結局、酒は厭世観（えんせいかん）のシンボルっちぅ話

あんたはちゃうかも知れまへんが、わいはこのトコ、辛う生きてますわ。

神さんも仏さんもおるのんか、おらへんのんか、まあ、おるとしても、うちのこっては見放しとんで。

昔のうちの連れらーと同様、わいは見放されたんか知れまへんが、うちの方が見放したってんとも言えまんねん。

ちーと前からに、人生に意味が見出せまへんねん。

無意味やってしか思えまへんねん。

つろても生きていかな、ならへんさかい、かなわんで。

でも、それがおーかた、生きるちゅうこっちゃ。

神さんが与えた試練やさかい、しょもない。それが生きる意味やってやんか。

殺生な感じやのぉ。

ようわかっていますわ。

生きるこってには努力が必要やちゅーこと。

無責任でぇは生きられまへん。

無意味な人生を努力するちゅうことは、開き直るちゅうこっちゃ。

でぇもわいは、それを覚悟するこってができしまへんにゃ。放棄もできぃしまへん。

吸う息やり、吐く息の方が多いんはなんででっしゃろなぁ。

わいは冷酷ではおまへんで。

偏屈でぇも、高慢やっとも思っていまへんね。

腹立つのーちゅうこってがようけあるなあ。

何やに対しても懐疑的やねん。

うちの価値観は毎度、既成のもんっとはちゃうねん。

うちの人生は他のヤカラに比べたら、そりゃなんぼか下降線やね。

幸せを掴むのんに努力はしたいのやが、無駄なこってはしたくおまへんねん。

破滅はしとうおまへんが、破滅して欲しい人はぎょうさんいますでえ。

世の中のヤカラは皆たくましいちうわけや。

でぇも、うちには非情でぇ無慈悲でぇうそたれや。

この世は悲惨に満ちとる。

うちのやるこってにほんまの意味はあらへん。そやけど、それをしやんこってにも意味が見出せれへん。

無駄なこってはしたくあらへんけど、無駄な日々が過ぎていくわけや。

なぁんも希望しやん。

人生って時間を空費しとぅ。

悲観的やけど、そりゃは慎重やちゅうこっちゃねん。

慎重にしとれば、機会が回ってくるやもしれへん。

神さんに見つけられたり、おのれの時代がやって来よったり、信じられる大切な人にめぐり合うやしれへん、しれへん話や。

世も末やって思うわ。

せや、うちにとっての世が末やんや。

みんな能天気に生きていけばええ。でぇも、わいは選んでぇ生きていく。

それがしんどい生き方やっても、おのれでぇ選んでぇ生きていくわい。

わいは生きるのがへたくそやろな。

でぇもそら、うちがちびっとでも、芸術家でぇ、哲学家やからやろなあ。

世の中に流されへんちゅうのん、自慢でけへんやろか。

ほれ、鏡を見れば、ちゃんっと、おのれの顔が映るちうわけや。

うちのこっては信用した方がええよ。

裏切りまへんよってに。

わいと絆（きずな）やらを育てていきまへんか。

どなたはんの悪口も言わず、自己嫌悪におちいりそなあんたを上手ぅにおやててやげまひょ。

酒、飲みまへんか。

イヒヒヒヒ。