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冒頭で整形手術の様子がリアルに映されるので、引く人も多いと思われ…『悪い男』で惚れてしまったキム・ギドク監督作品…ということで観たのだけれど、明るいというか軽いというか、キム・ギドクっぽくない…というのが第一印象。でも、それは「比較的」ということで、中身はやっぱキム・ギドクでした>ぉ簡単に括ってしまえば“バカップルのおバカな顛末”って感じなんだけど>こらこら単純に笑えないところが、やはりキム・ギドクなのです>ぇ付き合って2年になる恋人ジウが、自分に飽きてきたのではないかと強迫観念に取り付かれたセヒは、整形手術で別人に生まれ変わります。『カンナさん大成功です!』のような全身整形ではなく、顔を変えただけ。しかも―それぞれ別の女優が演じているのだけれど―ちょっと似た系統の顔のまま。勿論、術前より術後の方が派手な感じにはなりますが。セヒが黙って姿を消したことで、彼女を本当に愛していたことに気付くジウですが、それで彼女を一途に思いながら生きていくのかと思うと、そうでもなく色んな形で他の女性に接触しようとします。こういうところが女性を不安にさせる男の性ってヤツ?セヒがいなくなった心の穴を埋めようとしているのだ、と頭では解釈しつつ、肉体的欲求を埋めようとしているのでは…と疑いながら観てしまうのは私の女の性?(笑)映像的に非常に印象的なのは、2人がデートしたり、独り彷徨ったりする場所に使われる茅島(モド)にあるペミクミ彫刻公園の風景です。数々の彫刻は美しく、かつ性的な形態のものが多く、満潮時に海に浸かってしまうのが、これまたエロティックでこの映画の中の“愛”を象徴しているように思えます。で、ジウは心の穴をやっと埋めてくれる女性にやっと出逢うわけですが、それは他ならぬセヒ自身だったわけで、でも、顔を変えた彼女はスェヒと名乗って別人のふりをしていて、ジウもそれに気付かない…なんとも皮肉っぽいですね。最初は、外見に惑わされず内面で本人だと悟る…という、“純愛”路線かと思ったらそういうところは全くなかったです(笑)せめて顔以外の部分で悟るのかと思ったら、ベッドインしても気付かないままだし(笑)でもって、そういう仲になってからさえも、やはりジウは元のセヒを求めていて、これって、もはや愛と呼べるのか?愛には、それほど“顔”が重要なのか?ていうか、“顔”が(美醜ではなく)全てなのか?…と、こんぐらがってきます(^^;)スェヒの方も、別人になってジウに愛されたかったのか別人になった自分を拒否してほしかったのかそうしてジウの自分自身への本当の愛を確認したかったのか…よく分からなくなってきます>これは理解力の問題?ちなみに“セヒ”と“スェヒ”は母音が異なるので発音も異なるのですが、その違いは日本人には分かり難いです。ていうか、普通に日本語で記す場合、両方とも“セヒ”になります。この微妙なところが、まんま映画に表れているように思います。真相を知ったジウが怒りを表すのは分かるんですが、その後で自分もまた整形手術をするという行為は、もはやワケワカラナイです(笑)さすがキム・ギドクです>ぇ「手術をしたら元の顔には戻れない」セヒの手術の際、医師は何度も何度も言い聞かせていました。実際にそうなのかは知りませんが、ともかくそういう覚悟でセヒは決意したわけです。だから、ジウが元の自分を選んだと知った時のジレンマが興味深いと思いました。それで、ジウもまた“別人”になりスェヒと同じ土俵に立とうとしたのかな…と思ったらやはり、そういうわけでもありませんでした(笑)いつ、どんな姿で現れるか分からないジウを求めて、スェヒはだんだん狂っていきます。彼女の前に思わせぶりな男性が何人も現れます。手を握り、その感触と温もりでジウを識別しようとするスェヒ…内面は関係なく、あくまでも“顔”に重きが置かれる“愛”であるならばお互いに以前とは変わってしまった顔の向こうに、本当に愛している顔を探りながら2人はこれから生きていく…という物語なのかな、と思いましたがやはりそれも違っていました(笑)手を握るだけでは、違いを判断出来る時もあるけれど出来ない時もある…というのも皮肉っぽいですがやっとジウだと確信できた男性@整形手術を受けた写真家から別人だと告白され立ち去るスェヒの姿は最高の皮肉かも。色んな面から確信した後で、手を握るどころかベッドインした後でも信じていたのにただ違う名前を口にされただけで一瞬にしてそれを納得してしまうんですから。彼は本当はどちらだったのか…それは明かされないまま終わってしまいます。でも、彼だった可能性は高いかも。だって、あまりにも符合し過ぎるし。その後、本物と思われるジウが顔を見せないままスェヒを翻弄し続けるのも、このいきさつがあったからだと思った方が辻褄合うし。いずれにしろ、セヒが姿を消した後のジウの姿とジウが消えた後のスェヒの姿がシンクロしていくのが面白いです。そして最後、とうとう新しい顔が分からないままジウは交通事故で亡くなってしまいます。顔が判別出来ないほどに潰されて。こういう結末は非常にキム・ギドクっぽいかも?『悪い男』は、雰囲気は暗く、物語もとても辛いもので、表面的には女性蔑視とかエロとか悪徳とか残酷とか…黒い要素しか目に入らないかもしれないけど不思議と嫌悪感はなく、むしろ純愛ファンタジーに見えました>私的にはねこちらの『絶対の愛』は逆に、真実の愛を描いているようでいて、実はそうではないものを露にしているように思います。だから『絶対の愛』というタイトルは皮肉と言えるかも。まあ、原題は『時間』なんですけどね。SFっぽいラストシーンは、まさに原題を表しています。「無間地獄」なんて仏教用語も頭に浮かんだりします。つーか、マンネリ打破したかっただけなんだから、変にミステリアスな行動をせず「私、顔変えちゃった、ウフ」と明るく告白して、新たな気分で付き合っていくだけで良かったじゃん!と考える私は単純過ぎますねそうですね(^^;) 『絶対の愛』(『時間/Time』) 2006年 韓国 監督/脚本:キム・ギドクドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち☆クリックしてね♪◇人気映画・TVBLOG◇絶対の愛(DVD) ◆20%OFF!◇新品DVD◇ 新着0416 ◇ 悪い男[DVDソフト] カンナさん大成功です! 特別版
2009.05.17
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デブでブスだけど心は綺麗なヒロインが整形して美女になる―という、よくあるっちゃーあるんだけど、同じ女なら(いや、男でも多分)共感しやすい題材かと思う。整形前と後と別の女優を使うというような姑息な手段は取らず、元々美人なキム・アジュンが特殊メイクを使って両方演じているのが良い。歌も吹き替えではなく自分で歌っているそうだ。ただ、冒頭の占いシーンでの失敗ぶりは、あまり効果的には感じられなかった。彼女の現状を笑いと共に描いているってのは分かるんだけど。髪が汚いと指摘されるのは不精だってことだし、周囲をメチャクチャにしてしまうのはガサツだってことだし、つまりは元々の性格に難あり…ってことになっちゃって肝心の“デブでブス”という要素を弱めてしまってるんじゃないのかなあ。それじゃ外見を変えても意味ないじゃん、って感じになっちゃって。アミにドレスで意地悪されるところは女性らしい嫌味が込められていてちょっとリアルだなあと思った。アミがカンナに勝っているのは、まさに外見だけだから。冷静に考えれば、それでカンナの機嫌を損ねてしまったら一番困るのは自分ってわけなんだけどそうせずにはいられないくらい、アミのプライドは傷付いていたのだろう。だからって同情は出来ないけど(^^;)それで死か整形かを選ぶことになったカンナだけど、整形外科医を脅して手術をさせることになるのが、ちょい愉快。鼻はコ・ソヨン(ただしホクロはなし)で輪郭はイ・ヨンエと決めていくところも。でも、アジュンの輪郭はヨンエとは違う気がするけど(笑)美女に生まれ変わって舞い上がるところも可愛かった。でも、こういう話の流れだと、いきなり周囲の反応が劇的に変化する―という風に持って行きがちなのに街を浮かれて歩くカンナの姿は浮いてるしそんな彼女に擦れ違う人々は呆れた眼差しを投げているし何か主旨が違うじゃん、という感じ。かえってそこが面白かったんだけどね。ま、その後は“劇的変化”が用意されていて、話はちゃんと流れていく。ただ、カンナが愛し続けるサンギョンという男性が、そこまで魅力的な人なのかなあ?…という疑問も沸く>スミマセンスミマセン彼がカンナを大切に思っていたらしき描写がほんのちょっとあるのだがそこのところ、もうちょい強調しても良かったんじゃないのかなあ…?カンナの犬を引き取ることにした気持ちなども、もうちょい出してほしかったかも。そうすれば、ジェニー@整形後のカンナを歌手として売り出すことに頑張るのは彼女の中にカンナを見出したから…という風に解釈できるしそれがそのまま恋愛感情に発展していくのも自然な感じになったと思うんだけど…。うん、私だったら、いつしか心の中でジェニーとカンナが重なってゆき混乱するサンギョンの姿を描きたいかも。ま、これは全く私の個人的趣味なので面白いかどうかは全く保証できないっす(笑)初めてステージに立ったカンナは髪はボサボサ、ドレスはボロボロという状態で観客達もドン引き。