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これまで何年間も池袋で飲んできたので,たいがいの”千ベロ系”や安い居酒屋は踏破したと思っていた。それが今回友人の誘いで行ったのが〈ふくろ〉・・・目からウロコが落ちた。ーーーーーーーーーーー池袋の安い居酒屋と言えば,南側に集中したやきとんの店で,インパクトのある〈みつぼ〉そしてチェーン店となってスマートな(でもがちゃがちゃしている)〈かぶら屋〉がまずあげられる。そして東口の謎の激安店〈小池〉,チェーン店の〈一休〉,そして380円の〈金の蔵〉,ワタミが改名した〈鳥メロ〉,新興勢力の〈てけてけ〉も欠かせない。日本酒の安さで言えば,学生の頃に通っていた〈清瀧〉もいい。全体的にはそれほど安くなくても,昭和の雰囲気は深い。ーーーーーーーーーーー・・・と,池袋駅周辺の安い居酒屋は制覇したつもりだったが,今回〈ふくろ〉に行ったことで,あっさりとその自負は吹っ飛ばされた。〈清瀧〉の雰囲気に〈みつぼ〉のごちゃごちゃ感を加えた,というのが〈ふくろ〉の印象だ。濃い,濃ゆい,濃ゆエストだった。ーーーーーーーーーーー平日の昼時だったので空いているかと思ったら,ほぼ満席。1階の長方形のカウンターに座ることが出来たが,その中でサーブをしてくれる”お姉さん”はたぶん同じ年令か年上で,最後まで笑顔を見せてくれることはなかった。手際は良かったけれど。それよりもカウンターで見ず知らずの人々が掛け合う言葉が濃かった。最初は40才越えの”オタサーの姫”がキャッキャッ言っていた。その両隣と正面は常連らしくて,50才,60才くらいなんだけれど,決してその日暮らしではなさそうなのだけれど,謎のファッションセンスだし,生活の乱れと自堕落な空気が漂っていた。ひとしきり”姫”の連絡先をくれるくれないで盛り上がった後に,姫が消えると,一気にトーンダウン。しばらくは静かだった。ワンミズホの父の大和田伸也みたいにクールで1人で飲んでいる人がいたのだけれど,その隣に30才くらいのカップルが座ったら,その人がめっちゃテンション上がって語り始めた。・・・という具合に,観ていて楽しい。1人だったら圧に負けるけれど,居酒屋巡りの友人と行けばすごーく楽しめる。ーーーーーーーーーーー思わず昼の部が終わるまで居座ってしまった。また行ってしまいそうな中毒性があるな,ここは。若者と健全な人にはオススメできないけど。
2019.01.31
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女子高生の〈のの〉と〈はな〉が交わした手紙とメールの記録が語るものとは。 〇ストーリー ミッション系の名門高校で出会った野々原茜〈のの〉と牧田はな〈はな〉は,惹かれ合い情熱的な恋愛に落ちる。だがある事情で2人の関係は壊れてしまう。それから数年,大学生になり,〈はな〉は〈のの〉に連絡を取り,二人の関係は静かに再開する。そしてさらに時が経ち・・・ ーーーーーーーーーー 僕は大学に進学する前の中で小学校の半分と高校の3年間の計6年間を男子校に通っている。それは独特ののんびりした時間だったが,その体験がそのまま女子校の空気の理解には役立たない。男子校の良さ,それはあっけらかんとした”何も考えないでいい”時空間だと思っているが,女子はひたすらものを考えているようだ。 第1章で語られるのは,〈のの〉と〈はな〉の禁じられた恋だ。思春期にありがちな考え過ぎの親しさだったそれは,いくつもの試練を越えて結実するのだけれど,1人の意外な行動によって決定的に終わりを迎えてしまう。 この行動は衝撃的で,多くの読者にとっても意外だったと思う。 ーーーーーーーーーー 第2章は数年後で,大学に進学し,少し大人になったた2人が描かれる。〈のの〉にも〈はな〉にも別の関係やパートナーが現れ,終わったはずの2人の関係がまた別の試練にさらされる。 落ち着いた〈のの〉,天然の〈はな〉の関係は,ある意味変わらず。〈はな〉はぐいぐいと距離を縮め,友情を復活させる。〈のの〉は戸惑いを見せつつも,〈はな〉のあけすけな男性との話を聞いている。でも〈はな〉が結婚を意識した時に・・・ そして第3章,今度は意外にも〈のの〉から〈はな〉へと連絡が行く。第2章と第3章の間には長い時間が流れ,そして物理的な距離もあるのだけれど,文明の利器のおかげで2人はまたまた日常的に連絡を取り合うようになる。 第2章,第3章ともに2人は旧交を温めるのだけれど,しばらくするとちょっとした昔の秘密が出て来て驚く。えっ?この人ってこんなこともしてしまうんだ!という驚きがあるのだけれど,若干ドラマチック過ぎて,演出過剰な印象も受けた。 ーーーーーーーーーー そして第4章で,2人の連絡手段はある理由で,再び書簡へと戻る。あの災害が大きく影響をしてきて,深く考えさせられる。上手く現代の事象を作品に取り込んでいて感心した・・・ちょっとあざといとも思った。 天然でお嬢様と思われてきた〈はな〉が,ある行動を起こし,クールな秀才の〈のの〉はある場所で足踏みをしたまま,というのが不思議だった。 恵まれない環境でも頑張った〈のの〉が足踏みで,恵まれていた家庭出身の〈はな〉がそれを捨てて先に進む,という展開にちょっと戸惑ってしまった。まるでヒロインじゃん。 てっきり〈のの〉もそっちを目指すのかと思ったよ。 ーーーーーーーーーー 終わってみれば,この作品は人生は信じられる誰かを見つけることが出来るかどうか,というテーマを描いていたのではないかと思う。 そういう意味では,第1章の2人の関係はあそこまで描く必要はなくて,もっとふわっとしたままでも作品として成り立ったと思う。それであれば,将来学校の推薦図書にも成り得たのにね,残念。 主人公の2人もいろいろと仲違いをしているし,意外な秘密も持っていたりする。けれども,生きる上で指針となるのは,信じられる相手がいること,その相手に恥ずかしくない言動をすること,というのは,ひじょうに分かるし,尊いことだと思った。 評価が分かれる作品であることは,作者自身も分かっていると思う。ラノベのような前半から,文学的な後半が生まれるとは僕も思っていなかったし,尋常ではない手紙の量にあまりリアリティは感じられない。 それでも僕はこの2人の主人公の生き様に感動をした。自分にも大事な人にも恥ずかしくない生き方をするって,素晴らしいことだ。 ある意味,普通のハードボイルドより何倍もカッコイイ。
2019.01.30
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満島ひかり主演で江戸川乱歩の短編集をドラマ化する企画の第3弾を観た。ーーーーーーーーーーー〈深読み読書会〉で江戸川乱歩の「孤島の鬼」を扱っていたが,その直後にこのドラマが放映されていた。NHKも実にあざといマーケティングをする。でもそのおかげで僕もこのシリーズを知り,観ることになった。満島ひかりは,前々から注目している女優で主演ドラマはなるべく観るようにしている。意図的に作りあげているのだと思うが,整った顔立ちと,演技派の暗い境遇の配役で,今回の企画に選ばれるにはぴったりのレトロな空気が漂う女優となっていると思う。ーーーーーーーーーーー各編について簡単に感想を述べる。『お勢登場』:格太郎の妻・おせいは,公然と不倫相手に会いに行く。それを苦々しく思いつつも,おせいに惚れている格太郎は離縁することは出来ない。おせいが出掛けている間に,息子・正一たちとかくれんぼをした格太郎は,長持だんすの中に隠れるがその蓋は金具が掛かってしまう。数時間後帰宅したおせいは,物音から長持の蓋を開けるのだが・・・白塗りのおせいこと満島ひかりが美しく,夫を演じる宮藤官九郎のルックスとの対比が実に鮮やかだ。まあ,こうした状況ならば,事件が起きても不思議では無いかな,と読者に思わせるのが見事だ。『算盤が恋を語る話』:ある会社の会計部のTは,女性とは話をすることが出来ない。けれども部下の美しいS子に惚れていて,自分の気持ちをソロバンに託して述べる。そしてついに彼の想いが通じ・・・これはキモイと思わせつつ,かなりリアルの恋心を描写していると思う。今の時代で言えば,SNSを監視していて,思わせぶりなメッセージをいくつも送り付ける,と変換してみると,今でも十分通用する短編だと思う。『人でなしの恋』:京子は町の名士で美男子の角野と結婚する。彼女はこの結婚に有頂天だったが,半年ほどすると,夫が自分との関係にどこか上の空であることに気付く。そして彼が夜に土蔵に行くことがることを知り,それを尾行し聞き耳を立てる。京子に聞こえてきたのは角野と別の女性の睦言だった。そして・・・映像的には素人くさくてふざけ過ぎだと強く感じたが,原作のチカラは間違いなく強い。ある謎解きを思いついたのだけれど,あっさりともっと単純でおどろおどろしい展開となっていた。映像はともかく,京子の行動はあり得るかも知れない。それにしても高良健吾はピッタリの配役だった。
2019.01.29
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1974年から75年にかけて放映されたドラマの後日談を矢作俊彦が書いていたのを読んだ。〇ストーリー綾部情報社の臨時調査員として新宿を走り回っていた30年後の木暮修は,公園のホームレスとなっていた。だが自分に間違えられて意識不明の重態となった仲間がいたことを知り,謎解きと報復のために修は新宿へと舞い戻る。そこで彼を待っていたのは,過去と現在,現実と虚構が重なりあう魔都だった。それでも修は,街のために・・・ーーーーーーーーーーードラマ『傷だらけの天使』を覚えているか,と言われるとかなり微妙だ。『探偵物語』や『太陽にほえろ』なら覚えているんだけどね。そうした僕なのだけれど,矢作俊彦作品だし,ドラマはかすかに記憶にあるので作品を手に取ってみた。そんなゆるゆるな読者なのに,ページを開けばあっという間に世界観に引き込まれる。矢作俊彦のリーダビリティもあるだろうけれど,小出しに展開されるドラマ版の設定のノスタルジックないい加減さも相まって,そこそこの厚みのハードカバーが2日で読破出来た。ーーーーーーーーーーードラマと小説のタイアップというものは,原作が小説だったり,なぜかドラマを小説化したり,はたまたドラマのスピンオフ作品が小説で発表されたり,といろいろある。だがドラマの後日談をちゃんとした小説家が描く,ということはなかなかない。・・・矢作俊彦はよほどこのドラマのファンだったんだろうなあ。執筆に際して主演の萩原健一と脚本の市川森一の了解は取り付けたというので,オリジナルドラマの他のファンも文句が言えなくなっている。なかなかに珍しい状況で執筆された作品だ。