おしゃれ手紙

2014.06.17
XML
カテゴリ: 映画
ある精肉店のはなし:あらすじ

いのちを食べていのちは生きる。

大阪の北出精肉店では、7代にわたり家族で牛を育て、手作業で屠畜を行い、その肉を店で販売、生計を立ててきた。
700kgにもなる牛を屠り、見事な手つきで内臓を捌き、確かな経験と技術により、牛は鮮やかに肉になっていく。
熟練の技を持つ彼らだが、
「自分たちの仕事は子どもの頃から自然に倣い覚えたことで、何も特別なものではない。
暮らしの一部だ」と言う。
店主として店を切り盛りするかたわら、高齢化、過疎化が進む地域に尽力する長男。
年に一度、心躍るだんじりにひときわ思い入れがある次男は、太鼓作りをしながら、屠畜の仕事から見るいのちの大切さを地域の学校で話して廻る。
長女は一日のほとんどを台所で過ごし、家族のために食事を作る。
中学一年生の孫は、将来肉屋になりたいという。
そして、いつも微笑みながら家族を見守る87歳の母。
そこにはごく平穏な家庭の日常があった。
だが、家業を継いだ兄弟の心にあるのは被差別部落ゆえのいわれなき差別を受けてきた父の姿。
差別のない社会にしたいと、地域の仲間とともに部落解放運動に参加するなか、いつしか自分たちの意識も変化し、地域や家族も変わっていった。
2012年3月、輸入肉や大規模屠場への統合の影響によって、彼らが利用し102年続いてきた公営屠畜場が閉鎖されることになった。
やがて、最後の屠畜を終え、北出精肉店は新たな日々を重ねていく……。
7代にわたり家族で牛を育て、手作業で屠畜を行い、その肉を自営の精肉店で販売する一家の姿を追いかけたドキュメンタリー。
監督は「祝の島」の纐纈あや。
いのちあるものが肉となり食卓に届くまでの行程をつぶさに見つめながら、“生の営み”の本質を浮き彫りにしていく。

私たちの生活で肉を食べない日はないのではないかと思うくらい身近な牛肉。
しかし、それはスーパーのパックに入ったものだ。
その肉がどうやって、できるのかを私たちは知らない。
この映画は、食肉の話だが単に食肉の話ではない。
牛を、と畜し、精肉し、売り、そして生活する家族のくらしの話だ。

牛をと畜する時は、血が流れて、怖い・・・。
という概念はすぐに払しょくされた。

自宅兼店から牛を引っ張ってと畜場へ。
そこで、牛をわる(殺すとはいわず、わるという)のだが、あっという間に絶命する。

皮をナイフで剥ぐ。
内臓を出して、女性たちが処理する。
背中をのこぎりで半分に切って、店に持って帰る。

あっという間のできごと。
ぐずぐずしていると、わった瞬間からはじまる腐敗との戦い。
そのため彼らは、手さばきは職人級なのだ。
肉を作るということを家族だけで全過程で行う。
それをたんたんと描くのが、この映画の魅力。
この映画のもうひとつの魅力は、北出精肉店の家族。
長男が精肉店を経営しているが妻も子どもも孫も手伝う。
次男一家も一緒に手伝う。


兄は、被差別部落ゆえの差別に目覚め、自分の生き方を変える。
また地域の盆踊りの責任者でもある。

弟は、子どもが小さい頃、学校の行事に出て、父親の参加が少ないことに気づく。
そこで彼は、父親を学校行事に参加させようと太鼓つくり始める。
北出精肉店がある貝塚市はだんじりが盛んで太鼓は身近にあったのだ。


なにより、近所にきょうだいが4人も住んでいる。
いとこもいる。
彼らにとっての家は私の住む家ではなく先祖伝来の家。

地域のコミュニティが崩壊して、近所づきあいのない人がほとんどだ。
そんな中で彼らは、地域に根差していきている。
多くの親戚、知人に囲まれて生きている。
それがなにより羨ましかった。
・・・・・・・・・・・・
バナー ボタン

・・・・・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.06.18 02:15:53
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Favorite Blog

「枕草子」を読んで… New! 七詩さん

暴炎注意報 New! はんらさん

スイス初日は、フラ… New! ジェウニー1072さん

リピート購入してみ… New! yasu07270207さん

蔵春閣 de Jaz… New! maki5417さん

Comments

七詩 @ Re:5/17-3:茨城県・水戸市:保和苑/水戸黄門の格さんの墓(06/17) 天狗党騒動やそれに続く抗争や粛清、桜田…
天地 はるな @ Re[1]:「光る君へ」定子&清少納言「香炉峰の雪」(04/22) 七詩さんへ 定子の清少納言への問いかけ…
七詩 @ Re:「光る君へ」定子&清少納言「香炉峰の雪」(04/22) 定子の母は漢詩の名手で伊周も学才に優れ…

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: