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家の者から廃棄物扱いされた10年もののPCを,僕の部屋に取り込んでレストアしている。OSを一から入れ直して,その後にまたハードディスクのパーテーションを切り直したので,またOSを入れ直して,とだいぶ手をかけている。とは言え,スマホの時代なのでネットを見るのも,メールを受け取るのも,買い物をするのも,PCは要らない。そこで思いついたのが,「これならば輸入もののDVDを観ることが出来るんじゃないか?」ということだった。日本では洋画のビデオソフトは安く手に入るが,邦画やアニメーション作品はなぜか高い。海外版を輸入した方がずっと安いという不思議な逆転現象が起きている。早速,手持ちのDVDをPCに入れてみたけれど,「認識されません」というつれないアラートが出た。調べてみると,DVDドライブがきちんと認識されていないようだった。さて,それからが大変だった。メーカーのサイトで製品カタログを見ても,パーツ単位ではどの製品を使っているかまでは記されていない。筐体を開いて,横から見てもよく分からなかった。アラートの記号を頼りに分かったのが,日立LG製品だということだった。残念ながらこの会社のサイトにはドライバーのアーカイブが無かったので,ネットで探すと,いろいろ見つかるのだけれど,診断ツールをインストールしないとならないものばかり。そして診断が終わり,ドライバーをダウンロードするところで,「課金しろ」と言ってきて止まってしまう。そう言うものを3つほど繰り返して諦めた。一度既存のドライバーを削除して,OSからのアラートメッセージのたびに,それに見合う設定ファイルをダウンロードしてみたところ,きちんと機能するようになった。半日以上かかったけど。DVDプレイヤーソフトも入れて,日本のビデオソフトはきちんと再生出来ることを確認した。じゃあ,いよいよ海外版を購入してみるか?うまく行くといいけど。
2016.02.29
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連日の休日出勤で,さすがにいろいろあるので取引先の工事も終わったし,こちらのデスクワークも一段落したので,16時頃,早めに上がった。すると,地下鉄の豊洲駅から何人ものスポーツ選手らしき人が乗ってくる。ぴちっと身体にフィットした姿で,ビニール袋で荷物を持っていたりする。あれ,これはひょっとして毎年恒例の大マラソン大会の参加者だね?もうすっかり平常モードになっていて,誰と落ち合うとか,サポートの人の移動距離が10km以上だとか,話し合っている。仲間や夫婦で来ているらしくて,わいわいと大きな声だ。なかには鉛筆を模した着ぐるみを持っている人もいて,それはさすがに目立っていた。そんな人たちに囲まれていて,一瞬だけど大会に参加したような気持ちになった。あはは。
2016.02.28
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土曜日に僕が担当している工事が3つ行われるので,休日出勤で工事立会いをした。いつもどおり5時台に家を出て,現場には7時前に着く。誰もいないけれど,取引先は同じような時間に着くし,鍵を渡してあるので,入ることができる。事務所のエアコンと照明を1階から3階まで順番に点けて行って,その後,2階の食堂で朝食・・・?!・・・誰かいる?!同僚が昨晩の設備テストのまま,残っていたらしい。驚いた。心臓に悪いな。--------------立会い関連の指示や確認,貯まっていたメールの処理などで,1日はあっと言う間に過ぎた。帰りがけに下北沢の趣味の店に寄ってみたけれど,空振り。やはり時代はネットショップだろうか?,と思っていたところ,書店チェーン・芳林堂の倒産のニュースを知り,ショックを受けた。学生時代,社会人になってからも,とても世話になった書店だった。--------------休日出勤が続くので,夜に洗濯をして,アイロンがけもした。うーむ,わびしい。
2016.02.27
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ジェットコースターサスペンス作品を量産している木下半太の作品を読んだ。○ストーリー〈フィーバー5〉は20年前,10才前後の5人のメンバーで日本中を沸かせたアイドルグループだった。だがグループは武道館ライブの後に電撃解散をし,メンバーのミドリ以外の4人は芸能界を引退し,不遇の人生を送っていた。だが20年ぶりに再結成出演の依頼が訪れ,4人はテレビ局の楽屋で再会する。ゆっくりと打ち解けて,半生を語り合う4人は,自分たちが不遇だった理由は,ミドリが陰でそれを画策していたからだと知る。この機会に彼女への復讐,そして逃亡を計画する4人だが,そこに・・・-------------〈フィーバー5〉は男の子3人,女の子2人で結成されていたアイドルグループだ。女の子の1人,ミドリだけが女優として芸能界に残り,それ以外のメンバーはただの人として暮らし,さらにそれぞれ不幸な出来事に遭い,つらい20年間を送っていた。”もう1人の女の子”キヨコは女優としての成功を夢見て,小劇団で細々と活動を続けている。かつてミドリに支援を求めたものの裏切られ,それでも役者として底辺をさまよっている状況なので,ミドリへの恨みと妬みは誰よりも強い。関西弁でしゃべり,ひんぱんに突っ込みを入れるキヨコは,4人のメンバーを叱咤激励し,精神的な方向性を導き出す。作品は,キヨコの視点で語られ,〈フィーバー5〉メンバーの再会,和解,キヨコ復讐計画,そして誰もが思わなかった方向への展開までが表現される。-------------物語は基本的に4人の元メンバーが集められる,テレビ局の狭い楽屋で進められる。映画仕立てのシミュレーションや,1人1人の過去物語の際は例外だが,いかにも舞台劇のシチュエーションのように,ある場面だけでたくみに物語が展開されていく。まずキヨコが部屋に到着し,それから順番に1人ずつ元メンバーとの再会が続く。4人がそろって,話を付き合わせると,どうやらミドリがその黒幕ではないかと思え始める。4人は悩みつつも,ミドリへの復讐を企てるが,なんど計画をしても,どこかでミドリに裏をかかれる。それを解消するために,彼らは究極のゾーンへと入り込むのだが・・・-------------「悪夢のエレベーター」でデビューをした木下半太だが,元々小劇団の脚本家という肩書きも持っており,今回のように,小劇団の俳優・キヨコを主人公にした作品では迫真の設定となる。キヨコ以外のマモル,太郎,エンジェルはそれぞれ別の職業に就いているが,同じように社会の底辺をうろついていても,キヨコの生活のリアリティにはまったくかなわない。舞台設定も,主人公も,まさに木下半太好みだ。-------------とは言え,木下半太節の展開により,読者の多くは置いてけぼりになったのではないだろうか?ミドリへの復讐を誓った4人が,シミュレーションによりさまざまな危機を乗り越えて行く展開がずっと続き,いい加減現実世界へ戻ってもらいたいとイライラして来る。戻ったと思ったら,衝撃の展開で元メンバーの1人が消え,残りの4人が動き出すという結末となる。で,結局どうなったの?という辺りが正当な疑問だと思う。ネタバレ防止なので,述べられないけど。かなり荒唐無稽で,期待したものと流れは異なっていたけれど,意外性という意味では及第点だと思う。これが新〈フィーバー5〉の姿だ。いつもの通りの作品だね。
