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3月9日土曜日。昨日の卒業式で3年間慈しんだ子どもたちを送り出し、愛着と惜別の念で感情をゆすぶられて夜、あまり眠れなかった。おかげで今朝は睡眠不足で気分がイマイチだった。ノロノロ起きてぼんやり掃除した。コーヒーを呑んでひと眠りしてやっと平常心を取り戻した。ヤレヤレだ。午後は八千代市民会館までコンサートに出かけた。習志野文化ホールが閉鎖して以来、いつもアウエーのホールまでコンサートに行く羽目になり、不便だ。今日は晴れたけど北風がメチャクチャ冷たくて辛かった。勝田台から日本一運賃が高いと噂がある東葉高速鉄道に初めて乗って八千代中央まで行き、そこからは歩いた。 東葉高速鉄道 八千代市民会館 外観 今日のプログラムは以下の3曲、交響曲を二つ入れた意欲的なプログラミングである。 ワーグナー作曲 ローエングリン第3幕への前奏曲 メンデルスゾーン作曲 交響曲第5番 宗教改革 シベリウス作曲 交響曲第2番 習志野シティフィルハーモニック団員はみんな社会人で仕事のかたわら音楽を続けてきた皆さんで日本を背負う世代の人たちである。どの曲も立派でよく仕上がっていた。特にシベリウスの交響曲は素晴らしかった。モティーフの断片がまるでモザイクのように各パートに散らばる曲で演奏するのもまとめるのもとても難しいと思う。更に嬉しいことがあった。SNSではよく知っているSさんとリアルで会ったことだ。彼は大きな手術後のリハビリ中で不自由な体をおして横浜から八千代市まで演奏を聴きにきてくれたのだ。懸命に闘病に立ち向かっている彼の姿勢には感心している。早く完治して職場復帰できることを心から願っている。 嬉しい再会
2024年03月09日
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2月23日金曜日、天皇誕生日。メチャクチャ寒い日だった。朝からみぞれ交じりの冷たい雨が降り続いて洗濯物は外にだせないし、陰鬱な気分になるしで士気が上がらず気持ちも弾まなかった。しかし午後はちば室内管弦楽団第56回演奏会が予定されていたので、雨の中、千葉市民会館まで出かけた。こんな年になると演奏会場が遠いとまずそこに行くまでが第一の核心だ。やっと千葉市民会館に到着したら、会場の大ホールはもう沢山の人が席を埋めていた。こんな悪天の日にこんなに人が集まるなんて不思議な気すらした。 雨に煙る千葉市民会館本日のプログラムはオールドボルザークだった。それも超有名な名曲ばかりでスラブ舞曲、交響曲第8番、休憩をはさんで交響曲第9番「新世界」というすごいプログラミングだった。更にアンコールにスラブ舞曲が2曲!!。こんなある意味、楽団員の体力の消耗を考慮しないプログラミングはアマチュアだからできることなのだろう。または指揮者のひとりよがりかも。演奏はイキイキしてとても良かった。どれも立派な演奏だったが私は交響曲第8番に思い入れが深かった。 ちば室内管弦楽団 指揮者 高橋利幸演奏終了後、沢山の知人と再会して話が弾んだ。この楽団のスタートは40年ほど前に習志野第一中学校管弦楽部の生徒や卒業生がメンバーで出発しているのでその関係者が相当数聴きに来ていたのだ。(私は今も再びその第一中学校に音楽の教員としてではなく相談員として勤務している)数十年ぶりの再会だった人もいてとっても感激した。みんな50歳台になっていたし、その当時保護者だったお母さんが亡くなられたという話も聞いて、しみじみと時の流れを感じさせられた。演奏会も良かったけど懐かしい皆さんと再会できたことが最高の喜びだった。毎日楽しいことばかりでもないけど、生きているとこんな喜びの日も訪れる。元気で生きてなくちゃと思いつつ、再び雨に打たれて帰宅した。
2024年02月23日
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2月10日土曜日。世界のクラシック音楽界に大きな足跡を残し「世界のオザワ」と呼ばれた小澤征爾(おざわ・せいじ)さんが6日、心不全のため東京都の自宅で死去した。88歳。旧満州(現中国東北部)出身。このニュースが駆け巡り、メディアのあちこちで取り上げられていた。私はやはりという思いだった。と言うのは先日、テレビの音楽番組で最後に車いすに乗った小沢さんが登場してきたが、全く元気がなく、相手と視線も合わず、どうしてこの場に出してきたのか、気の毒にと言う感じがしていて、相当体調が悪いと思っていたからだ。小沢征爾は若い時から憧れの青年だった。スクーターに乗ってヨーロッパに渡ってブザンソン指揮者コンクールで入賞してセンセーションを巻き起こしてデビュー、しかしその後日本のNHK交響楽団とうまくゆかず、日本を飛び出してしまう。その後カラヤンやバーンスタインなど巨匠の下で更に修行を積み、ボストン交響楽団の指揮者を長く勤め、名実ともに世界のオザワになっていく。日本の古い体質の音楽界にはなじまなかったが世界はその才能を認めた訳だ。長野県松本市でサイトウ記念フェスティバルを行って、松本を岳都とともに楽都とした。登山で松本を訪れるたびにオザワのことを思い出さない日はなかった。日本の誇る指揮者が逝ってしまい、寂しい限りだ。 世界のオザワ
2024年02月10日
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12月8日金曜日。風邪の症状が悪化し、一日中ベッドの中でぼんやりしていた。次第に夕刻が迫ってくる。実はこの日の夜、友人の松本ゆり子さんが出演するコンサートが近くのホールであって、招待券を頂いていたのだ。コンサートには行きたいけど、風邪も治らないという状況なので一旦は諦めていたが、考え直した。コンサートの中身は2時間、往復に30分を要しても3時間以内ではないか。うっとうしい気分を室内楽を聴いて吹き飛ばせたらとも考え、防寒を完璧にして家を出た。会場のプラッツ習志野市民ホールは我が家から徒歩15分以内にあり、開始時間寸前に到着したホールは既に八割方の席が埋まっていた。プログラムは室内楽の演奏で ★バッハ 3声のインヴェンションより第12番 ★モーツアルト ディヴェルティメント第2番 ★ハイドン 弦楽四重奏 変ロ長調作品76-4 「日の出」 ★ベートーベン 七重奏曲 変ホ長調 作品20 演奏する皆さんは音大を卒業し、オーケストラ団員として活躍する人が主で、習志野市となんらかの繋がりをもつ人がほとんどだった。一中や五中出身者も二人いたし、多くが習志野市在住だった。プログラムにあるように要するに「おらがむらのオーケストラ」なのである。演奏はとても立派で見事だった。バイオリンの山岸 努さん、チェロの松本ゆり子こさん、クラリネットの横川晴児さんは特に素晴らしかった。風邪の体で参加し、咳がでないようすごく気を使いながら聴いたが、室内楽の穏やかでほどよい音響で気持ちが落ち着き、寛いで聴けた。生の音楽はやはり心を潤してくれる。
2023年12月09日
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11月23日木曜日。勤労感謝の日。朝から温かく穏やかな勤労感謝の日だった。体調はイマイチで気分は晴れなかったものの仕事は進んだ。12月に発表する講話の資料つくりをし、更に庭の片付けけもした。12月になると木枯らしも吹くようになるとさすがにこの辺りも寒くなる。寒風に吹かれて庭の片付けをするのはシニアには辛いので、温かい11月の小春日和の日にやっておくのが得策なのだ。夕方6時半からはブルースリュー第4回演奏会に招かれていたので、プラッツ習志野に出かけた。このコンサートはプロのフルーテスト12人によるフルートアンサンブルである 青S龍と書いてブルースリューと読ませている普通のフルート以外に、あまり見慣れないバスフルートやソプラノフルートなどもあって貴重だった。演奏形態も合奏、重奏、独奏と変化があって面白く、全員女性でコスチュームも華やかなのでステージ映えしていた。曲目はデュポアのフルート四重奏、ヴェルディの「運命の力」序曲、バッハの「トッカータとフーガ」など全9曲が演奏された。 ブルースリューの演奏家の皆さん プラッツ習志野ホール入口オリジナルがフルートの曲もあったが、アンサンブル用に名曲を編曲したものが多かった。美しいフルートのとろけるような音色を聴いて身も心も緩んだ。最後になると眠っていたりもして最高に寛ぎ、癒しになった。
2023年11月23日
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11月22日水曜日。今日も朝は冷え込むけど午後は小春日和の穏やかな一日だった。私は朝8時に車で出勤するのだが、その時間はFM放送の音楽番組を聞きながら運転する。昨日はリストの「ラ・カンパネラ」がフジコ・ヘミングのピアノ演奏で流れていた。この曲はパガニーニのバイオリン協奏曲第2番第3楽章のロンド「ラ・カンパネラ」をピアノ用に編曲したものであり、「ラ・カンパネラ」とはイタリア語で「鐘」という意味である。その名の通り、美しく鳴り響く鐘の音を彷彿とさせる名曲なのだが、演奏には超絶技巧を要する曲で、私は現役時代でも弾いたことはない。何しろ悪魔のトリルのパガニーニとリストの作品なのだから推して知るべしなのだ。昔、娘が小学生時代の頃、私もまだ若い母親で子どもの教育には熱心だった。中でもピアノは3人の子ども全員に高額の月謝をいとわず出して習わせていた。上の娘はピアノがとても好きで練習もそれなりにしたので順調に上達していた。中学生になった頃、リストの「ラ・カンパネラ」の楽譜を持ってきて「お母さん、この曲、いいよね。私、この曲大好き。絶対この曲が弾けるように頑張る」と言い、その楽譜を押し抱くようにピアノの上に飾ったのだった。私は娘のその気持ちがとても嬉しかった。楽譜はその後、ずっとピアノの上に奉られていた。数年が過ぎ、娘は吹奏楽部でトランボーンを吹いたりして音楽とつながる生活を送っていたが、次第に勉強が忙しくなり、結局「ラ・カンパネラ」を演奏することなく理系の大学に進学したのだった。今でもその楽譜をみるとちょっと切ない気持ちになる。 ラ・カンパネラの冒頭部分 ラ・カンパネラを演奏するフジコ・ヘミング
