 里もとどろに (同上巻18-4110)(左夫流という女が大事に守ってきた家に鈴を掛けない駅馬が着いた。里に響くばかりに。) まあ、エゴノキの花にとっては、こんなところで私を引っ張り出さないで、とでも言いたいことだろうが、お陰で万葉植物のお仲間に入れたのだからラッキーと言うべきであろう。 因みに、富山県の人は今でもエゴノキのことを「ちさ」と呼ぶというが、本当だろうか。 この花は、ヤカモチが好きな花の一つで、これまでにも何度かとりあげているが、直近では2014年5月15日の記事のようなので、久しぶりに記事アップしてみた。<参考>エゴノキ(ちさ) 2007.8.11. エゴノキ(ちさ)の花が咲いた 2008.5.6. チサの実のさはにぞなれる 2013.10.24. 奥浜名湖銀輪散歩(その2) 2014.5.15. 2014年5月に浜名湖畔で見かけたエゴノキの花は、よく見る白色ではなくピンク色であったが、その後、そのようなピンクの花は目にしていない。
2023.05.02
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先日(4月8日)の墓参の帰り道で、アキニレの木にまとわりついていたミツバアケビに花が咲いているのを発見。 一枝だけ摘んで帰りました。 アケビの花はピンク色というか薄紫色であり、白花のものもあったりするが、ミツバアケビの花は焦げ茶色というかチョコレート色というか暗い濃赤紫色である。 <参考>アケビの花の写真掲載の記事はコチラ。(ミツバアケビ<三葉木通>) 大きい花と房状になった小さい花がある。 大きい花が雌花で房状の小さい花が雄花である。(同上)<参考>ミツバアケビ・Wikipedia アケビよりも実が大きく、アケビと同じく食用にもなることから、果樹としても栽培されるという。繁殖力も強いらしいから、この一枝を摘んでも問題はないだろう。(同上・雌花)(同上・雄花)(同上・雌花と雄花)(同上・雌花と雄花) 以上は、4月8日墓参から帰宅してすぐに、白い紙の上に花を置いて撮影したものであるが、しばらくすると葉がヘナヘナとしてきたので、一輪挿し代わりに小型のペットボトルに水を入れて差してみた。 するとすぐに元気を取り戻し、葉もピンとして瑞々しさを回復したのでありました。 今日(4月10日)現在の状態が下掲の写真です。 ちょっと、くたびれかかっている気もしないではありませんが、チョット見には未だ元気に見えます。(同上・採取2日後の状態) アケビの実は、子どもの頃に食べて嫌いになったのか、見た目だけで食べる気が失せた「食わず嫌い」であるのか、記憶が曖昧なのであるが、これを食べようとは絶対に思わないヤカモチ。 花だけで十分であります。 万葉集の歌で「さのかた(狭野方)」というのが登場する。植物の名前だろうと考えられているが、如何なる植物であるかは不詳である。 これをアケビのことだとする説もあるので、ヤカモチ風に戯れ歌を1首詠んでみることに。花のみに 咲きて見えこそ さのかたは 実にならずとも よしとや言はむ (木通家持)(花だけ咲いて見せてくれてこそのアケビ。実にはならなくていいと言おう。)(本歌)狭野方(さのかた)は 実(み)にならずとも 花のみに 咲きて見えこそ 恋のなぐさに (万葉集巻10-1928)(狭野方は実にならなくても、せめて花だけでも咲いて見せてくれ、恋の慰めに。)(本歌)狭野方(さのかた)は 実(み)になりにしを 今さらに 春雨(はるさめ)降りて 花咲かめやも (同上巻10-1929)(狭野方はもう実になっているのに、今更春雨が降って花が咲いたりするものでしょうか。) アケビが実をつけるのはまだ先であるが、枇杷はもう小さな実を付けていました。こちらは、墓参に向かう往路で撮影した写真であります。 こちらは、実になってこその枇杷である。花だけが咲いたとて誰も喜ばないというもの。(ビワの実の赤ちゃん) これは果樹栽培の枇杷ではなく、熟したとて鳥たちがついばむだけ。 先日の若草読書会のお花見の折に馴染みの果物屋さんにて早くも枇杷が並べられていたので、全部(と言っても8パックのみ)を買い占め、手土産にお持ちしました。そんなことで、今年の枇杷についてはヤカモチはもう食したことになります。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2023.04.10
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今日はひなまつり。桃の節句。元々は、女の子のための節句という訳ではなく、神社でお祓いをする時の形代・祓い人形と同じような、人型にかたどった紙を川に流して、身の穢れを清めるという行事で、皆の健康、幸せを願うためのものであった、ということを朝のTVで紹介していた。 暦が陰暦から陽暦に変わって、現在の3月3日では、ハウスものは別として、桃の花は未だ咲いて居らず、梅の花の時期である。 今日の墓参の道で見かけたのも梅の花でありました。(枝垂れ梅) 本来なら、今日は桃の花の写真を掲載するのが相応しいが、この梅の花の写真でウメ合わせであります。 桃の節句の原形が、紙の形代を自身の形代として水で清めるということであったのだから、桃の花の代わりに梅の花を形代としてその埋め合わせにしたとしても、桃は文句は言えないという次第。 いつもの坂道を上ってゆく。 いつもの門前の言葉の寺の前に差しかかり、今月はどんな言葉かと構えましたが、先月のそれと同じでがっかり。こういうのも「興ざめなるもの」のうちに入るのだろう。 今日は、CB(クロスバイク)での墓参。 急な坂道、途中から押して歩く。はい到着。(墓地からの眺め) 今日は好い天気。気温もそこそこで暖かい。 急坂を上って来ると暑いくらいで、風の冷たさが心地よい。 上の写真の手前の建屋には、バケツや柄杓が置かれていて、水の出る蛇口もある。そこで水を汲んで、墓まで運ぶのであるが、今日はその建屋の下に自転車(CB)をとめ、水を運ぶこととした。 大きいサイズの写真でご覧いただくとよく分かるが、建屋の中にとめた自転車が写っています。(六地蔵) 墓参を済ませてから、少し銀輪散歩。 花園中央公園やその周辺を「徘徊」であります。 先日(2月28日)の日記で、新若草橋の下で長門川、御神田川、恩智川が合流するということを書いたが、正確には、橋と並行に走っている近鉄奈良線の高架下と新若草橋下との中間位置で合流しているようです。(三川合流点) 左から流れ込んでいるのが御神田川。奥右から流れて来るのが恩智川。中央奥から流れて来るのが長門川。合流して恩智川として手前右手へと流れて行く。(同上) 少し離れて撮影すると、こんな感じ。 さらに下がって撮影すると、下掲の写真になります。(同上) 丁度、近鉄の電車が通過しましたが、奈良公園の鹿のラッピングカーでありました。 この車両のことは、2月16日の日記に車両内部の写真を掲載したが、外観はどんなであったかは見て居らず、写真も撮っていませんでした。 従って、今日初めてその外観を目撃したという次第。 このアト、若草ホール(恒郎女邸)に向かいました。 そこで、ひろみの郎女さんに岬麻呂氏から送っていただいたマンホールカードをお引渡しするためであります。 当初は、馴染みの喫茶店・ペリカンの家で午後3時半待ち合わせで、恒郎女さんもご一緒で珈琲ブレイク&お喋りのついでにお渡しする予定であったのですが、店主のももの郎女さんよりお電話があって、今日は店は午後2時までの営業です、とのことで、若草ホールで落ち合うことに変更したのでありました。 若草ホールで午後3時半から5時少し前まで歓談。 ヤカモチの墓参&ひな祭りの一日はかくして終了。<参考> 墓参関連の過去記事はコチラ。
2023.03.03
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今日は、先日(15日)のMRI検査の結果説明を受ける日。 診察室に入るなり、「頚椎は綺麗ですよ。」という先生の話。 目の前の、自身の首を横から写した透し画像を見ると、確かに素人目にも、頚椎に狭くなっている部分はなく、中央に走っている黒い線が神経だというそれは、十分な空間の中心を上下にスッキリと通っていて、どの部分でも何かに触るという感じではない。 頚椎狭窄症の心配は全くないと見ました。先ずはひと安心。 しかし、首を前後左右に大きく傾けた場合の軽い痛みはあるので、首周辺の筋肉が凝り固まって悪さをしているということかも。それで手足が痺れるということは考えにくいから、時々生じる痺れの原因は不明である。 痺れの発生を防止するという薬を、もうしばらく呑んで様子をみることにする。今のところ薬で痺れの発生頻度が低下したという感じはしないのであるが、もう少し継続してみないと何とも言えない。 別のクリニックで貰っている「筋肉を柔らかくする」薬だというアロフト錠も併せ服用しているが、それも今しばらくは服用して様子をみることにする。 殆ど効果が見られないなら医者に相談して、薬は止めようと思う。 足の裏が痛いとして通い出した整体院。もう1年になるものの、依然として足の裏の痛みは消えてはいないのだが、最近は首回りの痛みや手足の痺れに気を取られている所為か、余り気にならない。 そんなことで、最近は整体院でも首や肩回り、肩甲骨付近のマッサージなどを専らに施術して貰っている。また、整形外科クリニックでは、首の牽引、電気治療、マッサージなどのリハビリ治療を受けている。 しかし、今のところ、症状の軽減はみられない。 まあ、なんであれ「よう見んとアカンで(よく見ないといけません)」ということでしょうから、今少し経過をよく観察であります。 ということで、今日の写真は、ミント(見んと)の花であります。 昨年の9月8日撮影の写真ですが、掲載してミント始まらないとミントが言うので掲載です。(ミント)よう見んと分からん。(同上・種子か?) 隣のサボテンも「掲載サボッテンと掲載してや」と言うので、ついでに掲載です。これも同じ日の撮影写真です。(サボテン) こちらはサボってないサボテンですが、エキノプシス・オキシゴナという品種だそうです。Echinopsis Oxygonaです。 英名は、Easter lily cactus。まあ、覚える気はありませんが。
2023.02.22
