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修士論文発表会今日は、Piyotaの前所属大学に出向いての、時期外れの修士論文発表会。学生さんの発表を、はらはらどきどきしながら見守る。発表はともかく、質疑応答が怖い!予想通りの質問が三名の審査員の先生方から炸裂!読みがあたった!だが、当事者はそこまで準備がまにあっていなくて、緊張もあって、説明はしどろもどろ・・・スライド準備はできたのに、想定問答集の原稿までは用意できていなかったのだ。そういうときに、発表者の底力というのが試される。いままで身につけてきた知識、用語、論理など。それが、緊急時に瞬時に頭の中で組みあがって、するっと出てくるかどうか?とすると、就活のときの面接にも通じるものがあるかもしれない。いくら就活マニュアルや就活セミナーに出て、準備をしたとしても。とっさのときの想定外の質問に、どれくらいまっとうに対応できるかどうかは、訓練できないのだ。その想定外に備えるために、どうすればよいか?「すぐには役立ちそうもないこと」であっても、手を抜かずに「体系的に学ぶこと」、これしか対処法はないのだろうと思う。この話題については、また後日。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.08.22
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大学院入試2日目今日は大学院入試の二日目で、口述試験(面接)である。学科試験でどれくらいできたかどうか、第1志望の研究室が行おうとしている研究や、研究科の全体の研究の方向性などについての、志望者の適性について、口述試験により判断するのが目的の一つ。それと、志望者の論理的思考力、論理的表現力、ディスカッション能力、コミュニケーション能力などを、質疑応答を通じて、総合的に判断するのが、第二の目的。せっかく、基礎学力優秀で語学力があっても、それだけが、大学院においてなされる教育カリキュラムに対する適性ではない、という考えかたである。むしろ、将来の研究者としての適性をこそ、評価したいというのが、本音なのであるが、制度上も実際的にもそれはとても難しいことである。しかし、「主として研究者を育成する」「この領域の将来をリードする人材を育成する」ために、実際の一流の研究、熾烈な国際競争のもとにある研究を遂行しているチーム(つまり研究室)に所属し、その一端を担い、日々苛烈な国際的な研究競争にさらされ、人類にとって新しい発見をする可能性の高いテーマと機会を与えられ、そこで科学者の卵としての社会的責任をまっとうすることを実地訓練する、というのが大学院教育のカリキュラムの真意である。そして、そのカリキュラムを通じて、「今まで人類が遭遇したことのない謎」に対して答えることのできる能力を醸成する、という、そういう他の教育機関ではなしえないミッションをになっているのが大学院なのである。そのために、大学院入学後の「伸び代」を見積もる必要がある。学生には、大学院教育のカリキュラム受講中に、「化ける」「一皮むける」ことが望まれている。なので大学院の研究室のカリキュラムには、「○○についての専門的知識が得たい」とか「学部時代に学ばなかった新しい実験技術について知りたい」とかいう、(ささやかな)希望以上の重いものが詰まっている。そして、ミスマッチが起こった場合、学生さんは、カリキュラムの持つ重さ、ひょっとしたら科学(ないし科学者に対する社会的要請)の重さに潰されてしまうのである。そのことがいいことか悪いことかわからない。だが、大学の教員が教育と研究の両方に取り組み、しかもコンプライアンスと説明責任もまじめに果たそうとしたら、いまの仕組みでは自動的に、そうなる。やれやれ。そして「研究者になんてなりたくない」「研究なんてしたくない」人にとって、研究をする(特に、税金をつかって基礎研究をする)ことの重さというのは、かなりきついんじゃないかな、と思う。自分のように、そしてほとんどの理系大学院教員のように、「研究が大好き」という人ならばいざ知らず。ともあれ、こういう重さを苦ともせず、はねかえして、どんどん新しい発明発見を連発してくれる、新しい才能の登場に期待したい。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.08.17
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大学院入試お盆明けすぐというのに、さっそくタフな業務。今日は、Piyotaが所属する部局の大学院入試第一日目なのである。出題ミスがないかどうか、十全にチェックしたつもりではあるが、それでも恐ろしい。昨今、出題ミスが判明すると、大学院といえども、マスコミが殺到し、記者会見をして研究科長がおわび会見しなければならなくなってしまうのである。しかしそれでも、学科試験はきっちり行い、学力・論理的思考力・将来構想力などのポテンシャルを指標に、よい学生さんに来てもらいたい。モチベーションとポテンシャルの高い学生さんが来てくれるかどうか、それこそが、研究室の死命を制するのである。で、何が大変かというと、学科試験の採点を今日中に終わらせないとまずいということ。これがとっても大変なのだ。とくにPiyotaは今年はduty多いので大変なのだ。さすがに最後の方が意識もうろうとして来ましたね。明日は、口述試験。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.08.16
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住民票移転手続き車がなくて、自宅でインターネットがつながらないので、ひさしぶりに紙の地図を頼りに、新しい家の周りを開拓中。今日は、徒歩で、自宅から二番目に近い地下鉄駅まで歩いて、そこから一駅先にある区役所で住民票移転手続きを行って、住民票をもらって、もとの地下鉄駅に戻って、警察署に行って、免許証の住所変更を行う。区役所は、節電で蒸し暑いが、対応は機能的だった。警察署は、窓口対応が、微妙。ものすごく狭いところに押し込められているせいで、列をつくることもできず、ベンチで待つこともできず。それがおわってから職場に向かうために、ぐるりと大回りして地下鉄を2線5駅乗ることになる。ホジャ・ナスレッディンでマトンカレーを食すhttp://tabelog.com/aichi/A2301/A230107/23036415/マトンカレー(ライス・サラダ・ナン小つき)で900円、スパイシーで滋味が深くておいしいカレー。これはあたりだ。今度また来よう。考えが煮詰まってきたり、思考が停滞したり、抑うつっぽくなってきたりしたら、脳内の血行不良を解消すべく、何かアクションを起こすべきだろうと思う。有酸素運動をする、温泉に入る、酒を飲む、というのと同じくらい効果的な(とpiyota0が信じている)のが、頭頂から汗を噴き出すほどの辛いものをたべる、だと思うのだが。辛いカレーが一番だと思うのだが。そういう点では、このお店のはマイルドで、食べやすい。(でも残念)。ブログ村で大学近辺のカレー屋のブログを探してみる
2012.08.08
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Perlスクリプト完成・構造精密化ヒトストマチソという蛋白質のNMR構造の精密化を行っているのだが、学生さんに頼んでいた作業と、Piyotaが手がけた作業との分業部分が一部重複しており、peak fileがとても汚い(というか混んでいて煩い)。その重複分を統合するためのperl scriptを書いた。朝、マクドナルド朝食で十分英気をやしなってから、ラボのPCのメールを立ち上げる前に、一気に書き下ろす。結局、2次元目と3次元目の帰属の原子の番号を連結してキーワードとして、それを要素とする連想配列をつくることで、統合化に成功した。所要2.5時間、充実感。成果発表会今日はそれなりにいろいろと事務仕事の書類がたくさんあるのだが、それをこなす合間に、うちの大学のテニュトラ制度の若手成果発表会を聴きに行く。みんなすごい、すごすぎる。トリプレット病の医師主導治験とか、すごすぎ!とりさんブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.07.24
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実習の準備 これだけの情報をアップするのにそれなりに時間がかかった。多分野融合実践実習で紹介するいくつかのサーバ:データベースへのリンク (1) 米国NCBIのデータベースhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/このなかで特に汎用するものPubmed / Nucleotide (遺伝子配列)/ Protein (蛋白質配列)/ OMIM / UniGene (遺伝子)Field tag についての説明 / その他の制限法 / 日大歯学部作成日本語マニュアル京大医学部図書館Howto 名大医学部院・基盤医学実習PubMed(2) 相同性検索 : blasthttp://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi(3) SwissProt / Uniprotと呼ばれる蛋白質配列サーバhttp://www.uniprot.org/(4) 蛋白質ドメインのDB二種類SMART : http://smart.embl-heidelberg.de/smart/set_mode.cgi?NORMAL=1PFAM 英国sangerセンター : http://pfam.sanger.ac.uk/(5) 変性領域予測サーバ disopred2 : http://bioinf.cs.ucl.ac.uk/disopred/(6) 変性領域とdomain予測サーバ globplot : http://globplot.embl.de/(7) 立体構造データベース PDB本家サイト http://www.pdb.org/日本ブランチ http://www.pdbj.org/index_j.html全世界統合 http://www.wwpdb.org/PDBSUM わかりやすくまとまっている http://www.ebi.ac.uk/pdbsum/(8) 配列からの立体構造予測 FORTE : http://mbs.cbrc.jp/forte/query/main.do(9) ヒトゲノム立体構造の網羅的モデリング SAHG: http://bird.cbrc.jp/sahg/(10) 可溶性予測 ESPRESSOhttp://mbs.cbrc.jp/ESPRESSO/TopPage.html(11) 立体構造比較と簡易homology modeling MATRAShttp://strcomp.protein.osaka-u.ac.jp/matras/index-j.html(12) 日本語情報源いくつかバイオサイエンスデータベース(横断検索)http://biosciencedbc.jp/?lng=ja医薬基盤研究所統合DB横断検索http://sagace.nibio.go.jp/(13) いま活動中の研究 天然変性タンパク質DB IDEAL http://idp1.force.cs.is.nagoya-u.ac.jp/IDEAL/(14)分子構造ビューワのマニュアルページへのリンクCueMol2 [日本語]PyMol 本家(英語)PyMol [BioKids, 日本語]ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.07.05
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学生演習午前中、「分子生物学演習」。学生たちにたんぱく質NMRの連鎖帰属を体験してもらう。が、PCがそんなに台数があるわけではない。そこで、なつかしのP-ROIシステムを起動。(実は昨日はこれを動かして印刷するためだけに、丸一日を費やした)。8人で12残基ずつ分担すれば、ピークピックはあっという間。あとは入力して、MARSをかけるだけ。結果は来週、みんなで検証する。A-STEP公募説明会A-STEPというのがあるらしい。シーズを実用化橋渡し支援するのだそうだ。ちょうど、そろそろ発明届けを書こうかなと思っていた案件があったので、それを申請していけそうかどうか、目利きに意見を求める。楽しみ。SPAM缶キャベツと一緒に炒めて食べた。やっぱり時々食べるとうまい。決め手はタバスコ。通販楽天サイトとHontoサイトのログインIDを、新メールアドレスに移行始める。やもりちゃん太ってるなあ。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.07.03
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学生演習午前中、「分子生物学演習」。学生たちにたんぱく質NMRの連鎖帰属を体験してもらう。が、PCがそんなに台数があるわけではない。そこで、なつかしのP-ROIシステムを起動。(実は昨日はこれを動かして印刷するためだけに、丸一日を費やした)。8人で12残基ずつ分担すれば、ピークピックはあっという間。あとは入力して、MARSをかけるだけ。結果は来週、みんなで検証する。A-STEP公募説明会A-STEP[研究成果最適展開支援プログラ] というのがあるらしい。シーズを実用化橋渡し支援するのだそうだ。ちょうど、そろそろ発明届けを書こうかなと思っていた案件があったので、それを申請していけそうかどうか、目利きに意見を求める。楽しみ。SPAM缶キャベツと一緒に炒めて食べた。やっぱり時々食べるとうまい。決め手はタバスコ。スパムおむすびからチャンプルーまで!【沖縄ホーメル】【激安!198円】スパムSPAM(レギュラー)ポークランチョンミート ※7/31までの特価販売通販楽天サイトとHontoサイトのログインIDを、新メールアドレスに移行始める。やもりちゃん太ってるなあ。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.07.03
