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2021.12.08
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カテゴリ: 歴史散歩
最初にフランス人の男性が手つかずの深雪を滑り下ります。
彼は本当に上手いです。
おそらく1メートルは積もっていると思われる新雪の上を見事なウェーデルンで滑降してゆきます。

ちなみにウェーデルンとは、スキーの上級回転技術の一つで、小さい回転を小刻みに繰り返す連続ターンのことです。
斜滑降をせずに次から次へとターンを繰り返します。まさにモーグルと同じ滑りです。
上半身を常に谷側に向けることによって生じるひねりを利用しながら、スピードをコントロールして急斜面を滑降することができます。
その様が尻尾を振るようにみえることから、ドイツ語で「尾を振る」という意味の「ウェーデルン」と名付けられました。

さて、次は私の番です。何十メートルか下のほうで彼が、私が滑るのを待っています。
私もウェーデルンはできますが、あくまでも圧雪されたゲレンデでのこと。

一応、ターンの速いリズムと後方への重心のかけ具合を頭の中でシミュレーションします。
彼が取ったリズムが参考になります。

ストックを突いて、斜面に飛び出します。
スキーの先が新雪に潜り込まないように先端を上げながら、一回、二回、三回と小刻みにターンを繰り返します。
すると、何とうまく滑れたんですね。初めての深雪ウェーデルン。自分でも驚きでした。

10数回ターンを繰り返したでしょうか。彼の隣に来てキュッと止まります。
「Ton ski est très joli.」という言葉が彼の口から出ます。
何とか見られた滑りだったようで、ホッとしました。
私もフランス語で、「Toi aussi.  Mais ton ski est plus joli que le mien.(君もね。でも君の方が上手だと思うよ)」と返します。
文法的に合っているかどうか自信ありませんが、通じていたことは確かです。

実際、彼のほうが上手いのは明白でした。

でも彼は決して転ばないんですね。難しそうな斜面でも、バランスを崩さずに滑り降りてゆきます。
一度私が雪面に突っ込んでひどく転んだときは、助けに来てくれました。
雪があまりにも深いので、外れたスキーは深さ1メートルくらい下のほうに沈んでいます。
雪の重みで引っ張り上げるのが大変でした。

とにかく、この新雪・深雪スキーは最高でした。

二時間ほどここで滑っていたと思いますが、ほかに誰も滑りに来ませんでした。

下の地図でいうと、一番上の赤い色のコースが我々が滑った「レギィユ(L’Aiguille)」の上級コースです。



青が中級で、緑が初級コースです。スキーコースから丸い山に見えた山「レギィユ(L’Aiguille)2400」も描かれていますね。

そうこうしているうちに、リフト営業の終了時間が近づいてきました。
下のゲレンデで待っている、連れ合いの女性を探しに行かなければなりません。
長い時間放っておいたわけですから、なるべく早く見つけなければなりませんね。
彼は難しいコースを難なく滑り降りると、そのまま止まらずに下のゲレンデに猛スピードで下ってゆきました。

私も彼について行ければよかったのでしょうが、彼のほうがはるかに上手く、加えて私がかなり疲労していたこともあり、スピードについて行けず、見る見るうちに引き離されてしまいます。
落ち合う予定の下のゲレンデで、二人の姿を長い間探しましたが、どこにいるかわからず、結局一人でユースホステルに帰ることにしました。
そして、ここで私はミスをしてしまうんですね。
(続く)





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最終更新日  2021.12.08 16:35:19
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