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先日、恩智川畔でウバメガシの木を見つけたということを書きました。<参考>墓参・めぐりあいのふしぎ 2022.11.5. その時に調べたことですが、ウバメガシの実は熟すると生で食べられるということを知りました。しかし、なっていた実は、その時はどれもみな未だ青いどんぐりで、成熟していませんでした。 ウバメガシは雌雄同株で、花期は4~5月。 花が咲いた年の翌年の秋になってようやく実が熟すのだという。2年もかけて熟すのだそうな。ということは、花が咲くのも隔年置きということであるか。<参考>ウバメガシ・Wikipedia 先日、そのウバメガシの木を見に行くと、実は既に茶色になって成熟している様子。多くが殻から落ちてしまっていると見えて、殻だけが枝に残っているという状態のものが目立ちました。中には殻に実がついたままで、それが弾けているというのもありました。 そういう実を一つ、二つ摘んで、果皮を剥いて、中身を試しに齧ってみました。不味くはないものの、美味しいというものでもない。 焼いたり蒸したりして熱を加えると、状況は変わるのかもしれないが、そこまでの手間を掛けて食べるものでもないだろうと思って、試してはいない(笑)。(ウバメガシの実) 外皮が弾けて大きく割れています。 ひっくり返すとこんな風。(同上) 外皮は簡単に二つに割れ、中の実が取り出せます。(同上) 渋皮のついた実。 渋皮を取り除くと、こんな風です。(同上) ナッツという感じです。 ピーナッツと同じで、これもパカッと二つに割れます。片割れを齧ってみたが、ピーナッツのような美味しさはない。まあ、栗も生だとこんな感じのようにも思うので、こんなものかもとも思ったりも。また、熟し方が不十分ということも考えられるから、一個齧っただけで断言するのは、正しくないとも言えるが、何個も齧ってみたい味ではない。と言うか、苦みも渋みもなく、青臭くもなく、癖もなく、何と言って特段のものがない、言うなれば「味の無い」味であります。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2022.11.24
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今日は、月例の墓参。 墓参の道の途中にあるお寺の今日の門前の言葉は、これ。(今日の門前の言葉) めぐりあいのふしぎに てをあわせよう ―坂村真民― 我々は日々色んなものを目にし、色んな出会いをしている訳であるが、多くは、目にしても見ていなかったり、心に深くとめるということをしない。或いは、それを当たり前のこととして、不思議なこと、有難きことという風には感じないで、スルーしているものである。 それは、脳が、潜在意識が、無意識に選別しているからで、目に入るもの、耳に聞こえるもの、触れるもの、そのすべてに反応していては、脳の情報処理能力の関係で、対応が遅くなり、次の適切な行動が素早くとれなくなるということを回避するための省略・割愛という自己防衛機能でもあると言える。しかし、それに流されてばかりいると大切なものを見落としたり、間違った理解をしたり、偏見にとらわれた解釈をしたり、ということが生じることになる。 時には立ち止まって、しっかりと向き合って物事、相手、対象を見る、見つめ直すということが必要。それは視点を変えて「見る」「見つめ直す」ということでもある。 そうすると、当たり前に見えていたものが、不思議なこと、そう誰にでもあることではないのだということに気づいたりもする。すると感謝の心も生まれて来るというものである。 ありがとう、という言葉は、そもそも、ざらにはないこと、有り難きこと、という意味だから、感謝の心は、その「有り難きこと」に気づくことから始まるということなんだろう。 坂村真民の詩や随筆などは読んだことがないので、よくは存じ上げないが、そうは言うものの、これを実践するのはかなり大変なことだ、などと思いつつ、ぐうたらヤカモチは墓への坂道を上る(笑)。 柱も庭も乾いてゐる 今日は好い天気だなどと中原中也の詩の一節を口ずさんだりしながら、坂道を上る。(墓参・西方向の眺め) 墓地からは、西方向の大阪平野の眺めを写真に撮ることが多いが、今日は、東方向、山側の眺めも撮って置こう。 ヤカモチさんは早速に「視点」を変えてもみました(笑)。(墓参・東方向の眺め) 坂村真民の詩にこんなのがある。 二度とない人生だから 一輪の花にも 無限の愛を そそいでゆこう 二度とない人生だから つゆくさのつゆにも めぐりあいの ふしぎを思い 足をとどめて みつめてゆこう (坂村真民「二度とない人生だから」) 墓参を済ませて、道端の花を目にはしたものの、立ち止まることもせず、従って、写真に撮ることもせず、帰宅してしまったヤカモチ。 ならばと、以前の銀輪散歩で撮った花の写真を並べてみましょう。 二度とない人生なのだから。(セイタカアワダチソウ) 最近は、セイタカアワダチソウも周囲の植物と共存して馴染んで居り、ひと頃のような我が物顔の群生は余り見かけない。彼も「めぐりあいのふしぎに、てをあわせる」ということを知ったのかも。 アベリアと共存しています。(同上) ホシアサガオも未だ咲いている。(ホシアサガオ)(同上) 小さな、極小の朝顔である。女性は「小顔」に見えたがるもののようだが、ここまで小さくなくてもいいだろう。 同じ「小顔」タイプの朝顔でマメアサガオというのもある。(マメアサガオ)(同上) こういう小さな花を見ると「ガンバレ」という気にもなる。(同上)(同上) 次は、花ではないが、ウバメガシです。 他の樫よりも葉は小型である。(ウバメガシ) ウバメガシは備長炭の材料として有名であるが、実を沢山付けていました。ウバメガシの実は、褐色に熟すと生で食べられるらしいから、一度試してみるか。(ウバメガシの実) 枝の先端では葉が輪生になるのがウバメガシの特徴。(同上) 未だ青いので食べられません。(同上)(同上) 以上は、10月29日、恩智川沿いの道で目にしたものであります。 それぞれとの「であいのふしぎ」を思い、足をとどめて、てをあわせてゆこう。 墓参から帰り、昼食を済ませてから、午後1時過ぎに中川邸を訪問。 前ページに掲載の追悼記念文集「中川先生と私」33冊を、取り敢えず恒郎女さんにお届けして置きました。 たまたま一番上のお嬢様、今日郎女さんが来て居られたので、持参のショートケーキで珈琲タイムのお喋りを少しばかりして、帰宅でありました。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011 墓参関連の過去記事はコチラ。
2022.11.05
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今日は、月例の墓参。 墓参の途中で必ず通るお寺の門前の言葉。今日はこれでした。(今日の門前の言葉) みてますよ かげながら しっていますよ がんばっている姿 天網恢恢という奴ですな。 人みながそれぞれの持ち場でがんばっている。いいことです。 怠け者ヤカモチには「みられてますよ だれかに しられていますよ なまけている姿」という文章が似合いか。 神や仏に見られていると思うことによって、人が己の行動を律するよすがとなったり、励みや慰めや支えとなって、よりよい行動へと導いてくれたりという側面が人にはあり、その面で宗教の果たす役割は大きいものがあると言える。 しかし、それは反面、人の弱さであり、その弱さにつけこんで多額の献金をさせたり、霊感商法で高額な価格で怪しげなものを売りつけるという似非宗教団体も登場して来るから、厄介なことである。(今日の墓地からの眺め) 今日の墓参の道で撮った写真は次の通り。(墓参の帰り道) 上の写真は、帰り道のもの。 正面奥の坂道を左側から上って来て、この道に入り、一つ南側の坂道に移って、その坂道を更に上って行ったところが墓地である。 門前の言葉のお寺は道の右手、奥の坂道に出る手前右の角に位置している。 左手の黒っぽい建物は、最近建てられた分譲住宅である。以前は老朽化した長屋風の賃貸住宅で、入居者もなく荒れるがままになっていたのが売却されて、買い受けた不動産会社によって、このような住宅に生まれ変わったという次第。(ナツメの実も色づいて来ました。) 民家の玄関わきのナツメの木。実が少し色づいて来ています。<参考>色づく前の写真は下記記事に掲載。 墓参・花やカボチャの 2022.8.2.(ギンナン) テニスクラブの庭先の銀杏の木にはギンナン。(ヒマワリ) そして、空高々にヒマワリの花。 夏から秋への風景。 傍らには、キバナコスモスが咲いていました。(キバナコスモス) 以上が、今日撮影の写真。 花ついでに、何日か前の銀輪散歩で撮った写真も掲載して置きます。(サルスベリ 水走公園) これは8月15日の水走公園で撮影のもの。 そして、タブノキの実。(タブノキの実)※黒くなる前の写真はコチラ。 緑色であった実も黒くなっている。これは8月6日加納緑地での撮影であるから、更に古い写真。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011 墓参関連の過去記事はコチラ。
2022.09.03
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今日は月例の墓参。 墓地は生駒山系の山の西麓の高みにあるので、坂道を上るだけで、今日のような暑い日には汗だくになるが、その分、眺望がよい。(墓地から、あべのハルカスを望む。) 左手方向遠くにはあべのハルカス。 正面近く、眼下に花園ラグビー場。(眼下に花園ラグビー場) 奥にはOBPのビル街。遠くに六甲の山々。 そして、ぐるり一望すれば、下のような眺め。(南から北へぐるりパノラマ撮影) 墓地の裏の空き地に咲いていたのはヒルガオと野菊。(ヒルガオ)(野菊、ヨメナ?) 墓参を済ませて、坂道を下る。 墓地入口近くの民家の前の畑に大きなカボチャ。(カボチャ) 少し下った、右手の民家の前にはヒマワリが、左手の民家の前にはアメリカフヨウが咲いていました。(ヒマワリ)(アメリカフヨウ) 更に下ったところ、テニスクラブの手前にムクロジの古木がある。実が鈴なりになっている。(ムクロジの実) その近くの民家の前には、最近は余り見かけることがなくなったナツメの木も実をつけていました。(ナツメの実) そして、いつもの門前の言葉の寺の前を通過するのですが、今日の門前の言葉は、先月2日の墓参の時のそれと同じであったので、撮影はせず。 往復40分ほどの朝の外出でありました。 本日の外出はこれのみ。アトは家でゴロゴロして居りました。墓参とて 朝の坂道 われ行けば 花やかぼちゃの 道にしあれり (偐家持)(本歌)行き暮れて 木の下陰を 宿とせば 花やこよひの 主ならまし (平忠度)<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011 墓参関連の過去記事はコチラ。We stand with Ukrainians.