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何のための有給かわからない休暇をとり、自宅で一日を過ごした。つまり、いろいろ動画とかみながらリラックスしながらだけれども、基本、一日ずっとPCに向かって、民間助成金の申請書をがんばって書いていたのである。やれやれ。やれやれ。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.06.27
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蛋白質科学会年会を前に思うことことしの年会は、いつもとはちょっとちがうのである。何が違うのかというと、(要旨集は実費だけど)学部学生の入場参加費が無料なのである。これって生化学会などでは導入されていた手法じゃなかったっけな?なので、名古屋在住の理系生命系の学部学生さんみなさんに、20~22日に名古屋国際会議場に来て、ぜひ「蛋白質科学会」に参加して、タンパク質研究(とついでに構造生命科学)の面白さ奥深さを実感してほしいのです。ラボの近所で学会が開催されるのは、ラボにとっていいことだと思う。なぜって、気軽に参加した学生さんの一部が、学会の熱気に当てられて、勝手に活性化されて、その後違った道を歩み続けることがあるから。だから、みんなどんどん学会行って刺激されて帰ってきてね~ って、思う。雰囲気を味わい、知り合いをつくり、切磋琢磨できる戦友(とも)を見つけ・・・学会はわくわくどきどきの場なんだっ!!(クサっw)最近の持論なんだけど、研究者の仕事は、己の研究発表をもって、同業者である他の研究者の知性を刺激することだと、つくづく思う(publish or perishのpiyota的解釈)。そして一方で、大学教員の仕事(教育上のミッション)は、講義や演習・実習やセミナーや講演でもって、学生の知性を刺激することなんだと思う。つまりミッションは研究も教育も一緒で、対象がことなるために最適なコンテンツと表現方法が異なるっていう、ただそれだけ。そして、刺激された知性が、ときたま、勝手に活性化して、そこから新しい「知性の冒険」と研究者の卵の人生が始まる。学会参加がそのきっかけであってもいいし、大学の講義や実習がその発端であってもいい。なんでもありである。何かを成し遂げて、自分が成長した、って実感を得られることって、たいそう気持ちがよいことだ(僕には最近まったくそれがないが、、、年をとるってそういうことかorz)。同じように、若い人が成長していくさまを間近で見られるっていうのは、それはそれでこの上ない幸せである、と思う。だから、研究も教育もどっちも仕事のうちっていう大学教員は、しあわせな仕事なんだ! と思おうとしたが、給与が8%カットされるというメールをさっき読んで、テンションが低空飛行モードに突入した。やれやれだ。(でも、ポスドクならば研究だけしていればいいから、特任助教や助教よりも「いい」よね、っていう若い人の意見には、やっぱり賛同できないんだよね。)ブログ村で学会に参加した学生さんのブログを探してみる
2012.06.19
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今日の集中講義その他の感想一流の研究室には、一流の博士課程学生が集う、ということを、思い知った一日であった。修士学生がいくら一流であっても、彼らが抜群の就職率を誇ったとしても、博士に残ってくれる優秀な学生がいなければ、一流ラボにはなれないんじゃないか?と。このことが日本の生命系独自のことなのか不明だけど。いい意味でも悪い意味でも、日本の大学の研究室を生かすも殺すも、鍵は博士課程大学院生が握っているのである。で、そのあたりのことを、多分企業の方々は(研究所勤務の方を除いては)ご存じない。その意味で、博士課程大学院生と、その予備軍である修士学生に、何らかの意味でインセンティブと経済的支援を与える、という「リーディング大学院」の施策は、日本の大学院改革のツボをうまく捉えている、と思う。理念とか公文書の作文とかは別にして、実質はそういうことで、実質が大事なのだ。piyota0の考える大学院生至上主義について(生命系にかぎる)だが、そうやって、日本の科学(とくに基礎研究)のレベル維持、活力維持の、最大の主体である、博士課程大学院生を、「変人」とか「使えない」とか「つぶしが利かない」とかで始終ディスる、日本の社会って、絶対ひどいと思う。まあ、一番いけないのは、日本のメーカー系企業の採用戦略だとおもうけれどもね。「グローバル人材」云々という与太を文部科学省に吹き込むならば、「先進国企業における修士学生の位置づけ」についてもちゃんと情報発信してくださいな。その上で、企業が擁している人材と国際競争力の議論を・・・。すくなくとも、米国においては、理系のマスターというのは「何らかの事情があってドクター途中でやめた人」というだけの価値しかない、らしい(伝聞情報)。それほど、ドクターコースは、一貫したものとみなされているので、修士がデフォという日本の採用慣行は国際的にはなんら通用しないのである。よった勢いでへんなことを書いてしまったので、酔いついでにもうひとことだけ。こんな逆境だけれども。「胸を張れ、ニッポンの博士課程大学院生たちよ!本当のわが国の未来は、君たちの双肩にこそ、かかっているのだ!!」ま、そのことと、うちのラボの学生さんが誰も博士課程に残らないこととは、あまり因果関係がない、と信じたい。信じたい・・・・orz大学院生至上主義にそったラボ運営ポリシー大学院生至上主義、をラボ運営に取り入れるならば、大学院教員の最大の仕事は(1)お金を取ってくること(2)査読つき英文誌のエディター・レビュワーとバトルして勝つこと←これ重要(3)ラボに他の研究者を頻繁に招待して、大学院生の知性を刺激すること、でいいでしょうかね。1~3の順位は、まあ状況に応じて変化するとしても。で、なぜ大学院生が重要なのかっていうと、博士後期の大学院生だけが持ちうる、同じ学生たちに対するセンパイとしての影響力みたいな「何か」こそが、日本の科学技術の再興の鍵なんだと思うからである。この、じわじわとした無形のだが無視できない影響力こそは、広義のスクーリングの効果といってもいいと思う。学生に最も影響力があるのは、同じ環境に属する学生(同期センパイコウハイ)であるのは厳然たる事実なのだから。余談だが、スクーリング(原義:学校で学ぶこと)の効果の中に、wikiで見る限りは学生←→学生の影響とか相互作用みたいな効果があまり評価されてないのはとても残念である。日本語には「切磋琢磨」っていう素敵な言葉もあるのに。~互いに高めあう~そういう仲間(ライバル)に出会えるからこその大学であり研究室なのだと思う。【本日の飲み会】とりでん 四谷通り店 http://www.hotpepper.jp/strJ000016407/ゆるきゃらの話題で大変もりあがった。ブログ村で田舎暮らし・自然満喫のブログを探してみる
2012.06.12
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役に立つ研究雑感役に立つ研究って考え方は基礎科学ただ乗り論の焼き直しに過ぎないと思う。そもそも高等教育(大学教員の仕事)において、研究と教育を切りわけるべきではないと強く思う。なぜなら、我らの最重要な使命は、誰かの知性を刺激して、人類全体の叡智を高めることなんだから。(※人間の知的活動が、他人の知性から刺激を受けてより活性化し生産性を高めるかもしれないという仮説は、ここでは無証明に信じることにする。)教育も研究も、その成果を発信して、誰かの知性を刺激することの効果としては、同じに分類してもいいかもしれない。というか、表現系の違いなだけで、大きく区別する必要性を感じない。初等・中等教育→まだ教育を受けていない人の知性を刺激する仕事。高等教育→中等教育までの教育が完成された人のさらなる知性を刺激する仕事。研究成果の学会・論文での発表→高度に経験を積んだプロフェッショナルの人たちの知性を刺激する仕事。これこそが汎人類的知性至上主義なのだと思う。そして、例えば、こうやって知性を刺激し続けて叡智を最大限に蓄積し続けなければ、人類はきっと滅びるだろう、という「知性至上主義」によって、既存の宗教を(部分的にせよ)置き換えたのが、現在の科学文明論なんだとおもう。当然ながら、知性至上主義には「仮想敵」が必要である。資源枯渇とか病魔とか老化とか死とか、地球温暖化とかが、当面の敵となる。それを国境・人種にこだわらず、人類全体の叡智で迎え撃とうというのが、グローバリズム的・平和主義的な「知性至上主義」である。一応、わが国の科学者・基礎研究者の多くは、この立場に基本的に近い。これが米国ともなると、国策・国益のための研究という側面や、軍、軍産複合体からの研究費の導入なども、ある程度の割合で見られるようになる。役に立つ研究、立たない研究、役に立たない研究をしている研究者は教育dutyをもっと果たすべき、などの論争は、いずれもこの「知性至上主義」に立脚した議論ではない、という点にまず注意すべきと思う。人類全体とか、地球環境とか、そういうある意味非現実的な論点では、教育dutyというものと特定の分野の研究で他の研究者をinspireすることの差異は、単なる効果が現れる時間差でしかなくなってしまうのである。最先端研究でCNSに載る仕事のほうが教育よりも重要という価値観は、前述の知性至上主義ではなく、たんに身の回りの好景気不景気の視点や、応用研究と基礎研究の貴賎を問うような価値観と「同じ穴の狢」という気がするのだ。それはいろんなものへのただ乗りが大好きな平和ボケ日本人だけじゃなく、ともかくただ乗りが大好きな某大陸系アジア人にも共通の、メンタリティーで、ゴール前までボールを繋いでくれたミッドフィルダーや敵の攻撃をしのいでくれたゴールキーパーの貢献を過小評価して、ストライカーだけを評価するような「俺が俺が」の文化を体現していると思う。誰かが築いた基礎にただ乗りし、誰かが整備した制度にただ乗りし、それでも短期的な成果(論文数とかIFとか)を稼いだ人だけを評価する、という、浅薄な評価制度の申し子、ということだろう。しかし、それでは、基礎研究も応用研究も等しくサポートするなんてことが現在のわが国の状況で可能なのだろうか?善意の科学者がいくら理想論に燃えたとしてもそれは机上の空論。壮大な中二病(厨二病・魔邪眼系)との批判を否めない。そもそも「人類全体の危機」みたいな抽象的な中二病的な仮想敵相手に、リソースを割くことなんて、現実の政治的には不可能なのではなかろうか。そこで、その人類全体の仮想敵を身近な敵へとすり替える「政治」が必要になってくる、ということなのであろう。そこで、科学技術推進を政治的に正当化させるための、いろいろなレトリックが跋扈することとなる。「エネルギー安定化」「持続可能社会」「食の安全安心」「医療・老化・健康」などなど、などなど。しかし、実際、言霊っていうのがあるからね。自分で発した言葉により自己暗示にかかってしまうというのは、割とよくある現象である。結局、知性至上主義を安定化されるために使用されたレトリックが、言霊によって知性至上主義を弱体化してしまうということがしょっちゅう起こっているという、なんという皮肉だろう。・・・と、まあたまにはこういうことを考えておいて、CRESTなどの研究費申請のときの作文に使うこととしようか。無駄にはなるまい。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.05.01
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薬学会のシンポジウム午前中、薬学会のシンポジウムを聞いた。創薬の未来を拓くNMRに関するシンポジウムで、低分子医薬品、バイオ医薬品・抗体医薬品、インシリコ創薬、メタボローム、キナーゼ、GPCRと、あらかたをカバーする強力な手法のラインナップが揃っていた。シンポジウム終了後、移動開始、空港でウニいくら丼を食べる。お土産はカニと大きなツボダイの干物二枚。チケットが中部空港着便なので、そこからがまだ長い。手持ちの文庫が切れたので、退屈な旅路である。帰宅したところ、家族が夕飯を食べずに待っていてくれた。どちらかというとPiyotaを待っていてくれたというよりは、カニをまっていてくれたんだとおもうが、まあそれはいいや。今回判明したこと。6歳のJくんはもとより、2歳半のNちゃんが、カニが大好きだということ。ただし、自分でカニをほぐすことができないので、Piyotaがせっかくカニの身をほぐすと、それをはじからどんどん食べてしまうこと。じんましんとか出ないか、あとで気持ち悪くなったりしないか、と心配になるくらい、よくたべた。やれやれ、わーい。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.03.31
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薬学会年会初日諸事情あって、10ン年ぶりに薬学会に出席する。諸事情あって、伊丹発の便で出発するので、早朝の京都駅でリムジンバスを捕まえて。当然のことながら、前日ぎりぎりまで発表のパワーポイントができていないという体たらくなので、今日は午後のセッションひとつ聴いたら、宿にこもって発表準備をすることになろうなあ。やれやれだなあ。というわけで出発前からすでに寝不足で朦朧としていたわけだが、飛行機の中でも爆睡し、快速待ちの新千歳駅のビュッフェでカレーをたべて早めの昼食として、その後、札幌駅についてからようやく意識がはっきりしはじめるという状態。学会場、知っている人は少ないかと思っていたが、T大のS先生にお会いできて、久しぶりの情報交換である。午後のシンポジウムで抗体医薬のシンポジウムを聞いて、内容の面白さにかなり満足。このシンポジウム、終始満席であった。やはり抗体医療・抗体医薬は、今後もしばらく薬学の中心分野となっていくに違いない。夕方、宿に籠もる。宿は狸小路のサンルート。快適な宿である。でもって、2時間ほどプレゼン準備をして、近所のすし屋に夕食。その後、またPCに向かってプレゼン準備とメールへの返事を書く。メールが学会先まで追っかけてくるこの現状、なんとかならないかなあ、やれやれである。ちなみに、この良心的なおすし屋さんで食べたハッカクは美味だった。平日なので空いていたけれどね。ブログ村で薬学会物理系薬学部会のブログを探してみる(たぶんない)
2012.03.29
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科学をすることとは?今日はプレゼン準備で死ぬほど忙しいにもかかわらず、学生さんと論文読み合わせを行った。その時に伝えたこと。(1)科学の基礎研究は人類全体に対して奉仕するべきボランティア的な性格の行為と不可分であること、(2)そのために成果の論文・学会発表はかかせないこと、(3)人類の持つ「知の総体」を少しでも増やすという抽象的なボランティア行為が、(個々人の研究テーマの応用的な貢献と同じくらいに)、実は重要なこと、(4)人類の持つ知の総体が量・質的に一定の閾値を越えるたびに、「産業革命」「医療革命」「イノベーション」が起きていること、(5)それは特定の対象を持った行為というよりは、かなり漠然とした、人類全体へのボランティア活動であること、(6)いわゆる地域・社会的なボランティア活動に比べて、かなり専門的で特殊技能や才能が必要なこと、(7)その特殊性、才能・センスがものをいう性質ゆえに、科学というボランティア活動によって得られる本人の満足度は、理系大学院生・理系人にふさわしい、中毒性のある麻薬的なものであること。これは大学院生にはつたえなかったまとめ。(8)研究、とくにある狭い領域の世界トップにいるという自覚が得られるようなハイレベルの研究には、中毒性があり、一度それを体験してしまうと抜け出せないかもしれないこと。それゆえ、「研究は職業ではない、生き方だ」という逆説にいたるのだ。大沢在昌「雪蛍」の主人公、佐久間公の名セリフ「探偵は職業ではない、生き方だ」も、探偵(隠された真実を暴く)という行為の持つ麻薬的な自己満足性をほのめかしている、と思うのはうがちすぎであろうか?だが、もしそうならば、その探偵という行為に伴う(他人に望まれていない)真実を暴く痛みを背負いつつ、それに向き合い、「死者の代弁者」を僭称する、とあるニート探偵の生き方こそが、探偵にふさわしいのかもしれない。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.03.28
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アトキンスvsベルゲソン生物物理学の講義について、来年度は、学生さんにアトキンス教科書を買わせるという暴挙にでることにした。いろいろ議論の末 アトキンス 生命科学のための物理化学 東京化学同人、がよいということになった。【送料無料】アトキンス生命科学のための物理化学生物物理ということでは、「生化学の物理学的基礎 ベルゲソン」という一年くらい前に買った教科書がお気に入りです でも持ち歩くには重すぎる 。生物物理学の教科書にはベルゲソンのほうがいいなあと思うんだけど、前任者のとある大先生からは、訳にクレーム・・・むにゃむにゃ。訳本を教科書にすることをあきらめて、原書を教科書にしたら、学生さんついてこれるかしら? というのが当面の悩みである。ちなみに原書第二版は2010年11月に刊行されている。これについて「ところでベルゲソンの生化学の物理的基礎、第二版の訳書でないかなあ、シュプリンガーさんがんばって。」とつぶやいていたところ、[ライフサイエンス 新着論文レビュー]の飯田編集長から、「『ベルゲソン生化学の物理的基礎』,確か,ボクがSpringerを退社する直前にご脱稿いただいたのでした.残念ながら最近,Springerは日本語書籍の出版はやめてしまったので,少なくともSpringerからは第2版は出ないと思います… いまや部外者なので詳細はわかりませんが,日本語出版からの撤退は,昨年の秋に決まり,書店からの回収なども進められたようです.これまでの出版物は,丸善に版元を移して継続出版されるそうです.http://www.springer.jp/news/20120113000901.php 和書出版事業譲渡 」との情報提供を頂いたのだ。(飯田編集長様どうもありがとうございます。)ということは、逆にこの際だから原書第二版を翻訳するプロジェクトを立ち上げて、丸善さんかどこかに持ち込めばいいということなのですかねぇ。。。しかし問題はその分量、原書p980を訳すなんて、Piyotaにはとてもとてもできないっすけどね。ちなみにこの原書、p980かなり重い、を持ち歩くのは難儀なので、Kindle editionが出たらぜひ買おうと思っているのだが、こちらも、旧版はKindleがあるのだが、第二版がKindle化される予定はいまのところない。ベルゲソン、マニアックなのだが内容はいい本だとおもう。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.02.07
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ミクスオンラインニュースよりこのニュースが面白い。2012/01/11 05:02本誌が製薬企業63社(内資42社、外資21社)の昨年11月下旬時点における後期開発品559プロジェクトを調査・分析したところ、今年新薬の上市ラッシュとなる可能性が高い企業はアステラス製薬であることを示唆する結果が得られた。申請中のプロジェクト数がファイザー、ノバルティスと並んで最多の6プロジェクト。そのうちアステラスは新規化合物数で4品目とトップだった(残り2品目は適応追加など)。詳細(企業別後期開発品リスト)はミクスonlineに掲載中。アステラスが現在申請中の新規化合物は、▽ガバペンチンエナカルビル(予定適応症:レストレスレッグス症候群)▽アコチアミド(機能性ディスペプシア)▽デガレリクス(前立腺がん、1カ月製剤)▽ビキサロマー(高リン血症)――の4品目。ただし、ビキサロマーは昨年3月に承認申請を行っているため、今年の上市は難しそう。同剤を除く3品目のなかで注目したいのはデガレリクス。同社が重点領域と位置づける泌尿器領域を強固にする新薬になるとともに、今後の重点領域であるオンコロジー領域では同社にとって国内第1号となるため、同市場への参入の足掛かりとなる注目の製品になる。なお、申請中のプロジェクト数が多いメーカーは、エーザイ、塩野義製薬、日本イーライリリーがいずれも4プロジェクト。GSK、アストラゼネカ、協和発酵キリン、BMS、MSD、化学及血清療法研究所、帝人ファーマがいずれも3プロジェクトとなっている。もうひとつ面白い記事が。こちらは日本の大学の国際競争力に関する記事。日本の大学はグローバル競争で生き残れるか――世界大学ランキング評価担当者に聞く(4)以下引用。 欠点の前にポジティブな話をすると、日本の優れた点は大学の評判だ。1万5700人のピア(同じ学会、学部の研究者・教員)が、日本の大学の研究や学習環境について高い評価を与えている。この項目だけで見れば、東大はトップ10に入っている。それが世界における日本の大学の強みといえると思う。学生と教職員の比率、学生と博士号の比率といった項目でもスコアが高い。 ネガティブな点は、グローバルな視野に立った活動だと思うが、これは現在各大学で進めている施策に引き続き取り組めばクリアできる。だが、より根本的な問題として、資金面での弱さがある。 教育環境を整える、優秀な教職員に相応の報酬を支払う、優れた研究結果に対して投資をする、ということが、学生のよい学習体験や、優秀な学生の獲得につながる。日本政府もこうしたことをきちんと認識しなければ、世界に後れをとってしまう。優秀な大学は、その国の経済の牽引役として将来の成功のカギを握る。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.01.19
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構造生命科学の新展開悪名たかきターゲットタンパクの後継プロジェクトについて、ひとつは創薬基盤プラットフォームとなり、もうひとつがCREST型の研究になったようである。ということで、日本学術会館まで情報収集に出かけた。昼時、あらかじめ地図でみていたラーメン屋がみつからなかったので、青山墓地を大きく迂回して、かなり遠くまでラーメン屋を探してさまよってしまった。また楽しからずや。ラーメンとカレーのセットは食い手があった・・・というか食べ過ぎた苦しかった。途中、コメンテータの先生から、少しだけ面白いコメントがあがったのが印象に残る。詳しく再現はできないが、「上流の学問としての構造生物学」「後付け、後だしじゃんけんではない構造生物学」についても、入れたらどうか、という趣旨だったように思う。機能未知タンパク質の構造生物学が大好きなPiyota的にはとても心強いコメントではあった。しかし、全体として、「結局なにがやりたいのか?」何をさせてもらえるのか、いろいろと疑問が残る「キックオフミーティング」だったように思われる。おそらく企画の先生がたには、「何をどう企画して、どう中間評価をうけても、結局叩かれる」という思いがあるのではなかろうか。P3000にせよ、ターゲットにせよ、正統的な学術評価とはうらはらに、いろいろと叩かれるのである。他に、もっと多額の予算を使っているプロジェクトがあって、それらの評価が正当にされていないのではないか、と被害妄想に陥ったとしても。このプログラムは、毎回確実に叩かれ、叩かれた研究代表者は叩かれ損に終わるのではないか・・・そんな嫌な予感がよぎる。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2012.01.09
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戯言夕一ゲッ卜夕ンパクプ口グラムの成果報告会(closed)というのに行ってきた。構造生物学の研究成果をどう評価するのか、という根本問題が浮かび上がってきつつあると感じた。具体的には、骨太の基礎研究における構造生物学においてすばらしい成果をあげ ることのできる(比較的若い)貴重な才能まで、[創薬ごとき]に駆り出すべきではない、そういう出口志向のバイアスをかけるべきではない、という印象を持った。[創薬ごとき]というのは、露悪的な言い回しかもしれないが、そして、piyota自身はとってもとっても創薬研究が好きでそのことに特段の誇りをもってもいる。しかし、だからといって、研究の基礎・応用の軸でいえば、極めて応用寄り、出口寄り、上流下流という言い方をするならば最下流であることに間違いない。そしてそれは出口志向ゆえに、近視眼的であることを免れ得ない。これは、「創薬」に限らない。良くも悪くも、出口志向の研究というのは「近視 眼的」にならざるを得ない。近い未来に応用が可能だからこその出口志向なのだ から言葉の定義に等しい。だが10年後20年後の生物学の礎を築くというのも、構造生物学の重大なミッションなのだと思う。そして、そういうことができる才能、学問の最上流で多くの追 従者を従えるような「真のインパクトのある研究をなしうる才能」というのは、 流石に限られているはずだ。ましてや、日本の構造生物学のように、研究者の層 が決して厚くはない新興分野であれば、なおのこと、そういう才能は貴重だ。だ から、「え!?あんな先生までスクリーニングとかリードオプティマイゼーションとか言ってる!?」、というくらい、「構造決定→シーズ発見→前臨床」という 強いバイアスがかかっている現状に危険な香りを感じた。それは、生命科学全体の発展と人材育成のバランスという点において、本当に健全なのだろうか、と。もちろんそうなってしまった原因もよくわかる。一部の構造生物学研究が、装置 維持にまとまった資金を要するのは、悲しいが避けられない。たくさん税金を使 うのだから、tax payerに還元しろ、も正論には違いない。だが、それにして も、「だから創薬」というのは、あまりに近視眼的である。基礎科学における長 期的な視点と国家戦略というものを担保しないで、(納税者にわかりやすい)近 視眼的なアウトプットが見込める研究にばかり、そこまでバイアスをかけるのが 本当によいのであろうか?基礎と応用研究の間の乖離が日本の創薬研究の問題点なことは事実なんだけれど も、だからといって基礎科学そのものを支えることというのも重要で他人に真似 できないミッションなわけであり、それがきちんとできる研究者は限られてお り、それがきちんとできる研究室こそが、次世代育成を担える拠点となりうる。 それを、予算獲得・プロジェクト防衛とかtax payerへの説明責任とか成果主義 とかの実施制度の形で、研究者の本来の才能にバイアスをかける(かかってしまう)というのは、あまりよくないんじゃないかと漠然と思った。(僕ごときが思っても、あまり影響力はないんだけどね。)創薬を志向した構造生物学者が増えたことを、単純に喜ぶべきなのかどうか、年末の物思いにふけるpiyotaの戯言でした。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.12.27
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ターゲットタンパク報告会初日暮れの押し迫ったこの時期に、東京に招集がかかる。せっかく早起きして出発したものの、新幹線が雪害で遅延。というわけで、睡眠時間不足を補いつつ、読書。本日の読書(雪害遅延のため新幹線のなかに閉じ込められたので)「ぶたぶたは見た」【送料無料】ぶたぶたは見たポスターセッションあり。淡路町 福満苑で晩御飯、ブタ肉とネギの味噌炒め四川風、はふはふ辛いっ!!今回も神田泊まりだけれども、ホテルメインじゃなくてユニゾ。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.12.26