ーーーーーーーーーーー素直に読んでみると,表面的にはドラマのチカラを借りたおふざけ作品のふりをしつつも,ハードボイルド小説のセオリーをきちんとなぞった作品となっている。アウトローの探偵が,街の頂点とどん底を行ったり来たりしながら,徐々に真相へと近付く・・・だいぶ前に誰かが思いついたハードボイルドの定義に見事にマッチしている。途中でヤクザの事務所で暴れたり,外人の高級車窃盗団を脅したり,またヤクザの事務所で暴れたりと,過去のドラマの空気に合わせるためのやり過ぎ感は漂う。また結局ノスタルジックに,ドラマ版の最終回を何回も思い出してめそめそするのもいただけない。どこがハードボイルドだよ。ーーーーーーーーーーーただ,きちんといくつもの謎解きをしてみせ,それがつながっていたという驚き,そしてそこからの主人公たちの”傷だらけの天使的な”行動を描いて見せるのは,さすが矢作俊彦だし,さすが原作ドラマのファンだった(と思う)。”進化”してしまった新宿や,バーチャルワールドに対して,修がどんなセリフを述べるか?どんな行動を取るか?それに対して矢作俊彦なりの解答がこれなのだと思う。ーーーーーーーーーーーあのドラマの後日談なので,あちこちゆるゆるなのだけれど,ハードボイルドとしてはキッチリとまとまっていた。昭和30年代,40年代生まれならば楽しめると思う。それ以降の方は,まあそれなりに。
2019.01.28
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年末に技術的理由で終了しなかった設備の立ち上げに再チャレンジするために関西へと行った。朝9時半には来てもらいたいということなので,5時前に起き,6時新宿発の羽田空港行きバスに乗り,9時に空港には着いていた。そこから30分ほどで現地には到着。周りのほとんどの人が,旅行に行くのでウキウキしているのに,こちらはまたまた出張だ。前入りで泊まった方が楽だったのだけれど,前の日に予定もあったのでこの決断。ーーーーーーーーーーいつも早起きなので朝はツラくなかったけれど,現場は機械室で冷暖房がないので寒かった。ダウンはものものしいのでネイビーコートで行ったのだけれどとても後悔した。実は前の日から上手く行っていないのは聞いていた。けれどもそこは聞くことは聞き,はねのけるものははねのける。もちろん技術的には他の人に確認を取ってからだけれど。そうしないと海外の人は,自分が責任を持ちたくないから,杓子定規になってしまって前へ進まない。「大丈夫だからやって」を2つやらせて,なんとか1ヶ月遅れの設備立ち上げが成功した。検収受け取りの書類を全頁確認して,署名して握手して終了。行き帰りで,本が読めたのは良かった。
2019.01.27
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佐野史郎が司会をしているNHKの〈深読み読書会〉を観た。テーマは江戸川乱歩の奇書「孤島の鬼」だった。〇ストーリー丸の内に勤める蓑浦は,同僚の初代と結婚の約束をしていた。だがその初代に,箕浦の学生時代の知人で医者の諸戸が求愛をし始める。そんな中,どの扉も施錠された家で初代が刺殺されてしまう。箕浦は探偵・深山木を雇って自分でも捜査をするのだが,深山木は返り討ちにあってしまう。箕浦と諸戸は,事件の黒幕に迫るために,諸戸の故郷である紀伊半島の孤島へと向かう。そこで彼らを待ち受けていたのは?ーーーーーーーーーーーなるほど,前フリ通りの本格推理,謎解き,冒険,怪奇,BLの入り混じったキメラ的な作品だ。これは戦時中には「芋虫」と一緒に発禁本になってしまっても仕方がないいやはやスゴイ長編だ。ーーーーーーーーーーー今の時代の感覚だと,キメラなのだけれど,当時ミステリーが多く発表された雑誌〈新青年〉がカバーをしていたジャンルを考えると,あまりズレはない。なんと言うか,西洋から輸入されたミステリーと江戸から伝わる奇譚を合わせた広い範囲が範囲だったと思われる。ただそれにしても,3つ以上のジャンルにまたがっている作品はあまり多くはないだろうし,まして章ごとに場面が転換しジャンルまでが異なってしまうという展開は,さすがに珍しいだろう。ーーーーーーーーーーーむしろ短編が上手かったと言われている江戸川乱歩にとっては,章ごとに異なる作風で長編を仕立てるということの方が楽だったのかも知れない。まるで見世物屋敷のような長編だ。それも乱歩らしいか?ーーーーーーーーーーーさて読んでみるか・・・(実はまだなんだ)。
2019.01.26
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今日は朝9時から事業本部会議,10時から部の会議,そして11時から経理との会議だった。さらに午後は,13時半からRPA自動スクリプトの説明,14時から新施設の設計打合せ,14時半から新施設の将来打合せ,そして16時から別の施設の設計打合せで,18時に終わった。1日終わってみると,息継ぎをしないで泳いだような,息を吐き続けて吸っていないような,酸欠状態だった。ーーーーーーーーーーーこれに加えて,明日の関西日帰り出張の準備とか,来週の海外出張の承認とかあって,とにかく疲弊した。1日フルに働いたけれど,ちっとも仕事をこなしている気がしない。ーーーーーーーーーーーおまけに明日の出張の移動中に読もうと思っていた本を会社に忘れてきてしまった。全体の1/3を読み終え,これから読むスピードがあっぷるすかな,という予感を感じていた所だし,時間の有効活用という意味で残念だ。なんだかいろいろと心が削られた。しおしお。