でも、彼女の歌声が皆の心を鷲掴みにする―という展開は良かった。つまり人を惹き付けるのは外見ではなく中身だ、その人自身から出てくるものだ―という真理を象徴するものだったから。それがあるから、クライマックスで整形をカミングアウトするジェニー=カンナの姿が際立つし、感動に繋がるのだと思う。とはいえ、芸能界という背景のせい(もしくは偏見のせい)で整形前のカンナの写真をステージに大きく掲げてしまうところなど純粋さ故に正直に告白する姿に感動するというよりも上手いこと宣伝に使ってんじゃん!という意地悪な見方をしてしまった(^^;)整形告白後、ファンもついたけどアンチもついた…というのがリアルで面白い。今迄とは逆にサンギョンの方が彼女に片思いするようになる…というオチも単なるラブコメには終わらない、という感じで面白いかも。でも、そのサンギョンの気持ちが、それまでの話の流れからだとイマイチ伝わらないんだけどね。彼女の内面に恋した、という主旨は分かるんだけどさ。つまり、結局のところ、人間は外見じゃないよ!という無難なテーマなわけなのにそこが少々ボケてしまった感じ。何のかんの言っても、カンナは綺麗な外見のままだし(まあ、元の姿に手術し直すのも不自然ではあるけど)最後は親友ジョンミンが整形手術を希望するところで締めるのもやっぱ外見が綺麗な方が価値があるってことじゃん!と、まるでパラドックス(笑)でも、そこが面白いとも言える何つーか、不思議な魅力のある作品でした(^^) 原題:『美女は辛いの/200 Pounds Beauty』2006年/韓国 スタッフ、キャストetc.はHPやっくんちへ キム・アジュン(カンナ役)が歌う『Maria』の動画も載せました映画&ドラマ感想は「REVIEWの部屋」から行けます☆やっくんち☆クリックしておくれやす◇人気映画・TVBLOG◇【DVD】カンナさん大成功です! 特別版/キム・アジュン美女はつらい(カンナさん大成功です!) O.S.T.カンナさん大成功です!(美女はつらいの)[醜女大翻身]香港版VCD【お取り寄せ商品】【漫画】カンナさん大成功です!(1-5巻 全巻)【エンタメ1010_2】
2008.12.30
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『ワンエナムジャ(王の男)/King and the Clown』 2005年 / 韓国監督:イ・ジュニク脚本:チェ・ソクファン原作:『爾』(舞台劇)出演:カム・ウソン(チャンセン)、イ・ジュンギ(コンギル) チョン・ジニョン(ヨンサングン)、カン・ソンヨン(ノクス) ユ・へジン(ユッカプ)、チャン・ハンソン(チョソン)* * * * * * *公開前にネットでMVを観て非常に魅かれるものを感じたものの、なかなか観る機会がありませんでした>作らなかっただけ、とも言えるが(^^;)日本の歴史にも疎い私なので、韓国の歴史なんて全く知らないと思っていたのですが王の母親が毒殺された、というくだりで「あ、これチャングムのお父さんが関わった事件だ」と、分かったので嬉しかったです。そう、『宮廷女官チャングムの誓い』で、チャングムが仕えた王@中宗(チュンジョン)の前の王である燕山君(ヨンサングン)の物語なのでした。燕山君に、架空の人物であるチャンセンとコンギルという2人の芸人が絡みます。イ・ジュンギが演じる女形のコンギルは妖艶で非常に美しいです。でも、アップになると髭の剃り跡が見えるし、筋肉も鍛えられているしナヨナヨしているどころか、男らしさが窺えます。多分、それはワザとそう見せているのだと思います。美しいけれど、やはり男性…というところが重要だからです。2人の芸はシモネタが多くて、かなり下品で、あんまり笑えないんですけど当時の庶民にはウケたんだろうな…と思えて、リアルに感じます。猥雑で、エネルギッシュで、生活感が溢れていて…まさに“大衆”って感じです。そうした芸の題材が、今度は政治を揶揄したものに変化していきます。文字通り王様のスキャンダルを暴くものに。これもまた、芸術というものの辿る道だな…と興味深いものがあります。で、問題はその後。2人+新しい仲間達は、その王様の前へと引き出されます。王様を笑わすことが出来れば罪は問わないという条件が出されます。それで、王様を笑わせるために色々と工夫していく、いわば知恵比べの物語なのかな…と思っていると、意外にも王様はすぐに彼らが気に入って爆笑します。燕山君は凶暴な独裁政治で知られている人物ですが(これまた『チャングム』で語られていましたね)一方では、妓生の文化を栄えさせ、大道芸人にチャンスを与えたという点でも有名なのだそうです。映画の中では、その過程が描かれているというわけですね。芸だけでなく、王様はコンギルに人としての慰めも求めるようになります。女性顔負けの美しさを持つコンギルは、これまでにも貴族達から目を付けられてきました。チャンセンは彼を救おうと努力し、その流れで今の状況に陥ったようなものなのにそのチャンセンの目の前で、コンギルは王の寝室へと呼ばれていきます。それまでは、皆の生活のために自己犠牲の精神で求めに応じようとしていたコンギルが今は自らの意志で王の傍にいるように見えます。母親の死の痛手と、王という立場の孤独感で、実際にはまだ子供のような心を持った王様は独り怯え、悲しみ、あがいていたのでした。そんな王様に、コンギルは同情と、ある意味“愛”も抱いていたのかもしれません。チョン・ジニョンは、狂気をはらんだ王様の心の動きを迫力をもって演じています。そのせいか、コンギル達を陥れるノクスの存在がイマイチ霞んでいたような気がします。王様に忠義を尽くすチョソンの存在も、あまりパッとしなかったような気も。おバカな私は彼こそが黒幕で、最後は彼が笑ってオシマイかと疑っちゃいました>ぇまあ、そんなわけで>どんなわけだ全ては悲劇へと雪崩れ込んでいくわけですが…その最後の最後まで、あくまでも芸人としての態度を守り通したチャンセン&コンギルの姿は感動的です。この後半部分になってくると、やはりチャンセン役のカム・ウソンが素晴らしいです。芸術って政治に翻弄されるけれど、芸術そのものは続いていくのですよね。ラストシーンは夢の中、2人+仲間達が踊りながら道化ながら歩いていきます。彼らの十八番である、盲人同士の会話をギャグにしたものが交わされるのですが「皆、ここにいるよ」という言葉に泣けました。映画&ドラマ感想は『REVIEWの部屋』に置いてあります☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇王の男 スタンダード・エディション/イ・ジュンギ[DVD]■送料無料■サウンドトラック CD+DVD【王の男】06/12/20[DVDソフト] イ・ジュンギ 素顔のイ・ジュンギ~1stコンサート in ソウル~
2008.08.03
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『The Scarlet Letter(朱紅文字)』 2004年 韓国監督/脚本:ピョン・ヒョク出演:ハン・ソッキュ(ギフン)、イ・ウンジュ(カヒ)、ソン・ヒョナ(キョンヒ) オム・ジウォン(スヒョン)、キム・ジングン(ミョンシク)* * * * * * *「愛してたら、許されるんですか?」冒頭に、“イ・ウンジュ2005年2月22日永眠”という文が掲げられるのでこの作品の後で彼女は自ら命を絶ったのだ…という事実を抜きにして、まっさらな気持ちで観賞することは、もはや不可能となってしまいました。(それとも日本版だけかしら?)彼女の役どころはジャズシンガー。ステージで歌う姿は何とも言えない美しさと色気を感じます。歌声も素敵です。まさに、このシーンこそ、彼女の遺作にふさわしいかと思います。その先の展開は賛否両論かも。【注意】 以下、ネタバレ含みます―それから、アダムとエバに関する聖書の記述が続きます。神から禁じられた“善悪の知識の木”の実を最初に食べたのは女で、女から勧められ男も食べた…という部分です。(創世記3章6節)これって実際には、女はサタンの誘惑に負けてしまったけれど男は理性で判断して、神を離れ独立の道を歩む決定を下した…ということなのですけどこの作品においては、男女間の誘惑、男と女の資質の違い…等が表されているかなあ、と思います。勿論、それに伴う所謂“罪”がテーマにもなっています。殺人に始まって、中絶、不倫、同性愛、嘘、裏切り、憎悪、傲慢、自殺…等々。久し振りのハン・ソッキュ主演作に、まず最初に思ったのは「ソッキュッシ、若い!」でした(笑)私的にはソッキュッシといえば中年の哀愁でしたから>ぉ車を飛ばしながらオペラに合わせて歌う姿は、(ま、ソッキュッシのことですから声も良いし、カワイイと言えるのですけど・笑)ひとりの男性として見た場合、非常に能天気かつ傲慢な印象があります。それに、やたらと髪をかき上げる仕草が多いんですが、これまた“イイ気になってるバカな男”そのままで(笑)そんな彼@ギフンの職業は刑事。担当するのは聖母マリア像で撲殺された写真館主の事件。犯人と疑われるのは被害者の妻で、最初は地味に見えたんですがなかなか妖艶でミステリアスな女性だということが段々分かってきます。彼女は夫に内緒で何度も中絶をしていたらしいし、愛人の影も見えてきます。