2023年11月22日
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BSプレミアムで音楽番組を観た。いつものことながらナンの期待もしていなかったが、観て聴いて驚いた。こんな天才見たことない!!たちまち年甲斐もなく虜になってしまった。一人目はクラウス・マケラで若干27歳。マスクも良く人を惹きつけてしまう。指揮する姿は完全に音楽と一体になっていて、全身から音楽があふれ出る感じがする。 二人目は日本人の藤田真央(男性)、こちらは24歳だ。 24歳 この笑顔!! 天真爛漫 この笑顔を見た瞬間、以前読んで大きな感銘を受けた本「蜜蜂と遠雷」に登場してくる天才ピアニストで父親が蜜蜂飼いの自然児の少年・風間 塵をイメージした。まさにこのような少年ではなかったか。作者は藤田真央を知っていてあの作品を書いたのか?更に驚いたのはその「蜜蜂と遠雷」が映画化されたとき、その風間 塵のピアノ演奏を彼が担当していたということ。誰が抜擢したか知らないが最適だと思った。 共通するのは二人とも心から音楽を楽しんで演奏していることだ。音楽をする幸福感が表情に現れていて見ていてとても共感できた。コンサートの機会が到来したら必ず出かけて彼らの生の演奏を聴きたい。
2023年09月09日
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8月21日月曜日。NHkFMラジオの番組に「かけるクラシック」というのがある。私はこの番組がかなり好きである。本放送は日曜日午後だがそれを聴くのは難しいので、月曜日朝の再放送を聴いている。今朝も聴いた。この番組は〇〇〇×(かける)クラシックでモデルの市川紗椰とサックス奏者の上野耕平がMCを務めている。〇〇〇に当てはまるのは鉄道、小説、アニメ、旅行などのジャンルをクラシック音楽に掛け合わせてトークが展開する。どの回もとても面白くて、クラシック番組によくある硬さがなくて気楽に楽しめ、予想外の発見もあったりする。何より若い二人の会話と自然体の感覚が軽くて楽しい。意外だが二人ともものすごい鉄道ファンというより鉄道マニアである。鉄道の話になると大盛り上がりでとめどなく話が展開してしまう。 市川紗椰さんはモデルですごい美ボディの持ち主、下着などのモデルをしている若い女性がこの番組?と最初はいぶかったものだが、なかなかどうしてセンスも良いし、多分野に渡って様々なことを知っている。上野耕平は写真では童顔で可愛いが声は低音で落ち着いた語り口はとても30歳とは思えない。サキソフォンの演奏もものすごく上手で私はこの番組で初めてこの才能ある青年を知った。 上野耕平 市川紗椰今日の放送は第153駅で8月のテーマは「納涼×クラシック」。怪談、花火、風鈴、盆踊り、打ち水など日本人が古来より様々な工夫をして演出してきた「涼」の音楽が盛沢山だった。 公開収録もありました。(写真はすべてHPよりお借りしました)
2023年08月21日
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8月20日土曜日。今日も暑かった。午前中ウォーキングして新陳代謝を高め、午後は千葉市までコンサートに出かけた。先週の四街道よりは近いがやはり炎天下を歩いて会場まで行かねばならず、真夏のコンサートはシニアにはハードルが高い。今日は娘も同行した。 今日の曲目は指揮 高橋利幸で以下の通り。ウエーバー作曲 歌劇「オベロン」序曲ビゼー 作曲 カルメン 第1・第2組曲ベートーベン作曲 交響曲第5番「運命」~いつの時代にも変わらないオーケストラの不朽の名作~の副題の通りの誰もが知っている名作ぞろいだった。オベロンはまだ乗り切らない感があったが、カルメンから調子が出たみたいでなかなか楽しく聴けた。運命はこんな暑い時に聴きたくないと思っていたが、いざ聴いてみると第3楽章あたりから元気をもらえた。知り合いが何人も出演していて、コンサートミストレス、パーカッションなどとても力演を見せてくれて、頼もしかった。アンコール曲が二つもあったのも相変わらずだった。
2023年08月20日
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8月13日日曜日。恒例の習志野フィルハーモニック第76回定期演奏会を聴きに四街道まで行ってきた。昨年までは地元の習志野文化ホールで開催してきたのに、文化ホールが閉館してしまったので他に演奏会場を探さねばならなくなったのだ。言わばアウエーでのコンサートだ。会場の四街道文化センターは植栽もなく茶色の殺風景な建物で、お世辞にも文化の香りは感じなかった。地元習志野市の音楽愛好家でここまで聴きに来る人は限られている。演奏者の親族、私のように演奏者に何らかの繋がりがある人で今日は200人位だったろうか。広いホールに空席が目立って力演する演奏者が可哀そうに思えた。プログラムはワーグナー 作曲「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第一幕への前奏曲シューベルト 作曲 交響曲第7番ロ短調「未完成」ブラームス 作曲 交響曲第2番ニ長調作品73指揮 小室昌広 ゲストコンサートマスター 友永健二 である。どの曲も良かった。ワーグナーはきびきびと引き締まった演奏だったし、「未完成」は美しい旋律がうねって若き日のシューベルトのロマンティックな詩情に溢れていた。ブラームスは大曲でいかにも彼らしいフレーズがあちこちから浮かび上がり、多層的で深みのある音楽になっていた。 四街道文化センター外観 習志野フィルハーモニックオーケストラ四街道に行ったのは初めてだった。同じ千葉県に住んでいても何もなければ訪ねる機会はないからだ。スイカの名産地であるこの地は総武線快速jに乗れば思いのほか早く着くが、鈍行に乗ると千葉から成東線乗り換えで遠い。そして実際の時間よりも心理的距離が遠い。けっこう疲れて帰宅した。
2023年08月13日
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4月22日土曜日。今日は習志野天文部プレゼンツおとものがたりというコンサートを聴いてきた。一昨日、教え子でチェリストの松本ゆり子さんから突然メールがきて来場されるなら招待券を差し上げますとのこと。この日は特に予定が無かったので久しぶりに生の演奏を聴きたいと思って、京成大久保駅前のプラッツ習志野に出かけたたのだった。我が家から10歩10分位なのでのんびり歩いて丁度よい。プログラムは以下の通り★第一部 ビゼー歌劇カルメンより13曲 お話 野村華苗★第二部 リムスキー・コルサコフ 交響組曲「シェヘラザード」より若い王子と王女 ガーシュイン ラプソディ・イン・ブルー★第三部 ラヴェル 組曲「マ・メール・ロワ」 お話 野村華苗三部に分かれていたが、内容が濃くてとても楽しかった。まず演奏者全員が東京芸術大学卒業のプロの演奏者ばかりなので技術的に高く安定している。そこにバイオリン、ピアノ、チェロ、ホルン、ファゴットという珍しい組み合わせの楽器なので編曲も独特である。お話の野村華苗さんのとても柔らかくニュアンスに富んだ口調のナレーションが耳に心地よく、かつ音楽の内容をしっかり伝えて素晴らしかった。疲れた心身を芯から癒してくれたコンサートだった。 プログラム プラッツ習志野 コンサート風景
2023年04月22日
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3月19日日曜日。習志野シティフィルハーモニック第75階定期演奏会が習志野文化ホールで行われたので娘と二人で聴いてきた。先週の「復活」に次いでこちらもこのホールでの最終公演である。プログラムは小室昌広 編曲「この道」ハチャトゥリアン作曲 組曲「仮面舞踏会」ラフマニノフ作曲 交響曲第2番ホ短調作品27 である。フィナーレを飾るにふさわしい熱演だった。会場で何人もの友人と再会し、旧交を温めることができてとても嬉しかった。音楽がとりもつ心の交流が深まった。 習志野シティフィルハーモニック ロビーの展示 緞帳の図案 ホールから中庭の景色 内部の絵画何もかも懐かしかった。このホールが今月末で閉鎖されてしまうのが残念でならない。
2023年03月19日
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3月12日日曜日。今日は 習志野文化ホールフィナーレを飾るオーケストラと合唱の饗宴 いまこそ「復活」を聴いてきた。魂の根源的部分を刺激される壮大な演奏だった。ウイーン、ベルリンでご一緒した沢山の皆様と再会し、その力演を聴いて音楽の持つ力の凄さを改めて感じている。大規模オーケストラ約120名、合唱90名、アルトソロ、ソプラノソロ、パイプオルガン、舞台裏には管楽器・打楽器10人以上のバンダ部隊と総勢約230名。壮観だった。まさにフィナーレに相応しいステージだった。大規模で壮観のステージ開演前に楽屋を訪ねた。230名もの出演者で楽屋も大混雑だったが、指揮者の田久保さんやパーカッションのTさん、ウイーンとベルリンで仲良くさせて頂いた若い女性お二人に会うことができてとても嬉しかった。皆さんと話しできて元気をもらえた。やはり私は山だけでなく音楽も好きなのだ。 楽屋を訪ねてドイツ製の見事なパイプオルガンも今日が聞き納めだった。これを解体するなんてもったいない。ロビーには文化ホールの歴史が掲示してあった。懐かしくもあり寂しくもありだ。 指揮者の田久保さんを初め、全国から駆け付けて力演して下さった皆様、企画運営にご尽力頂いた国際親善音楽交流協会の皆様、素晴らしい演奏会有難うございました。そしてお疲れ様でした。
2023年03月13日