2016.02.26
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春一番が吹いた,梅が咲いた,というニュースは流れるものの,ことしはちっとも春らしさが感じられない。水曜日から木曜日にかけて関東でも雨ないし雪となったので,今朝はキンキンに冷え込んでいた。もうこんな天候が3ヶ月間続いている気がする。今シーズンは,空調の効きが悪くなりがちな,誰も使っていない新築建物で仕事をしているので,なおさらこの寒さが身に沁みる。寒いのが苦手,暑いのは平気という体質としては,よくもまあ耐えているものだ。さすがに3月になれば春が見えるよね,と期待はしている。
2016.02.25
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文庫版「ソロモンの偽証」6巻に収録されている中編を読んだ。○ストーリー私立の進学校・精華学院の中等部3年生は,夏休みに〈避難所生活体験キャンプ〉を開催していた。本来それは,限られた食料と水だけで学校にて一晩過ごすだけのゆるいイベントのはずだった。だがその年,そこに参加した生徒たちが担任の教師・火野からあることを強要されたと言う。これは問題となり火野は糾弾されるが,彼はそれが生徒たちが口裏を合わせた芝居だったと主張する。両者の意見は食い違い,やがて学院から解雇された火野はある弁護士事務所に相談する。一方で,生徒の親の1人は探偵を雇う。弁護士の名前は,藤野涼子と言い,探偵の名前は,杉村三郎と言った。-------------日本の作家の作品は,一定の人気がある人のものはハードカバーで刊行され,あまり売り上げが期待されない人のものは最初から文庫版で刊行される。人気作家となると,ハードカバー,新書版,文庫版と3回も同じ作品が刊行されることもある。ファンは早く読みたいからハードカバーを買い,そうでもない人は安くなった新書版や文庫版を待つ。それなのに日本の出版業界は,文庫版を改訂改良版としたり,追加短編を入れたりする。安いバージョンの方が内容が濃いという不思議な逆転現象が生まれてしまう。どう考えても,自分で自分の首を絞めているとしか思えないが,超一流人気作家の話題作「ソロモンの偽証」でも,文庫版で番外編が追加されるという,逆転現象が起きた。-------------その上,20年後の藤野涼子の捜査に協力するのは,「だれか」「名も無き毒」「ペテロの葬列」で主人公だった杉野三郎だ。本編の後日談が語られるだけでなく,別の人気シリーズとのコラボ作品という,無類の豪華さだ。宮部みゆきファンだったら,泣く泣くこれを買って,結局文庫版「ソロモンの偽証」全巻を揃えるんだろうなあ。ファンの足元を見た商法で,あざと過ぎて呆れてしまう。-------------さて肝心の物語だが,「ソロモンの偽証」同様に中学3年の教室を舞台に事件が起きており,それぞれの主張が食い違っており,真実が見えないため,多くの混乱を起こしている。藤野涼子と杉野三郎の調査により,大筋の流れは見えてきたところ,さらにある不自然なことが起き,2人は行動を起こす。多少は世間ズレしてきたとは言え,相変わらずお人好しの杉野三郎に対し,理知的な外面の中に熱い正義感を持った藤野涼子はぐいぐいと物語を進めてくれる。最後に残った叫びは,20年前のそれとよく似ていた。-------------立ち読みには長過ぎるし,内容が豪華すぎるサービス中編。認めたくないけれど,オススメだ。
2016.02.24
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新聞の書評で良い評判だったミステリー短編集を読んだ。○ストーリー〈わたくし〉が連れてこられた屋敷では,気性の激しい姉と可憐で大人しい妹の間で続いた,何十年間ものいさかいだった。その小さなすれ違いは,とうとう大事件へと至ってしまう。姉妹たちの間に隠されていたこととは?------------ミステリー短編集だと聞いていたが,サスペンスと言うべきで,さらに読み進むとホラー系の色も強くなり,徐々にセンセーショナルになって終わっている。この短編集がミステリーの賞をとったとは???脚本家として経験がある人らしく,文章や会話はしっかりとしている。〈羊〉というテーマでまとめた作品の構成も新人離れした手馴れた雰囲気で,短編集を連作短編集,あるいは連鎖式短編集としてまとめようとさえしている。(きっと編集者が薦めたのだとは思うけれど)------------堂々とした書き方や構成力は残念ながら,マイナス方向に働いている。それぞれの短編の物語はどこかで見たようなものばかりだし,ミステリー要素は徐々にホラーへと置き換わっていく。慌てて書いたような,あるいは作家としての引き出しが不足しているような,そんな懸念を感じてしまった。------------各編についての感想を簡単に述べる。「強欲な羊」:気性の激しい姉が,可憐で大人しい妹に毒殺された。姉の夫の恭司は,姉妹たちの隠された生い立ちを聞き,真犯人へと至る。だが?・・・傲慢で強欲に見える姉,彼女に翻弄されつつ生きてきた控え目な妹。果たして本当に欲深く,嫉妬深い人物は姉妹のどちらなのか?読んでいるうちに,読者の疑いの目がどんどんと移り変わるという面白さがある。作者に良いように誘導されている印象はあるけれど,まあ悪くない。「背徳の羊」:篠田の妻・羊子は美人で,2人の間には美しい顔をした長男・マコトがいた。だがマコトは,羊子の上司・水嶋の息子・サトシとよく似ていた。篠田と水嶋の妻・初音は,マコトが水嶋と羊子の間の子供ではないかと疑い始める。だがサトシが事故に逢い,羊子と初音が疑われる。果たして・・・最初は混乱するが,徐々にどろどろとした設定が分かり始める。登場人物たちが冷静になろうとすると,別の人物が登場したり,事故が起きたりとして混乱が発生し,きちんとした判断がなされないまま,どんどんと物語は進む。作者の計画通りとは言え,ちょっと強引な気がした。「眠れぬ夜の羊」:親が経営するコンビニを手伝っていることで,睡眠時間が少ない塔子は,自分から恋人を奪った女性を殺す夢を見る。だが気付くと,その女性は彼女の夢の通り殺されており,その地域は話題の中心となる。しばらくして警察がコンビニを訪れ,同行を促したのは?そしてこの事件の裏に隠れている別の事件とは?・・・事件1については情報が不足していて判断できなかったが,事件2については情報が列記されているので早々に予測がついた。それにしてもホラー世界だ。「ストックホルムの羊」:弟に出し抜かれた王子は,カミーラ,ヨハンナ,イーダ,アンというわずかな召使を従えて塔に幽閉される。貧しくも安定していた生活は,新たに加わったマリアによって崩れ去る。魔女は,裏切り者は誰なのか?疑心暗鬼になった少女たちはついに?!・・・この手の○○ミステリーはありふれているとは言え,なかなか気持ちよくだまされた。トリックが明かされてから,もっと気持ち悪くなる,という不思議な設定だ。「生け贄の羊」:町外れの廃屋となった洋館にまつわる〈羊目の女〉の都市伝説。友人たちとそこを訪ねた女子高生は,気付くと小さな部屋に手錠で繋ぎ止められていた。彼女が助けを呼ぶと???・・・『SAW』の世界になったと思ったら,無理やりこれまでの短編がリンクされ始めた。そのプロセスが強引で,しかも新しい発見につながるわけでもないので,かなり落胆。短編どうしのリンクは必要だったかな?
2016.02.23
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連日設備の調整や稼働試験が続いていて,施設を出るのが9時,10時となることも続く。そうした毎日が日常となっている仕事の人がいるのは承知しているが,基本ベルダッシュ,6時には会社を出ることを信条としている僕でさえこの状況というのは,やはり追い込みの時期だからだ。先週の稼働試験が2日連続で失敗し,次の開催は今週だけど未定となった。それを当て込んでいた月曜日は,急に生まれたエアポケットのように予定が無いこととなった。おかげで次のプロジェクトの設計作業に取り掛かることが出来たけれど,それよりももっとはかどったのは飲みに行く予定だ。定期的に飲みに行く友人は何グループかいるのだけれど,木曜日の会は僕ともう1人の都合で年末以降休止状態,土日の美術館巡りの方は月1回程度なので継続,金曜日などに飲んでいた友人とは互いに予定が合わなくて1ヶ月会っていない,という状態だった。ここで「今日は行ける」と連絡をし,付き合ってもらえる人を見つけた。向こうの予定に合わせるために,会社を5時に抜け出した。途中何度も携帯に電話かかって来たけれど,社内はゴメンと無視,社外は仕方がなくて対応。居酒屋でPCを開いてメールチェックをしつつ,飲み続けるという気合を見せた。(何だそれ?)久々の友人との飲みは楽しくて,締めのラーメンまで発生してしまった。
2016.02.22
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土日は2日間もあるから羽を伸ばせる,というリア充の人や若い人は置いておいて,僕の年令になると2日間休まないと疲れが取れない,という状態になっている。先週は日曜日に六本木に行っていたので,結局慌しい感じがぬぐえなかった。2週間前はスマホの修理とデータ復元でトラブっていたし,3週間前は土曜日が出勤だった。だから久しぶりの平和な週末だった。土曜日が午後から冷たい雨だったので外出をしなかった。その分,日曜日は午前中に,床屋,図書館,買い物,ビデオ屋,買い物と予定をこなした。我ながら効率的,と自画自賛していた。だが,買ってきた発泡スチロールのブロックを用いて,ゆがんでしまったPCラックの補修をした後,しばらくしたら腰と背中に違和感が来た。ギックリ腰のような角度によってはびりびりとして立ったり座ったりに支障をきたす痛みだ。ここ2週間の筋肉疲労もたぶん影響している。とは言え,会社のPCも置いてきているし,特別やることも無いので,「いてて」と言いつつ過ごしていた。明日はどうなることやら,だけど,週末は個人の時間だよね。
2016.02.21
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畠中恵の〈しゃばけシリーズ〉第2巻を読んだ。○ストーリー江戸の町で火事があったが,その後で天野屋の娘・おくめの死体が発見された。おくめは長崎屋の美形の手代・仁吉に恋文を送っており,仁吉は容疑者として疑われてしまう。長崎屋の若だんな・一太郎は仁吉を救うために,妖(あやかし)たちに助けを求めるが?-------------シリーズ第2巻は連作短編集だったが,第1巻が長編だったことがむしろ意外だったので,すんなりと入ってきた。江戸時代を舞台にしたミステリーで,毎回妖怪が登場するというファンタジックな要素が濃い,というのがシリーズの概要だろうか?ミステリーと妖怪ファンタジーの比率が逆転しているのではないか,という懸念があるが,基本はこの路線だという理解で良いのではないかと思う。さまざまな妖要素を度外視すれば,江戸時代の大店のぼんぼんを主人公にした日常ミステリーだとも言える。-------------連作短編集となってしまったので,毎回ちょっとした状況説明の文章がちょこっと加わるようになった。その必要性は分かるのだけれど,どこか煩わしい。一方で,一太郎の兄・松之助だったり,大妖・白沢こと仁吉だったりと,語り手が代わる短編が混じっているのは,シリーズの流れを変えたり,別の視点を提供することで,とても面白い。2人いる一太郎の守護大妖で,仁吉ばかりが扱われて,佐助はまだまだ語られないというバランスの悪さはあるものの,これはシリーズが続くことで,今後まだそのチャンスがある,という作者の読みだろう。-------------勝手に創造していた江戸大平楽の物語ではなく,きちんと庶民の日常や,人々の生活のつらさが描かれている。人気が出るシリーズには,きちんとワケがあるものだね。-------------各編について簡単に感想を述べる。「ぬしさまへ」:江戸の町で火事があったが,その後で天野屋の娘・おくめの死体が発見された。おくめは長崎屋の美形の手代・仁吉に恋文を送っており,仁吉は容疑者として疑われてしまう。長崎屋の若だんな・一太郎は仁吉を救うために,妖たちに助けを求めるが?・・・一太郎を守護する2人の大妖の1人・仁吉が事件に巻き込まれる。いつも一太郎を助けてきた大妖が逆に助けられる,というのが面白い。結末はかなりビターで,さすがは女性作家だ。「栄吉の菓子」:九兵衛というご隠居が,一太郎の幼馴染の栄吉が作った菓子を食べて死んだという疑いがかけられる。栄吉は菓子屋から一時的に一太郎の所に居候することになるのだが,九兵衛の死の真相は,意外な方向へと進んでいく。・・・大店の若だんな・一太郎と世間をつなぐ重要なポイント,幼馴染の栄吉がピンチに陥る。九兵衛というご隠居の死の真相は,なんとも悲しいものだった。またまたビター。「空のビードロ」:桶屋で働く松之助は,店の近くで続いていた犬猫殺しの犯人疑いをかけられる。店から追われそうになった彼を救ってくれたのは,主人の娘・おりんだった。少しだけ心が温かくなった松之助だが,その後に衝撃の体験をする。・・・しばらくどんな物語なのか分からなかった。「ぬしさまへ」と内容が近くてごっちゃになりそうだ。あちらでも起きた火事が,松之助の人生を左右する。一太郎はお人好しだなあ。「四布の布団」:一太郎の布団から毎晩若い女性の泣き声が聞こえる。長崎屋の面々は,布団を納めた田原屋に乗り込むが,主人・松次郎の大声に一太郎は圧倒され,倒れてしまう。だがそこで田原屋の番頭の死体が発見され,一堂は事件に巻き込まれる。・・・扉絵は何だろうと少しだけ考えたが,布団に入ってる若だんなだと思う。妖の捜査能力や,あやかしとしてのチカラがよく伝わる短編だが,もう1つ人間たちが幸せになれない印象だ。今回くらいハッピーエンドでも良かったのに。「仁吉の思い人」:一太郎を守護する大妖2人のうちの1人,仁吉こと白沢が千年間思い焦がれ,失恋した相手とは?・・・佐助と仁吉の2人がいるのだが,これまでは圧倒的に仁吉ばかりが扱われていて,ちょっと不思議だ。まあ,実際に一太郎が担当している薬種問屋の手代は仁吉だからなあ。「空のビードロ」に続き,いつもとは視点が異なる短編だ。それにしても仁吉,格好良過ぎだ。「虹を見し事」:一太郎が目覚めると,いつもの妖たちは姿を消し,仁吉・佐助の守護妖怪たちも普通の人間ととなっていた。妖の無い世界は現実なのか?それとも誰かの夢の中なのか?一太郎の孤独な戦いが始る。・・・2つの事件が発生していたために構成が複雑な短編で,読み終えてもまだすっと納得が行かない。やや未整理なまま,作品が執筆されてしまったような印象を受ける。いわゆる〈ifの世界〉としては面白いのだが,ちょっともやもやする。うーん,微妙な終わり方。
2016.02.20
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本社のエンジニアが帰るので,最後の夜くらいは付き合おう,ということになり,数名で一緒に食事に行った。地下鉄で銀座に出て,首都高をくぐり,〈東京スクエアガーデン〉の地下にある串揚げ店に行った。このビルは3年前に竣工した。大規模な再開発なのできれいに正方形の地型をしていて,建物もすっとシンプルで美しい。でも来訪するのはまだ2回目かな?------------ここ3年の総仕上げとなる生産設備の立ち上げにかかっているが,最後の最後で所定の性能が出なくて苦労している。理論的な数値なので,本当はこれを達成しないと本稼動が始められない,ということはないのだけれど,やはりプロジェクト側のわれわれとしては,きちんと仕事を納めたい。本社の人の目の前で成功したかったけれど,ダメだった。勢い,向こうがいろいろな苦労話をしつつ,少し慰めてくれる,という流れになった。------------串揚げ店なので,「おまかせ」にした。放っておくとエンドレスで料理が出てきてしまうという恐怖のシステムだ。同僚たち3人で会計を持つことになったので,その請求が怖い(小心者)。
2016.02.19
