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2025.04.13
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カテゴリ: 漢方

朴曰く集より

生薬 (気味)

藥能

処方

1

桂枝

(辛温)

汗を発し表を調う、又衡逆を主る。衡逆とは下から上へつきあげる勢いを言う。動悸・頭痛・息切れ・肩のはり等此衡逆より生ずる者あり、表の陽気虚する時はよく此れ衡逆を発す。桂枝よく表を救う。又山椒の毒を解すに用いられる。

桂枝湯・桂枝甘草湯・桂枝去芍薬湯・桂枝加桂枝湯・桂枝二越婢一湯・桂枝二麻黄一湯・桂麻各半湯

2

芍薬

(苦平)

結実 ( けつじつ ) とは凝りの事なり、 拘攣 ( こうれん ) とは引かれ引きつられるをいうなり、芍薬はよくたるみを引きしめ、痛みを除くの効あり、結実も 拘攣 ( こうれん ) も弛みより来るものと見るべし。

芍薬甘草湯・桂枝加芍薬湯・当帰芍薬散・複方靈黄參丸

3

甘草

(甘平)

緩和を主として逆をめぐらす効あり、逆とは正に反する事なり、めぐるとは元に戻る事なり、故によく 厥 ( けつ ) を復し熱を消し痛を和らげ煩を治す。

甘草湯・甘草乾姜湯・炙甘草湯・甘草麻黄湯・甘草瀉心湯・甘草附子湯・四逆散・通脈四逆湯・複方靈黄參丸

4

生姜

(辛温)

気を 扶 ( たす ) け外を実す、之れ生姜の発汗薬に多く用ひらる 所以 ( ゆえん ) なり。

生姜瀉心湯・生姜甘草湯・生姜半夏湯

5

乾姜

(辛温)

深きを温むる効あり、故に 厥 ( けつ ) を回し下痢を止め嘔を治す。

乾薑黄連黄芩湯・乾薑人參半夏丸・甘草乾姜茯苓白朮湯・乾薑附子湯

6

大棗

(甘平)

攣引とはひきつり引かるる事なり、 強 ( こう ) 急 ( きゅう ) とはこわばりつまるなり、則ち大棗に緩和の効あるものと見ゆ、又大棗には血の 循 ( めぐり ) りをよくするのハタラキあり。

苓桂甘棗湯・補中益気湯・甘麦大棗湯・平胃散・小柴胡湯・桂枝加竜骨牡蛎湯・黄芩湯・半夏瀉心湯

7

葛根

(甘平)

組織のこわばりを緩める効ありて、其の作用する場所は主として首筋から背中へかけて働くものの如し。

葛根湯・葛根黄連黄芩湯・桂枝加葛根湯

8

麻黄

(苦温)

よく表裏の水を 逐 ( お ) う。 故 ( ゆえ ) に汗を発し熱を 解 ( げ ) し 喘 ( ぜい ) を除き 咳 ( せき ) を鎮め、痛みを去り悪風寒を 止 ( と ) どめ水気を消す。

麻黄湯・大靑龍湯・小靑龍湯・越婢湯・越婢加朮湯・麻黄附子甘草湯・麻黄 醇 ( じゅん ) 酒 ( しゅ ) 湯・続命湯

9

厚朴

(苦温)

腹を温め腹満を除く。又 胸 ( きょう ) 満 ( まん ) 、 咳 ( せき ) 、 喘 ( ぜい ) 、上気等を治し、或は 咽喉 ( いんこう ) の 塞 ( つか ) へを治す。 併 ( ただ ) しその根元は腹満にあり。

厚朴生姜半夏湯・厚朴麻黄湯・厚朴七物湯・厚朴三物湯・厚朴大黄湯

10

杏仁

(甘温)

よく 腫 ( しゅ ) を消し 喘 ( ぜい ) を 定 ( さだ ) む。其の本油分の緩和作用と芳香の発散作用とにあるは疑ひなかるべし。

桂枝加厚朴杏仁湯・苓甘姜味辛夏仁湯・麻黄杏仁甘草石膏湯・還魂湯

11

附子

(辛温)

表を実し陽を益し津液を保つ、故に悪寒を治し 厥 ( けつ ) 冷 ( れい ) を 復 ( ふく ) す。

附子湯・桂枝加附子湯・桂枝附子湯・芍藥甘草附子湯・枝去芍薬湯附子湯・附子粳米湯・頭風摩散

12

石膏

(辛微寒)

熱気の 泛 ( はん ) 乱 ( らん ) を収め、気の発散を助け、熱による 刺戟 ( しげき ) 症状を緩解する能あるものの如し。

白虎湯・白虎加人参湯・白虎加桂枝湯・小靑龍湯加石膏

13

知母

(苦寒)

