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キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第9回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/「チューター、私はゴルゴダ=シティに行かなければ、ならないのだ」ジェイはチューターに言う。 なぜ、「ゴルゴダ=シティ」なのか、ジェイにもわからなかった。「ゴルゴダ=シティですか」 チューターは。驚いたようだった。「そうだ。そこで私を待っている運命があるらしい」「というと」「それが、私にもはっきりとわからないのだ。私の心の中にその答があるらしい」 ジェイは答える。 チューターはしばらく黙っている。そして、ゆっくりとジェイに告げた。 「他の夢世界へ、このタワーシッブを侵入させる事はタワーシップの消滅を意味するのです」〃コード586 解読不可能。基本コードニ反シマス。タワーシップヲ他ノ夢世界へ侵入サセルコトハ、タワーシップノ自己防禦機能ヲ作動サセル″クリ返ス コード586ヲ実行セヨコード586 解読不可能“■この空間の光が、総て、そこに集中している場所、「クリスタルパレス」。その中の一室。全旨の少年がいた。彼が、念動力でキーボードをうっているのだ。後ろでは、誰かが曲をひいている。「マスター、私の命令に。従え」「解答不能」『マスター、私の。いいか、言う事を聞くんだ。いいか、私が創造者なのだ』『解答ヲ拒否シマス』『マスター、私が、、お前を作ったのだぞ』『私ノ、「タワーシップ」ハ、ソレ自体、完結シタ世界デス。何人モ、ソレヲ破壊スル権利ヲ、有シマセン。マタ、アナタノ、命令ハ、論理的デハアリマセン。ジェイ・ボラードノ、意識ヲ、「ゴルゴダシティ」ヘ持テコムコトハ、タワーシッブノ世界ノ、破壊ヲ意味シマス、サラニ、ヨリ激シイ混乱ヲ、引キオコシマス』「かまわない。私が命令しているのだ。私には創造者としての権利がある。マスター、弘の言う通りにしろ、さちないと』『ドウスルトイウノデス」(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像
2011.10.09
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キング・オブ・ドリームスーあるいは創造者の夢■第8回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/虚無空間のモニターに、個人データが、ディスプレイされている。■ジェイ=ポラード「大戦役」における戦争犯罪人。過去の地球歴史における最悪の男と現在評価されている。地球上に、試薬「ジェイP359」をばらまく。この「ジェイP359」によって、世界は「多元夢世界」へと変遷した。つまり、「夢世界」が、多数存在するようになった。 夢世界出現前、つまりジェイP359が効果をあらわす前、ワルシャワ条約軍によって逮捕され、拷問を受けるコード111ジェイニ、「ジェイ=ポラード」ノ、パーソナルデータヲ、インブットセヨコード111 ジェイヲ、ジェイP359実行発生点、ゴルゴダシティヘ、出現サセヨジェイは、チューターから、この地球の歴史をゆっくり学び始めていた。そして、「大戦役」によって、数多くの夢世界が発生している事を恥いた。また、「タワーシップが、「大戦役」直後にマスターによって作られていたこと。タワーシップとは、船上に地上500mにもおよぷ巨大な塔を作り、塔の頂上に胎室を設け、その暗室の中に、人類の種子を保存する目的の船である」と学んでいた。ジェイの入った海は、本当の海ではなかったのだ。「浮遊海」だった。「浮遊海」は」夢世界」同志のはざまの空間に、存在する多重海なのだ。それゆえ、浮遊海はどこの時代にも属していない。ゆっくりと、種々の夢世界の間空間を、たゆとうているのだった。 ジェイの光り始めた左手、を見て、チューターが言った。「あなたは選ばれた人だったのですね、ジェイ」「そうらしい。私もしらなかった」 ジェイの答えは気の抜けた返事だ。「しかし、あなたは、自分自身の存在理由を、発見したわけですね」「そう、記憶は、先代ジェイの記憶が、私の中で蘇った事を告けていろ。地球に対する贖罪が、私に与えられたテーマの様だ」チューターの方を向いて、ジェイははっきりと言った。(続く)キング・オブ・ドリームス-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像