2022.08.02
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昨日は、月例の墓参でした。 途中にあるいつもの寺の門前の言葉、今回はこれ。(門前の言葉) 自分の番 いのちのバトンーー相田みつを いのちのバトンがつながれて今の自分があり、今は自分が走る番、そしてバトンを次へとつなぐ番、ということなんでしょうが、もう走り終えた感のあるヤカモチくらいの歳になると、自分の番はもう終わっていると言うべきか。 墓参の道で、ニイニイゼミの鳴く声を耳にしました。今年初めて聞く蝉の声。ニイニイゼミも「自分の番」を務めています。 朝からもう暑い。汗、汗、汗の墓地への坂道でありました。(墓地のクスノキ) 墓地のランドマークともなっていたクスノキであるが、左半分が枯れてしまっている。まあ、かなり前からこんな状態ですから、このところの猛暑とは関係がない。(墓地からの眺め) 墓参を済ませて坂道を下り始めると、山登りの男性と出会い、山への道を尋ねられる。 坂道を上って右(南)に行き、郷土博物館の先から上る客坊谷コースを教えるが、何やら気が進まぬ風。で、坂を少し下って右(北)に山沿いの細道を辿って、枚岡梅林に至り、そこから上るというコースを教える。彼は後者のコースを選択して枚岡梅林の方向へと進んだが、どう考えても山道に入るには前者のコースの方が近い。もう少し前者の方を強く勧めるべきであったか、などと彼の後ろ姿を見送りながら思ったりもしたが、彼が決めたのであってみれば、こちらがとやかく考える筋合いのものではないのだろう。 午後は、3時頃から銀輪散歩に。途中、立ち寄った加納緑地ではアブラゼミの声。アブラゼミも「自分の番」を果たしている。 猛暑の中、木陰での小休止などを入れつつ、2時間ほどで切り上げて5時過ぎに帰宅。 さて、昨日の墓参、銀輪散歩では、目を引く花に遭遇せず、写真もないので、以前の銀輪散歩で撮ったものなどを掲載して置きます。(オリーブの赤ちゃん) はい、オリーブの実の赤ちゃんです。(同上)(同上) これくらいになると、赤ちゃんと言うより「子ども」と言うべきか。(同上) 次は、マサキの花。(マサキの花) もう少し接近してみると。(同上) マサキはニシキギ科の植物。花はニシキギのそれによく似ている。(同上)(同上) マサキの隣ではクロガネモチが小さな実をつけ始めていました。(クロガネモチの実) はい、花たちもそれぞれに「自分の番」を務めて、あるがまま。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011 墓参関連の過去記事はコチラ。We stand with Ukrainians.(STOP PUTIN STOP WAR)
2022.07.03
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今日は、銀輪散歩で見かけた花たちであります。 もう、ヤカモチも「八千種の花は移ろふ」ということで、「常磐なる松のさ枝をわれは結ばな」という年齢なのであるが、花を目にすると、ついカメラを向けてしまうのであります。 先ず、目を奪われたのがクロタネソウことニゲラであります。(ニゲラ 別名:クロタネソウ) 種が真っ黒なのでクロタネソウ。何の芸もないそのまま名前。ニゲラという名前の方がよく知られているかと思うが、これは学名Nigella。珍しく学名の方が一般的に使われている。この学名はラテン語のNiger(黒い)に由来するから、これもやはり黒い種に着目しての命名である。 黒い種と言えば「ぬばたま」であるが、これはヒオウギの種。 和歌の枕詞として「ぬばたまの」は頻出するが、黒髪や黒、夜、夕、宵、月、夢、妹などにかかる枕詞。 花の名のヒオウギ(檜扇)の方は扇状に広がる葉に着目して、宮廷人が持つ檜扇に似ていることからの命名であるから、なかなか雅な名前になっていると言える。 それに比べれば、ニゲラもクロタネソウも芸の無い名前であるが、このように打ち重なっている姿を見るのは初めてで、その流れるような様はなかなかに雅な感じがあって、素敵である。 黒と来れば、白。(シロタエギク) 白ではなく黄色ではないかと言う勿れ。 花は黄色でも葉が白いのである。 よって、シロタエギク(白妙菊)なのである。 青い花の黒い種と黄色い花の白い葉であるから、まあ、白黒つきかねてウヤムヤということに落ち着く。ぬばたまの 黒種草は 流れ咲き 白妙菊は もつれ咲くらむ (白黒家持) 記事タイトルのクロタネとシロタエのネタバレであります。 白黒つかぬは心地悪しと白い花が助太刀に。(ノラニンジンか?) 助太刀の白花はノラニンジンか。もっと洒落た名の別の花なのかも知れないが、今、思いつくのはこの野暮ったいノラニンジン(野良人参)という名前のみ。(同上) いずれが「みやび」と競っているのに、野暮の「ノラ」さんでは助太刀にもならぬと、シロタエギクはウロタエた。 白黒つかぬなら、赤と黒でどうだと割り込んだのがザクロの花。(ザクロ) 紅一点の紅とはこのザクロの花のことらしいが、紅二点が参入したので、益々ややこしくなりました。(同上) ザクロ参戦の武器は、「何やら黒い裏側をバクロするぞ」というアンフェアな脅しらしいので、益々「みやび」とは相容れない様相となり、白黒も黒赤も決着つかず。で、よくよく見れば、黒い種は「名」のみにして、青い花はあれど、始めから「黒」は今回登場していないことに皆気がついて、「何のこっちゃ」と引き上げました。 静かになったところで、豚の木ならぬタブノキの登場。 先日(6月7日)、「タブノキの実」という記事に、加納緑地のタブノキの実の写真を掲載したら、ブロ友のひろみちゃん8021さんから「加納緑地へ行かれたら、(樹木)全体の姿も撮って来てくださいね。」という宿題を頂戴した。 そこで、本日の銀輪散歩で、加納緑地に立ち寄ったついでに、木の姿を撮ってみました。(タブノキ) 逆光気味で写りがイマイチですが、中央の木がタブノキです。 「・・年深からし神さびにけり」という大伴家持の歌を添えたものだから、そして「神の宿る木」と紹介したものだから、余程に威厳のある大木とでも想像されたのではないかと推測するが、世の中、なかなかそのように予定調和という訳には参らず、実態は、このように高さ5~6m程度の未だ若い木で、タブノキ世界では駆け出しに過ぎず、誰も目にとめない目立たぬ普通の木なのでありました。 まあ、ヤカモチは、その実をアップで撮ろうとやって来たのであれば、この木の全体像が「神さびて」いようがいまいが、関係のないことなのであります。(タブノキの実)(同上) この程度なら、6月7日の記事の写真と似たようなものなので、一つ摘んで、ベンチの上に置き、接近して撮ってみました。(同上) 次は、桜の葉です。 葉桜というと、何やら「失望」が混じった言葉として使われるが、桜は花のみを見るものかはで、青葉もなかなかに美しい。 桜のような薄い葉は光に透かして撮ると味わいが出る。(桜の葉) 最後は、銀輪家持が銀輪散歩の根拠地としている花園中央公園です。(花園中央公園) 草が風になびいているだけでありました。 以上です。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011 We stand with Ukrainians.
2022.06.13
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前ページの記事にタブノキの芽の写真を掲載しましたが、わが銀輪散歩コースにある加納緑地にもタブノキがあるので、今日、花が咲いているかと立ち寄ってみましたが、花の時期は過ぎていたようで、既に実がなっていました。(タブノキの実) タブノキはクスノキの仲間らしいが、実はクスノキの実と同じような香りでした。(同上)<参考>タブノキ・Wikipedia 実は、未だ緑色でしたが、熟すとクスノキの実と同じく黒くなる。 クスノキの実よりもひと回り大きいサイズの実である。 今後しばらく、実の色の変化を追っかけてみることとします。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2022.06.07
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このところ、月に2回程度のペースで裁判所に所用があって出向いているのであるが、本日もそうでした。 裁判所なら、囲碁例会の会場である梅田スカイビルよりも近く、距離的には自宅から自転車で行くのがヤカモチ流なのであるが、裁判所へはもっぱら電車で出かけている。そんなことで、今回も電車で。まあ、本日は午前中は雨が降るかもという予報であったし、実際、地下鉄御堂筋線・淀屋橋駅で降りて、地上に上がってみると雨が降っていましたから、自転車ではなく電車が正解であったのですが、昼前にはもう雨が止んで青空になっていましたので、帰途に限れば格好の銀輪散歩日和(少し蒸し暑いことを別にすれば)であったという次第。 ということで、自宅の最寄り駅・近鉄奈良線枚岡駅で下車したあと久々に遠回りして枚岡神社から枚岡梅林を一回りして帰宅することとしました。 そこで、こんなものが建てられているのを知りました。(貞明皇太后陛下御台覧之地の碑)(同上・裏面)<参考>貞明皇后・Wikipedia 貞明皇太后とは、大正天皇の皇后(旧名九条節子)、つまり昭和天皇の母であるから、今上天皇の曾祖母ということになる。 裏面の説明文によると、昭和12年(1937年)6月14日に枚岡神社にご参拝あり、その際にこの地にお立ちになって、神武東征の昔を偲ばれたとのこと。 碑文には令和四年五月吉日とあるから、この碑は今月建立されたばかりの新しいものであるのでした。(碑の場所からの眺め) 今から85年も前のことであるから、景色は随分と異なっていて、もっと開けた眺望であったかと思うが、上の写真のような眺望をご覧になったということである。 まあ、それだけのことです。これだけでは記事ネタとしては物足りませんので、枚岡梅林の途中で見かけた花などをご紹介して、花散歩の記事とします。 まずは、この時期らしく、アジサイです。(ヤマアジサイ)(アナベル<アメリカノリノキ>) ホタルブクロもこの時期らしい花。(ホタルブクロ) そして色鮮やかなスイセンノウ。(スイセンノウ<酔仙翁>) アマリリスも咲いていましたが、大き過ぎる花は好まないのでパス。 フウセントウワタも、今が花の時期なのですね。(フウセントウワタ<風船唐綿>)(同上)(同上) サルビアは未だ蕾。(サルビアの蕾)(同上) そして、ハクチョウゲ。 これは露出を落として撮影しました。(ハクチョウゲ<白丁花>)(同上) 以上、本日見かけた花でありました。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011 <参考>墓参関連過去記事はコチラ。
2022.05.31
