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以下の本の読書メモを、かなり部分的な記述を拾いながら、何回かに分けて書いてマス。今回が、第3回。『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』(渡辺道治・フォレスタネット、学事出版、2021、1980円)第1回→ADHDの子どもにとって動くことは必要!第2回→作文の「書き出し」をプロから学ぶ図書館の活用僕のブログ記事では「足並みバイアス」に関わる中心的な論をあえて避けて周縁部にあたるところだけを紹介している気がしますが、そういった細かなことの積み重ねが、「足並みバイアス」を乗り越えることになるのだと思っています。とにかく良書であることは間違いないので、ぜひ買って読んでください。今回は、九九を覚えていない子に、九九表を見ながらわり算の学習をさせてもいいじゃない、といったお話。これ、実は「テストの時にも使わせていいのか」という議論が、よく起こります。「評価」は公平でなければならないという、呪縛です。通常学級の学習をインクルーシブなものにしていくには、この議論は、避けては通れません。みんな同じテストを、誰も頼らず、何も使わず、自力でやらないといけないという「思い込み」や「足並みバイアス」が、特に知的障害や学習障害のお子さんが通常学級で共にテストを受けることを妨げています。大事なことは何なのか、考えたいです。本書では以下のように書かれています。■算数の学習を変える 「算数の授業改善」ステップ3 お助け教材はどんどん使わせよう・私は、4年生以上であれば、以下の九九カードと割り算表を表裏印刷にしてラミネート加工し、全員に配布します。そして、いつでも使ってよいこととします。テストの最中もです。なぜなら、小数の割り算のテストは、かけ算九九の習得状況を図るものではないからです。(p96より)※同ページには九九表と割り算表の画像が紹介されていますが、著作権の関係でここには載せていません。僕は長年通級担当をしていますので、かけ算九九が覚えられなくて困っているお子さんは、とてもたくさん担当してきました。そういうお子さんには九九表を渡して、学級担任の先生にも「普段の学習から使わせてあげて」とお話をしています。そうすると、「〇〇さん以外にも、これが必要な子がほかにもいます」と言われることも多いです。なので、多めに作って、「いる子には、使わせてあげて」と、複数枚を担任に預けることも多いです。そんなときの僕は、九九表製造工場になって、せっせと九九表をつくっては担任に配ってまわるのです。ただ、普段の学習で使う分には、担任も快く了承していただけるのですが、テストでは使わせてあげられない、と言われることも、けっこうあります。#テストで普通に使わせてあげる担任も、います。#同じことが、電卓の使用についても、言えます。本書の実践ではテストでも使ってよいことにしていることが明確に書いてあるので、「テストでは使っちゃダメでしょ!」と言われる担任と話をする際に、この本の記述をちょっと読んでもらって、「こういう例もあるようですよ」とお話してみるのも、いいかもしれません。#あくまでも、例です。#これはいわゆる「合理的配慮」にあたるもので、合意形成のうえでおこなわれるべきものだと思っています。#「あなたは間違っている」と糾弾するものではありません。ちなみに僕が作る九九表は、上のリンク先のようなものではなく、イラストなしで数字が色分けされているシンプルなものと、段ごとに別々のカードになっているものをよく作ります。子どもによっては、マス計算のかたちで答えが並んでいるものが一番よかったりもします。↑これは、今さっきエクセルで作ってみたものです。子どもによってどんな形式の九九表がその子に合っているのかというのは違いますので、そのへんも含めて、子どもに合ったものを使わせてあげればいいんじゃないかと思います。↓世の中には、20までの九九表もあります。#もはや九九表ではないかけ算表【1-10のだん】【B3+A4 2枚セット】▼『算数の授業で教えてはいけないこと,教えなくてはいけないこと』5~算数のやり方は一つじゃない!(2010/04/30の日記)
2024.05.18
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4月8日です。新年度第1週目の平日が終わりました。僕は今年度も1年生の学年付きになりました。1年生はゼロからの準備なので、やることが多い!学校全体の名簿担当やタブレット関係のサポートもしているので、仕事が間に合っていませんでした。昨日が始業式でしたが、その前日までの超過勤務でかなり疲れていました。思わず、次の川柳を詠んでしまったほどです。新年度 始まる前から 疲れてる (笑)学校全体のことをやってから1年生の「はりだし名簿」を印刷しようとしていたら、まさかのポスタープリンターの故障!急遽、隣接する中学校に連絡し、そこのポスタープリンターを使わせていただいて、なんとか印刷することができました。中学校の先生方、とてもやさしくて、ご自分の仕事も忙しいと思うのに、急遽発生した今回の件にもとても快く対応していただきました。本当に感謝に堪えません。以前学校の先生間でのいじめがニュースになったことがありましたが、大多数の学校の先生たちは本当に親切で、困ったことがあると親身に対応してくださいます。すばらしい先生方が身近にたくさんおられることを、校種を超えて再確認した年度初めとなりました。小学校勤務だと中学校の先生とは出張先で顔を合わせる程度で、そこまで接点がないのですが、組合に入っていると、一緒の仲間として活動したり、相談し合ったりということがあります。今回も、組合ですでに何度もお話をしたことがある先生方が、隣接する中学校に行ったときに職員室におられたので、安心感が違いました。中学校自体におじゃますることはそんなにないので、不安と緊張があったのですが、知っている先生がおられるだけで、ずいぶん違いますね。新年度に新しい学校に通うことになる子どもたちも、こんなふうに不安と緊張の初日を迎えるのだろうな、と思いました。学校の先生の一人として、その不安と緊張を少しでも和らげられたら、と思います。子どもたちの登校初日。気になっていた子も含めて全員笑顔で新しい教室で過ごしている姿を見ることができました。子どもたちの元気な姿から、こちらも元気をもらいました。また1年、がんばっていきたいと思います。
2023.04.08
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20年も小学校で勤めているのに、今日は「油引き」(ワックスがけ)で大失敗してしまいました。学年教員ごとに割り当てのフロアが決まっており、僕らの学年は、1階北校舎が担当場所でした。今回は教室の油引きです。(廊下・階段の油引きのときもあります。)一番最初に仕事にかかったのが僕でした。このとき、油をバランスよく配分しようと思って、先に油を各教室にまいていったのです。あとから、「油はまいてすぐに拭かないと、あとが残る」と言われて、「しまった」と気づきました。皆さんは同じ失敗をしないようにしてください・・・。教師をしていない人にとっては、「油引き」って、懐かしい響きでしょうね。(^^;)というか、「油引き」している地域自体、日本の中では珍しいんですか?え? もしかして、兵庫県だけですか?ちなみに、うちんとこは、「油引き」という呼称は使いますが、実際はワックスがけです。調べたら、「神戸はほんとの油をひく」と出てきました。▼教室へは「土足」で入り、ワックスはかけず「油」を引く... 「神戸の学校文化」が独特すぎる件 (Jタウンネット、2022/8/8記事)
2023.03.17
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コロナ禍の参観日、気を遣いますよね・・・。僕は、昨日が自分の子どもの参観日、今日が、自分の勤務校の参観日でした。勤務校の方では、僕は駐車場係なので一昨日に運動場にラインを引いておいたのですが、昨日の雨で全部消えていました・・・大ショック!今日は、朝早くから行って、ラインを引き直すところからのスタートでした。でも、他の先生方と一緒にやったので、短時間で準備ができました。みんなでやると、速い!参観日の駐車場係の仕事は地味に負担なのですが、おそらく田舎の大規模校ならではの仕事かと思います。都市部では参観にクルマで来校できないのは当たり前ですし、小規模校では保護者数が少ないので、駐車場整理の仕事をわざわざしてなくても大丈夫だからです。駐車場係だけでも記事になるくらい、いろいろ思うところはあるのですが、その話はひとまず置いておいて、今回は、コロナ禍での参観のしかたについてです。今回の参観日、自分の子どもの学校は、教室への立ち入りがOKでした。そして、自分の子のそばまで行って、「お子さんが何を書いているか見てみてください」という呼びかけもされました。これに対して、勤務校の参観では、教室への保護者の立ち入りを禁止していました。どこから参観するかというと、廊下からのぞくのです。学校の規模が大きく、教室内の子どもの数も多いし、保護者も多いことによるものです。「密を避けるためにはしかたない」と思ってはいましたが、自分が前日に教室内で参観できたことから考えると、「やはり教室の中に入って参観できた方がいいよなあ」というふうにも思いました。そこで、こんなアイデアを思いつきました。・廊下からの参観に限定すると、廊下が密になり、数人程度でも教室の後ろのスペースに入れた方が、結果的に密は避けられる。・教室内の保護者は●人までとする。 (●はクラスの子どもの総人数によって加減する。)・最大でも5分程度で入れ替わってくださいといったお願いをすれば、同じ人がずっと教室内で参観されて、廊下の人が不満に感じることもなくなる。大規模校での密を避ける授業参観の仕方、こんなやり方は、どうでしょうか?
2022.04.30
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前回の続きです。中村健一先生の『策略ーブラック学級づくり 子どもの心を奪う!クラス担任術』読書メモ、その2です。『策略ーブラック学級づくり 子どもの心を奪う!クラス担任術』(中村健一、明治図書出版、2015、1870円)中村健一『策略 ブラック学級づくり 子どもの心を奪う!クラス担任術』その2(p65から最後まで) ・教師が「全員」を目指しすぎてしまうと、スルー、流すことはできなくなる。 (p75より) 初任の頃は特に、「全員」にこだわってしまいがちです。 ただ、「全員を目指しすぎない」ということが正面切って書かれている本は多くはありません。 この本が現場の実用性に優れていると思うゆえんです。・先に確認しておくのだ。・褒める機会になる。たとえ守れなくても、確認し、約束したばかりだ。 守れなかった子をやり直しさせても、子どもたちは納得である。 (p94より) こういったことは、特に4月から始めて担任を持つ場合などに、とても強力なアドバイスになりそうです。 小学校では特に、事前確認しておき、できなかったらやり直し、というのは、よく使う気がします。 「指導」とは、単に叱るということではなく、こういう一連の流れをいうのです。・特に「やんちゃ君」とは個別に強くつながっておく必要がある。 これは「策略」として意図的に行うべきだ。 (p101より) 著者は、自己紹介でやんちゃ君の好きなことを言って、つながるきっかけにしたことを書かれていました。 なんでもいいのです。 ただ、「やんちゃ君」はつながりを欲していることが少なくありません。 教師が敵に回ることなく、仲間として認められるには、「やんちゃ君」に応じた、個別の何かがいるのです。 できれば、4月に担任を持つことがわかった時点で、それを用意する策略を持っておくといいなあ、とは思います。・キツくても、授業の開始1分前に教室の前に立ち続けている。 教師は授業の最初、教室の空気を支配する主導権争いに絶対に負けてはならないのだ。 (p138より) 「主導権争い」というのは、学級崩壊を起こさない重要なキーワードだと思います。 学級でなくても、人間関係において、「主導権を渡さない」というのは、重要なかけひきです。 それさえ覚えておけば、「ここは譲るが、主導権は渡さない」といった戦略も打てます。 ただ、こんなことを言っている僕自身は、主導権争いに負けるのが常なので、モノを用意したり、仕掛けを用意したりして、主導権を取り返すことに躍起になっています。 最初から主導権を渡さなければ、あれこれ工夫しなくても、普通に授業が進められるのかもしれません。(笑)・子どもがサボっている状態をスルーするということは、教師が「サボっていいんだ」ということを教えている。・子どもがサボっていたら、必ず叱る。そして、やり直しを命じることが大切である。 (p144より) この辺も僕ができていないところで、気持ちとしてはあまりやりたくないところでもあります。 だからこそ、崩れていくとも言えます。 自分自身は、「サボっていいんだ」とむしろ教えてあげたいくらいの気持ちでいるので、子どもがサボるのは、むしろ当たり前と言えます。 子どもたちにはリラックスして本当に自分の好きなことに対してがんばってくれたらいいと思っているからです。 ただ、楽しくリラックスできるクラスは学級崩壊の元でもあり、悩みどころです。 「学級」という制度自体に無理があるような気もしています。 制度的に、ある程度サボることを許容するようなシステムが組めないか、とさえ思います。 どうも僕自身がサボりたくてしょうがないようです。(^^;)・目標を設定すれば、ゲームになる。 クリアすれば、みんなで拍手をする。 クリアできなければ、叱ってやり直し。 (p147より)・子どもたちがゆっくり動く → 叱る。ダメだし → 目標タイムの設定 → やり直し → 子どもたちが素早く動く。目標タイムクリア → ほめる (p148より) ここでも、「ゲーム」が出てきました。 給食当番や帰る用意など、目標タイムを設定して早くできるようにしたい場面は、意外と多いものです。 この辺は教師としての基本スキルと言えます。 通級担当としてもこの「目標タイムの設定」はよく使っています。 目標タイムは、数字なので、達成できたかできなかったかが、明確に分かります。 こういう、できたかできなかったが明確に分かる目標設定というのが大事なのです。この本はシリーズ(?)になっていて、以下の本もあります。改めて調べてみたら、めっちゃ出ていて、驚きました。なかには、「策略」だけでなく、「プレミアム策略」なんてものも。こちらの内容も気になります。『策略ーブラック生徒指導 二度と問題を起こさせない叱り方』 [ 中村健一 ]『premium策略ーブラック保護者・職員室対応術』 [ 中村健一 ]『策略ーブラック授業づくり つまらない普通の授業にはブラックペッパーをかけて』 [ 中村健一 ]『策略ーブラック運動会・卒業式 追い込み鍛える!行事指導』 [ 中村健一 ]『策略ブラック新卒1年目サバイバル術』中村健一/著『策略 ブラック学級開き 規律と秩序を仕込む漆黒の三日間』 / 中村健一
2022.01.04
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勤務校では長期休業中、オススメの本を持ち寄って貸し合っています。「現場の先生」のニーズを一番分かっているのは、「現場の先生」。「これは他の先生方の役に立つだろう」と思って持ってこられる本は、本当に役に立つ本が多いです。僕がお借りしたのは、中村健一先生著の、次の本です。『策略ーブラック学級づくり 子どもの心を奪う!クラス担任術』(中村健一、明治図書出版、2015、1870円)非常に中身が具体的で、理想よりも「現実」に即応した本でした。僕も一応小学校教員を20年やっていますので、「現実」は理想通りに行かないということも、よく分かっています。とにかく学級崩壊を起こさせないように、策略を持って学級経営にあたることを説くこの本は、「現場で役立つ」最たる本だと思います。歯に衣着せない、ホンネの名言が、多数。僕が思い描く「理想」の教育とは真逆のことを説かれていることも多いですが、現場の大変さ・苦労を思うと、それもまた必要だと思わざるを得ません。絵に描いた餅を負うよりも、現実における安心・安定が、まずは必要です。学級経営に苦労されている先生は、ぜひ読まれることをオススメします。中村健一『策略 ブラック学級づくり 子どもの心を奪う!クラス担任術』その1(今回は第1章「集団統率術」まで。) ・熱意だけで クラスはまわせない!・そのクラスでは4月、いかにも楽しげにミニゲームが数多く行われる。 なぜか? ―子どもたちにゲームを通じて ルールと教師に従うことを教えるためだ! (カバー裏より) のっけから、ゲームの思わぬ効用が書かれています。 これ、すごく重要な指摘だと思うんです。 ゲームというのは、野球でもサッカーでも、ルールを守らないと楽しくありません。 ゲームを通じて、ルールを教える。 これは、教える方にとっても、教わる方にとっても、楽しいやり方です。 スポーツ好きな担任の先生なら、スポーツを通じて学級を作るのもいいですね。 僕が「学習」と「ゲーム」の掛け合わせにこだわるのも、 こういったWin-Winの関係が背後に隠れているからです。 ・私は常に「策略」を巡らせて教育を行っている。 「感情」の入る余地はない。(p3より)・思いつきのその場しのぎの教育が通用する訳がない。(p19より) 1人で進める仕事なら自分のペースでできますが、人間相手の仕事ですので、感情的になってしまいそうなときが、多々あります。ただ、感情的になってプラスになることより、マイナスになることの方が多いです。冷静に策略として感情的になるならまだしも・・・。 昨日のブログで将棋ゲームの新企画の具現化を考えていることを書きましたが、将棋をするようなアタマで仕事に向かうのは、非常に重要な考え方です。 将棋では感情的になったら、負けます。 何も考えずに突っ込んでいっても、負けます。 先を読むことが、重要です。 教育もまた同じ。 「教育で大切なことはみんな将棋から学んだ」という本でも書こうかと思うぐらいです。 中村健一先生のこの本は、表紙にでっかく「策略」というハンコがポンと押してあるデザインなのが、すごくいいです。 策略を持って当たるのは、「負けない」ために、特に重要です。 ・「上條理論」を使えば、教師自身が面白いことをする必要はない。 私のような真面目な普通の教師でも教室に笑いが起こせる。(p47より) 上條先生の本は一時期、愛読していました。 上條先生の「フリ」→「オチ」→「フォロー」の理論は、かなり面白い理論です。 子どもを主役にし、教師は脇役に徹するという教育哲学とも相性がいいです。 ファシリテーションの考え方とも、近いと思います。 ・厳しさを先にする。この順番を間違ってはいけない。(p51より) 僕はよく順番を間違えるので、気をつけたいと思います。・発達障害をもつ子は絶対に怒鳴らない。 発達障害をもつ子が問題行動を起こしても上手に「流す」。 周りの子も、そして、本人も 何となくできているようなイメージしにしてしまうのだ。 (p55より)・女子もみんなの前で怒鳴ってはダメだ。 女子はレディとして接する。 その子の好きな男子が教室にいるかも知れない。 恥をかかせたら、その子は教師に背を向けるに決まっている。・いわゆる「やんちゃ君」も、相手にしない方がいい。 彼らは、怒鳴るとスネて、反抗的になる恐れがある。・叱るべきは、「やんちゃ君」の周りの子たちである。 「やんちゃ君・予備軍」と呼んでもいい。 (p56より) 厳しくすると言っても、発達障害をもつ子も、女子も、やんちゃ君も、怒鳴らない、ということを書かれています。僕は、これは非常に実践的な内容だ、と感動しました。 策略をもって叱るという哲学ともつながってきます。 教室の将来像を見据えて、その将来像に近づけるために、叱る。 そうすると、「Aということをした子は平等に同じように叱る」ということにはならないのです。 それでいいのです。・褒めるために叱る ということを意識すると、指導が非常に楽しくなる。 また、叱ることにも余裕が出る。 (p63より) 教室の将来像を見据えるということと共通する部分です。 マイナス転じてプラスとなす。 そのために叱るのです。 逆を言えば、プラスになる見通しがないのに叱っても、マイナスの上塗りをするだけで、理想的な将来像からどんどん遠のいてしまいます。 叱るときは、「この次はこの子を褒められる」とニヤニヤしながら叱るといいですね。第2章以降の僕が大事だと思ったところは、また次回のブログでご紹介します。ちなみに第2章のタイトルは、「個別対応術」。神算鬼謀てんこもりです。
2022.01.03
