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2018.12.14
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カテゴリ: 歴史散歩
『勘注系図』の注目事項を一つ一つみていきましょう。
私が考えている系図に近いです。

・火明はオオナムチの娘・天道日女を娶り、天香語山が生まれる。

火明は天火明。すなわちニギハヤヒ(大物主)ことオオドシのことですね。
オオナムジの娘とされる天道日女には複数候補がいますが、一番可能性が高いのはタギツヒメから生まれた高照光姫(たかてるひめ)です。
対抗はオオナムジとタギリヒメから生まれた高姫こと下照姫ですが、この二人の姫は同一人物である可能性もあります。

ニギハヤヒと高照姫が結婚して生まれたのが、天香語山。天香山のことですね。
『古事記』のオオドシの神裔では「大香山戸臣神」として登場する「大香山(オオカグヤマ)」と同一人物だとみられます。
当然の帰結として、大香山の母とされる香用姫(かぐよひめ)と高照光姫、それに天道日女も同一人物ということになります。

すべて辻褄が合いますね。

竹内氏の『帝皇日嗣』から推測すると、この天香山がもちかしたらクマノクスビであり、ウガヤフキアエズであり、神武の父なのかもしれません。
そうだとしたら、なぜ高照光姫の正式名称が「高照光姫大神(たかてるひめのおおかみ)」と「大神」になっているかも納得できますね。
さらに言えば、なぜ山幸彦が海幸彦を差し置いて、日向族の王になった(ならざるをえなくなった)のかという疑問の答えも見えてきたように思えます。
日向族はこの段階で事実上、分裂状態になっていた可能性があります。
イワナガヒメを返したニニギに対して言い放ったオオヤマツミの予言が的中したと見ることもできます。
たとえば一つの可能性として、天火明がヒコホホデミと入れ替わったか、あるいは天火明を日向のホホデミ王朝に組み込まれたのかもしれません。

・火明は佐手依姫を娶り、穂屋姫が生まれる。
・佐手依姫の別名は市杵嶋姫(いちきしまひめ)、亦の名を息津嶋姫(おきつしまひめ)、亦の名を日子郎女(ひこいらつめ)という。

穂屋姫の母・佐手依姫(さてよりひめ)は、実は宗像三女神の一人である市杵嶋姫であったと書かれています。
市杵嶋姫の別名は狭依毘売(さよりびめ)ですから、佐手依姫という別名があったとしてもおかしくありませんね。


本当の母親はナガスネヒコの妹であるミカシキヤヒメであったのではないかと思うんですね。
というのも、新潟の弥彦神社に行けばわかりますが、穂屋姫のことを熱穂屋姫(うましほやひめ)と呼んでいるからです。
「うまし」が名前に付く神はほかにもいましたね。
それがウマシマジです。
ミカシキヤヒメとニギハヤヒの間に生まれた息子です。

なぜ、それを隠したのか。
それは何度も説明したように、ミカシキヤヒメはイツセを殺した「賤しき奴」であるナガスネヒコの妹だからです。

・天香語山は異母妹の穂屋姫をめとり天村雲が生まれる。

穂屋姫がミカシキヤヒメの娘なのか、イチキシマヒメの娘なのかは別にして、天香山と異母妹であることに変わりありませんね。
この異母兄妹の結婚で生まれたのが、天村雲(あめのむらくも)、別名天五多手(あめのいたて)。
『勘注系図』によると、天村雲とイカリヒメの間に生まれたのが、倭宿禰(やまとすくね)です。同系図には別名として、天御蔭命(あめのみかげのみこと)、天御蔭志楽別命(あめのみかげしからきわけのみこと)があるとされていますが、神武東征の際に水先案内をした「珍彦(うずひこ)」ではないかとみられています。



(続く)





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最終更新日  2018.12.14 16:52:09
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