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今日は、月例の墓参の日。 門前の言葉の寺ですが、先月の墓参の時に見たものが掲示されたままであったので、撮らずにスルー。 墓の前にはムラサキツユクサが咲いていました。(ムラサキツユクサ)※ムラサキツユクサ属・Wikipedia 近くにはアメリカフウロも。(アメリカフウロ)※アメリカフウロ・Wikipedia(同上)(同上) ムラサキツユクサもアメリカフウロも北米原産の帰化植物。 我が家の墓周辺はアメリカに占領されかかっていますな。 そう言えば、アメリカセンダングサも道路の反対側に生えていました。 少し、墓地の奥に入ると・・。(コマツヨイグサ)※コマツヨイグサ・Wikipedia コマツヨイグサも北米原産。次のツボミオオバコも北米原産。 我が家の墓の隣に2基の墓を挟んで江戸時代・嘉永年間に建立された古い墓がありますが、嘉永というとペリー来航。 まあ、周辺に北米原産の帰化植物が多いことと、この墓とは勿論、何の関係もありません。(ツボミオオバコ)※ツボミオオバコ・Wikipedia 最近は、昔ながらのオオバコよりもこのような外来のオオバコの方が目立つ気がします。 墓参を済ませて帰ることに。 いつも西側・大阪平野側の眺めのパノラマ撮影写真を掲載しているので、今日は、東側・山側のそれを撮影してみました。(墓地からの眺め・山側) 帰りは、この山添の野道を辿って、ブラブラ花散歩です。 その道は、所々このような細い野道となっている。(山添いの細道)(ノイバラ)※ノイバラ・Wikipedia 道の辺にはノイバラが咲き匂っています。山の辺(へ)の 茨(うまら)咲く道 細道を たどりつ行かむ 墓参の帰り (偐家持)(本歌)道の辺の 茨(うまら)の末(うれ)に 這(は)ほ豆の からまる君を 別(はか)れか行かむ (丈部鳥(はせつかべのとり) 万葉集巻20-4352) 万葉集では「ウマラ」と呼ばれているが、ようやくに日本古来からの花と出会いました。(同上) 次のヤエムグラも古来からの日本の植物。 万葉集にも「八重葎」が登場する。玉敷ける 家も何せむ 八重葎(やへむぐら) おほへる小屋(をや)も 妹とし居(を)らば (万葉集巻11-2825)(ヤエムグラ)※ヤエムグラ・Wikipedia 尤も、万葉集で「八重葎」というのは、八重に繁茂した「むぐら」という意味の普通名詞で、このヤエムグラを意味する固有名詞という訳ではありません。 葎とは、ヤエムグラやカナムグラなどつるで絡む雑草が密生した状態を言い、ヤエムグラやカナムグラなどの総称と考えられています。(同上) はい、次も万葉植物。チガヤです。(チガヤ)※チガヤ・Wikipedia 石垣に貼り付くように咲いていたのはハハコグサ。 ハハコグサは、春の七草の一つ、ゴギョウ(御形)である。 古代中国または朝鮮から帰化した植物とも言われているが、もう日本の風土に馴染んでいて、日本の植物と言っていいでしょう。(ハハコグサ)※ハハコグサ・Wikipedia 今日の墓参の写真ではありませんが、花散歩ということで、最近に撮影した花の写真もついでに掲載です。 花園中央公園の池のキショウブです。(キショウブ)※キショウブ・Wikipedia(同上) キショウブは、西アジアからヨーロッパ原産の植物で、明治頃に栽培されていたものが野生化したもので、要注意外来生物に指定されていて、生態系に与える影響や侵略性の高い植物として警戒されている。(同上) このように繁茂しているところから見ても、その繁殖力の強さが見てとれるから、在来植物には脅威だろう。早晩、公園管理者によって除去される可能性が高いのではないかと思われる。(同上)(同上)(同上) 遠目には、何の花かと思ったが、近づいてみるとシャリンバイの花でありました。 シャリンバイは街路や公園ではお馴染みの木であり、チラホラと咲いている花は見ているが、このように花がいっぱい密に咲いている光景は余り目にしない。(シャリンバイ)※シャリンバイ・Wikipedia 次は、シロツメクサとニワゼキショウ。 シロツメクサはヨーロッパから、ニワゼキショウは北米からの帰化植物であるが、どちらも環境を攪乱する問題児ではないようで、うまく馴化している。(シロツメクサ)※シロツメクサ・Wikipedia(同上)(ニワゼキショウ)※ニワゼキショウ・Wikipedia(同上) 最後は、スズメノヤリ。(スズメノヤリ)※スズメノヤリ・Wikipedia 以上、墓参・花散歩でありました。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011 <参考>墓参関連過去記事はコチラ。
2022.05.02
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銀輪散歩その他で撮った花の写真で、記事に未掲載のものがかなり溜まってしまっています。撮影日時の古いものは、何処で撮ったものか記憶も曖昧になっていたりするが、この際まとめて記事アップすることとします。 先ずは、今日の銀輪散歩で見かけた花。(花園公園のサトザクラ) ソメイヨシノなどの桜が散ってしまった今、咲き匂っているのはサトザクラであります。(同上) 「花は一重なるよし・・・八重桜は異様の物なり。・・・植えずともありなん。遅桜又すさまじ。」(徒然草第139段)と兼好さんからは、散々な言われようの八重桜であるが、そんなことに頓着せず咲き匂っています。 そしてハナミズキです。こちらは一重ですが、兼好さんは何と仰いますでしょうか。(ハナミズキ)(同上) ライラックも咲いていました。(ライラック) そして、アイリスです。(アイリス) ツツジの花との競演です。(同上) 見上げると、エノキの青葉。 エノキの大木の木陰に休んでいたのでありました。(エノキ) もう青葉の季節ですね。(同上) 青葉と言えば、ケヤキですが、こんなケヤキが目に入りました。(変なケヤキ) 他のケヤキは青々とした若葉が芽吹いているのに、この木は殆ど葉が見えない。枝の先っぽだけに、緑の塊がある。 ヤドリギかと思って注目したが・・。(同上) ちょっとそれらしくもない。(同上) ズームアップしてみたが、どうやらヤドリギではなさそうだ。 この部分だけ若葉が芽吹いているというのはどういうこと?(普通のケヤキ) どうやら、ケヤキの若葉の芽吹きは、何やら塊のように見えるものであるようだから、上の変なケヤキのそれも若葉が芽吹いているということのようです。まあ、他の枝に芽吹きの兆候が全く見られないというのは何故かという疑問は解けないままであるが。 次は、珈琲休憩に立ち寄った馴染みの喫茶店・ペリカンの家の店先で目にした、クンシランとオダマキの花。(クンシラン)(オダマキ) 店主のももの郎女さんの旦那さんがユーチューブをやって居られて、そのフォロワーである男性が訪ねて来られていて、お二人で何やら楽し気に語らって居られました。<参考>youtubeペリカンの家 チャンネル登録者が間もなく1000人に届くところまで来ているので、早く1000人になって欲しいとももの郎女さんが仰っていましたので、ご紹介して置きます。お気に召せばチャンネル登録をよろしくお願いします。 そして、これは名前不明の花。(名前不明の花) 次は、先日の京都銀輪散歩で見かけたもの。(シュンラン<春蘭>) これは、京都市左京区鹿ケ谷にある泉屋博古館の庭で見かけたもの。 ピントが甘く、写りがイマイチです。(キブシ<木五倍子>の雄花) これは、哲学の道の南端を少し西に下った処で見かけたもの。 近くに寄れない立地で接近しての撮影はできず。(ヤマモモ<山桃>)(同上)(同上) これは、鴨川べりで桜に負けじと咲いていたヤマモモの花。桜花に 負けじと咲けど 山桃の 花を見る人 まづ無かるべし (偐家持) ヤマモモはやはり実をつけてこそのもの。そう言えば、ビワもこれによく似た花であるが、実にならないと人は見向いてはくれない。 地味過ぎる花が続いたので、花らしい花を。 これは何処で撮ったものやら。(ミモザ)(同上)(同上)(同上)(同上) ミモザも今はもう季節遅れとなりました。(アニソドンテア・カペンシス<アオイ科>) この舌を噛むような名前は、ヤカモチが覚えていたものではなく、ネット検索でそれと知ったものにて、覚える気にもならない名前にて候。(同上) 舌を噛みそうな名前と言えば、これもそうです。(グラプトセダム・フランチェスコ・バルディ) カタカナ名でもワックスフラワー位なら舌を噛むこともない(笑)。(ワックスフラワー)(同上)(同上) 最近はこの花も比較的よく目にするようになった。通りすがりの民家の軒先などでも見かけることがある。 ヒイラギの花はかなり前の撮影。(ヒイラギ)(同上)(同上) 以下は、多分もっと以前の撮影のものです。(ミズハコベ)(同上)(同上)(ブタナ)(タンポポの絮)(同上)(風に光る葉) ともかくも、花、植物の在庫写真は、これで記事アップ完了です。 記事アップが完了すると、PCのピクチャ・ファイルからそれらの写真を削除するというのがヤカモチ方式。 これで整理がつくというもの。そんなものを見せられる訪問者はたまったものではない? まあ、そういうことになりますが、「たまったもの」を見せられるのに「たまったものではない」とはこれ如何に(笑)。 今回の記事が丁度3000件目の記事になります。 節目の記事のよしみにて、ヤカモチ方式の蔵ざらえ記事アップもご容赦願いたく。We stand with Ukrainians.(STOP PUTIN STOP WAR)
2022.04.16
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今日は、朝のうちに月例の墓参。 途中のお寺の門前の言葉が復活していました。(門前の言葉) やり直しのきかぬ人生であるが 見直すことはできる ー金子大榮ー まあ、ヤカモチくらいの年齢になると、見直したところでどうなるものでもないので、雲の行くまま、水の流れるままに、無欲に無心に流されて行こうかと(笑)。 毎度の墓地からの眺めです。(今日の墓地からの眺め) 恩智川べりのセイヨウカラシナの黄色い帯が墓地からもよく見えましたので、ズームで撮影してみました。(恩智川のセイヨウカラシナ遠望) もう少しズームアップ。(同上) 花カテゴリの記事なので、墓参の道中で見かけた花などを掲載します。 スズメノテッポウが田圃に群れ咲いていました。(スズメノテッポウ) もっとも、セトガヤというよく似た草もあるので、それかも知れない。 スズメノテッポウとセトガヤの見分け方は過去に調べて記事にしているかと思うが、今はそれがどうであったかを思い出せないので、一応スズメノテッポウということにしています。(同上) 禾の有る無しで区別するということではなかったかというぼんやりした記憶が今思い出されましたが、これも正しい記憶かどうかは不明。 上掲の拡大して撮った写真でもノギがあるのかないのかまではよくわからないから、何ともはや、であります。 次は、クサイチゴの花。(クサイチゴ) これは、墓参の道の途中の或るお宅のお庭であるが、クサイチゴの花が一面に群れ咲いていました。こういうお庭も珍しいが、なかなかいい感じでありました。 そして、ノゲシ。 我が家の墓の近くに咲いていました。(ノゲシ)(同上・角度を変えて撮ってみました。) こちらは、自宅の前の道路向かいに咲いていたノゲシ。(同上) ツタバウンランも咲いていました。(ツタバウンラン) 花ではないが、テイカカズラの葉で赤く色づいたのがあって、ちょっと目を引いたので撮ってみたのが次の写真。(テイカカズラの赤い葉)(同上) 午後からは整体。 少し早めに出て、墓地から眺めた恩智川のセイヨウカラシナの黄色の帯に誘われて、恩智川畔の桜とセイヨウカラシナの競演を撮りに花園中央公園に向かう。(恩智川の桜とセイヨウカラシナの競演)(同上)(同上)(同上)(恩智川のセイヨウカラシナ) このように菜の花を眺めていると、毎度のことながら、まるでモンシロチョウにでもなった気分です(笑)。 前ページは京都桜三昧でありましたので、今日は、負けじと地元の桜三昧であります。 花園中央公園の桜広場です。(花園中央公園の桜) 今年も中止としましたが、コロナ前は毎年、ここで若草読書会のお花見をしていました。その中心に居られた智麻呂氏はこの2月にご逝去。 もうこの桜花を智麻呂氏がご覧になることはないのだと思うと、何とも寂しく、また悲しみがあらたになる。(同上)(同上) 以上、花園中央公園を出て、馴染みの喫茶店・ペリカンの家でアイスコーヒー休憩してから、整体へと向かいました。 こちらは、ヤカモチ宅の近所の桜です。(五条老人センターの桜) さて、桜三昧ついでに、前ページ記事に掲載できなかった、京都は東寺の桜をご紹介して置きます。(東寺・不二桜)(同上・説明板)(東寺の桜1)(同上2)(同上3・背後は大日堂)(同上4・背後は国宝・大師堂) 以上、墓参と花散歩そして(続)京都桜三昧でありました。#Ukraine #ウクライナ