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今日は予定外のことがあって、1年生のクラスに少しだけ入りました。なにしろ予定外だったので、時間はあるのに、やることが何も決まっていませんでした。「何をして時間をもたそうか・・・」と考えました。そういうときは、僕はだいたい、本の読み聞かせをします。いや、「読み語り」と言うべきか。「読み聞かせ」というのは、普通、教師の読むテンポがかなり速いです。子どもたちは、速いテンポで読まれても、情景描写が頭の中にできるのが、追いついていきません。僕の場合は、朗読の要素を入れます。演劇の要素も入れます。だいたい、一文を読んだら、その余韻の時間に、子どもたちの反応を見ます。そういうとき、音を立てる子がいます。よく見ると、サイコロを机上に出していました。(笑)合図を送ると、しまってくれました。西川純先生が書かれた『見取り入門』という本の中に、「(授業中に)遊んでいる子の見つけ方」という本があります。その中には、「耳障りな音を出しているとしたら、まず確実に遊んでいるよ。」(p54)という西川先生のセリフがあります。(この本は、セリフのやりとりで書かれた本なのです。)その例は、体育館で学年総合の授業をしているときをたぶん想定されているのですが、「周りを意識している子どもは、周りに迷惑をかけない声の大きさ、高さで話す。 ところが遊んでいる子は周りを意識しない。だから耳障りな音を出すよ。 だから、体育館で数百人の子どもが活動していても 誰が遊んでいるかは、目をつぶって耳を澄ませば直ぐに分かるよ。」(p55)という西川先生のセリフがあります。僕の場合は教室内での読み聞かせ(?)でしたが、自分が発する音に敏感になっていただけに、子どもたちの発する音もキャッチすることができ、結果的に似たようなことを思いました。そうか、音を聞くって、大事なんだ。「見取り入門」なのに、「聞く」ことも指摘されているとは、さすが西川先生。この本はとっても読みやすい本です。しかもエピソードが具体的で、とんでもなく分かりやすいので、オススメです。いろんな状況ごとの「見取り」が西川流で解説されています。中には真偽を確かめたくなるものも!まあ、読んでみての、お楽しみです。『子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門 会話形式でわかる『学び合い』テクニック』 (THE教師力ハンドブックシリーズ、西川純、2015、明治図書出版、1760円)僕は今は「通級の先生」をしているので、仕事の大前提は「見取り」です。個に応じた指導の場合、「見取り」なくしては成立しません。ただ、もちろん集団を相手にするときも、「見取り」は大事。しかし、集団相手の「見取り」は、なかなか難しい。特に、40人学級となると、人数が多すぎて、ポイントが定まらなくなりがちです。だからこそ、「この先生はこういう見取りのポイントを持っている」といった知識を入れておいて、自分の場合に置き換えて、見取り方を考えていけるといいかな、と思います。いろいろな「見取り」について解説している、「見取り」がテーマの本って、実はあまりない。見方・考え方のバリエーションが広がるので、いろんな人の「見取り」論をぜひ、知っておきたいところです。
2021.01.21
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人権集会の締めくくりに、5分だけ、全校生に話をさせてもらいました。内容を1ヶ月前くらいからずっと考え続けていて、資料も集めていたのですが、結局当日の朝に読んだ新聞と、当日の朝に思いついたことを半分入れ込んで、半分アドリブで話をしました。以下が、内容の要旨です。半分アドリブだったので、どんな話をしたかまとめておきたいと思い、今朝入力したものです。せっかくなので、一部を隠した状態で、お見せします。(イメージイラスト:イラストACより。集会で見せたものとは異なります。)↓の中の< >は、子どもたちに見せたものです。小学生の集団にまとまった話をするには、何か見せるように心がけています。====================・人権というのは少し難しい言葉ですね。人の気持ちを大切にするとか、人を大切にするということです。この人権集会を通して、みんなはそのことをしっかり考えられたと思います。・さて、先生からは、この情勢なので、ウイルスに関係した話をしたいと思います。<今朝の地元紙の一面>・先生の家では○○新聞をとっています。これは、今朝の○○新聞の一面です。みんなの教室にも毎日届いているかな。僕はコレを読んでびっくりしました。記事を読むと、「○○○」という、○○市(学校のある市)の隣の地域が書いてあったからです。鳥インフルエンザが○○○で出たのか!とびっくりしました。 しかし、よく読むと、「2004年に○○○で出た」と書いてあって、今のことではなかったのです。それを、パッと読んで、すぐに反応して、「え?近くで出た?こわい!」とパニックになってしまったのです。 こんな風に、ニュースや新聞にすぐに反応して、間違ったことを信じて、他の人に広めてしまうことがあります。みんなよりも、大人の人のほうが、ニュースを気にしているので、大人のほうがまちがったことをしてしまうかもしれません。君たちには、自分が差別をしないだけではなく、もし周りの人が不安になりすぎて差別をしていると思ったら、 「それは本当のことか、たしかめた?」 「だれかを傷つけることになったらいけないんだよ」と教えてあげてほしいと思います。<「3つの感染症」のスライド>・春に3ヶ月くらい学校が休校になりましたね。これは春のコロナ休校の頃に日本赤十字社が説明していたものです。 「3つの感染症はつながっている」感染症というのは、人から人にうつる病気という意味。 「病気」→「不安」→「差別」→・・・ 赤十字社は、「病気だけでなくて、不安も、差別も、人から人にうつる。だから気をつけないといけない」と言っていました。<「差別・偏見をなくそうプロジェクト」ポスターの1枚目>・「新型コロナウイルス」がはやりだして、差別や偏見をする人が出てきました。これは、「差別・偏見をなくそうプロジェクト」というところが出しているポスターです。 字が小さくて見えないと思うので、先生が読みますね。 「きみのやさしさは、ウイルスとたたかう力になる。 (以下、略)」<ひ・み・つ>・最後に、○○○○(勤務校の名前)から、キーワードをまとめてみたので、見てください。 (紙を開いて順に見せる) 「人に親切にすることで、自分も元気になるし、○○○○になるし、○○○○になる」これで話を終わります。====================この話をまとめるにあたり、多くの資料や記事にお世話になりました。感謝申し上げます。ブログの過去記事にもこれまでの情報収集の段階での記事を載せています。よろしければご覧ください。↓コロナと人権 (2020/11/23の日記)「新型コロナウイルスの差別・偏見をなくそうプロジェクト」 (2020/11/9の日記)
2020.11.28
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最近になって、少人数学級に関する議論が活発化してきました。僕は以前、少人数学級について調べたことがあります。7年前(2013/11/28)に書いたものですが、公開します。====================「日本における少人数学級実現」について(文部科学省HP「学級編制・教職員定数改善等に関する基礎資料」を閲覧して) 少人数学級の実現は現代教育における教職員の悲願であり、そのための予算要求を行う運動もされている。近年になって小学校1年生から順に35人学級が実現することになり、うれしい。資料3を見る限り、少人数学級による学力向上等の成果も確かめられてきたと言えよう。いじめ・不登校の減少や自尊感情向上のメリットも見逃せない。 しかし、教育で最もお金がかかるのが「人件費」であり、学級規模を小さくするということは教員の数を増やさなくてはいけないということ。そのための予算は莫大になる。現実的には少子化で子どもが減ったとしても教員数を据え置きのまま配置して少人数学級とするなどの方策も取られているように思う。 資料1内の「学級編制及び教職員定数に関する基本データ」の「4.学級規模別在籍児童生徒数の割合(平成22年度)」によると、全国的には小1・小2は9割以上が35人学級である。しかし、「小1が35人以下学級に在籍する児童が100%の都道府県は15県」と示された一方で、小1で「学級編制の弾力化を行っていなかった」県も少数ながらあり、都道府県による違いを感じた。9割の内訳は「5.」の表によると小1の2割が「地方の独自措置」によるものであった。23年度にこれらが国の責任で定数措置となったのは地方財源を小2以降にまわせるということであり、喜ばしい施策だ。 私としては、従来からの一斉授業から脱却し、一人ひとりを大事にする教育をするならば、志木市の取組のように25人学級等の規模が最もふさわしいと思っている。国際比較によるOECD平均の1学級当たり児童数が小学校で21・6人であるから、基本的にはこれに近づけるべく、教育予算の配当を図るべきである。 資料1表9によれば全国的には少数でありながらも、市町村費負担教員により少人数学級を実施している市町村も64あり、市単事業としての実施も希望が持てる。 資料1の「特別支援学級及び特別支援学校の学級数及び在籍者数の推移」に見るように、支援学校・支援学級在籍者の数は近年非常に増えている。「インクルーシブ教育」の必要性もあるので、私案としてはこれらの在籍者を全て通常学校の通常学級在籍でカウントし、それによる学級増を実現すればどうかと考えている。これにより、「交流」教科で定員以上の子どもが同じ教室で学ぶというおかしさが解消され、少人数学級の保障にもつながる。====================この中で「志木市の取組」とあるのは、埼玉県志木市の先進的な取組を指しています。取組の詳細については、以下の本を参照しています。『市民と創る教育改革 検証:志木市の教育政策』(渡部昭男・金山康博・小川正人 編、志木市教育政策研究会 著、日本標準、2006、2400円)====================【目次】(「BOOK」データベースより) 本書の課題と全体像ーなぜ志木市なのか/少人数学級化に伴う独自の教員採用/少人数学級編制の取り組みと課題/不登校児を含む「ホームスタディー制度」/通学区域制度の弾力的運用/学社融合の推進と「地域立学校」の構築/特別なニーズをもつ子どもと特別支援教育/5・6歳児の発達と幼小連携教育の充実/教育予算の編成と学校配当/「地域立学校経営協議会」の展開/市区町村教育行政の可能性と課題====================とんでもなくすごい教育政策が凝縮されています。2006年の本ですが、今読んでも時代を先取りしていると思います。まさにアイデアの宝庫です。このブログでずっと紹介しようと思っていたのですが、思い続けて幾数年経ってしまいました。教育改革に関心がある方は、ぜひ一度手に取っていただきたいと思います。書籍内容の詳細は出版社の公式サイトが詳しいです! ↓ぜひ見てみてください。▼教育改革を考えるすべての人への手引書 「市民と創る教育改革」 検証:志木市の教育政策 「なぜ、全国に先がけて25人程度学級などの改革ができたのか?」(参考リンク)▼早稲田大学上沼ゼミ2003年度個人研究 渋谷祐介「公立校の在り方から教育の不平等問題について考える~階層社会を乗り越える教育政策~」より 第2章:志木市『ハタザクラプラン』
2020.11.03
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先日のこと。勤務校の音楽専科の先生と、「卒業式は歌を歌わせたい」という話をしました。音楽会は中止になったけど、卒業式はせめて……。「学年全員一緒は無理でも、せめて2クラス合同にして在校生も2クラスずつ入れたらどうやろう」「歌は、歌わせたい。ほんとに」「目の前に人がいないように体育館の壁を背にしてぐるりと取り囲む形でなら大丈夫では?」といった話。雑談でしかないですけど。まだ何にも決まっていませんが、今年度末の卒業式については制限が緩和されることを祈るばかりです。昨年度末の卒業式は4クラスが1クラスごとに。在校生なし保護者のみで行いました。練習してきた歌も呼びかけも中止に。卒業証書をもらって話を聞くだけで、卒業生が何の「表現」もできなかった卒業式。そこまでの制限をかけるのはさすがに今回はやめたい。本当に本当に祈るばかりです。冬にコロナが流行らなければ、少し通常の形に戻していいですよね?本当に本当にお願いします。
2020.10.25
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ウェブベルマークというのを、偶然見つけました。▼ウェブベルマーク https://www.webbellmark.jp/おお!これを使えば、ベルマーク委員会の子がベルマークを切って集めて点数を計算し、子どもたちの手が借りられなければ学校職員がせっせと何千何万点という全校児童850人から寄せられるベルマークを切って集めて点数を計算する手間がいらないじゃないか!というわけで、あまり知られていない気がするウェブベルマーク。知ってみても、いいのでは?支援する学校を指定して、寄付することができるようです。なんか、ふるさと納税みたいだね。ちなみに、上のサイトに行かれた折は、「1クリック募金」というのがありますので、ぜひクリックしてください。クリックするだけで、岩手・宮城・福島三県の被災校に1円が寄付されます。Facebookページでは、先月末時点での全国ベルマークランキングも発表されています。全国ランキングに名を連ねる学校は、通常のベルマークに加えて、ウェブベルマークも大々的に呼びかけて協力してもらっているに違いない。たぶん。iPhoneアプリも、あるよ♪▼https://peraichi.com/landing_pages/view/wbm-appウェブベルマークについてのコラムは、少し古いですが2018年のものがネットで見られます。▼「ウェブベルマーク」とは?新しいベルマーク運動について考えてみる (MS CORPORATION 2018/3/14)公式PR動画も、のっけておきます。
2020.07.20
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夏休みなので、いっぱい研修を受けています。ほぼ毎日です。しかも、非常に充実した研修内容。それが連続。こんなに学んだのは特別支援教育士の合宿以来です。久しぶりに、「めっちゃ勉強しまくっている」という境地を味わっています。ありがたいことです。今日も、まる1日研修づくめ。その中で、なつかしいお名前をお聞きしました。本日最初の講義。その中盤。「兵庫県といえば、東井義雄先生」と、講師の方がぽんとおっしゃいました。学びに向かう力の実例として、東井先生が教えられた子どもが、家を出るときに、「きょうも とういせんせい いわしてくるで~」と家の人に言って家を出たんだ、ということを言われたのでした。「いわしてくる」とは、「困らせてくる」ということ。この子は、東井先生と授業をすることに対して、受け身的になっていない。主体的になっている。東井先生は、授業の中で子どもたちの主体性を引き出す名人だったそうです。兵庫県内の北の方に、東井義雄記念館があります。以前、そこに行こうとしたら、休館日でした。今日まで休みなしでしたが、明日からは夏期休暇をとっています。「明日、東井義雄記念館に 行ってこようかな」と思いました。▼東井義雄記念館 兵庫県豊岡市但東町出合150 (豊岡市役所 但東庁舎内)新学習指導要領について学ぶこともいいのですが、昔の著名な実践家に学ぶこともまた、いいのではないかと思います。東井先生など、戦後教育界で素晴らしい実践をされてこられた先生方については『時代を拓いた教師たち』という本にまとめられています。「学びたい」先生たちには、非常に有益な本であると思います。僕も、東井先生のことをそんなによく知らずにいますので、この本の東井先生の章をもう一度読み直します。(わずか12ページに実践がまとめられていますので、どのような実践をされてこられたのか、大まかに知るために、この本が役立ちます。)『時代を拓いた教師たち 戦後教育実践からのメッセージ』(田中耕治 編著、日本標準、2005、1800円)========================■目次 (出版社公式サイトより)主な内容序章戦後における教育実践のあゆみ第一章新生日本を切り拓く1.無着成恭と生活綴方2.糸賀一雄と障害児教育3.大村はまと国語単元学習4.東井義雄と「村を育てる学力」5.斎藤喜博と授業の創造第二章学力と自治の保障を求めて1.遠山啓と水道方式2.大西忠治と生活指導3.庄司和晃と仮説実験授業4.岸本裕史と学力の基礎5.到達研と評価を生かした授業づくり6.仲本正夫と「学力への挑戦」第三章授業づくりと「生きる力」の育成をめざして1.向山洋一と教育技術法則化運動2.有田和正と教材づくり3.金森俊朗といのちの学習4.和光小学校・和光鶴川小学校と総合学習========================上の目次で分かるように、非常に著名な方の実践を整理してまとめてあります。そのため、若い教師や、これから教師を目指される方にとっては、特におすすめの本です。温故知新故きを温ねて新しきを知る。新学習指導要領への移行期である今、先人の足跡も学び直し、その上で未来の教育について考えてみるのもいいのではないか、と思います。
2018.08.09
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勤務校では朝の時間、クラスで月ごとに違う歌を歌います。1月は「しあわせ運べるように」でした。 僕は通級を担当していますが、通級の授業時間外には気になるクラスに入らせてもらうことが、たまにあります。 1月最後の31日、ちょうど朝の歌が始まる前に、あるクラスに入りました。 子どもたちの気持ちも姿勢も整わないまま、伴奏が始まろうとしていました。 僕は期待を込めて、「この歌はいいかげんに歌ってほしくありません」と言いました。 はじめは「?」という顔をしていた子どもたちですが、すぐに姿勢を整えて、とても気持ちの入った表情で、みんなが歌い始めることができました。本当に素晴らしい歌声に圧倒されました。 震災の授業を1時間させてもらったクラスです。 その時の僕の話を、思い出してくれたようです。 教師が前に立って、子どもたちに何を言うのか。 「姿勢を正しなさい」「集中しなさい」など、直接的な指示で子どもを動かそうとすることが多いですが、もう3学期です。子どもたちはすでに様々なことを学んできているはずです。 直接的な指示や命令ではなく、「それはどういうことかな?」と子どもたちが考えて自分で気づいて行動にうつせるような言葉がけをしたいものです。
2018.02.02
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小学校の先生方におすすめの映画、ベスト1。「みんなの学校」僕は、この映画が公開になった当初、何が何でも観に行きたくてたまりませんでした。その時は一番近い上映館が新開地だったので、新開地まで見に行きました。すっごくよかったです!その数か月後、今度は大阪大学で上映会が企画されたので、それにも参加。このときは、映画に登場される木村泰子校長先生のお話もお聞きすることができました。(木村先生のお話は、オモシロすぎです。映画では明かされなかった学校の裏事情や、映画の後日談など、たっぷりと語っていただきました。)実際の学校の現実に密着取材した映画だけに、現職の先生方には、本当におすすめの映画です。子どもたちの姿から、教育実践に向かう勇気と元気をいただけますよ!「インクルーシブ教育」や「地域と学校の連携」に興味がある方にも、おすすめです。「こんな学校があるんだ!」と目から鱗です。実は、この映画を勤務市の先生方にも見ていただきたいなあ、と、公開当初から思っていました。でも、思うだけで何も行動していなかったです。それが、西脇市人権教育協議会様のご尽力により、このたび、西脇市にて、上映会と講演会が開催されることになりました!(パチパチパチ)ネットでの宣伝の許可をいただきましたので、こちらにも情報を上げさせてもらいます。平日の夜ですが、非常に貴重な機会ですので、西脇市内の方、近隣の方、ぜひとも足をお運びいただければと思います。絶対に損はさせません。(^^)日時:2017年6月28日(水) 映 画 17:30~ 講演会 19:30~場所:兵庫県西脇市茜が丘 みらいえ主催:西脇市人権教育協議会▼(参考リンク)映画『みんなの学校』公式サイト▼(参考リンク)Miraie 西脇市茜が丘複合施設 みらいえ
2017.06.08
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今日は参観日の代休です。いつもの代休はお出かけして気分転換するところですが、今日は体調のことを考えて家で過ごします。時間があるので、久しぶりに自分の教育実践について書きます。小学校高学年になっても、書くときにひらがなを間違える子どもがいます。特にくっつきの「を」「は」「へ」を、「お」「わ」「え」と書く子を多く見ます。該当の子の1人は「書き分けるやり方をちゃんと習わなかった」と言っていました。指導にあたる先生も、「どうやれば直るのかわからない」と言われます。私の場合、通常学級の観察でひらがなの書き間違えが見られた5年生の子に、その直後の通級での授業で「聞き書きテスト」を実施したことがあります。写し書きなら見たまんまを写せばいいので間違えないのですが、聞き書きになると、「わたしはてんさいです。」と聞いて、「私わ天才です。」と書く間違いをしてしまいます。このテストは子どもの回答をふまえて次の問題を即座に考える方式で行いました。「~は~です。」の書き方に課題があることがわかっていたので、どの問題もその文型で出しました。ひらがなの間違いを正すテストだと言うと高学年児童の自尊心を傷つける恐れがあるので、子どもには「漢字テスト」という名目で行いました。漢字は今のレベルにあった漢字を出題しつつ、間違えやすいひらがなを含む文をこちらで考えて出題。 問題→回答→すぐ答え合わせ→同じような問題というパターンを繰り返すことで、間違いはなくなっていきました。この指導は、助詞だけでなく、拗音や促音の類題演習にも使えると思います。ただ、漢字の聞き取りテストの名目でおこなってあたかもついでのようにひらがなの間違いにも気づかせようとすると、促音・拗音は漢字で表せないものを考えないといけません。これは助詞を含む文をその場で考えて出題するのよりも、高等です。「きょうは、はれです」の聞き書きでは、「今日は晴れです。」と書くので、ひらがなの拗音が出てこないですね。拗音・促音を含む聞き書きテストでは、「ちょっと」「ちゃんと」「コップ」「キャップ」「きゃはは」などの単語を含む文を出題しましょう。カタカナ語だとわりとあるかな。拗音・促音は、4分の1サイズのマスが入れてあって繰り返し書いて覚えるためのプリントがわりと市販されています。子どもの自尊心を傷つける恐れがなくて、「拗音・促音が課題だから練習するぞ!」と正面切って言える場合は、そういった正攻法のプリント学習なども、効果はあると思います。ただ、僕としてはそういうわかりきった練習はあまりおもしろくないと感じます。「漢字一文聞き書きテスト」のように他の指導にまぎらせて指導するほかのやり方として、「まちがいをさがせ!」というのもあります。漢字指導の時間だとすると、漢字の間違いさがしにまぎれてひらがなのまちがいも入れておくのです。「二月二十日 月曜目。漢学と計算のテストが帰ってきた。高得点だつた。とてもうれしい健太くんわ、チョコレートおいっぱい買いに行った。」 →この中に間違いが6つあります。見つけて×をつけ、正しく書き直しましょうのような問題かな。問題は今思いついたので、適当です。こういう問題を自分で考えるのは楽しいので、ぜひみなさんもご自身でいろいろ考えてみてください。いい問題ができたら、コメント欄でぜひお知らせくださいね。拗音・促音はこのブログの過去記事で「拍で教える」ということも書いています。▼作文で促音(ちっちゃい「っ」)が抜ける子の指導 (2007年07月28日の日記)今日は代休で授業をしていないのに、指導法を考えていたら、なんだか授業をした気分になりました。
