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2015.07.22
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カテゴリ: 歴史箱
アイルランドのボイン川の丘に、5000年前の巨石構造物であるニューグレンジが見つかったのは、1699年のことでした。チャールズ・キャンベルという領主の使用人たちが建材用の石を探している時に、たまたま遺跡を発見したんですね。つまり5000年近くにわたって、この世界的に有名な先史時代の遺跡は土中に埋まっていたわけです。

実はここが非常に重要なポイントです。その遺跡を発見する前から、ケルト神話ではボイン川の丘(ブルー・ナ・ボーニャ)にはダーナ神族のダグダの宮殿があったと伝わっていたからです。おそらくケルト人がブリテン諸島に来たときには、ダグダの宮殿は地中には埋まっていなかったのでしょう。ケルト人は先住民から、あるいはダーナ神族のドルイドから、かつてダグダの宮殿がボイン川の丘にあったことを聞いたのではないでしょうか。それを神話の形で伝えたということが考えられるわけです。ということは神話はある程度、真実の古代史を伝えていたことになりますね。ホメロスのトロイア戦争の物語と同じです。

で、今回の新著で私が提示している方法は、神話に語られている重要な同時代の聖地を「高み結び」という法則を使って結ぶことです。そこに何らかの意味のある直線や測量の痕跡を見つけ出すことができれば、5000年前の古代測量技術集団の叡智を発見することができるのではないかと考えたわけです。

ブルー・ナ・ボーニャの遺跡群を使ってそれを見て行きましょう。
この遺跡群には、ニューグレンジのほかに、ノウス、ドウスという羨道墳があります。神話では、ブルー・ナ・ボーニャには、ダグダの息子オィングスの宮殿もあることになっていますから、どちらかがダグダ親子の別荘か何かだったかもしれませんね。

それでは早速、地図上でダーナ神族の宮殿跡とみられる、この三つの先史時代の遺跡それぞれの中心と見られる場所に印を付けます。
ニューグレンジが北緯53度41分41秒、西経6度28分32秒にあり、ノウスは北緯53度42分05秒、西経6度29分29秒で、ドウスは北緯53度42分14秒、西経6度27分02秒です。

この緯度経度の座標からそれぞれの遺跡間の距離を割り出すと、ニューグレンジーノウス間が1275メートル、ニューグレンジ―ドウス間は1933メートル、ノウスードウス間は2711メートルであることがわかります。この数字から、ニューグレンジを中心にして考えて、ノウス間の距離を約1・5倍した距離にドウスを建造した可能性があることが導き出されるんですね。つまり、この宮殿の建造者は、かなり正確に距離を測る技術を持っていたことになります。

既にご紹介したように、ニューグレンジは冬至の朝日が長い羨道に真っ直ぐ入射し、奥の部屋の床を短時間だけ照らすように建設されていることがわかっています。三つの宮殿の配置を見ると、ニューグレンジとノウスを結んだ直線は冬至の朝日と夏至の日没に関係し、ニューグレンジとダウスを結んだ直線は、夏至の朝日と冬至の日没に関係、そしてノウスとダウスを結んだ直線は春分と秋分の朝日と日没に関係しているのではないかと推論することができるんですね。



このようにして続けて、ブルー・ナ・ボーニャの遺跡群とタラの丘など他のダーナ神族の遺跡群の関係を見て行けばいいわけですね。

今日の写真は、ノウスの羨道墳の上から見たニューグレンジです。

Ireland 838-1

1・3キロほどの距離しかありませんから、お互いが良く見えたことがわかります。手旗信号でもコミュニケ―ションできたでしょうね。
(続く)





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最終更新日  2015.07.22 12:14:20
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