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10月20日木曜日。今日は文句のつけようがない素晴らしい晴天だった。真っ青な空に一筋の雲の影もなく朝からすっきりと晴れ上がった。この最高の天気の下で合唱コンクールが習志野文化ホールで行われた。このホールは来年3月に取り壊されるのでこれが最後の演奏になる。どのクラスも精一杯の声を響かせ、心に残った。1年生から2年生に1年上がっただけでガラリと声質も声量も変わり、更に3年になると男声が充実して圧倒的声が響いてくる。中学生が懸命に心を一つにして歌う合唱に心が震えた。合唱って何て素晴らしいんだ。何十年も聴き続けているけどその都度感動させられる。人生に希望が湧いてくる。未来は明るいと感じさせてくれる。本日の審査員は3年前ベルリンにご一緒した立川かづささん他2名だった。あの時はベルディのレクイエムを演奏し、立川さんはメゾソプラノのソリストだった。あの時と変わらぬ声量とつややかな声でカルメンから「ハバネラ」、ミュジーカル・マイフェアレディより「踊りあかそう」など3曲を歌って下さった。カルメンのオペラの演技で大いに会場が盛り上がり、盛大な拍手が沸き起こった。さすがオペラ歌手だ。 最高の天気の下でこんなに心を鼓舞する合唱が聴けて貴重な一日になった。
2022年10月20日
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10月5日水曜日。昨日は30度近い真夏日だったのに今日は急激に気温が下がって午後は肌寒くなった。全く激変する天気に見も心もついてゆけない。かといって風邪ひいたりして体調を壊すのはもっと嫌なので上着を着て防衛策を講じて出勤した。昨日の疲れが残っていたので退勤後はどこにも行かず、すぐ帰宅してぼんやり過ごした。猫たちがじゃれあっているのを見ながら、秋に聴くと一段と心に染み入るブラームスの傑作「クラリネット五重奏ロ短調」を聴いた。ザビーネ・マイヤーのクラリネットが哀しく寂しく苦しい音色で過行く人生をしみじみと感じさせながらも一方で温かく、秋の一瞬の陽射しが輝くイメージだった。名曲は実に深く心の奥深くまで入ってくる。雑多な出来事に追われる日々だが、たまには行動することを停止し心の動きも止めて名曲に耳を澄ませなければ。山にばかり目が向いて音楽が好きな本来の自分を見失っていないか。 じゃれあうヨーリーとミッチ アルバンベルぐ四重奏団 ザビーネマイヤーのクラリネット独奏
2022年10月05日
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東京ジャーミーを見学した後、夜は四谷の紀尾井ホールにダン・ダイソンのピアノリサイタルを聴きに行った。ダン・タイソンは1980年、ショパン国際ピアノコンクールでアジア人として初の優勝に輝き、同時にポロネーズ賞、マズルカ賞、コンチェルト賞も合わせて受賞するという快挙を成し遂げて以来、世界中から注目を浴び続け、“ショパンに愛されたピアニスト”と言われているピアニストである。噂はきいていたが生で聴くのは今回が初めてである。 夕暮れ時の紀尾井ホール外観 紀尾井ホールステージ演奏はバッハ、モーツァルト、ベートーベン、ショパンで約2時間、トークもなくただひたすらピアノに向かって弾き続けた。その演奏に私は口や文字で言い表せないほど強い感銘を受けた。まずその音色の美しいこととニュアンスに富んで色彩豊かなことにものすごく驚嘆した。自分もピアノを勉強してきたし、沢山の演奏も聴いてきたけどこんな美しく変化に富んだピアノの音は聴いたことがない。 (これら3枚の写真はすべて佐藤寛敏氏のものを借用)モーツァルトのK331番のソナタ、ピアノを学習する人なら誰でも弾くあの曲が彼の演奏によるとまるで別の曲のように聴こえた。音色が例えようのない美しさで随所に音楽点が絶妙にちりばめられていてその甘美さと優美さと表現力の深さに陶酔のあまり私は全身が緩んでしまい、気づいたらプログラムを取り落としていた。更にショパンの作品が沢山演奏されたが、マズルカ、ノクターン、ワルツ、ポロネーズと各々に音色も表現も異なって飽きなかった。ショパン弾きと言われる彼の面目躍如だった。熱狂した聴衆の拍手が長く長く長く続き、彼はそれに応えて二度もアンコールを演奏してくれた。とにかく私の貧弱や言葉では表現できないほど感銘を受けたコンサートだった。聴き終えてもう4日になるが未だにその興奮が覚めやらない。
2022年09月02日
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8月28日日曜日。八月最後の日曜日になった。今日は急に気温が下がって半袖1枚では肌寒い天気だった。急激に天気が変わると長袖などすぐ出せないので困惑する。半袖の上にロングベストを羽織って習志野シティフィルハーモニックの第74回定期演奏会を聴きに習志野文化ホールまで行った。コロナ時代の客席配置で一人置きに座るよう座席が既にしつらえてった。全席ほぼ1500だから大変な労力だろう。 プログラムは以下の通り リムスキー・コルサコフ作曲 序曲「ロシアのイースター」作品36リムスキー・コルサコフ作曲 「スペイン奇想曲」作品34 第一楽章~第五楽章チャイコフスキー作曲 交響曲第一番「冬の日の幻想」ト短調作品13指揮 小室昌広 ゲストコンサートマスター 友永健二 演奏 習志野シティフィルハーモニック演奏は以前より音がまとまって非常にすっきりしていた。特に弦楽器のセクションは雑音的な音響が全くなくて清々しい音色だった。それとゲストコンサートマズターの友永健二さんはプロの演奏家らしく背中がピンと伸びた姿勢で演奏している。それに対し、以前見た時、彼以外のバイオリンパートの皆さんは背中が丸くなっていかにも野暮ったくまさに頑張って演奏しているアマチュアの皆さんという様子だったのだが、今日みたらみんなそれが改まっていたので驚いた。友永さんほどではないにしても背中が丸くなっている人は皆無だった。音質の変化と姿勢の変化は関係あるだろうな。スペイン奇想曲は色彩に富み、躍動的でとても楽しく聴けた。「冬の日の幻想」はチャイコフスキー独特の陰鬱なメロディが登場する地味な曲だが丁寧に演奏されていた。久しぶりに落ち着いてオーケストラを聴iいた。この文化ホールは来年3月で閉館が決定しており、どの音楽団体も演奏できるのがほぼ最後になってしまっている。ある種の感慨を感じながら聴いたコンサートだった。 名物のパイプオルガン
2022年08月28日
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6月19日日曜日。今日は朝から陽射しがあって雨は無し。朝からマット洗いなど家事をこなした後は久しぶりに庭仕事をした。モッコウバラの蔓が伸び放題だったのを剪定し、誘因した。このバラは棘がないので扱いが楽なのが有難い。容赦なく切って強そうなシュートを誘因した。次は雑草取りでこれが大変でめげそうだったが他にする人もいないので頑張った。最後にミニバラとクリスマスローズの移植で終わりにした。疲れた後はソファに横たわってFM放送を聴いた。日曜日のお気に入り番組はまず12時からの「トーキングウイズ松尾堂」で本日のゲストは林家林家喜久蔵さん、金田一秀穂さんだった。今日の父の日にちなんだゲストで親は誰もが知る林家木久扇と金田一春彦さんだ。子供ならではの興味深い話で盛り上がった。このテーマ音楽が大好きだ。ジャズに鼓がミックスされていてとても洒落ている。次は「かけるクラシック」でこの番組のキーワードは「〇〇〇×クラシック」、クラシックとそれ以外の様々なジャンルを掛け合わせて進めていくクラシックバラエティである。これまで〇〇〇に入ったのは鉄道・小説・アニメ・旅行など趣味から恋愛・季節の話題から多種多様。モデルの市川沙耶さんとサクソフォン奏者の上野耕平さんの二人がとても納得し共感できる会話を繰り広げ、そのトークにぴったりの音楽セレクトがすごく楽しく、飽きずに聴き言ってしまう。今日の曲はショパンの「別れの曲」オルフの「カルミナ・ブラーナ」などなど。気持ちよく聴いていたら地震発生で地震速報に切り替わってしまって残念だったが止むを得ない。地震と安全にはかなわない。 上野耕平さんと市川沙耶若いのにまるで中年男性のような落ち着いた声と雰囲気の上野耕平さん。写真を観たら若いのでびっくりした。市川さんはモデルで大の鉄道ファン。知的センスも豊かな女性だ。
2022年06月19日
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アップが前後してしまったが、4月16日土曜日にプラッツ習志野市民ホールでアンサンブル4CAT第1回演奏会が行われたので聴きに行ってきた。アンサンブルCATは最近結成されたばかりの小グループである。フルート1、オーボエ1、バイオリン1.コントラバス1.ホルン1.クラリネット1に作曲・編曲・ピアノ・パーカッションなど何でもできる1人の8人編成である。演奏曲はハイドンから始まり、ホルストなどを挟んで最後はモーツアルトで終わるという変化に富んだプログラミングだった。満席とはいかなかったものの会場はいかにも音楽好きの中高年で占められていた。出演者の知人・友人・家族が多いようにみえた。 沢山の曲が次々と演奏され、みんな日曜の午後を音楽で寛いでいた。私も全くのんびりと気楽に楽しませてもらった。日々のストレスや雑事をしばし忘れさせてくれたひと時になった。 演奏風景 プラッツ習志野市民ホール
2022年04月19日
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1月18日火曜日。サントリーホールでジャパンフェスティバルオーケストラによる「ラフマニノフの夕べ」と銘打ったコンサートがあったので遠路出かけて聴いてきた。このジャパンフェスティバルオーケストラは指揮者の田久保裕一さんの元に全国各地から集まったアマチュアの演奏者で構成されていて、以前ウイーンやベルリンのコンサートに同行した時のメンバーが多い。知り合いも沢山いるので楽しみにしていたコンサートである。プログラムは勿論オールラフマニノフである。田舎者の私はまずサントリーホールに行くまでが第一の核心だった。JRと地下鉄東西線、銀座線を乗りついで溜池山王駅に何とか到着。地下鉄の長い長い通路を歩いて地上に出たらそこはきらびやかなお江戸のど真ん中六本木2丁目。高層ビルが林立しイルミネーションが瞬く中をヨチヨチと歩いてやっとサントリーホールに到着して核心をクリア。初めてリアルに見るホールは巨大で圧倒的素晴らしさだった。これまで何度もテレビで見てはいたが実物は一段と迫力がある。中央部にはパイプオルガンが重厚な雰囲気で姿を見せている。座席は3階席までありステージを囲んで円形に広がっている。ベルリンのカラヤンザールと同じだ。演奏もホールに負けず素晴らしかった。特にボカリーズとピアノ協奏曲はラフマニノフの世界そのもので私はその甘美な響きとメロディーに酔いしれた。しばし日々の雑事や悩みを忘れ去った。こんな優雅で美しい世界があったことを忘れていた。それだけでも遠路来てよかった。(画像はHPより) カラヤン広場 壮麗なパイプオルガン