ギフン自身も不倫愛の真っ只中にあります。妊娠中の妻スヒョンは以前、彼に内緒で中絶をしています。愛人カヒもまた妊娠が判明します。こんな風に、事件とギフンの私生活とがシンクロして行く…という意図は分かるのですが…イマイチ迫ってこなかったな(^^;)事件は、どんでん返しがあるのですけど…どんでん返しと言うほど意外でもないです>ぇそれに、その直前のギフン自身の上に起きる出来事の方がインパクトが強過ぎて事件の方は蛇足とさえ感じられてしまう程。事件の真相は、その出来事におけるギフンの立場と重なるものではあるのですけど、これまたイマイチ迫ってこなかったな(^^;)では、何が見どころかというと、そのギフンが経験する出来事に他ならないです。ちょっと唐突で、ギャグ一歩手前って感じで、そこだけ浮いてる気もしないでもないんですが…でも、有り得ないことではないし…その後に続く状況はシリアスとしか言いようがないです。最初はカヒが意図的に起こしたことかと思っちゃいました。ギフンと朝を迎えること…彼女がずっと夢見てきたことが、叶ったわけですから。究極の状況の中で、ギフンは怒ったり焦ったり罵ったり…醜態を晒しますが最後にはカヒに子供のようにすがるのです。母親のように彼を抱きしめるカヒは、その数日間で、ギフンとの結婚生活を一生分経験することが出来た…とさえ言えると思うのです。でも、途中で彼女も取り乱すシーンがあるので、やはり事故だったのでしょうね。…って、あんな極限状態に自らを置くほど、さすがのカヒも狂ってはいなかったでしょう。その時には、まだ。『スカーレットレター』というタイトルは、勿論ナサニエル・ホーソーンの小説(邦題『緋文字』)から取られています。姦通の罪を犯し、“A”(Adulteryの頭文字)の赤い文字を縫い付けた服を着た女性の物語。自分の子供には真珠(パール)と名付けたい。それは『緋文字』の主人公の子供の名前だから。というカヒの台詞があります。こちらに登場する“文字”は愛の言葉であり、不倫関係の証明でもあるというイコールのような相反するような、皮肉なアイテムです。“スカーレット”は文字通り血の色も表しているのでしょう。罪の色とも言えるのかもしれませんが。血にまみれたギフンの裸体が目に焼きついて離れません。ソッキュッシは出演作ごとに、お尻を披露してくれますが>ぉ今回はサービスショットというより>ぇ血の色を引き立たせるキャンバスのようになっています。結局のところ、この作品で一番描きたかったものは、真っ赤な血の海…ではないかとさえ思えます。ていうか、その中でのた打ち回る愚かな人間の姿かもプライドも尊厳も、地位も名誉も、知性も…いえ正気さえも脱ぎ捨てて剥き出しの身体を真っ赤に染め、悪臭を放つ様子なのかも。それは、あのような状況に追い込まれなくても人間は日々曝け出している姿なんですよね。ただ、自分もその中にいるから目立って見えないだけで…。ラストでスヒョンは指輪を外し、息絶えたカヒの指には指輪が光っています。最初から、こうなっていれば悲劇は起こらなかったのに…。それで幸福であったかどうかは分からないけど。女性を誘惑することに喜びを見出して傲慢になっていたギフンですが、実は木の実を差し出したのはスヒョンの方であったのですね。でも、そんなスヒョンはカヒに差し出された木の実を食べていたのでした。作品選びに慎重なハン・ソッキュの出演作としても、イ・ウンジュの遺作としても、ちょっとイマイチの出来だったかなあ…でも、レスリー・チャンの遺作よりは胸を張れる作品かも>こらとはいえ、どちらも亡くなった本人とシンクロするシーンがあるというのは、どういうわけなんでしょう?この先、この作品がどんな評価を得ていくのかは分からないけれど存在している限り、イ・ウンジュの死を背負い続けていかなければならないのでしょうね。映画&ドラマの感想は「REVIEWの部屋」☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇【送料無料選択可!】スカーレットレター / 洋画The Scarlet Letter『ラヴ・ストーリー~韓国TVドラマ&映画クラシックス』Leslie Cheung
2008.02.09
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『家へ…』2002年 / 韓国監督/脚本:イ・ジャンヒャン出演:キム・ウルブン(おばあちゃん)、ユ・スンホ(サンウ)、チョリ(ミン・ギョンフン)* * * * * * *な、泣いてしまいました…田舎に住むお祖母さんが、疎遠だった娘から強引に孫を預けられる―その設定は子供の頃に観た『黄昏』を思い出させるものでした。あれも感動しましたが、こちらはもっと素朴で、もっとさり気ない作品でした。殊更ドラマチックに盛り上げず、素朴で地味な物語なのに泣けて仕方ない―チャン・イーモウ監督の『初恋のきた道』を連想させました。あれも本当に涙が溢れる映画でしたが、これはもっと地味でもっと泣けました。イ・ジャンヒャン監督は韓国では珍しい女性監督で、これは、『美術館の隣りの動物園』に続く第二作だそうです。『美術館…』はシム・ウナがめちゃくちゃキュートでしたよね。出演者のほとんどが素人なんだそうです。前述のイーモウ監督がよく用いる手法ですが、プロには出せないリアリティや情感がありますよね。主役のサンウ少年を演じるのはベテラン子役のユ・スンホ君です。TVドラマ『カシコギ』や『悲しき恋歌』等でお馴染ですね。ぺ・ヨンジュン主演『太王四神記』にも出演しています。初めて見た時、ソ・ジソプに似てるなあ…と思ったんですが韓国でも「リトル・ソ・ジソプ」と呼ばれているんだそうです。―て、少し話しがズレましたが(笑)このサンウ少年の母親@おばあちゃんの娘は、17歳の時に家を出て以来今回初めて実家を訪れた様子です。シングル・マザーで、職探し中のため、その間おばあちゃんに息子を預けに来たのです。おばあちゃんへの手土産は下着と健康食品。サンウの持ち物はゲームやロボット等の玩具類とお菓子やコーラやスパム缶。恐らく彼は今迄いつも独りぼっちで、そうした玩具と食べ物で過ごしてきたんでしょう。それらがない生活、他の人の心、他の人との関わり方…何も知らず、考えもせずに。言葉が話せず読み書きも出来ず、腰が曲がって杖をついているおばあちゃんは毎朝、水を汲みに行き、繕い物をし、畑仕事をし、黙々と暮しています。ゲーム機の電池を買いたいサンウが髪留めを盗めば、スプーンで髪を結い腹いせにサンウが靴を隠せば、裸足で出かけて行きサンウがフライドチキンを食べたいと言えば、雨の中、畑のカボチャを鶏と交換に行き町に出て畑の作物を売って少しのお金が入ると、サンウの靴を買い、サンウにだけジャジャ麺を食べさせ、サンウだけバスに乗せ自分は歩いて帰ってきます。言葉もなく、表情もあまり出さない彼女の内面は推し量ることしか出来ません、。大人の目から見ると、前半のサンウはとんでもないワガママ坊主で頭のひとつも張り倒してやりたくなるのですけれど同じ様にワガママだった子供時代の自分を思い出しもして、とても複雑な気持ちになります。「フライドチキンが食べたいと言ったのに、何故溺れさせちゃうんだよ」これ、心境が凄くよく分かるもん(^^;)昼間はおばあちゃんをバカにしているくせに夜はひとりでトイレに行くのが恐くて傍についていてもらう…まだほんの子供なんですよね。でも、サンウも根は良い子なのは、メンドクサガリながらも針に糸を通してやる姿から分かります。そして、ほんのささいな日常の出来事の中で少しずつ少しずつ変わっていくのです。気になる女の子が出来て、彼女で頭がイッパイになり、おばあちゃんを邪険にした後なかなか帰って来ないおばあちゃんを心配するところや、おばあちゃんの荷物を持ち、その中に一個残ったチョコパイを入れて笑顔になるところ等ちょいウルウルしました。子供同士のエピも良かったけど>サンウの内面的成長を促すものでもあり重要なエピだけど老人同士の交流に、やはりウルッと来ました。駄菓子屋のおばあさんが、チョコパイを余分に包んでくれるところとかお金は要らないと言われて、おばあさんが作物を無理に渡したところとか病気のおじいさんのお見舞いに、娘から貰った健康食品を持っていってやったりとか…母親が迎えに来て、おばあちゃんの家を去るシーンも変に大袈裟でなくて良かったです。「逢いたい(ボゴシプタ)」「痛い(アップダ)」と書いたカードが映るところはこの映画にしては、ちょいアザトイ感がないこともなかったけど>ぇやはり泣けました。絶対にまた逢いに行けよ!ちょくちょく逢いに行けよ!でないと張り倒すかんね!…と物騒なことを考える私でした>ぉでも、一番涙が溢れたのはラストシーン。おばあちゃんが家に帰る長い長いショットです。これは言葉では語れません。REVIEWの部屋に色々置いてあるので読みに来てね☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇おばあちゃんの家SUPERBIT〓 初恋のきた道即納!■10%OFF+送料120円■初回盤■太王四神記 DVD【太王四神記 ナビゲートDVD】07/6/20発売
2007.11.15