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『キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督のスパイアクション映画を観た。○ストーリーロンドンの郊外で暮らす青年・エグジーは,チンピラとのケンカで逮捕されるが,そこを助けてくれたのが謎の紳士ハリーだった。ハリーが言うには,彼は〈キングスマン〉という秘密諜報組織に属しており,世界平和の維持のために働いているというのだ。かつてエグジーの父親もこの組織におり,ハリーを救うために殉職をしたらしい。ハリーの推薦で,エグジーは〈キングスマン〉の候補生となるが,そこには上流階級出身の者が多く,小さいいじめとあざけりの対象となる。だがかつて海兵隊にいたエグジーは,選抜試験を次々にくぐり抜け,ついに最終候補の2人に残る。一方で,ハリーは世界人口を激減させようと企むIT企業の経営者・ヴァレンタインを追うが,罠にかけられてしまう。彼の危機にエグジーは?------------最新の『ミッション:インポッシブル』を観た1週間後に,またまたスパイ映画を観た。あちらが世界を股にかけた大冒険で,アクションもスケールが大きいのに比べ,『キングスマン』はまるで60年代,70年代のスパイ映画のようなとぼけた味わいがあり,まったく逆の方向性だった。------------主人公が候補生としてリクルートされる組織は,影から世界平和を守る紳士の団体で,本部はセビル・ロウの紳士服店の地下にある。正式メンバーたちは当然に仕立てた背広をびしっと着こなす紳士たちで,互いにアーサー王と円卓の騎士のコードネームで呼び合う。父親が若くして死んだため,主人公の育ちはあまり良くなく,服装もしゃべり方もチンピラのようだ。それが育ちが良くて性格が悪そうな候補生グループに入れられる。21世紀型の主人公を,レトロな空気の組織に放り込むことで,彼の視点や驚きが観客のそれと重なる。いつの間にか,作り物っぽいレトロな設定に納得してしまうし,またあまり魅力を感じなかった主人公を応援するようになっている。この辺りの構成や脚本は実に上手いと思う。------------〈キングスマン〉のリーダー・アーサーは,『ダークナイト』などでバットマンの執事を演じていたマイケル・ケインだ。主人公を推薦してくれたハリーことガラハッドは,『英国王のスピーチ』でイギリス国王を演じたコリン・ファースだ。どちらも背広が似合う紳士を以前から演じているので,役柄がすっと入ってくる。ただこのキャラクターや俳優たちだけでは気取っただけの映画になってしまうので,そこにチンピラ風の主人公がミックスされている。------------大富豪ヴァレンタインを演じるのは,黒人俳優のサミュエル・L・ジャクソンだ。ずっとラッパーみたいな服装で,〈キングスマン〉と対照的な存在感を出している。しかし,この人は出演作を選ばないなあ。ヴァレンタインの部下で,驚異的な身体能力を持つのが両足がステンレスのブレードの義足の女性・ガゼルだ。ソフィア・ブテラという人が演じているが,義足のおかげで新しいアクションが説得力を持って生まれている。------------さて『キック・アス』でも,〈ヒット・ガール〉のアクションシーンが音楽に合わせてあることが話題となったが,この作品でも印象的なアクションシーンを作り出している。まずはアメリカの田舎の教会での大殺戮シーンだ。100人ほどの人々が突然暴徒と化して互いに殺しあうのだが,その中でハリーが同じ狂気にとらわれつつ,華麗で容赦のない戦闘能力を見せて圧倒する。これが長い長いカットで,いったいどうやって撮影したんだろう?と不思議になってしまう。そして終盤の主人公・エグジーのピンチを一発逆転したシーンは,残酷なのに音楽と映像処理のおかげで何やら牧歌的になっているという,ものすごいブラックユーモアだった。これは必見だ。------------続編も企画されているらしいけれど,やはり若いエグジーよりもコリン・ファレル演じるハリーの方がはるかに魅力的だったので,あまり観たいと感じられない。大作の隙間にふっとこういう作品が来るからヒットするんだよね。
2016.02.18
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友人の誕生日プレゼントを買いに,成城に行った。たいがいは駅ビルで本を買ったり,〈成城石井〉の本店で食材を買ったりする。とくに〈成城石井〉は優秀で,男性でも女性でも喜んでくれる,高級感のある食材が見つかる。今回は,たまたま1本奥に入った通りの角にある〈カワキタ商店〉に行ってみた。軽井沢などリゾート地にありそうなちょっとわざとらしい和風の造りの商店で,米,味噌などから,漬物,ジャム,お菓子などを扱っているらしい。小さめの広口ビンに入った,蜂蜜生姜,チョコレートブルーベリー,そしてりんごのジャムを買った。3つとも同じ製造者で同じビンを使っているので,包装してもらうとなかなかお洒落だ。この店は,以前何回かお酒を買ったことがある〈宮崎屋球三郎商店〉が経営する食材屋らしい。自然食とか無農薬とかを前面に出さず,さらりと自然体なのが気に入った。
2016.02.17
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女探偵・笹野里子が主人公の芦原すなおのハードボイルド短編集を読んだ。○ストーリー高い地位の官僚が,高級クラブで豪遊し,しかも麻薬密輸に手を染めているという。その男の調査を依頼された里子は,他の人物もこの男を尾行していることに気付く。この人物は里子の敵となるのか?---------------短編集「雪のマズルカ」に続く,シリーズ第2作だ。1作目はかなり”固め”のハードボイルドな女性主人公というのが特徴的だった。なにしろ日本が舞台なのに,相手を射殺してしまって平然としているのだ。他の女性と一緒に事故死した夫の探偵事務所を継いだ主人公という設定で,かなり殺伐とした空気が漂っていた。なんだか不幸な空気丸出しという主人公が魅力的だった。若竹七海の〈女探偵・葉村晶シリーズ〉もかなりハードだが,ハードボイルドのロマンスとは反対に現実のとくに女性の怖さに唖然とするというタイプで方向性が異なると思った。やはり作者が男性だと,女性に夢を抱いてしまうのだろうか?---------------さてこの作品は連作短編集だが,実質はほとんど長編だ。ストーリーに連続性があり,最初の短編で登場した謎の男が最後まで物語を引っ張る。この男と里子の関係がこの作品の魅力だろう。ともに張り詰めた生き方をしており,危険と隣り合わせで暮らしている。ただし里子が40才,男は20代なので,2人が抱き始めた感情は,恋愛というより母子のそれに近いのかも知れない。小説的に美化され過ぎているが,なかなか魅力的な2人だ。この作品では女,ないし母の里子が描写されてしまっていて,今後のシリーズの展開が難しいのではないだろうか,と余計な心配をしてしまった。個人的には第1作の方が好みだ。---------------「青蛇」:カジノでバイトをしていた女子大生が薬物過剰摂取で死んだ。探偵の笹野里子は,この事故の背景の調査を依頼される。里子はカジノに出入りしていたトップ官僚が,裏で薬物取引,株のインサイダー取引などに手を染めていることを聞き,尾行をする。その先で,彼女は青い蛇の刺青をした青年に出会う。・・・このシリーズで多いのは,気持ちの悪い依頼人で,事件そのものより依頼人の方が気になってしまう。この短編もそんなパターンだ。事件は裏技であっという間に片付いてしまう。ほとんどアームチェア・ハードボイルド探偵だ。 「クリスクロス・六本木」:出会って1週間の恋人が,六本木の交差点で自分の目の前で射殺された。事件の真相解明を依頼された笹野里子は,青年を射殺したと思われるヤクザの事務所に乗り込む羽目になる。・・・ヤクザ事務所の場面は,このシリーズにしては珍しくコミカルだ。謎の青年〈青蛇〉の恐ろしい能力が描かれる。 「猫とアリス」:夫の探偵事務所を継いだばかりの笹野里子に,行方不明になった従業員の捜索の依頼が舞い込む。一方で,内気な探偵・山浦歩に,5才の少女から飼い猫を探す依頼が来る。2つの依頼はある場所に2人の探偵を呼び寄せ,彼らは友人となる。そして事件の真相は?・・・里子と山浦ふーちゃんの出会いが語られるのがシリーズ読者にはうれしい。少し謎は残るが,構成も面白く,表題作だけのことはある。「ディオニュソスの朝」:笹野里子は表参道の交差点で轢かれそうになった男を救う。彼は高級クラブのホステスに惚れ込み,財産を使い果たし,借金を重ね,会社の金を横領までしたのだが,その女は消えてしまったのだった。里子はそのクラブの経営母体が宗教団体で,その道場で怪しげな儀式が行われていることを突き止める。だが里子は囚われの身となり・・・さすがにあちこちリアリティが薄くて,ちょっと入っていけなかった。このシリーズらしい,容赦のないアクションは良かったけれど。「無間奈落」:ある閣僚の代理人が笹野里子にある人物の捜索を依頼する。その人物には青い蛇の刺青があるという。里子は政治のトップと謎の青年の間の闘争に,エサとして利用されてしまった。彼女はなんとか〈青蛇〉を止めようとするのだが・・・ついに〈青蛇〉の半生が明らかになる。里子が調査したのではなく,依頼人から教えてもらうというのが肩透かしだ。自明のことをわざわざ表現しているし,感情的過ぎる。