2022年01月19日
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12月25日土曜日クリスマスの夜、NHKBSプレミアムで「ショパンに挑みし者たち~2021ショパン国際ピアノコンクール」という番組が放映された。事前からこれを観たいと強く願っていたので夜7時半になったらテレビの前に座った。この世界最高峰のピアノコンペティションには今年日本から5人の若者が出場した。この卓越した青年たちに密着した音楽ドキュメンタリーで彼らの素顔、演奏はものすごく個性的で卓越したものがあり、私は目を皿のようにして集中してみつめ、演奏に耳を澄ませた。その若者たちとは角野隼人、沢田蒼梧、小林愛実、反田恭平、牛田智大さんの5人である。ショパンコンクールに出場できるレベルの人だからピアノ一筋かと思っていたら違っていた。角野さんは東京大学大学院卒の工学博士、かつカテインという別名でネットで広く活動中、沢田さんは名古屋大学医学部の医者志望の学生、反田さんはオーケストラの指揮者もしていた。様々な経歴ではあったが、ショパンコンクールに臨む緊張とプレッシャー、苦悩と葛藤、そして喜び。彼らの生の表情や音楽への向き合い方、ショパンへの憧憬と尊敬の念などが感じられて非常に感銘を受けた。 5年に一度ポーランドで行われるショパンコンクール結果として2位に反田恭平さん、4位に小林愛実さんという日本人二人が入賞する快挙となった。反田さんは安定した実力を見せて盤石の演奏ぶりだった。私は小林愛実さんの24の前奏曲からニ短調の素晴らしい表現力に心奪われた。その旋律がずっと長く心に響き続けていた。聴衆の拍手もひときわ大きかった気がした。角田さんは顔も髪型も写真のショパンそっくりの青年で驚いた。日本にはこんなに才能溢れる若者が頑張っているんだと心強い気持ちになれたし、なによりショパンの曲がいかに表現に富み、ピアニストを鼓舞する類まれなるピアノ曲であるということを再認識させられた。 2位 反田恭平さん 4位 小林愛実さん ショパンそっくりの角野さん
2021年12月26日
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ウォーキングやジョギングが好きである。以前は無音で自然の中で聞こえる音だけで歩いたり考えたりしていたが、最近はイヤホンをつけて音楽を聴きながら運動している。音楽にも様々なものがあり、これまで好きな音楽を日々とっかえひっかえ聴いてきたが、最近パターンが定着してきた。歩き始め・走り始めはまずバッハの二声のインベンション全24曲から聴き始める。ハープシコードやクラビーアの涼し気で混じりけのない音色でバッハの最もシンプルな二声の対位法の音楽を聴くと、心がすごく落ち着き安定してくる。昔、音楽を学んでいた学生時代、このインベンションを毎日弾いていたのでとても懐かしい。これが30分ほどかかる。バッハが終了した中盤ではベートーベンのバイオリンソナタ「スプリング」と「クロイツェル」に切り替える。スプリングソナタは麗しいバイオリンの音色が伸びやかで明るく幸福感を高めてくれる。クロイツェルは陰影とリズムがあるので変化があってよい。終盤がマーラーの交響曲「巨人」の第4楽章である。この曲は長大な曲だし楽章によって趣きが大きく変化するので気持ちをアップさせるには第4楽章なのだ。これを聴くと嫌でもハイになるし元気がみなぎってくるのを実感する。こうしてみると私はドイツ音楽が性にあってるんだなと思わざるを得ない。 インベンションの楽譜 スプリングソナタの楽譜 冒頭 マーラー作曲交響曲第一番「巨人」
2021年09月07日
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8月29日日曜日。8月最後の日曜日、習志野シティフィルハーモニック第72会定期演奏会を聴きに習志野文化ホールに出かけた。このオケは昨年はコロナの為、コンサートを中止していたので2年ぶりのコンサートになる。指揮は小室 昌広さん。曲目は モーツアルト作曲 交響曲第35番「ハフナー」K.385 フンパーディンク作曲「ヘンゼルとグレーテル」より抜粋 5曲 ドボルザーク作曲 交響曲大6番ニ長調作品60 の3曲である。 プログラム 習志野シティフィルハーモニック今回はいつものコンサートマスターが仕事の関係で出演できないため、関西フィルのプロバイオリン奏者 友永健二さんがゲストコンサートマスターとして出演された。このオケには同時に兄の友永信吾さんがクラリネットで、信吾さんの奥さんもフルートで出演しているので一家族から3人が出演する嬉しいことが起こった。演奏はとても丁寧できちんとしていて、「ハフナー」は優美、「ヘンゼルとグレーテル」は楽しく、ドボルザークの「交響曲第6番」は私は初めて聴いたのだったが、けっこうブラームスの旋律の断片を感じる部分があった。 友永 健二さん コンサートマスターと指揮者 ホールの壁面装飾ゲストコンサートマスターの友永 健二さんはさすがにプロだった。演奏の姿勢が彼より後ろのアマチュアの皆さんとは全く異なっていた。NHK交響楽団のコンサートマスターと同じ姿勢だった。指揮の小室さんはもうそれなりの年齢だと思うが、体がしなやかで柔軟性に富んでいながら大仰な身振りなどはあまりなく、好印象だった。先週聴いた千葉室内管弦楽団も同じであるがこのコロナ禍では練習場所を確保するのも、団員が集まるのも演奏会の運営も想像以上の困難さが付きまとう。コロナ対策を周到にして今日のコンサートを迎え、立派な演奏をされた団員の皆さんに心から大きな拍手をおくるものである。
2021年08月29日
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8月22日日曜日。習志野文化ホールにちば室内管弦楽団第51回定期演奏会を聴きにいった。昨夏も聴いているから1年ぶりになる。曲目は モーツアルト 作曲 歌劇「劇場支配人」序曲 5分 プロコフィエフ作曲 交響曲第一番ニ長調「古典」 16分 ベートーベン 作曲 交響曲第3番変ホ長調「英雄」 47分 の3曲 指揮は高橋利幸である。 やはり「英雄」が最も聴きごたえがあった。ベートーベンの完璧な様式美に従って1楽章から4楽章が安定感をもって展開していた。中でも2楽章は抒情的になりすぎず淡々としながら、深い悲哀をたたえた葬送行進曲になっていて素晴らしかった。 コロナ禍のコンサートということで客席は一人置きに席が指定されており、ステージに近い前の席は客を入れてないため、全体的に観客は少なかったが、時節柄止むをえないし、こうしてコンサートを開催するだけでも大変な労力がかかったことだろう。第一、練習するだけでも人が集まる訳だから大変なことだ。本当に演奏者の皆さんやスタッフの皆さん、お疲れさまでした。そして生の演奏を聴かせて下さって有難うございました。
2021年08月22日
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3月27日日曜日午後2時から習志野市文化ホールでちば室内管弦楽団第50回定期演奏会が行われた。コロナ禍になって以来、人の集まるコンサート会場に行って生の演奏会に行く機会は皆無だったので、超久しぶりに生の管弦楽の演奏を聴くことができて、ちょっとした感慨を味わった。曲目はモーツアルト 「後宮からの逃走」序曲ブラームス 大学祝典序曲ブラームス 交響曲第一番ハ短調 の3曲で、ブラームスがメインである。 指揮はこの楽団創立以来の指揮者高橋利幸さんである。彼は私より1歳年下で確か73歳だと思う。非常事態宣言が出された中で生の演奏会を行うのは並大抵の苦労ではなかったのではないか。第一に練習が不自由だろう。練習会場は谷津公民館だが大勢の団員が集合して音を出す。本番の今日も管楽器以外は指揮者もコンマスもすべてマスク着用で演奏している。これは実際に演奏している人でないと実感できないけど実はとても辛いことだと思う。弦楽器であれ管楽器であれ演奏は呼吸とともに行っている。それをマスクで抑制されながらの演奏だから大変なことだと思う。会場も考えうる限りのきめ細かなコロナ対策が講じてあった。入場者もソーシャルディスタンスを確保する関係で一席飛ばしで指定し、入退場もブロック毎に放送で指示して行っていた。コロナのため、行事を中止することがほとんどの昨今、ここまで手間暇をかけてでも生の演奏をしたい、聴いてもらいたいという情熱がなければ実現不可能だったと思う。指揮者はじめ関係者の音楽に対する熱い思いに敬意を表した。演奏はブラームスが素晴らしかった。大学祝典序曲はメリハリがついて最後は壮大に終わって気持ちよく、交響曲第一番は重厚で内声が豊かでまさにブラームスの世界だった。久しぶりの生の音楽を聴いて気持ちが高揚した。皆様お疲れ様でした。有難うございました。
2021年03月28日