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『ナップン ナムジャ(悪い男)』2001年/韓国監督/脚本:キム・ギドク先回は途中から観始め、しかも飛び飛びだったので、今回改めてキチンと観てみました。気付かなかった部分が多々出てきたのが嬉しかったけど、全体的な解釈は同じかな?見逃していた最初の部分―群集の中にソナとハンギの姿があります。まだ2人は全くの他人。その他大勢のひとりに過ぎません。特殊な人間同士の特殊な物語ではない、ってことなのかな。そして2人の出逢い―ベンチに座り恋人を待つソナに、たまたま通りかかったハンギの目が釘付けになります。可愛いけど、凄いオーラを放っているわけではない、ごく普通の女子大生のソナ。迫力あるけど大物ヤクザというわけではなく、所詮はチンピラのハンギ。隣りに座り込むハンギにソナは露骨に嫌な顔をして遠ざかります。やって来た恋人も彼を侮蔑の表情で見ます。それがなければ、もしかしたらハンギは次の行動に出なかったかもしれません。あるいは、その行動からがハンギの妄想なのかもしれません。私はこれは、ある種のファンタジーだと思っているので>甘い?どこから彼らの幻想が始まったのか…と、ついつい考えてしまいます(笑)いきなりソナにキスをするハンギ。通りかかった軍人達が彼をボコボコにし、ソナは彼に唾を吐きかけます。2人は全く別の世界の住人で、本来なら全く交わることがない存在…それを突きつけられたかのようした。だから彼は、ソナを自分の住む世界に引きずり込もうと思ったのでしょう。本屋で置き忘れられた財布を盗んでしまうソナ。勿論、それはハンギの罠だったわけですが、以前はここのシーンを見逃していたので、ソナは霞み網にかかった無垢な小鳥なのだという印象を抱いていました。そうではなく、彼女はサタンの誘惑に自ら乗ってしまったエバだったのですね。一方的に引き摺り下ろされ汚されたというより、むしろ、元々持っていた黒い部分を引き出された…と言えるかも。その直前のことですが、ソナは立ち読みしていたエゴン・シーレの画集の1ページをこっそり破り取り、盗んでしまうのです。それは性を描いた絵でした。恋人のホテルへの誘いを拒絶する彼女ですが、内では性への憧れや欲求を強く持っていて破り取るという行為は、もしかしたら強引に扱われたいという欲求があったのかも?ちょと考え過ぎ?だから、性を売り物にする娼婦に堕ちていったのは、彼女にとって必然だったのかも?…それは残酷過ぎる解釈かな(笑)破られた元の画集はハンギによって、売春婦に身を落した後のソナの手に届きます。これは2人の関係と、その結末を象徴していたのでしょうか?ハンギは、ソナが売春婦として初めて客を取る時、最初は客を追い出し、彼女の願いを聞いて恋人との逢瀬をセッティングしてやりながらも直前で阻止し、泣きながら客の相手をするソナをマジックミラー越しに凝視し、後でその客を殴り倒しました>あれって客だよね?ただの通行人?屈折し過ぎているけど、動機は愛だと伝わってきます。以前は、何度もハンギが刺されたのに次の瞬間は元気になってるように見えましたが一度目はちゃんと医者に行ってきた後が映りました(*^^*)二度目は…一度目は弟分のひとりが彼に信義を尽くしたのに、二度目はもうひとりの弟分が彼に恨みを抱いて行動したという、全く反対の理由により起きるのが、面白いと思いました>面白い、は語弊かな(^^;)砂浜で拾った写真は効果的に使われていました。繋ぎ合わせたものの、顔の部分だけが足りない写真を、ソナは部屋の鏡に貼るのですが空いている顔の部分にソナとハンギの顔が何度も映るのです。一緒の時だったり、ひとりきりの時だったり、鏡を挟んでいたり…角度も色々でした。その鏡がマジックミラーになっていて、反対側からハンギはいつもソナを見ていますが警察のシーンでは透明の仕切りの中にハンギがいて、それをソナが見ます。同じ部屋にいる時も、必ず片方が眠っています。2人の間にはいつも何か妨げとなるものがあります。これも非常に象徴的だと思いました。ハンギが戻ってきた時、再び2人は鏡を通して相対します。今回はハンギが火を灯して自分の存在を明らかにし、ソナが鏡を壊し、2人は初めて対等に抱きしめ合います。ここに、ちょっと感動してしまいました。この時、2人は肉体的にも結ばれたのかどうかは分かりません。プラトニックなままじゃないかなあ…という気はします。願望かな(笑)いずれにしても、2人の恋はここで成就したのだと思います。たとえ、それが夢だったとしても…。出逢った場所にソナを帰すハンギ。あの時とは逆に彼女の方から伸ばした手を、ハンギは払い、彼女を置いて去っていきます。自分の思いが成就したので、ハンギは彼女を自由にしたのでしょうか?元の彼女に戻したというわけなのでしょうか?それとも、あのベンチのシーンから実は時は経ってはいないのでしょうか?まあ少なくとも、弟分に刺されたハンギが意識を取り戻してから後のシーンは幻想でしょう。道を歩くソナの前をトラックが通り過ぎようとした後のシーンも幻想でしょう。赤いドレスを着て海に消えていく女性の幻がソナ自身の最後の姿だという可能性もあります。ちょっとそれだと悲し過ぎるラストになるけど。中ほどにソナが逃げ出すものの、ハンギに連れ戻されるエピがありますが通りすがりの女性が黙ってソナに上着を着せ掛けてやるシーンがあります。顔が映らないその女性は赤いドレスの女性と同じ人物であり、ソナ自身でもあるのでしょう。でも、実際に画面に出てくるハンギとソナは、2人で旅立っていくのです。ハンギがトラックの荷台に寝床を用意し、ソナがそこで売春をしながら。遠くに去っていくトラックは小さな赤い点になり、暗闇の中いつまでも灯り続けます。2人は現実世界を超えてしまったのですね。ソナを好きになった弟分を殴りながら、ハンギが口にする後にも先にも唯一言の台詞それだけが現実なのかも。何て凄まじいファンタジー、何て究極の純愛ストーリーでしょう。…解釈は人によって様々だと思いますが(^^;)それにしても、ファンタジーで終わる韓国映画って多い気がする。REVIEWの部屋に『悪い男』(一回目)etc.映画・ドラマ感想文が色々あります☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇悪い男サマリア ←次はコレを観るつもりエゴン・シーレ ドローイング水彩画作品集
2007.10.28
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原題『マルチュク通り残酷史』『SPIRIT OF JEET KEUN DO / ONCE UPON A TIME IN HIGH SCHOOL』2004年 韓国監督/脚本:ユ・ハ 撮影:チェ・ヒョンギ音楽:キム・ジュンソク 出演:クォン・サンウ、イ・ジョンジン、ハン・ガイン、イ・ジョンヒョク、パク・ヒョジュン、キム・イングォン受賞歴:2004年第25回青龍賞・美術賞(キム・ギチョル) 2004年第41回大鐘賞映画祭・男性人気賞(クォン・サンウ) 2004年第40回百想芸術大賞・脚本賞(ユ・ハ)* * * * * * *『天国の階段』、『悲しき恋歌』等で日本でも人気のクォン・サンウ主演作ですが、これはかえって(所謂)韓流ファンにとってはイマイチな作品かもしれません。そうでない人にとっては、意外な拾い物となるんじゃないでしょうか?『チング』にも通じるノスタルジックな物語です。ロマンチックなラブストーリーというわけではないし、サンウッシ演じるヒョンスは、どっちかというとダサい高校生です。大人しい優等生で、ちょっと不器用で、小心者で…。つまり、うっとりするような王子様役ではありません(笑)そんな彼がカンナムのマルチュク通りの近くにある高校に転校してきたところから物語は始まります。時は1978年―私的にはムン・ヒジュン生誕年ということで感慨深い年ですが>ぉぃ当時の韓国は軍事政権下にあったのですね。校門を入ると国旗に敬礼をしなければならなかったり教練を担当するのは軍人であったり軟弱な私には想像もつかない厳しい枠にはめられた世界です。教師も体罰を超えて、暴力を平気でふるっています。生徒のテストの順位で学校のランクが決められるのでそれを打開するため、禁止されているレベル別授業をこっそり実施するというのは今日の日本でも大いにありうる状況でしょうか?成績が下がってしまったヒョンスは、下位のクラスに入れられるんですがそのせいか超つまらない授業風景です。ただ暗記するだけで、考えることをしない勉強。暗記しやすいようにと、H系の意味を持つシャレのような略語を用いる教師。そんな風に上からギュウギュウに押し付けられた世界の中で生徒同士もまた色んな立場、色んな関係にあります。下級生は上級生に逆らえません。風紀委員は、あたかも特権階級であるかのように他の生徒たちに圧力をかけてきます。勉強ができない生徒の中には、その鬱憤や自分の存在意義を求める気持ちを他の生徒をいじめることで晴らそうとしてきます。幾つもの派閥があり、権力争いもあります。そんな抑圧された中でも、ヒョンスは最初のうちはそれなりに青春を謳歌していました。当時、人気だったブルース・リーの大ファンで、部屋にはポスターや関連本が沢山あり、ヌンチャクの練習をするシーンもあります。それが下手っぴでカワイイんですが(笑)クライマックスで生きてくるんですね。転校生としてクラスで浮いていた彼が、番長ウシクと親友になるのもウシクが教室でブルース・リーごっこをしていたから、というのが面白いです。