全8件 (8件中 1-8件目)
1
定例の秋葉イエサブでのゲーム会。5人集まったものの、手持ちのゲームではいい組み合わせが思いつかなかったため、メンバーに1個ずつ持ってきてもらった。5人向け、1時間級ゲームの良作をもう少し揃えないとなあ。自分の好みとはいえ、2時間超級ばかりでは2個やって17時半ごろ解散とかになっちゃって時間もったいないしな。●六都市同盟詳しい説明はこちら↓(リンク許可ありがとうございました)モ弐号作戦:魚津ボードゲームクラブ 7/30(上から4つ目)BGGの和訳ルール 先日「ゲームマーケットで売ってて気になったけど3000円だったわー、2500円なら即買いだったけどなー」と貧乏性丸出しなことを書いたら、なんとつなきさんが無償で(!)譲ってくださいました。ありがとうございます。無償でゲームくれる方やパブリッシャーには一生ついていきやすよゲヘヘ。 今をときめくチェコゲーの双璧の1人、Vladimir Suchy作。Czech Games Editionが出したゲームのBGGランキングでは、ルールが読みにくいことに定評のあるVlaada Chvatilに上位を独占されてやや影が薄いが、「20世紀」「遺言」「造船所」といった、ちょっと毛色の変わったシステマチックな(そしてもちろん要素の多い)良作を多数出してるデザイナーだ。そのデビュー作がこの「六都市同盟」で、やはりボドゲのテーマとしてはあまり見かけたことのない、15世紀の北部ラウジッツ(チェコ国境付近らしい)にあった6都市を舞台にしている。 プレイヤーは徴税官となって6都市の1つを訪れ、そこで商品、護衛、馬を得て、商品を王立倉庫か市営倉庫に収める。ゲーム中はこの商品保管によって得点し、ゲーム終了時には集めたリーダーカードによって追加得点を得る。最多得点プレイヤーの勝ち。 毎ラウンド、6都市の1つはフス派(チェコの民族運動と絡んだキリスト教の改革派らしい)に攻め込まれ、徴税できない。手番ごとにそれ以外の5都市から1つを選んで駒を置くのだが、ラウンドごとに各都市で得られるものの量に大きな差が出るので、できれば欲しいものがたくさん得られるところに行きたい。では、そこに他プレイヤーがすでに駒を置いていたらどうするかというと、手持ちの護衛カードを相手に支払って場所を変わってくれと提案することができるのだ。もちろん、相手もさらにたくさんの護衛カードを支払って居座ることもできる。2プレイヤーによる変則競りだ。「お疲れ様です。この都市は私が担当しますんで、そちらさんは別の都市をお願いしますよ。あ、道中何かと物騒ですから、もちろんこちらで護衛は用意させていただきますよ。3人くらいでどうでしょう?」「いやいや、この都市は去年から私が担当してますから。そちらこそお隣の(実入りの少ない)都市をお願いしますよ。護衛も3人じゃ少ないでしょう。5人でどうですか?」 たぶんこんな感じw 競りゲーの例に漏れず、やはりこのゲームもここが素晴らしく熱いw 何しろ、各都市で何が徴税できるかは都市の中央に置かれたタイルの矢印によって決まるのだが、この矢印の本数が2~5本と大きく異なる。欲しいものや都市によって異なるが、そりゃあ2本の都市よりは5本の都市に行きたいしなw しかも、持っている以上の護衛カードを提示して競ることもでき、不足分は勝利点を支払って補填するというルールまであるから、もう顔真っ赤だw 徴税した商品を倉庫に保管するルールは、ちょっと直感的でない感じ。徴税時に得た馬が多いプレイヤーから順に、どちらの倉庫のどの棚に保管するかを決めて、可能な限りマスを埋めて得点を得る。ここまでは普通だが、その棚にまだ空きがある場合、時計回り順に他プレイヤーも可能な限り埋めなければならない。そうしてもし棚が埋まった場合、“その棚を選んだプレイヤー”が追加得点を得たり、リーダーカードを得たりできる。馬をたくさん徴税して先手を取り、先の先まで読めば、他プレイヤーの商品を低得点に無理矢理変換させた上で、自分だけがっぽり儲けることもできる……が、さすがにそんな先まで読んでられないw また、馬は保管順に関係するだけで1点にもならないので、あまり先手にこだわりすぎても商品駒を得られず、その分得点は減ってしまう。初見で最適解を見つけるにはあまりに複雑すぎるw この日は序盤に馬を無視して商品駒に注力し、王立倉庫で得点を獲得して、後半は馬に注力して市営倉庫からリーダーカードを取ったプレイヤーが終始得点トラックの先頭を維持して1位。馬やリーダーカードの重要性、得点効率なんかが分からず、全プレイヤーが手探りでプレイしていたからこその流れだろう。全プレイヤーの認識が「馬超重要」となったため、同じメンツでもう一度やったら全然違う展開になりそうだ。しかし↑のリンク先では馬を無視して商品に注力したプレイヤーが勝ってるので、勝ち筋は複数あるのかもしれない。 拡張も出ており(ルールはこちら)、導入すると6人プレイできるようになるほか、徴税タイルが全部(全部だ!)特殊能力持ちになる。資源マネジメントゲーから180度方向転換したゲームになりそうだが、近いうちにこちらも入手して試してみたいところだ。●世界の英雄たち 詳しい説明はこちら↓ふうかのボードゲーム日記:世界の英雄たち 世界史系が大好きな友人に頼んで持ち込んでもらったもの。 ルールは非常に簡単で、基本的には英雄カードを1枚引いて1枚プレイする。これだけ。初期手札2枚持ちで、場札3枚(+山札の一番上の1枚)から1枚選んでドローして1枚プレイ。各英雄カードは影響を及ぼせるエリアが決まっており(複数あることも多い)、そのエリアにユニットを置いたり、得点マーカーを置いたり、そのエリアで戦争したりする。最後に示された額のお金をもらって手番終了。 あるエリアに得点マーカーが規定数(3枚か4枚)置かれたら、即座にそのエリアで得点計算。置いているユニット数が最も多いプレイヤーは得点マーカーに示された点数分、2位はその半分。3位は一番低い得点マーカー1枚分だけもらえるが、0点マーカーもあるので当然0点のときもあるw 得点計算が終わったエリアにユニット置いていても仕方ないので(2時代あるので前半は残しておいてもいいが)、お金を払って隣接地域に移動させることができる。また、7金払えば驚異的建造物を建設することもできる。これは建てた瞬間に3点入るし、特殊効果も強烈なので、できるだけ早く7金貯めたいところ。 古代と近代の2時代やって終了。最終得点計算はなく、最多得点プレイヤーの勝ち。 序盤にいくつかのエリアで発生した得点計算にまったく絡めず、相当引き離されてげんなりしたが、中盤に発生した高得点エリアで首位を取って何とか追いついた。エリアの得点をプレイヤーが決めるというところはなかなか新鮮だったが、何しろ袋から引くだけなのでほぼ運任せだw(多少はプレイヤーの意志が入る余地があるけど)。最後の最後まで追いすがり、トップと2点差まで詰め寄ったが、1人前のプレイヤーの手番で勝ち目が完全に消滅。そのプレイヤーが最後の望みを賭けて(ゲーム後に確認したら1/3の確率だった)得点マーカーを引くも、1点及ばず。上位3人が1点差ずつという接戦となった。 うーん。印象よりちょっと地味かな。世界中の英雄が出てくるけど、違いは数値だけなので、あんまり感情移入できない。