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1月20日久しぶりに音楽を聴いて感動した。最近は老化とともに感性もどんどん枯渇して何についても平坦あるいは鈍感になってきていて感動することが減ってしまっている。若い時代のようなみずみずしい感性は確実に失われていて、とても悲しい。今日は偶然ではあるがハインツホリガーのオーボエとオーボエダモーレで中田善直作曲「雪の降る街を」聴いていてとても感動した。旋律そのものは有名な日本歌曲でよく知られているものなのだがその編曲とホリガーのオーボエとオーボエダモーレの音色がとにかく美しい。思わずしていた動作を止めて音楽に耳を傾け、集中した。バックを演奏しているのはイ・ムジチ合奏団だ。彼は楽器奏者、作曲家、指揮者そのすべてに第一級の評価を得た類まれなる音楽家だ。とりわけ、オーボエ奏者としてはこの楽器が成立してから200年余りに渡る歴史の中でトップクラスに君臨する存在であるという。オーボエという楽器のために作曲された音楽であればどんな曲でも困難を感じさせず楽々と演奏してしまう。ホリガーはオーボエ奏者がここまでならできるという領域を格段に広げてしまった演奏者だという。彼の演奏を聴いているとまさにその通りだと実感できた。 ハインツ・ホリガー
2021年01月20日
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皆川達夫さんが老衰のため亡くなられた。92歳。皆川さんはNHK―FM「バロック音楽のたのしみ」(1965~85年度)「音楽の泉」(88~2020年)の長寿番組で長年にわたって解説や曲の紹介をされ、西洋古楽やクラシック音楽の普及に貢献されてきた方である。40歳台から50歳の私は起きたらすぐFM放送のスイッチを入れて「バロック音楽の楽しみ」を聴くのが習慣になっていた。「バロック音楽の楽しみ」から1日が始まっていた。皆川さんの独特の語り口を長年聴き続けてきてそれが日常生活の一部だった。85年以降は他の解説者が番組を担当されているがイマイチ馴染めない。やはり皆川さんの「バロック音楽の楽しみ」が最高だった。また、長崎県平戸市・生月島で隠れキリシタンによって口伝えで受け継がれてきた祈りの歌「オラショ」の研究に携わり、ラテン語の聖歌との関わりを明らかにするなど地道な研究をされている。著書に「バロック音楽」「洋楽渡来考」などがある。残念ではあるが92歳まで生きて人生を全うされたことは素晴らしいことだと思う。献杯!!。 皆川達夫 さん
2020年04月25日
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NHKFM放送朝の定番であるクラシックカフェを長年月聴き続けている。けさはモーツァルトの作品ばかりで、最後に聴いたのは交響曲第40番だった。この有名な名曲はあらゆる指揮者に演奏され、録音されているがベームの演奏は群を抜いて素晴らしいと思う。一見というか一聴というか最初はテンポもゆったりで一時代前の表現のように感じるが、そのうちその正当さや美しさに納得してしまう。まずテンポが絶妙で疾走感とか畳み掛けるような表現は全編通してどこにもない。かといってのんびりしている訳でもない。一つ一つの音が大切にされてよく歌いよく響き、フレーズとフレーズのつながりも丁寧で音楽のまとまりを感じる。特にこれまで何十回も聴いてきたのに気づかなかったフレーズの美しさに気づかされる。この何でもないようなフレーズを新しい魅力のあるフレーズに変えてしまう力は他の指揮者にはないと思う。そしてどう表現してよいかわからないが、彼の音楽の中には呼吸を感じる。朝から素晴らしい表現力のモーツアルトの40番を聴きながら出勤した。何か喜びに満ちた一日になりそうな予感に満ちていた。 カール・ベーム モーツアルト一家 妹・モーツアルト、母(肖像画)父朝は音楽の魔力で希望に満ちてスタートしたが、その後はいつもと同じ展開になり、モーツアルトとカールベームの神通力はそこで終わったのだった。
2020年02月19日
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ベルレクコンサートが終了し、楽団員の皆さんの楽器などの片付けが終わったあと、打ち上げ会が行われた。私は演奏もしてないのでそんな会にでるのは気がひけたが指揮者の田久保さんのお誘いで同窓会に参加するノリで出席した。結果的に滅多にない喜びと楽しさに満ちた会になり、とても嬉しく満足した。ウイーンで会った皆さん、ベルリンで新しく友達になった皆さんなど沢山の方と再会を果たして感激した。習志野市に住んでいるのは指揮者の田久保さん、ソリストの立川さん、ホルンの野田さんと私の4人だけで他の方は関東近県からこの日の為に参集した方たちである。 八面六臂の大活躍の田久保さん リストを紹介する田久保さん 懐かしい皆様との再会は最高に楽しく嬉しかった 応援部隊のエピソードをスピーチする私 はるばる芦屋から上京されたご夫妻 岡崎からのお二人楽しいひと時はたちまちのうちに過ぎ去り、再び会う日があることを確信してそれぞれに分かれたのだった。まさに音楽が絆になっている会だった。
2019年09月19日
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長沢背稜から下山した翌日は習志野文化ホールでヴェルディ作曲レクイエムのコンサートがあった。このコンサートは昨年、ベルリンのカラヤンホールでベルディのレクイエムを演奏した後、その感激が覚めやらず、日本でも再演したいという熱い思いが実現化したものである。メンバーは4年前のウイーンムジークフェラインザールおよび昨年のベルリンのカラヤンホールのコンサートに出演した皆さんが中心となったジャパンフェスティバルオーケストラと4人のソリスト、習志野ベルディレクイエム合唱団である。主催は指揮者の田久保裕一さん。田久保さんとアルトのソリスト立川かづささんはジモティなので凱旋公演でもある。何度か練習を重ね、当日午前中にゲネプロを済ませ、午後2時からの開演となった。まさか座れないということはないだろうけど、なにしろオーケストラと合唱団の大編成で出演者数が膨大なのでその関係者も多く参集すると思い、早めに行ったが、既に良い席は埋まり、後ろの方の席にやっと座った。 演奏曲はオールベルディで歌劇「ナブッコ」序曲 レクイエム の2曲。演奏は全体的に引き締まり、ベルリンの時より更に磨かれ完成度が上がっていた。オーケストラは陰影に富んで表現に深味を増し、ソリストの皆さんも更に高度な表現で心の奥深くまで染み入る精神性を感じさせた。合唱団は天から降りてくる或いは空中にたなびく柔らかい空気のように全体を包んでいてその主張しすぎない美しさに癒された。とにかく素晴らしい演奏だった。 ジャパンフェスティバルオーケストラ 習志野ベルレク合唱団 ソリスト 指揮者の田久保さん曲が終わると「ブラボー」の掛け声があちこちからかかって雰囲気を盛り上げた。ステージと客席が一体になって感動と興奮に包まれた。
2019年09月18日
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3月23日(日)朝から寒く一気に冬に逆戻りしたような天気の中、ちば室内管弦楽団第46回定期演奏会に習志野文化ホールまで出かけた。今回はかっての同僚Kさんを誘った。指揮者の高橋利幸さんが在職中の同僚で、楽団員には当時の教え子が何人かいる関係で毎年3月、8月のコンサートを聴かせて頂いている。今日のプログラムは以下の3曲だった。 ★ロッシーニ 作曲 歌劇「泥棒かささぎ」序曲 ★エロール 作曲 歌劇「ザンパ」序曲 ★チャイコフスキー作曲 交響曲第6番ロ短調「悲愴」 ちば室内管弦楽団 指揮 高橋 利幸 本公演前に行われたプレミニコンサート泥棒かささぎ序曲やザンパ序曲は明るくエネルギッシュでこれから始まるオペラに期待を持たせるに十分な曲だった。本日のメイン、チャイコフスキーの不朽の名作「悲愴」は表現の巾が広く、オーケストラがどのパートも頑張っていて重層な響きを創り出し、聴きごたえがあった。中でも第1楽章、第3楽章が迫力満点、聴いていて人生を感じさせられた。改めてチャイコフスキーの交響曲の素晴らしさを感じた。
2019年03月23日
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3月10日午後2時より新装なった習志野文化ホールへ習志野シティフィルハーモニーの第67回定期演奏会を聴きにいった。娘も誘った。概要は以下の通り。 ★曲目 スッペ作曲 軽騎兵序曲 ベートーベン作曲 交響曲第二番ニ長調作品36 ブラームス 作曲 交響曲第三番ヘ長調作品90 ★指揮 小室 昌広 軽騎兵序曲はトランペットの音色が爽やかですっきりした仕上がりでコンサートの冒頭から気持ち良かった。ベートーベンの交響曲第二番は彼の交響曲作品の中では最も穏やかな曲で私は結構気に入っている。今回も馴染みの和やかで温かみのある旋律が次々と出てきて、すごく寛いでしまった。気持ちのよい流れの音楽を聴きながらリラックスしてしばし眠っていたのだった。ブラームスの第三番はとても複雑で演奏するにも指揮するにも難しそうだった。ブラームス独特の旋律があちこちに登場し、光と影のように陰影が鮮やかな作品なのだが、団員の皆さんはとても頑張って演奏していた。根性あるというか意欲的というか交響曲を二曲そろえるプログラムなので練習も本番もさぞ疲れたことだろう。平日は仕事をして土曜日の夜に練習を積み重ねてきてコンサートを開く皆さんだから頭が下がる。 習志野シティフィルハーモニー文化ホールは改修のため、1年ほど閉館だったが改修が終わってこの3月から再び開館している。どんなに変わったのかと期待してきたが、外観上は特に変化なかった。勿論、床の絨毯や座席など消耗部分は更新されている。お馴染みの絵や彫刻が飾られ、パイプオルガンもいぶし銀の輝きを見せていた。 パイプオルガン ジュフィの作品 舟越保武 鳩を持つ少年会場内は8割程度の入りでゆったり座れた。さすがにもう知人は居なかった。久しぶりに生のオーケストラを聴いて気持ちが落ち着いた。特にベートーベンに癒された。
2019年03月11日