2017.02.20
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久しぶりの更新になりました。以前読んで、「これはなんとしてもブログで紹介しなきゃ!」と思った本があるので、それを紹介します。 『マンガでわかる「気になる子」のいるクラスがまとまる方法』(赤坂真二/つちやまなみ、学陽書房、2015、税別1600円)いまだかつて、「学級崩壊」の原因と対策について、ここまでわかりやすく書いてある本を見たことがありません。マンガで読めてスパッと理解できます。マンガ部分はかなりササッと読めます。あいだの解説も短いです。要点がスパッと書いてあるので、忙しい中にチラッと読んでも、ひきこまれます。マンガを読みなれている人なら、この本全体を読むのに、10~15分しかかからないでしょう。忙しい中、これだけサッと読めて、目からうろこが落ちまくる。これは悩める「学級担任」必携の本と言えるでしょう。(^^)この本での主張、基本的には、「集団への授業において個別対応をしてしまうことのまずさ」について指摘しているのですが、、、この本の魅力は、マンガでのアドバイザー「寒坂先生」(!)のカッコよさ。(^^)あなたが小学校で担任を持たれたことがある方なら、身に覚えがありすぎて、かなり面白く読める、と思います。自分のことなら悩ましいのに、客観的にマンガで読むと笑ってしまうことって、ありますよね???この本ではまるで「寒坂先生」が神に見えます。(笑) ちなみに僕が一番記憶に残ったのは、「私は何があっても 授業を続ける!!」という、担任の覚悟です。(p26)
2016.02.07
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前回の続きです。前回書ききれなかったことを、書こうと思います。ただ、僕が把握しているのはほんの一部分だと思います。足りない部分、またコメントなどで、補足してもらえればありがたいです。 (1)3DSで子どもたちに はやっていることの内容 (「3DSでこんなことができる!」)前回、3DSについて、「持ち運べるゲーム機なので、友達の家に遊びに行くときに持って行くことは日常茶飯事になっています。」と書きました。しかし、そもそも大人からすれば、「友だちと遊ぶときになぜ3DSがいるのか」という疑問がわきます。これを考えるには、子どもたちは今3DSでどんな遊びをしているのかを知ることが重要です。 実際に今勤務している学校の小学生から聞いたことですが、何人もの子が言っていたのは、「妖怪ウォッチ」のソフトです。「妖怪ウォッチ」は確かによくできたゲームです。アニメ化、映画化を経て、いまや知らない子どもはいないぐらいです。関連する新作ソフトもバンバン出ています。そしてそれらは、バンバン売れています。(^^) (参考:『妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団/白犬隊』が2015年初のミリオン ...) 3DS 妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団 特典同梱ゲーム以外の関連商品もたくさん出ています。なかでも「妖怪メダル」は、昨年度は「並んでも手に入らない」という声が、いろいろな保護者の方から聞かれました。今年度はまだ手に入りやすいようですが。 「妖怪ウォッチ」のゲームは、簡単に言うと、妖怪を仲間にして、妖怪をやっつけるゲームです。出てくる妖怪の数が、すんごいことになっています。「妖怪ウォッチ」のゲームはシリーズ化されていて、新しい妖怪がどんどん出ていますが、「妖怪メダル」に関しては毎月追加されるぐらいのハイペースで、新しいメダルがどんどん出ています。 (参考:バンダイ 妖怪メダル ウハウハ 丸わかリスト - 妖怪ウォッチ 妖怪メダランド) で、今のゲームは、現実世界で手に入った「メダル」が、ゲームの中でも使えるのです。3DSにはQRコードを読む機能があります。メダルに貼ってあるコードを読むと、ゲーム上で、メリットがあるのです。(子どもは、「ガシャコイン」がもらえる、と言っていました。) 「妖怪メダル」は、中身が見えないパックで売られています。(1パック約200円。パック売り以外にも、雑誌の付録だったり、おもちゃの付録だったり、かなり多様な入手ルートがありますが、基本はパックを買って、いいメダルを「当てる」ことにあります。(^^))当然、いらないメダルや、ダブリのメダルも出ます。そうすると必然的に、友達同士で、あげたり、交換したりということが起きます。それに加えて、持っていないメダルのQRコードを読み込むと、ゲーム内で得をするので、貸し借りということも起きます。3DSを持ち寄っていれば、その場で友達のメダルのコードを読むこともできます。 今の小学生の3DS最新事情について、まとめます。(但し、そんなに多くの情報から分析したわけではありません。推測の域を出ませんのでご注意を)子どもたちは、「妖怪ウォッチ」などのソフトにハマっていればいるほど、まるでケータイのように3DSを持ち歩き、友達と出会って新しいメダルのQRコードを読むなどのチャンスを逃さないようにしようとしているようです。「妖怪メダル」のQRコードはほんの一例で、今はスマホのアプリでも別売商品の何かを買うとゲーム上でメリットがあるとか、雑誌を買うとアプリ内で特典が得られるとか、そういうコラボが山ほどあります。僕はいま3DSにはハマっていないので自分の経験としてはさほどよくわかりません。しかし、おそらく3DSでも、スマホアプリと似たような状況になっていると思います。ゲームの世界が昔のようにゲーム内だけで完結しないのです。ゲーム内の通貨やアイテム、レアなキャラクターなど、「ほしい」ものが、別の商品の付録のようにして売られている時代です。お金のない小学生は、当然、友達のもっているものも利用させてもらって、ゲーム内での特典を得ようとしているのだろうと思います。 今回は、前回のようなネット接続で動画を見たり動画を投稿したり、というところから、「3DSがいかに小学生の生活に密着しているか」という基本(?)に、立ち返ってみました。 次回は、3DSのネット接続での使用を前提として、(2)具体的なトラブル事例 (デマを信じたり、いじめに使われたり・・・いろいろあるようです。)(3)保護者による3DSの機能制限のしかたについて書きたいと思います。 ただ、すでにこのような情報をまとめているサイトやブログなどがあるので、それを紹介させていただくぐらいになるような気はします。なお、すでにトラブルの渦中にいるなどで、解決方法を探されている方は、とにかくご自分で調べてみられることをおすすめします。ネットは危険もありますが、やはり便利です。問題が具体的であれば、そのキーワードを検索することで、おそらく解決方法が出てくると思います。ネットのデメリットもメリットも把握したうえで、上手に利用したいものです。
2015.10.10
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昨日は杉山亮さんの『子どものことを子どもにきく』を紹介しました。今日は、そのつながりで、子どもにきく「アンケート」のことを、書こうと思います。 本当は子ども一人一人と対話する時間をとって、じっくりと話を聞くのがいいのかもしれません。ですが、なにしろ学校には たくさんの子どもたちがいます。教師として実施しやすいのは、子ども一人一人との面談やインタビューよりも、アンケートのほうかもしれません。 僕は、仮説実験授業を提唱している仮説社の本や雑誌が好きなのですが、その理由は、授業後にアンケートをとって、その授業がどうだったか子どもにきく、というのを当たり前にやっているからです。子どもが実際にどう思ったかというところに、かなり関心があります。子どもがどう言っているのかを聞かないといけない、と思っています。 その点、雑誌『たのしい授業』には、子どもにアンケートをとった結果どうだったか、という記事がけっこう載っています。今年読んだ中で面白かったのは、「誰にほめられたいか アンケート」です。子どもに、だれにほめられたいかをきくと、大人が思っていたのと、ちょっとちがった結果が出た、という記事です。とってもちっさいサイズの雑誌で、それの5ページ分しか使っていない記事なので、すぐ読めます。おもしろいので、おすすめです。『たのしい授業』2015/1月号(通算No.430)(仮説社、761円) より・「誰にほめられたいか アンケート」の結果とその考察 ●子どもたちは誰にほめられたいと思っている? (p26-30、報告者:末丸千早(広島・小学校)) 結論の一部を、ちょっと紹介すると、こんなことがわかったそうです。(同誌p27より)・(2年生の)約60%の子どもたちが、「おうちの人にほめられたい」と答えています。・(6年生の)80%の子どもたちが家族にほめられたいと考えています。こういったアンケートから、高学年になるとなかなかおうちの人にほめられなくなるけど、本当はほめてもらいたい、といった子どもたちの気持ちが、見えてきます。こういうアンケートって、やっぱり貴重だなあ、と思います。 あなたは、どんなことを子どもたちにきいてみたいですか? (^0^)
2015.09.14
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『学校のなぞ』という本を読みました。『学校のなぞ』(中村弥和(みわ)(監修:金山康博)、愛育社、2007、1500円)学校に関するうんちくが書いてあります。教師でも知らないことがたくさん。「そうなのか~」と新鮮な感動がありました。「〇〇って何?」というテーマで4~6ページに簡潔にまとめてあり、読みやすい。けっこうおすすめです。検索すると、電子書籍化されていて、半額で買えることがわかりました。電子書籍のリンクを貼っておきます。学校のなぞ-【電子書籍】¥667==============================全国500人の学校関係者に徹底取材!教育委員会やPTAって何?教員の給料や待遇は?学校の光熱費はいくら?プール満タンで水道代は?あれだけ集めたベルマークは何?までを幅広く解明。先生も親も知らない学校の真実がよくわかる『公立学校再生本』の決定版。 (リンク先の商品説明より)==============================この中の内容からいくつか、僕が知らなかった内容を、紹介します。僕は、「へえ~」「へえ~」「へえ~」を連発しました。(笑)===============================『学校のなぞ』(・以降の太字は本の内容。pはその後の内容記述のあるページ数。 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。) p35 (「PTAって何?」の中の記述より)・アメリカは少人数クラスだし、 クラスに20人以上いたら勉強できないと考える親が多いので、 少しでも良い先生を雇うために 親が先生の給料分のお金もバザーや寄付金で集めている。・教育熱心な地域の親たちは、TT(補助の先生)の役割もこなしている。・アメリカの親たちは、週に2,3回は学校に行く。 仕事をしている人も時間を作って学校に来ている。おそるべし、アメリカ。 日本と全然違うなあ、と驚いたところです。 p149 (「公立小学校の英語教育ってどうなっているの?」より)・杉並区は「小学校英語指導者認定協議会」が行っている 資格認定(J-SHINE)を受けた教員を雇っている。 J-SHINEは大学や限られた英会話塾でしか取ることができず、 英語力はもちろん児童心理学も学び、 難しいカリキュラムをこなさなければならない。・取材に行くと、子どもたちは「英語大好き」「英語のゲームは楽しい」と言い、 英語が嫌いという子は ほとんどいない。・授業を観察していると オーバーリアクションに秘密があった。 先生がとびきり元気で、楽しい場面は大きな声で飛び跳ねるし、 悲しい物語のときは今にも泣きそうという、わかりやすく引き込む授業だった。・普段おとなしい子どもたちも、英語授業のときは自分が出せるし、 思いっきり飛んだり跳ねたり、笑ったり、ジェスチャーしたりという雰囲気が 英語好きにさせている。・とても気軽に、楽しく行えるというのが小学校英語の利点。 数年前に2年間、小学校の英語担当をしていました。 個人的に、「小学校英語」の利点はかなりあるし、 英語でやっているTTやロールプレイ、ゲーム、オーバーアクションなど いろいろなことが、他の授業でも「使える」と思っています。 特に、ここでいう「わかりやすく引き込む授業」は、 ぜひ、すべての授業で実践したいところだと思っています。 現場の苦労もけっこうあるのですが、ま、それはおいといて。(^^;) p157 (「昔のように名物教師やユニークな素晴らしい先生っていますか?」より)〇子どもたちのトラブルを解消することの名人先生 ・空になった塩や調味料の瓶に綺麗な色のビーズを1/10ほど入れたものを たくさん用意してラベルを貼っている。 ラベルには、 「仲直りのふりかけ」 「美人になるふりかけ」 「すべてが消えるふりかけ」・・・ ・友だち同士喧嘩しても、呪文を唱えながらそのふりかけを 2人の頭の上でシャカシャカと振ると、 子どもたちは魔法にかかったようにおとなしくなり、 お互いに「ゴメンね」と言ってしまう。 ・大失敗をした子どもには「すべてが消えるふりかけ」この先生の取組、とてもおもしろいですね! 子どもって、けっこう暗示にかかるところがあるので、 こういうグッズを用意して、子どもに「魔法」をかけるって、 実にオモシロイし、すてきな実践だと思います。===============================「学校をよくしたい」と思っている人は、いっぱいいます。でも、そもそも「学校」について、よく知っているか? というと、実は知らないということが、少なくありません。学校をよくするためにも、まずは「学校」について、もっと知っていく必要がありますね。自分の地域の学校だけでなく、こういった書籍等で、他地域の学校や、外国の学校について知っておくと、自分たちの学校に参考になることも多いのでは。(^0^) 読んでくださって、ありがとうございました。 ご意見・ご感想等、よろしければコメント等でお知らせください。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2014.02.08
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『小学生の心がわかる本 低学年と高学年でちがう処方箋』(原田正文、農山漁村文化協会、2001、1400円)著者の原田正文さんは、精神科医で、「NPO法人こころの子育てインターねっと関西」の代表をされています。いろいろな子ども・保護者と出会ってこられた経験から、小学生の時期に必要なこと、親や教師の心がけについて教えてくださいます。問題を前向きにとらえようとするところに、共感しました。小学校教師なので、『小学生の心がわかる本』なんてタイトルをつけられると、読んでしまいますね。「低学年と高学年でちがう処方箋」というのも、読みたくなる、興味深いサブタイトルです。 ===============================『小学生の心がわかる本』(・以降の太字は本の内容。pはその後の内容記述のあるページ数。 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。) p3・小学生という時期の心の発達上の特徴は、 親や教師など大人の期待に応えようと 無理を自覚できないままに頑張ってしまうことp4・幼少期から小学生時期までの無理が中学校での不登校の激増や高校中退、 少年事件やいじめの多発として、現実に噴出している。・小学校での問題を「困ったこと」ととらえるのではなく、 "子どもを理解するチャンス"ととらえたい。困ったことが頻発したり継続すると、まいってしまいますが、 「チャンス」ととらえて前向きに生かしていきたいですね。 たしかに「チャンス」の側面があり、 それに対してどう対応したかで、うまくいけばその後 非常に落ち着いたり、ぐんと成長したりと うれしい傾向が見られることも、多いです。 うちの母親は「若いときの苦労は、買ってでもしろ」が口癖でしたが、(^^;) 小さいとときにトラブルを経験せず、 大人になってから初めて経験するようだと、 それこそ、問題が大きくなって、解決もしにくくなってしまいます。 p5・問題を解決するためには、親同士のつながりの中で、 親と学校と専門機関が一緒になって子どもたちを支援するしかない。 それが比較的たやすくできるのが小学生時期。小学生の時期の、周りの大人の関係づくりが、大切なんですね。 p136●小学校時期のいじめ・いじめられ体験は必要なもの・"あってはならないもの"と考えていては防げない・「これ以上してはいけない」という線を体得させる具体的な取り組みが必要「いじめも必要」と言われると、ドキッとしてしまいますが、 「いじめ」を段階的に捉えると、その入り口のいじめは、 小学校時代、当たり前にみられるものです。 よく、いじめの調査で「いじめはない」という報告がされることがあり、 それに対して、「そんなはずはない」という反応もよくされます。 「いじめ」の認識をどの程度ととらえるかにもよりますが、 過敏に「あってはならないもの」ととらえるよりも、 「あって当たり前」ととらえる方が、 「だからどうする」という議論になりやすい気はします。 「いじめ」は、対象にされた子どもにとって死活問題である 非常に大きな学校教育の問題の一つです。 このブログでもいつか改めてそのテーマだけで記事を書きたいと思います。 p26●単純に受け止められない思春期の言動・「両価性(アンビバレンツ)」 相反する価値概念(たとえば、好きと嫌い、独立と依存、尊敬と軽蔑など)が 同時に、あるいは間をおかずにあらわれること。・思春期の子どもたちの言葉は 「その反対のことも同時に言っている」と考えて、冷静に対応する必要がある。 表面的言葉をそのまま受け取って、いちいち親が反応すると、 親子関係がこじれる。これは、確かに、頭に入れておきたいことです。 僕自身の経験でも、表面的な言葉に振り回され、 子どもと真のコミュニケーションがとれない というのは、よくあることでした。 ・親としては、思春期独特の心理をよく理解することによって、 子どもが大人社会に巣立っていくためのモデルの役割を しっかりと果たしていただきたい。教師も、ですね。 p29● 「FSCシステム・アプローチ」 家庭(F)と学校(S)と専門機関(C)が一緒になって、 心の悩みを抱える子どもたちに最善の支援サービスを提供したいというもの。p33・小学校までは「いい子」と言われてきた子たちが、 中学校・高校で不適応を起こして、私の外来を訪れる。 「いつころまでは、順調に育っていると思っていましたか」 とお母さんに聞いてみますと、 「小学校5・6年までは期待どおり育っていると思っていました」 とほとんどの母親が答える。p218・「担任1人で仕切る」というのは夢。 小学校の先生には、担任の魅力というのが捨てがたいようだが、 それはもう夢空言。・米国の学校は、教師は勉強を教えるだけ。 昼食はカフェテラスで各自が摂るし、 そこにはボランティアの親たちがいて、世話をしたりしている。 日本は何でもかんでも教師が抱え込みすぎている。米国との比較で、日本の特異性が、よくわかります。 教師が親代わりのようなところがあるのは、 でも、日本の教育制度のいいところでもあると思います。 親の代わりに、本気で心配したり、怒ったりしてくれる存在。 それによって救われている子どもたちも大勢いるはず。 そのよさは残しつつ、なおかつ教師の負担を軽減するように 100のうち30は外部機関等を頼ったり、役割を振ったりする、ということを 僕は考えています。 日本の教育に合った支援ネットワークを つくっていきたいですね。p224・外国の取り組みを見ていると、子どもに聞くことを非常に大切にしている。 日本は親や教師が決めてしまう傾向が強い。・「学級崩壊クラスを立てなおした」という事例では、 小学校高学年の場合、子どもの意見をどんどん取り入れているのが 共通した成功の秘訣。これも耳寄りな情報。 「子どもに聞く」ことの大事さや実践は、 近年どんどん見直されてきているのではないでしょうか。 日本でも、ベテランの先生で「子どもに聞く」ということが 本当にうまい先生が、何人もいらっしゃいます。 僕もそんなふうになりたい、と思っています。 ただ、「子どもに聞く」一辺倒でもいけないのが 教育の難しいところ。 教えなければいけないことが決まっている以上、 大人サイドで決めてしまうことも、当然出てきます。 ただ、「子どもに聞く」がある前提での、 「大人が決める」という循環なら、 子どもと大人の、納得づくでの合意の形成につながります・・・よね? p251・これからの学校はボランティアがひとつのキーワード。 最近徐々に保護者や社会人が学校の授業にボランティアとして 参加する事例が増えている。 ボランティアの学校への参加は、問題解決のひとつの大きなキーワード大きなキーワードなので、覚えておきましょう。(^^) ボランティア、ってのは、いい言葉ですね。 善意で助けていただける、というのは本当に、ありがたいです。===============================小学校の時期から、卒業後の中・高、またその先までを見据えて、子どもの発達の道筋に沿った支援を、していきたいものです。 原田先生が提唱される、FSCアプローチや、FSCCアプローチ、そういうチームで支援するネットワークづくりが、僕が今最も興味を持って、追求したいと思っているところです。 読んでくださって、ありがとうございました。 ご意見・ご感想等、よろしければコメント等でお知らせください。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2014.02.06