2022.04.05
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今日は、京都の桜です。題して「京都桜三昧」。 順不同にアップします。 先ずは、疎水の桜。 琵琶湖疎水が鴨川に注ぐまでの間に美しい桜並木があります。(疎水の桜1)(同上2) 桜花 水面に映す 影きよみ・・であります。(同上3)(同上4)(同上5)(同上6) 目も桜色に染まるか・・。(同上7)(同上8)(同上9) 見上げても良し桜花。(泉屋博古館の庭の桜) 光雲寺の桜。(光雲寺の桜1)(同上2) 哲学の道の桜。 色々ともの思わせる桜花であります。(哲学の道の桜) 飛行機雲と桜です。 この写真は、フォト蔵に登録した筈が行方不明。従って大きいサイズの写真とのリンクが貼れません。(熊野若王子神社・飛行機雲と桜)(京都市美術館別館駐輪場の桜) 南禅寺の桜。(南禅寺の桜)(南禅寺近くの枝垂れ桜) そして、知恩院の桜です。(知恩院の桜1)(同上2) まあ、円山公園の桜も外せませんかな。 しかし、此処は人が多すぎて・・。(円山公園の桜)(同上2) 北野天満宮は梅ですが、桜も遠慮がちに咲いています。(北野天満宮の桜) 京都の桜と言えば、平野神社でしょうか。(平野神社の桜1)(同上2)(同上3)(同上4)(同上5)(同上6)(同上7)(同上8) 龍安寺の桜もいいです。(龍安寺の桜1)(同上2) そして、銀輪家持には、やはり鴨川沿いの桜が一番です。(鴨川の桜1)(同上2)(同上3) 方丈記の庵と桜。(河合神社・方丈庵と桜) 上賀茂神社の御所桜も満開。(上賀茂神社・御所桜) 桜は桜をして語らしめよ、とてヤカモチは完全手抜き。 文章の少ないのが何と言ってもよろしい。 はい、ヤカモチ風京都桜三昧でありました。
2022.04.03
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朝の雨は午後には止んで、銀輪散歩。 途中、馴染みの喫茶店「ペリカンの家」に立ち寄って珈琲休憩。 道路向かいの病院の庭の桜が満開だと店主のももの郎女さんが仰るので行ってみると、たしかにその通りでした。(満開の桜) やはり桜はいい。一気に春らしい気分になる。 隣にある別の桜の木は未だ蕾状態でしたから、これはソメイヨシノとは違う品種の桜なのかもしれない。(同上) ユキヤナギも咲いている。(ユキヤナギ) これは加納緑地のユキヤナギ。(同上) 春は「山笑う」と表現するが、生駒山も何やら笑っている感じ。(今日の生駒山) 今日は、少し肌寒いお天気でありましたが、銀輪散歩としてはこれ位が丁度よいというもの。 下掲写真は、今日の撮影ではないが、恩智川の河原ではセイヨウカラシナがこのように群れ咲いて美しい。 岸辺の桜との競演はもう少し先のようですが、間もなくでしょう。(恩智川のセイヨウカラシナ) いよいよ春本番です。 昨日までのまん延防止等重点措置も今日から解除。 ウクライナのこともあるし、浮かれていてはいけないと思うが、春めいた気分になるのは否めない。 4月からは、休会になっていた囲碁例会も再開されることとなった。 もっとも、若草読書会のお花見は、今年も中止である。 飲食を伴うお花見はご遠慮ください、という掲示が花園中央公園の桜広場に貼り出されているので、従来のようなお花見は未だできないからである。 梅の花はもう散ってしまったが、ウメノキゴケは健在。 地味なウメノキゴケでも眺めて、あまり浮かれ過ぎることのないよう自戒であります(笑)。(ウメノキゴケの一種) これはウメノキゴケの一種であるが、何というウメノキゴケなのかまでは知らない。よく見かけるウメノキゴケではある。(同上) 今日は、銀輪花散歩でありました。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011 #Ukraine #ウクライナ
2022.03.22
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今日は月例の墓参の日。朝の内にと墓参に。 梅と蝋梅の咲く坂道を登って・・。(墓参の道・梅と蝋梅の花の競演) ピンクの枝垂れ梅を左に見つつ・・。(同上・枝垂れ梅) 墓地入り口前の水仙に挨拶をして、我が家の墓に到着。 水仙の花がお好きであった故智麻呂氏のことなども思い出す。(同上・スイセン) 今日は、朝の内はよく晴れてポカポカ陽気。 坂道を登っていると暑くなって汗ばむほど。途中で上着を脱いで腰に巻き、シャツを腕まくりして行く。 春霞で、六甲の山並みや淡路島の島影などは見えない。(墓地からの眺め・ほぼ360度パノラマ撮影) 上の写真は、墓地に立って南南東から南、西、北、東、東南東へと、ほぼ360度のパノラマ撮影をした写真であるが、東付近で写真が途切れてしまったようだから、正確には300度程度のパノラマ写真かも。 墓参を済ませて、久しぶりに山添の小道を辿って、枚岡梅林へと、遠回りして帰ることとする。(枚岡梅林) 枚岡梅林はウイルス汚染で全滅、全ての梅の木が根こそぎ伐採・除去されて、梅の木のない梅林となっていたが、昨年1月から植樹が始まり、復活へと歩み始めています。 ご覧のように、背の低い若木ばかりで、未だ「梅林」の態をなすには至っていませんが、若木たちはけなげに花を咲かせています。 写真手前の紅梅は「鹿児島紅<kagoshima-ko>」という品種です。 梅林を後にして住宅街の路地を下って行くと、民家の庭の枝垂れ梅が見事に咲き匂っていました。(近所の民家の枝垂れ梅) このお宅の枝垂れ梅は、毎年見事な咲きっぷりで目を楽しませてくれるのであるが、剪定や肥料のお世話が大変だというのがこのお宅のお方の弁であります。さもありなん。 そして、白梅。 こちらも、いい雰囲気。もう、盛んに散っています。 ヤカモチは白梅の方が好みであります。(同上・白梅) 帰宅して昼食を済ませ、午後からは、銀輪散歩。 途中、ペリカンの家で珈琲休憩してから、ちょっとした買い物を済ませて、花園中央公園へ。 多目的広場にあるドッグラン。今日は比較的閑散としている。(花園中央公園のドッグラン) 犬はさて置き、冬の間、姿をみかけなくなっていた猫たちも、春の陽気に誘われて姿を見せるようになっていました。 今日、見かけた猫は二匹。どちらも初対面かも。 馴染みの「たそがれ清兵衛一家」の猫たちには、長らく逢っていない。 元気にしているのだろうか。(花園中央公園の猫・ハナゾノケのニケ<Nike>♂) この白猫は、後肢付け根付近の模様がナイキのマークに似ているので、ニケと名付けることにしました。 写真では分かりにくいですが、右の耳がカットされているので、オス猫であります。ニケというのは勝利の女神なので、オス猫には相応しくない名前かもしれませんが、そんニャことはニャンとも思わニャいのだ、と彼が言うので、ニケとした次第。 サモトラケのニケの向こうを張って、ハナゾノケのニケとします。(同上・ウォーリア<Worrier>♂) こちらの猫は、通りかかったご婦人からキャットフードを貰って食べていましたが、ヤカモチをしきりに警戒する風で、食べ終わるとそそくさとネットフェンスの向こう側に潜り込み、此方を窺っている感じ。 ということで、ウォーリアと命名することに。 ウォーリアには迷惑な人、悩ます人というような意味もあるようですが、ここでは、取り越し苦労をする人(猫)、苦労性・心配性の人(猫)というような意味である。 Don’t worry. 守ってあげる。 と言ってるのだが、信用できニャいらしい(笑)。(STOP PUTIN STOP WAR)<参考>過去の猫関連記事はコチラ。<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2021 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2022.03.04
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オミクロン株によるコロナ感染爆発で、何となく出不精に。 そんなこともあってか、ブログネタもこれと言ってなく、記事更新も怠りがちになっています。 記事なしの日数を重ね過ぎるのもいかがなものかという訳で、この時期なら梅の花でもという、まことに安易な記事更新であります。(梅)コロナ禍を 障(つつ)み隠(こも)りて 梅の花 ひとりし見れば 春日(はるひ)悲しも (偐家持)(本歌)春されば まづ咲く宿の 梅の花 独り見つつや 春日(はるひ)暮らさむ (山上憶良 万葉集巻5-818)(同上) 梅の花に因んだ和歌や俳句を写真と共に掲載している過去記事も結構あるので、それらの記事リンクを貼ることで、記事にしようという省エネ記事であります。〇枚岡梅林 2010.2.22.〇梅の花咲き始めにけり枚岡の・・ 2013.2.21.〇墓参・梅と水仙 2013.3.2.〇梅の花咲きてぞ春は 2014.2.9.〇太宰府銀輪散歩(1)・わが園に梅の花散る 2015.1.13.<参考>花関連の過去記事 花(5)・2022~ 花(4)・2020.4.~2022 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2022.02.07