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映画「ボヘミアンラプソディ」の大ヒットでクイーンの曲やリードボーカルのフレディ・マーキュリーがよく話題になっている。そのフレディがスペインの世界的オペラ歌手のモンセラート・カバリエとデュエットしているのをFM放送で聴いてすごく興奮した。ロックとオペラ!!とても刺激的なコラボだ。スペインの世界的オペラ歌手モンセラート・カバリエとのコラボレーションアルバムでフレディのカバリエへの熱烈なアタックにより共演が実現したという。タイトルトラックの「バルセロナ」は1992年のバルセロナオリンピックのテーマ曲に選ばれたとのことだが、私は全く知らなかった。当初、開会式でフレディとカバリエによって「バルセロナ」が披露される予定であったが、バルセロナオリンピックを迎える前にフレディ・マーキュリーが死去したため、この曲が開会式で歌われることはなかった。ああ、フレディ、エイズなんかで死なずもうちょっと活躍してほしかった!!。フレディがオペラで活躍する世界のプリマドンナ・モンセラートに一歩もひかず堂々とデュエットしているのに感動した。フレディの声質はロック調ではあるが、声量や表現力に全く遜色なく、ロック調の声質がかえって正調ベルカント唱法で磨き抜かれたモンセラートのベルベットのような洗練された声とうまく融和したり対照的だったりして味わい深く、聴いていてワクワクさせるものがあった。異業種のコラボだがそのジャンルの世界のトップの人のコラボはジャンルを超えて人を感動させる。すごい。 モンセラート・カバリエとフレディ・マーキュリー
2018年12月12日
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11月25日三連休最後も申し分なく晴れた良い天気だった。にもかかわらず山に行けなかった。最近体力も落ちているがその前に気力の落ち込みが激しく、どうしても山に行きたいという熱い気持ちが湧いてこない。ということで今朝も早朝起きれず、山は無し。代わりに船橋フィルハーモニー管弦楽団のコンサートを聴いてきた。指揮は我らがマエストロ・ウイーンとベルリンに一緒に行った田久保裕一さん、それとベルリンでお友達になった方が出演されているので初めて船フィルのコンサートに出かけたのだ。アマチュアのコンサートだからと侮って開演時間丁度に着いたら席がなくて焦った。曲目はロシア三部作でまず白鳥の湖から4曲。それで幼馴染に会ったような癒しを感じた後はグラズノフとカリンニコフのシンフォニーが連続2曲。なかなか重厚なプログラミングだった。 船橋フィルハーモニー管弦楽団グラズノフは切れがよく、カリン二コフは親しみのある美しい旋律が連続した。どちらかというと私はカリン二コフの方が肌に合った。この2曲を演奏するのは楽団員の皆さんにとってはなかなか重労働だったと思う。 グラズノフとカリン二コフについて説明する指揮者・田久保さん熱い演奏に満員の聴衆で大盛り上がりのコンサートだった。たまには他市のオーケストラを聴くのも変化があってよいと思った。それにしても田久保さんはすごい!!。
2018年11月25日
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11月1日遂にドイツを去る日が来た。出発が遅かったので朝、少し時間があった。最後の最後にもう一度バッハに会いにいこうと思い、一人で聖トーマス教会に向かった。多少不安ではあったが、教えてもらったとおり慎重に歩いて聖トーマス教会に着くことができた。朝早くで誰もいなかった。教会は厳かに静かにそびえ、庭にはバッハが一人佇んでいた。堂内に入って再度じっくりと祭壇を見つめた。一回目に見た時は何もかも珍しくて意識しなかったが、バッハの墓があり、花が供えてあった。パイプオルガンも2基あり、古くシンプルな方がバッハオルガンだった。バッハが弾いていたオルガンが二階にシルバーの光をたたえていた。なんか感動してしまった。 聖トーマス教会 ヨハン・セバスチャン・バッハ バッハオルガン バッハの墓私は長い間、音楽教師だったので必修教材のバッハ作曲小フーガト短調を何十回も指導してきた。でもこの教会を訪ねて実際に様々なものを見ていたら、指導もまた違うものになっていたような気がする。もう時既に遅しではある。立ち去りがたい気持ちだったが、ドイツを去る時間が迫っていた。 壮麗なステンドグラス バッハの肖像画
2018年11月16日
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ドレスデンの観光を終えて再びバスでライプチヒに戻った。それからがまた大忙しだった。夕食も取らずすぐに聖トーマス教会へ駆け付けた。ヘンデル作曲「メサイヤ」を聴くためだ。教会の2階の席が取れたので丁度その前面にオーケストラと合唱団、ソリストが一部柱の陰で邪魔されたものの、一応見えた。1階席だと全く見えないからラッキーだった。 2階席から見るオーケストラと合唱団 1階席は教会の椅子なので演奏状態は全く見えないヘンデルの「メサイヤ」は大曲で長大な曲だ。管弦楽団と合唱団にソリスト4人が登場して、キリストの生誕から成長して救世主になり、迫害を受けて十字架に磔刑になるまでを音楽にしている。テキストは英語だったのでそれを見ながら聴き、進行を確かめた。若い指揮者がハンサムで一生懸命指揮しているのが印象的だった。終わる直前に有名なハレルヤコーラスの合唱があった。全曲が終わり、場内が拍手に包まれている間に私たちはそっと教会を抜け出して石畳の道を次のコンサート会場ライプツィヒゲバントハウスをめざして走り始めた。一人ならこんな芸当はできないが、仲間がいるから一緒に走ってついていけた。ゲバントハウスのコンサート10分前に到着した。聖トーマス教会とゲバントハウスが近いから実現できたことだ。あまり混んでなかったので運よく正面中央の特等席に座れた。今夜のコンサートは新しいパイプオルガンのお披露目を兼ねたコンサートだった。正面に小さくシンプルなオルガンが置かれていて、まずそのオルガンの献呈式が行われ、その後オルガンの演奏や管弦楽の演奏があった。いろいろな形態があって楽しめた。新しいオルガンではなく、古く壮麗なパイプオルガンも聴きたかった。 新しいパイプオルガン 組み立て式だった オルガンとオーケストラの共演大曲や固い曲はなく、耳に心地よい音楽がずっと演奏され、気楽で楽しいコンサートだった。オルガン奏者以外は全員立って演奏していてそれも珍しかった。最後の夜が静かに更けていった。 ゲバントハウスの新旧パイプオルガンが縦一列に並ぶ
2018年11月13日
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ライプツィヒの一日を忙しくも充実して過ごした翌日は一路バスでドレスデンに向かった。アウトバーンという高速道路を快適に飛ばして約3時間ドライブした。高速道路に沿って風力発電の巨大なプロペラが沢山設置されていた。日本よりはるかに自然エネルギーの活用が進んでいる。 風力発電のプロペラが続くアウトバーンドレスデンは宮廷都市と言われるだけあってとっても美しく落ち着いた街だった。中心部に古い建築物が立ち並んで当時の威容を感じることができた。 オペラハウス 中央の装飾部分オペラハウスから美術館、時計塔、宮殿と上ばかり見て見学した。石畳につまづかないよう要注意だった。 マイセン焼きでできているという時計 宮殿が並ぶ壮麗この上ない、宮殿とその付属建築を見ながら坂を上っていくとちょっとした広場になっていてその先に真っ青なエルベ川が流れていて素晴らしかった。やはし水の流れは人を潤す。 エルベ川更に進むと当時の王侯貴族の姿を一同に集めてマイセン焼きで作ったすごい創造物があった。どれがどの王侯貴族がちゃんと名前も彫ってあったが知識のない私にはみんな同じに見えた。それにしてもすごい!!。ドレスデンの近くにマイセン焼きの工房があり、いつもなら土産物が買えるのでそれを楽しみにしてお金を準備していたのに、よりにもよって訪れた日が宗教改革の記念日ですべての店が休業の日だったのだ。とても残念だった。 王侯貴族の像 細部長い歴史の上で築かれてきた文化のレベルの高さに圧倒されっぱなしだった。
2018年11月09日
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ライプツィヒはこじんまりした古都である。電車は無く、地面は石畳で聖トーマス教会以外にもニコライ教会やコンサートホール、美術館を持つ文化度の高い街である。朝、ホテルの窓から外を眺めるとしっとりした街の様子がよくつかめる。 美しいライプツィヒの街バッハの聖トーマス教会を観て感激した後は美術館に行った。行ったといっても初めての地だし、ドイツ語ばかりだし、不勉強なので美術館にたどり着くまでが核心で、地図を片手に一生懸命場所を確認しながらやっとたどり着いた。モダンな建物で相当数の展示があるが、時間がないので、観たい作品をスタッフに聞いて探した。 美術館ここでのお目当ては「死の島」で、『死の島』はスイス出身の画家アルノルト・ベックリンの代表作の絵画。ベックリンは1880年から1886年の間にこの謎めいた主題で繰り返し作品を描いており、作品はそれぞれ少しずつ異なっている。ベルリンの美術館で既に一番目を見ているのでこの作品は二番目のものである。確かに少し異なっている。死者の霊が最後に行きつく所を想像して描いた絵と聞くが、当時、非常に人気がありベックリンは同一テーマで5点も描いている。この死の島の絵を見てインスピレーションを受けてラフマニノフが作曲したのが交響詩「死の島」である。残念ながら私は聴いたことがない。 死の島 ライプツィヒ版お目当ての作品を無事見ることができ、その後は落ち着いて作品を楽しむ余裕ができた。ベートーベン像やナポレオン、サロメなどを見た所で時間が無くなり、急いでホテルに戻った。 ベートーベン像 ナポレオン像 お疲れのようですね。 サロメ夕食もろくに摂る暇もなく、一応服をドレッシーなものに着替えて、再び夜道を歩いて今度はライプツィヒゲバントウハウスへ直行。今夜の演目はライプツィヒの演劇大学の学生のコンサートで彼らは若く一生懸命演奏してくれが、毎日のハードスケジュールがたたって日本から来たメンバーはほとんど気持ちよく眠っていた。本末転倒だ。 美しいパイプオルガン ものすごく響きのよいホールで眠ってしまった!!