2016.02.16
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六本木ヒルズ内のドイツ料理パブに行った。-------------日曜日は午前中は雨模様だったが,午後からは晴れ,まるで春のようなのっそりとした天気となった。夜には予定がある人がいたので,午後に飲むという流れになって,ビールが美味しそうなパブに入った。-------------屋外のテーブルに座っていても,この日は暖かくて苦にならない。この感覚は久しぶりだった。六本木はさすがにカッコいい男女が多い。昔は「外人がいる」というだけだったような気がするけれど,やはりこの辺りは別格だ。-------------さてこの店だが,ビールは美味しかったが,残念ながらそれ以外はダメだった。ナイフが人数分ない,取り皿を持ってこない,料理がいくつも品切れ,アイスバインは脂っこい。だんだん気温も下がってきて,ここにいる意味無いよなあ,という気分になった。
2016.02.15
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去年から一緒に美術展に行っている友人たちと,村上隆の〈五百羅漢図展〉に行ってきた。-----------これまでは土曜日に集まっていたのだけれど,友人の都合で初めて日曜日に集まることになった。六本木ヒルズの森美術館で開催されているこの展覧会の会場に行ってみたら,驚くほどの行列だった。森美術館はヒルズの天辺にあり,チケット売り場は下にあるのだけれど,そこが長蛇の列になっていて,何回も折り返す行列になっていた。日曜日の午後,六本木という土地,NHKの『日曜美術館』で放映された,などいろいろ理由は考えられたけれど,まだまだ数週間開催期間のある美術展になのにたいした人気だ。エレベータで上がり,友人たちと落ち合い,さらにエスカレータを上り森美術館に入る。-----------〈ギャラリー1〉:『宇宙の深層部の森に蠢く生命の図』『円相シリーズ』,そして大作『達磨大師』などが並ぶ。・・・最初は作品タイトルの〈中二病〉的な物々しさに構えてしまった。けれどもその直後に,作品の仕上がりの光沢,質感などに感心した。独特のシルクスクリーンで,パターンと輝きを備えている。新しい作品を集めたコーナーらしかったが,質感以外はそれほど驚きはなかった。意外とまじめに美術をしているんだ,という失礼な印象をここでは持った。-----------〈ギャラリー2〉:長沢芦雪の『方寸五百羅漢図』を始め,江戸時代の羅漢図が展示され,村上隆のコピーも並べられている。・・・日本画のモチーフを村上隆が丁寧に模写している。そんな人だったんだ?という印象。-----------〈ギャラリー3〉:村上隆のオリジナルモチーフである〈DOB君〉の作品が並ぶ。元々のデザインからは既に離れ,凶暴で,とげとげしくて,ドクロを吐き出している〈DOB君〉ばかりだ。けれども,ラミネートされた部分だったり,トロりと溶けかかっているような曲線だったり,他で観たことがない。-----------〈五百羅漢図・白虎/青竜〉:東北大震災の後に村上隆が製作したのがこの作品だ。グロテスクとも言える五百羅漢がこちらに正対する形で並んでいる。・・・空想の怪物が中心に控えていて,背景,中景,そして前景と怖い姿の羅漢が並んでいる。まるで紙芝居のようだと思った。アニメーションのことを電映紙芝居と揶揄することもあるらしいが,まさに巨大な現代の紙芝居だ。-----------〈五百羅漢図・玄武/朱雀>:五百羅漢図の後半は,さらに多彩な表現を見せる。またその製作過程がうかがえる資料も展示されている。・・・この段階では,五百羅漢図に圧倒されていて,正常な判断ができない。巨大,複雑,凝っている,質感が素晴らしい。-----------〈ギャラリー4>:羅漢図以降の村上作品が並ぶ。・・・『見返り、来迎図』には高い集中力を感じるが,他はそれほど魅力的ではない。-----------来る前にあまり情報を仕入れていなかった関係で,『五百羅漢図』に関して勝手に「大作だからおおざっぱに書きなぐっているんじゃないの」という印象と持っていた。ごめんなさい。この美術展のコアであるこの作品群は,間違いなく集中して,魂をこめて,またきちんと冷静に計算されて描かれている大作だ。日本画,マンガ風タッチ,そしてCGから製作されたリトグラフというコラボレーションが,絶妙に機能するということを初めて知った。-----------圧倒される,という喜びがあった。オススメだ。
2016.02.14
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女子高生たちが部活の存続を賭けて歴史論争を行うという鯨統一郎のミステリー作品を読んだ。○ストーリー異才・北浦つばさの入部により,廃部の危機を乗り越えた〈和風文化研究会〉だが,学園経営者のチカラを背景にしたライバル〈日本研究会(SOJ)〉から繰り返し挑戦を受け続ける。折しもヒミコ女学園は経営改善のために共学を検討しており,1人の男子学生を留学生として試験的に受け入れていた。留学生・ジェイムズを賭けて,2つの部活が歴史バトルを繰り広げる。------------2014年7月に刊行された「歴史バトラーつばさ」に,予想通り続編が発表された。ちょうど1年後の刊行だが,今後1年ごとにシリーズ展開するのだろうか?ちょっとゆっくりなペースだけれど。前作の感想にも書いたが,この作品はヒミコ女学園をいう女子高を舞台にした新シリーズとなっている。不自然に殺人事件は起きないし,無駄な昭和の豆知識のオンパレードもない。軽めの歴史論争バトルとなっていて,個人的には,このバランスは気に入っている。------------とは言え,実はこの学園を支配するものが,日本征服あるいは世界統一が可能になる,という裏設定があるらしく,教師や理事たちが裏でこそこそ動き回っている。また北半球と南半球で隠れた世界戦争が行われており,とか,何やらものものしい。この辺りの荒唐無稽さは,さすが鯨統一郎だ。しかも今のところ,そうした裏設定は,表のストーリーである歴史バトルとちっとも関わってこないのだ。ひょっとしたら今後シリーズで,この裏設定が活きてくるかも知れない。・・・が,この作者なので,空すべりギャグっぽい展開で組織が崩壊するんだろうなあ。------------各編について簡単に感想を述べる。「笑いとは何か」:〈和風文化研究会〉に対してライバル〈SOJ〉が新たな歴史討論を仕掛けてくる。テーマは「江戸時代に創られた落語がどうして現代でも笑えるのか?」だ。論争は落語だけでなく,お笑い,そして笑いという感情そのものまでに斬りこんだ内容と発展していく・・・ベタなギャグなどの設定は前作通りなのだけれど,議論のテーマが歴史を超えて,生物の存在にまで飛んで行くのが驚きだ。けれども歴史バトルじゃなくていいのか?「仮面の告白」:神社の夏祭りのさなかに歴史討論が始まる。テーマは「能狂言ではなぜ面を用いるのか?」というものだ。〈SOJ〉は能のエキスパート・野村寛子を立てて討論に挑む。・・・いちばん歴史的な議論となっていて興味深かった。残念なのは,論じられている説が思い付きなのか,根拠があるのか,読者側にも分からないことだ。読んでいて,〈SOJ〉側に分があると思ったけれどなあ。「1/2の神話」:臨海学校の海水浴場で歴史討論が始まる。テーマは「日本神話と西洋神話の類似は伝播か偶然か?」だ。帰国した高原スクナが〈SOJ〉に勝利をもたらすか?・・・〈日本神話〉は分かるのだけれど,〈西洋神話〉とひとくくりにしてしまっている時点でずいぶんと乱暴だ。西洋と言ったって,さまざまな文化があるので。それくらい大雑把な設定なので,当然論争の流れも強引だ。鯨統一郎とは言え,さすがに荒っぽ過ぎる。これが表題作になっているのは危険だなあ。
2016.02.13
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現在たずさわっている新施設の開設のために,お役所に書類を提出しに行った。いつもと違う街なのだけれど,例によって早朝に着いたので,ファミレスでモーニングセットを食べながら時間を過す。窓口受付開始の9時ぴったりに入館して,2階の事務室に行き,案内を乞う。ここには以前も来たけれど,どうも中学生の頃に職員室に入るような不安感を覚える。さて以前もあったことのある係官に書類を審査してもらい,受理された。ほっとした。こうしたことに慣れている取引先と一緒に来たいという気持ちもあったけれど,大丈夫だった。1人でおつかいできた!!