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武田薬品工業 は、武田アメリカ・ホールディングスを通じて、Intellikine社(米国カリフォルニア州)を買収することで合意した。同社の子会社化により、癌領域のさらなる強化に向けて新たな2つの開発パイプラインを獲得する。武田薬品のグローバルな癌戦略および開発を統括する米国ミレニアム社とのシナジーを見込む。 来年1月中を目処に、投資会社から株式を取得する。武田アメリカは一時金として190百万米ドルを支払うとともに、将来、開発マイルストンとして最大120百万米ドルを支払う可能性があるとしている。買収総額は最大約240億円となる。(情報提供:M&Aキャピタルパートナーズ)製薬会社が海外のベンチャーを買収した場合、製品開発ラインだけをひきついで、優秀な研究者をほとんど社外に放出してしまうというケースと、研究者を海外子会社に招き入れて、おなじ分野の国内の研究者を放出するケース、両方ある。生き残るためにグローバルに競争力を持たなければならない。(そういえばそのむかしSyrrx (シリックス)という構造生物学に特化した創薬ベンチャーが米国にあってですね、、、、続きは・・・続きは、僕も伝聞でしか知らないのですが、想像どおりun-happy endです(構造屋さんにとって)。買収は、そのベンチャーの技術がほしかったのではなく、ベンチャーが開発している製品ラインがほしかったため、とのうわさ。こういう流れ、抗体医薬のベンチャーや、再生医療のベンチャーでも、技術特化型のベンチャーには起こりうる筋書きなんでしょうね。)大手国内製薬会社が後者の経営戦略をとると(円高なことを考えれば実はリーズナブルなのだが)、国内の研究開発力が損なわれ、めぐりめぐってその分野の学問の活力を低下させることにつながってしまう。就職難になって、できる学生さんがその分野に進学しなくなるからね。日本は、独力で国内だけで新薬を創出できる技術力を持った世界で10カ国程度しかない技術先進国であるのに(それは誇ってよい)製薬の世界で、国内の研究所・研究者のプレゼンスがどんどん低下していて、学術的な空洞化が懸念されている。やはり国内での新薬開発の一番のネックは臨床試験の際の申請における、規制の多さ、手続きの煩雑さ、厚生労働省による審査の遅さ、であろう。スーパー医療特区の施策が規制緩和をもたらすと期待した大学関係者・製薬業界関係者は多かったはずだ。しかし行政がそれに応え得なかった。失政、といってイイのではないかと思う。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.12.21
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本日のお言葉・・・思い立ったが吉日なぜか、いろいろな流れで、夜中に急に、調べ物がしたくなり、webで検索して勉強を始めてしまう。そう、Hofmeister系列について知りたくなってしまったのである。Hofmeister系列とは、いわゆる硫安沈澱に代表されるタンパク質の塩析現象や、反対のタンパク質の塩溶現象に関して、溶液の特に陰イオンに顕著な、性質の系列のことである。カオトロピックイオンのカオトロピックという概念とも関連していて、要するに陰イオンが溶けるときにどんな感じに水和して、どんな感じにもともとある水の水素結合ネットワークを壊すか、といった尺度についてのことなのである。でもって、英国のChaprin研の水構造に関する巨大なウェブページにたどりついた。Water Structure and Scienceうん、これはすごい。すごいのだが、基礎的な知識を多く忘れているせいで、一読しても意味やら系列やらがよくわからないんだが・・・ともあれ、勉強しなくっちゃ。さて、Hofmeister系列はタンパク質の安定性や、水和と関係しているので、当然NMR的にはHD交換実験なんかとの組合せが考えられる。古い論文で、あまり返りられていない論文かもしれないが、ちょっと気になる論文が、これ。The inverse and direct Hofmeister series for lysozyme.Zhang Y, Cremer PS.Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Sep 8;106(36):15249-53. Epub 2009 Aug 21.PMID:19706429リゾチームの溶解度を精査して、PNASにこんな論文が出せるって、ちょっとすごいんじゃなかろうか。で、そもそもHofmeister seriesの話を検索するもとになった論文がこっち。Anion modulation of the 1H/2H exchange rates in backbone amide protons monitored by NMR spectroscopy.Tadeo X, Casta?o D, Millet O.Protein Sci. 2007 Dec;16(12):2733-40. Epub 2007 Oct 26.PMID:17965190地味な論文かもしれないが、1H/2HのNMR研究が、ちょっと個人的にマイブームなのである。わぁい。ブログ村でタンパク質の水和関連のブログを探してみる
2011.12.19
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神戸・UW・ジョイントシンポジウム今日はグローバルCOE主催行事である、神戸・UW・ジョイントシンポジウムのプレゼン準備の日である。国際評価委員会による研究進捗状況のガチンコ審査といううれしくない状況で、プレゼンをしなければいけないのである、が、日中、大学院志望学生の面談やらNMR測定やらをずっとこなしていたせいで、ようやく夜ホテルに帰り着いてはじめてパワーポイントを操作できるような状況になったのであった、まったくやれやれである。そういう困難な状況だからこそ、なぜかついつい、全然別のことを考えてしまうのである。それは、これまでも何度も書いてきたことであるが、「企業での就職という出口を意識した博士課程の教育」というテーマである。「企業での就職という出口を意識した博士課程の教育」企業がどういう人材を求めているのか、具体的なビジョンがないと、出口を企業就職に絞った博士課程院生の教育は難しいかな、というのが印象。その際、社会人が大学院に論文博士をとりに来る例があるが、そういう人たちをロールモデルにイメージして、新卒博士を教育してよいのかどうか、熟考が必要である。少なくとも、「日本のアカデミックでの生き残り」を大前提にする博士後期課程教育と、企業就職を前提とする博士後期課程教育では、かなり違ったものになることは間違いない。それに関して、生物系でも工学系(応用系)と、理学基礎系では、温度差が大きいとも思う。さて、一流の研究を最高速でこなそうと思うと、それはつらく厳しい禁欲的な道のりとなる。そのことに対するモチベーション、言い換えれば禁欲するためのモチベーションをどこから得るか。困難な研究のモチベーションはどこから?通常のありかたは、ずばりテーマそのものに対する情熱と科学的好奇心である。「若いころから??に興味を持っていて、その謎を解明すべく20年こつこつと続けてきました・・・」という、おなじみのレトリックである。だが、その手の学問的興味をモチベーションとして持つことが許されているのは、唯一、雇用が保証されている(かつてはされていた)アカデミックの研究者のような「特権階級」だけなのではないか、と懐疑している。なぜか?研究テーマに対する学問的情熱にモチベーションを求めるタイプの人は、テーマをトップダウンで変更させられたときに、パフォーマンスが落ちる。自分の好きなことならば一所懸命やるが、気に入らないことだったら、ついつい手を抜くか、雑になるか、ともかく一流の仕事ができなくなってしまう。そのタイプの人は、企業におけるPhD研究職には、おそらく向かない。まったく向かない。Piyotaが上司ならば、そんな部下に納期のある重要な仕事を頼みたくない。なぜなら、好きなテーマと嫌いなテーマで仕事の質や量やパフォーマンスにむらができるからだ。それは到底プロとは言えない。特定の分野に特化した興味を醸成せずに、かつ一流の仕事をするプロとならなければならない。プロとアマチュアの差?自分が○○という生命現象(や疾病や遺伝子)の解明に、いかに長期間情熱と一貫性をもって取り組んできたか、をアピールして、人々を(学生を)魅了するのが、典型的な基礎系のPI、教授である。カリスマ性や名人芸の話術もそこから生まれる。たいてい大学の先生というのは話がうまい。自分の興味をさぞ大事なことのようにお話になる。そして、学生さんは、そういうのに魅了されて大学院に残る。しかし、(大抵は科学的に一流な)そういうself-motivativeなPIに師事して、長期間感化されてしまうと、おそらく、企業のPhD持ち研究開発職の職務には適応しにくくなる。ビジネスとしての研究をクールにこなすという態度と、これまでの大学院博士課程の教育で培われた価値観は、完全にすれちがう。だが、研究計画を自分でたてて、実験を行い、査読付き英文専門誌に投稿し、編集者査読者とやりあい、自分の主張を認めさせて論文を仕上げ、学内の他分野教員の質疑応答からディフェンスする、という一連の過程は、アカデミックだろうが産業界だろうが、PhDに必須の能力であることは異論がない。そしてそのための能力の醸成には、やはりいまの研究室単位の大学院運営と、数年かけて一つのテーマを仕上げて1~3報の論文を書くというプロセスが、最適なことは間違いないのだ。そんなわけで、これまでの話とは矛盾するようだが、piyotaがおもうに、アカデミックだろうが企業向け人材育成だろうが、博士課程のカリキュラムや、研究室単位の運用や、学位論文作成要領や学位授与規定そのものはいじる必要はないのだと思う。・・・気づき・・・むしろ、アカデミックに向く人材になるか、企業にいく人材になるかは、もし指導教員が公正にニュートラルな態度を取り続けるならば、博士課程教育を受ける、大学院生それぞれの心構えだけで決まるのではないか、というのがpiyotaの意見である。あとは本人の心意気次第といってしまうと実も蓋もないが。もちろん、博士課程のコースワークをこなすのがぎりぎり、というヒトは、昨今の諸所の状況はとっても厳しいので、おそらくどちらでも(アカデミックでも産業界でも)生き残れないだろう。学位授与規定はminimal requirementと心得るべきで、それで精一杯になっている人はもっと真剣にトレーニングを積もう。)最低条件をクリアしたうえで、その余力を、基礎研究への情熱を醸成することに向けるのか、産業界向けのプロとしての胆力を練ることに用いるのか、そこに分岐点があるのではなかろうか。とすると教員の責務は、学生の将来設計が「アカデミック一辺倒」になるようなバイアスをかけないこと、だろう。例えば、学位審査の過程で、対象者の学生に(自分の研究興味と違うからと言って)「その研究のどこが面白いのか?」などと訊いてしまう教員はアウトである。なぜなら企業のプロのPhD研究員は、いまやっているテーマが面白かろうが面白くなかろうが、ベストの研究をすることが求められているのだから。あと、研究のオリジナリティーや新奇性への評価に偏りすぎてしまうというのもどうだろう? 研究戦略上、その時点でベストの選択肢を論理的に選び続けると、研究全体が似てきてしまい、オリジナリティーに乏しくなってしまうことが特定の分野ではしばしばありうる。しかし、それでは、そこで研究の質をわざわざ下げてまで、自分のオリジナリティーを出すことに腐心すべきなのか?(すなわちあまたある選択肢のなかで次善のものをあえて選ぶということである。)よしんばそれがアカデミックは逆張りの世界であることを知っていての行為だとしても、同じことを産業界にいる人間が行ってよいのか?以上、企業への出口を目指した博士課程人材育成について、効果的かつ画期的なカリキュラムの大改訂案は思い浮かばない、というのがPiyotaの現状でした。もちろん、産学連携交流やインターンシップなどをカリキュラムで充実させる必要性(誰でも思いつくけど)は、否定しません。カリキュラムや制度に関しては、微調整でおk。むしろ、大改革しなければならないのは、「研究室の雰囲気」か、と。それはどうやって改革できるんだろう?PIひとりひとりの心がけしかないのだろうか、と。ところで今夜の宿泊ポートピアホテル(わーい)広くて快適、夜景がとっても美しい!なんて贅沢なプレゼン準備なんだ~~。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.12.12
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先端医療センター本日は午前中、神戸大の旧オフィスで仕事。主にメールを書きまくったり、財務システムに入力しまくったりというそういう仕事で1時間半があっという間に過ぎる。それから、共同研究打ち合わせでポーアイに移動して、先端医療センターへ。植むらそれから、ささやかな打ち上げということで、「植むら」(和食)へ。三宮から北野坂を上がって、中山手通を渡ってすぐの左側、「ペンシルビル」4階にある、料理屋植むら http://r.tabelog.com/hyogo/A2801/A280101/28006093/ 、へ。ここの日本料理は感銘を受けます。すばらしい。演出もすばらしいし、味もすばらしい。この日のメインは、なんと、土鍋で炊き上げた「さんまご飯」。うまかったです~~。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.12.05