2018年11月07日
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ベルリンでのコンサートから一夜明けた次の日はバスに乗ってライプツィヒに移動した。ライプツィヒはヨハン・セバスチャン・バッハが聖トーマス教会のオルガニストとして27年間活躍した地であり、メンデルスゾーンがゲバントハウスオーケストラを率いて活躍した地でもある。ベルリンからライプツィヒまでアウトバーンと呼ばれる高速道路を3時間、黄葉した美しい樹木を見ながら快適に移動した。ライプツィヒはこじんまりした街だった。ランチの後、すぐ旧市街を歩き始めた。地面は石畳みで青海波のような模様が浮き出ている。美しいが歩きにくい。聖トーマス教会はホテルから歩いて20分ほどの所にあった。想像より大きく立派だった。 聖トーマス教会外観 大きなバッハ像外観も立派だったが、内部は更に感動的だった。アラベスク風なデザインの天井のかなたにパイプオルガンがあり、その前にはオーケストラや合唱団がミサの時に使う席もしつらえてあった。このパイプオルガンのほかにもう一つシンプルなパイプオルガンもあった。窓には見事なステンドグラスが輝き、通常のキリスト教の聖人エピソードのデザインのほかにバッハとメンデルスゾーンがステンドグラスの中で微笑んでいたのにはびっくりした。バッハウインドウというのだそうだ。 天井のデザインとパイプオルガン、演奏席 ステンドグラスのバッハ(バッハウインドウ) 同じく メンデルスゾーン見飽きることなく教会内部を歩いてみて回った。見事な祭壇があり、その前にバッハのお墓があった。花がいくつか供されていた。外にはバッハ博物館があったのでみんなで入った。バッハの自筆の楽譜など貴重な品々が展示されていた。私の中ではバッハは歴史上の人物で生きていた人間としての存在感は薄いのだが、実際にこの現世に生きて家族を持ち、白内障に悩みながら作曲を続けていたのだ。博物館の隣にはバッハ土産店が2軒あって様々なグッズを売っていたが、何も買いたい物がなかった。バッハの音楽を聴かないで物を買っても意味がない!!。 バッハ博物館
2018年11月06日
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10月29日遂にベルリンフィルハーモニーホールで本番の日がやってきた。前日、ここでベルリンフィルハーモニーのコンサートを聴いたばかりなのに、今度は同じステージで自分たちが演奏するのだ。刺激的なことこの上ない。午後からバスで全員がホールに集合し、ゲネプロ。まず、楽団員入り口からホールの裏側に入る。夢みたいな出来事が現実に起こっている。全員が初めての経験で興奮気味だ。バックステージからステージに回って全体を見渡す。あの全方位形ホールの全容が把握できる。床は木製だ。演奏する皆さんは写真を撮ったり、譜面台や楽器を所定の位置に置いたりして忙しそうだ。 楽団員入り口から入る 観客のいない客席とステージを後ろから見る 演奏する位置を確認し、譜面台や椅子をセッティング ホール全体が巨大なので後ろにあるパイプオルガンも小さく見えるやっと全員がステージに位置を決め、ゲネプロが始まった。ベルディ作曲の「ナブッコ」序曲と「レクイエム」アンコール曲の総練習だ。午後のすべての時間をかけて熱心に行われた。 ゲネプロ瞬く間に時間が過ぎ去り、いよいよ本番。客席は満席とはいかなかったものの9割かた埋まっていた。私たち応援組は中央真ん中の特等席をもらって鑑賞できた。今後の人生に二度と座ることのない最高の席だった。演奏はこれまでの中で最も素晴らしかった。万雷の拍手とブラボーの声がホールに響き渡った。私も興奮してブラボーと叫んでいた。最後に4人のソリストに花束が贈られてアンコールになった。みんな緊張が解けたのだろう、アンコールの演奏はのびやかで楽しかった。 指揮者の田久保さんとKさん夫妻 今夜も闇の中に黄金色のホールが輝いているすべてが終了した後は電車で最寄り駅まで乗り、歩いてホテルまで帰った。ああ、終わってしまった。
2018年11月04日
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10月28日午前中は美術館巡り、午後はリンデン教会で練習、夜は前夜祭という過密日程だった。空は暗く今にも雨が落ちそうだったのに、一日何とか持って雨知らずだった。誰か強力な晴れ男か晴れ女がいるにちがいない。 こちらの美術館では発光しなければ写真撮影はオーケーなので写真が撮れるのがとても有難い。しかし悲しいかな撮影技術がなくて実物を再現することができないのが実にもったいなかった。また時間が限られていてじっくり狙って撮る余裕もなかった。 夜は近くのレストランで明日の本番前の前夜祭になった。120人もの客の対応ができるレストランなんてあまりないようで、食べ物はなかなか出てこなかったが止むを得ない。皆さん飲める人はガンガンワインやビールを飲み、各パート毎にまとまって座り、大盛り上がりだった。私たちも応援部隊でまとまって座り、楽しいひと時を過ごした。これまで顔は見てもほとんど接触がなかった皆さんと親しくできてとても楽しかった。
2018年11月02日
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10月27日リンデン教会の練習からバスでホテルに戻り、食事をする暇もなく取り急ぎワンピースに着替えてフィルハーモニーホールに駆け付けた。カラヤンが本拠地として長年世界中にその名をとどろかせた名ホールが暗闇の中で金色に輝いていた。 闇に輝く金色のホールこのホールは中央に演奏ステージがあり、それを囲んで360度の観客席が広がっているので、自分の席にどこからはいるのか迷った。特に日本のホールにはないLINKSなどの表示が出ていて左、右を示している。最初それがわからず番号で探してたどりついたら反対側だと言われ、右往左往してしまった。もちろんコートをクロークに預けるのは鉄則なのでそこでもひと手間かかる。ロビーでワインでも飲んでゆったりしたかったのだがそんな余裕がなかった。 演奏曲目はバーンスタイン作曲の打楽器協奏曲とマーラー作曲交響曲第5番だった。オーケストラの弦楽器の音がキラキラした硬質の響きで驚いた。どうしたらクリスタルガラスのような音色が出てくるのだろう。2年前に聴いたウイーンのムジークフェラインザールの演奏はまるでシルクのように優雅で美しかった。何という違いだ。隣同士の超一流オーケストラの音がこんなに対照的なことにまず驚いた。 若きカリスマ指揮者ドゥダメル指揮者は割と新しく就任した若きカリスマ指揮者ドゥダメルという比較的若く外国人としては小柄な男性でものすごいとしか表現しようのない演奏を展開した。演奏後の聴衆は興奮してスダンディングオベーションで総立ちし、盛大な拍手とブラボーの声が響き続けた。私は茫然として座りつくしていた。コンサートが始まったのが8時、終了したのが10時半ごろ、それから電車でホテルに戻ったのは11時半頃だった。元気な男性たちはそれから街に繰り出して飲んでいたようだ。
2018年10月31日
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10月27日午前の市内観光の後はリンデン教会で練習が行われた。オーケストラと合唱団合わせて日本から100人以上のメンバーに加えて現地の幾つかの楽器パートと合唱団のエキストラが加わって総勢120人以上の大編成である。まず管弦楽だけでベルディ作曲の7「ナブッコ」序曲の練習が始まった。少し音が荒く雑なような気もした。石造りの教会の中なので次第に冷えてくる。演奏者は冷える暇はないが、見ているだけだとけっこう寒くて風邪ひくのでないかと心配だった。次に合唱団も加わって同じ作曲家による「レクイエム」の練習が続いた。この曲は声の部分だけでもソプラノ、アルト、テナー、バスのソリストに合唱団プラスオーケストという大編成で演奏時間は90分ほどもかかる。宗教曲の鎮魂歌なので歌詞はラテン語だ。合唱団は楽譜を持つことが許されているが、すべてに難しくこれを歌いこなせる皆さんを尊敬してしまう。特にセクエンツアの部分が長大である。本番でもこの途中で休憩が入るのである。初回練習が延々と続き、休憩時間には指揮者の田久保さんが日本から持参したホッカイロがドイツ人エキストラに配られた。あまりに冷たいので私も一個もらって体に貼った。これが随分奏功して風邪をひかずにすんだ。 この練習が延々と続き、終了後はただちにホテルに戻り、全員がその後にあるベルリンフィルハーモニーオーケストラのコンサートに駆け付けたのだった。午前中は観光、昼は練習、夜は地元のコンサートという日程が毎日続き、夕食をとる時間がほとんどなかった。街のスーパーでサンドイッチなどを買って食べて対応した。
2018年10月29日
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10月26日羽田発12:35分のルフトハンザ航空で約12時間ほどかかってミュンヘンへ。そこから更に国内線に乗りついて2時間ほどかかってベルリンに行った。機内で過ごす時間がとても長かった。ルフトハンザの機内食は良くないし、アテンダントもそっけないし、オーディオや映画なども気に入ったのが無くて手持ち無沙汰だった。しかし何とか無事ベルリンに到着した。日本とドイツの時差は8時間、ドイツの方が遅い。その夜は時差で一睡もできず辛かったが眠れないのは登山でもよくあることなので、ベッドで静かに我慢して体力を温存し、夜が明けるのを待った。 ベルリンの朝は暗い。朝6時になっても薄暗いままでさあ、朝だという朝日は差し込んでこない。ドイツ一日目10月27日午前中は皆でバスに乗り、ガイドも雇って市内観光に出た。日本語が上手な大きな女性だった。まず東西ドイツのシンボル・ブランデンブルク門を訪ねる。巨大だがシンプルな門がそびえていた。 ブランデンブルク門次にベルリン大聖堂を訪れた。ものすごく巨大で威圧的だが古色蒼然として古びていた。なかなか修復が進まないということだった。 壮麗な中央祭壇ベルリンの街は高層ビルが林立して高速道路が走り、とても近代的だった。でも私には無機質に感じられて魅力を感じなかった。ガイドからベルリンの壁の創設から破壊まで説明してもらったが、あまり頭に入らないまま現場に向かった。4メートル位の壁に様々な絵が描かれていた。下の絵は特に有名な西と東を代表する人物が接吻する象徴的な絵ということで大勢が見ていた。皆さん、似たような状況で要するに時差ボケでぼんやりした頭で半日観光したのだった。