あと戦闘のメリットが薄いのに、戦闘できる英雄を選ぶとほぼ必須なのが何とも……そのエリアにいるユニット数は戦闘力に影響せず、英雄の能力頼みでダイスを1個だけ振って、1/6の確率で必ず迎撃されちゃうのはひどすぎるだろw 短時間で終わるところはいいが、それでもこれやるなら「世界史」とか「スモールワールド」やるかなあ。●ローマに栄光あれ 前回のプレイ記録はこちら。 ものすごい手間をかけて日本語化したのに、それきり遊んでなかったので、リクエストして持ってきてもらった。 ぎりぎりまでフォントを大きくしたので、さすがにプレイアビリティは向上した。しかしプレイして改めて気づいたが、これ原語でもカードには最低限のことしか書かれてないので、プレイヤー全員が1回はルールのカード解説にきっちり目を通しておいた方がいいね。カードだけ見ても、訳した自分ですら効果が分からないのが何枚かあったw 違うんだ、訳が悪いんじゃないんだ、原語でもそれしか書かれてないんだよ! プレイの方はさんざん。前回金庫を軽視した結果、低得点に終わって負けたので、今回は建物をほんの少しに抑えてできるだけ金庫にしまおうと思ってたが、その数少ない建物すら全然建てることができなかった。やはりいきなり大理石建物とか行くのは無謀なのか? その上、兵士アクションでは欲しい種類のカードを“手札から”提示して示すというルールを3回も忘れ、場から大理石を取れるチャンスをみすみす逃すだめっぷりw 結局建物2つしか建てず、金庫にもカード3枚しか入れなかったうえ、最多ボーナスも取れずに最下位。しかしこのゲームは勝利ラインが低い(せいぜい20点てとこだろう)ので、見かけ上は大差がつかないのがいいねw 次こそは……。いつか「ローマに栄光あれ」と「イノベーション」会とかやってみたいw
2012.06.23
コメント(2)
お昼からTRPG「迷宮キングダム」第5回。さすがに殺意高い既成シナリオを対象レベル以下でやるとあっさり全滅しかねないことが判明し、今回はゲームマスターのオリジナルシナリオ。ストーリーも独創性が高く、戦闘バランスもちょうどいい感じで、既成シナリオよりストレスなく楽しめた……というか、10年以上のブランクを経て今思い出したが、既成シナリオって「ソードワールド」クラスのヌルいTRPGでも調整しないと遊べないものだったなw 次回はちょっと先になりそうだが、予想もしていなかった黒幕の正体も明らかになり、物語も佳境へ。待ち遠しいことだ。 そのあと、夕方から軽めのボードゲームを3つほど遊んだ。平日の夜遅くまでよそ様のお宅で大騒ぎしてゲームを遊ぶ……よい子のみんなはまねしちゃダメだぞw●Sanitarium そしてしょっぱなからこれ。安定のいたるさんコレクション。そしてAsmadi Games。この二者が掛け算になったとき、もうどんな希望も持つことはできないw プレイヤーは気づくと療養所に収容されている。しかし心当たりがないので脱走を試みる……という、ホラー小説なんかでたまに見かける設定。シナリオがいくつかあるらしく、この日は「自分の幻覚をすべて振り払い、最初に提示された必要アイテムをすべて揃えて脱出する」というのをプレイした。この設定で、なぜか普通の競争ゲームなので、プレイヤーは足を引っ張り合う。そこは協力してみんなで脱走したらいいのにw 取っ払わなければならない幻覚カードと、いろんなことが起きるらしいイベントカード。 えーと、残念ながらその場で英文を読みながらのプレイだったため(断じてそのためである)、ルールに曖昧なところが多く、容易に他プレイヤーを妨害できて収束性が極めて悪いことが想像できたので、手番が一巡する前に協議終了w ダイスが絶対4個は必要なのに3個しか入ってないとか、場所カードは「明るい部屋」「暗い廊下」の2種類しかないはずなのに、どう見ても暗い部屋とか明るい廊下があるとか、まあいちいち挙げるときりがないのだが、きっとすべてはルールをちゃんと読んでないせいだろう。あるいは他のシナリオならちゃんと遊べるのかもしれない。誰かが和訳してくれたら、私以外の誰かがちゃんと楽しくプレイしてくれるかもね。●Let’s Take A Hike 続いてこれ。ワレスゲーでもないのになぜかTreefrog Gamesの公式サイトで通販しており、単価が安かったり送料が無料だったりしたため、国内でも持ってる人は多そうだ。 プレイヤーはハイカー。当然ハイキングに行くので、そのために山札からカードを引くか、手札の「懐中電灯」やら「ピーナツバー」やらを手元(リュックサックの中身を表している)に置くか、手札からお邪魔カードをプレイする。 充分準備が整った(手元にカードをたくさん置けた)と思ったら「ハイキングに行こう!」と宣言。他プレイヤーはついて行ってもいいし、「まだ準備中だから」と降りてもいい。ハイキングラウンドでは山札からカードを1枚めくり、それと同じものがリュックサック内にあればそれを捨て札にする。ない場合、同じ重さ以上のカード(複数可)で代用できる。 全員が山札に対応したあと、まだ先に進むか、下山するかを順に宣言する。下山したプレイヤーは、めくられたカードのうち1枚を得点としてゲット。最後まで残ったプレイヤーは、最後にめくられた1枚に対応することができれば、残りのカードをすべて得点としてゲットできる。これを山が尽きるまで繰り返し、最多得点プレイヤーの勝ち。 「インカの黄金」「キャントストップ」に代表されるプレス・ユア・ラックゲーム(日本では(笑)バースト系と呼ばれることが多い)。リュックにいろんな物を詰め込んでから出かければ、めくられたカードに効率よく対応できる可能性が上がるが、もちろんダメなときはダメw さらに「クマ」「スカンク」「アライグマ」「靴擦れ」といったマイナスイベントが行く手を阻む。 ここまでならそれなりに面白そうだが、2つのルールによって台なしになっていた。まず、プレイ中は手番ごとに1枚しか手札を場に出せないのだが、ゲームスタート時に限り、配られた手札を何枚でも場に出すことができる。つまり最初の1回だけは、ほぼ全員がリュック満タンに近い状態で山に行くので、誰も下山しない状態が長く続く。ここでうまく最後まで残ったプレイヤーは大量得点が可能。その後は手番ごとに1枚ずつしか出せないので、リュックを満たすには結構時間がかかる。 ここで問題になるのが、「手札のお邪魔カードをプレイする」というアクション。先に挙げた「クマ」「スカンク」などのイベントカードは、ハイキング中にめくられるとハイキングに行った全員がターゲットのイベントになるのだが、手札からプレイした場合、自分以外がターゲットのお邪魔カードになる。この効果が強力すぎ。特に「スカンク」は「場札1枚を捨て札にし、残りの場札をすべて手札に戻す」とかいうトンデモ効果w 何手番もかけた準備がすべてパーになる。他のカードも似たり寄ったりなので、1回目のハイキング以降、充分に準備して出発することはほぼ不可能w そもそも私はプレス・ユア・ラック系があまり好きじゃない。運試しに失敗したプレイヤーがさらに不利な運試しに挑戦せざるを得ず、たいていそのまま沈むから。さらにこのゲームでは、後手を踏んだプレイヤーが再挑戦することすらままならないw キッズゲームにしてはやや冗長だし、どの層をターゲットにしたゲームなのかねえ。