熱を収め、痛みを去り、 腫 ( しゅ ) を消す。本品の熱を去るは内の熱にして外の熱に非ず故に内熱ある者に用ひて外熱の者には用ふる事なし。

(内熱と外熱との見分け方)

内熱の者は口乾き、身重く、汗出で、さむけはする事なし。

外熱の者は大抵口中乾かず、汗は出る者もあり無き者もあり、必ず悪寒あるものなり。熱あり、疼痛ありても身体は割合に重くはなし。

桂枝芍薬知母湯・百合知母湯

生薬 (気味)

藥能

処方

14

人参

(甘微寒)

乾きを潤し、しぶりを緩む。故に心下痞、痞堅、身痛、下痢 喜嘔 ( きおう ) 、心痛、其の他を治す。

人参湯・桂枝人參湯・桂枝加芍薬湯・各両人参三両新加湯・四逆加人参湯

15

白朮

(苦温)

水をさばきその滞りを除きよく小便を調う。故に小便不利、小便自利を治す。不利は出工合悪きを謂ふ。又小便少なきをも言ふ。自利はよく出る者を言ふ。則ち出過ぎる者の事。小便の出が悪い筈なのに反って出の好い者の事も自利と謂ふ。小便が少なくて下痢する者、小便の出が好くて便秘する者、筋や骨の痛む者、めまいのする者、頭の重い者、胃がふくれて食進まず或は吐く者、朮のゆくべき場合には必ず小便の出工合を確むべし。

〈応用〉水気 ( むくみ ) の病、小便不調の病、胃腸の病、筋や骨の痛む病 ( 手足やその節々や背骨などの ) 其の他に応用広きもの也。

白朮附子湯・桂枝去桂枝加茯苓白朮湯・麻黄加朮湯

16

茯苓

(甘平)

水を収め乾きを潤しその不和を調う。故に動悸を鎮め衝逆を緩下し、水を利して 眩悸 ( げんき ) 等を治す。

真武湯・茯苓桂枝白朮湯・茯苓甘草湯・茯苓四逆湯・茯苓沢瀉湯・茯苓桂枝五味甘草湯・小半夏茯苓湯

17

大黄

(苦寒)

裏に熱ありて大便出でず、便秘し又は下痢するを治す。又腹痛、腹満を治す。或は内に熱あり、胃につかえありて吐する者を治す。或は頭痛する者を治す。大黄の行く所は内に熱あるが主なれば、小便の色濃く口中燥き又は眼の中赤き者等多し。

大承氣湯・小承気湯・大黄甘草湯・桂枝加大黄湯・梔子大黄湯

18

半夏

(辛平)

気を補い水を去る。故によく嘔吐、腹中雷鳴、 咳 ( がい ) 逆 ( ぎゃく ) 等を治す。又咽痛を治す。

小半夏湯・半夏散・半夏瀉心湯・越婢加朮湯・半夏麻黄丸・葛根加半夏湯・大半夏湯・半夏乾薑散

19

黄連

(苦寒)

血の虚熱を去り虚熱より来る諸証を治す。皮膚の痒み又はタダレ心下の 痞 ( ひ ) 、下痢、出血、 心煩 ( しんぱん ) 、腹痛など皆それより生ずる証候となす。

〈応用〉胸や腹の病、又はそれより来る発熱、心煩、下痢、腹痛、又は皮膚の熱あるただれを治すに用いられる。

大黄黄連瀉心湯・瀉心湯・黄連湯・小陥胸湯・黄連粉

20

黄芩

(苦平)

熱を和し熱より生ずる心下痞、下痢、腹痛、身熱等を治すこと黄連の如し 

而かもこの場合心煩の証は著しからず。これ黄連と異なる所なり。又黄連は上部にゆくこと多く、黄芩は下部にゆく事多きものなり、またよく黄連に 伍 ( くみ ) して

用ひられお互にその効を強むる事を 為 ( な ) す。

〈応用〉諸種の内に熱の有るによりて起る病ひ、特に下痢に多く用いられる。

黄芩湯・黄芩加半夏生姜湯・六物黄芩湯・三物黄芩湯

21

細辛

(辛温)

中を温め、寒を去り、痛みを除き、 痰 ( たん ) を消し、 咳嗽 ( がいそう ) を治す。

〈 応用〉鎮咳薬として、又其の他胃腸の病、からだの痛み、中風等に広く用ひらる

麻黄附子細辛湯・大黄附子湯・桂枝加芍薬加麻黄附子細辛湯

22

五味子 ( 酸温)

咳を治し小便を調のへ冒を治す、冒は則ち鬱冒のことにて、頭をすっぽりと被ぶせ包まれたるが如き感じを云、 延 ( し ) いて頭の重きにも宜し、頭のただぼーっとしたるにも宜し、耳のガンガンするにも宜し。