2018年10月28日
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11月2日金曜日の午後5時ごろ、無事帰国して我が家に到着しました。暖かかったので少し驚きました。寒いと思って重装備で臨んだドイツも思いのほか寒くなくて助かりました。ベルリンでのコンサートと美術館、ライプツィヒでのバッハが活躍した聖トーマス教会とゲバントハウス、ドレスデンの街などいずれも予想以上の素晴らしさで毎日が夢の中にいるようでした。帰国一日目の今日は夢がさめて現実に戻る境目でボーとして一日を過ごしました。頭が働かなくてブログにも手がつかなかったのですが、明日から頑張ってブログで報告しますね。 ベルリンでのコンサート終了後に指揮者の田久保裕一さんと
2018年10月27日
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本日10月26日から11月2日まで8日間ドイツを訪ねてきます。今回は登山ではなく、コンサートツアーです。ベルリンのフィルハーモニーという超一流音楽ホールでジャパンフェスティバルオーケストラ&コーラスがベルディ作曲の「レクイエム」を演奏します。私はそれの応援という形で同行して音楽会と観光を楽しんできます。何といっても世界に冠たるベルリンフィルハーモニーの生の演奏を聴くのと、その有名ホールで演奏できるというクラシックファンなら垂涎の的のような企画です。ベルリンのコンサートの後はバッハやメンデルスゾーンで有名なライプツィヒと宮廷都市ドレスデンを訪れ、こちらもとても楽しみです。 ベルリンフィルハーモニーホール 外観と内部 中央にステージがあり、前後左右に客席が設けられています。
2018年10月26日
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シューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」この懐かしく記念碑的な曲を今日FM放送で聴いた。思えばこの曲は実に思い出深い。18歳で大学に入学し、家庭の貧しさから大学の女子寮に入って特別奨学金8000円の支給をうけつつ、なんとか学生生活をしていた当時、レコードやステレオを買う余裕など全くない苦学生の生活だった。そんな時、かつら寮という女子寮にはステレオがあり、何枚かのレコードがあった。そのレコードがシューベルトの「死と乙女」とサラサーテの「チゴイネルワイゼン」だった。クラシック音楽に飢えていた私は授業がない時はいつもその談話室のステレオの前でこの曲に耳を傾けた。当時はまだ音楽に十分触れることができず知ってる曲も少なかったので、クラシック音楽を聴けることだけでも嬉しくてたまらなかった。この2曲を何十回聴いたことだろう。一音一音が耳に焼き付いている。死と乙女は私のクラシック音楽への第一歩の曲であり、その響きは心の深い部分でいつも息づいている。それから1年ほど過ぎた頃、学生生活にも慣れた私はアルバイトをするようになり、得たお金でFM放送付きのソニー製トランジスタラジオを購入した。寮にいる時はいつでもNHKのFM放送を聴いた。このおかげで「死と乙女」「チゴイネルワイゼン」以外のクラシック音楽が聴けるようになった。ラジオが音楽の泉だった。汲めど尽きせぬこの音楽の泉のおかげでその後私は膨大なクラシック音楽を聴くことができ、それは現在に続いている。今なお、私は朝起きるとまずFM放送のスイッチをいれて「古楽の楽しみ」あたりから聞き始める。そして「死と乙女」を聴くと音楽に全情熱を傾けていた若かりし日を思い出す。それから幾星霜経た今はこのブログタイトルを見てわかるように情熱は山に、音楽は深い愛に変容してしまった。この頃は山への情熱も怪しくなってきた感がある。
2018年10月12日
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いつまで経ってもお日様が輝いているモンゴル、まだまだ見学できる。とはいえ一度レストランで夕食を済ませ、夜7時から国立ドラマシアターに出かけた。ここはモンゴルの民族音楽の演奏や舞踊が毎日演じられている専用のシアターらしい。モンゴルの音楽で知っていることと言えば馬頭琴とホーミーだけである。そのわずかの知識がすごく役にたった。演奏も演技も実に見事なもので、私は登山する前にこの演奏に感激してしまった。 国立ドラマシアター外観 内部ドラマシアターはピンク色で独特の様式の建物で一度見たら忘れない。私たちが劇場の前に並んだ時には現地の皆さんや海外の皆さんがすでに並んで混雑していた。内部はこじんまりとしているが、ウイーンのムジークフェラインザールと似たような構造でU字型で二階席も三階席もあった。モンゴル独特の節回しによる独唱から始まり、日本の民謡に似ていた。そして最も興味があったホーミーの独唱があり、素晴らしかった。男性の歌手が低音から始まり高音になっているその声の作り方や出し方が独特で思わず背中がゾクッとした。歌というより人間楽器だ。どうやってあのような声を出すのだろう。独唱・独奏だけでなく舞踊と装束がものすごく魅力的で惹きつけられてしまった私は撮影禁止なのにこっそり撮影してしまった。日本や中国の装束と似ている気もするが、やはりモンゴルなのである。とにかく全体を通してハイレベルの演奏、演技が連続し、私はすっかり興奮していた。また、遊牧の民の暮らしの中で育まれてきた馬頭琴の音色は、モンゴルの雄大な草原を包み込むような温もりと、自由に駆け回る馬のような力強さを感じさせ、その音色は「草原のチェロ」とも形容される。一応知ってはいたが、馬頭琴がここまで表現力豊かな楽器とは思っていなかったので、馬頭琴を民族楽器ではなく演奏する楽器としても価値が高いことを再認識した。 馬頭琴の演奏 最後に民族楽器が勢ぞろいして指揮者も登場して合奏があった。その曲が何と「旧友」だった。ウイーンフィルのニューイヤーコンサートの最後には必ず演奏される曲なのだが、それをモンゴルの民族楽器編成で演奏するのだった。全く違和感がなくこれはこれでなかなか良かった。 民族楽器だけによる合奏 タイケ作曲 「旧友」90分という限定された時間だったが、内容が濃くて大いに満足した。生の馬頭琴とホーミー、これを聴けただけでも来た甲斐があったと本来の目的とは異なった部分で納得し、嬉しかった。
2018年07月23日
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1月13日(土)ちば室内管弦楽団の第44回定期演奏会が千葉市民会館で行われたので友人のYさんと二人で聴いてきた。いつもは習志野文化ホールで公演していたのだが、習志野文化ホールが建て替えのため使用できなくなったので千葉市民会館になった。演奏は指揮 高橋 利幸 ピアノ 朴 琴香 管弦楽 ちば室内管弦楽団 で以下の曲が演奏された。 モーツアルト作曲 フィガロの結婚序曲 ベートーベン作曲 ピアノ協奏曲 皇帝 メンデルスゾーン作曲 交響曲イタリア とてもポピュラーで誰にが好きなプログラミングだった。ピアノ協奏曲を演奏した朴さんは女性だが相当力強い音を響かせていたのが印象に残った。交響曲イタリアは陽気溢れるイタリアの明るい雰囲気や生き生きとした躍動感が伝わってきて気持ちよく聴けた。肩のこらない曲ばかりでリラックスでき、アイスクライミングの疲れが癒された。やはり音楽は大きな力を持っていて素晴らしい。 ピアノ協奏曲の演奏 交響曲イタリアの演奏
2018年01月13日
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このところシューベルトの歌曲集「冬の旅」がNHKFM放送でよく流れている。NHKFM放送のクラシックカフェは一年中クラシック音楽を選曲して流しているが、時期によって必ず登場する音楽があるような気がする。例えば10月半ばから11月にかけてはブラームスのクラリネット五重奏曲。これはこの時期に毎年耳にする。そしてシューベルトの「冬の旅」これも12月初めから半ばにかけて毎年聴く。今回は歌曲集「冬の旅」」 をテノール独唱 イアン・ボストリッジ ピアノ伴奏 レイフ・オヴェ・アンスネスで演奏されているのを聴いた。ものすごくニュアンスに富んで美しく、それだけでなく人生の悲哀を表現した声で耳をそばだてて音楽に集中した。何て素晴らしい演奏なんだ!!。私はこの時期、大体冬季うつ病っぽくなってエネルギーが減少し、いつもの元気さは無くなって物思いにふけることが毎年なので、この冬の旅は心に沁みる。「春の夢」「菩提樹」は明るさが少しあるが、それ以外が人生の絶望の中で生きていく人間の描写みたいであり、ピアノも歌に添って非常に巧みにに作られている。シューベルトの『冬の旅』は失恋したことのない人、つらい事に遭遇した事がない人は聴いても深くは感じないのではないだろうか?。私自身も若い時は冬の旅を聴いても今みたいに心の奥深くまでしみるということはなかった。でも年を重ねるに従ってこの曲の深淵をしみじみと感じるようになってきた。人生には楽しい事もあり悲しい事もある。この時期は冬の旅が身に沁みる。
2017年12月15日
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