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今日は月例の墓参。 月例の墓参と言っても、1月は、前年末近くに墓参をする関係で、月初の墓参はしないので、2月の墓参がその年最初の墓参ということになる。 墓地は、生駒山系の山裾の高みにあるので、長い坂道を登らなくてはならない。 坂道にさしかかるとほのかに漂う花の香。 見上げるとロウバイである。 この時期のわが墓参の道は、蝋梅の咲きよそひたる道である。(ロウバイ)蝋梅の 咲きよそひたる 坂道を 行くが墓参の わが始めなり (偐家持) (同上) 隣には、梅の花も咲いていましたが、蝋梅に負けて狼狽気味。(梅) 墓参の道も、古い家が取り壊されて、新しい家が建つなど景色が様変わりしつつあります。 ムクロジの大木も枝うち払われて様変わり。 坂を上りきって墓地に到着。 墓地からの眺めです。 坂のの上の雲ならぬ、あべのハルカスの上の雲であります。(墓地からの眺め)海亀が 二匹空から 泳ぎ来と 雲を見つつの 墓参の帰り (偐家持)(同上 左端の背の高いビルが、あべのハルカス) 帰り道の池の土手に咲いていたのはスイセン。(スイセン) 蝋梅、梅、水仙。春を告げる花たちを見つつの墓参道。 2月3日が節分、同4日が立春。 暦の上の春はもうお隣まで来ていることを花たちは告げている。道の辺の 水仙の花 咲きにけり わが待つ春の 近づくらしも (偐家持)(本歌)野辺見れば 撫子の花 咲きにけり わが待つ秋は 近づくらしも (万葉集巻10-1972)<参考>墓参関連の過去記事はコチラ。
2022.02.01
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前ページの邂逅展の記事で触れた実の話です。 前庭の木にこんな実がいくつかなっていました。(この実なんの実) 何の実だろうと写真に撮りましたが、初めて目にする実にて、名前が分からない。 喫茶店の女性に庭まで出て来ていただいて、何の実かとお尋ねすると、「マメガキ(豆柿)だと聞いています。」との答え。 豆柿は、以前、5人組ウオークで木津方面を歩いた折に柿農家の庭先になっていたのを目にしているので、どうもそれとは違うな、という気がしたが、品種によってはこのようなのもあるのかも、ということで納得し、帰宅してから調べてみることとしました。(参考)豆柿の写真掲載の記事は下記です。 ※ー線部分は洒落ではありません(笑)。 夕々の会・葡萄柿 2017.11.18. 調べてみると、豆柿ではなく、ヒメガキ(姫柿)だと分かりました。 豆柿は別名を葡萄柿とも言うが、それに倣うなら姫柿は苺柿である。 カキノキ科カキノキ属ですから、柿には違いないようです。 別名というか、本来の名というか、そういうのがあって、それはロウヤガキ(老鴉柿、老爺柿)というのだそうな。ツクバネガキ(衝羽根柿)という別名を上げているサイトもありました。 中国浙江省原産の雌雄異株の植物で、結実するためには、雌株と雄株が近くにないといけないのだそうです。英語名はChinese persimmonというらしい。 もともとは浙江省の山奥に自生していてロウヤガキと呼ばれていたらしいから、本来の名はロウヤガキと言うべきかもしれない。 日本には、第二次大戦中に京都府立植物園の初代園長であった菊地秋雄氏によって持ち込まれたとのこと。 また、1985年に山口安久という人が中国からこの柿を導入し、観賞用園芸植物として、様々な新品種に改良して、多数の商品名(ブランド名)で売り出したことで、姫柿が普及したようです。 赤頭巾、赤とんぼ、朱筆、秋茜、吾妻紅など沢山の名が姫柿の品種としてそれぞれの写真と共に列挙されているサイトもありましたが、割愛です。 いずれにせよ、爺柿と姫柿とではイメージがまるで違う。 爺柿から姫柿という名になったのは、この植物にとって幸運なことであったと言うべきだろう。 まあ、上の写真の姿から言っても、爺柿よりも姫柿の方がこの実には似合いの名前ではある。それに、観賞用の実なら猶更で、お爺様よりお姫様がいいに決まっている。 隣では、割れザクロが大口を開けて大笑いしていましたので、ついでにこれも掲載です。 それにしても笑い過ぎ。こいつは、爺石榴かも知れない(笑)。(ザクロ)大口を 開けてな笑ひそ 過ぎたらば 爺といへども 容赦はせぬぞ (婆柿)(参考)花関連の過去記事は下記です。 花(4)・2020.4.~ 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2022.01.07
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昨日(19日)、今日(20日)、花園中央公園、水走公園、加納緑地など銀輪散歩で立ち寄った公園の紅葉もようやく見頃になって来ました。 ということで、最近の銀輪散歩で撮った、紅葉の写真でも並べてみることとします。 友人・岬麻呂氏の旅先での見事な紅葉の写真には及びませんが、わが地元の紅葉も、そう捨てたものではないかと(笑)。 先ずは、花園中央公園の桜の紅葉から。(花園中央公園の桜の紅葉) 桜は、春には花で、秋には紅葉する葉で、我々をもてなしてくれる。 下は桜広場の桜の紅葉。(同上・桜広場) ここは、春にはお花見で賑わう場所。 我々の若草読書会も毎年ここでお花見をする。 しかし、そのお花見も昨年・今年と2年連続で中止となっている。来春は開催できるようであって欲しいものである。<参考>花園中央公園の桜の季節の写真はコチラ。(同上・レクレーション広場前の林の中) 桜広場の北側がレクレーション広場。 緩やかな斜面の芝生の広場がひろがっていて、奥にメタセコイアの木々がそびえる。上の写真、右端にギターを弾く男性の姿が写っているが、彼が坐っている石のベンチがヤカモチもお気に入りで、彼とは反対向きに坐って、小さな人工の小川越しにレクレーション広場とその奥のメタセコイアの林立する景色を眺めるのが好きである。<参考>メタセコイアの林の写真はコチラ。 この日は、地元の中学生の集団だろうか、何人かの塊がレクレーション広場のあちこちに幾つもできていて、お弁当を広げていました。 レクレーション広場の北側はメタセコイアの林を隔ててわんぱく広場になっている。砂場を中心とした石の構造物が設置してあって、子どもが遊べる空間になっていたのが、わんぱく広場という名の由来なんだろうと思うが、今はすべて撤去されて、芝生の広場となっている。最近、その南半分か三分の一ほどのエリアを使って予約有料制のBBQサイトが設置された。既に稼働しているようで、チラホラ利用している人たちの姿も見かける。<参考>花園中央公園案内図はコチラ。(同上・南入口付近) 上は、公園の南側入り口付近の写真。 この道の奥、信号機のある手前の位置に、恩智川が右(南)から左(北)へと流れている。 桜の紅葉も、木の下から眺めると、より美しく見える。 花園中央公園のものではなく、1ヶ月ほど前の銀輪散歩で撮った写真であるが、ついでに掲載して置きます。(桜の紅葉)(同上・下から見上げると) 次は、加納緑地の桜の紅葉。(加納緑地の桜の紅葉・恩智川沿い南方向の眺め)(同・恩智川沿い北方向の眺め) 上2枚の写真は、今月4日の銀輪散歩の折のものである。 加納緑地は、東大阪市の北端にある公園。 少し北に行くと隣の大東市である。 下は、昨日(19日)の撮影です。 あずま屋で休憩している時に撮ったものだが、桜、欅、メタセコイアなどが紅葉して、黄色が折り重なる世界である。 しきりに落ち葉が降っている。 それが音もなくふわりと枯れ葉降り積む地面に舞い落ちる。 そうではなく、舗装された固い地面に落ちたりするとカサッとかポトリといった感じのかすかな音を立てる。 人工の大きな音は、耳が拒絶反応を起こすのか、聞くまいという本能が働き、その音から距離を取ろうとして耳を塞ぐような心理になるのに対して、あるかなきかの自然が立てるかすかな音は、逆にそれを聞き取ろうという本能が働くようで、そのかすかな音に知らず耳をすましている自分に気が付いて苦笑である。(同上・桜、欅、メタセコイアなどの紅葉) そんな折も折、友人の蝶麻呂氏から電話が入った。 五人組ウオークもこのところ休止しているが、蝶の季節も終わり、そろそろ人恋しき気分に彼もなったということであるか(笑)。 京都か何処か紅葉散歩に出かけないかというお誘い。 こちらに異存はなく、即OK。今月終わり頃実施を目途に日程調整をした上で、追って連絡するとのこと。 この写真を撮ったあずま屋の写真と奥のメタセコイアの紅葉の写真を今日(20日)の銀輪散歩で撮りましたので、以下に掲載して置きます。(加納緑地のあずま屋)(加納緑地のメタセコイア) 水走公園に移動。 この公園は、桜猫のアオメがその本拠地としている公園。 この日も、彼にはお目にかかったが、今回の記事は「花」カテゴリであるから、割愛です。(水走公園のトウカエデの紅葉とクロガネモチ) ここでは、トウカエデが美しく紅葉していました。 傍らのクロガネモチも実を真っ赤にして美しく。(クロガネモチ) 水走公園は、この藤棚の下のベンチがヤカモチの休憩場所となることが多いのであるが、これを写真に撮ったことは、これまでなかったように思うので、今日(20日)の銀輪散歩で、撮って来ました。(水走公園の藤棚) さて、もう一つの近隣公園・加納北公園に今日(20日)立ち寄ってみましたが、ここでは、ナンキンハゼの紅葉が美しくありました。 撮影しようとカメラを構えたら、生憎と公園管理の作業車両がそのナンキンハゼの木のそばに移動してきて停車してしまいました。 オーマイガー! 仕方がないので、アングルを上げて撮影。 写真右下隅に写っている緑色のものは、そのトラックの運転台の屋根部分です。(加納北公園のナンキンハゼ) 上のナンキンハゼの木のある場所とは反対側になる公園北東隅の桜の木からそのナンキンハゼの木のある方向に向かって撮った写真が、下掲の写真です。このサイズの写真では分かりづらいですが、写真をクリックしてフォト蔵の大きいサイズの写真で見ると、そのトラックが写っています。キャッチボールをしている人物の右後方に、ナンキンハゼの木と車両が見てとれるかと思います。(同上・桜の紅葉) ナンキンハゼについては、実の外殻が弾けて、中の白い蝋質の実が見えているものも見てとれましたが、うまく撮影できず、諦めました。 次は、今月13日に撮影の写真です。(エゴノキの花) 「花」カテゴリの記事なので、花園中央公園のエゴノキの花を最後に添えて置こうという次第。 前掲の写真「同上・レクレーション広場前の林の中」のギターを弾く男性の近くに植わっているのがエゴノキ。 エゴノキの花は5~6月頃に咲く花であるから、今の時期に咲くのは季節外れ、ときじくの花ということになる。(同上) 万葉に登場する「知佐の花」は、このエゴノキの花とされる。凍て蝶の ごとに咲けるか ちさの花 遅れて秋に 何か思はむ (偐蝶丸) 知佐の花が詠まれているのは、万葉集巻18-4106番の大伴家持の長歌である。 この長歌の全文とこの木の花の盛りの時期の写真や実が沢山なっている写真は、下記<参考>の記事に掲載しています。ご興味のあるお方はご覧下さい。 歌の現代語訳などは、後者の2013年の記事に詳しく記述しています。<参考>エゴノキ(ちさ)の花が咲いた。 2008.5.6. チサの実のさはにぞなれる 2013.10.24.