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本日のGCOEセミナー 「エピジェネティックスのリプログラミング」JmjCドメインタンパク質ファミリーによる、メチル基水酸化を初発反応とするヒストンリジン脱メチル化反応の話、迫力があり面白かった。本日の緊急呼び出し会議議題「入試説明会の来場者統計から考える定員確保戦略」ということで、名古屋キャンパスを出るのがかなり遅くなってしまったのであるが、そのまま急遽、地下鉄にとびのり、新幹線にとびのり、東京に向かい、本日のメインイベントである「研究企画会議」に参加する。その名もNIHT長寿プロジェクト 2011年研究企画会議!!NIHTとはNI先生とHT先生というこのプロジェクト主催者の大物研究者の頭文字からいただいた。この先生方の長寿を達成するために現代生命科学の粋を結集するというのがこのプロジェクトで、企画会議のメンバー常連は、僕、KT師匠、NI先生。それに今回はTI先生と、東北からKK先生が参加。内訳はNMR一名、結晶2名、インフォマティクス2名、である。う~ん、偏っているなあ。今回の会場は、おいしい日本食を食べながらとっておきの日本酒を堪能するという趣向。なので、秋葉原、ヨドバシカメラ近所の「美味礼賛 TETSU」http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13016907/ というお店であった。本マグロの釜焼きとか、メッさうまかった。ただし、特上日本酒をたくさん飲んだので、値段もかなり行ってしまった模様。 今回、初めて宿泊したホテルメイン神田、駅から徒歩三分と至近。とても快適なホテルだった。トイレとバス・洗面が別室という贅沢なつくり、それでいて一泊7000円とリーズナブル。東京医科歯科大や東大に用事があるときにはここを拠点にしようかしら?ブログ村で長寿関連プロジェクトのブログを探してみる
2011.12.01
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いろいろ疲れるメールが来て、疲れる電話をすることとなり、どっと体力を奪われた。それはそれとして、、、IDPの会議が行われた本日のメインイベントは、これ。IDEAL、かなり創りこまれている。うどんを食べよう一年発起して自炊してみることにした。今日のこんだては簡単ネギうどん。ネギを刻んで、かまぼこを入れて、うどんを入れて、TopValueのうどんだしで味付け。簡単であたたまる。よかったよかった。ひさしぶりの物欲番長通勤鞄がぼろぼろなのである。ファスナーが閉まらなかったり、途中から開いてしまったりするのである。思えばかなり長いこと使った鞄であった。サムソナイトで鞄をさがしたのだが現行の品番はすでに生産中止の模様。ノートパソが入って一泊二日の出張に耐えられる、というのが基本仕様なので、それにそったサイズを探してみて見つけたのが、サンワサプライ社のこれ。ちょっといまの鞄よりも小さいかもしれないけれども。http://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/200-BAG048どんなもんだろう。楽天でもあるのかしら?ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.11.24
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急遽もう一本グラント申請ようやく科研費(新学術領域申請)のおおわらわのどたばたが終わり、国際学会発表も一段落して一息、と思ったのだが、ここでなお一念発起して、急遽もう一本グラント申請をすることにする。「統合がん」という文部科学省のグラントである。最近、NVL2の研究の顛末の結果、ヌクレオリン研究に縁ができたことも手伝い、アプタマー系抗癌剤にとってもとっても興味があるのである。というわけで、それっぽいグラント一発を申請すべく、関係各所に連絡をとり、申請書作成にあけくれる。構想を一気にたちあげ、途中までしあげて、週末土日を寝かせて、来週月曜日に最終調整を行うことにする。ともあれ、まだ風邪がひどい状態、かなり疲れた。あしたは保育園のバザーとか・・・・ありえない。ブログ村で統合がん研究関連のブログを探してみる
2011.11.11
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風邪だよ二日目よりなんとなくのどがかさかさして咳っぽくなっているのが止められな かったのが、どんどんひどくなってきて、気管支のほうまで炎症が降りてきてい る実感がある。なんという進行が遅い風邪なのだろう。降ります!!今朝は大失敗である。早起きして、チェックアウトして、交通センターから熊本空港息のバスに乗った つもりが、なんと福岡空港行きのバスだったのだ。乗ってから15分くらい、気付いていなかった。バスの中でサンドイッチを食べ終わってから、たまたまアナウンスが耳に入って、唐突に気付いた。幸い、運転手さんに事情を話して途中下車させてもらったところから五分ほど逆方向にあるいたところに県庁前のバス停があり、そこで後続の熊本空港行きのバスに乗れたのである、が、、、やれやれである。空港から大学までは意外と近い♪飛行機は順調に名古屋に着き、名鉄で中部国際空港→神宮前→堀井→(名城線)→大 学、というルートでかなりはやくに大学に戻ってこれた。katanin p60セミナー夕刻からはIさんの臨時セミナー、なんと質疑応答コミで二時間かかる熱演のセ ミナーとなった、すごい。お疲れ様でした。 ブログ村でセントレア空港関連のブログを探してみる
2011.11.10
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今夜は、AAA国際会議の4日目。日程も大分余裕をもってスケジュールがくんであり、基本、午後は完全フリー。主催者側の用意したエクスカーションは、チャーターバスによる阿蘇山火口ツアーと、熊本城&市内散策ツアー、とのことだったようだ。城の湯Piyotaは単独行動で、大きな風呂に入りにいく。火口は去年6月にM先生に連れて行っていただいた。それにこの9~10月と、不動産めぐりやら単身赴任引越しやらラボ引越しやら科研費申請やらでばたばたしていて、週末も満足にレジャーに出られず、相当にストレスと蓄積疲労がたまっていたのであった。なので、温泉、である。熊本市内で日帰り温泉ということで、熊本城温泉「城の湯」へ。市電にのって、そこから5分歩く。平日昼間なのでとっても空いている。さて、適当に昼食と入浴でくつろいだ後、市内に戻って、本屋を冷やかして、ホテルに戻って仮眠。ともかく疲れが溜まっているという実感があるので、バンケットまで眠るのだ。バンケットバンケット、八寸と溶岩焼きは面白かったが、寿司・刺身などの海の幸にはありつけず、やや残念というのが印象。だが、催し物がよかった。たまたま隅っこに座ったところ、熊本大薬学部ブラスバンドの演奏を聴くには特等席に当たったのであった。ブラボー。ブログ村でAAA蛋白質の動作メカニズム関連のブログを探してみる
2011.11.09
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今日の夜から、熊本でAAA国際会議である。朝、ちょっと遅めに起きて、でもあわてて朝食や家事などを片付けて、出かける準備。お昼・・・お昼、家族みんなで外食して、それから車をAvantiの駐車場に入れ、列車がくるまでホームで新幹線を眺める。JもNもホームで新幹線を見るのが好きみたいなのである。セントレア空港は快適それからのぞみで名古屋に行き、名古屋から名鉄快速で中部国際空港へ。名鉄は実は初めて乗る。ホームのつくりがいまいちわかりにくいのだが、そのかわりに特別車両のきっぷの自販機などは、実に買いやすい。名鉄も快適だし、セントレア空港もとても快適である。熊本では出遅れるしかし、飛行機の便の都合で、熊本着はすっかり出遅れである。まず交通センターホテル。ここに宿泊して、ここの9階でレセプションやらバンケットやらが行われるのである、が。まず、ホテルのフロントにあがるエレベータがわかりにくい。100円ショップダイソーに入ってしまい、そこでノートなどを購入できたのはいいものの、ホテルフロントがわからないので店員さんに聞く始末。しかも、国際学会は、レセプションタイムを逃した。初日、バイキング形式で夕食がつくとは思わなかったので、あとからすごすごと入室し、すみっこのほうで学会のスタッフ(小椋研の若い人たち)のテーブルの片隅にまじって、こっそりと夕食を食べる。だが、感傷に浸っている暇はない。酒も我慢。なぜなら・・・深夜までtalkの準備明日のtalkの準備ができていない、のである。というわけで、パワーポイントを整備するのに余念なく、なんだかんだで、深夜2時までかかってしまったのであった。今にして思えば、このときの睡眠不足体力消耗が、これから長くかかることになる風邪の、真の遠因だったに違いない。ブログ村でAAA蛋白質の動作メカニズム関連のブログを探してみる
2011.11.06
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怒涛の科研費、仕上げ最終日休日であるがデスクワークである。科研費申請の実質上の最終日、怒涛の一日である。明日は、朝から、神戸で学生指導が入っているので、今日中にできるファイルは完成させて、あちこちにアップしたりしなければならないのである。この二週間、心血を注いで多方面に電話やメールをし、調査をし、打ち合わせをし、スタッフにはいろいろとファイルをつくってもらい、そんなこんなで、ようやくあとすこしで仕上がりにこぎつけた、そんな科研費申請書である。せめてヒアリングまでいくといいな、と、心から思うわけである。ポスターを印刷しなければならないところがである。諸事情あって、単に科研費申請書だけに拘っていられない事情があるのである。それが・・・AAA国際会議@熊本、のポスター発表。もともとポスター発表のみのつもりで申し込んでいたのであるが、short talkに格上げになって、その際にポスターをキャンセルし忘れた(しなかった)のである。ところが、とすると、日曜日の夕方には会場入りしなければならないし、神戸のオフィスにはもうポスター印刷可能なカラープリンタがないので、今日中に作成してもっていかなければならないのである!やれやれである。まったくやれやれである。宅急便が送れないせめて晩御飯は家族と食べようと、それでもポスター作成を頑張って、夕方の新幹線で京都に着いたのはよかったのであるが、熊本に大荷物をもっていくのがいやだということもあり、出張荷物を二分割して片方を宅急便で送ろうとしたのである。ちょうどよい宅急便集配センターが経路になかったので、JR京都駅から最寄のセンターまで、堀川七条までえっちらおっちらと歩いたのであるが・・・なんと、休日なので営業していなかった。結局、コンビニで発送することになった。荷物抱えて15分もうろうろしたというのに >_<どうも今回の熊本行き、あまりツイていないような気が、するのだ。ブログ村で科研費申請関連のブログを探してみる
2011.11.03
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いいこと、わるいこと、いいこと。はっきり言っていいことも悪いこともいっぱいある。一杯あって対処しきれない。なのでせめていいことのほうをたくさん書こうと思う。論文受理通知というわけで、別件の共著の論文が受理になったということです。今年度、頑張ってます、僕たち~。ともあれ、おめでとうございます、F先生、O先生。科研費が100%支給になりそうだよ70%までの限定給付だった科学技術研究費補助金が、100%支給されそうという公式ニュースがあちこちから届き始めています。いいことです。民間の助成金は一件落選だよう~む残念。ここのところ、プレゼン準備と引越しその他の折衝と論文執筆がメインに忙しいので、助成金申請があまりうまくいけていない。来年度やばいぞ。ブログ村で科研費100%交付のブログを探してみる
2011.10.03
