天の王朝

天の王朝

PR

×

プロフィール

白山菊理姫

白山菊理姫

フリーページ

ハーバード経済日誌


ハーバード経済日誌(2)


ハーバード経済日誌(3)


ハーバード経済日誌(4)


ハーバード経済日誌(5)


ハーバード経済日誌(6)


古代飛騨王朝を探して


海外でのダイビングあれjこれ


海外でのダイビングあれこれ2


海外でのダイビングあれこれ3


驚異のガラパゴス(1)


驚異のガラパゴス(2)


驚異のガラパゴス(3)


歴史箱


山口博教授の講演録


古典SFの世界


富山サイエンス・フィクションの世界


ETとの交信は可能か


不思議な世界


不思議な世界2


不思議な世界3


不思議な世界4


不思議な世界5


不思議な世界6


不思議な世界7


不思議な世界8


フォト・ギャラリー


雑感


誰がケネディを殺したか


誰がケネディを殺したか2


誰がケネディを殺したか3


誰がケネディを殺したか4


カストロが愛した女スパイ1


カストロが愛した女スパイ2


カストロが愛した女スパイ3


カストロが愛した女スパイ4


カストロが愛した女スパイ5


カストロが愛した女スパイ6


カストロが愛した女スパイ7


カストロが愛した女スパイ8


カストロが愛した女スパイ9


カストロが愛した女スパイ10


カストロが愛した女スパイ11


出雲族と大和族の話(パート1)


出雲族と大和族の話(パート2)


サイド自由欄

設定されていません。
2008.03.18
XML
テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼悪の華と薔薇2(ボードレール2)


ではその『悪の華』の「憂鬱と理想」から、「理想」という詩を紹介します。

L'Ideal(理想)

Ce ne seront jamais ces beautés de vignettes,
Produits avaries, nes d'un siecle vaurien,
Ces pieds a brodequins, ces doigts a castagnettes,
Qui sauront satisfaire un coeur comme le mien.

挿絵の美人も、ろくでなしの時代が生んだ
傷ついた産物も、長靴を履いた足も、

決して私の心を満足させはしない。

Je laisse a Gavarni, poete des chloroses,
Son troupeau gazouillant de beautes d'hopital,
Car je ne puis trouver parmi ces pales roses
Une fleur qui ressemble a mon rouge ideal.

病院がふさわしい、絶え間なくしゃべる美人の群れは
萎黄病の詩人ガヴァルニに任せよう。
というのも私は、あの青ざめた薔薇たちの中から
私の理想の紅薔薇に似た花を見つけることができないから。

Ce qu'il faut à ce coeur profond comme un abime,
C'est vous, Lady Macbeth, ame puissante au crime,


奈落の底のような深みに沈んだこの心に必要なのは、
それはあなただ、マクベス夫人、罪に強い魂よ、
南風吹きすさぶ風土に咲くアイスキュロスの夢よ。

Ou bien toi, grande Nuit, fille de Michel-Ange,
Qui tors paisiblement dans une pose etrange


あるいは君だ、偉大なる「夜」、ミケランジェロの娘よ、
巨人族の口づけにもってこいの魅力的な姿態を
奇妙なポーズで静かにくねらせる君だ!

難解ではありませんが、当時のパリの風俗や流行を知らないとちょっとわかりづらい詩になっています。第一節に出てくる風物は、当時流行っていたものでしょうか。第二節で挿絵画家ポール・ガヴァルニが登場するので、「挿絵の美人」は彼に描かれた美人のことだと思います。ほかの「傷ついた産物」「長靴を履いた足」「カスタネットを鳴らす指」が具体的に何を指すのか定かではありません。ボードレールの目指す理想とは、どうやら違うようですね。

ガヴァルニは当時人気のあった版画家で、パリの風俗を風刺した挿絵を雑誌や新聞に描いました。徹底的に女性を追求したため、「女の画家」とも呼ばれたそうです。「萎黄病」は、青年期の主に女子に起こる一種の貧血病で皮膚が緑色に変わる病ですが、実際にカヴァルニがその病に冒されていたかどうかはわかりません。

ガヴァルニの作品はこちら をご覧ください。


日本語は こちら です。
結構、味のある風刺画を描いていますね。

ボードレールの薔薇は、女性たち、とくに他の芸術家や作家が描く女性のことを指しているようです。「紅薔薇」はボードレールが求める理想の女性、もしくは理想の作品の象徴ですね。