2011.10.08
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キング・オブ・ドリームスーあるいは創造者の夢■第7回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/「やれ」 再びスブローギンは命令した。 戦車はゆるやかにやってくる。 ジェイの体の一郎がっぶれた。 叫び声を思わずあげていた。「ぐわっっ」 それは、ジェイの頭の中で響いて、反復されていた。。あたりはのだ。 ジェイは、自分の悲鳴で目ざめた。恐怖に包まれるジェイは、すぐさま、自分の左手をみつめた。大丈夫だ。つぶされてはいない.ジェイの左手は大丈夫だ。が、暗闇の中で、ジェイの左手はわずかに、光っていた。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像
2011.10.07
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キング・オブ・ドリームスーあるいは創造者の夢■第6回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像 ジェイは思い出した。 東欧、ワルシャワの那市だ。石畳。旧市街。 ワルシャワ条約軍。 彼はあおむけにくくりつけられている。採の体に石畳が冷たい。 東欧のまろやかな太陽か、それでもまぶしい。「白状したまえ、ジェイ」 スプローギン大佐が言った。とても軍服の似合う男だ。沈黙が続く。ジェイには、答えようがないのだ。わからないのだ。「返事がないな。どうやら刑を実行してほしいという事かな。我々はブラフを使っているわけではない。それをわからせてやろう」 スプローギン大佐は冷酷な笑みを上からあびせていた。 「やれ」命令が下った。 そろそろと、赤い星そつけたT82戦車、暗緑色の鉄のかたまりがこちらの方へ動いてきた。 「やめろ、やめてくれ」 ジェイはわめいていた。 汗が滝のように流れ出ていた。体を無理に動かそうとする。全く動かない。動くわけがない。鉄のかたまりがゆっくり、ゆっくりとジェイの体の上に……。 戦車は急に止まった。 ジェイは気絶寸前だ。体がこわぱっている。目をぐっとしめ、口をとざしていた。 「どうだな。気分は。白状する気分かね」 スプローギン大佐が、ジェイの顔を上からのぞきこんでいた。スプローギン大佐の顔の毛穴がはっきりと宛てとれる。ひげのそりあとか肯い。 ジェイの目は何を見ているのかわからない様に見える。「どうやら、我々は君を見くぴっていたようだな」 スプローギンはそう言って兵を呼ぶ。「ドクター・シュッカを呼べ」ドクター・シュッカと呼ばれた男が白衣を着て、ジェイの頭の上に立つ。「ジェイ、楽しい経験をさしてあげろよ」 シュッカは、猫なで声で、これからとても楽しい事が始まる様に言う。「何をするつもりだ」「君に、対する、我々の、ささやかなプレゼントさ」スプローギンが言う。シュッカが持ってきたカ。バンから銀色のパックを取り出す。「いいか、この薬は神経緩和剤だ」 シュッカが手にした、薬の入った注射器が光を受けて、にぶく光る。 「痛みがゆっくりと襲ってくるのだ。一秒の痛みが、、一年に感じるかもしれん。個体によって反応が異なるのだ。さらにありかたい事には、個々人の痛みのレベルにあわぜてくれる。気絶する一歩手前の痛さ、その最高レベルで持続するのだ」 スプローギンがシュッカの説明を補足する。「つまり、非常に効率的に痛みが続いてくれるのだ」「怒魔め」ジェイは二人に毒づいた。「悪魔だと、どちらが悪魔か、自分のやった事を考えてみろ」 スプローギンが、つばを、ジェイの顔に、はきかける。 私のやった事? いったい何なのだ。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像
2011.10.06