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福本伸行調で叫ばなければ、やってられないよね~「博士が企業に就職できない」問題について考えてみた。(本当にそんな問題があるのか実は統計を知らないのだが。少なくとも身近な博士さんたちはそれなりに企業に採用されている、中途採用組も含めて・・・ともあれ)この問題は、博士の専門性の問題以前に、博士課程大学院生に限らず、修士も含めた、最近の大学院生たちの間違った職業観の問題も含まれているような気がしてきた。問題の背景に、企業の求める人材と大学院の育てようとしている人材像のミスマッチというのももちろんあるんだけれども、それ以前に、最近の大学院生たちに現存の社会の労働市場とマッチするような「労働意欲」「勤労意欲」はあるんだろうか?という問いである。(もしこれがそもそもマッチしていなければ、職種とか専門性とかいう以前の段階で雇用のミスマッチが多発する。)具体的には。たとえば「博士課程」の教育カリキュラム(=研究室における大学院生生活)があまりにフリーダムなので、そこに数年所属しているうちに、そこの文化や価値観に毒されて、「労働」「頭脳労働」「生産性」「勤労意欲」「勤労」とかいう、社会人になるためのあたりまえの価値観を失ってしまっているんだったら、そりゃ専門性とかスキル以前に就職なんかできないよぅ!って思う。で、もし、研究室における大学院生の生活をフリーダムにしてしまったせいで、学生が社会不適合の廃人になってしまう、っていうのならば、研究室を運営するPIにとっても学生にとってもそれが不合理なことであっても、「社会性を涵養する」という教育目的1点のためのみに、なんでもいいからルールで是正(強制)すればいいのである。悪平等主義、団体行動厳守、前例主義、時間に対する規律、敬語、挨拶、身分の上下関係に対する適切なふるまい、これらの中で、それが絶対的にサイエンスをスポイルする、というもの以外は、けじめをつけてラボを厳しく運営する・・・すると、会社に就職してから役に立つ大学院生が育つかもしれない。もしGoogleとかAppleとかではなく、「普通の日本の会社(おそらく半数以上はどこかのウェブサイトでブラック企業と陰口をいわれたりしている部署もある)」に就職したいのだったら、そこに勤めている人たちと同じような行動をすることに抵抗感がないに越したことがない。だって、もし就活に成功しちゃったら、4月からそこに属するんだよ?だから、一度フリーダムな環境になれてしまうと、もう一度厳しい環境に適応しなおして、かつそこで最高のパフォーマンスを出すというシフトチェンジが難しくなってしまうんではないかと思うのだ。それはなんとなく「現役大学生」と「予備校に通わなかった浪人生」の就学態度の差にもにているような気がする。生活リズムも同じで、一度崩れてしまってからそれを自力で立て直すことは一般的に困難だと考えられる。そしてその間に起きる本人の価値観の変貌、その極端な形としての「廃人化」・・・。大学院の研究室の持っている重要な雰囲気の一つ(これは科学を進展させるためには必須の価値観と雰囲気)に、「科学の前の平等主義」「非権威主義」「業績主義」「科学絶対主義」があると思う。例えば、オープンマインドで科学の議論すると気に身分の上下はとわないとか、よい科学の完成のためには採算度外視で情熱的に取り組むとか、逆に、科学的に間違っていると思われる指示に対して、正しく反論する態度とか・・・・。だから、博士課程を出た人やアカデミックに籍を短期間だけ置いた人(ポスドク経験者)が、企業に入って絶対に耐えられないことの代表事例は「上司が自分より劣っている(ようにみえる)こと」「自分より(科学的な意味で)ばかに見えること」「上司の指示が科学的に理不尽に見えること」、にもかかわらず「その指示に従わなければならないこと」なのである。だって業務命令だし。だから、アカデミックで働いていている若い人は特に、パーマネント職をもっている他人(教授)が自分より絶対に研究者として劣ってい(るように見え)たり、そういう人に予算や権限が集中したりすると、「そういう人事システムがおかしいから改善しろ」、と不満を溜め込みやすい。だが、一度でも株式会社で働いたことのある人は、「それでも企業や役所に比べたら相当にマシ」と思うだろう。年功序列+前例主義の日本の大企業は、そんなものの比じゃないからなあ。というわけで、これから企業就職を目指すために自己改革をめざす若い大学院生の人達に、福本伸行風に、叫んでみよう。福本伸行調で叫ばなければ、やってられないよね~。天下りとかっ...! メインバンクからの送り込みとかっ...! 政治家とのつながりとかっ...! 地縁っ、血縁っ 大株主からの横槍っ...! 組合っ、組合の圧力っっ!!! そりゃもういろんな種類の人々がっ、働いているっっ...! しかもっ...! 取締とかの経営陣っ、監査役っ、副社長っ、そんな肩書きで、新入社員の5倍以上の給料をもらっちゃう世界っ...! それがニッポンの会社っ...! ニッポンの会社っ...! 学位をもっていようがっ!! 有名ラボを出ていようがっ!! CNSを何本かもっていようがっ・・!! 新入社員は、しょせん新入社員なのか・・・っ! 先輩社員の顔をつぶしたら職場にいづらくなるっ それがニッポンの会社っ・・・!! それにくらべてアカデミックの世界っ... アカデミックはいい... まったく無名でも、実力があれば注目してもらえるっ・・・ まだまだ不完全だがっ! 業績で評価されるっ! 研究っっ! 研究結果は正直っ!! 自然現象が相手の研究は平等っ! 万人にチャンスがあるっ、平等っ...!! というわけで、そういう会社で生き残るために、仮にいまいるラボが(いろんな意味で)フリーダムな環境にいる人は、心して頑張ってくださいませませ。ちなみに、昨日の会合で集まったPIはpiyotaも含めて三人ともが民間企業の就業経験者だったんだけど、piyotaは「大学院教育で研究=楽しい(ないし自分が真に楽しいと思えることを熱心に研究するのが正しい姿勢だ)みたいな価値観を教えるのはほどほどにすべきじゃないんじゃないの」と発言して、ほかの二人からめっさ怒られました。む~~む~~む~~。そりゃ研究は楽しいよっ。でも、研究における「禁欲」って大事なんだよっ。(少なくとも僕にとっては)。気持ち的につらいことでも受け入れないといい研究はできないんだよっ。つまり「好きなことを好きにやる」、という日本語には禁欲的な職業義務感に関する意味が全く欠如しているので、「自分にとって楽なことを自分にとって楽なふうにやる」という風につごうよく解釈して、「税金を使っている」という自覚にかける行動に走る人が続出するのを止められないんじゃないの、と思ったのだ。おまけ・・・・「自己実現? 自分らしさ? なにそれおいしいの?」ブログ村で福本伸行調のブログがいくつあるかを探してみる
2011.09.28
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今日は共同研究会議のため、朝から名古屋へ。お昼はご機嫌イタリアン(グランピアット 山手通店)でパスタとピザのランチ。コミュニケーション能力としての昭和語 (ネタ注意)そんなこんなで、まあ、いろいろ研究やその他のことについて議論がなされたわけなのだけれども、今日の話題は「就活生に必須のスキル、コミュニケーション能力」。実際のところ、コミュニケーション能力というのは定義のない実態のない能力で、ただ単にふつうに理路整然と会話ができる能力の事を指す場合もあれば、ものすごく高度な「空気嫁」をさすこともあり、気に入らない学生を不採用にする絶好の口実でもあり、企業が大学教育に注文をつけるときの格好のキーワードでもある。でも、実際のところPiyotaが思うに、昭和生まれのおじさんたちが幅をきかせている会社組織に、平成うまれゆとり度80%以上の若者が溶け込むためには、やはり昭和語(はい、いまつくりました、新語です)がしゃべれなければならないのだ、ということになった。さて、昭和語の二大文法的特徴は、以下の二要項につきる。(1)駄洒落、オヤジギャグ、いいまつがいの意図的多用(2)カタカナ倒語(ズージャ語)の多用今日は、この昭和語(カタカナ倒語・ズージャ語)の構造生物学や情報生物学における用例をおさらいしてみよう。【例文1】なんだ~この配列、リンバーとリンセーばっかりじゃないか?(訳)なんだ~この配列、バリンとセリンばっかりじゃないか?【例文2】君ちょっと、この配列ターファスとストブラー両方かけておいてよ(訳)君ちょっと、この配列FASTA(検索?)とblast(検索?)両方かけておいてよ【例文3】昨日取ったトルスペク、リエフー変換したらズーノイばっかりで使いもんにならなかったっぺよ。(意訳)昨日測定したスペクトルをフーリエ変換したところノイズが多すぎて解析に使うことができなかったよ。【例文4】なんだあ、このトープレ、ミンタコしてるっぞっ!(訳)なんだあ、このプレート、コンタミしてるぞっ!【例文5】なにこのクリソツなモーホーログ?(意訳)この(配列が)そっくりなホモログはなんですかね?正直、研究室で半ばジャーゴン(俗語)化しているカタカナ語を、さらに倒語で連発されると正確に理解するのは極めて難しいことが、この例文からもわかると思う。しかし、研究職として会社組織に奉職しようと志す就活生の皆さんは、この昭和の研究者たちと十全のコミュニケーションが取れなければ未来はない。ぜひこの機に、古き良き昭和文化を紐解き、昭和語を話す研究者たちのコミュニティーに接して欲しい。共著論文のディスカッション項目の理路を下書きまず、少々過激な理路を日本語で練る。その上でそれをマイルドな方向に書き換える、という二段階を経て論文を完成させることとする。ブログ村で昭和語関連のブログを探してみる
2011.09.27
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Teplow先生来日一昨日、昨日と台風で大変だった近畿~中部地区であるが、今日は神戸は問題なく晴れている。今日は午後、Piyotaはちょっとしたミニシンポジウムで英語プレゼンをしなければならなくて、午前中ずっとずっとプレゼン原稿つくりの一日だったのである。で、さて、Piyotaの発表は正直いって前座なわけで、本日のメインイベンターはDavid Teplow教授の講演である。ともかくいろいろなことについて重層的・多角的な解析をなされている先生で、非常に勉強になる。特に着目すべきはOsaka変異体の挙動。Dr. Teplow先生のご業績はこちらで(Pubmedへのリンク)。そしてそれ以上に重要な(piyotaにというよりも、じつは前職のK大学の医学部の教育研究に)点はといえば、基礎医学・分死病態学の謎に深く鋭く切り込んでいく「物理化学」の視点である。PiyotaがN大に異動し、同室のH先生も早晩どこかに転出されるとなると、それでも結晶解析を続行するラボがあるにはあるが、物理化学、物性分光解析などを主とするラボが一気にへってしまうのであった。そういう研究を行い、それに関してある程度責任もって教育を行えるところが手薄という状況は、あまりよくないんじゃないかとも思う。こういう骨太の生化学者をどんどん呼んでセミナーしてもらって、内部の人々を啓蒙しないといけないなあ、ということなのだろう。仏料理ご相伴というわけで、シンポジウムの成功を祝って、プチ打ち上げはフランス料理、北野のルセット。丹精こめて丁寧に作られた見た目も美しく味もすばらしいフレンチでした。ワインはもちろんN先生がきっちりと選ばれているのでどれも美味美味。ただし、料理が凝りすぎているので、海外のお客様にそれを英語で説明するのがともかく難儀だった。ノドグロのポワレとかさあ、ノドグロなんてめっちゃおいしい魚なんだけれども、英訳がみつからないじゃないのさぁ。満足の一日でした。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.09.22
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台風15号台風15号が停滞中、朝から延々と雨が降っている。名古屋では庄内川・天白川があふれ、計110万人に避難勧告が出たという。すごいなあ。論文リバイス通知。大学院生○○さんが主著者の論文(いわゆるAAA-ATPase =ルンバ仮説論文)、去る8月23日にFEBS Jに投稿したのだが、その裁定が昨日でたようだ。ざっとみらところ、比較的好意的なコメントが寄せられるも、論文におけるデータ提示方法などにいくつかの改善意見を伴うリバイスの通知であった。具体的な対処法についての議論までに問題点をまとめておくように、主著者の人に対策をねってもらう。なるたけ前向きに、なるたけ最小限の手間で。まあともかく、これはなんとかなりそうな予感である。よかったよかった。というわけで、近日中に、○○さんは学位審査予定で、大学の事務局のほうに申請と審査の手続き中とのこと。 ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.09.20
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生物物理学会に参加生物物理学会年会が兵庫県立大学・書写キャンパスにて絶賛開催中なので、そこで開かれる30分だけの「来年度生物物理学会年会」の実行委員会に参加するためだけに、休日出勤。じゃあ、会議に出ていない間はなにしていたのかというと、内職して、今年のNMR討論会の要旨集を打ち込んでおりました、やれやれ。(ちなみにこれは帰りになるまで頑張ったが完成せず、帰宅後も夜遅くまでがんばったけれども完成せず、明日に持ち越しとなったのである)姫路ははじめて降りた。兵庫県にこんな都市があるのか、と思うくらい、ちょうどいいサイズの済みやすそうな「いいかんじ」の規模の地方都市だった。ちなみに姫路→京都はのぞみでちょうど一時間。手頃だなあ。さて生物物理学会年会は、一年おきに 1.すべて一般講演は口頭発表 2.すべて一般講演はポスターというのを例年繰り返している。来年はどうなるのかというと、ポスターの同時掲載スペースの上限の問題があるので全てをポスターではまかなえないという状況、しかし今年は英語で一般講演をやっていたところに大学院生が多数発表していたのだが、正直いって、疲れた、これはだめじゃんってかんじである。なぜならば、とりあえず原稿を覚えて発表する(あるいはカンペ片手に読みながらやる)ところまでが精一杯で、英語で質疑応答ができていないからである。やれやれである。学会年会に教育効果を期待するのか、それとも基本的にはプロフェッショナルを対象として学術的情報交換に特化した集会とすべきなのか?それでは一方で将来の業界(この場合は特にアカデミック業界を指す)の後継者養成(プレゼンテーション能力・ディスカッション能力の涵養)の場としての学会の役割りというのはないのか?あと、だとしたら中堅→シニア参加者の役割り。(1)プロフェッショナル集団をめざすというコンセンサスを持ち、かつ(2)トレーニングとしての若手の参加を受け入れる のだとしたら、(3)未熟な若手はこてんぱんにやっつけてあげるのが礼儀かも。質問に答えられないような学生の発表を、座長が青くなろうが勘弁しない、というこわ~い口頭発表。こういうのもありか?ともあれ2012年の生物物理学会年会は名古屋大学で開催します~みんな来てねっ♪と宣伝しておこうブログ村で生物物理学会年会のブログを探してみる
2011.09.17
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日本語総説原稿、脱稿。ようやく終わった。京大で共同研究会。グラント申請のための相談会など。雨の中京大に参集。次回に出すためのグラントの打ち合わせ会議である。終了後、京都駅でイタリアンで軽く慰労会と決起集会。うまくいくといい。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.09.16
