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論文拒絶通知新春早々、がっくりくるニュース。年末に投稿した論文がeditor kickにあってしまった。まあ、変異体実験をしていないでひたすら愚直に立体構造を決めたという論文なので、Protein Engineering Design Selectionにはそぐわない、といわれてしまったら、それまでなのだけれども。だが今回のコンセプトは「開かれた構造生物学」である。構造をもとに、多くの他のラボの人が、Engineeringをしそうな分子なので、我々はやらないと決めて、リソースを提供する、というコンセプトなのである。わかってくれないなあ。急ぎ別のジャーナルにフォーマットを変換して再投稿を行うべく手配開始。終わらぬデスクワークそんなことを担当のU君と相談しているうちに会議の開始時間を忘れて、呼出の電話。ごめんち。それから、某中部地方より依頼のあった書類作成業務のうち、最大のものをしあげて、送る。で、のこりはあとふたつ。それは明日中に終わらせる。それと、明日は、前回Plos Oneにrejectされた論文の再投稿作業を行う。それとは別件のNMR帰属ノートも投稿する。わあなんて大忙しだ。終わらないデスクワーク。うんざりする。実はほかにもやらなければならない仕事がある。TODOリストを見ただけでめまいがする。敗けるもんか!幸いそれをこなせば三連休である。ここは我慢だ。物欲番長そろそろ次期のnote PCの導入計画を始動させることにしよう。仕事に用いるメイン機は2年に一度更新、と決めている。現時点での候補はこれ。dynabook R730 R730/39A PR73039ARJB のスペックkakaku.com 最安価格 ¥153,956液晶サイズ*1 13.3 インチ 解像度 WXGA (1366x768)CPU Core i5 560M 2.66GHz(512KB) SSD容量 128 GB メモリ容量 4GBメモリ規格 DDR3 PC3-8500 ビデオチップ Intel HD Graphics ビデオメモリ ドライブタイプ 内蔵 ドライブ規格 DVD±R/±RW/RAM/±RDLLAN 10/100/1000Mbps無線LAN IEEE802.11a/b/g (54Mbps) モバイル通信機能 WiMAXeSATA OS Windows 7 Professional統合ソフト Office Home and Business 2010 駆動時間 11 時間サイズ 幅x高さx奥行 316x24.7x227 mm 重量 1.27 kgどうも、IBMがPC事業部をlenovoに売り渡してから、lenovoの製品開発コンセプトの一貫性とか、ラインナップの継続性がなくなりつつあるような。IdeaPadのラインナップなんて、その典型である。そのせいでThinkPadもIdeaPadも製品の魅力がどんどん失われている。早晩、ThinkPadのブランドバリューも地に落ちるであろう、と勝手に推測。これじゃ製品リピータがつかないじゃないか~~。すくなくとも現在のIdeaPad U350の後継機相当機種が、すでにlenovoのラインナップにないんだもん、どうしょうもないよ、これ。でもそれは結局、短期的な利ばかりを追う経営スタイルの必然的帰結であろう。所詮lenovoもまた典型的な中国企業ということだろうか。というわけで国産メーカを応援しようと宗旨がえをする。欲しいのは1.7kg以下で、Core i3/i5搭載で、光学ドライブがあるノートPCでコストパフォーマンスがよいもの。軽さはそのていどならばそれ以上むりして軽くなくてもいい。Panasonic Let's noteは、軽いけれど分厚いからだめ。薄いのがいい。Epson-direct、応援したいところだが、新CPUなどに対する対応が鈍い。たとえば、NA501Eは、いまだにCore2Duo SU9400とかだし、光学ドライブもない。薄いのはいいけれども。そんなわけでVaioZかdynabookか、なんてことになってきた。定期的にウォッチしていないと、どういう機種があってどういうトレンドなのか、わからなくなってしまうなあ。ブログ村でlenovo-PC関連のブログを探してみる
2011.01.06
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たとえ死んだとしても生命科学の研究者を志してはいけない これは、あるショッキングな、しかし悲痛な、匿名ブログのエントリーである。そして一面の真理が含まれている。著者は、京都大学の生命系大学院で就学中にそのひどい環境から鬱病を発症、大学院を中退して、最終的には別の職に着くことができた、らしい。ここで描かれていることは、あくまでこの著者の主観からの記述ではあるが、Piyotaが日頃考えている「大学院教育」の問題とも共通している点が多々あるので、決して悲惨な例を強調しているわけではない、ということを言いたいのである。本来、大学院で大学院生が搾取される構造的問題とか、そもそも日本の基礎科学・大学院教育のありかたに関する施策の矛盾が、現場の研究室の教員と大学院生を直撃しているという構造的な問題とか、いろいろとあるとは思うのだが、それとはちょっと別の視点からPiyotaの考えを整理してみたい。(1)まず、生物系の学部教育におけるカリキュラムの整合性その他について。やはりこれについては、国家試験がありCBT/OSCEがあり、コアカリキュラムのしばりがある医歯薬学部の教育のそれと、大いに異なる。もちろん、縛りがないからこそ、各大学・学部の特色ある高度な専門教育ができるのであるから、そこから本質を学び取れないのだとしたら学生の資質にも問題がある、といういいかたはできるかもしれない。そもそも大学教育というのは補習塾ではないのだから、できる人間が伸びるための入口を多く用意しておけばよい、のである、はずである。しかし、それではミスマッチが生じたときに学生をどうやって救済するのか?Piyotaの考えでは、座学をもっと厳しく叩き込むことが、結局のところ「親心」なんだと思う。Piyotaは座学は受けるのも教えるのもキライなのであるが。しかも、坐学の講義のカリキュラムや内容を精査し高度化し、単位認定を厳格化すればするほど、学生からの人気が下がり、教員にとっていいことが一個もないのであるが・・・それでも、それをきっちりとことんやるのが、学生に対する親心なんだろうな。そういう親心発揮の機会と意欲を大いに現場から奪うシステムが学生による「教員評価システム」である。ともあれ、基本的に大学一年次二年次の単位認定と進級要件は、もっと厳しくしてもいいんじゃないかな、という気がする。これは文理関係なくね。ともあれ、医歯薬以外の生命系の学部・大学院修士課程では、複数の大学が協議して、共通コアカリキュラムを策定したほうがいいと思う・・・大きな御世話かもしれないけれども、、、。(2)大学院教育における研究室での大学院生に対する時間の縛りについて。まず大学院は、その大学院教育におけるアドミッションポリシーを明確にすべきであろう。組織的に明確化できないばあいは、研究室単位で、その研究室のアドミッションポリシーを明確化するのがよかろう。そのうえで、大学院生の資質に応じて、基本的に、次の仮想的履修2コースを並列で設定すべきである。・研究者(特にアカデミック研究者)養成コース・高度専門的社会人育成コース前者は最初から大学に残ると決めている人向き。後者は就職希望者向き。起業したい人は前者に、自分でよくわかっていないモラトリアムな人は後者に、押し込む。実は、この二つのコースの教える内容に本質的な違いは、ない。学生がどちらのコースを選んだとしても、科学的思考法、実験科学の手法の本質に差があるはずがないし、企業に就職を希望する学生と更に大学に残ろうという学生の間で、修士の学位の内容に差があっていいはずがないからである。ただ、前者はとんでもなく狭き門であることを本人に自覚させた上で、かつ本人の確固たる意志で入門させるべきであろう。いずれにせよ大学院は、単純な座学では教えられない複合的なことを、On the job training (OJT)としての研究活動を通じてまなばせるところである。さて、だから、OJTと、「大学院生を現場労働力として酷使すること」、の違いを、教員は絶対に理解すべきだ。しかし、その二つをごっちゃにして研究室を運用せざるをえないところまで追い込まれているのが、昨今の「大学運営交付金削減」「競争的資金増額」の流れの結果である。大学院の研究=大学院生のOJTという図式を、なんとか両立させることでしか、研究室における科学のレベルが存続できない。OJTならば、研究と教育を両立させて、学生個々人の進度・理解度・負荷に対する耐性などに合わせながら、実際の最先端の研究に従事させつつさまざまなことを学ばせることができる(希望的観測)。だが、プロジェクトが縛られている競争的資金では、そうもいかない。なぜならば、立案時の計画に従って厳然たるノルマが存在するからである。従って、大学院生も労働力として納期のあるプロジェクト研究に参加しなければならない。そのとき、専門的技術の低い初学者、新入生は、ルーチン仕事を分担せざるを得ない。ただし、学生の将来を思えば、納期のある期限が決まったテーマ研究に従事してもらって、厳しく指導してあげたほうがよいような気はする。「納期を理解せず自分の好きな研究に没頭」というのは、会社ではもっとも嫌われる技術者になってしまうからだ。同時に、学生のキャパを越えてきつく締切りを設定しすぎると、教育効果がまったくなくなってしまう。つまりあまり厳しすぎてもいけない。(3)その上で、フェイルセーフ機構を更に用意しなければならない。それでも、さまざまな意味で発展途上で、同時に不安定なのが10台の終わり~20台前半の学生である。それまでにどれほどのストレス耐性を着けているのか、社会常識を身につけているのか、へテロな集団を相手にすることが前提でシステム設計なされなければならない。だから、何か問題が起こったときに、いつでも救済をできるしくみは重要である。それを明文化してシステムとしてそなえておくのか、それとも、小人数の知恵のある人々が臨機応変に運用するのか、は大学や学部や研究科の規模によるので、どちらがいいかはここでは述べない。だがともかく、研究室を開かれた形にして密室にはしないこと、は、重要であろう。そんなことを新年早々思いながら、このhatena匿名ブログを読んだ。ブログ村で生命系大学院進学のブログを探してみる
2011.01.04
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G-COE student organized symposium今日は午後まるまるつかって、大学で、グローバルCOE関連のシンポジウムがあった。ゲストスピーカー二名のご講演と、理研は竹市先生の特別講演。それから、G-COEの制度を利用して渡米した北野さんの留学体験記(これがとってもステキでcuteだった)。いろいろ備忘録を書き連ねたいところなのだが、実は昨夜から半分くらい徹夜で本日〆切の重要な書類作成仕事を行っていたせいで、あるいは一年の疲れの溜りがついについに臨界点を越えてか、セミナー早々から寒気が止まらない。懇親会だけは遠慮させていただいて急遽自宅に向かう。途中、京都駅で晩ごはんを食べようと、さむけのする身体をあたためようとラーメンをすすってみるが、まったく食欲がなく、味もあまりわからない。重症だ。地下鉄の駅から歩くことすら億劫で、やや早めに降りてタクシーを利用。帰って風呂で身体をあたためて、ようやく寒気が収まった時点で体温計を使ったところ、38.5度。ああ、やっぱり。ダウン、である。ブログ村でNehza関連のブログを探してみる
2010.12.22
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統合DB事業の説明会JST主催の「ライフサイエンスデータベース統合推進事業」の公募説明会というところに行ってきた。会場はここ。この阪神高速が通っている謎のビル、実は貸し会議室などが入っているビルであった。「データベース」「knowledge-base」を統合して、新たな知の発見に繋げるために知識の共有化を行うための事業である。そのために、あまたあるDBをどのように統合すればよいのか、そういうことなのである。さて、しかし生命科学におけるデータベースには・1次データベース 配列情報、構造情報、化学構造情報、遺伝子発現などの生データに近いものが収載・2次データベース 1次データベースを分類・加工したデータを収載しているDB・knowledge base いわゆる文献情報の三種が存在しており、それらを有機的にリンクするためには、どうしても人力を介さなければならない。しかし、データベースを1次データベースのことだけだと思っている人々にとっては、そのような手間暇付加価値をつけた(かけた)二次データベースのありがた味というのはきっと理解できないであろう。そういうことから、生命科学DBの統合というのも、その重要性が見えにくい学問領域なのかもしれない。しかしである。そうはいっても、たとえばNCBIのDB群にまったくアクセスしないで生命科学の研究ができるであろうか?NCBIは、それがどこまで十分に高機能化統合化されているかは別にして、そのポータルとしての地位は不動のものとなってしまった。また、英国には、Sanger Center EBIの統合データベース群が、これまたマニアックな知識発見をサポートするのに役立っている。そういう情勢に対してオールジャパンを結集すべきなのではないか?それは他の生命系の生物学研究者や初学者や大学院生や大学生の、知識発見を強力にサポートし、知性の醸成を手助けするのである。ともあれ、それにつけても重要なのは、バイオインフォマティクスを使いこなせるウェット研究者の養成である。つまり、以下のふたつの極端な考え方が存在すると思うのであるが、Piyotaはその片側に、やや、与したい。A案)やはり真に頭がいいのは脳味噌筋肉のウェット研究者ではなく、生物情報学者である!だから、他のバイオインフォマティシャンが使いやすいようなDBを作りメンテすることこそが、新たな知識発見への最短距離なのだ~B案)いやいや、「事件は現場で起きているんだ~」という青島刑事の叫びと同じように、発見も発明もウェットの実験研究の現場で起きているんだから、ウェット研究者がまずそれを使い、使いこなし、日々の研究に役立てるべきであるのだ~歴史的背景をざっくり無視すれば、A案のスタイルは英国流のバイオインフォマティクス、B案のスタイルは米国流のバイオインフォマティクス、の流れを組むように思える。個人的にはB案を心情的にはサポートしたい。だが、A案支持者の懸念、つまり、日本の研究現場の人達が「脳味噌筋肉」なので、バイオインフォマティクスなんか(能力的に)受け入れられないんじゃないか?という懸念、も、日頃生物系出身の学生にいらついているPiyotaには理解できるのである。ひょっとしたら日本の生命科学の現場研究者は、脳味噌筋肉なのではないか?という懸念は、奇しくも「ピペド」という2ch用語によって揶揄されている。ピペドとはピペットマンを持つ「土方」「奴隷」のことで、単純反復作業やキットを利用したルーチン作業への分業に特化した挙げ句、学位を持っているのにその学位にふさわしい知性の保有を疑われている、人々である・・・もちろん、そんなわけはないと信じたいのだが。だが、大学の生物系に進んだ学生の中には、「自分は数学が苦手だから」とか「物理をとらなかったから」とか、科学に必須の論理的思考の価値を真向否定してそれを恥じない、そういう一群がいることも事実である。そこで折衷案。「頭のいい」「脳味噌筋肉ではない」現場研究者のみをよりすぐって相手にするような、そういうDB展開戦略を立てたらいいのではないか、と思うのである。具体的には、ケミスト、である。理系の実験科学者の卵としての学生で、やっぱり一番思慮深いのは物理系であり(個人的希望)、その次に勉強熱心なのは化学系の学生であろう。そこで、化学系の研究者につかってもらえる統合DBをつくるのはどうか、というのがコンセプトなのである。どうだろうか?だれかこのアイデア買わないかな?ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.12.17
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PlosOne 論文拒絶通知来るが~ん!!が~~ん!!である。今回の反省点。もともとこの論文は2006くらいに一度投稿して、一度落ちて(というかいまになってよく読んでみるとminor revision級のコメントであったわけであるが)、いろいろと報告書に記載する成果などを総合的に考えて、いそいで復活させなければならない、という論文であった。なので、そんな古いネタ、さすがに5年もたったら古びるであろう、と思ったらやっぱり古びた。と言うのが真相のその一。あと、大本の論文を適切に引用していなかったことを、査読者から指摘された。というか、その論文が古くてマニアックな論文で、今回指摘されるまで、著者の自分が重要性をあまり認識していなかった、という点。これについては、再投稿する改良版原稿で、ちゃんとフォローするつもりである。今回わかったこと。PlosOneには査読者が二名いる、ということである。この二名、ひょっとしたら、こちらが指定した査読者かもしれない。なんてことだろう。とすると、次回は別の査読者に回したらいいということになるのかもしれない。二人いる査読者の一人は、比較的好意的なコメントであったことを、心の糧にして。・・・レスポンス速い論文雑誌って、いいな!ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.30
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来年度のラボ運営などについて作戦会議いろいろと他人には聞かせられない暗黒の内容のラボ運営にかんする作戦会議が必要となったのであった。なので、ラボから一端外に出て、ぐるぐると歩き回りながらケータイで作戦会議を行った。苦汁の決断をいくつか含む重要な作戦会議ではあったが・・・・まあよかろう ともかく前向きに考えよう午後、学部学生指導午後になって、論文読み合わせのために学部学生がやってくる。とりあえず、日本語総説を解説しながら、技量的なものなどをいろいろと指導。残りの時間は帰属と構造計算時間さえあれば、帰属か、構造計算か、論文のうちこみ、である。やることはたくさんあるのであった。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.26
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本日も会議、天然変性の二日目本日、アノテーション会議二日目。というか、今日がアノテーション講習の本番で、昨日はむしろ表示系とかDB全体像とか、そういういろいろに対しての会議であった。いろいろと重要な話を名古屋大の先生から教わる。昼食に、名古屋大の生協(北部?)の台湾ラーメンを頼んだところ、目の醒めるような、頭のてっぺんから汗がどんどんでるような辛さでびっくりした。なんじゃこりゃあ。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.25
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天然変性蛋白質会議今日と明日の二日間、天然変性蛋白質のアノテーション会議に参加して講習をうけた。アノテーション、非常に楽しい作業である。だが、今回、Piyotaはいきなり難しそうな論文の蛋白質を手がけることをみずから宣言して、ツボにはまった。なんてこったぃこったぃ、である。コンフォートホテル名古屋先日、NMR討論会のおりに、コンフォートホテル東日本橋というところにとまって、非常に快適であった(しいていえばフロントで鍵をうけとるだけで延々と待たされたのには閉口したが)。部屋は快適で、すごしやすくて、バスルームもよかった。そんなわけで本日は、名古屋のコンフォートホテル宿泊である。わーい。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.24
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NMR構造生物学の研究の醍醐味研究の醍醐味は、いかに多くの人に見て知ってもらえる研究をできるか、というのもひとつの観点である。なんにせよ、立体構造決定は、動かしがたいひとつのデータ(PDB)が残せるわけだから、そこに喜びを見出せるようなテーマであれば、まだ幸せであろうと思う。どうせNMR研究をするなら、なんでもいいから構造決定をすべきだ、とPiyotaが若い人に進めるのは、構造を決定すればそれがPDBに残るからという理由による。滴定実験も、緩和実験も重要だが、結果(データ)を第三者が再利用可能な形で残しておくことがなかなかできない。滴定実験も、緩和実験も重要だが、せっかくデータをdepositしようと思っても、その受け皿となるBMRBデータベースが、あまりにもがっかりなのはとても残念である。そんなわけで、論文が通らなければ緩和の研究は自己満足に終わってしまう。だが研究をはじめるまえに、その成果が論文として投稿可能かどうかわからない、それが博打である。緩和とかフォールディングの研究というのには、そういうリスクがある。才能がなかったりラボ運営に余力がないのに、このリスクをむりやり埋めようとすると、「何を意味しているのかわからない緩和データ」てんこもりの論文を乱造することになる。そういう論文が増えると、おそらく多分屋の蛋白質科学研究者から、「緩和はつまらない」「NMRはつまらない」というような、業界全体の悪評をまねくことにもつながりかねない。というわけで、緩和の研究をする前に、まず構造を一つ決定して、PDBデポジットしようね、と指導したい気分になるのである。これが本当にいいのかどうかは、知らない。あと、単品の構造を決めるのではなく、複合体の構造を決めるのがいいよ、ともうひとこといいたい。これは、個人的にはどうでもよいが。修士課程大学院の宣伝を依頼される教務学生委員会において、夏の大学院入試の合格者の中から入学を確定した人の率(定着率)の報告をうける。がが~ん。多くが、他の大学院にも合格していき、うちから離れていく。それだけ優秀な人を採用しようとしていたということで、我々の目の高さを実感した、とポジティブにとらえるか、しょせんうちは京大・阪大の生命系大学院のすべりどめ、とネガティブにとらえるかともあれ。定員割れを避けるためにも、積極的に宣伝をしなければならない。というわけでポスター作成と請け負った。さて、はたして日本の理系に大学院は必要なのであろうか?あるいは日本の若者に大学院教育は必要なのであろうか。就職氷河期の現在の日本でも、職を選びさえしなければ職はある、昔の高卒向き程度の求職内容に関して今の大学卒の学生が職をえりごのみして、一流大企業ホワイトカラー職にしかつこうとしないから雇用のミスマッチが起きているんである、という説がある。なんてことだ。確かに製造業の製造現場が海外に流出し、国内ではサービス業と福祉産業(いわば公共事業だ)と医療のみが生き残る、というような現状だ。現実に職がないのだから、国内でそういう(大学院のような)高等教育は不要だ、というのであろう。とんでもない暴論である。だが、いまのわが国では、市場の意向に沿ってさえいれば、大抵の暴論が通ってしまうという現実がある。すこしずつ、すこしずつではあるが、これまでにも教育が市場に迎合してきたことが、教育側の弱腰を招いてしまっているように見えるのだが。ところで、日本の大学院において、それでは、研究を行うことの意義はなんなんだろう?日本には教育も研究もいらないのだろうか?ただ単に若者にはコストの安い単純労働を強いて、その彼らの払う税金と年金で、二人で一人の老人を生きながらえさせていけば、それでいいのだろうか?ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.22
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構造ゲノム学の危機についてNMR討論会で理研のK先生や首都大のIk先生との人と話したのだけれども、最近のNMR討論会ではすっかり「構造生物学」関係の議論が下火になってしまった、と言う話しになった。特に、日本には構造ゲノミクスという学問は全く不要なのか、という、Piyotaのいつもの懸念について、例えばわが国で構造生物学をしている人たちは、このところ一斉に構造ゲノミクスにそっぽをむいているけれども、国際競争などの観点から、それでいいのか、というようなことを話した。私見だが、構造ゲノミクスは「発見探索型構造生物学」で、基本的には機能未知または構造未知のものを標的とする。一方既存、従来型の構造生物学は、「メカニズム追及型構造生物学」。すでに「医学生物学的に重要とわかっている」分子機械や酵素や生命現象の「メカニズムを解明するために」詳細な構造を利用する、そういう学問である。つまり構造ゲノミクスと従来型構造生物学は立ち位置が異なる。サンプルの選択によりインパクト係数が高い論文が出る率が高いのが後者(既存の構造生物学)であろう。ただし、重要な試料を狙うとライバルも激多いので、現場は総力戦・消耗戦になる。それを避けるためには、難しいサンプルを標的にすればよい。難しい試料をとりあつかうことを克服すれば、競争を制することが可能。しかしそれはやはり、現場には多重な負担を強いる。難しいタンパク質というのは、基本的に、誰にとっても難しいからである。畢竟、学生には不人気なテーマとなる。前者(発見探索型構造生物学)は、構造を解明してから誰かが機能を解明しなければならない。胚スループット構造生物学では、そのあたりの役割分担がいいかげんで、構造はきめっぱなし、機能は他人まかせとなる。そのさらに後、機能が解明されてからはじめて、それが生物的に重要であると検証可能になり、運よく多数の研究者の興味を引きつければ、その構造を記述した論文の引用数がじわりじわりと増えてくることになるのである。すぐには引用が増えたりしないので、当然、雑誌のインパクト係数もあがらなくなる。結論。【構造生物学】=【就職希望の修士学生には向かない学問】 残念なことだが。じゃあアカデミック志望の博士課程大学院生には向くのだろうか?若手ポスドクには向くのだろうか?それは、わからない。構造生物学は確かに勉強することが死ぬほど多いが、他の分野がそれより楽とも、思えないからだ。だが、いずれにせよ、研究の醍醐味は、いかに多くの人に見て知ってもらえる研究をできるか、というのもひとつの観点である。なんにせよ、立体構造決定は、動かしがたいひとつのデータが残せるわけだから、そこに喜びを見出せるようなテーマであれば、まだ幸せであろう。どうせNMR研究をするなら、なんでもいいから構造決定をすべきだ、とPiyotaが若い人に進めるのは、構造を決定すればそれがPDBに残るからだ、という理由による。 滴定実験も、相互作用実験も、緩和実験も重要だが、結果(データ)を第三者が再利用可能な形で残しておくことがなかなかできない。それは大違いという気がする、いろんな意味で。日本語教科書の校正について必死に働いた件学会期間終了とほぼ同時に日本語の教科書の著者校正の締め切りがきているので、出版社に頼んで、宿泊中のホテルに校正を送ってもらったのを無事受け取ったのが月曜日。だが、火曜日が自分自身の発表だったので、その準備のためにまったく校正などできなかったのが火曜日。3時間しか寝ていないまま、流れで懇親会にまで出たので、やはり校正ができなかった火曜日。そして今日水曜日、学会を中抜けして、近所のマクドナルドにこもり、ようやくほとんどを仕上げる。後は索引ワードに蛍光ペンをいれたらできあがりだ!ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.17
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マルチドメイン蛋白質の3分類について今日の、自分の口頭発表の終わりにいいたかったこと(NMR構造生物学とは直接的には関係ないが、間接的にはやや関係がある)について、日本語できちんと備忘録にしておきたい。マルチドメイン蛋白質には下記の3分類がありうる。B型。ビーズオンストリング、数珠つなぎマルチドメイン蛋白質。 複数のドメインが数珠つなぎになっており、柔かいリンカーでつながれている。R型。剛体型。 複数のドメインの、それぞれのドメイン間でタイトな分子認識があり、結果的に全体が剛体の蛋白質として機能する。リンカーの長さや配列まで厳密に保存されており、他のドメインとのすげ替えが効かない。BR型。B型とR型の中間的な存在。 ビーズオンスオリングの部分と、剛体型の部分が混在しているケース、ビーズオンストリングではあるのだが、その順序やリンカーの長さなどに制約があるケースを想定している。なお、分子進化の観点からいくと、バクテリア由来のシングルドメインの遺伝子が、遺伝子融合しててきたのがB型であろう。適当なリンカーを得て、遺伝子重複と遺伝子融合が加速されるフェーズにおいて、うみだされるのがB型であり、蛋白質レベルでいえば新規の機能や多様性の獲得を、個体レベルでいえば複雑性の獲得をおこなっているフェーズである。一方、B型が時を経ると、各ドメインの本来の機能以外のところに変異が蓄積し、同一遺伝しないの別ドメインとの界面を獲得することで、物性的に安定化されたり、本来の機能の効率があがったり、新規機能を獲得したりするであろう。これは、既存の遺伝子の変異蓄積による最適化のフェーズである。分子レベルでも個体レベルでも効率化がもとめられたフェーズであると考えた。おそらく、多くのマルチドメイン蛋白質は、B型とR型のモザイクであると考えられる。マルチドメイン蛋白質の分類学と天然変性領域についてあきらかに、天然変性の領域がドメイン間リンカーに頻出されるのは、上記のB型マルチドメイン蛋白質であると考えられる。とすると、B型なのか、BR型なのかを配列情報的に見分けるには、リンカーが天然変性なのか、フレキシブルなのか、遺伝的に保存されているのか、他の天然変性領域で可換なのか、などの観点が必要となるであろう。天然変性領域の予測に、「機能的な可換性の予測」という新たな需要を、この分類は訂時することになる。マルチドメイン蛋白質の分類学とNMR構造生物学についてビーズオンストリングで、そのタンパク質の全体の分子機能が、還元論的に、その構成ドメインの分子機能で記述可能である、というのは、NMR構造性物学者にとって好ましい標的であるということができる。なぜならば、200アミノ酸程度のドメイン断片に分解して解析することに、科学的意義が担保できるようになるからである。とすると、バイオインフォマティクス的に、上記3分類を予測的に分類できるツールは、NMR解析における試料選択、解析戦略の決定などに、重要な意味を持つ。マルチドメイン蛋白質の分類学と合成生物学的展開についてそれではかりになんらかの方法で予測されたマルチドメイン蛋白質が、B型なのか、R型なのか、BR型なのか。また混在型の場合にはそれぞれの領域に付いてさらにB型領域、R型領域の区別が必要(かつ理論的には可能)になってくるであろう。そういうときに、予測を実証する実験生物学的な手法はあるのであろうか?Piyotaはそれを合成生物学に求めたい。さきの、天然変性領域について、可換な天然変性領域とそうでない天然変性領域というアイデアを提示したが、まったく同じことで、ドメインについても、機能的に等価と考えられるホモログやオルトログの別ドメインと交換可能かどうか、というのが、このB型とR型の区別に使えるのではなかろうか。もちろん、オーバーオールな構造を一度に解いてしまうという努力を怠るべきではないが、さきの予測ではBR型が大半であると考えられる。とすると、「全長」主義的な構造解析戦略が常にベストとは限らない。そこで、構造生物学と合成生物学の融合、または「蛋白質立体構造情報を高度に活用した合成生物学」の必要性が高田構ってくるのである。懇親会でたっぷり食べて飲んだ件について4時間しか眠っていない状態で、お腹も空いたので、懇親会にでかけました。会長の嶋田先生の、ポスター賞表彰のときのパフォーマンスがすばらしかったです。PiyotaはY先生の奥さまと、子育ての話などでずっともりあがっていました。みなさまお疲れさまでした。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.16
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ポスター賞で高得点を取るコツ今日はNMR討論会初日である。NMR討論会では、日本核磁気共鳴学会が、若手にポスター賞を出す。今回は、そのポスター賞の審査する側の話である。NMR討論会のポスター賞の審査は、「要旨」「ポスター(質疑応答含む)」「口頭発表」の三点で審査される。審査をする側は、要旨をよく読んで印象を固め、口頭発表でその印象を再確認し、ポスター会場で実際に発表者と討議して、本人の理解度を探る。しかし、難しいのは、そもそも非常に高度なノウハウを確立しているラボからの発表の場合、発表者の貢献がどこまでなのかが、判然としない点である。それをポスター会場で本人に直接きくというのも、不可能ではないが、審査員全員が、毎回そんなことを聞いていては、時間がかかりすぎて本来のポスターセッションが成立しなくなってしまうではないか。まあともあれ。・要旨は完成度重視で。通常の学会発表では、当日発表する内容よりもプレリミナリーな状態で要旨を提出して「詳細は当日に議論する、云々」などと書くが、それを評価させられるほうは辛い。他に完成度が高い要旨があったら、それとは点差をつけざるを得ない。発表の核心部分は、要旨に書くべきであろう。・もちろん、当日の発表で、要旨執筆時より更に研究が進んだのであれば、それは積極的にアピールすべき。・ポスターはA4を何枚も張るようなやりかたでは、昨今は上位入賞はおぼつかない。やはりA0印刷は必須であろう。・ポスター審査に連動した口頭発表では、時間が短すぎて全てを語りつくすことはできない。イントロは分野外の人対象にやや丁寧に、方法論はNMR学会なのだから、審査員はみな理解可能(のはず)だから端的に、自分のコントリビューションを明確に。こんなところであろうか。ほぼ徹夜に近い付け焼き刃というわけで、酒を飲まずに、宿に直帰して、明日の自分の英語のプレゼン準備にあけくれたのであった。結局あけがた4時までかかったのだった、やれやれ。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.15
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学部の二回生の指導を本格化「early exposure」という考え方がある。医学部、医学研究科では、近頃、大学を卒業して医師国家試験を合格して研修を受ける人々のほとんどは、仮に大学院に進んでも基礎系の講座にはこないので、基礎医学の研究室は基本的にぼろぼろである。どうやって研究水準を維持するのかというと、方法は3つ。1)ともかく外部資金を稼いでポスドクおよび実験補助員でなんとかする2)アジア系留学生を積極的に受け入れて彼らを文字通り使役する3)共同研究で学生の多いラボと上手に組むうちはどれも失敗しているので細々である。だが、どこも事情は同じなので、なんとか基礎系の講座に進むような指導をすべく、学部の間に基礎系の教室に所属させて実験のまねごとをさせる、というカリキュラムを取り入れているところが多い、うちもそうである。しかし、全員に実験をさせてもろくなことにはならない。そこで、文献だけ読ませる、という不毛な指導法が誕生する。そんなわけで、今日は原著論文読解指導である。やれやれである。特許に関する悲しい現実特許に関する悲しい現実があったりなかったり。部外者なのであまりつよいことがいえなくて悔しかったり。出張の準備来週は月曜日から金曜日まですべて出張である(といっても木曜日と金曜日は午後からそれぞれラボに出られるのであるが。)そしてその間に、このあいだようやく脱稿した某Y社の日本語教科書の原稿について、今度は著者校正を仕上げなければならない。出張中に著者校正・・・終わってるw。とりあえず出版社の人に滞在中のホテルの住所を伝え、校正原稿の半分はそちらに郵送してもらうよう、お願いする。これで、出張中のホテルで、なんとか夜更かしすれば仕事できるはず。週末を挟んでしばらく留守にするので、マシンタイムが空くのがもったいないので、とりあえず蛋白質と薬物の複合体のNMR測定をしかけることにする。パラメータ設定から測定まで、およそ一時間くらいかかる。そのほかにも書きかけの論文やら何やらがあるので、それをやっつけなければならない。そのために、試料やらプリントアウトやらを準備するうちに、終電の時間となってしまう。プレゼンの準備はぜんぜんできずそういえば英語のプレゼンなんだけどな。準備全然できてないな。どうなるんだろうな。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.12
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品川アトレにてBIRD成果報告会に出席今日は実にいろいろな方面から多くの勉強をした日であった。いろいろ収穫はあったが、最大の収穫は、長浜バイオ大の白井先生が開発された、PDBに存在している非天然リガンド化合物を取り扱うためのツールの存在であろう。構造ベース創薬やいわゆる3D-QSARにおけるファーナコフォア探索にも使えると思われる、あくまでコンフォメーションの類似性を指標にした座標クラスタリングのための新規アルゴリズムということのようである。すばらしい。京都大学のヒト胚アトラスもすばらしい。医学教育用のコンテンツとして、非常にすばらしいDBである。ただし、高速MRI開発から、自家蛍光を用いた連続切片の顕微鏡へとシフトしてしまったことが、個人的には残念である、貴重な試料をあくまで非破壊的にMRIで立体データ化してほしかった。EzCatDBは酵素阻害剤の開発という点で、やはり創薬に大いに貢献するであろう。京都大の馬見塚先生の開発中のテキストマイニングもその意味では相当に強力なものになりそうである。医薬基板研水口先生の膜蛋白質にしぼったモデリングとDBも創薬へのインパクトは極大である。水口チームの面白いのは、岡本先生(名古屋)杉田先生(理研)という日本のシミュレーション界のキーパースン二名を擁していることかもしれない。7TMの膜内の配向がシミュレーションで再現できるって、すごいとおもうんだけどなあ。東大の馳沢先生らの画像分類法は、ATTOのマシンに搭載されて商品化されつつあるとのこと、これもなかなか良い。顕微鏡を用いた生物学全体に広範なインパクトをもたらすであろう。太田先生オオガナイズのSAHGは実におもしろいデータベースに仕上ったようだ。直前に論文も採択され、これからますますインパクトがひろがるであろう。SAHGに実装されているeF-Siteがケミカルバイオロジー研究者にとって「宝の山」な件とか、今後ちゃんと論文にしなければならない。ああ、論文を書く時間がない。それどころか新規にメールを書く時間もない。く~。というわけで、すばらしいのだが、この事業、統廃合されてしまうのである。とっても残念なのである。終った後の打ち上げで、みんなでイタリアンを食べに行った。お疲れさまでした。ブログ村でバイオイフォマティクス関連のブログを探してみる
2010.11.10
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バイオインフォマティクス推進センター事業バイオインフォマティクス推進センター事業の事業報告会のためのパワーポイント資料の提供。前回提供分の画像解像度が低いので、それを補うべく、資料作成というのが、本日の最初の仕事であった。これがそもそも11時半くらいまでかかってしまう。前途多難である。夕方から研究打ち合わせNMR測定設定やら日本語のメールやらを行い、ラボの人々と議論し、などしているうちに、午後3時半になる。今日中に日本語教科書の最後の一本分の原稿を仕上げなければならない。その最後を仕上げるための資料を持ち出すべく、いくつかメーカーのカタログを整理してコピーして、そうこうするうちに午後3時半である。京大で夕方より共同研究打ち合わせなので、あわてて新幹線にのり、新幹線→地下鉄→タクシーという移動経路でなんとか約束の時間ジャストに京都大学医学部に出没。今日は、これまでの経緯報告と特許に関する打ち合わせ、など。祝・ロッテ日本一その後、このまま家に帰ってもデスクワークの積み残しが大量に発生するだけなので、百万遍交差点付近の人気のないラーメン屋で晩ごはんして、それから腹ごなしがてら出町柳まで歩いて、駅のロッテリアでコーヒーを飲みながら、パソコンを開く、と、ひとつ発見。どうやら、ここのロッテリア、docomo講習無線サービスmzoneが入っている、つまりネットがつながるのだ!ラッキー。なお、先日の日本シリーズでロッテが日本一になったおかげで、コーヒーを含めてドリンク半額である。これもハッピーである。祝・教科書脱稿というわけで、ロッテリアでかなりのところまでを仕上げた後、家に帰着してからさらに二時間執筆活動に勤しみ、午前2時前に、無事、原稿を脱稿する。ついに、それを送付!やったね!長い長い苦行から開放された瞬間である。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.08
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学生指導2件医学研究科では、医学部の学生をラボに受け入れて、一年間の基礎科学に対する教育を行うのであるが、これがなかなか機能しないのである。というわけで、4名の学生と面談してテーマ説明して、そのあと別の学生に総説執筆を指導。ただし、痩せても枯れても医学部の学生である。はっきりいって大学院生よりも賢い。賢いだけに、「受身」「座学大好き」「興味は単位を楽してとること」「興味は国家試験合格」というのは、もったいない。NEDO関連の報告書仕上げ明日中に送付しなければならない、共同研究者へのNEDOプロジェクトの中間評価対策のための報告書ドラフト。がんばって書くものの、なんだかんだで7割くらいまでしか完成しない。帰宅してからさらに頑張るか、やれやれ。特許前職の某公立大学時代に出していた特許。拒絶理由があまりにひどいので(明らかに内容を把握していない紋切型の内容なので)、理由書を読んでT先生と二人で激怒する。日本の特許審査官って、そしてわが国の知財戦略って、こんなんでよいのかね~。NMRの測定3D-NMRの測定をしかける。今年最大のプロジェクト、タンパク質とドラッグ複合体の立体構造決定のための第一歩、という位置づけ。CYANACYANAの構造計算は順調に進んでいる。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.05
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医薬品標的DBhttp://www.sciclips.com/sciclips/drug-targets-main.do 4100種類ある医薬品ターゲットのデータベース いままで知らなかった不明を恥じます 【備忘録】【創薬】素敵な記事「生駒日記」ーー若手研究者にとっての独創性についての素晴らしい議論ーーツイッター中に、こういう素敵なブログに関する紹介情報がまわってきた。確かに、目からうろこの情報であった。本日のトドうち名古屋方面に提出しなければならない重要書類を一本、やっつける。日本語の総説については、進展なし。お昼はカレーを食べにいこうっと。本日の委員会仕事学生面談の仕事。15:00-16:30.人生波あり谷あり・順風満帆な人たちばかりで世の中が構成されているわけではない、と言っておこう。本日の構造計算HD交換の情報でそろい、水素結合のコンストレインが適用可能になる。RMSDは0.40と微増、問題ない範囲。収束はともかく、X線結晶構造との類似性が増してくる。なるほどというか、やっぱりというか、なぜ、というか。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.04
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就職活動と文系理系の格差に関する雑感ツイッターで流れていた記事に関する感想。「理系進学者は、実験実習などに費やす時間が長く、自由に使える時間が少ない…大学院進学比率も高く、6年間勉強しないといけない」という記事。(中村昭典の、気ままな数値解析)でも、この学生たちの考えって発想が逆だよなあ、と思うのだが、たいがいの若い人は(そしてPiyotaも若いときはもちろん)、そういう禁欲的な修行が美徳、という考え方はしないんだよなあ。禁欲的に修行してぼろぼろになりながら必殺技を編み出して、危機を乗り切る、という図式は昭和の少年マンガ、たとえば初期の「ドラゴンボール」「リングにかけろ!」「巨人の星」「あしたのジョー」「空手バカ一代」のノリだったと気づいた。その後の流行は、『努力しないのになぜか隠れた才能がある』がトレンドだった(たとえばたまたまニュータイプだったアムロ・レイとか)。本人が知らぬうちに特訓されちゃってた藤原豆腐店の藤原拓海(頭文字D)なんか、むしろ例外といえる。で、以後、少年マンガから主人公が血みどろの特訓をするようなシーンは、稀になった。そういう時代の背景と、すべての子供たちがありのまま、現状を肯定しちゃうような、「ゆとり教育的思想」とがマッチしてしまっているのであろう。で、ともかく。人間が一番伸びる18-24の時期に、どれくらい自分を鍛えられるか、という話のはずなのに。文系なら文系で、理系なら理系で、大学に入ってから、これまでのお仕着せのカリキュラムや受検勉強のメニューとは独立に、自分の才覚で自分を伸ばすべく、自分を鍛えなきゃだめなんじゃないの?そもそも、社会人になってから、就職してから勉強することがいかにきつくつらいか?あるいは、教育の商業主義化、学生=「教育というコンテンツの消費者」化が進んだせいで、若い人は教育に対してまったく受動的になってしまい、そのせいで、自分自身の成長曲線というものがイメージできないのではないだろうか。だが、そんな学生たち、就職に目の色を変えているが、日本の会社に幻想を見過ぎの気がする。終身雇用制度が崩壊して、成果主義が浸透して、企業の会社での社員教育やOJTが空疎化しているのに、なぜ学生の間に「単位を楽してとる」って発想になるのかなあ?ばかだなあ。大技(某出版社さまごめんなさい)通勤途中で日本語の教科書のコラムのひとつの最終部分の仕上げにかかる。あともう少しで完成というところまでこぎつけた。よしがんばるぞ!朝一番で原稿督促の電話。さすがに困った。というわけで大技を発動。「ハイドロキシアパタイトを用いたタンパク質精製の項目」を章ごと消滅させる交渉をはじめた。出版社の泣き落としに対して、こちらも泣き落としで対抗する。もうここまでやっちゃうと人でなしといわれてもしょうがないかもしれない。CYANAというわけで、今日中にこの原稿をしあげて、出版社にメールをしなければならないわけだが、にもかかわらず、またしてもスピードが落ちてきてしまうのである。日本語教科書を書いている最中に、急に英語の論文が書きたくなって、それをやっつけようといくつか資料ファイルをオープンしているうちに、未読メールが溜っているのに気づいて、メールの返事を書き始めたのが敗因であった。そして、返事を書いている最中に、メールを確認したら、今度は、現在手分けして解析中のタンパク質の*.protファイルが更新されてきた。これじゃCYANA計算をかけなきゃしょうがないじゃないか・・・こうして日本語教科書書きからますます遠ざかるのであった。仕方ないので本日のトド撃ちの何ちゃってロードマップを作成する。1.日本語教科書途中→2.英語論文途中→3.メール→4.委員会雑務→5。CYANA計算→6.英語論文にもどる(いまここ)→7.日本語教科書脱稿 なんかゴールが見えた気分、ちがうけど。で、ときどき思い出したようにCYANA計算の経過確認、こういう「やっつけ」でかけた時に限ってCYANAの収束がばりばりよい件について。ってRMSD 0.38ってなんじゃこりゃ。もう精密化おわっていいじゃん。どうしろちゅうの。最後に、ひさしぶりにHD交換の測定を行った。NMR測定は成功、絶好調。で、結論、日本語の教科書を書く時間がない。おかしい。ブログ村で昨今の大学生の基質に関するブログを探してみる
2010.11.02
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なんてこったぃ!10月もおわっちまったぃ。今年はあと二カ月で終わっちまうんだぃ。午前中野暮用で早朝から出かけるいろいろ、めんどくさいのだがやらなければならない。そうこうしているうちに、さらに仕事が増える。ちきしょ~い。週末ビハインドのため日本語総説執筆に急ブレーキいろいろ忙しかったり、気の散るようなことがあったり、体力を消耗したり、講義のあと風邪をひきかけたり、で、週末はまったく書類書きが進まなかったのである。へとへとである。そんなわけで、日本語総説(教科書)の執筆完成ペースが激減しており、先週中におわるはずの3本がちっとも片付いていない状況であった。今日こそ頑張らねば、と電車のなかで頑張ってみる。タンパク質定量の項目が少しだけ進む。大型研究ロードマップhttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/1298714.htmブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.11.01
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備忘録Phage Displayの結果をBI的に解析してみているうちに一日が過ぎてしまった感じ。途中、主体的に学ぼうとしない大学院生に、怒る。夕方、おでん就職が決まったM2の学生さんのお祝いと、科研費申請書のお疲れさま会をかねて。本日の読書はい、こちら探偵部です 電撃文庫 似鳥 航一著 ・イラストが可愛い ← 重要!!・青春ミステリーとしてはなかなか上質・主人公&名探偵の設定にはやや無理がある・文章は破綻なく読みやすい・お嬢さま学校という舞台設定があまり生きていないというか不必要というか意味不明・短編集・女の子どうしのからみが不自然おなじような筆名の青春ミステリ作家 似鳥鶏氏(代表作「わけあって冬にでる」)と混同してしまった。カラクリ荘の異人たち もしくは賽河原町奇談 GA文庫 霜島 ケイ著 ・盛り上がりは乏しく、萌え要素にも欠けるが、異世界ファンタジーとして、そして主人公の成長譚としては、極めて上質のライトノベルである。・賽河原町=あの世とこの世の交差点にあるからくり荘というあやしい下宿屋に下宿を始める少年の話。・主人公にからむ女の子の性格が、Piyotaにはちょっと苦手。ブログ村で似鶏航一氏を応援するブログをもっともっと探してみる
2010.10.28
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タンパク質教科書 6本目脱稿に失敗今日は結局、一日、とある学術誌の査読をしていて一日が終ってしまった。夕方になってからは、それ以外のいろいろとこまごまとした重要な書類について、調べたり書いたりしているうちに終ってしまったし。とんでもないことである。やれやれである。タンパク質教科書を書く予定だったのにっ!どうして学術論文のreviewerのコメントには支離滅裂なものが多いのか?最初、その論文は、データも豊富だったし、緩和解析をきちんとやっているので、投稿されたジャーナルのランクや、そのジャーナルにこれまでに掲載された論文や、そのジャーナルにPiyotaが投稿して掲載された論文と比較しても、十分なデータ量とデータの質とクオリティーがあるように思えた。だから、・そのまま採択 か・きわめて微小なminor revision で採択してよいのではないか、と思われた。で、朝の電車の中で読んでいたのである。そうしたら・・・ちょっとまてよ、これへんだぞ?読めば読むほど、アブストとディスカッションが支離滅裂なのである。この論文の著者は、どうやらタンパク質緩和研究者やフォールディング研究者にありがちな誤謬に陥っているようだ。Piyotaの偏見丸出しで書くが、一度緩和解析をしてしまった以上、何か緩和の現象や動力学的特性と、その生化学的機能の間に、関連があるように(むりやり)結論をつけたくなるらしい。だが、著者が機構を解明すべきと思っている謎については、staticな構造の変化と差異だけで、十分に説明がついてしまうのである。べつにns-us運動性と関連づけなくても説明できるじゃん、これ?というか、ns-us運動性とは関係ないじゃん?で、この著者、model-freeのソフトの使いかたは知っていても、原理を理解していないんじゃないかと思って、よく読んでみると・・・・どうも試料調製の時点で問題があって、出てきた緩和データをそのままmodel-freeにもってったらまずいような性質の試料であることが、わかってきた。なので、そうなのかどうかを質問してその上で強引なディスカッションによる結論の誘導はやめるように、とコメントを書いた。オッカムの剃刀の勧めそんなわけで、Piyotaは、緩和解析はめったやたらとするもんじゃない、と、個人的には思うのである。もちろん、NMRは溶液中の動的構造がわかるから、その特徴を活かすべきだ、というキモチはわかる。だが、他のもっと簡単な説明ですむなら、そこにさらに難しい解析法を持ち込むべきではなかろ。オッカムの剃刀の原則である。2~3時間ですむはずの仕事が結局ほぼ一日かかってしまったので、やや残念である。科研費とかの書類仕事が1段落して、矢のように督促がかかっている某出版社にも5コラム分の原稿を送ったせいでしばらく督促電話がかかってこなくなったので、ああ、こういうのは「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というんだなあ、と思ったわけである、が、それはそれとして、ともかく時間的には少し余裕があった。なので、ディスカッションが支離滅裂な論文でも、「ディスカッションパートはほとんどすべて却下だけれどもデータは新鮮で面白いので、論文掲載の価値がある」と、こちらもかなり支離滅裂なコメントを書いて、その雑誌の編集者に送ったのであった。本日のまとめ問。どうして論文のreviewerのコメントには支離滅裂なコメントが多いのか?答。査読されたもとの論文が支離滅裂だったから。解説:今回の事例から考察するに、「支離滅裂なコメント」が返ってきた場合には、それは、投稿した論文がそもそも支離滅裂(だが書いた本人はそう思っていない)なのだが、それに真摯にコメントを返そうとして、込めんとも多分に支離滅裂になってしまったのだと思われる。それでもコメントを返したというのは、その論文にはまだ見るべきところがある、という査読者の好意であろう。もしそうした好意がかけらもなければ、コメント無しにrejectなのだ、普通は。ブログ村で蛋白質の精製法に関する情報を探してみる
2010.10.27
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昼、研究員Uくんと喫茶店で定食などを食べながら、作戦会議を行う。なんでうちのラボがこんなにせわしないのか、とかなんとか、愚痴も。やれやれである。午後、ラボセミナー。ようやくT先生の研究が終盤に差し掛かってきて、論文執筆のめどが立ち始める。よかったよかった。夕方、教科書を買わない保健学科の学生のために、Lineweaver-burk plotの講義試料をつくる。それにしてもちょっと検索してみると、海外の生化学者の講義用のすばらしいPPTがダウンロードできるのは、いい時代だ。クロメタっ!!というわけで、今日はTCA沈殿と硫安沈殿とクロロホルムメタノール沈殿の項目を書いたのである。この3つの中で、Piyotaの圧倒的なオヌヌメはクロロホルムメタノール沈殿である。略してクロメタである。なんといっても、回収率がよいのと、脂質やSDSなどの他の方法では除けない夾雑物がすっぱりきっぱりのぞけるのである。せっかくなのでプロトコルをここに乗せる。CHCl3-MeOH沈殿法以下の操作は基本的に室温で行う。この沈殿法は1.5mL微量遠心エッペンを用いて、タンパク質sample液100uLから始める。以下のプロトコルは最初のsample液100uLから始めた場合の試薬量である。最初の量が200uLの場合には2mL遠心エッペンを用いる。それ以上の場合には分注して複数のエッペンで行う。sample溶液量が少ない場合、全体の量を減らして行うよりも、むしろsampleをDDWで100uLにメスアップして行うほうが、再現性がよい。(1) sampleに400uLのMeOHを加えてよくVortexする。(2) (1)に100uLのCHCl3を加えてよくVortexする。(3) (2)に300uLのDDWを加えてよくVortexする。sampleは2層に分離して白濁する。(4) 微量高速遠心機で室温で1分間、最大速(15000 x g)でぶんまわす。(5) タンパク質は下層CHCl3層と、上層水層の中間に、耳アカ状フレーク(きたなくてすみません)になって漂っている。この中間層を吸わないように、上層の水をとりのぞく。Piyotaはディスポの注射器が好きである。上層は完全に取り除く必要はなく、50uL程度残しても次の操作で1層になるのでだいじゃうぶ。(6) (5)に400uLのMeOHを加えて、沈殿を砕かないように優しく転倒混和する。ここだけはVortex厳禁! sampleは1層になる。(7) 微量高速遠心機で室温で2分間、最大速(15000 x g)でぶんまわす。(8) 沈殿を砕かないように注意しながら、MeOH層をピペッターで取り除く。ここでも注射針が登場する。(9) 沈殿をSpeedVacにて乾燥させる。保存する場合はこのまま-20℃で保存する。reference : (1) Wessel, D. and Flugge, U. I. Anal. Biochem. 138, 141-143, 1984ブログ村で蛋白質の精製法に関する情報を探してみる
2010.10.26
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CREST成果報告会昨日まで東京で某助成金の成果報告会で出張。今日は昼すぎまで、千里LSCでCRESTの中間報告会・評価会に参加して情報収集である。昨日まで参加していた某成果報告会では、プロジェクトの設立委員や評価委員に入っていた、あるいは関係の深い「大物先生」が、予算をゲットして、しかし、成果報告会は「子分にやらせて自分は会合には参加しない」みたいな、一種プロジェクト全体をないがしろにするような行為が目に付いた。で、それが、若手にも必然的に伝染するので、学術的な議論も草の根レベルでの共同研究も技術交流も盛り上がらないのである。とすると、たとえば、それに関連するワークショップやシンポジウムなどを、一般の学会で開こうというアクティビティーも当然おちる。タンパク質科学会や生化学会でターゲット関連とおぼしきワークショップなどを見ない。P3Kのときは、それでも構造生物学者間の結束と一体感みたいなものが、あった。ちなみに、技術開発のグループの人達がここしばらく蓄積してきたイノベーションは特筆に値すると思う。理研も、それ以外のグループも。Piyotaの実感は、こんなんじゃ、他の盛り上がりのある分野の予算に喰われてしまうだろうなあ、である。一方、CRESTは、やはり元気がある。なんといっても、領域代表の柳田先生が、ものすごく元気があって、にこにこしながらきびしいことをずばずばいって、でも、日本中の生体計測関連の一流の先生方が、イノベーションのために結集しているという状況なのである。夕ーゲットも、CRESTも、特定も、新学術も、結局プロジェクトを動かすのは、「人」。自分の研究の予算さえ確保できればよい、というような人ばかり採択してしまうと、プログラム全体が中間評価のときとかのあたりで空中分解してしまうのであろう。閑話休題というわけで、論文をPlosOneに投稿したここにはPlosOneに論文を投稿するときのコツというか顛末記を記録しておく。この雑誌、また近日中に投稿しそうな気がするので、だとしたら、ここに書いておくのは便利だもんね。1。Abstractは、三部構成(Background, Methodology, Conclusions)にする2。文章は、Figure以外をすべて入れたワードファイルにする3。投稿者全員のメールアドレスが必要4。投稿時に誰がどんだけ貢献したか書く欄があってめんどうくさい5。図は、EPS形式で送るのがよさそう。TIFFだと画像の品質チェックがなかなかクリアできない6。画像の品質チェックではねられると投稿ボタンが押せない7。途中まではFireFoxでもSeaMonkeyでもいけるが、最後はIE。8。PPTをEPS形式で出力するのには、OpenOffice.Org 3が便利9。投稿時にグラントに付いて書き込む欄あり10。採択されたら1300ドルかかる11。Supplementはつけられる模様12。reviewerは二人は必ず指名しないといけない13。opposing reviewerは一人指名できる14。reference書き方でめんどくさい点。著者五名以上は残りet al.だいたいこんなもんですかね~ PlosOne型ビジネスモデルに関する考察人気ブログ「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20100701/1278015869 の記事が面白い。PlosOneのインパクト係数が4.3を越えたということに、多くの注目が集まっている。ブログ村でonline journalのブログを探してみる
2010.10.21
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コラム4本目を脱稿某Y社のタンパク質関係の実験書(日本語)の原稿を8本止めていていろいろな人の怒りと怨みを買っている話。とりあえず、某助成金成果報告会で内職して、いろいろ必死こいて、書き綴って、今週の月曜日に二本目を脱稿した。火曜日・水曜日と順調に筆をすすめて、本日2本まとめて脱稿して送付することができた。わ~い、ようやく半分だ。残り4本、実は難航が予想されている。これまで書いたのが・構造生物学のためのタンパク質試料調製法・前処理法・タンパク質保存法・タンパク質濃縮法・タンパク質透析法コラムを執筆中に調査していて、悲しかったのが ATTOの「みずぶとりくん」が製造販売中止になっていた件である。それと、ガス加圧式限外濾過で、Pallの濾過膜・ハウジング一体型製品が、やっぱりカタログ落ちしていた件。残りの中で比較的順調に書き進めそうなのは・タンパク質の抽出・沈澱法 である。書くことが多くてめんどくさいがまだいける。難航が予測されているのは、・タンパク質の定量法・疎水クロマト・ハイドロキシアパタイト定量法はかかねばならないことがいろいろありすぎて、出版社の指定したフォーマットにあわなくて、書きづらいことこの上ない。後者ふたつは、最近出番がすくないこともあって、思案中。論文のオンライン投稿がんばるさて、とりあえず、半分まで日本語教科書コラムを書き進めたので、先週大分進めていた論文のオンライン投稿も進めることにした。成果発表会会場の無線LAN環境でどこまでいけるか、やってみる!のである。というわけでPlosOneに投げることにする。がんばれ~。PlosOneやBioMedCentral、新しい論文出版のbusiness modelとして注目されているらしい。PlosOneのインパクト係数が予想以上に高いのが意外であった。ブログ村でPlosOneへの論文投稿のコツを探してみる
2010.10.20
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とある助成金の成果報告会・東大の「鉄門講堂」というところで、とある助成金の成果報告会があったので、行ってくる。・分担研究者、代表研究者は、自分らが受領しているテーマ以外のテーマについても、成果報告会に参加するように、という、建て前としては非常に立派な、しかし現場いじめとしか思えないような事務局からの参加要請のメールが来たときに、研究者がとりうる選択肢は二つ。(1)無視する(2)律儀に参加する。Piyotaは(2)を選んだ!そのせいで、スケジュールなどがひどいことになった。FEDEX-KinKO's利用行きの新幹線をグリーン車にして、車内でじっくりポスターを作る。A1の大判プリンタとする。大手町ビルディング中のKinko'sで出力を依頼し、まつこと二時間、無事ポスター完成。HTSのパワーを見せ付けられた!HTSはすごい。とりあえず化合物さえとれてしまえば、いろいろな人を「ああすごい!」と納得されることができるようだ。このテクニック、ぜひ真似させてもらいます。勉強になりました!ぶはは。内職をするぞ現在、日本語教科書のコラム8本の原稿を抱えていて、それらは大幅に締め切りを過ぎているのである。金曜日深夜に、一本脱稿して、それを出版社に送った。今日、もう一本しあげて、編集部に送った。予定では、明日と明後日も、時間さえあれば内職して進める予定である。水曜日までに、4本を仕上げるというペース。正直、かなりつらい。ブログ村で夕ーゲット夕ンパク関連のブログを探してみる
2010.10.18
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米国発:ハイスループット構造解析のインパクトBioTechniquesのニュースから気になる記事をみつけた。"Structural impact 10/13/2010 Andrew S. Wiecek"記事は、米国の構造ゲノミクスがどうやら再評価をうけつつあるということ、製薬会社はすでに米国の構造ゲノミクスとパートナーシップを結び、今後、CADDはますます加速し一般化するであろうこと、などを述べている。確かに、米国でも「そんな大量の金を数少ないプロジェクトにつぎ込むよりも、個人型研究のファンドを増やしたほうがより価値ある成果が見込める」という批判は強かった。だがAled Edwardsは反論する。「人のプロテオームベースで考えると、世界の研究はわずか全ヒトタンパクの10%のタンパク質に集中している。それは科学の方法論としては間違っているし、あるときは保守的に働くことを考えると、peer-reviewシステムの過ちでもある。」なるほど。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」の日本の科学のお寒い現状残念ながら日本ではこのような上手な反論は聞いたことがない。まあ、そもそも日本の科学では、peer-reviewすら公平に根付いていないかもしれないのだけれども。(※そもそもインパクトファクターの仕組から考えると、多くの人が引用してくれる論文=研究人口が多い分野での論文は引用数が増えるので、有利なのである。ヒトゲノム産物25000のうち、研究者が集中している2500を対象に構造生物学をしていたほうが、残りの研究者がいないかすくない22500の研究をするよりも、論文はいい雑誌に採用されやすいし、引用もされやすいし、評価されやすい、ということだろう。)日本では、タンパク3000の批判からの反省から、ハイスループット技術の開発が大幅に停滞してしまった。(1)大規模プロジェクトの可否とは別に、(2)project内部での運営方法や資金分配方法、執行方法の不適切さと、(3)構造ゲノミクスという学問分野が有用か不要かという問題と、がごっちゃになって議論されてしまったことによる、悲劇である。そしてその悲劇は、構造生物学の分野全体にまで波及(というより飛び火)して、未だにそれを引きずっている。構造生物学と構造ゲノミクスは、微妙に違うのだ。構造ゲノミクスは、より蛋白質構造情報学やインシリコ創薬と関連の深い分野で、そこにはそれに特化したノウハウの開発と人材の維持確保が必要なのである。当時、そのあたりの議論が未熟だった日本では、「中間評価」のあと大幅に方針が変わったために、アカデミックから参加していた人たちも理研内部でも、大幅な混乱があった。5年間のプロジェクトを2~3年で中間評価して、大幅に方針転換というのは現場いじめ以外のなにものでもない。それも「構造ゲノミクス」という観点から見れば当時は「できたばかりの学問」だったのだから、2~3年で意味がある成果が出るはずもない。だが、そこはきっちりと議論されなかった。(旧い)構造生物学と構造ゲノミクスは、微妙に(かなり)違う学問だったという認識がなかった。「古い学問のパラダイムで新しい学問を評価して、芽を摘んでしまう」のは高齢化日本の老害の典型だということもできるし、前述のAled Edwardsの「peer-review systemの誤謬」でもある。同じこと(老害)は他の分野でも未だに起こり続けている。次世代シーケンサも質量分析プロテオミクスもシステム生物学も、割と同じようにつらい目にあっている。これは日本の予算審査システムに由来する。予算審査者を正式に国や独立法人が雇用しない日本では、かなりの実働時間を割かれるような大型予算の審査を、定年退官した大学教員や定年退職した民間企業の研究所長経験者に嘱託として依頼するという事例が多すぎる。それでは、本当に新しい学問・パラダイムを調査して正しく評価できないではないか。その結果、日本は構造ゲノミクスを立ち上げたにもかかわらず、今や完全に後進国である。まず、前にもこのブログに書いたが、NMRのハイスループット化では、理研横浜の装置の老朽化や人材放出もあいまって、日本は完全に取り残された。(我々もがんばらなければならない)。関係者によれば、X線でもハイスループット化や自動解析・全自動解析において、欧米との格差が広がりつつあるようだ。一方、米国は本気である。少なくとも半分くらい本気は。NMRではスクリプスに移ったWuethrichが弟子たち(Szyperskiとか)を支援してJoint Center for Structural Genomics (JCSG)をガンガン進めているのは、先のICMRBSでも印象に残った点である。仲間割れしている時ではない。米国は絶対に逆襲してくる。piyotaが懸念しているのは、国際特許戦略において、日本は再び不利な位置に追いやられるであろうというこどである。タンパク3000が批判を受けた背景には、蛋白立体構造が国際特許で知財対象から外されるという裁定があったことも影響している。だが、その舞台裏は、欧米協調による政治決着である。2000年当時、日本が理研のプロジェクトやSpring8のパワーのせいで構造ゲノミクスにおいて世界的に優位にたっていたときに、欧米は国際特許における協調戦略という作戦に出て「蛋白質立体構造は特許にならない」と談合したのだった。でも、その決定は、欧米が再び構造ゲノミクスとインシリコ創薬で、技術的に優位に立った時に、おそらく何らかの理由をつけて、覆しにかかってくるであろう、というのがpiyotaの予測である。(つまり特に米国の都合のいいように、国際ルールの改正にふみきってくる可能性が、ないとはいえないこと。(piyotaは可能性が高いと思ってます)ハイテク産業をめぐる特許や著作権における欧米の戦略は、これからは対中国・インド対策ということで進んでくると思う。特にインドはジェネリック医薬での躍進が注目され、ITにもインフォマティクスにも強い。それを米国が突き放しにかかってくるときに、もう一度インド・中国を含めてハイテク産業にかんする特許国際知財の見直しが行われて、その時に日本は、突き放される側に回るのである。ブログ村で海外の構造ゲノミクス関連のブログを探してみる
2010.10.15
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教科書を買わない大学生別の学科の先生から生化学の講義を頼まれている。とりあえず90分をフタコマ、話せばよいらしい。というわけで、シラバスを確認してみたところ、なんと、うちの学部で使っている教科書と違うではないか。というわけで急遽生協の書籍部に走る。ちなみにうちの学部で使われているのは、「イラストレイテッド ハーパー・生化学 (丸善)」で本来は英語版推奨、というやつで急遽購入したのは、「シンプル生化学 改定第5版 (南江堂)」である。ところが、講義オーガナイザの先生に質問したところ、なんと、学生のほとんどが「生化学の教科書を買っていない」のである。え!? 教科書を買っていないのに生化学の勉強ができるの?このあたりに、いわゆる一流とまではいかないまでもいちおう名門国立大学のはずなのに、教育崩壊が。生化学の講義の準備、難航というわけで、教科書どおりにだらだらと、ちがった、各項目丁寧に説明すればいいやとおもっていたのだが、思惑が大幅に狂った。結局、上の二冊の教科書の、もっともわかりやすそうな重要な表と図を切り張りして(きりばりはラボのスタッフにお願いしてしまった)A3プリントを3枚作成したのであった。とんだ番狂わせである。でもまあ、ともあれ、大事なところの触りは教えることにする。本当に大事なことは自分で学ばなければわからない、それはどうせどんな学問も一緒である。共著論文の採択通知がうれしいCBRCの共同研究の人から、バイオインフォマティクス系の論文の採択通知のメールの転送をいただきました。おめでとうございます。それから、あまり論文そのものにコントリビューションしておりませんが、どうも、ありがとうございました。この時期の論文の採択通知は、とってもうれしいです。だって、科研費の申請書の余白がちょっとでも少くなるのですもん。自分が業界的にどれくらい認知されているのかわかりませんが、科研費の審査員の先生方に訴えなければ申請書は採択されません。小さいグループなりにちゃんとやっているんだな、くらいには認知していただかないと・・・IdeaPad U350 with Vine 5.1がまた調子がおかしくなりました前回も経験したのだけれども、networkがつながらない。Tg3をrmmodして、Tg3をインストールしなおすとよいようだ。なんだろね、これ。夕ーゲット夕ンパクの成果報告会のポスター作成難航えっと、全然できていません。きっと月曜日の朝、新幹線の中で作ることになるでしょう。Express Cardのポイントが余っているので、今回はグリーン車を使用することにします。これだと集中して安心してデスクワークができるのです、めっちゃつかれるけど。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.10.14
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猛然とデスクワークをこなす一日であった1。科研費申請書の学内締切の日である。二通作成して、一通は完成、もう一通は9割がた完成、というところまでこぎつけた。二時から欠席できない会議で、締切は事務室に持参で午後三時。というわけで1時過ぎたあたりでオンライン登録をはじめてみると・・・・おっと見落としていた重複申請規定!そうなのだ。二通つくっても一通しかだせないのだ。二通目の作文はむだむだむだむだ!なんてこったぃやなこったぃ。ぐへっ。2。会議会議中、名古屋大の先生から携帯に電話が入る。なんかまずいのかなあ、困ったなあ。3。特許の件でFAXをする大昔申請中だった特許が、審査されて、大幅に請求項を減らした上で、通る見通しとなる。請求項を底まで減らすとまったく意味がないのだが、もうすこしだけ無駄金をつかってみることにする。4。講義の採点後期がはじまったので前期の講義の採点をば。ちょちょいっと。5。日本語教科書のゲラ 著者2校昨日が必着のしめきりだったゲラを、今日これから深夜便で投函。やれやれである。6。論文に投稿?別の日本語の教科書が全然すすんでいないのだが、なんとなく論文を仕上げてしまったので、オンライン投稿のプロセスにすすみはじめたのであった。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.10.13
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会合案内 11月10日 東京品川バイオインフォマティクス推進センター事業(BIRD)第6回研究開発成果報告会独立行政法人科学技術振興機構こっちはプログラムがコピペできない。会合案内 10月28日 29日 阪大蛋白研神経科学と構造生物学の融合場所 大阪大学蛋白質研究所(吹田キャンパス) 1階講堂〒565-0871 吹田市山田丘3-2日時 2010年10月28日(木)~29日(金)大阪大学蛋白質研究所セミナー包括脳ネットワーク研究会~神経科学と構造生物学の融合~ ◆参加費無料(懇親会は有料)、事前登録不要主催:包括脳ネットワーク・大阪大学蛋白質研究所 【世話人】貝淵弘三(秘書:石井貴子)〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65名古屋大学大学院医学系研究科神経情報薬理学Tel: 052-744-2076 Fax: 052-744-2083 中川敦史(秘書:河合未奈子)〒565-0871 吹田市山田丘3-2大阪大学 蛋白質研究所Tel: 06-6879-8635 Fax: 06-6879-4313 10月28日(木)13:00 *所長挨拶 長谷俊治(阪大・蛋白研)*開会の辞 中川敦史(阪大・蛋白研) 13:10-15:10 Session 1 RNA (座長:稲垣冬彦、五十嵐道弘)*神経特異的RNA結合蛋白質が制御する翻訳ネットワーク 藤原俊伸 (神戸大・自然科学)*microRNA核外輸送複合体のX線構造解析 慈幸千真理(京大・キャリアパス)*神経樹状突起へのmRNA輸送と局所的翻訳の役割椎名伸之(基生研)*抗体を用いたヒト膜蛋白質のX線結晶構造解析村田武士(千葉大・院理) 15:30-17:30 Session 2 シグナル伝達 (座長:中川敦史、椎名伸之)*神経幹細胞におけるNotchシグナルの役割影山龍一郎(京大・ウイルス研)*細胞極性に関わるPB1ドメインの機能と構造稲垣冬彦(北大・院先端生命)*プロテオミクスから見た成長円錐機能の分子機構五十嵐道弘(新潟大・院医歯学総合)*軸索ガイダンスを司るセマフォリンシグナルの構造的基盤高木淳一(阪大・蛋白研) 18:00-20:00 懇親会 10月29日(金)9:00-11:00 Session 3 トラフィック (座長:西村善文、貝淵弘三)*細胞内極性輸送を司る分子の欠損マウスにおける神経系の解析原田彰宏(阪大・院医)*細胞質分裂におけるメンブレントラフィックの構造生物学川崎政人・若槻壮市(高エネ機構・物構研)*プロトルーディンによるスフィンゴ脂質を介したRab11依存的シナプス制御 白根道子(九大・生体防御)*繋留複合体による膜融合制御のメカニズム深井周也(東大・放射光)11:20-14:00 Session 4 シナプス (座長:濡木理、原田彰宏)*シナプス形成・リモデリングのイメージング岡部繁男(東大・院医)*Na+,K+-ATPaseの結晶構造豊島近(東大・分生研) -昼食-*チャネル型グルタミン酸受容体--構造生物学で解けていない問題 柚崎通介(慶應大・医)14:00-16:20 Session 5 神経発生と疾患 (座長:豊島近、柚崎通介)*遺伝暗号翻訳の伸長反応、終結反応、異常停止反応に働くGTPase carrier 濡木理(東大・院理)*神経特異的転写抑制因子の構造生物学西村善文(横浜市大・院生命ナノ) -休憩-*クラスター型プロトカドヘリン、神経細胞の個性化と回路形成への役割 八木健(阪大・院生命機能)*in-cell NMRの現状とアミロイドーシス機構の研究に関する今後の展望白川昌宏(京大・院工)16:20-16:55 パネルディスカッション 構造生物学と神経科学の壁をどう超えるのか」 司会:中川敦史・貝淵弘三 *閉会の辞 貝淵弘三(名大・院医)ブログ村で蛋白質立体構造情報関連のブログを探してみる
2010.10.07
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ダブルブッキング朝一から会議がダブルブッキングで二件入っているのである。やれやれである。幸い、この週末は釣りとてんぷらを堪能して、元気百倍である。さあがんばるぞ~。国内の医学系の学生に思うこと今朝のダブルブッキングの会議の内容のひとつは、医学系の学生に対する「基礎実験体験コース」の説明。基礎系のPIが全員集合して、実習の進めかた、ラボのテーマなどを話していく。内容が結構多いので、大変である。どうも人気は解剖学・病理学・法医学であるらしい。基礎系生命科学のラボは、あまり興味がないのかもしれない。まあ、臨床医をめざす人達が9割以上を占める母集団なので、それはそれでしょうがないのかもしれない。医学系の大学院の留学生に思うこと今朝のダブルブッキングのもうひとつの会議は、GCOEのRA学生たちの研究進捗状況の確認と指導のための会である。同じイベントを先週の金曜日も行ったのだが、そちらは、シニアなポスドクさんたちも含めて非常にレベルの高い会であった。さて、今日は、博士課程大学院生のRAがメインの会だったのだが、半数くらいが留学生の子たちなのであった。で・・・・(沈黙)なんじゃこいつら?ぜんぜん実験すすめてないやんけ?原理わかとるのんか?それ自分でやったデーたちゃうやろ?というレベルの子が数人いたので、どっと疲れた。ちょっとまずいんじゃないのか~、このレベルじゃ?よ~するに、どっちもたいしたことないちょっとまずいレベルだと思うのだが、おそらく指導教員が個人的にどんなにきつく注意したとしても聞きはしないのだろう。報告書に忙殺報告書に忙殺されている。本来は先週末に提出予定だったはずの書類である。夕ーゲット夕ンパクの内部評価のための試料を提出するための原稿なのだそうだ。つまり、予算が削られるので、傾斜して削るために、順位をつけるのであろう。そのための資料作り、重要な仕事には違いないのだが、テンションが全然あがらないのである、やれやれである。でも、締め切りすぎるといろいろな先生に迷惑をかけるので、他人に迷惑をかけない、という意味で、耐えながら頑張るのだ~。ブログ村で医学系留学生問題のブログを探してみる
2010.10.04
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二日連続で日帰りで名古屋なのであるあいかわらず暑い9月だ。いろいろ事情があって、急遽名古屋なのだ。昨日も来たというのに。そんなこんなでいろいろへろへろである。夜、ラボ後輩のI先生が、晩ごはんにつき合ってくれた。本当は鰻のおいしいのを食べて元気を出そうと思ったのだけれども、目当ての鰻屋さんは休業日。ということで、手羽先でビールを飲むことにした。んまかった。ひさしぶりにいろいろと話した。面白かったしアイデアも湧いたのだが、I先生のサンプルを構造決定して共同研究をする、という話はなかなか先に進まないのであった。というのは、試料がとけないからである。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.09.28
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天然変性班会議@名古屋今日は名古屋大学で班会議。新幹線に乗る前に文房具屋さんによる時間があったので、2011年のRyuryuの17ヶ月スケジュールブックを購入する。Piyota家の定番商品である。大きくて薄くて使いやすい。お昼はイタリアンレストランで前菜とパスタのセット。名古屋は神戸周辺にくらべて絶対に食が充実していると思うのだが。班会議は・共同研究のためのK先生によるセミナー・天然変性タンパク質のアノテーション進行状況の確認とあいまい例の精査・O先生の論文作成を支援するための特命チーム結成夜、京都に帰着後、まだまだデスクワークがてんこもりなので、某所にこもってのこりを片付ける。晩ごはんはハマムラの鶏ラーメン@京都駅。テーブル席に団体が入って、なんか宴会をしている感じで、店員さんが酔っ払いの対応に終われている。餃子がラーメンを食べ終わったころに出てくるという、ラーメン屋さんとしては手痛い減点ポイントで、ある。ラーメン屋で宴会するほうもするほうだが、今回は一人だったからよかったけれども、小さい子供連れとかでは、ちょっと訪れ難いお店という感じであった。残念!ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.09.27
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そういえばNMR討論会の要旨締切が・・・ぐはっそうです。あたりです。NMR討論会の要旨の締切があるのです。どうせポスター審査員とか座長とかを依頼されて、PiyotaがNMR討論会をサボる、という選択肢はまったくないわけなので、いくのならばせめて成果発表もしよう、と。論文もreviseだけれども受理されそうな気配濃厚だし(いやそれはあまりに楽観的なんだけれども、楽観的でもなければこんな商売そう何年もやってらんないしっ!)というわけで、じゃあ、このこないだ投稿した論文のネタにしましょう、というわけで、申し込んだのでした。そうしたら 口頭発表に昇格をを。口頭になるのかポスターになるのかで、話すイントロとかの内容もかわります。要旨もかわります。というわけで、その情報がくるまで要旨がかけなかった(と言い訳をしてみるテスト)。そんなわけで、今日一日大慌てで要旨をかくことになってしまったのであります。実は数日後にプレゼンやらその他の書類の締切やらを控えていて、おおわらわ(わらわら)なんだけれども。第49回 NMR討論会 @タワーホール船堀 ブログ村でNMR討論会のブログを探してみる
2010.09.24
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論文revision通知まあいろいろあるのだが、学会会期中にこういうメールがくることはよくある。どうやら、今回はminor revisionのようである。minor revisionといえども、微小な実験は追加しなければならないので、reviseに二ヶ月かかってしまうのであるが。この投稿した雑誌は、数年前からrefereeが二名のはずであるが、コメントが一人分しかないということは、きっともう一人は非常にポジティブなコメントだったのだろうと考えられる、と楽観的にみることにする。うれしいなぁ。夏の間苦労して構造解析して精密化してBMRBとPDBに登録した某蛋白質のN末端ドメインの構造の論文が、うまくすれば年内に日の目を見そうである、ということなのである。なお、今回の論文投稿の御守りは、「比叡山延暦寺 学業増進御守」である。頑張れ比叡山。科研費の申請を行っていると、業績欄に空白がめだってまったくうれしくないのである。2010年は、頑張ってたくさんの業績を連ねる年としたいものである・・・というわけで、いまも、申請書をほったらかしにして、論文投稿の準備をしているのである。ともかく頑張るぞ~reviseも頑張るぞ~ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.09.22
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天然変性タンパク質が若手の研究者のテーマとしてふさわしい7つの理由生物物理のシンポジウムのオーガナイズの席で、つたない英語でconcluding remarkとしていいたかったこと。若手生化学者・タンパク質科学者・構造生物学者諸君! 天然変性タンパク質の研究をしよう!がんがんしよう!なぜなら、天然変性タンパク質の研究は、若手がこの業界に参入するのにふさわしいすばらしい七つの理由があるからなのである、なんちって♪。ついでなんで、いい気になってこの7つの理由を以下に列記する。1.新しい概念で、一部はいまだ未定・不定で、かつ不完全な学問分野である。従って、新たな視点で参入してくるフレッシュな若手が大ブレークしうる余地がふんだんにある学問分野である。なぜなら、これから新しいことがばんばん出てくる研究分野なのだ。2.それと関連しているかもしれないが、天然変性タンパク質の学問領域では、まだノーベル賞が出ていない。Anfinzenをのぞけばprotein folding研究の分野でもノーベル賞は出ていない。出ていないということは、これから出るかもしれないということで、Poyotaの予測では10年以内。なので、既にノーベル賞が出てしまった分野で「守勢」に入るよりも、精神衛生上よいかもしれない。3.いろいろな分野からの切口がある、つまり「なんでもあり」の状況である。生化学・分子生物学・構造生物学・分光学・生物物理化学・フォールディング・プロテインエンジニアリング・バイオインフォマティクス・シミュレーション・プロテオミクス・システムスバイオロジー・シンセティックバイオロジー。自分の得意分野を切口に参入しやすいというのは、若い人に特によいかもしれない。4.いろいろな分野の人が参入してくるので、いろいろな(専門外の)分野の勉強ができる。たとえば、変性状態を理解するためには、タンパク質構造や熱力学を勉強しなければならない。リンカー予測を理解するには、ドメインを理解しなければならない。天然変性タンパク質は、「図と地」の関係で一般的なタンパク質科学の全てを内報しうる。たくさん学ぶことがあるなんて、素晴らしいことじゃないか。5.同じく、いろいろな分野の人が参入してくるので、様々な自分の専門以外の分野の研究者に共同研究者が増やせるかもしれない。今日びの最先端科学は、「自分だけでなんとかなる」「自分の出身ラボの関係者だけでノウハウを独占してトップを独走できる」なんてわけには、そう簡単にはいかない。日本の研究者は「草の根」的共同研究が苦手かもしれないが、天然変性研究ならそれができる!(かもしれない。)6.そんなわけで、天然変性タンパク質の学問分野は、刺激的である。わが国における学究のイメージは、「沈思黙考孤高の深化研究(悪くいえばタコツボ)」であるが、欧米において、科学の本質はディスカッションである、といってもよい。若い分野に参入してきた若い才能たちが、活発に議論をかわす、そんな光景が、生物物理学会(今回)に限らず、天然変性関連の学会やセッションで何回も見られている。それはあたりまえで、健全で、そして貴重なことだ。7.しかも天然変性タンパク質の研究内容は、タンパク質科学に興味を持っていない『いっぱんのひと』には、その魅力を極めて説明しにくい。まったく説明できないといっても過言ではない。昨今、予算獲得のためやら事業仕分けのせいやらで、科学者の研究成果や重要性を『いっぱんのひと』に説明する必要性と責任が日に日に増大している。科学コミュニケーションは21世紀を科学者が生き残るための必須のスキルなので、天然変性タンパク質研究者は、得がたい経験ができるであろう。そんなわけで、天然変性タンパク質の研究は、当分おもしろいのだ。ブログ村で天然変性蛋白質のブログを探してみる
2010.09.21
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仙台へ!今日より仙台にて生物物理学会である。委員会と座長が一軒ずつあるので、仙台まで向かうが、ぼやぼやしていて格安の航空チケットをとりそびれてしまった。くやしいが新幹線で向かう。いろいろな人に会い、いろいろな話をするが、セッション・シンポジウムは結局聞かず終い。こんなことではいけないのだが。委員会終了後、東北大のK先生、名古屋大のO先生、ノンチャン先生、ノンチャン先生の師匠のN先生という、超濃い面子でK先生ご推薦の日本酒のおいしいお店に行った。委員会で弁当をいただいたので、あとは飲むだけ、なのである。日本酒、めっちゃおいしいございました。なお、K先生が、能瀬の銘酒「秋鹿」ファンであることが判明。秋鹿、Piyotaも好きです。N先生は、明朝朝一番から、生物物理学会で「ゲリラ講義」をなされるのだそうで、早めに引き上げないと明日が大変、と仰っておられた。お疲れさまです。本日一番の収穫は、阪大蛋白研のK先生とじっくりと議論できたことであった。何が問題かというとBMRBデータベースの今後のありかた、についてなどである。実は、同じ問題がPDBでも起こっているということをN先生が飲み会中に補足してくださった。それによると「PDBにおいてデータの著作権についての議論は”禁句”」なのだそうだ。明確に規定がないか、あっても故意に無視する形で、パブリックにしてしまったというのが実状である。これに関して、ゲノムデータなどとはやや事情が異なるらしい。しかしそれでも、PDBは全国の構造生物学者たちのボランティア精神によって、着々とエントリー数を伸ばしている。その結果、それを利用して統計をとったり予測したり創薬をしたりする「二次生産者」「三次生産者」が現れて、一大学問領域となるに至ったのは素晴らしいことである。方法論開発者・装置メーカー (0次生産者) ↓NMR屋・結晶屋・電顕屋 (一次生産者) ↓座標データ(一次生産品) PDBに登録 ↓構造インフォマティクス (二次生産者・加工者) ↓インフォマティクス手法開発・創薬・タンパク質工学・分子進化・合成生物学 ↓(最終製品、たとえば医薬品) ↓消費者こうしてみると、一大産業である。波及効果が大きいせいで、構造生物学全体が加速され、それは0次生産者にまで還元されているわけである。さて、NMR構造決定するときには、座標データと同じくらい大切で、同じくらい作成に難儀するのが側鎖を含めた全アサインメントの帰属データ(化学シフト情報)である。しかしNMR屋 ↓化学シフト情報・緩和情報 (BMRBに登録・・・めんどくさいので誰も登録しないで廃棄) ↓二次生産者の不在 ↓新たな方法論・利用法・理論解析の不在これがNMRのかかえる構造的不可能性の一端である。誰も種をまかない、畑を耕さない、だから花も咲かない実もならない。既存の枠組にこだわらずに、新しい畑をつくってしまうのはどうか、というのもひとつの提案である。でもまあみなさん、とりあえずBESSという少しは使い易いプロトコルができたので、みんなめんどくさがらずにBMRB登録しましょうね。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.09.20
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蛋白質の機能-構造相関解明のための精密構造解析とその方法 ~水素原子から細胞まで~!!場所 大阪大学蛋白質研究所(吹田キャンパス) 1階講堂日時 2010年10月6日(水)~7日(木) 【世話人】 玉田太郎((独)原子力機構)、永野真吾(鳥取大)、海野昌喜(茨城大)、栗栖源嗣、中川敦史、鈴木 守(阪大・蛋白研) 【連絡先】 海野昌喜 茨城大学フロンティア応用原子科学研究センター Tel: 029-352-3239 Fax: 029-287-7872 鈴木 守 大阪大学蛋白質研究所 Tel: 06-6879-8637 Fax: 06-6879-4313 ◆ 参加費無料(懇親会は有料)、事前登録不要 共催:茨城県中性子利用促進研究会 生命物質構造解析研究会 創薬研究分科会 および機能性タンパク研究分科会 第1日目 10月6日(水) 午後1時~* 所長挨拶― 13:10-15:10 水素原子可視化への挑戦 (座長:栗栖源嗣 / 鈴木 守) ―* 中性子とX線を相補的に用いたタンパク質中の水素原子観測 玉田太郎 ((独)原子力機構・量子ビーム応用研究部門)* 茨城県生命物質構造解析装置による初のタンパク質構造解析 日下勝弘 (茨城大・フロンティア)* 高エネルギーX線を利用したタンパク質の超高分解能構造解析 清水伸隆 ((財)高輝度光科学研究センター)* 高電位鉄イオウタンパク質HiPIPの超高分解結晶構造 三木邦夫、竹田一旗 (京大院・理)― 15:30-17:00 精密構造解析のための良質な結晶作成技術 (座長:玉田太郎) ―* タンパク質の良質結晶ならびに大型結晶の育成技術 松村浩由 (阪大院・工)* タンパク質の高分解能構造解析のためのサンプル調製と結晶化 伊中浩治 ((株)丸和栄養食品)* 抗体を用いた膜蛋白質の結晶化 日野智也 (京大院・医)― 17:30-19:30 懇親会 ― 第2日目 10月7日(木) 午前9時~― 9:00-10:30 精密構造と計算科学 (座長:中川敦史) ―* HiPIP活性中心の電子状態と水素結合の効果 -量子化学計算からのアプローチ- 北河康隆 (阪大院・理)* タンパク質機能の理論解析 舘野 賢 (筑波大・計算科学研究センター)* マキシマムエントロピー法を用いたタンパク質構造解析 西堀英治 (名大・工)― 10:45-12:15 結晶学に相補的な手法を組み合わせて1 (座長:永野真吾) ―* 二重殻ウイルスの合成工場バイロプラズマの構造とウイルス複製 大村敏博、秋田総理 (中央農研)* 準安定な分子複合体から構造情報を得るための戦略とその応用 神田大輔 (九大・生体防御医学研)* In-Cell NMRを用いた蛋白質の細胞内動態の解析 伊藤 隆 (首都大東京・理工)― 13:30-15:00 結晶学に相補的な手法を組み合わせて2 (座長:海野昌喜) ―* 低温電子顕微鏡法による生体超分子の構造解析 米倉功治 ((独)理研・放射光科学総合研究センター)* インドールアミンジオキシゲナーゼの反応中間体活性部位の構造解析:共鳴ラマン分光法 小倉尚志 (兵庫県立大院・生命理学)* インドロカルバゾール生合成酵素の構造と機能 永野真吾 (鳥取大院・工)ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.09.16
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タンパク質の一生・タンパク質社会の班?会議特定領域研究「タンパク質の社会」ISPC-Nara2010、が奈良にて開催されていたらしい。領域のホームページなどには掲載されていたが、そうそうたるメンバーが全国から集まっていたにしては、closedな雰囲気で開催されたようである(班会議なんだから、あたりまえ、か)。品質管理やトラフィックやユビキチン化なども含んだ一大ソサエティーであるが、なかなか新参者は参入しにくい雰囲気があるなあ。Chris Dobson 教授講演会そんなわけで、本日、急きょ、Chris Dobson先生の講演会が開催されたのであった。一時間半のセミナーは、最初のイントロがやや退屈であったが、後半は非常に面白くてしかも勉強になった。さすがDobson先生。Dobson先生、来年か再来年にノーベル賞とられないかな? しかし事情通のDH先生によると、Dobson先生はむしろ化学領域でのノーベル賞を選考したり推薦したりするする諮問委員の一人なのだそうだ。そこまでエラい先生なのだ。特に興味をひいたのは以下の話題である。SH3 domain swapping fibril / gelamyloid membrane penetration and toxicityprotein solubility limit and disease hypothesis (Luheshi et al, PLoS Biol e290)single nuclei behavior of Ab amyloid formation (Orte et al., PNAS 105)collaboration with T. Hard, affibody technique (Luheshi et al., PLoS Biol, e1000334)余談だが、Torleif Hardというヒトの研究は面白い。Pluckthunと合わせて、タンパク質工学・合成生物学の二大発明家だと思うのはPiyotaだけだろうか?いずれaffibodyとDarpinのまとめ記事でも書こうと思う。ブログ村でアルツハイマーアミロイド関連のブログを探してみる
2010.09.15
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本日の読書 ヘヴンズ・ダイアリー 002 富士見ファンタジア文庫 直江ヒロト著 「壮大な宇宙を背景にしたスケールの小さな物語」の第二巻である。天然ぼけぼけ娘織咲天翔は、宇宙の最重要の難問「愛の真理」の回答を知るものとして、全知全能の自動日記「ヘブンズダイアリー」に認定されてしまう。目下のところ、多くの天使たちが天界を追われて堕天してしまった原因は不明であり、創造主である神は長らくの不在であり、この「愛の真理」が解明されなければ堕天使たちは天界に戻れない、という設定のもと、堕天使ユトエル(遊斗)は天翔の護衛をする羽目に。ついでに権天使ガブリエル(遊斗の元カノらしい)やメタトロンも天翔の護衛をすることに・・・一部の天使や堕天使が、天翔のことを気に入らないのである。天界のスーパースターてんこもりの、おとぼけラブコメなのだっ!さて、今回もこのお話は脱力系である。天翔を狙うのは今回は異星人の王女とその側近。遊斗とガブリエルの無敵の連携コンボを、いともあっさりといなすその必殺技は、絶対零度のオヤジギャグ。この脱力っぷりにはついていけないのだ。だがまあ、こういう理屈抜きでぼんやりとほのぼのと読めるのは、ラノベのよいところなのであろう。というわけで☆☆☆☆の星4つ。次回に期待。なお、直江氏のもう一つのシリーズ夏海紗音の不思議な世界シリーズよりは、たぶんこっちのほうがおもしろいし楽しめる、と思う。ひとそれぞれだけれども。ブログ村で 直江ヒロト氏を応援するブログをもっともっと探してみる
2010.09.12
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土曜出勤・来客対応・内緒話と身の上話神戸に突然、構造生物学関係者の大御所の先生がお見えになることになり、Piyotaラボの見学がてら、Piyotaたちの最近の研究などを聞きたいと仰るので、対応申し上げる。実は、国内の構造生物学者で、学外の人で、うちのマシンをきちんと御案内さしあげたのは、この大先生が最初なのであった。一体全体これまでPiyotaたちは何をしてきたのでしょうか、みたいな、みたいな。で、研究の話をしたついでに、とてもいい機会なので御厚意に甘えて、Piyotaの研究上の身の上相談もしてしまうのであった。つまり・うちの研究科の偉い人達は「○○の研究では世界で10指に入る」「○○の研究では国内随一」のような看板をもつような研究をしろ・そういう研究ができて、国内外で認知されて、はじめてテニュア教授の資格が得られると仰るのだが、もしPiyotaがそういう研究に注力すると、・「うちのラボは○○が専門なので、△△に関する共同研究はちょっと」となってしまい、構造生物学を担う唯一の分野であるというfunctionalityに滞りを生ずるかもしれない。しかも、それよりも深刻なのが、昨今の生物学における研究の進度と流行の移り変わりは生き馬の目を抜くようなので、「○○の研究一本」では継続的に潤沢な研究費を確保しつづけるのが、特に厳しいということである。ライバルがいないような構造決定が困難なサンプルを○○に選んでしまうと、結果が得られないまま数年が過ぎて予算はいずれ切れる。かといって、一桁年内に決着がつきうるテーマを選ぶと、自分らが構造解析に成功しようが、よそに先をこされようが、いずれにせよいつかはテーマを変えなければならない。そうならないように研究テーマを、より普遍的な問題設定にしているのが、Piyota流である。基本的には、マルチドメインタンパク質の細胞機能を、ドメインを漢字の部首にたとえて、あたかも漢字を理解するように理解できるようになりたい、というのが大テーマなのである。とすると、ヒトゲノムの七割、およそ17000遺伝子はPiyotaの研究テーマになんらかの意味で含まれることになってしまう。そんなやりかたの研究をしていては、とうてい「○○の専門家」の看板はもらえない。さあ、どうしよう?そんな愚痴をながながと聞いていただく。大先生、どうもありがとうございました!きっと御迷惑だったに違いない。本当に、ごめんなさい。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.09.11
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新学術領域「天然変性」若手育成講習会横浜市立大学鶴見キャンパスにて「天然変性」のバイオインフォマティクス講座が開催された。本日は、講師の遺伝研の福地先生のワンマンショー・オンステージ。主要な天然変性領域の予測サーバの予測の原理、利用法とその出力の読み方、全体の出力の予測の傾向などを徹底比較するという、非常に内容が濃く、かつ実戦的な講習会であった。Piyotaは、マイク係兼パソコンサポート係補助、という位置づけである。一日、実に楽しかった。なお、天然変性では領域外の人も含めて、若手のNMR講習会をH23年3月に阪大蛋白研で開催予定で現在企画が進行中である。check it out !備忘録ビルド済みPyMOLがアカデミックフリーで利用可能に.最新版1.3r1のLinux, Windows, Mac版がダウンロード可能.http://pymol.org/educationalブログ村で天然変性タンパク質のバイオインフォマティクス関連のブログを探してみる
2010.09.10
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ちこくちこく~~!!今日は、東大薬学部で、分光学会のNMR部会のシンポジウムである。朝、新幹線に乗って、なんとか9:30に東京駅にたどり着く。早くいかないと最初の演題に間に合わないのである。というわけで、食パンをくわえて、ちこくちこく~~とさけびながら、地下鉄に乗って本郷三丁目を目指したり目指さなかったりする。実は、薬学部講堂にいくのははじめてなのであった。なお、Piyotaの順番は午後一発目。午前中は大人しくお勉強。カレーおひるは欧風カレー プティフ@本郷三丁目交差点。 学会の事務局の人にきいたら、速く食べれる学外のお店ということで教えてくれた。午前中の二演題があっというまに一時間の時間超過で、座長の先生が青くなっているなか、昼休みを短縮して時間調整ということで、午後一のPiyotaの、昼食寛ぎの時間が奪われたのであった。悪夢ふたたびさて、今回の講演内容は、昨年のNMR学会のチュートリアルで本来やるはずだったSOFAST-HMQCの原理の理解のための基礎講座。チュートリアルではSOFASTの話をいっさいせずに、もっと基礎のNMRの話で終わってしまったのである。なので、その雪辱というか罰ゲームというか、そういう講座なのだった。さて、基礎なので、なるべくわかりやすく丁寧に説明する。と、いつのまにかあっというまに40分が経過。おかしいなあ。後半でケミカルバイオロジーの話をするはずなのに、それがいつのまにかどっかにいってしまった。レジメに入れておいたのに、後半半分をまったく説明せずに、セッションクローズ・・・これは、昨年の悪夢の再来である。関係者の諸先生がたに、「じゃあ、次回のシンポジウムでそのトピックの講義を」と言われる。なんてこったい。情報交換は重要さて、会場で、横浜市大のT教授から、water-LOGSYをきれいにはかるためのpulse programの改良のコツを伝授していただく。すばらしい。情報交換は極めて重要だ。経験者の先生から、わずか3分コツをおしえてもらえるかどうかで、研究の成否が大きく左右されるのだ。しかも、プロは、それを短時間で教えるという教授のノウハウもお持ちである。感激しました。T先生、本当にどうもありがとうございました。ビールのお店、講習会の企画シンポジウムが終わったので打ち上げ会場に移動である。お店の名前は失念してしまったが、ビールがおいしいお店であった。阪大の児嶋先生が、「教えたい人が教えたいことを教えるためのスパルタ式NMR講習会を立ち上げましょう!」という、とっても素晴らしい企画を聞かされる。シンポジウムが終わる前に、分光学会会長の西村先生から、学会の資金難を救うべく、企業の人などを対象とした有償のNMR講習会を企画して来年度何回か実施してほしい、という要請をPiyotaも児嶋先生も他の先生も受けたのであるが(そういえば日本核磁気共鳴学会会長の嶋田先生もおられた・・・東大薬学部だからあたりまえか?)、それはそれ(Piyotaがお金儲けなんかに向かないのは、みなさま御存じでしょうに)。(でもぼちぼち企画はするけれども)。児嶋先生がどんな過激な企画をだされるのか、とっても楽しみ。痛車計画さて、そうこうするうちに、二次会に移動の時間となる。さきほど、ノンちゃん先生からメールがあって、明日神戸で飲まないかと誘っていただいたのだが、明日までPiyotaは関東なのだ。で、しかも、ノンちゃん先生のオフィスの最寄駅から5分のところに既にいるのである。というわけで急遽、今日飲む方向でスケジュール調整いただいた。東京八重洲で「寿司の食べれる居酒屋」で寿司をつまむことにする。でもって、Piyotaがしきりに、ノンちゃん先生に(1)車をかう(2)車を痛車にする(3)柄は天野こずえ作品でいく、ことを強烈にプロモートする。却下されたけど。ブログ村で日本分光学会NMR部会関連のブログを探してみる
2010.09.09
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会議の日、である。怒り爆発のクソ会議であった。いろいろ組織の体制に問題があるのであろう。組織の構成員も、いろいろ。意識もまちまち。そして問題は起こるべくして起こる・・・のか?ともかく、夏に予定されていた会議は二回、主催者側の都合で流れた。今日は、その代替の臨時会議、一回目。予定されていたのとは違う議題で、延々と議論は空回り、水掛け論、その他もろもろ。終電がなくなってタクシー帰宅である。疲れた。
2010.09.06
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1. PyMolがsegmentation faultをするときはXOrg関連を再インストールするのがよいこのブログのどこかに書いてあったんだけどな。このページの左下の検索窓を使えばわかるんじゃないかな。nVidiaがどうとか、という問題だったんじゃないかな。2. PyMolの入力窓が死んでいるときの対処法は下記の二行を追加。これはPythonのlocale対応の問題と考えられる--------------------------------#!/bin/sh## PyMOL startup script## Set PYMOL_PATH to point to this directory## ================================================PYMOL_PATH=/home2/people/XXXX/tgz/pymol# ================================================#export PYMOL_PATHPYTHONHOME=$PYMOL_PATH/extexport PYTHONHOME #
2010.09.03
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最近忙しくてまったく日記がかけていない備忘録にこちらを しぇりーくらぶ@石堀小路ブログ村で田舎暮らし・自然満喫のブログを探してみる
2010.09.02
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Cyana 2.1 計算中最近、別のタンパク質ドメインの構造計算を始めている。前回のNVL2(現在論文投稿中、査読にまわって二週間経過中)の構造精密化にえらく時間がかかったことを後悔しているので、今回はいかに手際よくやるのかを自身に課している、といったところ。ただし、なんとなくコツがわかってきた。結局、キモは13C-edited-NOESYと13C-HSQCのピークから、化学シフトのずれがいかに少なく、正確にピークを拾えてそれが化学シフト表になっているか、13C-edited-NOESYのピークをいかに上手に拾うか、にかかっているようなのである。少なくとも、13C-edited-NOESYと13C-HSQCは、同日に測定して、同じパラメータで化学シフトカリブレーションをすることが、絶対条件である。当り前なんだけれども、これがなかなかできない。計算時のマシンスペック比較ラボのメインマシンの-rw-r--r-- 1 piyo users 1013696 9月 3日 19:23 final.pdb-rw-r--r-- 1 piyo users 1013696 9月 3日 19:22 cycle7.pdb-rw-r--r-- 1 piyo users 1013696 9月 3日 19:20 cycle6.pdb-rw-r--r-- 1 piyo users 1013696 9月 3日 19:19 cycle5.pdb-rw-r--r-- 1 piyo users 1013696 9月 3日 19:17 cycle4.pdb-rw-r--r-- 1 piyo users 1013696 9月 3日 19:16 cycle3.pdb-rw-r--r-- 1 piyo users 1013696 9月 3日 19:14 cycle2.pdb-rw-r--r-- 1 piyo users 1013696 9月 3日 19:12 cycle1.pdb計算時間をls -ltで結果ファイルのタイムスタンプで評価Intel(R) Core(TM) i7 CPU 860 @ 2.80GHz100aa の構造計算をおよそ12分くらい。これを同じことをnotepc lenovo IdeaPad U350で行うと、こんな感じ。やはり4倍も遅い、というべきか。-rw-r--r-- 1 ideapad users 1013696 9月 3日 19:45 final.pdb-rw-r--r-- 1 ideapad users 1013696 9月 3日 19:38 cycle7.pdb-rw-r--r-- 1 ideapad users 1013696 9月 3日 19:31 cycle6.pdb-rw-r--r-- 1 ideapad users 1013696 9月 3日 19:24 cycle5.pdb-rw-r--r-- 1 ideapad users 1013696 9月 3日 19:17 cycle4.pdb-rw-r--r-- 1 ideapad users 1013696 9月 3日 19:09 cycle3.pdb-rw-r--r-- 1 ideapad users 1013696 9月 3日 19:02 cycle2.pdb-rw-r--r-- 1 ideapad users 1013696 9月 3日 18:55 cycle1.pdb100aa の構造計算をおよそ50分くらい。Intel(R) Core(TM)2 Duo CPU U9400 @ 1.40GHzコア数が半分で、各コアのクロックがちょうど半分で、コア設計もCore i7のほうが新しくてメモリもキャッシュも多い、という状況ならば、4.2倍の性能差は非常に妥当というところであろう。IdeaPadで一応計算ができるということもわかった。1時間弱、か。新幹線の移動時間を無駄にしなくて住むということか。悪くない。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.09.01
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おみやげを買いましょう本日12:40の毛杏空港発のフライト。朝は8:00に起床して、荷物のパッキングと撤収準備。大体うまく収まって、よかったよかった。ホテルのフロントのおねえさんに、昨日のうちに、シャトルバスの予約をお願いしておいた。そんなわけで、10:30に空港行きのシャトルバスが迎えにきてくれることになった。バスは予約手数料が$5AUD、運賃別途$5AUD。まだ40分くらいあるので、もう一度だけcity center/Transit mall付近にでかける。目的は、ひとつは$250AUDもあまってしまった現金を日本円に戻すためで、もうひとつはおみやげである。Transit mallの中心を駅方面に少し行ったところにある、手数料無料の外貨両替所、1AUD=72yenでやってくれる。この旅行中に大幅に円高が進んで、いったいいくら差損をだしたんだか。それでも関空でかえると65yenなので、現地で替えるほうがまだrateがいい、というのは真実であった。さて、Transit mallの中心付近、Woolworthの二軒か三軒となりに、野太い男の人の声のカセットテープがエンドレスでながれている店があります。英語で何をいっているかというと「○○70% off !、やすいよやすいよ」と言っているのである。百均的なのりである。で、その中に、毛杏みやげも結構売っている。よし、ラボのみなへの手土産はここでかうことにしよう。最後に本屋さんで自分おみやげ。海外の写真のきれいなカレンダーが好きである。というわけで一冊$10AUDのカレンダーを三冊。美しい風景写真はなごみます。毛杏から日本へケアンズ空港は大混雑でした。東京直行便と大阪直行便がほぼ同時に離陸するのです。でも関空に帰る便は、学会関係者の顔見知りばかり・・・金曜日ということもあって、気楽な旅でした。待ち受けていたのは今日中にかたづけないとやばい仕事ところが・・・・出張前に、大学のエラい人から頼まれていた企画書作成仕事、海外出張中ということで忙しくて放置していたら、督促のメール!なんてこったい。楽しい気分が一気に冷却。気分は最悪です。帰宅してから、作文を初めてドラフトを送るまでに2時間。くたくたになって就寝でした。やれやれ。ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.08.27
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ICMRBS 最終日っ!カンファレンスディナーで飲み過ぎて、ちょっとはやめに戻ってきて、ものすごいしんどい気分でベッドに倒れこむ。6時間眠って、目が覚めた。ともあれ、ワインは美味しかったし、地ビールはうまかったし、熱帯雨林は素敵だったし、食べ物はまあまあなんとかなった、ということ。海だけが堪能できなかった。残念だったのは、咳が徐々にひどくなりつつある4日間であったこと。で、感じたのは、日本のNMRは、またもや海外に遅れ始めている、という明らかな実感である。結果的にタンパク3000が批判されてこけたせいで、日本のNMRの各ラボに元気がない。それまでに出来上がったラオは、良いバイオロジーをしているせいで、top journal論文は安定して出せているが、それはどうやら守りに入っているようにも見える。その結果日本のNMRはまたもや世界から遅れ始めつつある、のだ。ところが、ならばその危機感をばねに、「海外の最新技術をキャッチアップする」という勢力が一定数あってもよいはずである。これまでは日本の科学はそうして進んできた。「キャッチアップ」「あたらしものずき」というスタンス、実は重要なのだ。だが、もともと日本では、キャッチアップをしていると、偏狭な価値観でオリジナリティーがないと馬鹿にする傾向がある。先端に追い付いていない状態でオリジナリティーなんて言い出しても意味ないのに・・・・。自分らが技術的に国際的に、遅れているという実感がなければ、モチベーションもわかないし、その価値もわからない。その意味で、現在走っているターゲットタンパクプログラム予算は、日本のNMR界・構造生物学界にとってはあまり恩恵がないように思う。よく知らないのだが、X線は、ハードウェア開発競争ではまだ海外と互角に戦えているのだろうか?マイクロビームとか、超高速高感度デテクターとか?もしそうならそれは救いである。すくなくともタンパク3000時に、それらが、大いに進んだのは知っている。一方、ソフトウェア開発はX線もNMRも、日本は弱い。 というわけで、Piyotaラボの今年後半期の目標というか立ち位置は、初心に帰って、【海外の先進技術を愚直にキャッチアップ】。オリジナルなことを気合いいれてやるんだ!!、みたいな自身の思い入れや、外部からの誘惑や不当な圧力には耳と目をつぶる。唐手の修行でいうと、「基本の型の練習を延々と練る」かんじである。オリジナルなことを始めるのは、それからである。じゃないと同じ土俵に立てないし、相手にしてもらえない。それにしてもeNMRといいNESG/JCSGといい、コミュニティーをつくって一気に進む、というのから、日本はおいてきぼりにされたなあ、と感じる。いずれも欧州・米国の構造ゲノミクスが核となったコミュニティーベースの知識集積法である。 唯一、NMRメタボロミクスだけは、世界をぶっちぎっていた。キクリン天才! 確かに、タンパク3000の予算執行方法や予算獲得方法に問題があった、かもしれない。でも予算・プロジェクトがどうこうということと、「構造ゲノミクスという学問は無意味だ・日本には不要だ」という議論は、まったく分けて考えなければならないはずなのだが。 坊主憎ければ袈裟まで憎し、横山(先生)憎ければ構造ゲノミクスまで憎し、というのは、科学技術政策を考える上では、あまりに大人げない。日本の構造ゲノミクス(とくにNMR構造ゲノミクス)は、その大人げない予算がらみの批判の巻き添えを受けて、壊滅した。そのマイナス効果が日本のNMR構造生物学の、世界レベル研究との乖離を広げはじめた。そういう危機感であるたとえば、ゲノミクスやトランスクリプトミクスが分子生物学のツールボックス的効果により技術革新をもたらしたのと同様、ハイスループット構造決定プロジェクトのもたらした方法論の革新の通常の構造生物学ラボへの恩恵は、実は考えられないほど大きい。その意味で、技術革新は常にキャッチアップしなければならないはずなのだ。だが、その最新技術をフォローできていない人たちに(※フォローしていた人たちは横山シンパとして巧妙に予算の枠組みからはじかれたキラいがある)、「これからは生物学的に重要で難しい対象をやれ」と強要したのが、今のターゲットタンパクの枠組みである。だが、今までも容易ではなかった困難なサンプルに、一世代・二世代前のテクニックや考え方、戦略で、世界レベルのスピードで立ち向かうのはきついだろう。今回特筆すべき技術の一つは、adenovirus発現系で1L培養から数10mgの蛋白精製→二重標識でNMR、という発表。あと140aaくらいのタンパク質を測定→構造決定→PDB登録まで二週間、というJCSGの発表(Wuethrich)。ノーベル賞学者が所属できるグラントがそれしかなかった、と揶揄する先生もおられるようだ。だが、Piyotaはあえて逆の見方をする。構造ゲノミクスは、ノーベル賞学者が、古巣を捨てた後に骨をうずめるために選んだプロジェクト、という言い方もできる、それくらい重要な学問なのだ。少なくともWuethrich先生の構造ゲノミクスに対するこれからのNMRの貢献に対するイントロの説明には、一点の迷いもない。高速構造決定の内訳はデータ測定は帰属用がAPSYの圧縮次元技術を使って、1-2日、NOE収集が5日、これはおそらくNUSを使わない普通の測定。残りの8日間は自動帰属と自動リファインメントとvalidation こんなスケジュールであった。使用ソフトパッケージはsoftware UNIOというらしい。結晶化しなくていいので、そのサイズの試料ならば、速度的にもX線を上回っているかもしれない。ただし、自動化で高速化できているのは、いまのところぎりぎり分子量2万。圧縮次元NMRの原理による限界で、帰属が簡単だと測定の数も減らせる、スペクトルが複雑化するとお手上げ、ということのよう。そのため、現状では150-160aaよりも上は、一気に自動化の恩恵がうすれてしまい、旧態依然の解析にもどってしまうような印象を受けた。本当のところはどうだかわからない。これは自分でやったことがないからだ。とりあえず自分でやってみる、ということが重要なのであろう。 ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.08.26
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夜遅くまでネットで巡回していたので、はい、寝不足です~・・・あ、あとそれと、せっかく日本から大量に文庫本をもってきたのに、思いのほか読み進めません。なんだかなあ。読んだら廃棄して身軽になるという予定が思いのほか狂ってしまった、関空で文庫本とか買わなければよかったと後悔。ICMRBS DAY3 本日の主なspeakerと内容雑記これまであまりまじめに書いてこなかったが、いろいろと思うところは、あった。あったのだが、なんというか、テンションはあまり高くない。アデノウイルス発現系を利用した培養試料への二重標識、あたりが迫力があった。あと、理化学研究所の菊池先生のNMRメタボロミクスは、開発されている技術が世界標準を完全に突っ切った独走態勢となっており、これについては当面は他の追随を許さないであろうという境地。これは、すばらしい。signaling関連タンパク質の構造生物学に関して、Ming-Zhie Zhangの研究は素晴らしい。うちラボの個人的なライバルなのだが、どういうことなのだか。あと、個人的にはいろいろとamyloid関連のNMR解析の発表がおもしろかった。ケアンズで地ビールを堪能Cairns Bluesky Blewery Restaurant & Bar$12で6種類、$6で3種類のビールを小さいグラスで試飲させてくれる、地ビール工房。パーティスペースでは、DJの人が歌なども披露している。気楽に飲めて料理が楽しめる店であった。Piyotaのおすすめはwheat beerかFNQ Lagerである。ただし、それ以外にはかなり個性的な味のビールもあるみたいで、全てが全ておいしいわけではないようだ。面白い。料理は、リブステーキやシチューやfish & chipsが絶品であった。支払いは、頼むときに毎回カウンターで。この日、太鼓の達人とかの話で大いにもりあがったのだが、まあ、それはそれ。A社に社名変更になったV社が、Piyotaたちのこの究極の新規プロジェクトに出資してくれることを祈りつつ。ブログ村でICMRBS関連のブログを探してみる
2010.08.25
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ICMRBS DAY1 本日の主なspeakerと内容雑記ICMRBSでは、中国・韓国の研究者たち、若手大学院生たちの構造生物学への応用研究に関する、活発な発表が目立った。また、海外のestablishされたラボの諸先生方が、それぞれのお家芸にさらに磨きをかけたマニアックな研究(とくに技術開発)を発表されており、非常に参考になった。特にPiyotaたちの研究に直結して生かせそうな新規方法論はなかったが、いままで既に聴いていた技術で、欧米ではそれを更に先鋭化して進めているのに、日本ではキャッチアップすらしていない、というものがなかなか多いと感じた。日本のNMR学者の自縄自縛そんなわけで、日本のNMR構造生物学に現在蔓延しているこの沈滞ムードはどこから来るのであろうか、という問題点について、S先生と昼をご一緒しながら考えたのであった。で、結論。やはりタンパク3000批判や、事業仕訳批判による、「NMR構造生物学が処処のコストを食いすぎる」という批判を、メンタルに気にしすぎていて、研究そのものの方向性に切れ味がかけている、ということが大きいような気がするのだ。いいかえれば「他の方法にはできない、NMRにしかできない」ということを前面にだすべく、それに縛られすぎて、自縄自縛に陥っているのではないか、ということである。「全体として非常にレベルの高い研究」で、かつ「NMRがそこに上手に生かされている」という研究の在り方があるのだとしたら、ある意味その対極として「NMRを使うことを自己目的化しつつ、他の方法を使わないことの言い訳をする」みたいな自縄自縛である。ICMRBSならば、これでいいのかもしれない。しかし、それだけに安住してはいけない、はずだ。少なくとも、もっと自信をもってもっと楽しみながら研究をしていたアジアの若者とは、大分温度差があった。Cairns国際会議場周辺の風景ブログ村で蛋白質立体構造関連のブログを探してみる
2010.08.23
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