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PORSCHE911、まんま! この911、オプション装備含めると1500万円を超えます! 記事はWeb CG下野(かばた)康史レポートからです。
乗用車への標準装備としては世界初となる7段マニュアルトランスミッションを搭載した、最もシンプルな「911」。その魅力を探った。
今回のトランスミッションの主役は、コースティング機能をはじめ、「いまスポーツATにできること」を突き詰めたPDKにきまっている。PDKと同じ7段化というバージョンアップの話題はあるにしても、ティプトロニックのころから、日本での911のMT比率はとるに足らないものだった。そこへもってきてまたPDKが進化したのに、よくぞ日本仕様にMTを残してくれたものである。
PDKモデルに比べると、マニュアル911の印象はシンプルだ。走行中、アクセルをゆるめると、クラッチがきれてエンジンをアイドリング回転に落とす画期的なコースティング機能はない。アイドリングストップ機構は付いているが、PDKほどマメには止まらない。911のようにエンジンの存在感が大きいクルマが信号待ちでアイドリングストップすると、ぼくみたいな古い人間はいちいち「あ、エンスト!」と思う。そのため、燃費にはよくても、心臓に悪い。
クラッチペダルは軽くない。「GT3」ほどではないが、足応えはある。先代(997)より重くなったと思う。リターン側のバネも強く、ポンと戻る感じは、911のクラッチペダルの特徴だ。
剛性感のあるシフトレバーをローに入れ、走り出す。7段型は乗用車のMTとしては世界初だが、どれどれと思って7速に入れようとしても、町なかではまず無理である。5速、6速からしかエンゲージできないようになっている。
買ってすぐ、「壊れてる!」と言ってディーラーに駆け込まないように。
カレラのフラットシックスは350psの3.4リッター。7800rpmのレブリミットまで回すと、ローで75km/h、セカンドでは130km/hまで伸び、0-100km/hを4.8秒でこなす。なんていう限界性能はともかく、このエンジン、ふつうに町を流していても本当に気持ちいい。右足の動きに即応するトルク感は、頼もしく、そして高級だ。角の取れた水冷フラット6サウンドも、ほかじゃ聞けないイイ音である。911がここまで長生きしてこられたのは、その高性能もさることながら、日常性能の点で同時代のクルマから常に抜きんでた魅力があったからだと思う。
今回は燃費がとれなかったが、少し前に乗ったマニュアルの911カレラは、高速道路を使った約300kmのワンデイツーリングでリッター10kmちょうどを記録した。昔の空冷911のオーナーが聞いたら驚く好燃費である。
だが、そのとき一緒に走ったカレラPDKはMTよりさらに少し燃費がよかった。100km/h時のエンジン回転数は、MTの7速トップで1900rpm。これだっておそろしく低いが、PDKの7速はさらに200rpm下げてくれる。しかも走行中、軽負荷だと600rpmのアイドリングまで落としてしまうのだから、より好燃費なのも道理だ。ちなみに0-100km/hは、4.8秒のMTに対して4.6秒。加速性能もわずかにPDKがリードする。
じゃあ、マニュアル911ドライバーの左足は、骨折り損のくたびれもうけなのか?
そんなことはない。個人的な意見を言わせてもらうと、たとえどっちだって買えるだけの貯金があっても、ぼくはMTを選ぶ。
具体的なシチュエーションをあげれば、例えば、高めのギアで加速してゆくとき、むずがっていた6気筒のビートがだんだんとそろってゆく。おお、よしよし、いとしのフラットシックスよ、なんて思う局面は、さっさと最適のギアにシフトダウンしてしまうPDKでは味わえない。ものすごくオタクなことを言っていると思うが、いまどきMTを擁護するのはオタクの所業以外のなにものでもないだろう。自動変速機がすばらしくなればなるほど、MTの持つシンプルなさわやかさが浮き彫りになる。屁(へ)理屈言うな! というかたはどうぞどうぞPDKへ。
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