2016.02.12
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トム・クルーズ版〈M:i・シリーズ〉の第5作目を観た。○ストーリー諜報組織〈IMF〉は,いくつもの数々の危機を防いできたが,一方で多大な損害を出してきたことが問題となり,CIAに吸収合併されてしまう。出頭命令に従わず,単独で謎の組織〈シンジケート〉を調査を継続していたイーサン・ハントは,CIAと〈シンジケート〉の両方に追われることとなる。ある場所で〈シンジケート〉の手に落ち,拷問に遇うところだったイーサンは,謎の美女に救われる。再会した彼らは,組織を壊滅させることのできるデータを求めて,水中にあるデータセンターに潜入することになるのだが?-------------〈007シリーズ〉は1人で戦うが,イーサン・ハントは〈IMF〉のチームで戦う。とは言え,この作品の冒頭で〈IMF〉はCIAに吸収される形で消滅してしまい,イーサンは地下へ潜り,たった1人で〈シンジケート〉へと迫る。前作から仲間となった分析官・ブラントは,CIAでも長官補佐的な仕事で活躍している。秘密兵器開発担当だったベンジーは,CIAでは閑職に追いやられ,不遇を嘆く毎日だ。そして黒人マッチョ・ハッカーだったルーサーは,引退してしまった。このように〈IMF〉チームは解散状態で,イーサンと共に戦うのは,敵か味方か?その行動が謎だらけのイギリス人美女・イルサだ。ホント,007っぽいね。-------------〈M:i・シリーズ〉と言えば,事前に綿密な計画を立て,視聴者にもそれを理解させておいて,けれども現場で不測の事態が起き,それを主人公たちがいかに切り抜けるか?とハラハラさせる,というパターンが多い。けれどもこの作品では,冒頭から飛行機に飛び乗るアクションが始まるし,次はベンジーが主役っぽいウィーンのシーンは状況が見えないし,先が読めない状態が続く。水中のデータセンターへの侵入のシーンは,事前にいろいろシミュレーションをしてから始まる。これは〈M:i〉っぽくて,ほっとした。-------------とは言え,このシリーズは,トム・クルーズのイーサン・ハントが1人で活躍する映画となり過ぎていて,伝統的な〈スパイ大作戦〉からは遠ざかっていると思う。秘密兵器担当のベンジー,ハッカーのルーサー,分析官・ブラントという設定も,全員現場で活躍するので,キャラクターの役割分担があまり上手くいっていない。俳優はいいんだけどね。イーサンと,その他大勢,という感じなんだなあ。ま,ぶっちゃけ,製作者だからだけど。-------------データセンターのシーンから,そのまま怒涛のカーアクション,バイクアクションが続く。イーサン・ハント不死身だ。バイクのシーンではサングラスにジーンズという軽装で,高速道路,山道をガンガン走るトム・クルーズにハラハラさせられた。飛行機のシーンより危険な気がして,気が気じゃなかった。役者魂だなあ。〈M:i2〉でもバイクシーンはあったけれど,あちらがダンス風な華麗な動きがあったの比べて,ゴツゴツとチカラで勝負という印象だった。-------------最後は,正義とは何か?,守るとは何か?という大きなテーマを考えさせつつ,少しビターな大団円を迎える。横綱相撲だね。ハードルが高過ぎて,続編どうやって製作するのか想像が出来ないけれど。
2016.02.11
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江戸を舞台にした大人気の〈しゃばけシリーズ〉の第1巻を読んだ。○ストーリー時代は江戸,長崎屋の跡取り・一太郎は身体が弱く,両親夫婦を始め店を上げて,手厚く面倒を見る状況だった。だが一太郎は人斬り事件に巻き込まれ,それは江戸中を騒がせる薬屋殺害事件へと発展する。若だんなの命の危機に,妖(あやかし)たちは一致団結するのだが・・・?----------シリーズ化を想定する前の第1作目ということで,連作短編集だと勝手に思っていた。ありがちなパターンとしては,作者は作品1本程度の世界観は想定しているものの,シリーズは短編で始まり,人気が出て初めて世界観を広げるというものだ。だから最初の2,3編は,江戸時代の日常系のストーリーが語られると思っていた。それが冒頭から,主人公の一太郎は人斬り事件に巻き込まれているし,その事件は作品が進むに連れ,彼と深く関わるようになる。江戸時代を舞台にした妖怪ファンタジーでありながら,最初から長編でスタートをしたという作者・畠中恵の自信のほどに感心する。----------畠中恵の作品は,明治を舞台にした士族出身の警察官たちの青春ミステリーを読んだことがあったが,なにしろこの〈しゃばけシリーズ〉が圧倒的な人気だ。天邪鬼の性格としては,これまで〈しゃばけ〉を避けてきたが,ハードボイルドやミステリーでこれという作品が見当たらない状況なので,いよいよ時代劇人情ミステリーに手を出し始めた。----------主人公・一太郎の設定はひじょうに現代的だ。身体が弱いという欠点はあるものの,異世界の妖(あやかし)を従えていて,その部分はアームチェア探偵風だ。その一方で心の芯は強く,自分が決めたことはキッチリとするのが心情だ。読者からすれば,一太郎の設定は自分の理想を体現したようなものだと思う。確かに体力が無くて,ひんぱんに寝込むのは問題だ。けれども平穏な江戸時代で,大店の若だんなとしてチヤホヤされ,さらに妖怪たちにかしずかれる,って,どれだけ恵まれているんだろうか?これは天国か???----------いきなりの長編展開には驚いたけれど,とりあえずはそれを活かして物語は進んでいたので可とする。日常系ミステリーを,妖怪の助けを得ながら2,3件解いてから,おもむろに短編またぎのシリーズミステリーにも取り組む,という展開でも良かったと思う。きっと作者の中では,もう十分に世界観が熟成されていて,その後のシリーズ展開も見えていたんだろう。人気だけのことはあって,さまざまな魅力に満ちていて面白い。オススメだ。
2016.02.10
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3年間以上たずさわっていて,立ち上げ段階に来た新施設の生産ラインの検証テストに参加している。取引先の自主検査は終わり,僕らの社内システムとの連動試験のステージとなっている。ここまで来ると,試験の主体は我々なので,データ,製品,人手の手配はこちらの責任となる。いろいろ検証した結果,必要な人手は100人以上。社内からボランティアを募って,集められた人数は20人程度・・・とほほである。取引先,派遣会社から人を集め,現場から短時間のヘルプをもらい,なんとか人数を揃えたけど,なんだかなあ。悲しい現実だ。ここ数日は,ライン工として,傷だらけ,ホコリだらけとなって,貨物を動かしていた。
2016.02.09
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パ○ンコのCMで最初に知ったSFファンタジーアニメを観た。○ストーリー人類は太古の時代から復活をした堕天使族に滅ぼされつつある。堕天使を倒すために,人類は〈エレメント能力〉を持つ子供たちを集め,ベクターマシン,そして合体したアクエリオンを用いて反撃に出る。だがさまざまな出自の子供たちは,互いにぶつかり合い,思うように心を通わせない。だが,人々に危機が迫っていた際に,--------------〈不幸ばかり呼び込んでしまう女〉とか,〈爆発を引き起こしてしまう女〉など,あまり説明はつかないけれど,結構強引に物語は進む。堕天使がかつて人類に大きな戦いを挑んだのが,1万年と8千年前,という設定になっている。その頃の歴史的な資料は残っていないのだろうか?いろいろ疑問をはらみつつも,ストーリーは先へ進み,9巻で完結した。--------------ロボット〈アクエリオン〉は,〈ゲッターロボ〉と同じように3機の飛行マシンが合体し,またどのマシンが上半身になるかどうかで,異なるタイプのロボットに変形する。その際に搭乗者たちが少しトロンとなって,『あなたと合体したいはあと』となっているのが,はっきりとナニを想起させるシーンだ。これはパ○ンコのCMにも使用され,この作品の重要なテーマとなっている。けれども山のようにアニメが製作され,消費される中で,きちんと個性を出して認められる,という難しいことをきちんとこなしていて驚いた。--------------登場人物たちが,セオリー通り,予想通りの動きをすることが多い。複雑な感情表現は避ける方向だったのだと思う。けれども青春群像として成立しているし,大げさな設定ゆえに登場人物は覚えやすい。まあ,これが重要かな?--------------それでも最終回は驚いたよ。まあ,暇人じゃないと全話は観ないよなあ。
2016.02.08
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何回も書いているが,僕は早寝早起きだ。ひょっとしたら,もう年令が年令なので日の出とともに起きてしまうのだろう。まあ実際夜10時半には床に就くし,朝は5時半に起きている。特に月曜日は可能ならばもう少しだけ早く起きるので,日曜の晩はいつもよりさらに早めに寝るようにしている。だからN○Kの〈大河ドラマ〉を観たら,風呂に入って寝る,というのが日曜の晩のパターンだ。日曜の夜には人々が家にいることが多いためだろうけれど,なかなか気合に満ちたテレビドラマが放映されることが多い。けれども,〈大河〉以外はすべて録画だ。『下町ロケット』も全話録画で観た。どうしたことか,この日曜日はどうやら〈大河〉を観ることさえしないで,寝てしまったようだ。夕食を食べ,シャワーを浴びて,ちょっと横になって,気付くと朝,という状態だった。若干,無駄にしてしまったような気もするけれど,すごーくくつろげた,と思えばいいんじゃない?
2016.02.07
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使っているiPhoneにここ2週間ほど機械的な不具合が出ていた。以前にも出ていた症状なので,あまり心配をせずに新宿の修理センターを予約して向かった。事前にPCにつないで,データのバックアップを取り,それ以降はネットに接続しないようにしながら新宿に向かった。センターには予約より15分ほど早く着いたが,そのまま順番待ちに入れてもらい,所定の時間より早く対応してもらった。機械的な不具合ということと,ギリギリまだ購入から2年経っていないということで(古いね),修理は無償で済んだ。下北沢でホビー店と本屋に寄ってから帰った。-------------PCを立上げ,新品のiPhoneにデータを流し込もうとしたが,ここで障害が起きてしまった。パスワードを求められてしまい,それを入力しないとデータの復元ができないのだ。これまで何回もこの作業を行っていたのに,こうした状況は初めてだ。ここでひどく慌ててしまって,新品のカラのiPhoneを子機として認識させてしまうなど,ミスの連続。結局,iPhoneは,新品というだけでなく,まっさらでスッカラカンなスマホになった。とにかく大ショック。調べると,バックアップを取った際に,暗号化を選んだためらしい。パスワードとこれ,関係ないじゃないの?高い勉強代となった。-------------さて携帯電話キャリアの電話を設定し,家のWi-fiを設定し,メールとウェブへの接続は復旧。それでもメール,連絡先(電話帳),ブックマーク,写真,そしてアプリも無し,という状態となった。とは言え時間をかけてウェブやPCから徐々にデータを戻しつつある。今の時代なので,時間をかければ,かなり元通りにすることも可能だ。ゲームなどはIDとパスワードさえあれば,あっさりと戻った。「これって何だっけ?これって誰だっけ?」というアプリや連絡先が,一掃された状態もなかなかスッキリしている。これはこれで良いかも?と感じる部分もある。
2016.02.06
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三浦しをん版「細雪」と紹介されている長編を読んだ。○ストーリー佐知は,既にアラフォーと言われる年令だが,刺繍教室の講師で,口コミを通じて依頼される刺繍作品の作家でもある。彼女は杉並区の古い洋館で,母親の鶴代,友人の保険会社OL・雪乃,若い多恵美と,4人で静かに暮らしている。その日々の中で,彼女が気付いたこととは?-------------最近の三浦しをんの作品は,文学というよりエンターテインメントとして,ひじょうに高いレベルにあると思う。〈まほろ駅前シリーズ〉は現代版ハードボイルドとして映像版も人気だし,「風が強く吹いている」は青春スポーツ小説として秀逸,「政と源」は老人を主人公にした冒険小説,そして「舟を編む」は仕事に一生をかける人々の賛歌を描いた作品だ。こうした作品は,初期のややブンガク風のそれからは内容は大きく変わっており,1作ずつきちんと分かりやすいテーマがあり,そこに多彩な登場人物が絡み,そして絶妙なユーモアにあふれている。-------------今回の作品も,登場人物やユーモアの部分はいつも通りなのだが,物語の流れが希薄なのと,語り口が独特なことで,初期のブンガク風の作品を思い出してしまった。最近の三浦しをんエンターテインメント作品を期待すると,だいぶ落胆してしまうと思う。30代後半の主人公,その母親,主人公と同世代の友人,友人の会社の後輩の20代,という4人の女性の暮らしが描かれる。その模様は男性の僕からは判断は難しいが,たぶんリアルでない。最近流行りのシェアハウス風の暮らしぶりなのだけれど,あまりにもうまくバランスが取れているのが小説っぽいんじゃないの?・・・と,勝手に思っている。さらに中盤から登場する複数の語り手の存在が読者を戸惑わせる。正直,最初の語り手はかなり唐突で,この作品世界と相容れない,というのがほとんどの読者の印象だろう。語り手の視点は移動してはいけない,というルールが一般的になった現代からすると,この作品の視点あるいは視座の自由な移動はひじょうに特異だ。全体的に漂う浮世離れした,あるいはゆるゆるな空気,そして一方で自由過ぎる視座の存在から,初期作品以上のブンガク的な空気が感じられる。-------------この作品の魅力は,主人公たち=したたかな女性たちの生き様を愛でること,ではないだろうか?女性たちのリアルな生活を覗き見しているような部分もありながら,前述したようにリアリティはたぶん薄い。けれども,ブンガク趣味の人々と,シェアハウスを夢見るような人々との両方の願望をつないで見せる世界観は,かなり多くの人々の共感を得ると思う。そうしたことを超えた,メタ的な視点が,この作品のテーマとよく会っている。ネタバレをしないために,詳しく書けないけれども,孤独な個人をさらに温かく見守ってくれる存在,それがこの作品のテーマだと思う。最初は戸惑ったけれど,わりと良いと思うよ。
2016.02.05
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仕事が立て込んでいて,あまり録画したドラマや番組を観ることが出来ていない。おまけにテレビ用に使っていたモニターに,PCを繋いだものだから,これまでのように〈ながら見〉が出来ておらず,ますますテレビ離れが進んでいる。若者じゃないけど。きちんと観ているのは30分番組だ。たいがい深夜に放送されていて,特撮だったりアニメだったり,少し飛ばせば20分程度で終わるし,ちょっと目を離していても,あまり問題はない。今シーズンは新番組も3本ほど観てみたけれど,第2話くらいですべて脱落。結局,『ルパン3世』『牙狼』『攻殻機動隊』そして『ブースカ』と,再放送だったり,親しみがある作品ばかりが残ってしまった。新しいものを受け付けられないのだろうか?・・・年だね。---------------『快獣ブースカ』は,1960年代の特撮番組だ。ブースカは屯田家で暮らし,息子で発明マニアの大作と友達たちと遊び,様々な冒険やドラマに巻き込まれる。単純に子供同士のケンカの回もあれば,犯罪に巻き込まれる回,そしてファンタジーのような回もあり,バラエティに富んでいる。ブースカは〈怪獣〉ではなく,ぬいぐるみのような姿をしている〈快獣〉だ。怪力,空を飛べる,姿を消せる,など様々な能力があり,大作たちを助ける。一方で,お人好しで,大食いで,騙されて悪人の犯罪に加担してしまったりもする。ブースカのパートナーの屯田大作は発明マニアだけあって,それなりに機転が利く。一方のブースカは頼りになることもあれば,トラブルのタネとなってしまうこともある。不思議な能力のある謎の生き物が,フツーの家で暮らしている,という設定は,『ドラえもん』にも似ているが,ドラえもん・のび太の,保護者・甘えん坊という関係よりも,ブースカ・大作の関係はずっと対等だ。---------------さすがの僕も知らない1960年代のコメディドラマは,時代背景がひじょうに面白い。後の〈ウルトラシリーズ〉ほど,気取っておらず,街,家,人などまだまだ豊かさが少ないのが,そのまま描写されている。子供たちは仲が良くて,学校が終わっても,日曜日でも一緒に遊んでいる。主人公・大作グループと,ライバル・メチャ太郎のグループは,しょっちゅういざこざを起こすが,それでもつかず離れずの関係だ。面白いのは,子供の遊び場を奪ってしまう存在として,空き地や野山をブルドーザーで工事をしている大人たちが現れることだ。作品の中では,子供たちに邪魔をされ,ブースカにこらしめられて,逃げていく,というパターンなのだけれど,まず間違いなく普通にまじめに仕事をしようとしているのがこの大人で,子供たちが犯罪者だ。子供がいっぱいいて一緒に遊んでいて,高度成長期が始まっていてあちこちでインフラ整備や団地の建設が進んでいて,という時代背景でこうしたシーンが生まれているはずだ。子供vs大人,というスタンスも時代を感じる。---------------ブースカはキャラクターとしても今でも一定の人気があるので,その姿を知っている人も多いと思う。また「しおしおのパー」という〈ブースカ語〉を知っている人もいると思う。いくつかの〈ブースカ語〉があり,なかなかキャッチーだ。しおしおのパー:困ったとき,参ったときの口癖。「ぱー」を伸ばして下げるとより良い。肩を落とす。ないないのパ!:ブースカが姿を消す時の呪文。「パ!」は短く言い切る。ぷりぷりのキリリンコ,カッカッカ!:怒ったときの口癖。なぜかこれだけ長くて,腕を同時にぐるぐる回す。バラサバラサ!:うれしいときの口癖。歌うように。50年前でこのクオリティと魅力。パワフルだなあ。
2016.02.04
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今回のプロジェクトで取引を始めることになった企業の営業で,大泉洋に似ている人がいる。天パ,天然パーマなのか,ファッションなのかは分からないけれど,髪の毛がわりとくるくるしている。そしてかなり明るい性格だ。今日の午後は彼と打合せがあったのだけれど,それを迎える僕も髪の毛がくるくるしていた。火曜日の晩は,参加者の都合で夜7時半に設定された会議があって,結局開始されたのが8時で,終わったのが10時。帰宅は11時過ぎで,寝たのは1時。平常であれば僕は10時半には寝るようにしているので,とんでもない夜更かしだ。なので風呂に入って,枕にタオルを敷いて,そのまま寝た。僕はもともとクセっ毛なので,うっかりしているとあちこち変な方向に髪の毛がはねる。朝,鏡を見て「ふーん,こんな髪型にもなるんだな」と思って,そのまま出社した。結果的には,髪の毛くるくるがダブルで打合せしていた,という状況が産まれた。自分的に,面白かったからいいけど。
2016.02.03
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新野剛志のハードボイルド長編を読んだ。○ストーリー生放送番組に出演していたお笑い芸人が,突然番組のスポンサー企業の商品をけなす。それが続いたことで,ディレクターの村岡は干される。だが彼はそれを利用して,報道局と一緒に,犯人へと迫ることにする。犯人グループの行動はさらにエスカレートし,ついに脅迫と殺人へと進んでいく。村岡に見えてきた犯人たちの動機とは?-----------なんとプロローグで誰が死んでしまい,誰がそれに怒りを抱くか,ということが述べられている。なので,本編が始まり,一連のテロ的な行動が起き,村岡という人物が探偵のように動いていても,臨場感が感じられない。読者は犯人をおおよそ予測できてしまうからだ。どうしてこうした構成にしたのか,まったく理解できない。-----------さらに物語は過去へとさかのぼり,犯人グループが出会い,徐々に仲良くなったというエピソードを語り始める。そこで見えてくるのは,それぞれの家庭の特殊性と,結果的にそれぞれが構築した変わった性格や考え方だ。ほとんどの部分は普通の若者なのだけれど,ある部分が変わっていて,というか歪んでいて,ちょっと主人公たちとしては共感をすることが難しい。ゲームのような〈カクメイ〉をする歪んだ若者をベースとした青春物語を展開されても,なかなか困ってしまう。-----------主人公たちの家庭がある共通の問題を抱えている,というのは分かる。けれどもそれがキッカケで,経済的に困窮し,いろいろな夢を諦めざるを得なかった,ということで〈カクメイ〉が正当化されるのだろうか?またバブル経済を背景とすれば,社会的な不公平感を描写できるのは分かるけれど,それよりもむしろ現在の方が経済格差が克服できない状況は増していると思う。まあ,現在は物語の背景としては,盛り上がりに欠けるけれどね。-----------テレビ局へのテロ,過去編での主人公たちの不器用な友情に留めておけばよかったと思うのだが,親たちの救い難い愚かさ,活動家と公安など,さまざまな要素を散りばめたために,物語が散漫で,読者を引き込むチカラの不足した作品となってしまった。「パブリック・ブラザース」よりは,きちんとした事件と推理が展開されたのはよかったが,あちら以上に主人公に魅力が薄い。毎回とも,ヒロインが理解不能,普通じゃない人,というのは,やめてもらいたい。読みやすい,親しみやすい作品を書くことは,読者にこびているとでも思っているのだろうか?魅力的な作品を書いてもらいたいと思う。
2016.02.02
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昨日は家族のほかの人からはお払い箱となったWindowsXPの古いPCをレストアしていた。ネットにつながるまでは出来たのだけれど,httpsなど,ちょっとでもセキュリティが高いページにはまったくアクセス出来ないままだった。会社で,周りの人にXPを使っていると呆れられつつも質問して,調べ,家に帰り,SPなどのパッチを当ててみても状況は改善しなかった。結局,マイクロソフトではないブラウザーを導入してみたら,あっさりといくつかのページにログイン出来た。その勢いのまま,いわゆる”記念カキコ”だ。これであとは自分のアカウントのメールを読むことが出来れば,このPCのレストアも完了だ。・・・って,いつまで使うつもりなんだろう???
2016.02.01
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