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2006年02月10日

お答できるほど、イスラム教に詳しい訳ではないんだけど、

皆さんご存知のように、
私はこの日記をのんきには言っていない。
のんきは危機感の持ち方が普通の人と違うので、
こういう風に、自分の意見を（特に米の国に対する）日記にして、
不特定多数の人が読める状態になっている事を、
きっとものすごく危険な事だと思っているから。（実際危険なんだけどね）

のんきの意見が聞きたい姐さんの気持ちも解るが、

今回のこの事件。
イスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画が、デンマークの新聞に載って、
これは預言者ムハンマドに対する、延いてはイスラム教に対する冒涜だ、と、
イスラム教徒によるデモから世界的な抗議活動（一部かなり過激な）に発展。
今では漫画を描いた人の首に懸賞金がかかるほどの大事になっている、
というもの。

死人まで出たこのデモを全くもって正しい事だと正当化する気は、
私にはない。
その上で、以下読んでいただければ幸いです。笑

まずこの一連のニュースで考えなければいけないのは、
日本のメディアは面白いくらいアメリカの傾向を強く反映してしまうという事。

プロパガンダ。
これはアメリカ（だけじゃないけどね）の最も得意とする所。
結構最近で解りやすいな例を挙げると、ロッキーや（３かな）。爆
もっとたくさんあるのに、今どうしても思い浮かばないけど、
ソ連との冷戦の頃、ソ連が敵だったアメリカは、

ニュースでもソ連の都合が悪いニュースは何もかも『社会主義』に結び付けて叩きまくっていた。
ソ連が崩壊してアメリカが勝ち越すと、今度は中東に狙いが移って、
早速ソ連にしたのと同じ様にプロパガンダの応酬。
映画、本、ニュースなどのメディアを使っての国際的イメージダウン作戦。
それが功を奏して、日本を含む世間ではすっかり、

イスラム教（イスラム教国）＝悪者、過激、テロ、戦争ばっかりしてる、(それ故に)貧乏
キリスト教（っというよりもアメリカ）＝正義の味方、自由、平等、(それ故に）お金持ち
というイメージが出来上がっている。

私のような無知な輩でも、
『トゥルー・ライズ』（シュワちゃん、ジェイミー・リー・カーティス）を見れば、
随分あからさまだと思うし、
『ロング・キス・グット・ナイト』（ジーナ・デイヴィス、サミュエル・Ｌ・ジャクソン）を見れば、
あながちフィクションじゃないだろ、これ、と思う。

こういう背景があって、このニュースが必要以上に大きく取り上げられている、
というのは否定できない。

このニュースの関係ニュースをみていた時に見つけたんだけど、
この風刺漫画を載せたデンマークの新聞社、
３年前にキリストを風刺する漫画の掲載を拒否したことを別の漫画家に暴露されて、
「イスラム教徒よりキリスト教徒の読者に高い価値を置いている」
と同紙の二枚舌ぶりが批判を集めているとの事。
その新聞社の言い訳は「絵の質が良くなかったから」だそう。。
この辺を読んでもらうと私の言っている事も説得力を増すような、、、笑

次に、ああいった過激な暴動を起こしてしまったりするイスラム教徒は、
イスラム教徒の中でも極一部の人だという事。

上とダブるけど、
こういう事件を鬼の首でも取ったかの様に大々的にニュースにする理由がアメリカにはある。
それを垂れ流してるのが日本のメディアだと言う事を忘れてはいけない。

実際『イスラム原理主義』（Islamic Fundamentalism）だって、
そういう呼び方は、キリスト教国のどっかから政治的な意図を持って出たもので、
彼らは自身はそんな呼び方も認識もしていない。

私の知る限り、『いわゆるイスラム原理主義』というのは、
ヨーロッパからの異教（もちろんキリスト教）や、
それによる『開けた』考え方が蔓延する中で、
基本に戻って、聖典（コーラン）に忠実なイスラム教を復興させようとする運動の事で、
アメリカの（イコール日本の）メディアみたいに、
『テロリスト』の代名詞としてやたらめったらに使われるような言葉ではない。
これを和訳して使いまくってる日本のメディアに、
一生懸命にアメリカの手足になってる悲しい日本が見えるのは私だけ？

お国柄や宗教に対する考え方も絡んでくるんだろうとは思うが、
同じようにデモや批判をするにしても、
行列してほぼ礼儀正しく行える我が国と、
親指切っちゃったり、旗燃やしちゃったり、
年端も行かぬ子ども騙くらかして抗議の絵を描かせちゃったりする国と比べてくれれば、
理解しやすいかな。。。
日本でどれだけ強い抗議をしても旗を燃やしている所を見た事が私はないんだけど、、
どんなもんでしょう。。。

ちなみに香港でもデモが計画されているそうで、、、
以下、Ｙａｈｏｏのニュースより引用

「イスラム教の預言者であるムハンマドの風刺画をめぐり、
世界各地で抗議活動が激化していることに関連して、
香港でもイスラム教徒がデモを計画している。香港メディアなどが伝えた。