2019.01.25
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関東南部では3週間近く雨が降っていないそうだ。個人的には花壇と小さな小さな畑に水やりをする時に,土を見れば,空気が乾燥しているかどうかが顕著に分かる。さすがに夏とは違って,水やりは朝晩ではなくなった。夜,家に帰ってきて,スマホの懐中電灯モードで土を見ながら水やりをする。気付くのは,前の日にけっこうたっぷり水やりをしたのに,土がかすかすに乾いているということだ。毎日ずっと続けていると,土地の空気や土が乾いているかどうかがよく分かってくる。今の状況は,とにかくかちかちに乾いている。年末に雪が降ったのは見たけれど,それってたぶん降雨量に換算するとひじょうに少なくて,水分としてはあまり土にしみ込まなかったのだろう。好きじゃないけれど,さすがに雨が降っても良いと思う。
2019.01.24
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〈ツバメ号とアマゾン号シリーズ〉第9部の下巻を読んだ。緊迫のミステリーとなっている。〇ストーリー船が流されるいたずらの容疑者として周り中の人から疑われている〈オオバンクラブ〉の少年たちは,盗難されたシャックルを発見したために,盗みの容疑までかけられる。探偵団を結成した彼らは,犯人を罠にかけて決定的な証拠を入手しようとする。だが・・・ーーーーーーーーーーー第9部はミステリー仕立ての変わり種作品となっている。上巻で少年たちは疑われ始めたが,下巻になってもまだまだ容疑は深くなる。彼らの船の停泊先で毎回船が流され,彼らの船に盗品のシャックルが投げ込まれる。多くのミステリーで感じることだが,中盤まで犯人は運の良さもあり,悪魔的な行動力を発揮する。最後には謎解きが行われるのだけれど,犯人が行ったことってなかなか再現出来なさそうな気がするほどハードルが高い。正直言えば,これはミステリーを進め,緊迫感を高めるためのテクニックなのだが・・・この作品でもそれを濃密に感じた。中盤まで犯人が万能過ぎたなあ。ーーーーーーーーーーー内容について語るとネタバレとなってしまう可能性があるので難しい。けれども〈オオバンクラブ〉の少年たちが疑われ,それがどんどんとシリアスなレベルに高まっていく,ということは語ってよいと思う。当然ここで活躍するのは,ドロシアとディックのD姉弟だ。これまでもディックは科学者としての才能を発揮して周りの人々を感心させてきた。今回はそれに加え,ドロシアも実務的に役立つ。詳しくは述べないけれど,ドロシア頑張ってる!良かった。ーーーーーーーーーーー結末はちょっと不満かなあ・・・散々疑われた〈オオバンクラブ〉にもうちょっと良いことがあっても良かったと思う。でも,毎回の終盤クライマックスはきっちりと描かれていた。面白い!
2019.01.23
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会社で献血車を呼んで,献血ボランティアイベントがあった。事前に献血が出来る人の募集があり,それに応募して時間も指定されていた。1階に降りて,外に出てみると,献血車と事前ヒアリングのトラックが2台でかなりものものしい。さっさと済ませるつもりでヒアリングを始めたが,5つぐらいの質問の1つに引っかかってしまった。20才くらいにある地域に長期滞在をしていたのだが,それであると献血が出来ない,ということだった。えー?,前の会社で何回か献血をしていて,手帳も探せばどこかにあるのに・・・なんだか自分が欠陥商品のような悲しい気持ちになってしまった。ジュースももらえなかったし。
2019.01.22
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朱川湊人の初期の連作短編集を読んだ。〇ストーリー17歳を目前に自殺した姉。明るく優しい性格で、直前までそんな素振りはなかったのに、なぜ…背後には、死神のような女生徒の姿があった(「はだれの日」)。孫を交通事故で亡くした祖母。断ち切れない愛情と悲しみが、孫の幼友だちをおぞましい事件に巻き込む(「虎落の日」)。惨劇の陰には、人の心を蝕む「水銀虫」の存在が。取りつかれ、罪を犯した人々の、悪夢のような一日を描いたホラー短編集。ーーーーーーーーーーー7つの短編で構成されているので,サスペンス短編集としては収録数は多い方ではないかと思う。また,こうした作品の場合,1つか2つはギャグだったり脱力系に逃げたりする短編が含まれていることが多いが,それが無かった。全体的な読後感は作家デビュー直後のひたむきな短編集っぽいのだけれど,各編の均一なレベルの高さや手抜きの無さに気付くと,少しヒヤッとする。朱川湊人が多くの人に認められているのは知りつつも,その実力に懐疑的だったが,この短編集と発表時期を知ると見方が変わる。ーーーーーーーーーーー以前も述べたように,僕と朱川湊人の出会いは『赤々煉恋』だった。だからこの短編集を読んで,どこかしっくり来ている。ホラーから少し離れてノスタルジーサスペンスを書いている今よりも,小粒だけれどヒネリがあるホラーを書いていた時期,それが僕の朱川湊人の印象だ。短編なのに読者を説得する筆力があるのもひじょうに強い。良いと思う。ノスタルジック系の読者から酷評されているのに戸惑ってしまう。良い話でホロリとすること以外は許せないのかな?不思議。ーーーーーーーーーーー各編について簡単に感想を述べる。「枯れ葉の日」:上野の喫茶店にいた山中は,近付いてきた女性に金銭を渡して関係を持とうかと思う。だが,彼女は山中の状況を正確に指摘し,いくつかの選択肢を示す。その中で,彼が選んだのは・・・読んでいると主人公のある状況は早々に想像がつく。そのヒントの出し方を冷静に考えていると,突然ホラーサスペンス系に物語は流れ,結局ある所に落ち着く。ヘビーながら,なかなかな傑作だと思うな。「しぐれの日」:不幸な状況の少年〈私〉が,出会ったお姉さんのアパートでは,もっと不幸な存在が隠れていた・・・昭和で,貧乏で,ホラーだ。主人公はその後幸せになるのだけれど,彼に影響を及ぼした”お姉さん”たちの境遇が不明なまま,というのがずっと後を引く。「はだれの日」:女性を刺殺した〈僕〉は,なぜここに至ったのかを刑事に説明しようとする。始まりは姉の自殺だった。さらに・・・真梨幸子っぽい〈イヤミス〉展開が始まる。だが,どうしても短編なので,〈イヤミス〉の畳み掛けるような流れと説得力に欠ける気がした。でも好きな短編。「虎落(もがり)の日」:交通事故で孫を喪った友人を訪ねた雅江は,自分の孫を連れて行ったことで,恐ろしい体験をしてしまう。だが・・・これは何か起きるよね,というアオリに満ちていて,ややベタ過ぎる展開だと感じてしまった。それでも語り手の勇気ある行動に感心した。とは言え,そのベースは宗教観が同一であることだけれど。「薄氷の日」:奈央はクリスマスイブに恋人からプロポーズを受けることを期待している。だが彼女にはイブのたびに目の前に現れる”イブの怪人”がいて,それがまた起きることを心配していた。・・・ストーカーか何かと思わせて読み進んだけれど,こっちかい!ということは置いておいて,これまでの短編とは異なる主人公の罪と,それに直結する罰に驚いた。ちょっと当たり前過ぎないか??「微熱の日」:山の中のほこらに基地を作った信也は,友人とそこで大人びた悪さをしようとする。そこに向かう途中で,転校生の山崎と出会ってしまった彼らは,山崎と一緒に基地を目指す。悪さを始めた彼らは,常識を失い・・・ホラーとしては良いのだけれど,後味は強烈に悪い。山崎は誰なの?「病猫の日」:大学の図書館館長の八重樫は,妻が重度のうつ病にかかったことに悩んでいた。その一方で,若いスタッフからのアプローチに心を奪われていた彼が驚愕したのは・・・せっかくの良い流れだったのに,この短編にはかなり無理があって,説得力が薄かった。いろいろと超自然が続き,最後の短編に持ってくるのは間違いだと思う。
2019.01.21
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丸の内三菱一号館美術館の企画展に行ってきた。〇企画内容会場掲載の70点ばかりの作品リストは作品の発表年代順なのだけれど,会場の掲載はコレクションへの追加順という,なかなかトリッキーな構成となっている。観客は時空を超えて20世紀アメリカの美術愛好家の好みを追随することになる。ーーーーーーーーーー三菱一号館には何度も足を運んでいるが,今回の企画展はハコと内容のシナジーを強く感じた。近代から現代という一定の時代,ある個人の美術的センス,実際に収集されたスケール感,というセレクトで,実際に選択されたコレクションを観ている,という感覚を強く追随することが出来た。展示室の大きさに限りがあり,いくつかの部屋に暖炉がある,という三菱一号館の状況を良い方向で逆手に取って,ワシントンの本館にいるような錯覚を抱かせてくれた。ーーーーーーーーーー上に述べたように,美術的な歴史観ではなく,フィリップス個人のコレクションへの追加,という基準で今回の展示が構成されている。これにより,微妙に美術史とは前後する構成となっているのが面白い。ロマン主義,印象派,キュービズム,モダン絵画が,徐々に取り入れられる流れが,正に時代のコレクターの好みの流れ通りだ。美術パトロンとしてよりも,通俗的な投機家としての美術愛好家としてのコレクションの構成が見て取られる。ーーーーーーーーーー全部観て終わると,美術史に残る傑作は無いけれども,近代現代の巨匠の作品はカバーしている,という日本の県立美術館に近い構成だった。けれどもその中では佳作を揃えており,県立美術館としてはピカイチというレベルにはなっているし,全体的にはフィリップス夫人の好みが反映されていて,統一感が出ているのも良い。ーーーーーーーーーー例によって姉と一緒に行ったが,ちょっと批判的な彼女より,僕個人はずっと楽しめた。こうした個人的なセンスで構成された企画展も面白い。三菱のポスターはインテリさんが選んだベタ過ぎで,美術ファンをバカにし過ぎだと思うけれど。
2019.01.20