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ちょっと前に紹介した本。 『海ちゃんの天気今日は晴れ 発達障害の子どもと育つ』(山岡小麦/マンガ、 大和久勝/原案、クリエイツかもがわ、2012、1500円)小学3年生の学級担任の視点による、実践記録を基にしたマンガです。登場する「海田(かいた)くん」は、多動で、集中するとのめりこみやすく、周囲からは勝手気ままで"わがまま"というふうにとられかねない子。誤解を恐れずにあえて言うならば、受け持った担任や同じクラスの子どもたちが振り回されて大変な目に合ってしまいそうな、いわゆる「大変な子」と思われるような子でした。学校現場では、まさに「こういう子、いるなあ。」と思う子ども像です。そして、作中の担任の先生のかかわりは、まさに「こういうこと、あるよなあ(あったなあ)。」と思えるものでした。個人的に印象深かったところをピックアップしてみます。===============================『海ちゃんの天気今日は晴れ』(ページ番号に続く ・以降の太字部分が、本の内容。 セリフかぎかっこの前のTは「先生」、Cは「子ども」という意味です。 その後の緑文字は僕の個人的コメントです。)(p27 3・4コマ目)・帰りの会―― ここのところ 毎日ほめていたが、 T「今日の海田くんの生活は いけないところがいろいろありましたね」 私が 悪い点をみんなの前で はっきり 言ったので おどろいたのか めずらしく 神妙に 聞いていた。物語中特に重要でもないようなシーンなのですが・・・。 僕は個人的に、これ、自分と他の先生を比較してみて、 「こういうこともたまにはしないとなー」 と思いました。 自分はあんまり、こういう、悪いことをはっきり指摘する、ということを しないほうなので・・・。 でも、いろいろな先生方の指導を見させていただいて、 バランスを取るというのか、 ほめるだけでなく、悪いことは悪いとはっきり指摘する、というのは とても大事だなあと思っています。 僕の場合、その場で指導することはあっても、 後になって、帰る前にもう一度、というのは、 なんだか帰る前に雰囲気を悪くするようで、意図的に避けてきました。 ただ、それは「逃げ」なんじゃないかな、という気もしています。 他の先生方の「帰りの会」での「先生の話」をいろいろ聞かせていただくと、 けっこう、この最後の指導というのが、子どもたちの心に届いているようです。(p91 1・2コマ目)・T「『先生が言った』 『お母さんが言ったから』 じゃなくて 大事なことは 自分の考えで 決めるんだ」 T「ノートに書くから」 C「うーんと ・・・最初は・・・」 こうして 「海田くん憲法」が できあがったここは重要なシーンだと思います。 「○○くん憲法」。 別に憲法でも忍法でもなんでもいいんですけど(忍法はちがうか)。 大事なことはやっぱり、本人が自分の言葉で 「僕は ~~ します」 と言うことですね。 それがなかなか難しかったりするのですけど、 そのために先生は子どもと関係づくりをしているのだ、と 僕は思うところもあるぐらい、 子どもが自分で決めるというのは、すんごく重要なことだと思うのです。 (p160「大和久先生からのメッセージ」より 職員間の連携について)・毎週金曜日には 教育相談部会の話し合いの経過や結果が 部会の責任者から報告され、 みんなで確認し合いました。 これらは、私にとっては、とても心強いことでした。 たとえば、(略)の時は担任である私が付き添っていていいということを 提案し認めてもらいました。 出張当番も、(略)免除してもらいました。 また、海田くんが一人でいたい時のために、 多目的室の隅の一角をパネルで仕切って 海田くんルームとしてもらいました。 これらの特別な処置は、海田くんを指導していく上で 大きな安心となりました。 周囲の納得・合意に支えられるということは、 とても大事なことです。この学校ならではのこともあると思いますが、 取り組みの内容が何であれ、 最後に引用した「周囲の納得・合意に支えられるということ」は、 僕もとても大事なことだと思います。 ケース会議や打ち合わせ、反省会などは 多忙なときにはなかなかその時間をとることも難しかったりするのですが、 1人の子・1人の先生を大事にするからこそ そういう時間を優先的にとっていくという職員チームの雰囲気が 何より、がんばっていけるベースになるのだと思います。 決まり事や学校環境も、そんな話し合いの中で 柔軟に変えていける、というのは、とても理想的で、いいなあと思いました。============================= この本のマンガになっているストーリーは、僕が特別支援学級の担任として通常学級の中で入りこみ支援をしながら「これからどうしていったらいいだろう」と悩んでいたころと、ぴったり重なります。学級や学校の中で、「個を生かす」ということを考えておられる多くの先生方に一度読んでいただきたい本です。マンガなのですぐ読めますよ。(^0^) ↓よろしければ応援のクリックをお願いします。励みになります。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2013.05.07
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この3連休の最後、祝日の月曜日に藤原(ふじはら) 和博さんの教育講演会があります。14時~15時で、場所は京都府福知山市。入場無料。前からお話を聞いてみたかったので行ってこようと思います。詳細はこちら。▼北部私学フェスタ2012藤原和博さんは民間校長としてユニークな取組をされたことで有名です。著書も多く書かれています。このブログでも以前記事に書いたことがあります。▼藤原和博『つなげる力』1▼藤原和博『つなげる力』2~「正解主義」から「修正主義」へ!▼藤原和博『つなげる力』3~子どもたちと世界をつなげる▼藤原和博『つなげる力』4~貢献が先、自立が後! ↑DS学習ソフトの紹介つき(笑)▼藤原和博『つなげる力』5~修正主義でやってみる!▼藤原和博『35歳の教科書』~相手と自分のベクトルの和を最大にしよう ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。 ↓記事がお役にたてましたら、クリックいただけるとうれしいです。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2012.10.06
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昨日の運動会、非常に素晴らしい、感涙ものの運動会になりました。前日には夕立が降り、どうなることかと思いましたが、当日朝には運動場も乾き、ベストコンディションでした。朝5時台に来られて運動場の整備をされた先生方もおられたと後でお聞きしました。運動会を大事に迎えたいという先生方の熱い気持ちに打たれました。前日までの練習で、各学年の表現演技の完成度は目を見張るものがありました。当日も素晴らしい演技を見られるだろうという確信がありました。子どもたちの演技に関しては全く心配していませんでした。ただ、個別にはいろいろと心配な子もいました。それまでの練習に全く参加できていなかったAさん、運動場の砂ぼこりがダメで、当日の状態によっては参加できなくなるBさん、高いところがダメで、組体操の一番上になると泣いてしまったCさんなど。ところが、それらは全く杞憂に終わりました。集団登校で全然来れなかったAさんが朝からみんなと歩いて来た、と聞いたときは、泣きそうになりました。これまでの毎日が嘘のように、朝からみんなと普通に過ごすことができていました。演技もすべてできたようです。家での練習用にダンスのDVDを作成された担任の先生やそれを支える先生方の努力があってこそだと思います。また、前日の雨で当日に砂埃が舞いにくい状態だったのもBさんにとってすごくよかったようです。みんなと楽しくダンスを踊ることができた、と後でお聞きしました。プログラム最後の5・6年生の組体操。心配ないどころか、素晴らしい感動をくれました。一人技の前の、引き締まった表情での全員の「気をつけ」姿勢ですでにしびれました。こんなに真剣で、「挑戦」を感じた組体操は初めてです。終盤ではチアリーディングの技も飛び出し、観客を沸かせていました。仲間を信頼していないと絶対にできない大技です。全体の構成を考えられた主指導の先生、厳しい練習に食らいついてきた子どもたち、素晴らしい「絆」を感じました。最後の最後、指揮台の先生の目に涙。やりきった子どもたちには笑顔の表情。これまでに見た中で最高の組体操、最高の運動会でした。 そして、代休明けの火曜日から、また新しい1日が始まります。
2012.09.23
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『超(スーパー)小学生』(太田あや、小学館、2012、1200円)小学生ですでにプロとして活動している子どもや、おとなでも難しい資格・賞を取った子どもを特集している本。小学生が同年代の「あこがれ」として読むにはかなりいい本だと思います。(連載は『小学4年生』でしたが、記述は大人向けです。)以下、内容を少し抜粋して紹介。============================『超(スーパー)小学生』 ( ・ 以降の太字部分は、本の内容。 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)<囲碁のプロ棋士 藤沢 里菜> (取材時・小学6年生)・ 史上最年少のプロ棋士になる、 という目標を確認し合った母娘は、 1つの約束をした。 「プロになるまでは、 テレビと漫画は禁止!」 その日、母は、家にあったテレビを捨てた。 ・道場の先生も朝5時起きで問題を作るなど、 命がけ。<落語家 田中 啓二朗> (取材時・小学2年生)・おじいちゃんが見に来た時が、いい落語をする。 舞台の上からでも 車いすのおじいちゃんはすぐに分かって、 顔を見ると安心する。 「おじいちゃんを笑顔にしたい」 兄弟2人で始め、2人で切磋琢磨した落語の原点はここにある。<ジャズピアニスト 奥田 弦> (取材時・小学4年生)・自宅の和室には、母が企画した駄菓子屋がある。 弦くんと妹はメジーロ(家庭内通貨)で買い物をする。この「メジーロ」、お札の写真が白黒で掲載されているのですが、 本当に細かいところまでよくできています! 家庭内駄菓子屋も本物並みの品ぞろえ。 家の中に駄菓子屋を作るのと、 子どもがプロの音楽家になるのとは 一見関係なさそうです。 でも、そこまでリアルにこだわることができる母だからこそ、 子どもたちの才能をどんどん伸ばしていけたのかもしれない、 と思います。<マジシャン 吉原 昴人(あきと)> (取材時・小学4年生)・YouTubeで注目を集める。・父はレベルを上げていく昴人くんの動画を投稿。 「マジシャンにとって知名度は大切。 場数を踏んで、技もエンターテインメント性も磨かれていく。 こちらからしかけていくつもりで 100件以上投稿しました」 <おわりに>より ・多くの親は、超小学生が興味を持ったジャンルの経験者。 ・親は子に振り回されているわけではない。 地に足をつけ、子どもたちをよく観察している。 何に興味が行き、何を必要としているのか見極め、 それをタイミング良く与える。 そして、たくさんほめる。 子どもたちのやる気のスイッチを押すのがとても上手だ。・また、親自身が、負けず嫌いでパワフル。 勢いのある子どもたち以上のパワーで 子どもたちに向かう。 そのパワーは、強い意志でもある。 同年代の子と違う我が子を見ても、 周りから何を言われても、決して自分を曲げない。 情報に振り回されることもない。 ぶれない価値観を持っている。 何より子どもを信じる強さがある。・子どもには 好きなことを選ぶ 純粋な力がある。・自分が好きでやろうとしなければ、 そこまで力は伸びなかったはすだ。============================みんながみんな、この本のようにスターにならなくてもいいわけですが、子どもが何か1つに自信を持つためには、この本のような関わり・取り組みの姿勢が、とても参考になる、と思います。『小学4年生』休刊前の最後の連載を飾った、特集記事の書籍化。かなりいい内容だと思いますので、皆さんもご一読を。(^^)↓よろしければ応援のクリックをお願いします。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2012.04.24
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研修メモの続きです。 教材・授業開発研究所セミナー in 兵庫 於:コミスタ神戸今回は、午後の俵原先生の講座について。会場内での自由な意見交流の場面を積極的に取り入れられました。おかげで、会場の雰囲気があったかくなり、周囲の先生方とも仲よくなれました。5月に「通常学級の特別支援教育」をテーマに校内で研修する予定なのですが、そのときに今回の講座内容をいくつか使わせていただこうかと思っています。自分が学んでよかったことは、広げないとね!(^^)==============================教材・授業開発研究所セミナー in 兵庫 講座メモ 2<なぜか子どもとうまくいく 教師のちょっとした習慣> (俵原正仁先生)・あなたは、子どものころ、 どんなタイプの子だったか? ・選択肢から選ぶ・いろんなタイプの子どもたちを 「ある観点」によって 分類してください。 ・「ある観点」を、自分なりに考える。 (例)いわゆる「いい子」と見られる子か、そうでない子か、 リーダーになれるタイプかどうか、 など。・自分と同じタイプの子には、指導できる。 また、自分が苦手なことには、指導も甘くなる。・自分を基準にして「これはできて当たり前」と思いすぎるな。 「0点からの加点法」をすすめる。 「教室に来てくれてありがとう」からはじまる。・いろんなタイプの子がいるが、 「嫌い」という言葉は使わずに、「苦手」ぐらいにしておこう。・「伸びたか、そうでないか」 これが基準だと、公平感がある。 「のび」をほめるようにする。 ・みんなが当たり前にできることでも、 「前よりよくなっている」とみんながわかっていたら、 ほめたらいい。 ・子ども同士もそのうち、そういう目で見だす。・「Bの理論」 ABCで評価したとき、 Bの子が 一番見えにくい。 意識して見ると、全体が見える。 「しっかり話を聞いているお前たちはすごい!」 とほめられる。・その人の「普通」の状態を伸ばしていく。・Bの子、Bの行動に着目する。==============================また、子どものいろいろなタイプについて「どう指導したらいいか」ということを、いっぱい教えていただきました。中でも「おもしろい」と思った指導法は、「何でもカードにする」といったもの。給食当番の子が何を運ぶか、とかでも、「早く並んだ子から引けるよー」と言うととても早く用意ができる。「カードにするだけで、楽しく指導できる」このアイデアは、いろいろなところで使えそうだと思いました。 印象的だったのが、「周りの子を育てる」という言葉が何度も登場したこと。「その子」だけでなく、「周りの子」との関係のなかでトータルとしてとらえることがいかに重要か、あらためて思いました。 驚いたのは、いわゆる「いい子」への指導。単純に考えると、よくできる子に対しては特に配慮することはなさそうなのですが・・・。俵原先生が言われるには、「手放しでほめると、浮いちゃうことがある」「その子をほめた時、周りの子の表情が曇らないか」「周りの子の表情を、先生が見えていないといけない」とのこと。「あー、まさにそうだ!」と思い当たることが、自分の経験上で鮮明に思い出されてきました。僕としては、この講座での一番の収穫は、その、最後のお話でした。 次回は金川先生のフラッシュ教材の講座についてです。お楽しみに。 ブログ王ランキング
2012.04.12
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本日、引き渡し訓練(緊急時下校訓練)を行いました。自分の提案でやり方を大きく変えたのでどうかな~と思っていましたが、無事終わってほっとしています。これで1月の防災の取り組みがすべて終わり、年間の防災行事の大きなものもすべて終わりました。避難訓練にしても、講師を招いての防災研修についても、自分なりに「こうしたほうがいいのでは」というものを提案させてもらい、それがある程度実行できたので、自分としては「やりきった」感があります。もちろん反省も多々あり、取り組みのたびに反省点・改善点のご意見もいただいているので、来年度に向けてよいところは残しながら、さらに発展的に進めていきたいと思います。(来年度も防災担当かどうかはわかりませんが・・・。)引き渡し訓練の改善については他校の実施計画を多数参考にさせていただきました。特に前任校のものは僕自身が経験したことがあるだけに、良いと思っていたものは積極的に取り入れさせていただきました。(引き渡し訓練実施計画をFAXしてくれた同期のS先生ありがとう!)今年度の引き渡し訓練で大きく変えたところは次の2点です。1.保護者にどの子の引き取りに来られたかを聞くのではなく、 子どもに「この方はどなたですか」と聞く。2.保護者と子どもたちの間をあけて 引き取りのたびに子どもを呼ぶのではなく、 引き渡しの最初から保護者には子どもの横に来てもらう。以上の2点の実施は基本的にはよかったと思います。職員会議では他の先生からかなりの妙案もいただきましたので、来年度はそのアイデアも実行に移すことになるかもしれません。例年1月に実施していた引き渡し訓練は、来年度以降は早めに実施するほうがいいということで4月実施となる見込みです。こうやって自分が関わりながら、改善の積み重ねが図っていけそうだという見通しが立つと、うれしいものですね。 防災の取組については、来月2月発行の「兵庫教育」という雑誌に水害の取組を寄稿しています。兵庫の先生方には、ご一読いただければと思います。 ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。 ご意見・ご感想をコメントでいただけると、大変うれしいです。 ブログ王ランキング
2012.01.27
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「小学校の先生」に、本当におすすめの本です! 『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば 「小学校の先生」といわれる私たちの仕事とその意味』(岡崎勝、ジャパンマシニスト社、2011/2、1500円) 読書メモの残りページ、一気に行きます。今日が第6回(最終回)。第1回はこちら。==============================『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば』6(p121~最後まで。 第3章「先生になりたいと思ったら、先生を辞めたいと思ったら」より。 太字は、この本の内容。緑文字は僕の個人的な意見・感想です。)(先生のくらし方)・精神疾患のいちばん多い職業が「教員」。 2009年(平成21年)病気休職者の62%。 ここに退職者は入っていない。 しかし、定年前の退職は「もうやっていられない」という人が多いだろう。・教員の仕事が多忙になった一番の理由: 「子どもと親が多様化(個性化)したこと」 たとえれば、いままで、どの子もたいていが既製服でまにあったものが、 すべてオーダーメイドになった。・担任1人で、いままでの費用とオーダーメイドの服を一日で作ることは できない。 でも、いまはそれをやろうとする先生も多く、 まるで「鶴の恩返し」のようです。このたとえは、「うまいなあ」と思いました。 教材研究や授業の準備などは子どもに合わせて工夫すれば限りがなく、 熱心な先生ほど非常に時間と労力をかけられて、 子どもと向きあわれています。 教員は確かに子どものために仕事をしていますが、 自分も大事にする、という「ワークライフバランス」も大事だと思います。・公立学校の教員は「労働契約」を結んでいません。 就職するときに「労働の内容、労働時間、給与の契約」を 全く教えてもらっていません。 「採用募集要項」には、初任給と勤務時間くらいは書いてありますが、 それ以外は曖昧です。 近代社会の法治国家なら、当然文書で示さなくてはならない。そうなんですよね、 仕事の時間と内容があまりはっきりしないところがあります。 もちろん基準となる勤務時間はあるのですが、 はっきり言って、僕の今までの勤務日で勤務時間を守った日は 2%ぐらいだと思います。(^^;) 「教員が普通にやるべき仕事内容」が、 勤務時間内に終わらせられる量・内容ではないのです。 (手抜きすれば別ですけど・・・。) だから、「いちおう勤務時間はこれだけ」と決まっているけれど、 本当はどれぐらいの時間が適当であるか、誰も知らないのです。 民間企業なら、「この仕事をやり遂げられる見込み時間は○○時間」といった ことが分かっていると思いますが・・・。 これはたぶん永久に文書化できないと思います。 人によって現場によって時期によって、違いすぎるので。・たとえば、 「夜に電話しても職員室にいつも誰か先生がいてくれるので よい学校だ」という保護者がいるとすると、 それは違法状態を推進しているということになります。こういう学校が、けっこうあります。 いや、うちの学校も、たぶんそうです。 まあ、夜に電話はめったにかかってきませんけど。 僕の場合、持ち帰って仕事するのが面倒なので 遅くまで学校に残ってすることが多かったです。 今は家庭があるのでそれなりに早く帰るようにしています。 以前、同僚の先生で毎日22時を超えて残られる方がいらっしゃって、 同じ学年だったのですがかなり心配しました。 やはり晩御飯を家で食べられるぐらいの時間には帰ってほしい、 すべての教職員がそうなってほしい、と思います。 僕はいちおう今の勤務校で「勤務時間適正化プロジェクトチーム」 のリーダーをしていますが・・・進まないんだ、これが。 現場の先生方に、早く帰ろうという意識がほとんどない。 子どものために、明日のために、あれもしたい、これもしたい、 という気持ちは痛いほどよくわかりますが・・・。 (心身に疲労を感じたとき)・もし、子どもの世話でおちこむような、 元気が回復できないような疲労だとすると、 それは、学級崩壊や学校崩壊のレベルの問題をふくんでいる。 対策は、疲れている個人ではなく、 組織あげての問題ととらえなくてはいけません。担任をもったら、一つのクラスを任されているので かなり個人に責任がのっかかってきます。 でも、「学校」の中のことは、基本的に「組織として動く」を 意識しておかないといけない。 今ではそう思うのですが、若いときはなかなか・・・。 ずいぶん個人でスタンドプレーに走り、組織に迷惑をかけたものです。 個人でうまくいかなくなったときは、 特に組織で対応しないと、というのは、よくわかります。・一番の厳しい心身疲労の原因を構成しているものに、 「職場の人間関係」が大きい。・休んだって 地球も、学校も回るこう思えるかどうかですね。 僕はなかなかそう思えなかったです。 最近やっと、そう思えるようになってきました。 周囲を信頼してお任せする、というのも、たまには大事ですね。 (教師という仕事)・いじめ問題になると、 「被害者・加害者とすぐに白黒をはっきりつけないといけない」 と思う親や教師が多すぎます。 単純に被害者・加害者と線引きできません。・教師が「一人ひとりを大事にする」というときには、 一人の子どもだけではなく、周囲の子どもも大事にしていくということが、 当然ながらふくまれています。 周囲に注意を喚起したり、本人を励ましたりすると同時に、 本人には、周囲に甘えたり、 「同情」を頼みに友だちをひき回したりしてはいけない、ということも いっておかなくてはなりません。 「いじめ」の白黒をはっきりさせること以上に、 子ども同士の関係性をどうやって紡いでいくかが、 いまの学校現場に問われているのです。僕はこれで、失敗しました。 「いじめられている」と思う子を守ることばかりに終始し、 周囲の子の反感を買ってしまったことがあります。 逆に、いじめている子に指導しきれず、 いじめがやまずに継続してしまったことも・・・。 「この子」「このこと」ばっかり見ているような、 視野の狭さが問題だったと、非常に反省しています。 「バランス」とか「関係性」というものが どんなに大事か、身に染みて感じています。 (先生になりたいあなたへ)・あなたの「小学校時代の楽しい思い出」は、 子どもと向きあうとき、とくに、うまくいかないときに とても有効なアイテムになる。 おもちゃも笑える話も大事にしよう。 (「あとがき」より)・あなたの目の前にいる、 「生きて生活している子どもたち」に、 「生きて生活しているあなた」自身のことを話してほしい。 そして、あなたが話したことと同じくらい、 子どもたちの話も聞いてあげてください。・この本は、教え育てるという営みが、 高見からの「指導と教化」でなく、 「まず子どもたちといっしょに生活することに基本を置こう」という きわめてシンプルなところから出発するべきだということを 念じながら書きました。この姿勢に非常に共感しながら、この本を読みました。 「教師のバイブル」といえるような内容だと思います。 なかなかここまで親切に、教師の裏側といえることまで事細かに 教えてくれる本はないです。 出会えたことに感謝します。 ありがとうございました。==============================著者の岡崎先生は、『おそい・はやい・ひくい・たかい』という雑誌を創刊し、すでに多くの巻を重ねられています。僕はまだ読んだことがありませんが、「既成の価値観にとらわれないで、自前の考え方と方法で 少しずつ教育や学校を楽しいものに創りなおそうとする『学校マガジン』」という「創刊のことば」には強く感銘を受けました。ぜひ手に取って読んでみたいです。 ▼『おそい・はやい・ひくい・たかい』
2012.01.25
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雨が降ろうが雪が降ろうが、今日もまた、せっせと読書メモの続きを書きます。(^^;) 『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば 「小学校の先生」といわれる私たちの仕事とその意味』(岡崎勝、ジャパンマシニスト社、2011/2、1500円) 今日が第5回。第1回はこちら。==============================『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば』5(p69~120より。 第2章「子ども&親の"問題"にぶつかったら」の残り部分です。 太字は、この本の内容。緑文字は僕の個人的な意見・感想です。)(不登校の子と向きあうとき)・子ども自身、理由がはっきりしないときも多い。・子どもからすると 理由を聞かれることは、 そうとうしんどい。・大人たちがしつこく理由を聞き出すようなことをすれば、 子どもたちはその場しのぎの言い訳やウソをつくしかありません。 「明日は、かならず行くから」といったりします。・おちついて、聞くことに徹するのです。 すぐに、どうしたら登校できるかなどと、対策など考えないことです。・せいぜい最後に、 「あのさ、先生にできることあったら、いってくれない。 できるかどうか、わからないけどさ・・・・・・」 と慎ましくいう。 こんなときは、ほんとうに慎ましい気持ちで接することが 教員の基本です。・親が、自分が納得、安心したいがために、 「わかりやすい理由」がほしいのではないでしょうか。 「わからない不安」に耐えられないのです。・安易に「友だちが誘ってくれたら」とか、 「お手紙を書けば」などと思うのは、 きわめて危険な賭け。 手紙一つでも大変な気をつかいます。 ・「子どもを手なずける」必要はない。 手なずけているように見える先生は、 まだまだ未熟で、稚拙である。 なぜなら、子どもの創造性や意外性は 先生の枠をはみ出ることがあたりまえだから。・子どもたちが自分のいうことを素直に聞いてくれることは、 ほんとうはとても「こわい」こと。 (学習に遅れのある子を担任したとき)・家庭に活字が少ないなあと思う子に、 読み聞かせをしたあと、 「おもしろかった?」と聞いて「おもしろい!」といえば、 「この本貸してあげるから、家でさ、もう一度読んでみて」 と誘います。・わからないとか、作業が遅いことは、 ある意味で「いいこと」でもある。 効率がいいということは、得るものも多いですが、 失うものもあるのです。 新幹線で見える景色と、 自転車で見える景色はちがいます。 そこに、なにかしら、よぶんな景色かもしれないけれど、 大事なものがあると思いませんか?こういう、世間一般でいうのとは逆の考えをする方は 大好きです。(^0^) 「えっ!?」って、驚きますよね。 でも、こういう考え方は確かに成立すると思います。 全く別の本で、「弱さ=強さ」というような主張に 出会ったこともあります。 その時その地点しか見ていなければ、 確かに「弱い」「遅い」「わからない」ということは マイナスでしかないかもしれません。 でも、ぐい~~~~~~んと視野を広げると、 そのことがかえってプラスである可能性は 十分にあるのです。 これは、大変おもしろいテーマなので 僕は個人的に興味津々で、 もっともっと調べてみたいと思っています。(^^) (好きになれない子がいたとき)・誕生日に”さらり”と声をかける。・人格攻撃の得意な子、先生のいうことにすぐ口をはさんでくる子、 他者に対して「上から目線」でものいいをする子。 こうした子どもたちを、ボクもなかなか好きになれません。 でも、じつは、そんな子も 自分が「きらわれキャラ」だということを知りつつ、 それ以外に自分の存在を示す方法がないから そうしていることが多くあります。 「不安」の裏返しかもしれません。・相手にきらわれることをわかっていながらやってしまう子どもたちを、 ボクは「対抗的に受容」しておもしろがっています。 そして、教員である自分が苦手でも、 その子どもにも、ちゃんと友だちがいるとき、 自分の「狭さ」をいろいろな意味で知ることになるのです。「対抗的に受容」の例は、p90-91に載っています。 「大人モードを宣言する」(小学生にも、大人と同じような言い方をする) などです。「対抗的に受容」という表現が、見事なバランスで、 おもしろいな、と思いました。 (学級が壊れかけているとき)・「全員静かに」は墓穴を掘る。 この必要条件を貫徹して学級運営をするのは、 やがてとても厳しい状態になって、 騒いでいない子どもも先生を追い込むことになります。・「8割主義」で先へと進め・子どもの我慢強さがなくなったのではなく、 社会の環境が変化しているのです。 社会全体のコミュニケーションや伝達のスピードがコンパクトになり、 会話が単純化し、スピードも速まったと考えたほうがよい。・心身を病む前に休む (親に「問題」を感じたとき)・たとえば、子育てのトラブルが「愛情不足」だとしても、 なぜ「愛情不足」になったのか? を考えなくては 解決に至りませんし、それは非常に難しい問題です。 そもそも「愛情不足」とはなんでしょうか? わかりやすいキメ言葉は、 中身がいまひとつ曖昧なものです。 こういうキメ言葉のもつ、 わかったつもりにさせるマジックに、 ボクら教員は騙されてはいけません。 (保護者からクレーム・注意があったとき)・ クレームや批判は、 「業務上」自分自身の未熟さを克服するよい機会だと考えることが 一番いい。 (家庭を「学校」にしない)・学校には「学校のしつけ」が、 家庭では「家庭のしつけ」がある。・親が先生化すると息苦しくなる。・親は、教師のように常に配慮と指導を意識したものではなく、 どこか抜けているくらいがいい。・学校は、あくまで「社会の枠」を強調し、 その社会のなかでの自分を創っていく作業を大事にします。 家庭は、まずもって、 気軽に、おちついて、安心して、食べ、眠れるところであるべきです。(p120まで)==============================次回は、第3章「先生になりたいと思ったら、先生を辞めたいと思ったら」を読んでいきます。では、また次回。ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。 ↓記事がお役にたてましたら、クリックいただけるとうれしいです。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2012.01.24
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いろいろ書きたいことがあるのですが、とりあえず、読書メモの続きを書きます。図書館の本なので、返さないといけないので。(^^;) 『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば 「小学校の先生」といわれる私たちの仕事とその意味』(岡崎勝、ジャパンマシニスト社、2011/2、1500円) 今日が第3回。第1回はこちら。==============================『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば』3(p39~60より。第1章「新学期を迎えたら」の終わりまで。 太字は、この本の内容。緑文字は僕の個人的な意見・感想です。)(「生活指導」するということ)・ボクは、「迷惑をかけること」を いけないことだとは思いません。 人は、迷惑をかけないで生活することなど できませんからね。・「迷惑の回避」が 「共同生活の回避」になってしまうのではないか?・「迷惑をかけること」に不可欠なのは 「迷惑をかけている自覚」と 「おたがいさまという感覚」。 ギブ・アンド・テイクの精神は、 共同生活には絶対に重要な観点。 ↑ ↓ ・(子どもたちや親たちの主張には、) どちらかというと「共同より分断」を志向している (主張がある。)このあたり、抜粋で掲載しているので うまく伝わらないかもしれませんが、 「損得」や「人より自分」という考えが優先して 他人との共同生活より「個別のニーズ」に走りすぎてしまう風潮に 警鐘を鳴らされています。 僕のように個別対応や個別の指導を仕事としている人間も こういうことは非常に大事に考えておかないといけない、 と思います。 人として社会で生活していく以上、 「共同生活」ばベース。 「個」はそのなかで考えないといけないことであって、 「個」だけ取り出して考えるようではいけない。(>。<) 特に小学校ではそうだと思います。 学校のメリットの第一は「集団生活」「共同生活」を学ぶこと。 であれば、いろんな子やいろんな大人と関わること、 トラブルやケンカを経験することこそ、 学校での一番のメリットなのではないか、とさえ思えます。・「迷惑をかけているか、いないか」というのは、 想像力の問題。 生活指導は、この想像力をどう養うのか?という課題を いつも突きつけられています。・問題や事件は「学習機会」 ・自分の頭で考えない「安易な多数派」が多い。 (子どもたちと「つきあう」ということ)・子どもの名前を呼ぶとき、 下の「名前」で呼ぶことは避けたほうがよいと思っている。 気持ちが通じていないのに一方的に「親しみ」をこめられると けっこう「キモイ」のだ。僕は子どもの名前については下の名前で呼ぶことが多いです。 低学年を担任していたことが多いこともありますが。 子どもによって呼び方は変えていますが、 「親しみ」をこめたい、という気持ちはありますね。 でも、それが一方的にならないように、気をつけます。(^^;)・しんどいからこそ ウソをつく ・(なかなか朝ご飯を食べてこない子の親に 「食べさせてください」と言うのは正論だが、 子どもは親を守るためにウソを言う。) ・教員が親を「否定」しても、 それがたとえ「正しい否定」でも、 すっきりと聞くことはできません。 「こんなにしんどくてつらいなら、 朝食を食べてきたとウソをいおう」 ・「生活の基本」とはいえ、 親や家庭の事情にふみこむ朝食調べなど、 教員が指導する「正しいこと」は、 彼らにとってけっこうつらいことなのです。 そのことをボクたち教員は自覚しておく必要があります。 ・子どもの親を否定しない。 ・親に直接いえばいいこと、いうべきことを、 子どもを介していうのは、反則。 板ばさみになっている子どもは、けっこうつらい。「中間管理職」はけっこうつらい、というのは知っていますが 子どものときから、同じように「板ばさみにあうことがある」というのは 思い至りませんでした。 親御さんはどなたも、一生懸命に子どもさんに向き合っておられます。 確かに「朝ご飯を食べてこない子」はいますので、 「食べさせてください」ということは言いたくなる時がありますが、 それは言わなくてもわかっておられることで・・・ 子どもへの指導もそうですが、背景を理解しようとし、 「指導」ではなく寄り添おうとする気持ちがないと、 前へ進まないのではないでしょうか。 こういったこと、とても大事なことだと思います。 ベテランの先生は経験からわかっておられるのですが、 若い先生にはそこまで気づかれない人もいるかもしれません。 だからこそ、こういった本を読んだり先輩の先生に聞いたりして、 知っておいてほしいですね。(p60の内容まで。続きはまた次回。)==============================次回は、第2章「子ども&親の”問題”にぶつかったら」のところからを読んでいきます。”問題”をどうとらえるか、というのは、非常に興味深いテーマです。 ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。 ↓記事がお役にたてましたら、クリックいただけるとうれしいです。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2012.01.21
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『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば 「小学校の先生」といわれる私たちの仕事とその意味』(岡崎勝、ジャパンマシニスト社、2011/2、1500円) この本の読書メモを書いていっています。今日が第2回。僕がかなり衝撃を受けた部分です。「あ、こういう見方・考え方があるのか!」と目を開かれた思いでした。==============================『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば』2(p32~38「身体と心の成長をめぐって」 より。 太字は、この本の内容。緑文字は僕の個人的な感想です。)(身体と心の成長をめぐって) ・あるとき、1年生のクラスに、 身体に障害をもち、身長が伸びない朝子さんが入学してきた。 「朝子さんにとって 身長を測るということは どういうことだろうか?」・「年を経れば身体が大きくなるのはあたりまえ」ということを、 少し考え直してみようと思った。 少なくとも、子ども一人ひとりの伸び方は異なっているし、 障害をふくめて それぞれの身体をみんなで、それなりに 受け入れるべきだと思った。障害のある子たちにここ何年か関わらせてもらって、 「障害をふくめて、みんなのことをそれぞれ違っていると考える」 という考え方が、すごくすんなりと自分の中で落ちてきました。 そして、これはすごく大事なことだと思っています。 「障害」=「だからこの子は特別、例外」 と考えない。 そう考えたら、それで終わってしまいます。 周囲は、何も変わらない。 でも、もしかしたら、今までのみんなの当りまえが、 実は「当りまえ」でないかもしれない。 「当りまえ」を疑う、こういった気づきというものを、 本を読んだり、お話を聞いたりして、 教えてもらう。 これって、すごくありがたいことだと思います。 今までを考え直すところから、 社会の進歩や、教育の工夫が生まれます。 著者の岡崎先生には、いいことを教えていただいたという気持ちで いっぱいです。・同じことに縛られる「平均」や、 他者と差を見せつけるような「測定」は なんのためにあるのだろうか。僕たちはかなり「平均」や「測定」に支配された世界にいます。 「そもそも、それって何のため?」と 考え直してみることも、 時には必要かもしれません。 「今まで大事だと思っていたけど、 実はそう大事じゃないのかも・・・」 と思えることがあるかもしれません。 個人的には、僕はデータを取るのは大好きなんです。 データをもとに考えるのが、好きなんですね。 でもそれが、決めつけや差別のもとになってしまってはいけない。 特別支援教育で用いられるウェクスラー式検査などでは 「個人内差」というものを数値化して一覧にします。 数値をとることで「今まで気づかなかったことに気づく」という利点があります。 数値を、偏った見方を排除して、 「いろいろあっていいけど、そこから見えてくるものもあるかもしれないね」 という まっさらでテキトーな気持ちで利用することが 大事だと思います。 測定も、平均も、それ自体はいいとか悪いとかいうものじゃない。 ただ、あまりにもそれにイロをつけて見すぎたら、 いけないんじゃないか。 体重の平均を気にして 子どもなのにダイエットする子もいます。 平均に毒された社会は、違いに否定的で、生きづらくなる社会だ と思いました。 みなさんは、どうお考えになりますか?・「心は脳にある?」と聞かれたら・・・ ボクは、「心は、体中にある」と答えた。 「あのね、足がいうことを聞かないで勝手に動いて、 友だちを蹴ったりすることがあるでしょう」ある、ある。 なるほど、こういう説明の仕方も、あるんですね。(p38の内容まで。続きはまた次回。)==============================次回は、あいだの「教室のつくり方」をちょっと飛ばして、「『生活指導』するということ」のところからを読んでいきます。「迷惑」ということをどうとらえるか?著者の考えを受けて思ったことを書かせてもらいながら、ブログをご覧の皆様とも意見交換できたらうれしい、思っています。今回の記事についても、ぜひご意見お寄せください。今日はちょっとコメントを書きすぎちゃいました。(^.^;)皆さんの反応が、気になります。 ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。 ↓記事がお役にたてましたら、クリックいただけるとうれしいです。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2012.01.16
