1973年のデイブ・エドモンズによるオールディーズヒットのウォール・オブ・サウンド仕様カバー。オリジナルはロリポップのヒットで有名な1957年のChordettes版。メロディはきれいだけど落ち着いた雰囲気で時代柄でしょうが悪く言えば平坦で表現力の乏しい物足りない内容。9年後の66年のSilkie版はアコギの響きの心地よいバージョン。68年のSonny James版はそれを改良した高速カントリー。同じく68年のBrendan Dugan版、69年のKitty Wells版も似たような曲調で、この曲のカントリー風アレンジとの相性の良さを感じさせる好内容です。69年のFrankie Laineもテンポが速く、71年のJ.D. Crowe and The Kentucky Mountain Boysに至っては更に高速なバンジョー版が楽しめる。高速&カントリー風がこの曲のカバーの主流だったことが分かります。その一方で67年のParis Sisters版はサウンドに仄かなエコー感があり、これがデイブ版のヒントになったのかも知れません。
デイブ・エドモンズは 粒立ち鮮やか DAVE EDMUNDS / BABY I LOVE YOU
でも音壁を展開しており、彼のウォール・オブ・サウンド愛と造詣は深い。本曲もエコー感のある奥行のある厚めのサウンドが素晴らしく、特に個人的には全編通して鳴り響くカスタネットが好印象。このバージョンはイギリスでもヒットしていて、エレキギターが多く入るなど全体としてロック色の濃い音壁だったのが成功の主因だったのかも。個人的には出来ればピアノを入れて もう少しポップス寄りの聴きやすい内容にして欲しかったかな。