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坂角(ばんかく)の〈ゆかり(縁)〉と言えば,名古屋のお土産の定番だ。エビの風味が強く。また驚くほど固い。エビの殻をかじっているんじゃないの?と思うほどだが,味がすっと引く上品さもあり,エビ煎餅としては極上だと思っている。さて,この〈ゆかり〉をスナックにしたものを,名古屋駅で売っている。スナックそのものも,容器も,グリコの〈Cheeza(チーザ)〉とそっくりだけれど,〈ゆかり〉と銘打ってある。今回,裏面を調べたら,グリコと坂角のコラボ商品だった。好きな〈Cheeza〉と〈ゆかり〉の合体だ。もうこれは最高に違いない!出張帰りに買ってきた〈ゆかりスナック〉を,週末に食べてみたら・・・「あれ?固くないよ・・?」あの歯ごたえのある〈ゆかり〉を期待したのに,〈Cheeza〉よりもふにゃふにゃの食感・・・これはちょっと違うぞ。〈ゆかり〉の魅力について,もう一度考えてもらいたい。・・・って,エラそうだね。ごめん。
2019.01.19
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姪,と言っても兄の側なので,日ごろはあまり会っていない子が美大を卒業する。さすがに卒業制作の展示は観ないといけないので,姉と一緒に出掛けてきた。同じ都内とは言え,電車を乗り継いで,1時間以上のキャンパスは遠かったけれど,教育の場としてはそれに見合うと思われる広さと開放感を持っていた。建物もどれも立派で驚いた。ーーーーーーーーーー受付でパンフをもらい,姪が半分そこで暮らしているという研究室を訪ねる。そこでちょっとお茶をしてから,姪のツアーが始まった。すでに構内が軽自動車1個分くらいの作品だらけなのは分かっていたのだけれど,本当にその隅々まで作品に満ちている。作品の多くは展示,というよりインスタレーションに近い。姪は一所懸命にプレゼンテーションをしてくれた。いろいろ学び,いろいろ悩んで大変だったと思う。晴れていたけれど,ツアーで1時間外にいるのと,陽の差さない中庭,地下階段にある作品を巡るので,だいぶ寒くなった。ーーーーーーーーーー大学の卒業制作,30年ぶりに懐かしい響きだった。
2019.01.18
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〈ツバメ号とアマゾン号シリーズ〉第9部の上巻を読んだ。〇ストーリーイギリスのノーフォーク地方の川沿いで,係留されていた船が流されるいたずらが頻発する。以前の事件と酷似をしていることから,〈オオバンクラブ〉の少年たちが疑われる。嫌疑を否定する彼らだが,なぜか彼らの行く先々でいたずらは発生し,ほとんど犯人として扱われ始める。ちょうど休暇のために彼らを再会するディックとドロシアのD姉弟は,皆のために探偵団を結成する。少年たちは,捜査連絡網を形成し・・・ーーーーーーーーーーー第5部「オオバンクラブ物語」の後日譚となり,第5部での事件が今回の嫌疑に直接つながっている。この作品は,シリーズには珍しく特定の語り手を持たずに群像劇として展開される。ノーフォークで生まれ育った少年たちが描かれるが,上巻が終わる頃に都会の少年少女・D兄妹が現れる。本来はD姉弟と〈クラブ〉のメンバーはだいぶギャップがあるはずなのだが,それは第5部で語られたので,全部すっ飛ばして同じ仲間の再会として描かれる。また学者気質のディック,文学少女のドロシア,というかなり変わった姉弟なのに,それも当たり前のように描かれている。アーサー・ランサムの冒険シリーズは,小学生の頃は図書館や図書室にあるものを手に取って読んでいて,あまり気にしていなかったが,ここまで来るとさすがにシリーズの前の作品を読んでいないとついて行けないと思う。そうした細かいことを気にせずに読む,というのも子供らしくていいのかも,だけれどね。ーーーーーーーーーーー第3者視点で語られる上巻の物語は,〈オオバンクラブ〉の少年たちがどんどんと追い詰められる展開となる。ベースの船着き場で船が流されるいたずらが起き,少年たちが移動した北のエリアでそれが起き,避難した南の沼でもそれが起きる。徐々に立場が悪くなり,為すすべがない〈クラブ〉メンバーが描かれるので,読んでいてなかなかにツライ。D姉弟の登場は上巻が8割進んだくらいだ。そして探偵団が結成されても,まだまだ反撃,という状況ではないので,正直上巻は沈うつなまま終わってしまう。ここまで盛り上がらずに終わる上巻は無かったかも知れない。「ツバメ号の伝書バト」以来かなあ。ーーーーーーーーーーーさてランサムのシリーズは,湖水地方を舞台に始まったが,中盤はロンドンの北側にある川を舞台にしている作品が多い。実際には遠くない地方にいるノリッジの〈オオバンクラブ〉と,イプスウィッチの〈ウナギ族〉が出会うことはあるのだろうか?実は少年時代に読んだのは前巻までなので,今回からはまっさらな気持ちで読んでいる。これまでもほとんど忘れていたけれどね。
2019.01.17
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名古屋出張で仕事の後に,どうしてもひつまぶしが食べたくなり,地元の人オススメのこの店に行った。新栄駅から少し歩いて,住宅街とビル街の中間のような場所にあった店構えは高級モダンでびっくり。どうも鰻というと純和風なイメージだが,こうしたデザインもあるんだ。毎回ではあるけれど,ひつまぶしの楽しみ方を教えてもらってから食べる。最初は普通に。かば焼きの濃厚さ,たれのうまみが最初から入ってくる。二度目は薬味を加えて変化球で食べる。そして三度目はお茶漬け風に,少し薄味にしていただく。ーーーーーーーーーーー明智光秀の教えと全く逆なのだけれど,まあ,美味しいからいいか。