●ビッグシティ 詳しい説明はこちら↓(リンク許可ありがとうございました)遊星からのフリーキック:ビッグシティ 満を持してこれ。これに対する飢餓感を煽るために前2つをやったと言っても過言ではないw やりたいやりたいとつぶやくだけの私のためにこれを用意してくれたタムラさんに百の感謝を。 手札を持って、プレイすればその番号に応じたボード上のマスに建物を建てることができる。2マス以上の大きさを持つ建物は、そのすべてのマス番号に応じたカードをプレイしなければならない。建物を建てたら即座に得点を得て、手番終了時には手札が5枚になるように補充する。 最初のうちは住宅かオフィスしか建てられないが、誰かが市役所を建てた途端、ゲームは一気にネクストステージに進み、できることが大幅に増える。隣接する住宅やオフィスの得点を2倍(!)にする路面電車を敷設したり、建設条件が厳しいが高得点の特殊建物を建てたり、公園や向上を作って他プレイヤーが高得点建物の建設を狙ってそうなマスを潰したり、新たなボードを置いて町を拡張したり。 全部のマスが埋まるか、全員が2回連続でパス(またはカード交換)したらゲーム終了。最終得点計算はなく、ゲーム中にたくさん点取った人の勝ち。 何しろ1999年製の古いゲームだ。私の好み視点で言えば、ややシンプルすぎるルール。多人数だと次の手番までにいいところはちゃんとつぶされてしまうので、建設困難な高得点建物を作るのは相当難しい。逆に「公園」「工場」カードを引いた人は、そのような建物が建ちそうなときには“仕事”を強いられる……など、そりゃあ最近のゲームに比べれば粗いところもあるし、流行らないシステムを採用してるところもある。だがそんなことは、このテーマと見た目ですべてチャラだw みんなで町を作る。そのために置くのがタイルではなく、立体的に作られたプラ駒。それがどんどん配置されていくのを見るだけで楽しい。それだけでもういいじゃないかw もちろん、ゲーム性だって充分に高い。市役所を建てないと先に進まないが、市役所自体には得点がないので、建てた手番にはメリットが得られない。むしろそれ以降に他プレイヤーが言い建物を建てられるようになるだけ。同じことが路面電車にも言える。では誰が、どのタイミングで、どこに建てるべきなのか? もちろん自分がカードを持ってる区画に隣接させて建てたいわけだが、なかなかそううまくも行かない。高得点を目指すなら市役所、公園、路面電車に隣接したマスにあとから建物を建てるべきだが、着々と準備を進めれば妨害のいい的になるだろう。どこで妥協すべきか? あるいは現在の順位が低ければ見逃してもらえるんじゃないか? 他に潰すべきところがあれば、こっちは潰されないかもしれないんじゃないか? そもそも、本当に他プレイヤーの手札に妨害カードはあるのか? 考えるほど疑心暗鬼になること請け合いw この日は「公園」カードでタムラさん渾身のデパート建設予定地を潰し、いい気になってたら最後の最後で自分のデパート建設予定地をつなきさんの工場に潰されて敗北。因果応報w 4人プレイ時にはどんと得点取るのは難しそうね。 世間の高評価も頷けるできばえ。さすがに絶版によるプレミア価格を払ってまで手に入れるかと言われると少し躊躇するが、再販されたら即買い。だから再販して下さいよValley Gamesさん。ツイッターでスパムまがいのつぶやきしてる場合じゃないですよw
2012.06.22
コメント(4)
ボックスアートゲームボード類 デザイナーは「The Red Dragon Inn(赤竜亭)」シリーズのCliff BohmとGeoff Bottone。パブリッシャーも同じくslugfestgamesで、Geoff Bottoneが社長。「赤竜亭」で稼いだ金をとんがったゲームの開発につぎ込み(そしてこけるw)、金がなくなったらまた「赤竜亭」シリーズを出して回収するというビジネススタイルかな。チケライで同じことやってるDays of Wonder商法と言うべきかw(あっちは「スモールワールド」もヒットしたけど)。 プレイヤーは西部劇に出てくるような町にいる。酒場の客だったり酒場の主人だったり、ならず者だったり保安官だったりする……たぶん(キャラクターカードの裏に詳しい履歴が書いてあったかも)。で、西部の酒場といったら、ケンカが起こるのがチャメシ・インシデントなので、プレイヤーも当然ケンカする。それも殴り合いなんて生やさしいものではなく、銃(拳銃だけでなく、ライフルやショットガンも使うw)をぶっ放し、フライパンで張り倒すという殺意満々なケンカだw 遮蔽を取って身を守ったり、2階に駆け上がってから飛び降り攻撃をかましたりして、最後まで生き残ってたプレイヤーの勝利。 プレイヤーマット上に担当するキャラのカードを置いて(基本ルールではキャラによる差はない)、体力点マーカーを20点のところに置いたらゲーム開始。 まずは手番開始時に好きなだけ手札を捨て、7枚まで補充する。「赤竜亭」でも採用されてたシステム。あんまり他で見かけないけど、このシステムは他プレイヤーとの直接攻撃が要となるゲームにはぴったりだと思う。何しろ手札の補充が手番“開始時”にしかないので、手番中に大量のカードを使って他プレイヤーを攻撃しても、とどめを刺しきれないと、次に手番が回ってくるまでは残りの乏しいカードで他プレイヤーからの攻撃をしのがなければならないのだ。もっといろんなゲームで採用されてもいいと思うんだけど。あるかな。 そのあと手札から武器を装備する。拳とホルスターの2カ所に装備できるが、実際に使えるのは拳に装備したものだけだし、ホルスターには入れられないものもあるので注意。「椅子」とかねw 準備ができたら攻撃。攻撃の前に、今いるところから遮蔽のない酒場のフロアに飛び出すこともできる。射撃はたいていどこからどこへでもできるが、格闘戦は隣接していて条件のあっているエリアに対してしかできないので、この移動は重要だ。 攻撃する場合、まずはどの武器を使うかを宣言する。銃器を使う場合、弾を消費する。連射するとダメージが大きくなるものもあるが、当然弾切れが早くなるので、毎度毎度はやってられない。格闘戦なら素手でもできるが、当然ダメージが小さいので、椅子とかフライパンとかを装備したいところ。また、たとえ隣接エリアでも、攻撃しにくいところから殴りかかることはできないようになってる。たとえば「階段」にいるキャラを「2階のバルコニー」から殴ることはできない。ここはちょっと分かりにくいので要注意。 攻撃側はダメージを増やしたり、追加効果を与えたりするカードを何枚でも使える。対して標的となったプレイヤーは、妨害カードを1枚だけ使うことができる。たいていはダメージを軽減するものだが、反撃できるものも(わずかに)ある。ダメージは現在いるエリアの遮蔽によっても軽減されるので、いい武器や攻撃強化カードがないときには奥まったキッチン裏に引きこもったり、ピアノの影に隠れたりした方がいいだろう。 攻撃が終わったら最後の移動を行う。当然遮蔽を取るべきだが、攻撃前に飛び出している場合、さすがにそこからキッチン裏に駆け込んだりするのは無理があるので、移動先に大きな制限がかかる。攻撃に注力すれば、それだけ自分の身を危険にさらすことになるのだ。 