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非常にいい本を読みました。「いい」と思ったところに付箋を貼ったら、付箋だらけになりました。50か所くらい貼ったと思います。小学校の先生、小学校の先生を目指す人におすすめです。『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば 「小学校の先生」といわれる私たちの仕事とその意味』(岡崎勝、ジャパンマシニスト社、2011/2、1500円)今日から何回かに分けて、その中身を読書メモとして書いていきます。==============================『きみ、ひとを育む教師(ひと)ならば』1(最初からp31まで。 太字は、この本の内容。緑文字は僕の個人的な感想です。)・「共感と勇気」 つまり、子どもたちや親を理解し 立場をわかりあうこと、 そして 大事なことや想いを彼らにきちんと伝える勇気が、 ボクたち教員には必要なのだ。 (新学期 はじめて出会う子どもたちに)・時間割や活動表といった掲示物は、 できるだけ子どもたちと少しずつ作っていくのがいい。 最近は、PCソフトのイラストなどを使って 簡単に掲示物を作ることもできます。 でも、自分のクラスは、時間がかかってもみんなで作っていこうという 気持ちがあれば、それも大事にするべきです。クラスって、そうなんですよね。 「子どもたちと少しずつ作っていく」、 それが「クラス」です。 僕はパソコンを使いたがるので、 教材や掲示物など、何でもパソコンを使おうとします。 でも、確かに子どもたちと一緒に手作りで作っていく、 そのほうがいいなーという気はしているんです。 近頃は何でも、早くて見栄えのいいものを求めがちですけど、 昔の教育からずっと本質的に大事だったものって、 そういうイマドキの「早く成果が出るもの」とは異質のもの、 という気がしています。 子どもたちと一緒に作るって、きっと楽しいだろうなー。 (そうは思うけどあまりそうやってこなかった反省を込めて)・出入り口の戸の窓ガラス拭き 濡らした新聞紙で丁寧に拭くと、 すばらしくきれいになります。 「出入り口のガラスだけでもきれいにしておくと、 教室がすっきり見えますよ」 と同僚から教えてもらったことのひとつです。これも、僕はやっていなかったのですが、 やってみたらいいんだろうなーと思うことです。 わりと年配の先生は新聞紙できれいにするというやり方を されているんですが、若い人はあまりしないですね。 ベテランの先生に昔ながらのやり方を学ぶのは とても大事だと思っています。 こういうことを受け継いでいかないといけない。(^_^)(「楽しい教室」)・教員は、「その楽しさ」の判断を、 子どもによって決めてもらうという「厳しさ」を 受け入れる必要がある。この本には出てきませんが、「仮設実験授業」という授業があります。 「たのしい授業」という月刊誌で、毎回実践が発表されています。 その授業では、授業の評価を子どもたちに取ります。 僕も部分的にやったことがありますが、 子どもの評価(5段階評価)をとるって、厳しいものがありますね。 でも、だからこそ子どもの声を次の授業に生かせる。 教師が、この授業は「よかった」とか「よくない」とか、 「楽しかった」「楽しくない」とか、 勝手に決め込んで議論することがよくありますが、 「子どもはほんとにそう思っているの?」というのはとても 大事なポイントだと思います。 それは、子どもに媚びるとか迎合するとかいうことではなくて、 授業が「子どものためのもの」である以上、 子どもの声をしっかり汲み取って授業を作っていくのは 当然のことなんですよね。(授業って なんだろう?)・ボクは子どもたちが「おもしろい」と感じ、 充実感を彼らなりに味わってくれていれば それでいいと思っている。・「授業はその場かぎりのダイナミックな活動」だ。・授業は、結果ではなく、その過程こそが重要。・子どもにとって「労働」でもなく 「仕事」でもない 「活動」なのです。・授業の過程において、子どもたちの活動が どれだけ充実するか。・授業が一方的なサービスの過剰とならないように、 うんざりしている子どもたちを、 慎重によく観察し眺めることが大事。・「先生も知らないことやわからないことがたくさんあるから、 勉強しているのだよ」という、 「先生も学習者である」というメッセージを子どもに届けるのは 大切なこと。基礎学力の向上、ということが盛んに言われます。 「その授業でどんな力をつけたいか」 「その授業でどんな力がついたのか」 それは大変大事な視点だと思いますが、 それに偏りすぎてもいけない。 百マス計算の反復練習で確かに計算力はつくと思います。 でも、そのうち、同じことの繰り返しでうんざりする子が出てくる。 充実感を感じ続けるには、やはり工夫が大事。 百マス計算でも何でも、授業としてはいろんなやり方はあるだろうけれども、 「授業は活動。過程が大事」というのは、 「今ここ」の子どもたちを大事にしている言葉なので 僕は、これは忘れてはならない、と思います。(p31「授業ってなんだろう?」まで)==============================次回は「身体と心の成長をめぐって」のところからを読んでいきます。「成長」について、著者自身が「身長が伸びない子」を担任したことにより、はたと考え直した内容が書かれています。「伸びる」「できる」ことが必ずしもいいことなのか?教育現場で当たり前に「いいことだ」とされていることを考え直す、とてもいいきっかけを提供してくれます。 では、続きはまた次回!ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。 ↓記事がお役にたてましたら、クリックいただけるとうれしいです。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2012.01.15
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ジャパマコミックシリーズ『小学校へ行く前に(低学年編) うちの子、ほんとにやっていかれますかあ』(岡崎勝 監修、イラスト・マンガ多数、ジャパンマシニスト社、2011/11、1300円)うちの子はまだ保育園なので小学校入学はまだまだ先ですが、小学校教師として、小学校に入るときの親の気持ち・新入学に備えて必要なことなど知りたくて読みました。マンガが多くて非常に読みやすくわかりやすいです。「通級」「特別支援」についても、あまりカタく捉えないようにソフトな感じで書かれています。 僕は1年生の担任はしたことがないですが、小1の子どもたちや小1の教育は「小学校教育」のベースになるところ。入学時の子どもの様子やその時の親の気持ちはしっかり踏まえて、そのうえで教育活動にあたりたいものです。監修の岡崎勝さんはベテランの小学校の先生。「文字の初歩の指導」など、「なるほど!」と思えることがたくさん書いてありました。下敷きの意味なんて、知らなかったなあ。(苦笑)===========================『小学校へ行く前に(低学年編)』○書き(p29より) ・字を書く練習はできるだけノートを使う。 ・はじめは絵などを描いて遊んで筆圧を強くする ・その子の好きなものからだと身につきやすいかも♪ ・練習用紙を作ってお手本をなぞることから なぞったときにずれたことを気にしないように お手本は色の薄い太いマーカーがおすすめ (例→) あマーカーで書いてなぞらせる、というのは 「なるほど!」と思いました。 僕がよくするのは赤鉛筆で書いた字をなぞらせることですが、 なぞりが苦手な子は、はみ出しにくい方法でなぞる方がよさそうですね。 ○「書く」基礎の基礎(p122より) [下敷きのこと] ・鉛筆のしんの粉がページの裏につくのを防ぐ。 汚れたら洗おう。 そうだったんだ!恥ずかしながら知らなかったです。(>。<;) ちなみに僕は「下敷きを敷いたほうが書きにくい」と思っていたので アンチ下敷き派でした。(^^;) [えんぴつのこと] <持ち方> ・いちばん大事なのは、 書いているときに しんの先が自分で見えること。 <捨てどき> ・手のひらに入るサイズになったら捨てる。わかりやすい! 持ち方や捨てどきをこんな風に一言で言うと ずっと覚えていられそうです!○朝の身じたく(p33より) ・順番を決めて練習をしておくといい。 ・大きく書いた表を貼っておくのもいい。 かんたんな絵を入れてあげるとわかりやすい。 ・当日着る服や持ちものは 前日に用意しておくのが鉄則 ・1か所にまとめた「持ちものコーナー」をつくっておくと便利本の中ではマンガの絵がドーンと描いてあるのでとても分かりやすいです。・学校は”勉強”だけでない 「学校は生活する場である」 もちろん勉強を柱にしますが、 1本の柱だけではすぐに壊れてしまいます。 遊びの柱、健康の柱、友だち関係の柱、 先生との関係の柱・・・・・・まだまだあります。 学校も家庭や地域と同じで、子どもの生活の場なのです。同感です。・1年生にとって学校での出来事は全部勉強。 家族は1年生が帰ってきたら、 「1日丸ごとお疲れさまー♪」って、 しっかり受け止めてあげてほしい。 (小学校教員 武本圭子)「勉強」の時間以外もとてもがんばって過ごしている、という見方、 大事ですね。 子どもによっては「勉強」時間は疲れないけど その他の時間のほうが疲れる、という子もいるはず。===========================小学生を持つ親御さんや小学校の先生がこの本の製作にたくさんかかわっておられます。それだけに、とても分かりやすく役に立つ本になっています。出たばかりの本で今の情勢も踏まえて書かれていますし、大変おススメです!岡崎勝先生については、教師向けの本も書かれています。これも読むつもりです。 『きみ、ひとを育む教師ならば 「小学校の先生」といわれる私たちの仕事とその意味』(岡崎勝、ジャパンマシニスト社、2011/2、1500円)それでは、また! ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。 ↓記事がお役にたてましたら、クリックいただけるとうれしいです。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト
2011.12.30
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夏休みに入ってからも、「補充学習」や「夏休み通級教室」で忙しくしています。学期末の懇談で保護者からの要望を聞き通級の子の「読書感想文」対策を引き受けたのですが、子どもと同じ本を自分も読むために連日図書館に借りに行き、夜通し読んでいました。高学年用の課題図書になると、読み応えがあります。 『クジラと海とぼく』(作:水口博也/絵:しろ、アリス館、1400円)===============================【内容情報】(「BOOK」データベースより)少年の憧れだった海の世界はやがて彼を海洋写真家へと導いた。思い続ければきっとかなう。海とクジラを追いつづけた少年の物語。【目次】(「BOOK」データベースより)少年時代(ウミガメが来る浜/顕微鏡をのぞく/クジラという動物/海中世界へ/いくつかの失敗/さらなる失敗/クストーの世界/クジラの姿/イルカとの出会い/水中撮影を試みる)/大人への階段(大学で学ぶ/臨海実験所/沖縄へ)/クジラと泳ぐ(はじめてのホエール・ウォッチング/自分についての再発見/母子のクジラ/巨鯨シロナガスクジラ/クジラと遊ぶ)===============================5・6年生の課題図書『クジラと海とぼく』は、内容的には高学年でもちょっと理解しにくいのではと思う部分がありました。(水の中で空気を吸うときの水圧の関係や、 レギュレーターなどの用語について)でも、「クジラと泳ぐ」章の描写や、好きなことを仕事にするためにどんなことをしてきたか、というあたり、子どもが夢をもって将来像を描けるように、その勇気を与えてくれます。個人的には、著者が「海」にずっと興味をもっていたけれど突き詰めていけばそれは「好奇心」だったとわかる、というくだり。ここが、自分にも当てはまるなあ、とズシンときました。僕が最も大事にしているのは、小さい頃からずっと「好奇心」でした。それなのに、子どもたちに学習を促すうえで「好奇心」を持たせるような働きかけ・工夫ができていないなあと反省します。そういう、自分にとっての大事なことを、最近は忘れていたので、子どもの頃からの「好きなこと」をずっと忘れずに来た人の話はそれを思い出させてくれる契機となりました。子どもたちへ。読書感想文を書くにあたっては、よくわからない部分があってもこだわらず、自分が気になったところ、著者の意見が大きく反映されているところをふくらませて書くと、いいと思います。○どうしても何を書いていいかわからないという子どものために、 参考例を書きました。 ひとつの例として、自分ならどう書くかを、考えてみてください。 ※丸写しはしないでね!※~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「クジラと海とぼく」を読んで クジラについて、ぼくは前からふしぎに思っていました。どれくらい大きいのだろう。どこにすんでいるのだろう。会うことはできるだろうか。何を食べているのだろう。ぼくの長い一生の中で、クジラに会うことはできるのだろうか。 ぼくは、できればクジラに会いたいと思います。世界で一番大きいと聞いて、とても興味を持ちました。会うのは難しいかもしれませんが、会ってみたいです。 この本の中で、主人公の「ぼく」は、クジラに会っています。たとえば、ハワイに行ったときに、ザトウクジラに会っています。ハワイでは、町のすぐ近くまでクジラが来るそうです。ぼくもハワイに行けば、クジラが見られるかもしれないと思いました。ホエールウォッチングに行って、クジラを見てみたいです。ボートよりも、ずっとずっと大きいそうです。しっぽだけが海の上に見えて、そのあと大きな体が、自分たちのボートの下をくぐりぬけていったら、とてもおどろくと思います。一生に一度は、そんな風にとてもおどろく体験をしてみたいです。 この本の「ぼく」は、子どものころから海が好きで、海の本を読んだり、海の生き物を観察したりしていました。ずっとそういうことをくりかえしていたら、大人になって、海の写真をとって、記事にする人になれました。ぼくもこんなふうに、好きなことを仕事にしたいと思います。ぼくの好きなことは○○です。だから、よく○○を見たり、○○をしたりしています。仕事にするには、もっともっと○○をしないといけないと思いますが、ぼくはそれをしつづけて、やがては仕事にするぐらいになりたいです。この本の最後に、「そったく同時」という言葉が紹介されていました。難しい言葉ですが、自分が何かをしたいと思って行動していたら、同時に、それを手助けしてくれる出会いや出来事がある、という意味だそうです。自分自身が、何をしたいかをしっかり考え続けることは、とても大事だと思います。自分がやりたいことをしっかりやっていくことで、偶然や奇跡が起きて、夢だと思っていたことも実現できるのだと思います。ぼくは、将来○○の仕事をしたいと思っています。そのために、やれることを全部やって、夢をかなえたいです。たとえば、○○をしたり、○○をしたりすることです。ぼくはこの本を読んで勇気が出ました。作者の水口さんが夢をかなえたように、ぼくも、自分の夢をかなえたいです。そして、それは実現可能だと思います。ぼくはこれから中学校や高校に行きますが、そのあいだに○○についての本を読んで、勉強したいです。○○に行って○○を見たりもしてみたいです。そうして、大学生になったら、○○をするぐらいになっていたいです。実現すると信じて、がんばっていきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読書感想文を書いたのは久しぶりです。 ちなみに、たとえこのとおり書いて学校に出したとしても、賞は絶対にもらえませんので、あしからず。(^^;)今日もブログを読んでいただいて、 ありがとうございます。 ブログ王ランキング にかとまの読書メモリスト
2011.07.28
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今日は、立ち歩いたり飛び出したりする子の対応で1日終わりました。さて、どうしたものか?と落ち着いて考えると、やっぱり、「すぐに効くコレ!」っていうものは思いつかないです。現状、僕が思っているのは、「その子を変えようとせずに、環境を変える。雰囲気を変える。 授業の進め方を変える」ということ。今までの経験とか、本で学んできたことから思うことです。こういう、「直接的」ではなく「間接的に周りから変える」というアプローチは、僕は「音楽療法」に学ぶところが一番大きかったです。「音楽療法」については素人ですが、「音楽療法の実践の記述」からは、ヒントになることがとてもたくさんある、と思っています。「音楽療法」と言ってもわかりにくいですが、「即興演奏」と言うとどうでしょう。非常に端的に言うと、子どもの「今」に合わせて、「即興演奏」をすることが、私たちに求められているのではないでしょうか。「即興演奏」ができたら、リアルタイムな子どもたちとの関係性をそれそのものを目的として、それそのものを楽しむことができます。こいつはすてきです。そういうわけで、実演CD付きの以下の本、おすすめです。『CDで聴く!音楽療法のセッション・レシピ集 即興演奏ってどうやるの 』(野村誠/片岡祐介、あおぞら音楽社、2004、2500円)ちなみに、かなり楽しい本です。「冗談で作ったのか」と思うようなフシもあります。(笑)応用範囲はかなり広いです。音楽療法なんて知らない!という人も、はちゃめちゃ楽しく聴けるCDがついています。(▼試聴はこちら)=============================『CDで聴く!音楽療法のセッション・レシピ集 即興演奏ってどうやるの 』 (以下は、音楽療法のセッションについて書かれた記述より、 僕が「きょういく」の大きなヒントになると思った箇所2つです。) ・終わり方でなく、終わる前の途中で如何に白熱したか。・途中の充実さえあれば、自然に終わりたい気分ができてくる。・4時に終わりたいなら、3時45分~50分ごろに、盛り上がりまくる。 ・ビートを出して、どんどん速くしていけば、自然に合ってくる。・飛び上がったりしてブレイクすれば、一斉に止めることは 簡単にできる。本の中では、上の記述は「予定調和すぎるのでやらなくなった」と、 過去のある時期のこととして書かれています。 が、まずは僕はこの段階を経験することが必要だと思います。 学校で言うと、教師が中心になって、指揮者的にコントロールすること。 これが最終的に良い状態と言えるかは置いておいて、 あまりにも「カオス」な状態の時には、まずここを目指すべきです。 キーワードは「ビートを出して、速くしていく」 「飛び上がったりして、ブレイクする」。 教師のパフォーマンスとして、そのものずばりな言い方ではないですが、 なんとなくわかりません?(^0^) 一部の先生は「リズムとテンポ」とか、「けじめ」「メリハリ」といった 表現で言われていることです。============================= 「音楽療法」の本は、紹介しかけの本が1冊、残っています。またそのうち、それの続きも書きますね。 ▼ 『音楽療法士のしごと』を読んで~この本との対話その1 2345678ここまで読んでいただいて感謝します。 応援のクリックをいただければ幸せです。 ブログ王ランキング にかとまの読書メモリスト
2011.06.20