2019.01.16
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引き続き,今シーズンのアニメ作品の第1話を観たので感想を述べる。『どろろ』:戦国時代の武将・醍醐景光は,自分の領土の繁栄と引き換えに,息子の身体を鬼神たちに差し出す。息子は川に流されたが,医師・寿海に助けられ,身体の様々な部位を補われ生き延びる。そして15年後,百鬼丸と名付けられた青年は,鬼神たちを倒し,少しずつ自分の身体を取り戻していく。・・・手塚治虫の名作「どろろ」のアニメ版だ。この作品は,数ある手塚作品の中でも好きな方なので,今回のような原作に忠実かつ現代の視聴者の鑑賞に耐えられるようなアップデートは嬉しい。原作では48体いた鬼神が,アニメの話数に合わせて12体となっているのは,かなり微妙だが,ただ原作では描かれなかったラストを観ることが出来るのかも知れないと期待しよう。『荒野のコトブキ飛行隊』:貨物飛行船を運営するオウニ商会に雇われているのがコトブキ飛行隊だ。6人の女性パイロットで構成されるコトブキは,戦闘機・隼を駆って,空賊たちから飛行船を守る。・・・ネットCMも頻繁に公開されているので,ゲーム原作だと思っていたが,アニメとゲーム両方で始まる新作のようだ。西部劇のような世界設定の中で,なぜか戦闘機は第二次世界大戦の日本のレシプロ機ということで,いろいろ裏設定があるのだと思う。『ガルパン』のように人気が出るのだろうか?個人的には,打ち切り候補だ。『約束のネバーランド』:孤児院・グレイス=フィールド・ハウスで,元気な少女・エマは育つ。彼女は11才で,秀才のノーマン,孤高のレイと共に,ハウスの最年長だった。30数人の少年少女は,〈ママ〉に慈しみ育てられていた。だがエマとノーマンは,ハウスの恐ろしい秘密を知ってしまう。少年少女たちのサバイバルが始まる・・・少年ジャンプの話題の作品がようやくアニメ化だ。噂通り,ジャンプとは思えないほど精緻に作られている世界観で,19世紀風の物語がいきなりSFへと転ずるのも面白い。これは目が離せない。
2019.01.15
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あさのあつこの和風ファンタジーの第二部を読んだ。〇ストーリー父親の故郷〈雲濡〉村に呼ばれた少年・トオルは,別世界のウンヌの村の少年・ハギと奇跡的な出会いを遂げる。トオルと手伝いのクサヨに親しんだハギだが,母親を救うためにどうしてもウンヌに戻ると言ってきかない。ハギと一緒にウンヌへと飛んだトオルは,彼の母親を救うために戦いへと身を投じることになる・・・ーーーーーーーーーーー懸念していたよりもはるかにスムーズに物語は進む。第一部を読んだ限りでは,ウンヌと雲濡の過去だと思っていたのだが,どうやら地理的には同じだが異世界という関係のようだ。ハギに対してはひじょうに効力があったトオルの〈ヒト〉としての存在だが,物語が進むほどそのチカラは薄れていき,第二部の最後ではあまり上手く行かなくなる。正直,トオルに何か特別な能力があるワケではないので,この先が思いやられる。ーーーーーーーーーーー物語の展開がぐっと加速されることで,ハギやトオルが抱えていた悩みはあまり語られず,冒険活劇の雰囲気が表面に出ている。物語としてはスピード感があって読みやすいのだけれど,ちょっとご都合主義的にとんとんと進んでしまっている印象で,第一部の丁寧な語り口とはちょっと異なる。ただ早々に物語が回り始めるのは良い傾向だと思う。ーーーーーーーーーーーなんとなくミド様も〈ヒト〉じゃないか?といいう先の展開も予見出来るのだけれど,この先が楽しみだ。
2019.01.14
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今シーズンのドラマの第1話を観た。現時点での感想を簡単に述べる。『メゾン・ド・ポリス』:柳町北署の新人女性刑事・牧野ひよりは,ある洋館を訪ねる。それは引退した男性たちのシェアハウスで,彼女は元刑事の夏目に事情聴収をしようとしていたのだった。だが招き入れられたその洋館には,一癖も二癖もある男たちがいて,彼女の捜査に不思議な助言をくれるのだった・・・小説原作のライトミステリーだ。若い女性と謎の中年・老年男性たちという組み合わせが斬新だ。実際にキャストも,ひよりの高畑充希に対して,〈メゾン〉のメンバーたちは,西島秀俊,小日向文世,野口五郎,角野卓造,近藤正臣と,ひじょうに豪華だ。ミステリー部分は残念ながら陳腐なのだが,キャストから生まれる化学変化が楽しみなので観ることにする。『フルーツ宅配便』:東京の会社が倒産して,故郷に出戻ってきた咲田は,知人の伝手で〈フルーツ宅配便〉の雇われ店長となる。この店が配達するのは果物ではなく,女性,つまりここはデリバリーヘルスの店だった。そこで展開される様々な人間模様とは?・・・風俗店の裏側の物語,というのはちょっとドキドキする展開だ。けれども『闇金ウシジマくん』を先に観ているので,どうも生ぬるく感じる。語り手の視点が風俗店で働く女性への同情なのか,批判なのか,それともこうした社会構造への憤りなのか,どうもハッキリしない。まあ,濱田岳が良い味わいを出しているし,出演する女性も魅力的そうなので,観るかなあ?