香港のイスラム教徒が大規模なデモを行うのは約20年ぶり。
すでにイスラム教指導者が香港特区政府に対して、デモの申請を行ったという。

10日正午にも九龍地区にあるモスクに約3000人が集まるのではないかとみられている。

同モスクのイマーム（宗教的指導者）は、
「暴力行為を通して、怒りを伝えることはしない」
「他国で広がっている暴力行為とは一線を画す」として、
平和的なデモであることを強調している。

なお、香港には、パキスタン、インド、バングラディッシュ、マレーシア、インドネシア、
さらに中東とアフリカからのイスラム教徒がおり、
イスラム教徒の総数は約8万人だとされている。」
（引用ここまで）

そして、イスラム教の宗教的性格というんでしょうか、
そういうのも頭に入れておかなければいけない。

イスラム教、アメリカでも日本でもこの名前を聞いて受ける印象は、
『厳しい』だと思う。
そして、断食などを含む戒律や罰則は、
私が知る限りのアメリカのキリスト教と比べても段違いで厳しい。

これまたダブってしまうが、
宗教というのはそれを信仰する人たちのお国柄によって、
少しずつ変化するのを余儀なくされるものである。

キリスト教国と言いながら中絶が合法だったり
（善し悪しという問題ではなくて、念のため）する国や、
特に宗教離れが著しい日本人にとって、
コーランをトイレに置くだけで拷問に値してしまうなんていうのは、
理解の幅を超えていると思う。

そう言えば、こんな事件もあったそうで、、
以下Ｙａｈｏｏニュースより引用。

「ドイツ西部ミュンスターの検察当局者は９日、
イスラム教の聖典である「コーラン」の文字が印刷されたトイレットペーパーを
モスク（イスラム教礼拝所）などに配ったとして、
公序良俗に違反した罪で起訴されたドイツ人ビジネスマンの裁判が、
２３日に開かれることを明らかにした。」
（引用ここまで）

アホな人もいるんだね、というのが正直な感想だが、
こんな事が神に対する冒涜になってしまうのがイスラム教なのだ。

しかもイスラム教では、偶像崇拝を禁止している。
預言者ムハンマドはアッラーに選ばれた人間だとはいえ、
ムハンマドの絵や像崇拝目的に作って拝む行為でさえもってのほかなのに、
それを風刺目的に絵にするなんて、
イスラム教徒にとってこの上ない冒涜になるのだ。

日蓮宗の経本をトイレに置いたぐらいであんなに大袈裟に日本人は騒がないとか、
バイブルをトイレに置いたぐらいでキリスト教徒は暴けないだろうなんていう、
いたって単純な置き換えが、
簡単に出来ないものである事を理解して欲しい。

そしてイスラム教では、宗教のため(神のため)に死ぬ事は誇りである事。
そうして死んだ人は、死んだ後も天国に行けると約束されている、
と信じられている事も忘れてはいけない。
キリスト教の考えでは、自ら死を選ぶ事は大きな罪だから、
それをイスラム教に当てはめてアメリカのメディアは大騒ぎしているけれども、
上と同様、単純に置き換える事の危険性を孕んでいる。
それを鵜呑みにしている、
『死』についてはどちらかというとイスラム教に近い考えをする（した？）日本人が、
アメリカのニュースを垂れ流してやんや言うのは見ていてある意味滑稽だ。

さっきも触れた関連ニュースでは（これもＹａｈｏｏニュースからだけど）
以下引用。
「漫画家は「だれも傷つける意図はなかった」と強調。
「小さな絵から異常な状況に発展した。
すべてが脱線し、ばかげた状況になった。宗教でなく政治が問題になり始めた」などと語った。
暴動を引き起こすとは「全く予想していなかった」といい、
「私たちデンマーク人は広い世界のことやイスラム教のことを少ししか知らず浅はかだ」
と反省の弁を述べた。」（引用ここまで）

って、描いた方もこの程度の認識だったと言う事。
最初からお互いの宗教を尊重して新聞社からこのコメントが載れば、
それで済んだ話なのではないかと思う。

私の、本当に私個人の意見としては、
一時アメリカで国産車を買おうという運動を推進している時、
日本車をハンマーで壊しまくるというパフォーマンスをニュースでみた時に、
カァッと熱くなるほどの怒りが込み上げてきたのを憶えている程なので、
自分の大切なものが国であれ、宗教であれ、
それを冒涜された彼らの気持ちが全く解らない訳ではないな、、、と。

何年アメリカに住もうと、宗教について勉強しようとも、
宗教はいかがわしいものだからハマると恐いので関わらない方が良い、っと、
そして、出っ張る事も凹む事もせずに社会に溶け込む事が生きていく上でとても大切だ、っと、
日本の社会の中でたっぷり教育されて育った私が、
命を懸けて宗教のために死ねるか？って聞かれたら、
そりゃまた別の話なんですがね。笑
私が持つ宗教観については、まだ勉強不足のため、今の所日々模索中ってな感じです。

ぜんぜんまとまりませんでしたが、こんなもんでいかがでしょうか、姐さん。笑
コンピューターの調子が悪いので、
更新した後に何度か修正してますので、
不都合が生じてしまったら申し訳ないです。
長々とありがとうございました。

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