茯苓甘草五味乾薑細辛湯

23

沢瀉

甘寒

熱を去り燥きを潤すことをなす、故に刺戟を緩和することを主どる、その主目証は、渴ありて水を欲するもの、冒眩あるもの、小便不利あるもの等なり。

当帰芍薬散・沢瀉湯

24

猪苓

甘平

渴を止どめ小便を利するの効あり。 大概内 ( おおむねうち ) に熱あるものを治す、小便利せずして嘔吐するものにも宜し。

猪苓湯・猪苓散・五苓散

生薬

(気味)

藥能

処方

25

梔子 ( しし )

(苦寒)

熱を去り胸中のもだえ苦しみを除き、或は心中の痛みを鎮め、又はのどの 窒 ( ふさが ) がりを開き、又よく不眠を治す。梔子は熱を去るが主能なれば平常冷え性にて腹下り易き者などには宜しからず。但し内に熱ありて下痢し又は下剤を用ひて強

いて下し、其の余毒が去らずして下り居る者には用ふる事あり。

梔子鼓湯・梔子厚朴湯・梔子乾姜湯・梔子生姜鼓湯・梔子甘草鼓湯

26

柴胡

(苦平)

半表半裏の熱を去る、故に胸脇苦満、胸中痛、心煩、往来寒熱、 頸項強 ( けいこうきゅう ) 、 脇下痞 鞕 ( きょうかひこう ) 、 心下 ( しんか ) 満 ( まん ) 等を治す。

〈応用〉胸の病、むねわきの病、腹の病、耳の病、風邪のこぢらかし、瘧その他広く諸病に用ひらる。

小柴胡湯・四逆散・大柴胡湯・柴胡桂枝湯

27

括蔞根 ( 苦寒)

渴を主どること疑いなかるべし、又熱を消し小便を利し急を和する効ありとなす。而してその急を和する趣やや葛根に比すべし。本品は渴を治するも石膏と同じからず。小便を利するも茯苓と異なる。深重なる観察と周到なる注意とにより始めて之を悟り得べきものならん。因みに葛根は味甘平なり、石膏は味辛微寒なり、茯苓は味甘平なり

括蔞桂枝湯・柴胡桂枝乾姜湯・柴胡去半夏括蔞根湯・括蔞牡蠣散

28

牡蠣

(鹹平)

乾きを潤ほし血気の 行 ( めぐり ) を 調 ( ととの ) へ和す、故に 胸 ( きょう ) 脇下 ( きょうか ) の 痞 ( つかえ ) へを柔らげ或は 寒 ( かん ) 瘧 ( ぎゃく ) を治し或は水気を除き又は驚きを鎮むる等の能をなす。

牡蠣湯

29

龍骨

(甘平)

内を補い縮まりを 緩 ( ゆる ) め血気を 調 ( ととのえ ) へ和す、故にボクは本品に頭をやすめ気を落付かせ疲労を治する能ありと言ふ

柴胡加龍骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯。

30

膠飴

(甘温)

急を緩め力を与う。故によく裏急を治し腹痛を和す。

小建中湯

31

枳実

(苦寒)

熱をさまし、しこりを消すの効あり。又痛みをゆるめ 腫 ( しゅ ) を去る。故に諸の熱実病又は 癰腫 ( ようしゅ ) 等を治するに用ひらる。

枳実芍薬散・枳実湯・枳実梔子鼓湯・桂枝生姜枳實湯

32

桃仁

(苦平)

血の燥きを潤し滞りを通じ 結 ( けつ ) を解く、故に血証薬として広く用ひらる。

桃核承氣湯・桂枝茯苓丸

33

桔梗

(辛微温)

咳を止め痰を去り、膿を消し痛みを 鎮 ( しず ) む。又よく咽痛を治す。 此 ( これ ) みな気を増し気の鬱帯を除くに基づくものなり

排膿湯・排膿散・桔梗湯・桔梗白散

34

地黄

(甘寒)

血の熱を涼し出血を止どめよく肌肉を潤し養ふ、故に腎気丸、三物黄芩湯、黄土湯、膠艾湯、炙甘草湯等に用ひらる。此れ等は皆つまる所は血を治する所にあるが故と見るべし。

八味地黄丸

35

阿膠

(甘平)

肌肉の傷れを治し急を緩るむることを主る。故に出血を止どめ 煩 ( はん ) を去る。

黄連阿膠湯

36

麦門冬

(甘平)

咳を鎮め 咽喉 ( いんこう ) の通りを好くし、熱を去る。特に虚弱の者の咳込み、微熱等を除く効あり

麦門冬湯

37

呉茱萸

(辛温)

胃中を温め其の働きを 鼓舞 ( こぶ ) す。故に停水を去り吐き気を治し下痢を止どめ手足を温めまた頭痛を治す

呉茱萸湯・温経湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯湯






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最終更新日  2025.04.13 12:18:21コメント(0) | コメントを書く
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