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台風襲来である。暴風警報も名古屋市内に発令中の模様。そんななか諸事情により強行することになった、とある大学生向けの学術イベント・・・・朝からスタンバって、がんばります!というわけで、嵐を呼ぶイベント・・・・大盛況御礼名古屋大学ES館において、以下のようなイベントを開催させていただきました。荒天にもかかわらず多数の皆様にご参加いただきました。ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。また、一時は立ち見がでるなど、大変な盛況となり、また、空調が止まり蒸し暑くなるなど、いろいろご迷惑をおかけしましたこと謹んでお詫び申し上げます。また、熱い講義を行って下さいました講師の皆様にも感謝いたします。以下、備忘録:名古屋大学創薬を目指した融合領域サマーセミナー2011~最先端メディシナルサイエンスの未来~第一部 生物系研究者が取り組む創薬13:00~13:10 松下裕秀(名古屋大学副総長・工学研究科教授)開会の挨拶(創薬関連科学の現状と名古屋大学の取り組み)13:10~13:20 饗場浩文(名古屋大学・生命農学研究科准教授)「酵母に学ぶ寿命研究が拓く未来」13:20~13:30 人見清隆(名古屋大学・生命農学研究科准教授)「創薬基盤:生体機能調節因子としての酵素が行うタンパク質修飾」13:30~13:40 加藤竜司(名古屋大学・工学研究科助教)「再生医療と工学研究の未来」13:40~13:50 廣明秀一(名古屋大学・理学研究科教授)「NMRを利用した創薬支援研究の現状と未来」 ~休憩~第二部 招待講演・創薬を変えたイノベーション特別講演114:00~14:30 藤吉好則(京都大学・大学院理学研究科教授)「構造に導かれた創薬を目指す構造生理学の現状と未来」特別講演214:30~15:00 福山透(東京大学・大学院薬学研究科教授)「実用化を目指した天然物全合成」 ~休憩~第三部 化学系研究者が取り組む創薬15:10~15:20 北村雅人(名古屋大学・物質科学国際研究センター教授)「創薬基盤:触媒的不斉全合成力」15:10~15:20 山本芳彦(名古屋大学・工学研究科准教授)「実用的分子触媒が拓く生理機能分子創成」特別講演315:30~16:00 高柳輝夫(第一三共株式会社・顧問)「世界で活躍できる創薬研究者人材育成に対する製薬企業からの要望」終了 終了後別室ブースにて個別情報交換会予定ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.09.03
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イベントに参加、鶴見10周年誘われたので、古巣のイベントに行ってきた。今回、基調講演はすべてこの専攻の博士課程の卒業生(一期生中心)が行うという趣向。みんな、すごく立派に、アカデミックでまた企業で活躍している。こういう人たちの活躍っぷりをみると、元気がでる。きっと後輩たちも元気がでるだろう。ところで、基調講演の和田昭允先生の円熟の講義が、実に味わい深く面白かった。それから、木寺現専攻長の設立当時を振り返った苦労話が、これまた面白かった。明日の準備のため(台風で新幹線が止まる前に)名古屋入りしなければならなかったため、懇親会に参加できなかったのが、実にくやまれる。実に・・・。備忘録なのでプログラムを張っておきます。【講演会】 13:40~15:00室園 精二(横浜市経済局戦略推進部長) 『「ライフサイエンス都市横浜」の実現に向けて(仮)』大熊 健司(理化学研究所横浜研究所長) 『横浜市立大学との連携関係における更なる十年に向けた将来構想』和田 昭允(横浜サイエンスフロンティア高校常任スーパーアドバイザー) 『智と技の“価値プロデューサー”としての科学者・技術者』【シンポジウム】 15:30~17:10木寺 詔紀 (横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科生体超分子システム科学専攻長) 『鶴見キャンパスの10年』井田 孝 (武田薬品工業(株)医薬研究本部探索研究所) 『構造生物学と私』加藤 由起 (東京工業大学大学院生命理工学研究科) 『「解像度」と共に歩んだ10年間』長谷川 由紀(横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科・理化学研究所オミックス基盤研究領域) 『鶴見と歩んだこの10年』野村 充 (ライオン(株)生命科学研究所) 『血糖値改善効果を有する植物由来成分の探索』17:10 閉会挨拶追記;神奈川県、川崎市、横浜市が、医療関連の総合特区の申請をするらしい。そういう仕掛けについてもアナウンスがあった。京浜地区は、理研や市大を核にして、そういう仕掛けをする戦略的な構想が動いているので、つねに活気があるのだと実感。神戸大は、いろいろとしがらみがあって、兵庫県←神戸大医学部・兵庫県立大、神戸市←京大医学部、神戸理研は!? と二分三分されているので、なかなか戦略的に動きにくい(大学側も協力しにくい)面があるかもしれない。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.09.02
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午前中、研究会議アルツハイマー病研究に関して、超画期的な結果が出つつある我がラボ。共同研究機関の先端医療センターでは、更なる発展を目指して、大学や公的研究機関の組織体制では機動性に欠くという理由から、ベンチャー企業設立に舵を切る、という勇ましい話である。こちらは粛々と基礎データをご提供。ルンバの論文を投稿した。投稿先はFEBS Jという雑誌である。ここは昔European Journal of Biochemistryといった雑誌で、生化学・構造生物学・情報生物学に関する論文(フルペーパー)を出してくれる。姉妹誌のFEBS Letterのほうがインパクト係数が高い、という不思議な雑誌である。論文投稿に使用した、今回のお守りは、京都東山区八坂神社「勝守」。漆黒の地に金の刺繍で勝守とはいっている、カッコいい強そうな御守りである。勝負のお守りとして有名なのだそうだ。今回は、英文校正を丁寧にやってもらったので、驚くほど読みやすい論文になった。おそらく、reviewerからは、いろいろと厳しいコメントをもらうことであろうが、言いたいことを全部いうという、ディスカッション・パースペクティヴ主体の論文である。そういう意味でとてもチャレンジングなのだ(チャレンジングゆえに、投稿するジャーナルの選択がやや弱気なのだ、汗) すんなり、通るといいな♪ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.08.23
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明日から夏休みっ時差で夏休みをとることにして、二泊二日で夏休み、淡路島である。目標は、アスレチック(兵庫県立公園)と海水浴と釣り。というわけで、今日は残務を一気に片付けなければならないのでものすごく忙しい。英文校正を依頼エヌ・エイ・アイ株式会社ここは高い。高いのだけれども、仕事は確かだ、と思う。なので今回は、無理をしてここに発注することにしたのだ。夏休み前に発注して、盆明けに回収、22日くらいに論文投稿というスケジュールで動くことにする。見積をかけてみると、フルペーパーで一本あたり8万円、急ぎの納期を頼むと10万円。しかし今回は、チャレンジングな仮説を開陳してそれを査読者に納得させなければならないので、ある意味ナーバスである。というわけで、金額よりも質優先でチャレンジすることとした。AAAタンパク質=ルンバ仮説AAAタンパク質6量体はモデルを作ってみると思いのほかひらべったい。真ん中の穴でもって、ペプチドとかタンパク質のC末端とかを吸い込むんだとすると、まるで丸い自走式の掃除機、そう、ルンバみたいである。というわけでルンバ仮説。そんな論文を楽しみながら書いています。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.08.09
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薬剤学はいろいろと難しい今回、薬剤学はつくづく難しいと実感した。といっても、学ぶ側の意見ではなく、むしろ教える側の意見である。薬剤学教室のような本流の薬剤学分野に所属している研究者の知り合いが少ないせいで、特に、どういうあたりが最先端なのかをつかみ損ねてしまっているというのが正直なところだ。ざっと、薬剤学の既存の教科書の目次や、wikipedia日本語版の記述や、日本薬学会のコアカリ目次なども見ながらいろいろと関係者と相談したのだが・・・最先端の学問分野として、活発な研究がつづけられているのかそうでないのか?特に基礎研究の観点と応用の観点というのがあまり見えてこないのである。というよりも、最先端研究が突出して人口が流れ込んでいるのは、DDS/薬物送達の関連と、薬物代謝・薬物動態の分野がメインであり、一方、基礎的なところ(特に物理薬剤学とよばれる分野)は、既存の「物理化学」「生物物理学」と完全にかぶってしまっているという印象である。こういう、一部の分野が最先端として突出している印象の状況で、それ全体でちゃんとした統合された学問分野なのか?統合した学問分野として扱うことに意義はあるのか、という強烈な疑問が湧いたのである。当然ながら、それを教育するのに適当な教科書やカリキュラムはあるのか?という問題にも直結する。こんなことを書いたら、本流の「薬剤学」の先生方には失礼かもしれないし、そもそも、Piyotaは薬剤学の学会にも参加したことがないので、我が国の薬剤学の最新動向もあまり知らないので、これは、今年後半、早急に情報収集せねばなるまい、と思った次第である。真名で、まあそれはさておき、だとするともし薬剤学のカリキュラムを新たにつくるのだとしたら、「従来の基礎系学問分野を特定の視点にそって再編・再構築する、という考えかた」を採用するのが、もっともストレスがないのではないか、とも考えた。そこで、そういう趣旨に沿った作文をしたけれどもそれで本当にいいのだろうか?謎である。悩みは尽きない。しかし、大学(大学院)を活かすも殺すもカリキュラムと研究、で、研究者を活かすも殺すも研究室のありかたと名前、という気がするのである。ということで命名はきわめて重要。新しいラボの名前をつけることも、やはりきわめて重要なのであった。意味不明ブログで失礼しました。ブログ村で薬剤学関連のブログを探してみる
2011.08.04
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会議今日は名古屋で重要な会議の日。現在、とある重要事案で、本部事務が文部科学省と重要な折衝をしているのだが、Piyotaはそのワーキングの委員の一人として、いろいろとこまかいことの調査とか作文とかを請負っているのである。そして、とある申請書について、その中間評価の結果がWG委員に知らされるのが、今日。もちろん、その後、申請書の改正をするために、実務作業がはじまるのであった。というわけで、名古屋、暑いよ~~。Piyotaはこのあとの会議によって、急遽、かなりタフな作文をすることになった。明日とあさってとで、ドラフトをかためなければ。それから、何人かの先生にも連絡していろいろと折衝をしなければ。やれやれ、である。論文受理の通知論文のアクセプト通知、来た~~~~わーいっ。以前よりうちのラボでさんざん使いまくっている「15N標識タンパク質をつくるときの14Nインバース標識」の論文である。仕事そのものは7年以上まえに終息していたのだが、いろいろな事情があって、お蔵入りになっていた。それを、一度6年前くらいにProtein Scienceにチャレンジして、玉砕。(実は、よくよく見れば、大して玉砕ではなかったのだが、当時は未熟だったせいか神経が細かったせいか、reviewerコメントが意地悪に見えた。)で、それをPlos Oneに投稿したのが昨年の10月。結果的にrejectではあったのだが、その際に興味深いreviwerコメントをいただいたので、その線にそって書き直し、データをつみまし、絵を増やした。データを積み増すついでに、アミロイドベータタンパク質へのインバースラベル導入という、本来の仕事もいれた。そして最終的に、今回の受理となったのである。リバイス作業を手伝ってくれたU先生、どうもありがとう。ついでに、U先生、ご栄転おめでとう!!ゴミ論文という言われようがなんと言われようが、このPiyota流インバース標識のレシピはとても簡単なのである。今度、これをわかりやすく日本語化して、タンパク質科学会アーカイブにのせようかなっ、っと。ともあれ、一仕事終わった気分。よいことだ。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.08.02
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ヒアリング本日は、分担研究者として参加させていただくことになった某認知症関連プロジェクトの、グラントのヒアリング。実績のある先生が率いるチームに参加させていただいているので、職責は重くとても緊張する。研究代表者の先生が、Piyotaの提供した素材PPTも含めて非常に上手にプレゼンしてくださったのだが、審査員から出てきた質問が、いわゆる「スジの悪い質問」のような状態。どうも、我々のプロジェクトのプレリミナリーな研究の進度がそれなりにすごいので、その分野で国内第一人者を自他ともに認める一部の審査員の先生方に、「いらぬ危機感」をいだかれてしまったのではないか、という懸念がでてきた。でもさあ、我々が相手にしなければならない競争先は海外のグループなんだしさ、そもそも競争とか勝った負けたとかのために税金使うわけじゃなくて、患者さんのため、新規の治療法開発開のため、じゃん?そういうときに、自分の保身をからめてポジショントークをしたり、それを誘導するような質疑応答・議論を仕掛けたりとか、そういうのって、本当にフェアな研究者の態度なのかなあ?なんて、素朴な疑問を持った。だが、その先生が医学部の先生という話を聞いて、ちょっと納得。理学系マインドの基礎研究者からの偏見ですけどね。それとは関係なく、印象に残った言葉 「認知症で完全緩解した治療例はない」。つまり認知症は、不治の病ということ。高齢化を迎えるわが国で、社会の活力を保つためにも、認知症治療や予防の研究はもっともっと注力されるべきである、と感じたわけである。ブログ村で認知症新規治療薬関連のブログを探してみる