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「江戸しぐさ」というものをご存じでしょうか? 清水克衛『しあわせ読書のすすめ』に出てきてから、興味を持って気にしていました。『本のソムリエが教える悩んだときに読んでほしい53冊 しあわせ読書のすすめ』(清水克衛、辰巳出版、2010、1200円) 『ササッとわかるいろはかるたの「江戸しぐさ」』(越川礼子、1000円)ちょうど、「国語兵庫」の第90号に「江戸しぐさ」についての講演抄録が載っておりましたので、今日はその読書メモ(講演メモ?)を書きます。===========================山内あやり「江戸寺子屋に見る養育法と『江戸しぐさ』」講演記録より(兵庫県小学校教育研究会国語部会『国語兵庫』第90号 p7~12より)★江戸しぐさが大切にしていた教えは、 大きなテーマとしては「共生」を説いている。・赤の他人との付き合いも大事にした。・共倒れしないための 個々の精神的自立が原点だった。 ・<目の前の人を 仏の化身と思え> 「すみません」=「澄みません」 仏様に対して澄んだ気持ちになれなかったというお詫びの気持ちを 表して用いた言葉・<約束を守る> 口約 = 公約 「口約束が公の約束だった」 これを守れるかどうかでその人の価値が決まった。・<結界わきまえ> 「餅は餅屋」 「専門家をたてましょう」 落語家が座って扇子を自分の前にポンと置くのは、 「芸の上では自分が専門家」という、結界を明らかにしている。 ・「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文(ふみ)、 十五理(ことわり)で 末決まる」・<三つ心> 子どもは親が言うとおりにはならない。 親がした通りになる。 「三つ子の魂百まで」・<六つ躾> 何度も何度も繰り返し、訓練を重ねる。 感性が身に付かないうちに、知識や技術だけ教えても駄目。 まず、ヒトとして心を養うことが先である。 「お心(しん)肥やし」 手足を使って経験して、心を通して感じたことで会得する。・<九つ言葉> 九歳までにどんな人の前に出ても、 失礼のないあいさつができるようにするのが、親の務め いわゆる世間様というものを教えた。===========================いわゆる「勉強」を教える以前に大切なことを、江戸しぐさは説いていると思います。温故知新。ときおり、こういった昔の教育について学び直してみると、大事なことがぼうっと浮かびあがって見えてきます。学校で子どもたちに何かを教えるときに、こういったことをふまえ、「これは本当に大事なことなのか」と自問していこうと思います。特に、「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文(ふみ)、十五理(ことわり)」という順序にあるように、順序を飛ばしすぎない、急ぎすぎない、ということは心に留めておきたいです。意味を知らずにただ知っているだけの頭でっかちを育てても仕方ないですからね。 自分自身の「精神的自立」度合いも、これでチェックしていきたいです。目の前の人を大事にしていなかったり、口約束を簡単にやぶったり・・・・反省!(>。<;)また明日からがんばろう~! ここまで読んでいただいてありがとうございます。 応援していただける方は、ぜひクリックをお願いします。↓ ブログ王ランキング
2011.04.11
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昨日の日記で書いた「キットパス」ネットだと送料がかかるので・・・と思って近所の大型文具店に行きましたがありませんでした。そういうわけでやっぱりネット注文。同じく日本理化学工業がつくっている「蛍光チョーク」の6本セットと一緒に注文しました。いろいろ探しましたが、学校の授業用蛍光チョークと「キットパス」を両方扱っているネットショップはここだけでした。↓(EC・ジャングル)日本理化学 キットパスきっず 12色(980円)日本理化学 ダストレス・蛍光チョーク 6本入(290円)日本理化学 ダストレス・蛍光チョーク 6本入 10個セット(2780円)蛍光チョークは、発色がとてもよく遠くからでも見やすいです。ところが、学校の備品としては普通のチョークしかなく、前から欲しいと思っていました。10セットまとめ買いしたので、ほしそうな先生に譲ってあげようと思っています。(^^) ここまで読んでいただいてありがとうございます。 応援していただける方は、ぜひクリックをお願いします。↓ ブログ王ランキング
2011.04.03
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3月10日の日記で「魔法の3冊セット」として紹介した岡田淳さんの児童書ですが、今日はその中の1冊をあらためて紹介したいと思います。小学校中学年ぐらいから大人まで、非常に楽しく読めます。そして、「人に勝つこと」「1番を目指すこと」について全く逆の見方をしてみることのおもしろさに気づきます。『びりっかすの神さま』(岡田淳、700円)以下、作中から3か所引用します。まずは、物語冒頭の母の言葉と、中盤の母のひと言。==============================・母「そんなことでは ひとには勝てん、 お父さんの口ぐせだったわ。 でも、人に負けないように仕事をするって、 そんなにいいことだったのかしら」・母「おともだちができるって、いいことね。 一番になるためにがんばるよりも、ずっと いいことだわ、きっと」==============================この、「おともだちができる」にいたるまでに非常に痛快な、びっくりするような友だちの増え方が描かれるのですが、それは本書を読んでみて下さい。最後に、主人公が「がんばる」にも2種類あることに気づくところから。==============================・あのとき、みゆきたちが、がんばれといってくれた。 先生にいわれたときとちがって、きょうのがんばれは、いやじゃなかった。 どうしてかな、と始(はじめ)は思った。==============================「がんばること」について考えさせられたシーンです。作者の岡田先生は実際に西宮市で小学校の先生をされていたそうで、学校のシーンは非常に生き生きと描かれ、ひきこまれます。「がんばること」「1番になること」にこだわっているときに、読んでみたい本です。 ここまで読んでいただいてありがとうございます。 応援していただける方は、ぜひクリックをお願いします。↓ ブログ王ランキング
2011.03.23
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2月4日(金)に、京都の立命館小学校に行ってきました。今日はその研修報告を書きます。見学の一番のお目当ては「英語」でした。これは僕の目論見が当たり、大収穫。僕らの実践のはるか先の具体的な姿を目の当たりにできました。「子どもたちが心から楽しんでいる姿」、「これなら楽しいな!」と納得できる授業が見られました。行ってよかったです。公立校とは条件面・環境面で違うところもありますが、違っているからこそ学べるところや刺激になるところも多いです。そのまま取り入れるのではなく、自分の学校の実態に合わせてアレンジして取り入れたいです。以下、具体的な場面ごとに書きます。 ◆ 朝のモジュール学習9:20~35の間に、2教科の内容をテンポよく行っていました。担当教師が交代で教室に入ります。「脳の活性化と集中力を高めるための学習」と銘打っていました。圧巻は「英語」。電子黒板を使ってALTが言った英単語を即座に学級全員でくりかえす。内容が次々変わり、単語からフレーズへ。チャンツや歌になると、ALTと同時に児童が発音する。英語の文字と特徴的な絵が表示されているのがカギであり、勤務校でも「英語の文字と特徴的な絵」という視覚提示については行っていければ有効だろうなと感じました。また、とにかくテンポがいい。スピード感がある。1日の最初、授業の最初に、このようなテンポのいい導入、スピード感のある活動は大変効果的だと感じました。ほかは、漢字や計算などの基礎的な問題を大量に解くものが主でした。「はじめ」までの雰囲気が違う!シーンとなって集中しています。教師の合図も、緊張感を持って「Go」などと言っていて、かなりこの学習を大事にしていることがわかります。すべて時間を測っています。問題の縦列を終わった時点で児童が「ハイ」と言い、教師が「○分○秒」と教える。それを児童は記録する。そして次の縦列にかかる。教室によっては、教師はいちいち時間を答えず、代わりに大型タイマーを前面に表示させているところもありました。児童はそれを見て自分のかかった時間を記録する。DSを使用していた教室もありました。僕も「百ます計算」の実践をしていたときには同じようなことをしていたことがあります。でも、誰もが真剣に集中している姿には正直、驚きました。「基礎学力の向上」をめざすなら、難易度はかなり簡単なものであってもいいので、このように大量の問題を解くスピードを測り、記録することは有用ではと思います。ただ、より多様な子どもが学ぶ公立学校では低学力の子どもが劣等感を感じないような配慮はさらに必要になるでしょう。その点を検討したうえで、「繰り返し学習」の一つの参考事例としたいです。具体的な授業については、また次回。 (^0^)いつも読んでくださって、感謝します! ブログを応援してくださる方はクリックしてください!(^^;) ブログ王ランキング
2011.02.15
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大雪警報解除。子どもたちは雪合戦ができて大喜び。そんな非日常な1日のスタートから、2時間目に突然の「地震です」の訓練放送。そして追悼集会。メインの時間をもらって、前任校でなくなった8人の児童の話をしました。ノートパソコンからスライドを映し出しながら話しました。このスライドは当日の直前まで内容を編集し続けたものです。話をする前に、「留意点」についてメモしていました。「目力(めぢから)」「伝えたい気持ちを大事に」「最初の5分でつかむ!」「伝えたい相手=子どもたちを見る」など。でも、できたことは少なかったように思います。話し始めのエネルギーが、高いところから始められなかった。役者が、初めてもらった台本を読むときのような、話す内容がしっくり自分のものになっていない感じがしました。自分が直接経験していなかったことを話した、ということもありますが。(僕は震災の時は広島にいました。 震災の話の多くは、前任校の芦屋の小学校で学ばせていただいたものです。)直前まであわてていました。PCのセッティングがうまくいかなくて、あちこちを行ったり来たり。直前に暗幕を引いて、事前準備は時間ギリギリ。あわただしくバタバタしてしまい、「準備万端」で落ち着いて臨めませんでした。家での準備も足りなかったと思います。でも、一番決定的なのは、全校生など、大勢の前に立ってしっかり伝えようとする経験が少なかったことかな。それでも本気で伝えたかったなら伝わっただろうけど、今回は落ち着かない気持ちのまま、エネルギーが低空飛行していた気がします。自分なりに精いっぱい話しましたが。もちろん、この経験は次に生きます。1回で完璧にいくわけはない。プレゼンのテク的には、収穫もありました。ワイヤレスマウスを使って、立ったままパワーポイントを進めることができることがわかりました。このテクは自分で気がついたものです。PCから離れて立ってクリックするやり方は、普通にやろうとすると専用のものを買わないといけない。これが1万円ぐらいするらしい。高い。ところがワイヤレスマウスだと安い。ホイール付きワイヤレスマウスなら、ホイールを回すと進みすぎたスライドを元に戻していくことも可能です。僕も当日やってみて気づきました。これはけっこう便利。プレゼンではプレゼン相手の方を見ながら話すのが鉄則です。(学校の授業ではプレゼンとは言いませんが・・・。) 相手の方を見ながら話すには、余裕をもっておかないといけない。デジタル機器を活用するなら、その扱いにも慣れないといけない。 今日のような経験を積み上げながら、余裕を身に着けていきたい、と思いました。 放課後、さっそく、あるクラスの今日の感想を読ませてもらいました。思ったより子どもたちには伝わっていたようで、ほっ。 また次の機会もがんばります。 ここまで読んでいただいてありがとうございます。 応援していただける方は、ぜひクリックをお願いします。↓ ブログ王ランキング
2011.01.17
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昨日、11月27日土曜日は勤務校の音楽会でした。僕は会場の出入り口にいました。そこにいても、暗幕の向こう側から、とてもきれいな声がひびいてきて、感動しました。泣きそうになりました。後から来られて、演奏中の入場をお待ちいただいている保護者の方々にも、「とても上手に歌います。 どうぞそこからでも聴いてあげてください」とお声掛けしました。どの学年も、みんなの気持ちがひとつになってすばらしい演奏でした。高学年の合奏は、リズムがバシッバシッとそろっていました。ここに至るまでの、みんなの努力、先生方の苦労が見えるからこそ、また一段と感動したのかもしれません。どの演奏も素晴らしかったですが、個人的に「いい曲だなあ」と思ったのは、「ありがとう」の合奏でした。▼「ありがとう/いきものがかり」■通常盤■いきものがかり CD【ありがとう】10/5/5発売(ありがとう価格 555円です。(^^))合奏アレンジの楽譜は、おそらく吹奏楽用の楽譜を音楽の先生が再アレンジされたもの。いろんな楽器の見せ場がうまく配置された曲の構成。バシッとそろうところが見事に決まる、一体感。そろった後は、全員で休符で休む、というメリハリ。低音パートのメロディーからサビに向かうところは鳥肌ものでした。楽譜借りて、打ち込もうかな。 (^0^)いつも読んでくださって、感謝します! ブログを応援してくださる方はクリックしてください!(^^;) ブログ王ランキング
2010.11.28
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以前から続いている野口先生の本の読書メモ、そろそろ終わりが見えてきました。 『教師の作法 指導』(野口芳宏、さくら社、2009/12、1700円)より========================『教師の作法 指導』読書メモ8 (p98~) (・は本の内容、#の緑文字は僕のコメントです。)「評価的に聞く」 ・どうしてこの子どもはこんな発言をするのか。 教師にとってはこの「なぜか」が極めて重要。#これが分からずに指導して、失敗したことが山のようにあります。 人間誰しもそうですが、言葉で言わない裏側があるのです。 察すること、推測すること、それでも分からなければ尋ねること。 安易な指導は、しないほうがましです。(>。<) ところが、問題行動をよく起こす子どもの場合は、 意図的に相手にしない、とりあげない、ということもあります。 それが功を奏す場合も多いです。 この場合も、本当に子どものことが見れていないと失敗します。 「いつもと同じで~~だろう」という決めつけではなく、 そのときのその子をじっと観察し、 そのときの「なぜか」を考えなくてはいけません。 う~ん、これが難しいのです。毎日が修行です。「声に出して読む」・教材の理解は音読で分かる ○教科書を上手に音読できるよう指導することは、 とても効果的な学力形成になる。 (指導例) 1 「下手ですね。それではまるでダメです」 2 「でも、すぐに、きっと上手になります」 3 「そのためには・・・・・・」 板書「口を大きくひらいて読む。テンでは休む。マルでは止まる」 4 教師自身が範読 5 練習を4・5回繰り返す・音読の指導で 教科書の文章は鮮やかなドラマに変わる・昔の国語の授業では、朗読や「音読」が基本だった。 「自分の思考を書く」・見出しをつける・書くという行為は 自分自身の頭を整理する行為 ・ラベリング: より分かりやすくするためのタイトル(キーワード)をつける ・ブランチング: タイトルをさらに具体的な細かい項目に砕いていく ・オーダリング: 何を中心に据え、どんな順序で書くべきかを決める ・ナンバリング: 全体構造を意識して、番号を付け 順序を整理しつつ書く・構造的思考を促す板書を ノートに写し取らせるだけで、 自然に子どもの思考力が鍛えられる・教師のメモ→自分の指導方法を毎日冷静に見直す 「発達を待つ」 子どもの側に受け入れる準備ができた時、 初めて指導は効果を発揮する「向上心を支える」・教師は子どもを支え、社会との間をつなぐサポーター。 無条件で包み込む親の愛とは異なり、 より高い次元へ子どもを教え、導く案内役。「指導を楽しむ」 あなたの存在そのものが生きた教科書・少し考えてみてください。 小さな頃に「凄い」と思った大人たちのことを。========================これで本書の読書メモを終わります。大事なことがコンパクトにまとめられている本でした。多くの先生方に自信を持ってオススメできる本です。楽天での取り扱いはないようですが、 大型書店には置いてあると思います。Amazonや出版元からネットで買うこともできます。今回読書メモをブログにまとめてみて、反省させられることが山のようにありました。時折、読み返したいと思います。ブログは読み返したい時に記事を「検索」して読み返せるので便利です。 次回はまた別の本を扱います。 それでは、また! ↓(^0^)いつも読んでくださって、感謝します! ブログを応援してくださる方はクリックしていただけますか?(^^;) ブログ王ランキング
2010.10.24
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今日、下校指導をしていたら、子どもが自転車に乗ってカメを探していました。家のカメが逃げたので探していたらしいです。あの後、見つかったのでしょうか。・・・と、いうところで、今日も『指導』についての読書メモ、いってみよう!『教師の作法 指導』(野口芳宏、さくら社、2009/12、1700円)より========================『教師の作法 指導』読書メモ5 (p72~75「学習ルールをしつける」から)(・は本の内容、#の緑文字は僕のコメントです。)●学習ルールをしつける ・正しい姿勢をしつける 「立腰教育」#あまりに姿勢の悪い子が多いので、 姿勢に対して、「OK」を出す基準が甘くなっている気がします。 「腰骨を立てる」 自分の姿勢も、これを忘れている時があります。 正しい姿勢はすべての基本。 忘れている時はあるので、思い出させる指導・工夫が大事ですね。 ・先生や発言者が話している時は、必ず口をつぐませる ★他の子どもの学習を妨害するわがままな行為 厳しく戒める。#これも、甘くなっていました。 今日もずいぶん注意しましたが、 こちらの意識が甘くなっている。 反省です。(>。<;) ・話を聞く時は相手の目を見る ・人の心は視線の向く先にある ・挙手はまっすぐ ★「例外を認めない」という態度は重要#本書p74での記述です。 ただ、正確には、「例外を認めない」ことが重要なのではなく、 『「例外を認めない」という態度が重要』 というのが、僕としては大事だと思います。 教師の態度で、子どもの出方は驚くほど変わります。 一方で、特別支援上の合理的配慮、個別の配慮事項などにより、 「例外に思える対応」は生じます。 大事なことは、このへんのバランスです。 「例外を認めない一貫した態度」は重要。 なので、個々の子どもたちに合った指導というものも、 「例外ではなく、”必要”があって、行っている」と これもまた子どもたちに感じさせることが大事だと思っています。 教師の指導には、すべて「理由」「必要性」があるのです。 そこのところは、子どもたちと共有しないと、いけませんね。★大切なのは、一見些細に見える事柄 「小事は大事」 ○正しい姿勢や人の話を聞く態度などは、 誰の目にも見える、きわめて大切な「小事」 ◎自分の力を高めるだけでなく、 周囲に配慮する公の精神を育む大事でもある(p75まで (「学習ルールをしつける」より))========================このあいだと今回と、かなり大事なことが書いてある個所だったので、一項目だけの参照となりました。特に、今回の「学習ルールをしつける」は、実際の授業における子どもたちの態度や自分の態度に揺らぎを感じていたところだっただけに、反省することが多かったです。次回は「予想外の出来事に対応する」からです。では、また! ↓(^0^)いつも読んでくださって、感謝します! ブログを応援してくださる方はクリックいただければ、うれしいです。(^^;) ブログ王ランキング
2010.10.18
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10月21日に、研究授業があります。3年生の算数「あまりのあるわり算」TTによる指導で、僕はT2として入ります。その指導案検討を今週ほぼ毎日やっていました。指導案はほぼ固まっているところですが、もう一度「指導」とはどういうことか、確認しておきたいと思います。そういうわけで、そのものずばりのこの本。『教師の作法 指導』(野口芳宏、さくら社、2009/12、1700円)書かれたのは野口芳宏先生です。実践授業の名人といわれる野口芳宏先生、有田和正先生、向山洋一先生の著書はどれも大変読みやすく分かりやすい。名言、至言がいたるところにちりばめられ、例として挙げられる事例は具体的です。研究授業の前など、折に触れて読み返すことでまた新たな気づきが得られます。========================『教師の作法 指導』読書メモ1 (目次~p25まで)(・は本の内容、#の緑文字は僕のコメントです。)・学力を形成するのが「授業」、 目標へ導くのが「指導」、 人格を育てるのが「教育」 →概念のレベルから言うと 「授業<指導<教育」・授業は、それを行うことによって 確実に子どもの「学力」が向上していくのなければ、意味がない。・ 達成したか否かが明確に分かる。それが指導目標。・学ぶ楽しさを教える:指導に置ける究極の目標。#究極の、と言われるだけあって、 なかなかここまでいけません。 いつもこれを目指してはいるのですが。 しかも、「達成したか否かが明確に分かる」ように 具体的な子どもの姿に落とし込んでいかないといけませんよね。 これがなかなか難しくて、 授業の際には恥ずかしながら そこまで具体的に考えようとすること自体が けっこう抜け落ちていたり・・・。・「下手な人ほどうまくなるものだよ」・「向上心の大切さ」・変わり続ける教師の姿が子どもを変える・そこに至る努力の過程に意味がある・理想を求めて日々変わっていこうとする意志と行動、 そこからもたらされる自分自身の向上的変容。 その過程自体を楽しむ。・生きるヒントやエネルギーを注ぎ続けていくこと。・「向上的変容」 よりよい状態を目指し常に変わり続けること。 ただし内面的な「変化」だけではなく、 それは外からも分かる「変容」であるべきだ。#「向上的変容」は野口先生の講演で たびたびお聴きしたキーフレーズです。 1時間の授業を行った分の「向上的変容」が 子どもたちにあったのかどうか、 自分の実践を省みて反省することしきりです。・評価的に聞く: 言葉面だけをとらえるのではなく、 その裏側にあるものを心の耳で聞き取る・上手な音読は、文章内容をしっかり把握している証拠・指導を楽しむ:あなたの存在そのものが生きた教科書(p25まで)========================本を読んだことが、実践に生かせるか。一番大事な部分だと思います。結果として生かせなくとも、せめて「生かせるように」努めたいと思います。この本の読書メモ、また次回に続きます。 ↓(^0^)いつも読んでくださって、感謝します! ブログを応援してくださる方はクリックいただければ、うれしいです。(^^;) ブログ王ランキング