2021.11.20
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義を見てせざるは勇無きなり。 ご隠居ヤカモチとなって以来、この言葉に当てはまるような状況に直面することは先ず無いヤカモチ。実を見て撮らざるは情無きなり。 このように言い換えれば、銀輪散歩・銀輪徘徊の場面でのヤカモチにも当てはまる言葉となるかもしれない。 この季節、実を見ると自ずからに情趣おぼえてカメラ向け、これを写真に撮るというヤカモチであります。 そんなことで、実の写真もかなり溜まっている。 ということで、実はあるが実のない話、或いは「身も蓋もない」実の話となってしまうことを予感しつつの、実の記事であります。 先ずは、ヤナギバシャリントウ。(ヤナギバシャリントウ) 中国原産の植物。バラ科シャリントウ属。 学名:Cotoneaster salicifolius 道に沿った土手の斜面を覆うように横に広がっていた背の低い木。 赤い実が生っていたが、何という名の木なのかわからなかった。 ネットで色々調べてみて、ヤナギバシャリントウ(柳葉車輪桃)という植物であることを知った。(同上) 「改良された園芸品種、オータム・ファイアーは地面を這う性質を持ち、都市緑化に利用される。」とあり、この木も地を這うように横に広がっているから、そのオータムファイアーであるのかもしれない。(同上)<参考>ヤナギバシャリントウ・松江の花図鑑 小さな赤い実が日に照らされて美しい。秋の日の 傾く時に いざ行かな 車輪桃(しゃりんたう)の実の 赤く照る見む (銀輪家持)(本歌)この雪の 消残(けのこ)る時に いざ行かな 山(やま)橘(たちばな)の 実の照るも見む (大伴家持 万葉集巻19-4226) 次も赤い実。(カマツカ<鎌柄>の実) この木も当初、名前不明であったが、ネット検索でカマツカの実であることが判明。 バラ科カマツカ属。 カマツカ(鎌柄)という名称は、その材を鎌の柄に用いたことによる。 別名、ウシゴロシ(牛殺し)などという穏やかならざる名前。 学名、Pourthiaea villosa(同上)われはもや 鎌柄見たり 皆人の 見過ぐし行ける 鎌柄見たり (藤原鎌柄)(本歌)われはもや 安見児得たり 皆人の 得がてにすとふ 安見児得たり (藤原鎌足 万葉集巻2-95) カマツカ(鎌柄)とカマタリ(鎌足)とで遊んでみた戯れ歌です。 鎌足はカタマリとかカマボコとか遊びやすい名前である(笑)。 次も、赤い実でヒメリンゴ。 正式な和名はイヌリンゴと言うようだ。(イヌリンゴ 別名ヒメリンゴ)<参考>イヌリンゴ・Wikipedia 昨年の秋にもこの実を見ていて、ヒメリンゴのようだと思ったのだが、確信が持てず、不明としていたが、やはりヒメリンゴだろうというのが今回の結論。 サクランボくらいの小さな実。齧ってみたら、酸っぱいリンゴの味。 勿論、美味しくはない。しかし、ヒメリンゴと結論付けるには十分な味でありました。 バラ科リンゴ属のイヌリンゴ。別名、ヒメリンゴ。 学名:Malus prunifolia犬とあらば かじらなくあり 姫林檎 姫とありこそ かじりもぞする (犬家持)姫とありて 齧りみたるも 食へる実に あらずありけり 犬なる林檎 (猿家持) イヌとかサルとかヘビとかが名に付されていると、齧るのもいささか躊躇されるが、ヒメと付いているとちょっと齧ってもみるかという気になるから、面白い。 名前による印象で、人の行動も左右されるようであります。(同上) さて、赤い実が続き、目が充血してしまったかもしれないお方の「箸休め」ならぬ「目休め」にこんな実のような花はどうでしょうか。(ヒマラヤスギの雄花)<参考>ヒマラヤスギ・Wikipedia マツ科ヒマラヤスギ属の常緑針葉樹。 学名:Cedrus deodara 当初、実かと思ったが、そうではなく、これは雄花の蕾のようです。 ヒマラヤスギの花期は10月~11月だそうだから、季節的にも合致する。 花ではなく実であったとしても、さすがのヤカモチもこれを齧ってみようとは思わない。 ヒマラヤスギではなくヒメラヤスギという名であっても、同じである。 雄花は熟すと茶色になって開き、黄色の花粉を風に飛散させ、やがてポトリと落下する。 この木はヒンドゥー教では聖なる木とされているようだが、白っぽい薄緑色の雄花が幾つも並んでいる姿は、物静かで、何か爽やかな感じがする。ヒマラヤの 杉の雄花の 涼しかり 音無く風に 少し揺れける (杉家持)(同上) 再び、実の話に戻りましょう。 カリンの実です。(カリン<花梨>の実)<参考>カリン・Wikipedia これはお馴染みのカリン。その名を調べるまでもない。 バラ科カリン属の落葉高木。 学名:Pseudocydonia sinensis 果実は何やら間の抜けた顔立ちであるが、花は可愛い顔をしている。それ花は 可憐なれども 花梨の実 何処吹く風の 間抜け面して (実家持) 次は、クロガネモチの実。(クロガネモチ)<参考>クロガネモチ・Wikipedia モチノキ科モチノキ属の常緑中高木、クロガネモチ。 黒金餅、黒鉄黐が漢字表記。 別名、フクラシバ、フクラモチ。 学名:Ilex rotunda 庭木としてもよく植えられているが、それはクロガネモチが金持ちに通じるからだそうな。しかし、クロガネモチであってオオガネモチではないのだから、大金持ちになれるという訳ではない。熟して赤くなった実を沢山つけている姿は美しいものがあるから、それが愛されて庭木としての人気があるのでしょう。 写真の実は10月15日撮影のもので、まだ赤く熟する前の実であるが、今は濃い赤色になっていることだろう。先月の クロガネモチの 実のごとや まだ色浅き ヤカモチわれは (白金持)(同上) クロガネモチつながりで、次は黒い実。 同じ、モチノキの仲間では、ネズミモチは黒い実である。ネズミモチの写真は、過去記事の何処かに掲載されていると思うが、手許のブログ未掲載写真の中にそれはないので、クスノキの実の写真にします。(クスノキの実)<参考>クスノキ・Wikipedia クスノキ科ニッケイ属の常緑高木、クスノキ。別名、クス。 漢字表記は、楠または樟。 尤も、中国では、クスノキは樟で、楠は、タブノキのことだという。 学名:cinnamomum camphora アボカド、ニッケイ(シナモン)、タブノキなどはクスノキの近縁種。 近縁種のタブノキは、万葉では「つまま(都万麻)」と呼ばれて万葉植物の一角を張っているが、クスノキは登場しない。クスノキの 実の黒づけば 吹く風も 秋深からし 葉陰(はかげ)にそよぐ (偐樟持)(本歌)磯の上の 都万麻(つまま)を見れば 根を延(は)へて 年深からし 神(かむ)さびにけり (大伴家持 万葉集巻19-4159)(同上) 次はランタナの実。ランタナの実も黒い実である。(ランタナの実) 黒い実というのは美味しそうに見えない。 黒い実の植物は、実を小鳥に食べてもらって、種子を遠くへ運んでもらうということを期待していないのではないかと思ったりもしたが、そうでもないようで、鳥はこのような黒い実も食べるようです。 ランタナの種子にはランタニンという有毒成分が含まれているらしい。 しかし、鳥は実を丸呑みするだけで噛むということをしないから、問題ないが、哺乳類などは嚙み砕くので、危険と説明しているものもあれば、種子だけでなく実にも有毒成分があると説明するものや、その毒性は大したものではなくこれを摂取した殆どの人は無症状であり、一部の人に嘔吐の症状が出ただけなどと説明しているものもあったりで、よくはわからない。 まあ、ヤカモチもランタナの実は齧らないようにしよう(笑)。 勿論、丸呑みするということもしませんが。(ランタナの実)<参考>ランタナ・Wikipedia クマツヅラ科ランタナ属の常緑小低木。ランタナ。 和名は、シチヘンゲ(七変化)。 学名:Lantana camara 中南米原産。(同上) 黒い実と言えば、黒い実であるが、クスノキの実の黒とは違って、ランタナの実は、暗紫色と言うか、やや青味がかっているようです。ランタナの その実な食ひそ 毒ありと 言へる人あり 虚実知らねど (曲家持)
2021.11.14
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今日は月例の墓参。 墓参の道で見かけた「小さな秋」が、今日の記事のテーマ。(ツタ) 壁を這う蔦にも小さな秋。 ちょっとピントの甘い写真になったが、小さいことには拘らない。(石垣とツタとテイカカズラ) 石垣のテイカカズラも色づいて・・。石垣も 秋になるらし 網目なす テイカカズラの 色づきにけり (偐定家)(本歌)み山には あられ降るらし 山となる まさきのかづら 色づきにけり (古今集巻20-1077) 万葉集では、「延ふつたの」という「別れ」にかかる枕詞があるが、この「つた」はテイカカズラのこととされている。(注)「延ふつたの」が使われている歌は下記の通り。 万葉集巻2-13、同巻9-1804、同巻13-3291、同巻17-3991、同巻19-4220 また、下記万葉歌にある「石綱(いはつな)」もテイカカズラのこととされている。石つなの またをち返り あをによし 奈良の都を またも見むかも (万葉集巻6-1046) ツタという名は、岩や木をツタって成長することに由来するというから、ツル性植物ならみな「ツタ」となり得た可能性があったことになる。 ということで、今、我々が「ツタ」と呼んでいる植物と万葉の「つた」とは、別の植物という次第。 刈り取りの終わった田んぼでは、藁束が所在無げに日向ぼっこ。 蜘蛛の巣は揺れて、朝日に輝いている。(藁束のひなたぼっこ) すすきも風にそよいでいる。今日はいい天気です。(ススキ) こちらでは、ススキとセイタカアワダチソウが仲良くしています。(ススキとセイタカアワダチソウ) かつては猛烈な勢いで野を席巻した、外来のセイタカアワダチソウであるが、ススキを追いやり駆逐してしまうかと思われたのも昔の話で、今はすっかりおとなしくなって、ススキとも仲良くしているようです。(セイタカアワダチソウ) 墓地に生えているセイタカアワダチソウ。秋空を 突き刺している 泡立ち草 (筆蕪蕉) まだ引き抜かれもせずに、元気に秋の空を見上げてもいる。 かたわらでは、六地蔵のやわらかなまなざしを、朝日が静かに照らしている。 そして、少し離れた場所では、先月のままにケイトウが咲き続けているのでありました。(ケイトウ) 山裾の高みにある墓地からは、大阪平野が一望であるが、ズームアップして、花園ラグビー場を撮ってみました。 手前のドームのある建物はプラネタリウムのあるドリーム21の建物。(花園ラグビー場遠望) 望遠レンズで撮ると距離感が無くなって、奥の大阪市内のビル群がとても近くにあるように見える。 右端に写っている茶色の高いビルは東大阪市庁舎。花園ラグビー場からは直線距離で西北西4km余離れているのだが、写真ではそうは見えない。 今日は我のほか、墓参をする人の影は誰とてもなく、静かな晩秋の朝なのでありました。<参考>墓参関連の過去記事はコチラ。
2021.11.02