その他にも「銃弾の再装填」や「回復」に関するルールなどがあるが、「クイックドロー」のルールがなかなか面白い。プレイヤーはどんなときでも、拳に装備している武器カードを捨て札にして、ホルスターに装備している武器カードを拳に持ち替えることができる。このルールがあるので、たとえ白兵戦武器を持った敵を遠距離から撃ったとしても、反撃カード&クイックドローでいきなりホルスターに入れていたピースメーカーで返り討ちに遭うこともあるのだw 前にも書いたが、「赤竜亭」と同じ直接攻撃&負け抜けゲーではあるが、武器カードの存在、弾切れの概念、位置に関するルールなど変更点も多く、かなり違ったプレイ感になってる。西部劇というテーマもシステムにマッチしており、ホントに酒場でドンパチしてる気分になれる。遮蔽を取ったときの安心感は異常w これも前に書いたが、 回復手段も防御カードもほとんどないので、あっという間にやられて終わることが多い。しかしやれることが多くてめまぐるしいので、濃密な時間を過ごせるだろう。 負け抜けプレイヤーの待ち時間を気にすることなくプレイできるので、オープン会などでも遊べる。ファンタジー好きなら「赤竜亭」だが、西部劇好きなら断然こっちだ。BGGの和訳ルール
2012.06.20
コメント(0)
ボックスアートゲームボード類 デザイナーはDavid E. Whitcher、パブリッシャーはMinion Games。「Nitro Dice」を作った組み合わせ。と言っても日本のショップには入ってきてないようなので、あまり知られてないが。デザイナーは自分の会社持っており、他にもいろいろ出してるようだが、ほぼ無名。この「タヒチ」で初めて注目されたと言ってよさそうだ。 なにやら一部に熱狂的なファンがいるらしい、南の島ゲー。タヒチ島と言ったら南半球にある名だたる観光地だが、このゲームでは特に観光は関係ない。プレイヤーは現地部族(ポリネシア人だろう)の副族長となって、繁栄しすぎて食料が不足している部族民のためにカヌーで海に乗り出し、周辺の島々や海からさまざまな食べ物を持ち帰って得点を競う。 プレイエリアはヘクスタイルを使ったモジュラーボード。真ん中に本島タイルを置いて、その周りにプレイ人数に応じた海タイルと島タイルを置いてゲーム開始。 手番プレイヤーは、まず豊穣の女神であるハウメア駒を移動させる。最初は本島上にあるが、なぜかボードの縁を目指す習性がある変わった女神なので、ボード外周にある任意のタイル上に移動させなければならない。手番開始時にすでにボードの縁にある場合は移動させてもいいし、させなくてもいい。そのあと、山から新たな島タイルを引いてボードに追加する。ハウメア駒があるタイルに隣接し、かつ2枚以上の島タイルに隣接する場所に置く。基本的には自分がいる方向にハウメア駒を動かし、自分の近くに島タイルを置くということになるだろう。 島タイルを置いたら、どこかの島に食料が沸く(かもしれない)。袋から食料駒を3個引いて、対応する空きスペースがボードのどこかにあればそこに置く(複数ある場合は選んで置く)。自分のカヌー駒の近くにある島に置きたいのはやまやまだが、ここは運次第なので、他プレイヤーのカヌー駒がある島にダイレクトに食料駒を追加する羽目になることもある。できることは2つ……自分を応援することと、引き運を神に祈ることだけだw ここまでが手番開始時の準備みたいなもの。次のアクションフェイズが手番のメイン。プレイヤーは何回かアクションを実行できるが、その回数はカヌーディスプレイに何人の漕ぎ手がいるかによる。カヌーにあまり食料を積んでおらず、漕ぎ手が最大の4人いるうちは4アクション実行できるが、たくさん収穫して漕ぎ手スペースにまで食料駒を置くと、その分アクション数が減る。食料は収穫したあと本島に持って帰らなければならないので、往復回数を減らすためにできるだけたくさん積みたいところだが、それでアクション数が減りすぎてもかえって効率が悪い。現在地と本島までの距離や、収穫できる食料駒の種類を考慮して最適効率で行動したいところだ。 アクションは「カヌーの移動」「食料の収穫」「釣り」「食料の供給」の4つ。 カヌー駒の移動時に珊瑚礁を横切ると積荷を失う可能性があるので注意。 「食料の収穫」は島から食料駒を1個取ってカヌーに積む。カヌーには食料駒を5個まで積めるが、1種類を複数個積むか、複数種類を1個ずつ積むかのどちらかしかできない。 「釣り」は本島以外のどのタイル上でもできるが、魚駒を得られるかどうかに運が絡む。他の食料駒の方がずっと取りやすいが、遅かれ早かれ魚駒は必要になるので、いずれは実行しなければならないアクション。 「食糧の供給」は本島でのみ実行でき、カヌーに積んでる食料駒を全部降ろしてプレイヤーボード上に並べる。 島タイルが全部ボード上に出たら冬が来る。ハウメア駒がゲームから取り除かれ、食料駒が沸きにくくなる。また、手番開始時に食料駒が尽きている島タイルがある場合、そのうち1枚に枯渇トークンが置かれ、二度と食料駒が沸かなくなる。このとき魚アイコンのある枯渇トークンが置かれた場合、その島は冬のあいだ魚が溜まる場所になり、釣りがしやすくなる。 枯渇トークンが置かれていない島が4枚だけになったら、そのラウンドを最後までやってゲーム終了。集めた食料駒の数に応じた得点と、食料駒5種類のセット数による得点を得る。また、ゲーム開始時に自分の大好きな食料を密かに決める「大好物タイル」というのを配るのだが、これに示されている2種類の食料を他プレイヤーより多く集めていると、それぞれについてボーナスが得られる。最多得点プレイヤーの勝ち。 ゲームとしては非常にシンプルな部類。アクションを競らず、食料駒のピック&デリバリーに特化した「バヌアツ」と言える(こんだけ違えば“言える”も何もないがw)。「バヌアツ」もそうだが、このようにボードがゲーム中に大きくなっていくゲームでは、1人だけ皆と違う方向に行くと完全に脱落することがある。自分だけしか行ってない方向にはボードが育ちにくい(育たない)からだ。しかしこのゲームでは、どのプレイヤーも何度か本島に戻らなければならないので、その心配はないだろう。不利な位置にいると思ったら少しの積荷で素早く本島に戻り、それから当たりの方向に行けばいいんだからw セットコレクションによるボーナスがでかいので、少品種多数獲得戦術は取りにくい(そもそも同種を多数獲得すること自体が難しい)。にもかかわらず、大好物ボーナスを取るには指示された種類の食料駒を他プレイヤーより多く集めなければならないので、ここでプレイングに悩むことになりそうだ。他プレイヤーとの絡みはなくはないが、ちょっと多人数ソロプレイ気味かな? 常に変化し続けるボードをにらみ、積荷数とアクション数の最適化を目指すゲームか。 食料駒の配置、釣り、珊瑚礁横断時の商品駒喪失に運の要素があるので、それほどガチンコなゲームではないだろう。南国舞台のゲームだし、ゆるく楽しむのが正解っぽい(殺伐とした「バヌアツ」は例外としてw)。たぶん今日あたりまで、キックスターターで出資を募集している。3万ドルまで行けばかっこいいカヌー駒とハウメア駒がおまけでつくようになるので、お大尽様には是非不足分をどーんと埋めていただきたいwBGGの和訳ルール
2012.06.18