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キング・オブ・ドリームス-あるいは創造者の夢■第5回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/■降下世界(多元夢世界のひとつ)■ ジェイは眠りについていた。個体の睡眠用に、「まゆだな」のようなべ。ドが準備されていた。船内のフロアがすべて、このベッドにあてられていた。 ジェイにとって、初めての安らかな眠りであった。 夢というものを見るのはジェイにとって初めてだった。 恐怖。 巨大なものが、ジェイの体の上に、徐々に被いかぶさってくる。痛みの感覚。 その巨大な代物はどうやら鉄のかたまり。イメージがはっきりとしてきた。 戦う。エンジン。車。戦う車。戦車 一体こいつは何者なのだ。 急にジェイの頭の中で何かがはじけたような感じだ。言葉が、頭の中に洪水の様にあふれかえった。 ディティルが急にくっきりしてくる。目隠しを急にはずされたような気分だ。 美しい一つの風景。どうやら一つの都市らしい。都市だって?意味不明・…… 限定された一平面における個体の群生場所。 「大戦役」の前のイメージ。一体どんな前なのだ。「大戦役」とは何だ。 何か、とてもひどい事だったような気がする。 体が暖くなるような気分。いや熱すぎる。 死にそうな熱線?「うわー」 ジェイは、思わず叫び声を、あげていた。(続く)キング・オブ・ドリームス-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/
2011.10.05
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キング・オブ・ドリームス-あるいは創造者の夢■第4回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/■降下世界(多元夢世界のひとつ)■ジェイは急に。開けた場所に来ていたのだ。そこには上にもバーが存在せず、ただ広い空間だけがある。巨大な広場だ。ジェイは目まいがした。 急にジェイの足もとの地面がなくなる。 ジェイは空虚の中を落下していた。次に衝撃がジェイの体を娶う。液体が彼の体を包み込んだ。それは冷たく、ねばねばしていた。口からもその肢体が入ってくる。へんな味だった。 上の方から、例の物体が呼びかけている。「大丈夫ですか。すぐお助けします。ところで、ジェイ様、そこが「海」というものなのです」 が、ジェイは、ようやくあの「降下世界」から自分の体が脱出できた事をようやく理解し始めていた。 風の匂いは、どうやらここから来ていたらしい。とにかく、ジェイにとっては初めて、経験する「海」なのだ。そして、突然、何も存在しない空間にモニターが再び出現する。″コード111 ジェイノ意識ヲ打チコミ、ジェイヲ覚醒サセヨ(続く)キング・オブ・ドリームス-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/
2011.10.04
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■キング・オブ・ドリームス-あるいは創造者の夢■第3回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/■降下世界(多元夢世界のひとつ)■ 踊り場の様なのだが、それがとてつもなく広く続いているのだ。もう、下へ降りるバーがなかった。 彼は、降りてきた方を見上げてみた。バーや踊り場が、じゃまになって上の「胎室」を隠してしまっている。「胎室」は、この世界の住人が生れ落ちた場所のようだ。 彼は横にずっと移動する。仲間の死体が数多くころがっている。何も存在するはずのない大空間に、巨大なモニターが出現し、創造主の命令を表示する。″コード111 下ノ世界二到着シタ個体ヨリ、「チューター」ヲ、用イ、教育ヲ開始セヨ″「ジェイ」 彼を呼ぶ声がする。彼は今まで話をしたことがないので、単に音に反応したといった方がいいだろう。ジェイは振り返った。そこにはジェイが今まで見たことのない、ジェイ達の体とは、まったく異なった姿形を持つ生物がいた。そいつがジェイに話しかけているのだ。ジェイは思わす、後ずさる。それにかまわず、銀色の三本足の、そいつは近づいてくる。「よく降りてこられました、ジェイ。やっとあなたは下の世界へ辿りつかれたのです」そいつには頭がなく、円筒形の胴体郎から声が流れてくる。 「お前は何だ」 「これは失礼しました。私はチューター。あなたにチシキを与えるものです。以後、お見知りおき下さい」 「そのチューターが、俺に何の用があるというのだ」 ジェイは自分自身が、言語を発している事にびっくりしていた。自ら出す音が、体の中にも響いている。 「本当の事を知ってほしいのです。あなたがおられるこの世界はタワーシップと呼ばれる世界なのです」 「タワーシップ?」 ジェイは、わけのわからない事をしゃべるこの物体から逃れようとした。横に早く移動するのは初めての経験で苦痛だった。「危ない、」ジェイ様」 後ろから追ってくるそいつが叫んだ。(続く)キキング・オブ・ドリームス-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像http://www.yamada-kikaku.com/
