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BRZ試乗記、まだ出ています。 これはオートックワン清水草一レポートからです。
久しぶりの国産スポーツカー、スバル BRZ/トヨタ 86。そのすばらしい低重心の走りには、感動の涙が出ました。こんなにも純情で、こんなにも素性のいいスポーツカーを作ってくれて、本当にありがとう!
その走りは、欧米でも絶賛の嵐。「まるでポルシェ・ケイマンのようだ」とも評されている。しかも値段はケイマンの半額以下なのだ。日本人として、誇らしいじゃないか!
が、それでも300万円近いので、決して安くはない。最上級であるSグレードにフルオプションを組むと、車両価格だけで約325万円。乗り出しはなんと400万円近くになる。この価格に「ウ~ン」と唸る人も多いことだろう。
が、BRZには廉価グレードがある。それは・・・
それは「カスタマイズ・ドレスアップのためのベースグレード」と位置付けられた「RA」!車両本体205万円。私が買ったアクアが179万円だから、それほど大きな差はない。
アクアを買うかBRZを買うか?と迷う人はあまりいないでしょうが、とりあえず同じ土俵で戦える価格帯にはある。同じようなグレードは、ハチロクにもある。それが「RC」。AとCはそれぞれ何の略なのかよくわからないが、ともにいわゆる“ベース車両”だ。
ただ、ハチロクのRCの場合、前後バンパーが無塗装の黒いプラスティックむき出しで、エアコンはオプションでも装着できない。そのまんまで乗ることなんざ、完璧に想定していない。
一方BRZのRAは、前後バンパーはボディ同色、エアコンもオプションで装着できる(約20万円)。
まぁエアコン付けた段階で225万円になっちゃうけど、RAならこのまま乗ってもいいんじゃないか?という気配はする。
そんなBRZ RA、実物はどうなのか。
まず第一印象。
黒いテッチン(鉄チン)ホイールがむき出し、ホイールカバーも付かないし、ドアハンドルやドアミラーも同様の素ブラック。
デュアルテールパイプは細~くて頼りない。
というわけで、RAのテッチンホイール、私としては大いにアリだ!!
同じく、ドアハンドルやドアミラー、細いデュアルマフラーもすべてアリ。性能に関係ないのだから何の問題もないし、逆にイカシているとさえ思う。男はスポーツ刈り!みたいな価値観ですな。
タイヤは、上級グレードに対してワンサイズ、ワンインチ小さい205/55R16のアドバンdB。グリップレベルは若干低いが、BRZはもともと、あまりハイグリップなタイヤは履かずに、コントロールするヨロコビを目指している。その伝で行けば、タイヤはこんなもんで十分!
ドリフト野郎の場合、公園の砂場に半分埋まっている古タイヤを盗んで履かせた……なんて話もあるくらいで、グリップに頼るなど男のすることではないのだ。
次、室内。さすがに標準ファブリックのシートは、かなりお安い雰囲気だ。
そしてフタでふさがれた2DINのオーディオスペース。これも微妙な寂しさを誘う。「これが225万円のクルマかぁ……」と思うと、せめてRにしようかとか、やっぱり最上級のS!といった逃げに入りたくなる。 初期受注の内訳を見ると、最上級のSが約8割。RAはたったの3.1%しかいない。
がしかし、男は禅!スポーツ刈りなのだ。ナビなどスマホ、いや道路地図で十分。音楽はipod+携帯用スピーカーでいいじゃないか。クルマに乗るたびにキャンプに来たみたいな、アドベンチャー気分を味わえる。いい音聞きたければサントリーホールへでも行け!なにはなくとも、RAにはエアコンが付く。さすがにエアコンがないと、夏は根性にも限界がある。86のRCには付かないエアコンが、このBRZ RAには付くのだ!それだけで大勝利だ。 では、この虚飾を捨てたBRZ RA、走りの方はどうだったのか。ミッションは6速MTのみ。少し車重が軽い分(20~40kg)、走りはかえって軽快……と言いたいところだが、オプションのエアコンをつけたらほぼ同じになっちゃってて、違いはわかりませんでした。エンジンはもちろん同じ。2リッター水平対向エンジンは、サウンドジェネレーターもしっかり装着され、アクセル全開で高回転まで引っ張れば、ちょびっとフェラーリのような甲高い吸気音がキャビンに轟く。安いグレードなので音は手抜き、ということはありません。LSD付きの上位グレードに比べると、最終ギア比が高いので、加速はほんのちょこっと鈍いけど、これもほとんど同じと言っていいでしょう。では、テッチンホイールの足はどうか?このタイヤを履いたBRZに乗ったのは初めてだったので、最初は多少の違和感があった。上位グレードが履く215/45R17のミシュランに比べると、ステアリング・レスポンスが若干鈍く、絶対グリップも低い。ちょっとハンドルを切り込むと、「キキキキキ~」とテレビドラマの効果音みたいな音もする。が、10分も走ると、もうすっかり慣れてしまった。タイヤが少しショボくても、BRZの素性の良さには何の変わりもなく、綾瀬はるかのままなのだ。日産GT-Rにこのタイヤを履かせたらヘロヘロのメタメタになるだろうが、BRZはそういうクルマではない。すっぴん美人なのである。
ま、大抵の人は、RAを買ったらアフターパーツのホイール&タイヤに付けるんでしょうから、あんまり関係ないわけですが、あえてこのままでも全然イイです。欲しがりません勝つまでは。唯一痛いなと思うのは、トルセンLSD(リミテッドスリップデフ)がオプションでも付けられないことだ。「R」なら装着できるのに、RAは設定ナシ。つまり、パワードリフトはムリである。BRZを買ってドリフトができないというのは、する、しないは別として、気持ちの上で寂しい。その点についてスバルに問い合わせたところ、「特に競技用ベース車、というわけではなく、素材として使ってください、というスタンスなので」というお答え。調べたら、アフターパーツのBRZ用LSDがすでに発売されてました!さすが。そういうのを付けて行けばいいわけですね。うーん、カスタマイズ、楽しそうじゃないですか。かえって高くなるでしょうが。いずれにせよ、公道をフツーに走る分には、LSDなんざまったく必要ない。そのままでも身のこなしは十分軽く、あらゆる反応が素直でダイレクトで気持ちのいいクルマなのである。「いつかバリバリにチューンナップしよう」と思ってRAを買い、「いつか」を永久に延期したまま素のままで乗るというのもオツではないか?ところでこのBRZ、燃費はどれくらいなのか。それらしい加速も試したフツーの走行では、だいたいリッター10キロ。決して悪い数字ではない。
なにしろこの2リッター水平対向エンジンは、1400rpmくらいから十分なトルクがある。エコカーとしての素性も高いのである。ちょいと燃費アタックをと思い、高速道路を80km/hで丁寧に巡航したところ、なんとリッター19.7km/Lをマーク!BRZすげえ!リッター約20キロだよ!アクアと大差ないよ!さすがRA!ということで、わずか3%のRAユーザーの皆さん!あんたはエライ!
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