コメント(0)
第2土曜の定例会。今回は4人。●ダンジョン・ペッツ 前回のプレイ記録はこちら。 念願叶って4人フルプレイ。しかし1人だけ経験者だったにもかかわらず、あわや周回遅れのぶっちぎりドベw 前回のプレイで「ペットを長期間抱えて育てるのは難しいから、売れるときに売ろう」と考えたのが大失敗だった。「ペットを長期間抱えて育てるのは難しい」この部分は間違ってないのだが、もしうまく育てたプレイヤーが他にいる場合、薄利多売戦術では名声点において圧倒的な差をつけられてしまう。そりゃそうだわなw サイズが4になったら即売りを繰り返してたので、5ラウンド目までは結構な差をつけてトップだったのに、最終ラウンドでサイズ7のペットに完璧な欲求割り当てを行ったプレイヤーがとんでもない得点を稼いであっという間に抜き去っていった。薄利多売戦術にはさほど檻や増設部が必要ないのでそちらも軽視した結果、ゲーム終了時の品評会点も稼げず、差は広がるばかり。インタラクション半分、ソロプレイ半分のゲームと思ってたが、ペット売買のところでも他プレイヤーの動きをよく見ておかないとだめっぽい。あと親戚インプは回収できるときに回収しとけ! 4人残してゲーム終了するととんでもない目にあうぞw 同じアーティスト、同じ世界観ということでどうしても「ダンジョン・ロード」と比べられてしまうのがこのゲームの不幸。私もどっちかというと「ダンジョン・ロード」の方が好きだが、システム的に似たところはほとんどないので、比較して評価することに大した意味はない。どちらも重量級ゲーム好きには受けるだろう。こちらは勝ち負けへのこだわりを少し減らして、気に入ったペットを飼ってその育成に四苦八苦するといったライトな楽しみ方をしてもいい。良ゲー。●アフリカーナ ↑は私がゲーム中に獲得したカード(もう1枚案内人カードがあった)。 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:アフリカーナ 「ヴァルドラ」でも採用されてた「本を模したコンポーネントの上でカードをめくる」システムを使っていて、その上でずいぶんと軽くなったゲーム。 ふむー。「ヴァルドラ」もあんまり好きじゃなかったが、こちらもイマイチかなあ。ちょっと運の要素が強すぎる気が。目的地カードのスタート地点にタッチすると、そのカードが置かれているスペースに対応したボーナスがもらえるのだが、このボーナスに差がある。移動用のカード1枚と銀貨1枚の価値はプレイの進行に応じて変わるだろうが、銀貨1枚と銀貨2枚では明らかに銀貨2枚の方が上だ。そしたら初期配置で自分の近くに銀貨2枚もらえる目的地カードのスタート地点があった方が有利に決まってるわな。 プレイ直後から差をつけられ、これはどうかと思っていると、新たにめくられた目的地カードがことごとく自分のいるところから離れている。他プレイヤーは1つのゴールに向かうあいだに別のカードのスタート地点にタッチし、どんどんボーナスを得ていく……なんじゃこりゃw このままでは絶対勝てないので違うことをしようと思い、何とか5金ちょっと貯めて冒険カードを購入。何枚かめくったら案内人が出たのでそれを買ったら、爆発的に移動が楽になった。他プレイヤーもこりゃいかんと次々に案内人を購入。やはりこれじゃ勝てないのでもう1枚だけ案内人を買ったところで、だいたい1手番でどれかしらの目的地カードを達成するか、スタート地点にタッチできるようになった。あとはどうしようもないときにだけ冒険カードを買って、たった2枚の同一工芸品を揃えたら30点で勝利。なんともあっけない。 5金+余剰金でカードをめくり、案内人が買えればよし。買えなきゃおしまい。そんな感じか? あとは都合のいい目的地カードが出るか、都合のいい工芸品カードが上の方に来るか。繰り返すが、多くの要素が運任せっぽい。後半の目的地カードの勝利点が高めなので、積極的に手番を消費して工芸品カードを買い、揃えに行くモチベーションも低い。目的地カードの達成も開始もできないときだけ買ってれば、あとは手番が一巡するあいだに新しい目的地カードが出るだろうから、それを目指せばいいんじゃないの。勝ったけど可もなく不可もなくと言った感じかねえ。●インディゴ 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:インディゴ まあテーマをガン無視することで有名なクニツィア作なんで、どうせインディゴ関係ないアブストラクトチックなゲームなんだろ、と思ってた。そしてもちろんその通りだった……その通りだったが、さすがの私もこのゲームの序文には笑わせてもらったw「インディゴは青色の染料です(以下インディゴの歴史とか。中略)~それはそれとして、プレイヤーは宝石を集めます」インディゴ関係ねえ。 パブリッシャーもよくこんな序文を通したもんだw 別に何か宝石に関したタイトルや背景設定を取ってつけることだっていくらでもできたはず。それがクニツィアの十八番だし。にもかかわらず、あえて無関係なインディゴをタイトルに冠し、無意味なその説明を長々と入れる……いったいその意図はどこにあるんだw それはそれとして。ゲームはまあ、軽くて大して頭使うところもない線路引きゲーム。何しろ手札のタイルは1枚しかない。相手をブロックしようにも、自分に有利になるように線路を引こうにも、どうしようもないときはどうしようもない。「キングダムビルダー」にも似たどうしようもない感。4人プレイの場合、2手あれば自分のとこに宝石が来るという状況までは何とか作って、上家か下家と協力するくらいしか頭使うところはない。繰り返すが、それも両者がイケてるタイル持ってればの話。なければそれまで。まあ軽いのが好きって人にはいいかもね。もちろん私向きではない。ノンテーマだしな。あとついたていらない。取った宝石を隠したところで、盤上で線路をたどれば誰がどの宝石取ったか一目瞭然だしw●フォトサファリ 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:フォトサファリ 最後にちょっと時間があったからこれ。より短時間で終わりそうな「他プレイヤーの手番終了時にも写真を撮れる」選択ルールを採用。 まあ、上のリンク先にあるようなゲームで、それがすべて。上家プレイヤーが動かした結果、自分の写真ができあがってると嬉しい。そんな感じ。ぬるーくプレイすればそれなりに騒いで楽しめるけど、たぶん大人がガチンコでやったら終わらない可能性あり。 5のカード1枚目までは順調に撮れたが、そこで足踏みしてるうちに他プレイヤーに抜かれた。自分の手番開始の時点で、完成に2手かかるようなお題ならさっさと交換した方がいいかも。
2012.06.09
コメント(0)