喧嘩も強く、遊び慣れてもいる番長が何故“ごっこ遊び”?と思うけれど皆の中でブルースの役をやれるというも、力関係なんですね。後半でウシクがいなくなったクラスでは、彼と敵対していたハンバーガーがブルースの役についていました。ウシクの影響でディスコに出入りするようになったり、お酒やタバコを覚えたり少しずつ大人(?)の洗礼を受けていくのですけど、その代わり成績は下がって、目標だった大学受験は危うくなるしその友達との初恋のトライアングルでは完璧に敗北するし、食堂のオバチャンに童貞を奪われるし、…何だか散々なんです。クライマックスのアクション・シーンは十分カッコイイんですけどそれで彼がヒーローになるわけではなく、むしろ悲痛な空回りという感じです。この映画のキーワードは、ひとつは勿論ブルース・リーでもうひとつは『タクシードライバー』(スコセッシ監督、デ・ニーロ主演)のようです。随分前に観たきりで、しかも子供だったもんで、よく理解できなかったんですけどベトナム帰りの主人公のヒリヒリするような孤独感が胸に迫ってきたような記憶。鏡の前で決め台詞を練習するシーンが何度かあった気がします。そしてクライマックスで幻想のようなアクション・シーンがありましたよね。友も恋も失ったヒョンスは、やはり大きな孤独感を抱え必死で武術を習い、やはり鏡の前で決め台詞を言ってみます。そして屋上で大喧嘩をするのです。「屋上へ来い」練習したハズの台詞は、それまでの臆病だった彼を思うと驚く程の変化ですがウシクのように板についたものとは少々違って聞こえました。しかも、背後から不意打ちをくらわすという卑怯なスタートです。アクションそのものはカッコイイんですよ。さすがモムチャンって感じで。でもBGMは悲しい曲です。「韓国の学校なんか、糞食らえ!」啖呵を切って学校を去るヒョンスですけど、決してヒーローとなったわけではありません。相手の親からは罵倒されるし、父親が彼らに土下座して謝るという苦い光景に直面しなければなりませんでした。その後、高校卒業資格を取るために学習塾に通う姿などは、むしろカッコ悪い部類かも。そうして彼は結局、最初に抱いていた大学進学という目標に向かいます。大きくカーブはしたけれど、同じ道を歩いています。初恋の人ウンジュとの、ほろ苦い再会もあります。ウシクと駆け落ちしながら結局は戻ってきて、今は予備校に通っている彼女もまた一度はそれてしまったけれど、再び同じ道を歩いています。どうしても自分から彼女に近付けなかった初めの頃のシーンと比較して今度は穏やかに話しかけることができた彼は、それだけ成長したのですよね。彼女を引き止めることはできなかったけれど、既にそういう時期は過ぎ去ってしまい、彼の中の思いも変わってしまったということなのでしょう。映画館にかかった新しい映画はジャッキー・チェン。確実に時代は過ぎ去っていきます。切ないなあ…☆やっくんち☆ ←REVIEWの部屋も見てね♪◇人気映画・TVBLOG◇【DVD】マルチュク青春通り クォン・サンウ スペシャルBOX <限定生産>即納!CD【マルチュク青春通り~オリジナルサウンドトラック】送料無料※ポストカード付 KoreaMovie(コリアムービー)/vol.7/クォン・サンウのすべて (日本国内発売版)
2007.03.04
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『4人用食卓/The Uninvited』2003年 韓国監督/脚本:イ・スヨン撮影:チョ・ヨンギュ美術:チョン・ウニョン音楽:チャン・ヨンギュ出演:チョン・ジヒョン、パク・シニャン、ユ・ソン、キム・ヨジン怖い話と聞いたので、長いこと観る気が起きませんでした。でも、チョン・ジヒョンとパク・シニャンという、この間観た『ホワイトバレンタイン』のコンビが再び共演ということでやっぱり観ておこうかと、手に取りました。結論を言うと、これはホラーではないと思います。少なくともオカルトではないです>そうだと解釈することも可能なのだけれど上質の心理サスペンス!…になるハズだったのが、ちょこっと失敗しちゃいましたって感じ>こらこら以下、ネタバレ続出のため、ご注意ください。* * * * * * *◆まず、ジョンウォン(パク・シニャン)の部屋に現れる、毒殺された子供の幻ですけどこれは幽霊ではないと、私的には思えます。霊魂不滅を信じてないから、という理由ではありませんよ(笑)その物語世界の中で「あり」とされている事柄なら、ちゃんと「あり」として観ますから。彼は偶然、電車で子供達を見かけたというだけで、何の関わりもありませんし、あのテーブルに何かあるというわけでもないでしょう>婚約者には見えなかった近くにいたのに気付かなかった…もしかしたら助けられたかもしれないのに…という罪悪感が見せた幻だと思うのです。その時点では心の奥底に封印されていた幼い頃の忌まわしい記憶が、同じ子供の死という共通点により呼び起こされ、ああした形で表れたのかもしれません。そもそも幽霊だったなら、何故にその子らは出てきて肝心のジョンウォンの妹や、トラックに轢かれた子は出てこないのか…ってことになっちゃいますし(^^;)◆では、ヨン(チョン・ジヒョン)は何故、子供達を見ることができたのか?ひとつは、彼女は母親譲りの霊感があったから…ということになるんでしょうけどこれまた単に幽霊を見る力がある、ということではなくて他人の心理に協調することができる能力なんじゃないかという気がします。心の動きや、その場の空気に、普通以上に敏感というのか…。彼女が嗜眠症(ナルコレプシー)であるというのがカギでしょう。まあ、専門的なことは全く知らないんですけれど、DVD特典映像の中の説明によると、非常にリアルな夢を見て現実との区別がつかなくなる…という症状があるとのことです。この病気と、持って生まれた能力とにより、彼女は見えないものが見えるというより他人が見ているものが見えるのではないでしょうか?◆それで疑問が浮かぶのが、彼女が解き明かしてみせたジョンウォンと友人双方の過去です。2人が苦しんでいた悪夢やフラッシュバック…ヨンも自分のことのようにそれらを見ることができるのは事実でしょうがそれにより導いた過去の出来事は、果たして事実なんでしょうか?たまたま当たっていた可能性もありますし、かなり似た出来事があったのかもしれません。でも、もしかしたら…彼女が無意識に作り上げてしまった「嘘」かもしれません。彼女にそのつもりはなかったのは明らか…というか彼女自身、それが真実だと信じていますから、「嘘」とも言い難いですけど。そう思うと、とっても恐いです。◆被告の姿がヨンの姿として映るシーンがあります。単に観客を混乱させる手法に過ぎないのかもしれないし(笑)本当は彼女が犯人なのを友人が庇ったとも解釈できるし、庇ったのでなく、自分がしたことと思い込まされているという風にも考えられますが上記のような状態であるならヨンの「嘘」が友人を追い詰め、精神状態をより不安定なものとしてしまったのですからヨン自身がその事態を引き起こしてしまった張本人だ…ということを表しているのかも?友人がヨンの名を呼んで自殺を図ったのは、そのことで彼女を責める意味だったのかも。-穿ちすぎ?どちらにしても友人は、ヨンに聞かされた自分の過去に耐えられませんでした。それが分かっていながら、結果に怯えながら、それでも相手に告げてしまうヨンは、自分が背負っているものを理解してもらいたい、できれば共にしてもらいたいとすがっているのだと思います。◆とはいえ…これは作品的に成功しているかというと…「う~ん…」て感じです(^^;)ひとつひとつの映像はショッキングですけど>後味悪いったらないぜそれらがキチンと繋がっていないですよね。先に出てきた毒殺された子供の件も、昔トラックに轢かれた子供も、ジョンウォンの妹もそれぞれが独立していて関連がなく、解決もなく、ハッキリと意味が語られるでもないままです。AがBに、BがCに…という風に段階的に推理がなされ真相が明らかになっていく…という作りなら、きっと非常に面白かっただろうになあ。そこが残念です。◆残念といえば、ジョンウォンの婚約者ですけど何か、あまりにも簡単に去っていってしまったような…私だったら、もっと問い詰めるけどなあ(笑)でも、恋する女の勘で、ジョンウォンとヨンの間の特別な絆を感じ取ったのでしょうね。最初はジョンウォンの方がヨンに近付こうとして拒否されそれが次第に逆転して、ヨンの方がジョンウォンに依存するようになりますよね。そこのところが、ドラマとして面白い部分だったと思います。それにしても、何故「4人の食卓」?と思いながら観てたのですがああ、なるほど、最後に4人揃うのね…という終わり方でした。解釈、甘すぎですか?「観る人の数だけ謎がある」というキャッチコピーなので私の解釈も間違いではなく、パラレルワールドの一つかも(笑)☆やっくんち☆ ←REVIEWの部屋に色々あるので見てね◇人気映画・TVBLOG◇4人の食卓(DVD) ◆20%OFF!ホワイト・バレンタイン スペシャル・エディション(DVD) ◆20%OFF! イルマーレ(期間限定)※再発売
2007.02.21