2011.07.26
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グローバルCOEのリトリート今日から一泊二日で、淡路島ウェスティンホテル夢舞台で、最先端の膜生物学(特に一分子イメージングとシステムバイオロジー)について、研究会がリトリート形式で開かれるので参加することにした。いろいろ面白い研究成果が聴けて非常に勉強になったのだが、備忘録をつけそびれたので内容をすっかり忘れてしまった・・・う~ん、歳はとりたくないものだ。無数のスズメダイの群れ休憩時間に、海を見に行った。見たことのない魚影がたくさん。大きいもので15cmくらい、小さいもので10cmくらい、上から見ると背中が明るい茶色なので、メジナでもマダイ(チャリコ)でもないことがわかる。胸鰭と尾鰭が特徴的なので、いろいろ考えるに、きっと、これ釣魚図鑑(スズメダイ)だろう、と。翼港人工島と岸との間の水域に、帯になるように千近く?昨夜までの大型台風の影響か。と、そのスズメダイの群の下に、でっかい大物が。50cmを超える大物、形からしてチヌかマダイか・・・・むむ~。ほんの一瞬で、悠然と海の暗がりに消えていった。交流会懇親会をかねて若い人達とバカ話を~。若い人達は、いまぼくらのいる楠キャンパスに、とくに学生の居場所が少なくて、福利厚生を強化してほしいという不満をもっているようである。しかし、そういうものを重点化しようにも、先立つものがない。かといって、僕らがいくら研究でがんばって競争的研究資金を集めてきても、公費で福利厚生に関わるものを支出するのは、重大なルール違反である、という話題であった。なんとかなりそうな要望としては「卓球台がほしい」だった。使っていない実験台を二台並べて卓球をするのはどうだろうか、という提案には、台が高すぎるのでは、とつっこみが。新スポーツ誕生の予感。さて、その後、科研費などの公費でどれくらいまで「一見研究に関係ないものを」研究費として支出できるか、という作文練習。これについては余談があって、プレステ2などのゲーム機がCPUやグラフィック性能や省電力性能だけ見ると、並列計算のノードに適していて、それを100台近く研究費で購入して、高速計算機を構築した、という例がある。そんなわけで、適正な研究計画と支出書類を持ってすれば、科研費でゲーム機を買うこと自体は、真っ向勝負でも多分可能なのである。つまり、目的外使用をしないこと、その支出が合理的であること、説明責任を果たせること、というのがポイントなのだ。しかし、そこに、あえて変化球で挑むというのが今回のお代。冗談にしても悪質で不見識なので、内容はここでは伏せます。ごめんなさい。その後、ツイッターの話題とか2チャンネルの話題とか、あまり研究者にふさわしくない話題で盛り上がっていた。そのとき、Piyotaが話題にふったのが、最近気になっていたこのネタ。「【緊急】ルンバが家出した」というわけで(というわけでもないのだが)研究室にルンバがあったらいいなぁ。本日のまとめ:公的研究費の財源は国民の皆様の税金です。こころして適正使用に取り組みましょう!!ブログ村で淡路島のスズメダイのブログを探してみる
2011.07.21
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宮崎にて、天然変性タンパク質(新学術領域研究)領域会議の3日目画期的なアイデア昨日の、災難にあうまでの、懇親会でのI先生やT先生、S先生とかとの会話から、日本の新学術領域研究のような研究コミュニティーの健全かつ国際競争力のある運営のしかたについて、かなり画期的なアイデアがでてきたので、忘れないうちにここに書いておく。それは、新しい領域提案のやりかた、である。もともと、科学とは、何らかの学術的な仮説があって、それが正しいか誤っているか、普遍的なのか特別な事象なのかを調べていくうちに、議論と検証と新しい仮説というサイクルを持って進んでいくものである。ところが、我が国にはこれまで、明確な仮説ドリブンな科学の進め方という文化はあまりなかった。とくに特定領域研究においては、そういう動きは皆無であった。CRESTなどは仮説ベースではなく技術開発主体なので、根源的な仮説をトップセーシスに備えるような枠組みには向いてないかもしれない。というわけで、「何らかの仮説を検証するための新学術領域」ということで、まず「仮説」をトップに備えるのである。その上で、計画班を以下の3班で組織する。第1班「仮説が正しいことを検証実証する実験チーム」第2班「仮説が誤っていること、ないし普遍性に乏しいことを検証実証するチーム」第3班「双方のチームに有用な新技術や新理論を開発するチーム」。領域の班会議では、第1班vs第2班のガチンコの科学争論が火花を散らし、第3班(技術開発班)は、その両班から「使えない技術」について袋叩きに会う、情熱研究会を繰り広げるのだ。そして、お互いに真摯に叩き合うことを前提に、説得されることをよしとするルールにしたらどうだろう。例えば各班の研究グループは、毎年または年二回開かれる研究会において、仮説の成否を常に独自に見極め、年度途中であっても宗旨を替えてよい、というしくみにしたらどうであろう。これまでこの仮説を信じて研究してきたが、第2班の研究成果に影響されて、自分も普遍性に疑問点が出てきた…とか、あるいはその逆とか。また、画期的な実験手法を開発できたので、第2班に転換して仮説を否定するチームに応援参戦する、とか。そういう科学の進展のダイナミズムそのものを研究体制とシステムに組み込んだ形で新学術領域研究のような枠組みを立てたら、さぞ面白いだろうなあと思ったのだ。5年たったあとで、改良された新仮説が出れば良し、出ないまでも、既存の古びた仮説が歴史の闇に葬りさられたらそれもまた良し。ともかく今後ためしたいことは・仮説ドリブンの科学研究という科学マインドもあわせて人材教育したい・科学のダイナミズムを科学研究の組織に盛り込んだ研究組織づくりのシステムを考案したいとまあ、まっとうな希望なのだけれども。実現・・・しないよね?災難その2さて、ようやく宮崎をあとにしようとしたところで、空港で不穏なアナウンス。のるはずの飛行機の機体が、トラブルのためまだ伊丹空港にいるとか・・・しばらく出発の見込みも立たない状態だったのだが、ついにこのままでは洒落にならないくらいの遅延が確定した模様。急遽他の便への振替作業がはじまって、結果的に、本来の離陸時間よりも5分だけ早い、ANA便への乗り換えができた。すると、大慌てでゲートに向かわなければならず、荷物のチェックインもそこそこに、出発ゲートへ。もちろんお土産を物色なんかするひまもなく。というわけで空港で物色する予定だったおみやげ(マンゴーとかゼリーとか)については満足なものが購入できなかったのであった、やれやれである。ブログ村で天然変性タンパク質関連のブログを探してみる
2011.07.01
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発表天然変性タンパク質に特化した新しい発現系の検討について発表。反応は、まあまあ。バイオインフォマティクスとはあまり関係ない。バスツアー 絶景鵜殿神宮夕方より、エクスカーションバスツアーが企画される。バスの車窓から青島の美しい海岸の景色や、鬼の洗濯岩のような奇岩を堪能。でもって、初めて鵜殿神宮というところに行ってきました。ここは、確かにすごい神社だなあ。当然のごとく学業成就のお守り(論文投稿対策)を購入し、お参り。災難さて、懇親会の2次会で、ひどい災難にあった。何も書くまい。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2011.06.30
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研究の班会議を、都会からはなれたところに缶詰になって行い、コンセントレーションして新しいアイデアを煮詰め、もって飛躍の種とするっ!というわけで班会議は宮崎の青島です。活性化してる人例年、この領域の「評価委員」のなっている先生が、初日だけ非常に活性化して、鋭いツッコミや一見するどいけれども斜め上のツッコミをする例が見られます。今年度は、どちらかといえば、学問的には比較的鋭いツッコミではありました。ただ、今日行われた議論の方向性、個人的にはあまり好かん。すでにある領域でエスタブリッシュしてしまった大先生が、一種の「ポジショントーク」をすると、若手がこれからやろうとしている、これまでにない新しい学問の芽っていうのは、どう防御対策を施しても、それなりにスポイルされてしまいます。文部科学省、新学術領域みたいな「新」がつく枠組みに関わる審査委員に、「年齢制限」つけたらいいんじゃないの?という話。何人かの大先生も、「自分は今も現役」のつもりで積極的に議論に参加してくださるのは盛り上がって、とても有り難いことなのですが。「ポジショントーク」という批判にはご注意いただけると、もっといいんです。危機感をもってる人Piyotaに領域的・業務的に近い「より若手の」先生方は、Piyotaなんかよりももっともっと危機感を持っていました。我が国では『天然変性の研究』が注目を集め始めたのはごく最近で、我々は、専攻している欧米(特に米国)の研究に、はるかに遅れを取っている。そうした状況をもっともっと直視して、危機感をもって研究をし、あたらしいスキーム、あたらしい仮説を積極的に出すような「とんがった」研究にこそリソースを集中すべきなのではないか? というご意見。僕も割と同意見。「とんがった」研究をしようという若手を「気分的にくじく」ような旧態依然の・・・【ひとむかし前の】構造生物学や分子遺伝学の枠組みから、パラダイムのジャンプがなければならないのに。そういう状況なのに、いまだに「天然変性の定義は・・・云々」の話題から卒業できない人たちもいて、それには多いに危機感を持ったわけです。はい。ひたすら内職している人ですが、Piyotaは明日の自分の発表が全然準備できていなかったので、パワーポイントを創るべくひたすら内職をしておりました。ブログ村で【ひと昔前の構造生物学】のブログを探してみる
2011.06.29
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第12回若手NMR研究会・二日目若手NMR研究会二日目である。残念ながら午前中はやい時間で失礼しなければならない。K先生は、今日は書類しめきりのため、某所で内職するとのこと。皆さんお忙しそうだ。今回、アミロイド・繊維関係の固体NMRの使い方が印象的で、Piyota的には非常にそそられた。そして、結局のところ、固体NMRにおいても溶液NMRと同じように、あるいはそれ以上に、試料の均質性、サンプルの良し悪しとサンプリング操作の成否が、きわめてクリティカルである、ということが印象づけられた。サンプリングがクリティカルな実験法、ということは、すなわち、測定感度と測定の手間の大小、それと試料量と試料調製の難易度、が、研究全体の成否に関係してくる、ということだと思う。つまり、構造ゲノミクスの研究室が、溶液で立体構造決定をするための試料を高速でスクリーニングしたように、またX線結晶がくの研究室が、キット・ロボットを使って結晶を高速でスクリーニングするように、固体NMR試料もしかるべくスクリーニングしなければならない、ということを意味するのである。これは少々マシな論文を通すためには必須の作業となる。その作業を現実的に可能にするテクノロジーは、つまるところ、「トライアンドエラー→手数を多くする」か、「ひとつの試料に対して可能なかぎり多くのアイデアをつぎ込む」か、だと思う。Piyotaの不勉強かもしれないが、これまで、固体NMR試料を如何に高品質で調製するか、とくにアミロイドや繊維や凝集体の研究で、という話をほとんど知らなかったので、この分野はひょっとしたら面白いかもな、やる価値があるかもな、と思った次第である。固体NMR。材料系化学には必須の測定分析法であり、まだまだ発展改良の余地がある分野である。これからもウォッチしていきたい。東奔西走で名古屋へ午後14:45分から、Piyotaの本務のところで、出席しなければならない会議が開催される。先月もそうであったが、今月も、この毎月の定例会議は、必ずなにか別のイベントとブッキングしている。先月は、神戸で、細胞生物学の講義まっさかりであった。地下鉄の駅までダッシュした。ちなみに来月は、淡路島で研究会議(リトリート)まっさかりである。というわけで、11時に会場を失礼して、ピエリ守山でタクシーを拾おうとすると・・・いないっ。電話をかけると、堅田からくるという。正確には堅田にあるタクシー会社と守山にあるタクシー会社があって、どちらにいくかで使い分けなければならないのである。で、15分ほど待ち時間。その合間に、ケータイで共同研究者のH先生に電話をかけて、現在急遽作成中のとあるグラントの申請書のPiyota分担分について打ち合わせ。その後、ひといきつくまもなく、電車で京都にもどり、そこからのぞみで名古屋へ。会議には無事間に合ったものの、移動だけで消耗してしまって、会議の内容はほとんどいいかげんである。会議終了後、さらに、別件でうちあわせのため、大学本部へ。それにしても、今日は暑い。体力勝負だ。やれやれである。ここだけの話というわけで、9月3日にミニセミナー開催します。詳細は後日。ブログ村で固体NMRとアミロイド関連のブログを探してみる
2011.06.24
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