ボックスアートボード類(クリックで拡大) 「ファブラ」を作ったデザイナーの1人、Regis Bonnesseeの作。パブリッシャーは「ディグジット」で2010年ドイツ年間ゲーム大賞を獲ったLibellud。フランスのパブリッシャーの常で、アートワークが実に美しい。これまでは対象年齢8歳からのキッズゲームばかりだったが、今年は少し手を広げ、12歳以上が対象のゲームを2つ出す。そのうちの1つがこの「Seasons」だ。 剣と魔法の世界が舞台。プレイヤーは魔術師となって、王国一の魔術師の座を賭けた試合に参加する。3年に渡って魔力を集め、魔法のアイテムや使い魔を召喚し、クリスタルを獲得する。ゲーム終了時に集めたクリスタルと召喚した魔法のアイテム、使い魔から得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 実際に3年間のプレイに入る前に、各プレイヤーは9枚のパワーカードを受け取ってドラフトを行う。9枚のカードを選んだら3枚ずつのセットを3組作る。1セット目は最初の手札となり、ゲーム1年目から召喚できる。2セット目と3セット目はそれぞれ2年目、3年目開始時に手札に追加される。ゲーム中にもかなりの枚数のカードを手に入れることができるが、それらはどんなものが来るかも、召喚にどの魔力がどれだけ必要かも分からないので、プレイの軸にするのは難しい。ここで選んだ9枚がゲーム終了までのプレイ指針となるので、慎重に選ばなければならない。もちろん、できる限り他プレイヤーに渡ったカードも覚えておきたいところだ。 この準備が終わったら、いよいよ本番。まずはスタートプレイヤーが、現在の季節に対応した色のダイスをプレイ人数+1個振って、時計回り順に1個ずつ選んで取っていく。全員が取ったあと、ダイスが1個残るが、このダイスの出目も重要なので変えたりしないように。 全員がダイスを取ったら、スタートプレイヤーから時計回り順に手番のプレイ。「ダイスを使ったアクション」「パワーカードの召喚/活性化」「ボーナスアクションの使用」を自由に実行できる。ダイスアクションは1回だけで、出目に応じて魔力を得たり、クリスタルを得たり、パワーカードの召喚に必要な召喚ゲージのレベルを上げたり、山札からパワーカードを引いたりできる。どれも重要だが、特に「魔力の変換」には知恵を使う。これは持ってる魔力をクリスタル(≒勝利点)に変換するのだが、変換効率は季節によって違う。冬は大地の魔力1つをクリスタル3個にできるが、炎や水の魔力はクリスタル1個にしかならない。他の季節にはまた変換効率が変わってくる。持てる魔力の量には上限があるので、召喚したいパワーカードのコストとも相談しつつ、効率よくクリスタルに変換したいところだが、うまいタイミングで「魔力の変換」の目が出たダイスを取れるとも限らない。妥協すべきときもあるだろう。もちろん、次に「魔力の変換」ダイスが取れると信じ、運に任せて魔力をため込むべきときもあるだろうw 召喚コスト(魔力かクリスタル)を支払える限り、パワーカードは1手番で何枚でも手札から召喚して手元に置くことができる。しかし出せるカードの総数は召喚ゲージのレベルまで。最初のレベルは0なので、まずはレベルを上げないと1枚も出せない。さらに、最初は何の魔力も持っていないので、魔力を得ないとコスト無料のカード以外は召喚できない。結構準備が必要だ。 カードには「召喚時効果」「永続効果」を持つもののほか、「活性化効果」を持つものがある。この効果はカードを召喚したあとで、さらに活性化コストを支払わないと発動できない。1手番に1回までしか発動できないが、次の手番にはまた活性化できるようになる。 パワーカードの効果は「召喚ゲージレベルを2上げる」「クリスタルを9個得る」といった自分の利益になるものから、「他のすべてのプレイヤーからクリスタルを1個奪う」といった他プレイヤーを攻撃するもの、「ゲーム終了時に30名声点を得る」といったダイレクトに得点になるものまでさまざま。このパワーカードをうまく使うことがこのゲームの肝であり、一番楽しいところだろう。 パワーカードはこんな感じ(仏語版かな?)。これは水、大地、大気、炎の魔力を1ずつ支払って召喚する「聖杯」。召喚時効果で山札からパワーカードを4枚引き、そのうち1枚を無料で召喚する。このカード自体にも10名声点ついてる。役に立つけど高コストのカードを引ければアタリ。そうでなければハズレw 最後に、各プレイヤーは4種類あるボーナスアクションを3回まで任意の組み合わせ(同じものでも可)で使うことができる。ダイスに頼らず召喚ゲージレベルを上げたり、効率のいい魔力変換を実行したりできるが、ボーナスアクションを使うたびにゲーム終了時に失点することになるので、使用は必要最低限にとどめたいところだ。 全員が手番を終えたら季節が進む。誰も選ばず残ったダイスの出目を確認し、そこに描かれている点の数(1つから3つ)だけ季節トークンを進める。プレイヤーがどのダイスを選んだかによって、ゲームの進行速度は変わるということだ。点3つのダイスばかり残れば素早く、点1つのダイスばかり残ればゆっくりと季節が変わる。最後にダイスを選ぶプレイヤーは二択になり、自分で季節の進行速度を決められるので、自分に有利になるようないぶし銀的プレイもできそうだ。 季節が冬から春になったら1年が経過し、最初に用意しておいた2年目/3年目用のカードを手札に加えてプレイ続行。3年目が終わったらゲーム終了。クリスタルの数と場に出しているパワーカードから得点を得て、使ったボーナスの回数に応じて失点する。また、手札に残ったパワーカードも1枚ごとに-5点となるので要注意。ゲーム中に召喚できなさそうなカードを引いたら、手札に入れずに捨て札にするという判断も必要だろう。 さて。何しろパワーカードのプレイがゲームのほとんどなわけだから、その内容が分からないと何とも言えない。「季節ごとに振るダイスが変わり、それぞれ出やすいアクションと出にくい(出ない)アクションがあり、獲得しやすい種類の魔力と獲得しにくい(獲得できない)種類の魔力がある」とか、「選ばれなかったダイスによって季節の進み具合が変わる」とか、このへんのルールは面白い気がする。最初にカードをドラフトして、それを3つに分けて長期戦略を立てるというところもよさそうだ。また、たとえカード選択に失敗しても、ゲーム中にもカードを引くことができるので紛れがあるはず。ヘタレゲーマーには嬉しい仕様だw ルールブックはしっかりしており、全50種類のカードのすべてについて詳しい解説が記されている。しかもカード画像にはテキストが小さい字で埋め込まれているので、英語ルールを1000%くらいに拡大すれば、ゲームを入手する前に全カードのテキストを確認することも可能だw Asmodeeが流通に噛んでくれてるおかげで、国内では8月下旬にホビージャパンから「十二季節の魔法使い」として発売が予定されている。ファンタジー、美麗なアートワーク、ドラフト、大量のカードテキスト……このへんのキーワードが胸に響くようなら買いだwBGGの和訳ルール
2012.06.08
コメント(2)
「『ザヴァンドールのノーム』をやりましょう」とお誘いを受け、ホイホイと参加。ちなみに「『ザヴァンドールのノーム』をやろう」と誘われたのはこれで2度目だ。●マヤ まずはこれ。日本で「マヤ」と言えばこれを思い浮かべるだろうが、今回プレイしたのは今年出たばかりの新作。デザイナーはこれがデビュー作のAlberto Branciariと、「Skyscrapers」のAndrea Mainini。 2~4人用なのだが、人数に応じてルールががらっと変わってほぼ別ゲーになる。今回は3人プレイだったので、上の写真に写っている司祭駒と階段駒は使わなかった。 最初に9色、各5段ある階段ピラミッドを、すべての色が異なるような組み合わせにして9組作って3×3に配置する。各プレイヤーは秘密の目的カードを2枚受け取る。これにはピラミッドの色が示されている。中央にあるピラミッドの土台の色カードは公開してボードの横に置く。 手番ごとに、各プレイヤーは縦横に隣接するピラミッドを2つ選び、任意の段より上の段すべてを交換する。ただし土台は移動させられない。一番上の5段目だけを交換してもいいし、2段目から上すべてをごっそり入れ替えてもいい。ただし、「すでに同色の段が連続している」部分を分割することはできない。たとえばあるピラミッドの2段目と3段目がどちらも緑だった場合、この部分を分割するように入れ替えることはできないということ。 入れ替えたら手番終了。次のプレイヤーは、直前のプレイヤーが入れ替えた2つのピラミッドの片方(または両方)を選ぶことはできない。残りの7つから2つを選んで入れ替える。 入れ替えられるピラミッドがなくなったとき、または自分の色の1つか中央のピラミッドを完成させたプレイヤーが終了を宣言したとき、ゲームは終了する。自分の目的カードの色がたくさん連続しているほど得点。2段連続してる部分1つごとに1点、3段連続してるところがあれば3点、とかいった感じ。中央のピラミッドを完成させたプレイヤーは+5点。最多得点プレイヤーの勝ち。 ルール聞いた時点ではどうかなーと思ったが、やってみればそこそこ面白かった。しかし、これもルール聞いた時点で思ったが、ガチでやるとゲームが終わらない。いったん連続した部分は分割できないので、自分の目的カードの色を隠す必要がほとんどない。ブラフのつもりで他の色を連続させてしまうと、そこは確定して間違いなく誰かの点になってしまうのだからw まあ誰の点にもならない色が2色はあるのだが、それでも自分の色をとにかく連続させた方が明らかにいい。そして直前のプレイヤーが触ったピラミッドには触れないとはいえ、3人戦だ。2人がかりでトップを絞るのは赤子の手をひねるより簡単w ほぼ千日手状態になり、飽きてきたので、何となく勝てそうな気がして中央のピラミッドをタナカマさんに作らせるようにしてゲームを終えてみたが、計算してみればタナカマさんの勝利。当たり前だよ、自分のピラミッドを完成させてやっと6点なのに、中央の完成ボーナスで+5点だもの。2段3段をたくさん作ったところで追いつけるわけがねーw 完全アブストラクトゲームになる2人プレイが本来の姿で、3人プレイ(およびチーム戦になる4人プレイ)はおまけだろう。2人で遊ぶ機会が多い人は試してもいいかもね。あとピラミッド好きな人もね。●ホワイトウォーター 続いてこれ。知ってる人はその危険性を充分に承知している「Mayfair Gamesオリジナルゲーム」の1つだ。デザイナーは「お邪魔者」「チェロキー」のFrederic Moyersoen……事前に知っていればやらなかったなw ゴムボートで急流を下るというテーマのレースゲーム。各プレイヤーがゴムボート1隻を担当するのではなく、2人1組で1隻を担当する。3人プレイだと、プレイヤー1はゴムボートAとB、プレイヤー2はBとC、プレイヤー3はAとCって感じ。担当するゴムボートが決まったら、各プレイヤーはこっそりどっちのボートの得点が倍になるかを決める。 手番プレイヤーは各ゴムボートに割り当てられた2人の漕ぎ手と、何かよく分からないエネルギーカード3枚を駆使してゴムボートを進める。漕ぎ手は手番ごとに再利用できるが、エネルギーカードは漕ぎ手を使用して利用状態に戻さないといけないので、再利用するのにちょっと手間がかかる。 もりもり進んでいくと、コース上のヘクスに示されてるようにボートの向きが変わったり、流木に引っかかって余分なAPが必要になったり、漕ぎ手が落水して再利用しにくくなったりする。ゴールした順位に応じて得点が入り、最初に倍にしておいた方の点を倍にする。最多得点プレイヤーの勝ち。「じゃあはじめましょう。よろしくお願いします。ボートAを2マス進めます。次にボートBを2マス進めます」「じゃ私はこっちを進めて、前にあるボートを押してイベントマスに押し込みます」「(ダイスころころ)ボートの向きが180度変わりました」「じゃあ私がアクション使って向きを戻します。でこっちのボートはここに進めます」 ……まあね、レースゲームの時点で基本的には当たりなしですよ。それにしても、それにしてもですよ、これはひどいw ホントにまったく掛け値なしに盛り上がらない。これほどつまらないレースゲームは初めて。ゲーム開始時にコースとして4マップをつなげたが、1マップ目を越えたところで、いたるさんが静かに4マップ目を取り除く。私とタナカマさんはそれを黙認w 3人プレイは一番つまらない人数だったかもしれない。ボート数が少ないので盤上でカオスが発生しづらいし、自分に関わりのないプレイヤーがいないので、トッププレイヤーを絞りづらい。なにより、たまたま他の2人が同じボートの得点を2倍にしていた場合、最後の1人に打つ手が何もないw ゴール間際はちょっと盛り上がったが(もうすぐ終わるから)、そんだけ。ちなみにタイル類は安定の片面印刷仕様なので、コンポーネントフリークにも不向き。病的なまでの渓流下り好きか、あらゆるボドゲを手に入れないと気がすまない人以外はスルー推奨。●ケイラス 詳しいルールはこちら(BSW用なのでマップがちょっと違いますが、ルールは変わりません) 遅れて来たシミーズさんを迎え、4人でこれ。もうすぐデザインがリニューアルされた多言語版が出るので、その前に1回はプレイしておきたかったからちょうどよかった。 2005年に出て、未だにBGGランク堂々の10位。さすがの大傑作だった。タナカマさんが建物恩恵を重視し、低コストで続々と石造建造物を建てていき、シミーズさんは城を軽視して資金繰りの向上に注力。商人ギルドの力も再三利用し、終始他プレイヤーの建物選択にプレッシャーを与えていた(序盤に2回殺された!)。逆にいたるさんは比較的城を重視。決算時に毎回恩恵をもらってたように思うが、誰も木造の生産建造物を建てなかったため、常に資金繰りと資源不足に苦しんでいたようだ。 私は何をしてたかさっぱり思い出せないくらいにぶれすぎw 城にはタッチだけして、最低限失点はしないようにしたが、その分建物建てたかというとそうでもなく。ほんとに何してたんだろう……たぶん交易所、馬小屋、宿屋を取りに行きすぎて、実効性のあるアクションがその分減ったのかな。 ゲーム終盤、シミーズさんが名声建造物を建てようとしたとき、タナカマさんはそれを(監督駒を移動させて)ブロックすることができたが、逆に監督官駒を進めて容認。シミーズさんは大聖堂を建て、一気に25点を詰めたが、ここが焦点の一手だった。きっと私なら、特に考えもなく手拍子で監督官駒をバックさせただろうが、そうするとプレイが1ラウンド伸びる。結局そのあとシミーズさんはもう一度名声建造物を建てに来て、その際には防げなかっただろう。その他の状況を鑑みて、自分よりシミーズさんの方が伸びしろがあると見たタナカマさんは、1ラウンド早くゲームを終わらせる方が勝ちに近いと読んだわけだ。そこまで考えられるものなのかと心から感服した。 