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『ホワイト バレンタイン』1999年 韓国 監督:ヤン・ユノ脚本:イ・ウンギョン、イ・ビョンユル撮影:イ・ソクキ出演:チョン・ジヒョン、パク・シニャン、ヤン・ドングン、チョン・ムソン、キム・ヨンオク『八月のクリスマス』に、ちょっぴりテイストの似た作品です。でも、比較してはいけません。負けますから>ぉ『猟奇的な彼女』等で日本でも人気のあるチョン・ジヒョンのデビュー作です。当時まだ高校生だったとか。初々しくて可愛いです。ある日、部屋の窓に迷い込んできた伝書鳩。その足に付けられた手紙に、戯れに返事を書いたのをきっかけに何度か鳩を介した文通が始まったり…その鳩を辿っていったら、相手は前から心引かれていた男性だったり…さらに彼は、子供の頃に大人のふりして文通していた相手だったことが分かったり…「ありえねー!」ってストーリーなのですけれど、そこが良いんです。ファンタジーなんです。彼女は亡くなった両親のことで、彼は亡くなった恋人のことで、それぞれ心に傷を負っているという設定が韓国らしいかも。ついでに、恋人の死因が交通事故というのも、韓国らしいかも(笑)淡々とした話運びで、説明的な部分もなくて、観る人を選びそうな作品です。鳩に糸を付けて後を追うところが、唯一動きを感じさせるシーンですがだからかえって、そこが可愛らしくて心弾む感じがします。最初と最後近くに同じ構図のシーンを持って来て、犬の成長や彼女の眼鏡等で時の流れを感じさせる演出も面白いです。新しい手法とは言えないけど、既にキャラ達に感情移入しているのでそうしたちょっとした変化が感慨深いのです。映像はやはり綺麗です。自然の風景も、田舎っぽい町並みも。私的には、ヒョンジュン@パク・シニャンが鳩の群れにエサをやるシーンが素敵だと思いました。その中に怪我した鳩がいて、その鳩を抱いて立ち上がるヒョンジュンとさ~っと舞い立つ鳩たちが美しいです。その後、通りかかった子供にポケットからりんごを出して渡すのですがジョンミン@チョン・ジヒョンがそれを奪い取るのです(笑)そして部屋で、そのりんごを眺めるシーンで、そのりんごの赤が美しいです。冒頭と回想シーンでは凛々しい背広姿のシニャンッシが拝めます>『パリの恋人』みたいでも、それ以外では、長髪でちょっとうらぶれた感じで登場します。中年の哀愁を漂わせていて、また違う魅力を感じることができますよん。鳥たちにエサをたべさせようと工夫するところとか鳩の怪我が思ったよりひどくてビックリするところなど、カワイイです。カワイイといえば、ジョンミンが飼うハスキーの子犬が、めっちゃ可愛いです。ラストは、これまた「ありえね~!」なんですけど、そこがまた良いんです。ヒョンジュンが町を出たことによって離れ離れになった2人がそれぞれ本を出すという展開になりそれを通して、ヒョンジュンがやっとジョンミンのことに気付いたりそれで彼女を訪ねていくと、彼女の方が町を去るところだったり…。駅で2人がすれ違うところは、さすがにヤキモキしました。彼女の絵本を雪降るベンチに置いていくヒョンジュンに、ああ、淡い思いのまま2人は終わりになるのか…と諦めかけたら電車に急いで乗り込む彼の姿が最後に描かれます。これって、電車内での再会が期待できるってことですよね。最初の方のシーンでは、とうとう会えなかった2人。彼が乗った電車を自転車で追いかけた中学生のジョンミン。それが今度は、ヒョンジュンの方が追いかける形となるところが面白いです。追いかけるといっても、同じ電車に彼女が乗っているとは思っていないでしょうけど。そこがまた良い感じです。ってことでハッピーエンドなのが大変よろしい(笑)その影で、片思いのままだったヤン・ドングンが、ちょいと切ないですけどね。彼女の知り合いかと尋ねられ「知り合いたかった人です」なんて答えるあたりとかね。何だか絶賛してるかのように感じられるでしょうが…う~ん、そこまでではありません>ぇ絵本の上に雪が降り積もり…この映画全体が絵本だったのだ、と思わせます。ファンタジーとして描いているところに好感を持ちました。☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇韓国映画「ホワイトバレンタイン」DVDノーカットオリジナル版(日本語字幕あり)(ブロマイドプ... 韓国映画/猟奇的な彼女 韓国ディレクターズカット版DVD韓国ドラマ DVD【パリの恋人DVD-BOX I】10%OFF+送料無料(5/25発売)八月のクリスマス
2007.02.12
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『悪い男』Bad Guy2001年 韓国監督/脚本:キム・ギドク撮影:ファン・チョリョン美術:キム・ソンジュ音楽:パク・ホジュン衣装:チョン・ホンジュ出演:チョ・ジェヒョン、ソ・ウォン、チェ・ドンムン、キム・ユンテ、キム・ジョンヨン一昨日、TVで観たんです。途中から。しかも、ながら観。なのに心に食い込んで、今も離れない。なので、自分の心を落ち着かせるために思いつくことを書いてみます。ネタバレ注意です。途中から観たこともあって、間違って解釈してる部分もあると思いますので、それも注意。* * * * * * *この作品は所謂“韓流”ラブストーリーとは、外見的には真逆かもしれませんが根底は紛れもなく「純愛」と言えるでしょう。でも、こういう愛は経験したくない…つーか、ありえない。いや、理解できる部分もある…けど、共感はしない、したくない。つーか、したら終わりでしょ、みたいな>ぇ非常に複雑で難しいです(^^;)もう一度、最初からよく観直したい気持ちもないではないのですが「ひええ」ってなシーンも結構あるので躊躇いの方が大きいです>同じ女としてねストーリーを簡単に言ってしまうと…ヤクザのハンギは一目惚れした女子大生ソナを罠にかけ、売春宿に売り飛ばします。そして彼女が客を取る様子を、隣室からマジックミラー越しにじっと眺めるのです。初めての相手は好きな人が良いと懇願し、BFに会いに行ったソナを無理矢理連れ戻しそれでいて、泣き喚きながら客の相手をする彼女を、黙って見つめ続けるのです。ごく普通のお嬢さんだったソナは、やがて一人前の娼婦になっていき、しかも自分をそんな状況に追い込んだハンギを愛していることに気付くのです。ソナが赤いドレスを勧められたのに、白いドレスを身に付けるところに目を引かれました。その後、どんどん娼婦化していく彼女は色取りどりのドレスと、その色に合わせた鬘で、積極的に客引きをするようになります。そしてラスト近くには、海で見かけた女性と同じ赤いドレスを身に纏うのです。その女性は海に入っていく後姿だけが映るのですが、おそらく幻です。浜辺でソナが見つけた、破られた写真も、おそらく…。ハンギは何度も刺されるシーンがあるのですが、次のシーンでは元気なのも全ては幻なんじゃないかと思います。ハンギの死の間際の夢なのかもしれません。このハンギを演じるチョ・ジェヒョンは、なかなか素晴らしいです。ほとんど台詞がないのに、全然そんなことを感じさせない存在感で、クライマックスでやっと口を開いた時は「凄い」と思いましたもん。ソナを演じるソ・ウォンも透明感があって素敵です。あの腰の細さには「羨まし~」と溜息モノでした>ぉラストは不思議な穏やかさがあります。2人で売春宿を出るのですが、彼の手を握るソナをハンギは拒否しトラックの荷台で彼女に売春をさせるのです。もしかしたら、2人はプラトニックなまま、そうした生活を続けていくのかもしれません。勿論、現実だったら絶対に嫌な生き方なんだけど、2人が旅立っていく姿は、美しいとすら感じてしまいました。ファンタジーですね。もしかしたら、ハンギとソナが出逢った瞬間、現実は失われてしまったのかも。全てはハンギの夢だったのかも。そんな甘い解釈さえしてしまったのでした。☆やっくんち☆ ←「REVIEWの部屋」に映画やドラマの感想色々載せてます◇人気映画・TVBLOG◇悪い男(DVD) ◆20%OFF!悪い男 ←同タイトルの曲が入ってるってだけですが(笑)ピ(Rain)/1集-Bad Guy(韓国盤)【お取り寄せ商品】
2007.02.07