一種のショック療法でしょうか。ボードレールが求めるのは、マクベス夫人であると言っていますね。マクベス夫人とは、シェイクスピアの『マクベス』に出てきます。王の暗殺に尻込みする夫を叱咤激励し、計画を実行させた女性です。アイスキュロスは古代ギリシャの三大悲劇詩人の一人。

第四節の「夜」は、イタリア・フィレンツェのメディチ礼拝堂に現存するミケランジェロの 名作彫像 です。こちらのサイトの左側の女性像が、夜を擬人化しているんですね。
確かに「奇妙なポーズで」身をくねらせています。Titansはギリシャ神話に出てくる巨人。天と地の間に生まれましたが、ジュピターの怒りに触れて地獄へ落とされます。

ボードレールが理想とするものが、なんとなくわかってきますね。
(続く)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.03.18 11:12:05
コメント(4) | コメントを書く
[文学・芸術] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:悪の華と薔薇2  
furafuran  さん
こんにちは。

「悪の華」というのですから、もっとすごく辛口でずっしりくることが書かれているのかなと思っていました。ところが、訳していただいたものを読むと、なぜかふっと笑ってしまいました。ガヴァルニの風刺画が面白いからだけではないようです。確かに「病院がふさわしい、絶え間なくしゃべる美人の群れ」(?)は、私も見たことがあります(笑)。

こういった詩で表現をするのがボードレールなのだとしたら、なんだか楽しめそうです。 (2008.03.18 16:03:05)

Re[1]:悪の華と薔薇2(03/18)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>「悪の華」というのですから、もっとすごく辛口でずっしりくることが書かれているのかなと思っていました。ところが、訳していただいたものを読むと、なぜかふっと笑ってしまいました。ガヴァルニの風刺画が面白いからだけではないようです。確かに「病院がふさわしい、絶え間なくしゃべる美人の群れ」(?)は、私も見たことがあります(笑)。

清く正しい生き方とは違う、汚れてちょっとひねくれた生き方をボードレールは提唱しているようにも思えます。ちょっと短絡的に言えば、「悪の華」は「水清ければ魚棲まず」とか「清濁併せ呑む」と同じことかもしれませんね。

>こういった詩で表現をするのがボードレールなのだとしたら、なんだか楽しめそうです。

5歳のときに父親が亡くなり、9歳のときに母親が再婚。母の再婚で心に深い傷を受け、奔放でダンディな青春の日々を過ごしました。深く沈んだ心を癒すのは、悪の華しかなかったのでしょうね。子供のように傷ついた心情が彼の詩から伝わってきます。そのような詩のいくつかを薔薇をキーワードにしてご紹介するつもりです。 (2008.03.18 21:00:07)

Re[2]:悪の華と薔薇2(03/18)  
furafuran  さん
こんばんは。

ボードレールも生い立ちが複雑なのですね。どの詩人も心に負った傷を癒すために、書いたものなのかなと、ちょっとだけ思ってしまいました。いつまでも解けない糸を持っているような感じがしてしまいます。 (2008.03.18 21:43:30)

Re[3]:悪の華と薔薇2(03/18)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>ボードレールも生い立ちが複雑なのですね。どの詩人も心に負った傷を癒すために、書いたものなのかなと、ちょっとだけ思ってしまいました。いつまでも解けない糸を持っているような感じがしてしまいます。

恵まれた、充足した人生からは、ボードレールやポー、マラルメ、イェイツのような詩は生まれませんね。これらの詩人はいつも苦悩し、悲しげです。それが詩を書く原動力になっているのですから、人間の創作活動は面白いですね。不幸があるから、幸福の意味がよりはっきりするようなものでしょうか。 (2008.03.18 21:58:43)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

立山の百姓@ 尖山について はじめまして。 尖山の近くで農園を営ん…
simo@ Re:新刊『UFOと交信すればすべてが覚醒する』の解説(03/21) こんにちは。初めまして。 昨年妻が海で撮…
たぬき@ Re:ニニギの兄に祭り上げられたホアカリの正体(03/12) ホアカリ。 徐福が秦の始皇帝の使節を隠れ…
たぬき@ Re:サノノミコト(神武天皇)になぜ神が付いたのか(07/29) ジンム。と読まずに 大和言葉風味、古代語…

カレンダー

バックナンバー

・2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01
2025.12
2025.11
2025.10
2025.09
2025.08

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: