天の王朝

天の王朝

PR

×

プロフィール

白山菊理姫

白山菊理姫

フリーページ

ハーバード経済日誌


ハーバード経済日誌(2)


ハーバード経済日誌(3)


ハーバード経済日誌(4)


ハーバード経済日誌(5)


ハーバード経済日誌(6)


古代飛騨王朝を探して


海外でのダイビングあれjこれ


海外でのダイビングあれこれ2


海外でのダイビングあれこれ3


驚異のガラパゴス(1)


驚異のガラパゴス(2)


驚異のガラパゴス(3)


歴史箱


山口博教授の講演録


古典SFの世界


富山サイエンス・フィクションの世界


ETとの交信は可能か


不思議な世界


不思議な世界2


不思議な世界3


不思議な世界4


不思議な世界5


不思議な世界6


不思議な世界7


不思議な世界8


フォト・ギャラリー


雑感


誰がケネディを殺したか


誰がケネディを殺したか2


誰がケネディを殺したか3


誰がケネディを殺したか4


カストロが愛した女スパイ1


カストロが愛した女スパイ2


カストロが愛した女スパイ3


カストロが愛した女スパイ4


カストロが愛した女スパイ5


カストロが愛した女スパイ6


カストロが愛した女スパイ7


カストロが愛した女スパイ8


カストロが愛した女スパイ9


カストロが愛した女スパイ10


カストロが愛した女スパイ11


出雲族と大和族の話(パート1)


出雲族と大和族の話(パート2)


サイド自由欄

設定されていません。
2007.11.01
XML
テーマ: いい言葉(573)
カテゴリ: 文学・芸術
漆黒のバラ


今日は薔薇シリーズからは少し脱線しますが、物語自体が血塗られた漆黒のバラのようなものであるということで(かなりこじつけですが)、ハムレットの独白「生きるべきか死ぬべきか」と同じくらい有名な、マクベスのニヒリスティックな独白を紹介しましょう。

これがそのマクベスの台詞です。妻の訃報を知り、いよいよ追い詰められたマクベスが語ります。

Macbeth:
To-morrow, and to-morrow, and to-morrow,
Creeps in this petty pace from day to day,
To the last syllable of recorded time;
And all our yesterdays have lighted fools
The way to dusty death. Out, out, brief candle!

That struts and frets his hour upon the stage,
And then is heard no more. It is a tale
Told by an idiot, full of sound and fury,
Signifying nothing.

マクベス:
明日が来て、また明日が来て、そして再び明日が来る。
時はこのようにのろのろと、来る日も来る日も這うように行進を続ける。
それは運命に記された時の最後の瞬間まで続く。
昨日という昨日はすべて、塵にまみれた死への道を
愚か者たちのために照らしていたのだ。
消えろ、消えてしまえ、束の間のろうそくの炎よ!

舞台の上では大見得を切って出番をまっとうするが、
終わればそれっきりで、見向きもされない。
人生は白痴が語る物語。叫び声と怒りばかりで、
意味など何もありはしない。

今回は訳を先に紹介しましたが、原文を詳しく見ていきましょう。


3行目のto the last syllableは「最後の一句まで」。recorded timeは「記録された時」ですが、あらかじめ刻まれた運命(歴史)というような意味ではないでしょうか。

4行目のlight someone ~で、「だれだれのために~を照らす」となります。ろうそくは生命の比喩ですね。『オセロ』にも出てきました。6行目のbutはonlyと同じで「~に過ぎない」と訳します。7行目strutは「気取って歩く」。fret his hourは(舞台での)出番の時間をすり減らすとか乱すという意味になります。


9行目のsound and furyは「響きと怒り」ですが、ノーベル文学賞受賞米作家ウィリアム・フォークナーが書いた斬新な小説のタイトル『響きと怒り』(The Sound and The Fury)にも採用されています。

いかがでしたが、マクベスの独白。残虐非道な行為をしたマクベスですが、ここまで人生を達観されると、つい感情移入してしまいます。見事としか言いようがありません。

私は大学の卒業論文で、不条理演劇作家のサミュエル・ベケットについて書いたのですが、その論文にもこのマクベスの独白を引用させてもらいました。一見、何の関係もないように思われるかもしれませんが、不条理劇を突き詰めていくと、結局は「世界はすべて舞台である」というシェイクスピアの世界観にたどり着いてしまうんですね。20世紀に開花した不条理劇の源流は、このマクベスの独白から始まったと言っても過言ではないように思われます。

もっとも、人生は舞台であるという思想は古くからありました。
古代ローマの詩人ペトロニウス(皇帝ネロの時代に活躍した文人)の作と伝えられる次の言葉がそれです。

Totus mundus agit histrionem.
(世界はすべて劇場である)

この言葉はシェイクスピアの劇を数多く上演してきたグローブ座の正面玄関にモットーとして掲げられているそうです。そしてシェイクスピア自身も、この言葉を彼流にアレンジした台詞を『お気に召すまま』で紹介しています。

All the world's a stage,
And all the men and women merely players.

世界はすべて舞台である。
男も女もみな、役者にすぎない。

当然、これも私の卒論で引用させてもらいました。

『マクベス』には、ほろ苦い思い出もあります。英国留学時代の1980年、ロンドンの劇場(オールド・ビック座)でピーター・オトゥール演じる『マクベス』の舞台を観ました。ところが、台詞と台詞の間が間延びしていて、テンポも遅く、なんとも締まらない出来栄えでした。当時の私は、ロマン・ポランスキー監督による映画『マクベス』の鬼気迫るような緊張感を期待していたので、あまりの迫力のなさにがっかりした記憶があります。実際、オトゥールの『マクベス』は新聞などでも酷評され、後で知ったのですが、「史上最悪のシェイクスピア劇」という烙印を押されたそうです。ずいぶんな言い方ですね。

さて今日の薔薇ですが、黒い薔薇など存在しませんね。そこで夕闇を背景に深紅の薔薇を下から撮影して、何とかマクベスの運命を暗示する、暗い薔薇に見えるように苦心しました。

漆黒の薔薇

なんとなく雰囲気が出ましたよね? 





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.11.01 12:13:43
コメント(6) | コメントを書く
[文学・芸術] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:薔薇シリーズ22  
furafuran  さん
白山菊理姫さん、こんにちは。

お気に召すままなど、4大悲劇以外の世界観が好きですが、マクベスやハムレットはずっしりくるものがあり、一度見ると(読むと)、忘れないもので、マクベスははじめの出だしから、どうしてそう進んでいってしまうのかと、考える間もなくテンポ良く引きずり込まれる(本も映画も)ものだと思っていたので、間延びした舞台の想像がつきません(笑)。演じる役者であることを楽しむことが一番楽しいことと思うと、来る日も来る日も這うように行進を続ける時も、それはそれでよいものですよと、初めて読んだときとは違った思いもありますね。

後ろ向きに写ったバラ。卒論の記憶が時間に追われる黒バラだったと、自分のことを思い出して笑ってしまいました。


(2007.11.01 13:52:02)

Re[1]:薔薇シリーズ22(11/01)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>お気に召すままなど、4大悲劇以外の世界観が好きですが、マクベスやハムレットはずっしりくるものがあり、一度見ると(読むと)、忘れないもので、マクベスははじめの出だしから、どうしてそう進んでいってしまうのかと、考える間もなくテンポ良く引きずり込まれる(本も映画も)ものだと思っていたので、間延びした舞台の想像がつきません(笑)。

オトゥールも自分に酔っちゃったんでしょうかね。私の記憶では、緩慢で、独りよがりの「オトゥール・マクベス」だったような印象が強く残っています。

>演じる役者であることを楽しむことが一番楽しいことと思うと、来る日も来る日も這うように行進を続ける時も、それはそれでよいものですよと、初めて読んだときとは違った思いもありますね。

人生観が変われば、作品に対する見方も変わってきますね。マクベスはおぞましい内容ですが、人間の生き方を学ぶヒントに満ちているように思います。

>後ろ向きに写ったバラ。卒論の記憶が時間に追われる黒バラだったと、自分のことを思い出して笑ってしまいました。

時間に追われる黒バラだった? 面白そうな思い出ですね。卒論とバラに何か関係があったのでしょうか。 (2007.11.01 19:49:01)

世界は舞台  
>不条理劇を突き詰めていくと、結局は「世界はすべて舞台である」というシェイクスピアの世界観にたどり着いてしまうんですね。20世紀に開花した不条理劇の源流は、このマクベスの独白から始まったと言っても過言ではないように思われます。

この2文のつながりについて、思い巡らせています。 (2007.11.01 20:00:56)

Re:世界は舞台(11/01)  
白山菊理姫  さん
ヤンチャリカ☆358さん
こんばんは。

>この2文のつながりについて、思い巡らせています。

私流の不条理劇論です。マクベスは、常識的な考えを超越していますね。人生は劇であり、その劇すら意味がないと言っているんですから。

もちろん意味はあるのですが、私たちが真剣に思い悩む日常の出来事の数々は、じつはただのゲームではないかとの考えが不条理劇にあるように思います。

今度こっそりと、問題の卒論をフリーページに公開しておきます。気が付いて、かつお暇でしたらお読みください。 (2007.11.01 21:01:46)

Re[2]:薔薇シリーズ22(11/01)  
furafuran  さん
こんばんは。
再度おじゃまいたします。

>>時間に追われる黒バラだった? 面白そうな思い出ですね。卒論とバラに何か関係があったのでしょうか。

(遊び歩いていて)間に合いそうもない状態の友人のかわりに何冊か読んで、ポイントを書き出し、2日間食事係をました。きっと時効でしょうが、内緒にしてくださいね(笑)。卒論をこっそり手伝いに行った日に、彼女が誕生日にもらったというバラが、何日も水をもらえず自然ドライフラワーとなり、赤ではなく黒っぽいバラに。 (2007.11.01 22:28:21)

Re[3]:薔薇シリーズ22(11/01)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>(遊び歩いていて)間に合いそうもない状態の友人のかわりに何冊か読んで、ポイントを書き出し、2日間食事係をしました。きっと時効でしょうが、内緒にしてくださいね(笑)。卒論をこっそり手伝いに行った日に、彼女が誕生日にもらったというバラが、何日も水をもらえず自然ドライフラワーとなり、赤ではなく黒っぽいバラに。

なるほど、そういうことだったんですか! 
学生にとって卒論は結構プレッシャーになります。しかし、それだけ手伝えば、友達に学位をプレゼントしたようなものですね。もちろん内緒にしておきますが。薔薇も枯れれば、黒バラになるのですね。 (2007.11.01 23:11:01)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

MartaTek@ President The US president raged at NATO allies o…
立山の百姓@ 尖山について はじめまして。 尖山の近くで農園を営ん…
simo@ Re:新刊『UFOと交信すればすべてが覚醒する』の解説(03/21) こんにちは。初めまして。 昨年妻が海で撮…
たぬき@ Re:ニニギの兄に祭り上げられたホアカリの正体(03/12) ホアカリ。 徐福が秦の始皇帝の使節を隠れ…

カレンダー

バックナンバー

・2026.07
・2026.06
・2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01
2025.12
2025.11
2025.10

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: