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学業のあらましはとりあえずこれくらいにして、ケント大学のキャンパスライフについても語っておきましょう。
学生寮には、ほとんどなんでもあります。
食堂、パブ、遊戯室、ラウンジ、テレビ室、洗濯室、冷蔵庫付き台所などなど。
もちろんオープンする時間は決まっていて、パブは午後8時か8時半には閉店したように記憶しています。
私はいつも、朝食を食べた後、ラウンジにいって新聞を読んでいました。
読んだのはタイムズ、ガーディアン、デイリー・テレグラフの三紙。タブロイド紙も置いてあったかもしれません。
平日はラウンジに置いてある新聞を比較的競争もせずに読めるのですが、日曜日は取り合いになります。
そこで、日曜日は自分で三紙のうちの一紙を購入することにしました。
日曜日には、ガーディアンはオブザーバーに、タイムズはサンデータイムズに名前が変わります。
劇場もキャンパス内にあります。名前はガルベンキアン劇場。
そこでは演劇やコンサートだけでなく、映画も上映されたりします。
当時のリーフレットが手元にあります。こちらです。
1981年の4月から6月にかけてのスケジュールが書かれています。
そしてこちらが、その6月のスケジュール表。
勉強が忙しくて全部は見ることができませんでしたが、リーフレットの説明を参考にしながらめぼしい作品を選んで、半分くらい(月に5本くらい)は見ていました。
それとは別にいつも見ていたのが、ダーウィン・カレッジのテレビ室で金曜夜に開かれる映画会です。
もちろんBBCかどこかの放送局が放映する深夜映画の観賞会です。
噂で金曜夜には質の高い映画を上映する番組があると聞いて見に行ったら、英語の字幕付きで世界中の国の変わった映画を取り上げていて本当に面白かったです。
日本の映画も放送されたことがありました。 中上健次の『19歳の地図』を映画化した同名映画です。 これは良かったですね。 世界でも十分通用する映画です。授業でも話題になっていました。
ダーウィン・カレッジの住居区ですが、私の記憶では三部屋が一つのユニットを形成、シャワー室とトイレは3部屋共有となっていました。
洗面所は各部屋についています。
ただ私は、シャワーだけでは味気ないので、1週間に一度は寮内の別のブロックにある、共有用のバスタブ付の風呂を利用しておりました。
みなシャワーだけで満足しているのか私以外に使う人はほとんどおらず、ほぼ貸し切り状態。
そこでお湯に浸ってのんびりするのが、密かな楽しみとなっておりました。
平日は、確か毎日午前中に「掃除のおばさん」が来て、掃除をしてくれました。
話し好きの年配の女性で、よく寮生のことを気にかけてくれます。
洗濯は洗面所を使って自分で手洗いをしておりました。 お湯は出ますからね。
部屋の中のヒーティングシステムは、イギリスでは一般的なセントラル・ヒーティングで、建物の一ヶ所に設けた熱源装置から熱を各部屋に送って室温を上げる暖房システムです。
ボイラー等の加熱装置が温水を作り、各部屋にあるラジエーターに回され各部屋を暖かくします。
そのラジエーターに洗濯物をかけて、干しておりました。大体どの学生もそうしています。
あるとき、イギリス人のうら若い女子学生の部屋に何かの打ち合わせで呼ばれて行ったときに、話している最中にラジエーターに干していた自分の下着を、まるで焼いているおせんべいをひっくり返すように、私の目の前で無造作に裏返していました。
まあ、皆あまり気にしないのかもしれませんね。
あるいは、堅物に見えたと思われる私をただからかって反応を見たかったのか、または私のことが文字通り「眼中になかった」のか。その答えは、今でも謎のままです。
(続く)
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