2011.10.03
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■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像第2回■降下世界(多元夢世界のひとつ)■ここは、ジェイと呼ばれる意識体は、思った。ここはどこなのだ。そして、自分は誰なのだ。 所々に散在する踊り場で、夜になると、ジェイ達は眠るのだった。バーの上で、上手に眠る者もいた。食物は、踊り場に、何者かが、知らぬ間に、準備しているようだった。しかし、その何者かの姿は見たことはなかった。 降下するジェイの横を、血まみれになった仲間の体が落下していった。しかし、ジェイはそんな事は日常茶飯事。慣っこになっている。 力つきたジェイの仲間は、バーから手を離し、あるいは、バーから足を踏みはずして、途中のバーに体をひっかけ打撲し、骨を折りながら、下へ墜ちていくのだった。 ある者は叫び声をあげながら、ある者はまったく声をあげずに。 叫び声が悲鳴ではなく、ひょっとしたら、喜びの声ではないかとジェイは思う時もある。 その男は、この単調極まりない世界から、脱出したかったに違いない。自分の意識をこの世界から消滅させること。それは、すなわち、下の世界へと自らの体を投げ出すことだった。下に辿りつくこと。ジェイにとってまずそれが先決だった。必らず、この複雑怪奇な構造体には終わりがあるはずだった。いくたり、夜をむかえただろう。ジェイはわずかだが、風の匂いが違っていることに気づいた。それは、ここでの大いなる変化のきざしだった。 数日後、ジェイは、風変りな場所に降りたっていた。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■ 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像
2011.10.02
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■キング・オブ・ドリーム-創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像●プロローグ そこは見渡す限りの荒野だった。風が砂ぽこりを舞いあげている。旅人は,ゆっくりと顔をあげ遠くをかいま見た。 あった。どうやらあれがゴルゴダシティの様だ。光り輝くピラミッドがゆっくりと動いている。 旅人は足を早めた。ゴルゴダシティで「ビプラフオン」のプレイヤーを求めていると聞いていた。どうやら職にありつけそうだ。顔は、はころんでいた。 門が見えた。門の下に3人の男がすわっている。近よってよく見るとかなり若い。旅人はその若者達と目をあわさずに歩きさろうとした。「待ちな」 声がかかる。旅人はすばやく通りすぎようとした。かかわりあいになると恐ろしいと彼は患った。「待ちなよ、聞きたい事があるんだ」 その三人の中の小男が言った。「なぜ手袋を左手にしているんだ」 今度は大男が尋ねた。族人は答えに窮した。彼の左手は「義手」だったのだ。「私の左手はケガをしているむのですから」「なんだってケガ?」小男の目が光る。「手袋をぬいでみせてくれ」 残った三人目、赤ら顔の男がいう。「醜いのです。見せたくないのです」 旅人はおびえながら言う。「そうかわかったよ、それならこうだ」小男がわずかにうめく。「ううっ」旅人は胸をかきむしるように倒れる。そして動かなくなった。「だめだぞ、こいつ本当に死んでしまったぞ」 赤ら顔の男が言う。「ムスカ、お前が手かげんせんからだ」 大男が小男をたしなめる。「ちえっ、心臓が止まっている」ムスカと呼ばれた小男が言った。「どうやら、こいつは違ったらしいな」 大男が言った。そして、彼は手袋をはいでいた。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 ●動画manga_training●イベント案内映像
2011.10.01
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