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『Bungee jumping of their own』 2001年/韓国監督:キム・デスン音楽:パク・ホジュンイ・ビョンホン、イ・ウンジュ、ヨ・ヒョンス、ホン・スヒョン、キム・ガプス* * * * * * * * * * これは凄い。凄いぞ、韓国映画!タイトルと、途中で年代が変わるところから「生まれかわり」というのは想像ついたんですけど、こうくるとは…(笑)いや、“(笑)”と書いちゃったけど(笑)人によっては笑うと思います。その中には「もう笑うしかないわー」ってな感じで笑う人もいると思います。基本的には切ないラブストーリーなんですけど。前半は純然たるラブストーリーなんです。舞台は1983年。わざわざ年代が出るところで、「これは何かあるな」と思わせるんですけどね。とにかくビョンビョン演じるイヌは、何だかダサい大学生なんです。テヒ@イ・ウンジュに一目惚れするんですけど、不器用で一生懸命で、愛すべきヘタレって感じで>ぉカワイイんですけど、何だか崖っぷちギリギリの所に立ってるみたいな危うさというか脆さというか…何か不吉なものを感じさせるんです。とはいえストーリー的には特にどうということもなく>ぇ兵役に就くため一時的に別れなければならない設定にああ、韓国だな…と思うくらいですが、ここで挫折してはいけません!また、ここで満足してしまってもいけません!いきなり時は2000年に飛びます。17年後ですよ、これがミソです。あのダサかったイヌが、カッコイイ教師になっています。髪型ひとつで、こんなに変わるビョンビョンってば、素敵!でも、物語は段々「あれ?」ってな方向に流れていきます。ヒョンビンという男子生徒と運命の出会いをするわけなんですけど、演じるヨ・ヒョンス君は、あんまり私の好みじゃないんだよな>こらよく行く電器屋さんに、ちょっぴり似ているし>こらこらおまけにビョンビョンより長身で、ビジュアル的にどーなのよ?>こらこらこらでもね、段々許せてきちゃうんですわ(何前半と後半ではムードも何もガラッと変わるんですけどその前半部分が全て、後半の伏線になっているんですよ。韓国映画って伏線の貼り方と、キャラの一貫した描き方は上手いですよね。私は「輪廻転生」なんて信じてませんけどね、この物語世界ではそれは有りと割り切って観てました。ラストのバンジージャンプのシーンなんて、美しいとすら感じました。特筆すべきは、やはりビョンビョンでしょう。純情大学生姿も、男らしい中年教師姿も、愛に苦悩する姿も…しっかり演じ分けてくれてます。演技力も含めて彼の魅力を堪能できます。それから、イ・ウンジュ…実際の彼女の姿が、どうしても役柄に重なってしまいます(T-T)これはね、韓流嫌いの人にも是非観てもらいたいです。これって、アメリカ映画だったら成り立たない物語だと思うのです。そもそも初恋を引きずるってのが、アメリカの場合どうかなあ…って感じだし。後半の展開も、「それも有りじゃん」って、それなりに受け入れられちゃうだろうし(笑)日本でも微妙じゃないかなあ…。やはり韓国ならではの作品、って気がします。大感動作とか、問題作とかではなく、ロマンチックというのとも違うけど何ていうか、一度は観てみるべき作品ではないかと思います。◇人気映画・TVBLOG◇☆やっくんち☆ バンジージャンプする この商品は送料無料です。 イ・ビョンホン/バンジージャンプする コレクターズBOXバンジージャンプする イ・ビョンホン フィギュア
2007.01.06
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A Moment To Remember2004年/韓国監督・脚本:イ・ジェハン製作:チャ・スンジェ撮影:イ・ジュンギュ音楽:キム・テウォン編集:ハム・ソンウォン出演:チョン・ウソン、ソン・イェジン、ペク・チョンハク、イ・ソンジンパク・サンギュ、キム・ヒリョン ううっ、やっぱ泣いてしまったわ!聞くところによると、日本のドラマで似たテーマを扱ったものが過去にあったそうでこの映画は、そのパクリだと批判している人もいるそうですが、幸か不幸か(?)私はドラマの方は観ていないので、その点は何とも言えません。ただ、唯一無二の題材を見出すのは難しいでしょうし、扱い方にもよるでしょうから面白いか否か…作品的に良く出来ているか否かで判断すれば良いかと思います。アルツハイマー病で記憶が失われていく…という悲痛な状況にある人物の物語というと私的には、香港映画『わすれな草』を思い浮かべます。主人公はおっさん(エリック・ツァン)だし、設定もストーリーも全く違いますがね。でも、やはり、とてもとても切ない映画でした。前半が長過ぎ…という意見には賛同します。色々と伏線は張ってあるのですけれどね。お嬢様と貧しい労働者の恋―韓ドラお得意のシチュエーションで、ちょっと新鮮味がない気が…(^^;)まあ、美男美女なので許したくはなっちゃうんですが>ぉただ、ヒロイン@スジンは無邪気過ぎ、相手役@チョルスはワイルド過ぎ…かな(笑)そんなスジンが冒頭で厚化粧で登場するのは、ちょっと目を引くかな。妻子ある男性と駆け落ちしようとしている、というシチュエーションも。チョルスは愛のない環境で育ったため、家族という存在に懐疑的らしくスジンの方からプロポーズしてるのに、最初はずっと拒否します。責任取れないなら最初から付き合うなよ!と、女性の立場ではバッシングしたくなっちゃいます(爆)そんな彼がスジンを病気ごと受け止めていこうとするまでに変貌する…そこに感動を見出すべきというのは分かるんですけど(^^;)所謂“悪役”は出てこない作品なのですが、唯一スジンの元彼@ヨンミン=不倫男だけが、少しばかりトホホな役柄になっています。スジンが夫チョルスを「ヨンミン」と呼んでしまうエピは悲しみが伝わってきます。まあ、ヨンミンの存在意義って、結局この一つのエピのためだけって感じがしますが(笑)その他、スジンが診察を受ける医師がユニークなキャラだったり、チョルスの母親の借金を肩代わりするエピが入ったり、それぞれ悪くはないんだけど、アイディア盛り込み過ぎかな…って気がしました。とはいえ、2人が既に結婚していて、いきなり病気の話から始まったら感情移入が難しいかもしれません。難しい病気の彼女を受け入れていくには、最終的には愛しかありませんから―愛だけでも難しいけど、愛がなかったら不可能だと思いますから―2人の間の愛を十分に描く必要がありますよね。だから、否定はできないんですが…もうちょい絞れば良かったのかな?医師や母親もラストで集結するわけで、無駄ではないんです。そこのところ、とっても韓ドラらしいんですけど、やっぱ泣けるんです。そこに至るまでの流れを、もうちょい「畳み掛けるように」描いてほしかったかも?後半は涙なしには観られない展開になっていきます。「私の頭の中に消しゴムがあるの」タイトルそのままのスジンの台詞に、まず泣けました。それから、チョルスがリニューアルしたキッチン、白一色はないだろう…と思ってました>他がナチュラルな色調なのにでも、彼女の病気が分かってから、その上に色んなものの説明を書いた紙が貼られていきああ、このために白が生きてくるのか…と思いました。もっと素直に観なきゃいけませんね(*^^*;)☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇DVD 私の頭の中の消しゴム プレミアム・エディション 2枚組 【取り寄せ】「私の頭の中の消しゴム」オリジナルサウンドトラック『ラヴ・ストーリー~韓国TVドラマ&映画クラシックス』
2006.12.26
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2005年 韓国 監督 パク・チャヌク 脚本 パク・チャヌク 音楽 チョ・ヨンウク 出演 イ・ヨンエ 、チェ・ミンシク 、クォン・イェヨン 、オ・ダルス 、キム・シフ 『復讐者に憐れみを』『オールドボーイ』に続く復讐シリーズ第3弾。といっても私は『復讐者』は、まだ観てないのです>ガンちゃん主演なのにィ『オールド』は、かなり面白かったです。コミカルな展開と残酷描写は、この『クムジャ』と共通しています。ま、『クムジャ』の方が―女性が主人公のせいか?―幾分、残酷度は低いかな…という気はしますが。観てから少し間があいちゃったもんで、少し記憶が薄れた部分もあるんですが>ぉぃでも、面白かったってことだけは、しっかり覚えてますよ。物語の性質上ネタバレは控えたいと思いますが、多少は触れてしまうかもしれないので未見の方はご注意くださいませ。復讐譚と聞いて個人的に思い出すのは、古めの香港映画と日本の2時間サスペンス・ドラマ。(貧困過ぎますねそうですね ^^;)前者は、痛快なアクションと共に復讐は遂げられ、爽快感を味わうことができます。復讐者にも悲しい結末が訪れますが、その哀切さに美意識あり…てな感じが主な気がします。後者は、いよいよ本命を倒そうという段階で刑事に追い詰められ、人情話で説得され復讐者は目的を果たさぬまま自主するか自殺するかで中途半端に終了…というパターンが多いように感じます。こちらは、そのどちらにも属しません。復讐はきっちり遂げられますが、その手段は華麗でも爽快でもなく観る者にも痛みを感じさせるようなリアルで残酷な描写です。薄っぺらい人情や正義など、入る余地はありません。恨みを晴らしても幸福にはなれない…というのは同じですが、そこに、カッコよさや美といったものは見出せません。ひたすら哀れで悲しくて、空しさだけが残ります。『オールド』は主人公が復讐される側でしたが、クムジャさんは復讐をする側です。イ・ヨンエが、その魅力を余すところなく披露している、と思います。清楚な美貌と、ちょっとブリッコなイメージ(笑)が囚人時代のクムジャ像に生かされているし、回想シーンの女学生姿も違和感がありません。凄く可愛いです。出所後は、一転して妖艶な大人の女の表情を見せてくれます。凄く綺麗です。相手の男(チェ・ミンシクが憎ったらしい男を好演)の髪を夢中で切るシーンで、ハッと顔を上げるところは凄い迫力と色気があります。復讐を終えた時、彼女の顔がアップになり、白黒に変わるんですがその泣き笑いのような表情、シワが寄って一度に老けたかのような表情が秀逸です。ストーリーも勿論、面白いですよ。復讐に向けて着々と準備をしていく様子が素晴らしかったし、その描き方がマンガチックなのも良いし、全てが収束するクライマックスで、彼女が選んだ方法が凄いと思いました。私的にはソン・ガンホとユ・ジテがカメオ出演してるのが嬉しかったな。☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇【DVD】限>パク・チャヌク リベンジ・トリロジーBOX(5枚組)【初回限定生産】DVD 親切なクムジャさん プレミアム・エディション 【取り寄せ】親切なクムジャさん(OST)