2010.10.09
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ここ4年間、ずっと特別支援学級担任だったので運動会は個別の支援を考え、実行することが中心でした。今年は、ひさびさに全体にかかわっています。今日は運動会の予行でしたが、忙しかったです。そして、その分、けっこう充実していました。1・2年生のダンスでは、中心に駆けていってシンボルを掲げたり、2年生の玉入れでは、大太鼓をたたいたり・・・。組体操、欠席の子の代わりにいきなり入って、何の技を今からするのか全然わからず、ペアの子にその場で聞いていたりしました。組体操に参加するのは、かなり久しぶり。子どもに混じってピラミッドの土台になるのは非常に楽しかったです。(^^)予行の反省会議が終わった後からは、かけっこのスターターピストルを鳴らす役割もまわってきました。本番はさらに忙しくいろいろやることになりそうです。 やっぱり運動会は、楽しいですね。 ↓(^0^)いつも読んでくださって、感謝します! ブログを応援してくださる方はクリックいただければ、うれしいです。(^^;) ブログ王ランキング
2010.09.16
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今日は夏休みの「水泳教室」最終日。基本的に25m泳げなかった子たちを呼んで実施しています。4年生では、最初の日に記録をとり、15mまでだった子のグループと15~25mの子のグループの2つに分けて、指導を続けてきました。この「水泳教室」は3日間しかおこなっていないのですが、約40人の子どもたちを5人の先生で丁寧に教えた甲斐があってか、25m泳げなかった子が、どんどん泳げるようになっていきました。25m泳げたら、ターンして50mをめざせ!というように、目標を達成してもすぐに、さらに次!その次!と、どんどん記録を伸ばすよう指導者みんなで励ましていきました。そして今日は最後の計測。約50分の練習時間の後、みんなの前で泳いだときになんと180mも泳ぐ子が!さらにその後、200mを越える子もあらわれ、それに触発される子どもたち!ついには、180mも泳いだのに記録を抜かれた子が最後にどうしても泳ぐと言い張り、さらに記録を抜き返しました。う~む、こういうことが、あるんですね・・・。「記録」をこまめにとり、目標を明確にしながらお互いに切磋琢磨し、みんなでがんばった水泳教室。自分も、ここから多くのことを学ぶことができました。僕はあまり指導らしい指導はしていませんが、主指導をされた先生は非常にポイントをおさえた指導で子どもたちはどんどん自信をつけていきました。たとえば、クロールでの息継ぎの指導ではいきなり息継ぎをさせるのではなくビート板を使った横向き泳ぎ、上向き泳ぎの練習。そして、途中でひっくり返って上向きになる泳ぎ方。最後に普通の泳ぎ方での息継ぎの練習を「脇の下をのぞく」「後ろで見ている子を見る!」というめあてでおこなう。なるほど、どうしても息継ぎが下手な子は前から頭を上げてしまうので、くるっと横に回転して一時的に背泳ぎみたいになるぐらいのイメージのほうが息継ぎのときに伸びた体を維持できていいみたいです。自分も泳ぎが下手で、特に息継ぎが下手だったので、半分「生徒役」みたいな感じでそういった説明を聞いていました。最後に「上手な息継ぎ」を子どもたちがどんどんするようになって「なるほど、こうすればいいのか!」と非常に感心しました。子どもが泳ぐときに先生が前に立って道を作ってやり泳ぎやすくするのも効果が大きかったです。みんなががんばっていると、自分もがんばろう、という気になりますね。4年生の水泳教室に参加した皆さん、みんな一人ひとりが本当に頑張りました。全員が自分の記録を更新しましたね。先生も元気をもらいました。ありがとう! ブログ王ランキング▲内容がお役に立ちましたら、ぜひ1クリックをお願いします。
2010.07.23
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今日は14時から「プレジデントファミリー」誌の電話取材を受けていました。この雑誌、僕は知らなかったのですが、大阪のSENSに行った帰りに駅の売店を見たら売ってあったので買ってみました。巻頭のニュースが、ちょっと目をひくニュース記事です。Webでも読めます。以下、転載。===========================ゲームのノウハウ満載。バンダイナムコ制作の小学校教科書子供たちをくぎ付けにする教科書が誕生か。大手ゲーム会社のバンダイナムコゲームス(以下バンダイナムコ)が、教科書出版の老舗・学校図書と手を組み、教科書制作に乗り出した。2011年度から使用される学校図書の小学校向け教科書28冊(理科、算数、国語)は、同社のゲーム作りのノウハウが盛り込まれたユニークな構成となっている。===========================「プレジデントファミリー」9月号では、こういったゲーム会社が作った教科書以外にも、「世界の教科書」「日本の昔の教科書」について記事にしてあり、なかなか興味深いです。中心テーマは「算数」で、算数のいろんな問題も載っています。(^^)ちなみに僕の受けた取材は11月号に反映されるそうです。どんな記事になるのか、楽しみです。 ブログ王ランキング ▲内容がお役に立ちましたら、ぜひ1クリックをお願いします。
2010.07.19
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「授業づくりネットワーク」の講座は、演劇ワークショップを取り入れていたり、楽しく、役に立つことがたくさん学べるオススメの教員向け講座です。夏休みに、京都で開催。僕は昨日申し込みました。今のところ一人で参加の予定なので、教員仲間の皆さん、よかったら一緒に参加しませんか?(^0^)以下、開催要項の転載です。詳細はホームページにてご確認ください。申し込みもできます。=============================授業づくりネットワーク2010in京都 教師力!「学びのしかけ」を創る 主催 NPO法人「授業づくりネットワーク」 後援 大阪府教育委員会(承認済) 京都府・奈良県・福井県・滋賀県・兵庫県・京都市 ・東大阪市・寝屋川市・大津市・東近江市・近江八幡市教育委員会(申請中) ■日程:2010年8月11日(水)~12日(木) ■会場:京都橘大学(児優館など) http://www.tachibana-u.ac.jp/ ■8月11日(水) 9:30~10:00 受付 10:00~ オープニング 10:30~12:00 体験型講座1「明日の教室に活きる授業づくり・学級づくり」 A:コミュニケーションを重視した国語授業づくり・学級づくり 講師:菊池省三(福岡・北九州市立貴船小学校) B:算数授業、オープンエンドアプローチで、どの子も授業に熱中する! 講師:古川光弘(兵庫・佐用町立上月小学校) C:子どもがわかる理科の教具活用術 講師:生源寺孝浩(京都橘大学) D:子どもが楽しくなる社会科のおもしろネタ 講師:河原和之(大阪・東大阪市立縄手中学校) E:学校から新しい風を!~ゲストとつくる総合のしかけあれこれ~ 講師:糸井登(立命館小学校) F:英語活動に役立つリズムと発音ー担任の先生のために 講師:梅本裕(京都橘大学) G:「お笑い」と「フォロー」で与えた安心感が子どもの力を引き出す! 講師:中村健一(山口・岩国市立平田小学校) H:子どものコミュニケーション力を引き出すワークショップ 講師:蓮行(「劇団衛星」代表) 13:30~15:00 体験型講座2「明日の教室に活きる授業づくり・学級づくり」 *体験型講座1と同じ内容 15:30~17:30 第4回Mini-1グランプリ2010 進行:土作彰(奈良・広陵町立広陵西小学校) 18:00~20:00 懇親会(クリスタルカフェ) *希望者のみ ■8月12日(木) 9:30~10:00 受付 10:00~11:30 講演・対話型インタビュー「教師のライフヒストリーから学ぶ~学校文化との出会いによる観と授業技術の変化~」 講師:小幡肇(奈良女子大学文学部附属小学校) 対話:森脇健夫(三重大学) 吉永紀子(福島大学) 進行:上條晴夫(東北福祉大学) 12:30~14:30 体験型講座「授業観を問う」 講師:野口芳宏(植草学園大学)「すがたをかえる大豆(光村・3下)-学力形成を保障するー」 西川純(上越教育大学)「何で『学び合い』?」 進行:石川晋(北海道・上士幌町立上士幌中学校) 15:00~16:40 模擬授業「オムニバス授業の提案」 講師:山田将由(神奈川・横浜市立六つ川台小学校) 対話:野口芳宏(植草学園大学) 西川純(上越教育大学) 進行:上條晴夫(東北福祉大学) 16:45~17:00 エンディング 発表!「授業づくりネットワーク2011in○○」 【参加費】 〈2日間〉 一般 8000円 会員 7000円 一般学生 4000円 会員学生 3000円 〈1日のみ〉 一般 5000円 会員 4000円 一般学生 3000円 会員学生 2000円 【懇親会費】 2500円(希望者のみ) *参加費、懇親会費は当日払いです。 *当日受付も行いますが、希望する講座に参加できない場合もあります。(各講座の定員30名前後) *各講座の詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/ =============================ちなみに僕のお目当ては、久しぶりにお目にかかる佐用の古川光弘先生、演劇ワークショップをされる、劇団「衛星」の蓮行さん。2日目は「学び合い」の西川純先生、個人的にちょっとファンかもしれない(笑い)野口芳宏先生です。1日目の講座は他にも受けてみたいものがあるのですが、2つまでなので、残念。西川純先生の「学び合い」の本は、今2冊読みかけです。セミナーまでに読み終えられるかな・・・。 ブログ王ランキング(^0^) ↑ 内容がお役に立ちましたら、1クリック、お願いします。
2010.07.12
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忙しい。かなり忙しいです。でも、昨日読み返した『生きがいの教室』の中の記述、・いかなる状況にあっても幸福を実感できるように・「自分の人生を生ききること」に徹するということを大事に、忙しいことに感謝したいと思います。では、今日は「小学校の試み」のところを具体的に引用します。『生きがいの教室 ~人生の意味を問う「生きがい教育」のすすめ』 (飯田史彦、PHP研究所、2004、1400円)==============================『生きがいの教室』読書メモ3 (p217~)(福島県 大室圭次郎先生より)・子供たちに対する気持ちや見方の変化・生きがい論を知る前まで、 あまり良い印象を持っていなかった子供ほど、 「自分よりもよほど魂のレベルの高い方で、 これほど困難な人生計画を立てていらっしゃる、 すばらしい方なのだ」という、 180度違った見方になりました。・自分の方が、「子供たちから貴重な学びをさせていただいている」・自分が担任した子供たちは、(略) いわゆるソウルメイトなのだという認識に立つことができてからは、 自然に子供たちへの愛情や感謝の気持ちがわいてくるようになりました。(『親子で語る人生論』の中で) ・この本の中のお父さんは、 「死にたくなるほど人生について悩むということは、 大切なことだ」と言って、喜んだ。 (参考リンク「・「親子で語る人生論」(飯田史彦著 PHP研究所)を授業する」)(p276 まで)==============================『親子で語る人生論』、楽天では売り切れですが、この本を読んで、読みたくなりました。出版社サイトに詳細が載っていました。『親子で語る人生論』(リンク先:PHP研究所 書籍紹介)============================親に聞きたくても、聞けなかったこと。子に伝えたくても、伝えられなかったこと。数々のベストセラーを送り出した著者が画期的手法で世に問う、時代を変える人生論。 ============================出版社サイトでも売り切れ表示だったので手に入りにくいかもしれませんが、手を尽くせば、手に入るかな?さて、いよいよ次回、最後の「あとがき」のところを引用して、この本の読書メモは終えたいと思います。それでは、また次回! ブログ王ランキング ▲応援のクリックをお願いします。ブログ継続の力となります。
2010.06.09
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この本に書いてあることが、今の教育には必要だと思います。 『子どもが輝く「魔法の掃除」~自問清掃のヒミツ』(平田治、三五館、2005、1400円)今日は、第7章「『道徳』で深める」から、最後までを部分引用・紹介します。===========================『子どもが輝く「魔法の掃除」~自問清掃のヒミツ』 読書メモ5(p157~ #の緑文字は僕のコメントです。)・道徳の授業で、 子どもが書いた掃除についての作文を、主な資料として考え合い、 各自考えたことを、その日の清掃活動の中で試してまた振り返る。・皆さんが働くのは、 皆さん1人1人が、よい人間に高まるためという意味の方が 本当なのです。・もっと言えば、これからは、学校はそれほどきれいにならなくていいから、 よい人間になるための時間なのだ、と考え直すことにします。#このへん、「逆転発想」の部分です。 つまり、学校がきれいになることを目指すのか、 心の成長を目指すのか、ということです。 学校教育はその全時間をかけて、 子どもたちの成長を目指しています。 もちろん、掃除の時間も例外ではありません。 私たちは、その目的を、もっと意識していいかもしれません。・「清掃時間」と呼ばないで、「成長の時間」と呼びたい。#韻を踏んでいて(?)いい感じです。 思わず言いたくなるフレーズです。(^。^)・そういう掃除をしている学校では、今、「自問の時間」と呼んでいます。 それは「よい人間になれるかな」と、自分で自分に質問する、 つまり自問しながら働くからです。・子どもに掃除の義務はあるのか?・いちばん「頭を切りかえてもらう」のは、教師です。・分担があるからといって、分担された仕事しかしないようになったら 最低です。・分担は入り口ではあるが、出口ではない。・その子が自分で決めればいい。 ・ゆったりと構え、相手のレベルに完全に合わせます。 同調、共鳴というほうが当たっているかもしれません。・身近にいる友だちを目標にすることです。・ごく身近にいる、 自分より少しだけ先を行っている友だちを目標に頑張ります。#子どもたちに望んでいることは、 そのまま、教師が教職員の中で自ら望んでいる行動につながります。 様々な分野で、目標にしたい先生方がおられます。 お互いがお互いを目標に、取組を続けている教職員集団って、 すてきです。 子どもたちも、教職員も、そういう集団になっていきたい。 福島正伸さんが言うところの「相互支援社会」という意味と、 同じだと思います。 僕は、そういう考え方に賛同し、それを目指していきたいと考えています。 まだまだ実践ができていないところですが・・・。・今こそ、「自問」の心が求められています。 「自問」、それは「自ら問う」こと。・物事を前のほうへと進める「心のアクセル」です。・自分をコントロールする「心のブレーキ」です。・自分が自分を正しく操縦できる 「心のハンドル」 「心のナビゲーション・システム」です。・「自問」、それは、自己の生き方を問うこと。 自問教育は、21世紀の人間教育です。#この、最後の方の部分、 まとめとして、非常にシンプルに、 象徴的に表現されているなあと感じます。 子どもの成長と、自分の成長を信じて、 「生き方を問う」ということを、やっていきたいです。=========================== これで、『子どもが輝く「魔法の掃除」~自問清掃のヒミツ』の読書メモを終わります。読後に、行動意欲を奮い起こされる、心に残る本でした。↓続編のこの本も、読んでみたいです。『「魔法の掃除」13カ月~「Iメッセージ」を語れる教師』(平田治、三五館、2007、1400円) ブログ王ランキング ▲応援のクリックをお願いします。ブログ継続の力となります。
2010.05.30
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さきほど、PCを再起動したら、デスクトップからアイコンが消えて真っ黒な画面に・・・!「システムの復元」を実行し、長時間待った挙句、何とか復元できました。元に戻ってよかった!そういうわけで、昨日の続きを無事に書き込むことができます。ありがたいことです。(^^)『子どもが輝く「魔法の掃除」~自問清掃のヒミツ』(平田治、三五館、2005、1400円)===========================『子どもが輝く「魔法の掃除」~自問清掃のヒミツ』 読書メモ4(第5章「魔法の『水をやる』」および第6章「『出た芽』を育てる」より。 #の緑文字は僕のコメントです。)(5章「魔法の『水をやる』」)・ただ闇雲に信じて待っているだけでは、自発性は引き出されません。・よい種を蒔かずに、そして水もやらないまま、 ただ待っていても芽は出ません。・水が沁み込んで膨らんで、芽が出そうになるまで毎日水をやり、 目を離さないことです。 水加減が大切なのです。#そのときどきだけでなく、長期的視野に立って、 水やり(声かけ)を継続しながら待ち続ける、 ということが、必要なんですね。 「毎日の水やり」 簡単そうですが、これが僕にはなかなか難しいのです。(>。<;)↓「水をやる」ことの具体例・神さまからもらった「3つの玉」の話・「狼から育てられた子」の話#話の詳細は割愛します。 (6章「『出た芽』を育てる」)・子ども同士も指示・命令・注意し合わないように。・「信じて待つ」ことが、「自問清掃」の核心。・感動が口を衝いて出た言葉は、 相手が主語であるYOUメッセージではなく、 自分が主語であるIメッセージになっている。・Iメッセージこそ、人の心を動かす力を持っている。・ほめようとせずに感動を伝えよう。#なるほど。 たしかに、すぐ「あなたはえらい」とか「あかん」とか 言ってしまう、自分がいます。 ほめることよりも、自分の感動を伝える。 そのためにも、 「思わずIメッセージが口を衝いて出たか」という検証をする。 おもしろい視点です。意識してみます。 ・心身障害児の療育でよく言われるように、 「叱らないけれど、決して譲らない」#僕も障害児教育に数年間関わってきましたので、 この言い方は、大変腑に落ちるところです。 「叱らない」ということを自分としての、教師のポリシーとするなら、 この「叱らないけれど、決して譲らない」は、 大きな、教師としての行動哲学になります。 自分としては、割と意識してそうするようにしているのですが・・・。・やたらに感情的に叱らないけれど、 必ず成長する可能性があるのだという確信があるからこそ、 譲らないのです。 信じて待っているのです。・「比べる」ことはしない。・「比べないけれど学び合おう」とする時間。#「学び合い」も、教師として意識して勉強していこうとしている キーワードです。 授業時間だけでなく、掃除の時間にも、 「学び合い」の視点が持ち込めるんですね。 いえ、本書によれば、掃除だからこそ、最も「学び合い」が成立しやすいと 言えるのかもしれません。・日記や作文を紹介したり、 「道徳」の授業でじっくりと読み深めたりして、 子ども同士の関係をつないでいきます。 比べないけれど関係をつなぐ。・作業という労働行為を通して認識に至る、 儒教的意味を超越した知行合一の人間像を形成したということは、 世の授業論の到達点をはるかに超えている。#上の記述、難しかったです。 調べてみると、知行合一(ちこうごういつ)というのは、 「知っていることと行動が一致している」といったことを 表しているようです。(以上、p156まで)=========================== 次回は、第7章「『道徳』で深める」を参照します。それでは、また! ブログ王ランキング ▲よければ1クリックお願いします。ブログ継続の力となります。
2010.05.29
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