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銀輪散歩で撮影した木や実の写真がいくつか残っているので、今日も花の無い、実のある「花散歩」の記事とします。 秋はやはり柿でしょうか。 銀輪の道の辺に大きな柿の木があったので、その木陰に立って見上げると、いくつかの柿がなっていました。(柿) 実の形から渋柿だろうと見ましたが、沢山なっている。 柿の木の下に立つヤカモチ。見上げつつ 実のなる柿の 木の下(もと)に 立てばわれはも 人麻呂なるや (柿本家持)(同上) 渋柿も熟すと甘くなったりするが、ヤカモチは熟柿は好きではない。 鳥たちに残して置こう。 と言っても、我が柿にあらねば、余計なお世話であるか。(同上) 柿の木の隣にはこれまた大きな栗の木。 大きな柿の木の下の歌はないが、大きな栗の木の下の歌はある。(栗) 最初はクヌギの木かと思ったが、ドングリは見当たらず、高枝にひとつだけ栗の実が残っていたので、栗の木であることに気がついた。 栗の木の下にはイガグリが落ちているものだが、木の下周辺は落ち葉も少なくなっているから、清掃されたばかりで、イガグリなども綺麗に片づけられたのだろう。銀輪の 秋も深みか 栗の実の ひとつ残りて 弾けたる見ゆ (銀輪栗持)(同上) 肉眼による遠目では分からなかったが、カメラを通すと、ご覧のように栗の実がイガの中でひっくり返りそうになっている。 強い風が吹けば、中の実だけがポトリと下に落ちて来そうであったが、そんな当てのない風を待っても、栗の実ひとつではその価値もなく、首が疲れるだけのことである。 栗のイガの中には栗の実が3個入っているのが普通。 「中」「那珂」などの枕詞に「三つ栗の」が使われる由縁である。 一方、樫の実は、一個の笠に一個の実があるだけなので、「橿の実の」或いは「樫の実の」という言葉は、「一つ」や「一人」の枕詞となっている。 次の実は食用にはならないヒノキの実。(ヒノキの実)(同上) 実は、食用にはならぬが、木は建材や船材や屋根葺き材などとして、その利用価値は高い。 ヒノキの「ヒ」は「火」であるとも「産霊(ムスヒ)」の「ヒ」であるとも言われる。古代に於いては、ヒノキは神聖な木の代表格であり、その霊力が家や船や屋根を守ると考えられたのであろう。いにしへに ありけむ人の 真似ごとと 実のなる檜枝(ひえだ) 插頭(かざし)にせむか (柿本人真似)(本歌)いにしへに ありけむ人も わがごとか 三輪の檜原(ひはら)に 插頭(かざし)折りけむ (柿本人麻呂歌集 万葉集巻7-1118) そんなことで、人麻呂さんも檜の枝を折り取って、髪に刺して旅の無事を祈ったのであろうが、銀輪家持は「ちょっと思ってみただけ」にて、枝を折ったりはしなかったのでありました(笑)。(ヒノキ) 人麻呂の人真似ついでに、もう1首。隈笹(くまざさ)の 垣もしみみに 生(お)ふる葉の しみみにわれは 妹をしそ思ふ (柿本人真似)(本歌)小竹(ささ)の葉は み山もさやに 乱(さや)げども 吾は妹思ふ 別れ来ぬれば (柿本人麻呂 万葉集巻2-133)(クマザサ) いつの頃かまでは熊笹と思っていたが、葉に白い隈取りがあることからの命名なので、隈笹が正しく「熊笹」というのは誤用とのこと。(ツバキの実) そして、ツバキの実は静かに弾けて割れようとしていますが・・。(同上)椿の実 弾け割れむと すなれども 風吹かざるか 波立たじかも (椿家持)秋山の 椿の森に 実は割れて さらにしひらく 未来のいかに (椿家持)つばらかに 暮らせと今日は 椿の実 静かに割れて 我に語らく (椿家持) 今日は以上です。<参考>花関連の過去記事 花(4)・2020.4.~ 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2021.10.31
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今日は、銀輪花散歩であります。 オオムラサキとコムラサキと言えば蝶であるが、ムラサキシキブとコムラサキと言えば植物である。 で、先ずはそのコムラサキから。(コムラサキ) ムラサキシキブより樹高も葉のサイズも実の房も小振りで、枝垂れてこじんまりと上品なのがコムラサキ。 これに対してムラサキシキブは枝垂れず、野趣ある風にて、ヤカモチ的にはコムラサキよりも好ましく思われるのであります。 紫式部の娘・藤原賢子はその夫の地位などから、大弐三位などと大層な名で呼ばれていて、小紫などとは呼ばれないが、植物の方は、コムラサキという名で呼ばれる。秋の庭 枝垂れ実をなす 小紫 いでそよその名 忘れやはする (小紫式部)(本歌)ありま山 猪名の笹原 風ふけば いでそよ人を 忘れやはする (大弐三位 後拾遺集709、小倉百人一首58)(同上) しかし、今日はコムラサキの上品さを愛でることにしよう。 そして、実の白いのもありました。 コムラサキの白品種で、名はコムラサキで変わりがないのかと思ったら、シロシキブという名であるらしい。(シロシキブ) まあ、実が紫色でムラサキシキブ、コムラサキであるから、実が白ければシロシキブで、至極まっとうな命名であるが、イズミシキブ(和泉式部)などと洒落てみて欲しかった気もしないではない。 和泉式部も紫式部と同じく中宮彰子に仕えた女官であるが、その娘は小式部内侍と呼ばれる。銀輪を 駆けゆく道の 道の辺に 枝垂れ真白き シロシキブ見ゆ (小白式部)(本歌)大江山 いく野の道の とほければ まだふみもみず 天の橋立 (小式部内侍 金葉集586 小倉百人一首60)(同上) シロシキブはコムラサキほどには好まれないのか、コムラサキほどには見かけない。それ故かヤカモチにはシロシキブの方が好ましく見える。(同上) では、もう少しじっくりと眺めてみよう。道の辺の シロシキブの実 つばらに見む 撮りてブログの 記事となすため (老家持)(本歌)難波潟 潮干のなごり つばらに見む 家なる妹が 待ち問はむため (神社忌寸老麻呂 万葉集巻6-976)(同上) 白い実をとり上げたら、赤い実もとり上げなくては平仄を欠くだろう。(サネカズラ) サネカズラは、カズラという名が示すように、蔓性植物。 このように、もじゃもじゃと生い茂っている。高木があれば、それに絡みついて勢力を伸ばすという点ではフジと同じ。(同上) サネカズラは、万葉ではサネカズラともサナカズラともいうがサナカズラという例の方が多いようです。 藤原鎌足が鏡王女を口説いた歌「玉くしげ見むまど山のさなかづらさ寝ずはつひにありかつましじ」(万葉集巻10-2296)という、何とも身も蓋もないストレートな歌があるが、サナとサネの音の類似から「さ寝」という恋人との共寝に通じる植物であったり、つるが枝分かれして伸びてゆき、先でまた出会って絡み合ったりすることから、「後にも逢おう」という意味が込められた植物であったりしたのである。(同上) フジと違って、マメ科ではないので、このような美しい赤い実がなります。別名ビナンカズラ(美男葛)と呼ばれるのも頷ける。(同上) こちらは、赤く熟す前のサネカズラの実。 まだ美男葛にはなり得ていないサネカズラであります。(同上) 赤ついでに、これも。(アカマツ) アカマツと言えば、秋の香、松茸であるが、この松の周囲には菌床はありそうもないから、アカン松でありました。 それでもなかなか立派な佇まいの松でありました。松茸の 有無な尋ひそね 高々に 一つ松なり 赤松われは (松家持) 以上、紫、白、赤と、色それぞれの秋でありました。<参考>花関連の過去記事 花(4)・2020.4.~ 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2021.10.30
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ブロ友の龍の森氏、偐万葉シリーズ記事では、龍森麻呂とお呼びしていますが、同氏の最近のブログ記事で、ドングリ(クヌギの実)を食べてみようと奮闘努力の様子をご紹介されています。 それに触発された訳ではありませんが、フジの実ならもっと手軽に食べられるのではないかと思い、ネットで検索してみると、試されたお方が居られるようで、ソラマメのようにホクホクした味であったなどと紹介されていました。 そんなことで、銀輪散歩の途中で見かけた藤棚に実がたわわになっていたのを一つ失敬して、豆莢を割ってみました。(藤棚のフジの実) 天皇家との姻戚関係を結ぶことによって氏族の勢力を伸ばし、その安泰、繁栄を期すというのは、古代氏族の当たり前の行動であるが、その成功例の最たるものが藤原氏である。 何かに絡み付いて成長する蔓性植物のフジ。天皇家にまとわりつき、これをからめとって、権力を手中にし、それを維持し続けた藤原氏には、いかにも似合いの植物である。 仁徳天皇の皇后・磐之媛は葛城氏の出自。葛城氏も一時はそのような地位にあった。平群氏や蘇我氏も同様。しかし、千年以上もの長きに渡り、その地位を維持し続けた藤原氏に比べればものの数ではない。 葛も蔓性植物。巨木に絡みついている葛と藤。この両者が相互に絡み付くと何が何やら分からない壮絶な眺め。「葛藤」などという言葉がある由縁だろう。植物世界では両者はいい勝負かもしれないが、歴史上は藤が葛を圧倒しているから「藤葛」と言うのが適切か。しかし、それなら勝負は決まったも同然だから、「葛藤する」までもないということで、意味が逆になってしまうか。やはり「葛藤」でいいのか(笑)。 はい、氏族繁栄を象徴するかのように、実と言うか、豆と言うか、たわわになっています。 見ようによっては、美しい眺めでもあります。(同上) こんなに沢山なら、一つくらいはいいだろうと、小さな莢を一つ失敬。 「失敬」などと表現しているが、これは無礼・不作法という類のものではなく、「窃盗」という違法・不法行為、犯罪行為に該当するのであるから、此処だけの話、内緒の話はあのねのね、なのであります(笑)。(同上) これは大き過ぎるか。もっと小さいのでいい。(同上) で、もっと小さいのを一つ、そっと失敬したという次第。 その割には大胆に、その藤棚の下のベンチで、豆莢を割るというヤカモチでありました。 小さな豆莢を選んだので、中には豆が一つだけ。 盛んに「小さな」を強調しているのは、ヤカモチの本能的自衛行動というヤツで、その違法性を少しでも小さく見せようとする「せこい」心根が透けて見えるのであります。 それはさて置き、とても固い豆莢。 割るのも一苦労。ソラマメやエンドウとは訳が違う。 で、現れたのが、こんな豆。(フジの実、豆莢を割ってみると・・) サンショウウオかヒキガエルのオタマジャクシの皮膚の模様のような、ちょっとグロテスクな色合いの豆。 道端に置けば、小石に紛れ込んでしまいそうでもある。(同上) この皮を剥くと、美しい色つやの豆となりました。 この薄皮は簡単に剥ける。 茹でたりして食べるのであれば、薄皮のままに茹で、食べるときに剥くか、或いは、そのまま皮ごと食べてもいいのかもしれない。(皮を剥くと・・) 齧ってみようかとも思いましたが、多分、苦いか渋いのだろうと、思いとどまりました。(同上) 龍の森氏に倣って、茹でて食するところまで記事に仕立てるのが筋でありますが、記事タイトルが「フジの実食べちゃいました。」ではなく「剥いちゃいました。」であることが示すように、ヤカモチは「剥く」ところまででお終いであります。 豆一個では茹でるのは馬鹿げているし、沢山の豆を収穫するとなると、公園の藤棚とは言え、立派な「窃盗罪」となりますから、無理。 以上、中途半端な記事でありますが、ヤカモチ的には、これにて一件落着であります。<参考>龍の森氏のブログ記事〇ドングリ(クヌギ)を食べてみようとー1 2021.10.24.〇ドングリ(クヌギ)を食べてみようとー2 2021.10.25.〇どんぐり(くぬぎ)クッキーー3 2021.10.26.<参考>花関連の過去記事 花(4)・2020.4.~ 花(3)・2017~2020.3. 花(2)・2012~2016 花(1)・2007~2011
2021.10.28
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