最終ラウンド、いたるさんも城を一気に3段階建設して猛烈に追いすがるも、わずかに届かず。終わってみればなんと1点差でタナカマさんが1位、シミーズさんが2位。繰り返すが、あと1ラウンドあればどうなったか分からない。お見事の一言だ。ちなみに私は黒を担当。上の写真をご覧いただければ、1人後ろの方にいるのが分かるだろうw 3人ベストと言われてるようだが、4人でも充分に面白い。プレイ時間はさすがに長めだが(3時間弱くらい?)ダウンタイムは感じないし、最近のゲームと比較するとずいぶん軽く感じる。「プエルトリコ」といい「サンクトペテルブルク」といい、傑作はやはり色あせない。●ダブルオアナッシング 詳しいルールはこちら。 「ケイラス」で終わっていればいい1日だったのだが……。19時くらいに顔を出したけがわさんが、自分もどうしてもゲームやりたいとだだをこねたので仕方なくこれ。当然クニツィア。 高得点が欲しければカードをめくらなければならないが、めくった手番には得点できない。めくって合わないスートができたらその分だけ得られる点は減るし、あってるスートがなくなったら0点でラウンドから脱落。いわゆるバースト系だ。 私はバースト系ゲームが嫌いなので、当然評価は低め。さらにノンテーマのクニツィアゲーと来たら、もう高く評価する理由がないw バースト系って、基本的に「序盤にたまたまうまく行った奴が先行し、たまたま後手を踏んだ奴が無理せざるを得ず、結果死ぬゲーム」じゃないかね。ケニツィア博士は「逆転性がある」とか何とか言ってた気がするけど、ないよw 特にこのゲームは、「自分が最後に残ってるプレイヤーになり、ダブルオアナッシングで2倍点取る」に成功しないとなかなか点差を詰められない。ということで、負けてるプレイヤーはなかなか降りられない。ではそんなプレイヤーが2人いたら(つまり終盤で、ダブルオアナッシングに成功しないと勝てないプレイヤーが2人いたら)どうなるか。何しろどっちも降りないので、必然的にどちらも勝てないのだ。降りても勝てない。降りなくてもバーストするから勝てない。いやー、さすがクニツィア先生の作るゲームはひと味違いますねw 短時間で終わるので、バースト系のくせにひたすら時間がかかるあれやこれよりはましだけど、もう1回誘われたらやらないな。 注意:ブログ中の表現は作劇上の手法であり、私とクニツィア狂信者はホントハ心ノ友デス。↓な感じです。 そのあとご飯食べて解散。楽しゅうございました。 ……あれ? 「ザヴァンドールのノーム」は?
2012.06.05
コメント(1)
キャンペーンで遊んでるTRPG「迷宮キングダム」で軽く全滅しかけた(そして実際1キャラ死んだw)あと、すがすがしい気分で軽く2つほどボドゲをプレイした。●ダンジョン・ファイター 写真は借り物。 詳しい紹介はこちら。 各所で評判のバカゲー。ランダムにキャラを決めた結果、私は見るからに蛮族のトームに。英雄アイコンを出して命中させれば、何色のダイスを使っても大ダメージを与えられる頼もしい奴だ。しかし周りを見渡すと、他にも弓手やドワーフなどの戦闘職が多く、アイテムカードをあまり多く使えない。これはちょっと危険な臭いがするぜ……。 練習もせず、いきなりダンジョンに突入。初っぱなから頭突きしなければならないヘッド・ショットを要求され、まったく的に当たらないw 何とか倒すもいきなり瀕死。2部屋目は白ダイスがもらえるお宝部屋か、スピン・ショットをしなければならない危険な部屋の2択。通常ならお宝部屋に決まってるが、その先にある癒やしの泉が魅力的(に見えた)だったのであえて危険な部屋に。ヘッド・ショットができないプレイヤーがスピン・ショットを楽に決められるはずもなく、さっそく3人気絶w しかし1人残ったいたるさんドワーフが踏ん張り、辛くも突破。 癒やしの泉で出た敵も何とか倒し、全快したが、すでにトラウマトークンを1枚受け取ってHP上限が3点も下がってるキャラにとっては焼け石に水。この時点で特殊スローの困難さを痛感していた我々は、お店で出た武器には見向きもせず、数少ない枠を全部使って回復薬を購入。しかしそれを使うことをすっかり忘れ、2マップ目の2部屋目で全滅。ノーマルスローもろくに的に乗せられない上、一撃で3点とかダメージ受けてたらそりゃ勝てねーw うん、まごうことなきバカゲーだなw それでも勝ち負けについて言うなら、プレイ人数少ない方が多少は突破しやすいだろう。スロー回数が増えるので、必然的に慣れてくるからね。あと、テーブルの材質が超大事w よく跳ねるテーブルにしましょう。マットを敷いてやるとか言語道断w 親しい仲のメンバーでやって、失敗するたびに罵倒が飛び交うくらいの方が面白いだろう。スローに失敗すると大なり小なり申し訳ない気持ちが湧くような環境ではなかなか厳しいかも。互いの頭や鼻に触れたダイスを使うことより、この点の方が問題でオープン会では出しにくそうだ。しかし一度全滅すると悔しくなって、すごい練習して突破したくなる。いいゲームだよw●LoveLetter Today's MASTERPIECE!! ごく短時間で終わるというので、最後にこれ。あまり短時間ゲーム自体に興味がないので、正直期待してなかったが、がっつり裏切られた。これはいい。ゲームの善し悪しとプレイ時間は関係ないという、ごく当たり前のことを改めて思い出させてくれる(忘れてるのは私だけだがw)傑作。「カナイ製作所」の同人ゲームだが、そういえば前作「大商人」も短時間で終わるけど非常に面白い優れものだった。この2つしかやったことないが、かなりたくさん作ってるようだ。全部デザイナーは同じなのかな。だとしたら可能な限りさかのぼって過去作も遊んでみたいものだ。 プレイヤーはお姫様に恋文を出そうと奮闘する若者になり、城のいろんな人に協力してもらう、という設定。ルールは非常に簡単で、最初に手札を1枚ずつ持ち、手番が来たら山から1枚引き、どちらか1枚をプレイしてその効果を適用する。基本はこれだけ。効果を適用していくとどんどんプレイヤーがゲームから脱落していき、最後に残った1人が勝ち。山が尽きた時点でプレイヤーが複数残ってる場合、手札に書かれてる数字の大きい方が勝ち。 たったこれだけで面白くなるのか? とプレイ前は懐疑的だったが、結論から言うと「超面白い」。手番プレイヤーの選択肢はおおむね2択なわけだが、「なぜもう1枚ではなく、その1枚をプレイしたのか」を考えると、相手の手札がある程度読める(やむを得ずそちらをプレイした可能性もあるので、完全には読めない)。この読み合いが素晴らしく熱い。あまり細かく説明すると自作できちゃうレベルのルール量なので詳細は伏せるが、相手の手札を見抜くことが非常に重要なので、他プレイヤーの1手1手に神経を使う。もちろん、自分のは読まれないようにプレイしたいから、たまには定石とは逆の手も打ちたい。プレイ時間の短さも相まって、このゲームにダウンタイムという言葉は完全に無縁だ。 いくら言葉を尽くしても、このゲームの楽しさはやってみないと伝わらないと思う。今回はハンドメイドのテスト版ということだったが、いずれ完成版が出るだろうから、チャンスがあったら是非入手して遊んでみて欲しい。お値段も控えめなので、買って損したと思うことはまずないだろう。
2012.06.02
コメント(0)
全8件 (8件中 1-8件目)
1