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2006.03.19
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カテゴリ: メディア
▼富山の正力6


中国人に対する虐殺は、亀戸事件と同じ9月3日に始まった。やはり亀戸署管内の大島町(現・江東区大島)で、放火の嫌疑で3回にわたり中国人(一部朝鮮人)約300人を捕まえては銃殺または撲殺した。主に手を下したのは軍隊と自警団で、それに警察も加わった。

当時大島町周辺には1000人以上の中国人労働者が暮らしていた。王希天はそうした労働者のリーダー的存在で、日本人ブローカーによる賃金の不当なピンハネ行為から中国人労働者を守る組織を設立した人物でもあった。

当時日本人の間では中国人排斥運動が起こっていた。中国人は安い賃金で働くので日本人労働者の仕事口を奪っているという不満が渦巻いていたのだ。一方、王希天らの運動により、これまでのように中国人労働者から搾取できなくなった日本人ブローカーも、邪魔な中国人リーダーを疎ましく思っていた。彼らにとって震災後の混乱は、まさにこうした邪魔物を消したり、鬱積した不満を解消したりする絶好の機会であったわけだ。

約300人の中国人を意図的に抹殺するという、この狂気の犯行に人々を駆り立てたのが警察であったことが、当時の証言や警察の内部文書から浮かび上がってくる。警察官は中国人や朝鮮人は見つけ次第殺せと盛んに宣伝していたというのだ。当然、このことは正力も知っていたはずである。

大島町で多くの中国人労働者の安否がわからなくなっていることを聞きつけた王希天は、殺害が実行された6日後の9日、大島町に行き中国人の消息を尋ね歩いた。まさに、飛んで火に入る夏の虫である。直ちに捕らえられ、亀戸署に連行された。

3日後の12日午前午前3時、保護のため習志野に護送するという名目で連行する途中、王は野戦重砲兵第一連隊第六中隊の垣内八洲夫に斬り殺されたのである。軍と警察による抹殺の連携であった。
(続く)





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最終更新日  2006.03.19 09:06:10
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