2006.12.10
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南極日誌/ANTARCTIC JOURNAL2005年 韓国監督:イム・ピルソン撮影:チョン・ジョンフン照明:パク・ヒョンウォン探検スーパーバイザー:パク・ヨンソクライン・プロデューサー(ニュージーランド):ブリジット・メアリー・バークミニチュア制作(ニュージーランド): ラブ・ユビル音楽:川井憲次 主題歌:イム・ヒョンジュ出演:ソン・ガンホ、ユ・ジテ、カン・ヘジョン、パク・ヒスン、 ユン・ジェムン、キム・ギョンイク * * * * * * * * * * * * *ソン・ガンホとユ・ジテ共演というと、ドラマ中心、イケメン中心の韓流ブームからは外れるかもしれないけど(笑)私的には、ど真ん中に近い配役。だから期待してたのよ~(T-T)どういう傾向の作品なのか、全く予備知識なしに観たんです>いつものことだがでもさー、これじゃ、ちょっと説明のしようもないかもしれない(酷)では、つまらないかと言うと、別にそんなに悪くはないのよ。ちょっとトホホなだけよ>ぉまずね、最初の方で、隊員のひとりがガンちゃんにカメラを向けると、空中から不気味な白い手が彼に向かって伸びているのが映るのですよ。肉眼では何も見えないのに、カメラにはハッキリと映ってるんです。これを見たら、この作品はオカルト系なのかと思うじゃん。でも、ここだけなのよ。後で、これが解明されることはないのよ。クレバスに落ちた隊員を助けようとするシーンが2回出てくるんだけど、最初のはチームワークを発揮して見事に救出するのに、二回目はガンちゃんがオカシクなって、結局、見捨てることになってしまうのです。ここは対比して描いてるんだとは思うんです。でも、変に超常現象っぽい効果を入れてしまったがためにガンちゃんの中に少しずつ育っていく狂気みたいなのが、あまり強調されないの。結局のところ、トラウマを抱えたガンちゃんの妄執が全てを狂わせ悲劇を呼ぶ…というような話なんです(多分)そこのところがね、何かユルイ。ガンちゃんは素晴しいんですよ。彼は本当に優れた役者だと思います。もっと彼の演技に任せちゃえば良かったのかもしれません。ジテ君も、久しぶりに爽やか好青年って感じで出てきて>『オールドボーイ』とは正反対生真面目そうなところが彼らしくて良かったです。彼とガンちゃんが擬似父子って感じになっていくところが鍵じゃないかと思うんですけどここのところもイマイチはっきりしなかったなあ。映像は綺麗です。冷たさ、果てしなさ、それでいて閉鎖的な雰囲気…とにかく、ああいう場に自分は身を置きたくないと、マジで思って恐くなるそんな雰囲気は、とてもよく出てると思います。ちょっと惜しい作品でしたね>エラソウ☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇ソン・ガンホ/南極日誌サントラ/南極日誌韓国語ジャーナル 第14号
2006.08.15
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やっぱチョ・スンウは最高!自閉症の息子チョウォンにマラソンをさせる母親。人生の喜びを知ってほしいから。でも同時に、走っている時は普通の人に見えるから。息子が障害者だなんて信じたくない、という気持ちがあるから。外界とのコミュニケーションが上手くできないチョウォンは、走ることが好きなのか?ご褒美欲しさにやってるだけなのか、辛いのに辛いと言えないだけなのか…?「願いは、息子が私より一日早く死ぬこと」過保護になってしまったり、強制してしまったり、逆に突き放してしまったり…葛藤する母親。家に寄り付かない父親。かまってもらえず孤独な弟。そこに元マラソン選手で、今は夢もなく生きている男が絡む。そしてマラソン大会。景色はファンタジー。チョウォンが差し出した右手に触れる多くのもの。お涙頂戴ではなく、比較的淡々と描いている。だから号泣はしないけど、いつしか涙が流れているのに気付く。最初に描かれた少年時代のエピソードが、全て伏線になっていて、そこに感動する。ラストのチョウォンの表情。この描き方に参った。HP「やっくんち」に改めて感想書きました。良かったら見てね(^^) →ここ☆やっくんち☆◇人気映画・TVBLOG◇マラソン DVD
2006.05.04
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やっくんちで『永遠の片思い』(韓国) 監督:イ・ハン 出演:チャ・テヒョン、イ・ウンジュ、ソン・イェジン『ハリウッド★ホンコン』(香港) 監督:フルーツ・チャン 出演:ジョウ・シュン、グレン・チン、ウォン・ユーナンこの2作のレビューUPしましたっ!良かったら読みに来てね。「REVIEWの部屋」に置いてあります。永遠の片想い(DVD)(OST)恋愛小説-LOVER'S CONCERTO(日本タイトル”永遠の片思い”)(送料無料)ハリウッド★ホンコン ◆20%OFF!↓フルーツ・チャン監督といえば、やっぱこれ! メイド・イン・ホンコン
2005.12.04
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一昨年韓国に旅行した時、ちょうどこの映画が上映中だったのだが、「字幕無しじゃワケワカメだし」という理由で、映画館前を素通りしてしまった。ポスターは毎日拝みに行ったけど>ぉぃ原作はピエール・コデルロス・ド・ラクロの『危険な関係』。ハリウッドで過去何度も映画化されている。ヨン様の役は名うてのプレイボーイ。『危険な関係』ではジョン・マルコビッチが(ちょっと強面の演技派)同タイトル'59年版ではジェラール・フィリップが(伝説の二枚目)『華麗な関係』ではアラン・ドロンが(かつてはハンサムの代名詞)『恋の掟』ではコリン・ファースが(昔「英国マル美」の一員)『クルーエル・インテンションズ』ではライアン・フィリップが(繊細な美形)演じていた役柄だ。それぞれ設定やストーリーに細かい違いはあるけれど、プレイボーイとプレイガールが、人の心で賭けをする―プレイボーイが真実の愛に目覚め、それゆえに身を滅ぼす―という大筋は同じ。ヨン様バージョンの最大の特徴は、勿論韓国が舞台になっている点。服装や建物や小物…etc.美術がエキゾチックで美しい。初めてポスターを見た時は、「へえ~っ」って感じで物珍しさが先に立ってしまったけど、ドラマ『大長今(チャングム)』で慣れたので、映画は落ち着いて楽しめた。ついでに言うと、『チャングム』は原色が多く派手な美しさがあるけど、『スキャンダル』はもうちょい抑えた感じで、深い美しさがある。ただ、私的にイマイチだったのは、ラブ・シーンがあまり上品でなかったこと。女性だって女性のヌードを眺めるのは嫌いじゃない。でも、この映画に出てくるヌードはあまり綺麗じゃなくて、ちょっとなあ…。いや、スタイルが悪いとか肌が荒れてるとかいうんじゃないんだよ。撮り方の問題なんだろうな。「微笑みの貴公子」ヨン様が大胆なラブ・シーンに挑戦する―ってところに意義があるんだろう。でも、過激でも品のある美しい描き方はできたと思うんだけどな。その方がヨン様の魅力も増すだろうし。ストーリー的には、最後が決闘でなく「チクリ」&「卑怯な手」だったのが悲しい。でも、カッコイイ死に方でないところが、かえって良かったと思う。チョン・ドヨンを、もっと綺麗に撮ってほしかった。イ・ミスクは良かったと思う。特にラスト。☆これと『オーバー・ザ・レインボー』の2枚のDVDを一緒にレンタルしてきたので、『オーバー』の感想はやっくんちの方に、『スキャンダル』はこっちにと、分けて書いてみました。(どちらも私だけど、文体や仕様を変えているので ^^)ぺ・ヨンジュン初主演映画「スキャンダル」DVD通販限定コレクターズボックス危険な関係 DVD華麗な関係恋の掟【COBM-5341】 =20%OFF!《発売日:05/03/23》危険な関係 (1959年製作版)【IVCF-2093】 =20%OFF!《発売日:03/04/25》半額半蔵 ティーン・ムービー
2005.06.28
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韓国では家族の絆がとても強いと聞く。親には敬語を使うし、お酒を飲む時は横向いてだし、従順だし結婚後も同居がほぼ当たり前なのかもなー。…実態は知らんがね。でも、日本より濃いのは確かみたい。そう考えると、この物語は凄くリアリティーがあるのかもしれない。私もムン・ヒジュンと結婚した暁には、ヒジュン・オンマと仲良くできるよう努力しよう!!!…と心に誓う、ひじゅにである。うふ(殴でもって、このDVDジャケ写。恐そうです。エロそうです。でも、こんなシーン、本編にありませんから~~~残念☆レビューは「やっくんち」に載せてます
2005.04.03
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