2019.01.13
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先週の金曜日に出勤をしたが,やはり多くの人は今週からが仕事始めだ。「ツライ,ツライ」とぼやきつつ,皆,1週間5日間をこなした。今週は午後に打合せがほぼ無かったので,ずっと自分のワークをすることが出来た。と言っても昨年の積み残しを片付けていたので,進んだ,というより遅れを取り戻した,ということに近い。でも当然,気持ちの上ではスッキリしたし,攻めのマインドに立てる。読書も順調で4冊読むことが出来て,そちらも満足だ。週末になり,洗濯,アイロンをこなし,図書館に出かけたが,なんとちらちらと少しだけ雪が降っていた。寒いのが嫌いな僕としては,ツライシーズンだ。きれいだったけれど。
2019.01.12
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観続けるかどうかは未定だが,新しく始まったアニメ番組の第1回を観たので,その感想を簡単に感想を述べる。『モブサイコ 100』:中学2年生の影山茂夫,通称モブは,超能力を持っていて,除霊のアルバイトをしている。だが学校では,勉強もスポーツも出来ず,目立たない存在だった。そんな彼は自分を変えようとして・・・マンガ原作なのだが,そちらは読んだことはない。元の絵柄に忠実なためだと思うが,アニメとしてはギリギリというほど絵柄がギャグ路線だ。冒頭の除霊のシーンで,「へえ,こんな物語なんだ」と思ってからの,後半のフツー過ぎる学園ドラマについて行けなかった。そのギャップを楽しむシリーズなんだろうか?『ブギーポップは笑わない』:竹田啓司の恋人の宮下藤花は学校の中で消えてしまった。その代わり竹田の前に現れたのは,藤花の顔をしたマントの青年・ブギーポップだった。彼は人間の中に紛れた〈合成人間〉を捜していると述べ・・・ライトノベルを変えた,とまで言われている作品が原作だ。日常の中に,世界の命運を決めるファンタジー要素が入り込み,スタイリッシュな人物たちが戦う,という展開は,きっと当時は驚異的だったのだろう。残念ながら,現在にそれを展開されても,「あれ,どこかでみたような」と思ってしまう。『ケムリクサ』:荒廃した世界で,3人の姉妹が赤い霧に包まれた世界で暮らしている。彼女たちは,霧の中から湧いて出るアカムシを狩り,ケムリクサ(煙草?)を育てるために水を探している。そんな中,水から1人の少年が出てきた・・・終末世界を舞台にして,恐ろしい怪物からのサバイバル物語で,これからどのように世界が広がるのかはひじょうに興味深い。一方で,少女たちの服装だったり,言葉づかいだったり,不必要な”媚び”が目立ち,それだけで観る気が失せる。あまり合ってないかも知れない。『revisions』:高校生の堂嶋大介は,小学生の頃に誘拐されるが,謎の女性に救出される。彼女は世界の危機が訪れると予言をして去った。大介と幼馴染の4人は,同じ高校に進学していたが,彼はサバイバルオタクのイタイ奴になっていた。だが地震のような現象ののち,学校に怪物が現れ・・・日常生活に異変が起こり,敵が現れ,主人公がロボットに乗る,という王道の第1話なのだが,このために鍛えてきたはずの主人公が,いざとなるとヘタレというシニカルな展開は悪くない。過去のいきさつは意外とあっさり謎が解かれそうだ。これってCGなのか?『風が強く吹いている』も『からくりサーカス』も,何もなかったように続いているので,いくつかは観るのを切らないと時間が足りないなあ。
2019.01.11
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東野圭吾の冬季スポーツ愛がさく裂した小説を読んだ。〇ストーリー推理小説作家に飼われている猫である〈僕〉は,なぜか人間の青年の姿に変わっていた。冬季スポーツファンの作家に連れられて,様々な種目にチャレンジをしてみるが,猫出身の運動能力はあまり役に立たず,フツーに取材となっていた。さて作家が念願の直木賞を受賞した翌日,彼らはイタリア・トリノで開催されている冬季五輪の観戦の1週間の旅に出向く。様々なトラブルと発見の中,懸命に頑張る日本選手を応援し,そしてついに奇跡の瞬間が訪れる・・?ーーーーーーーーーー東野圭吾は,作品の中でも明確に表現されているように,スノーボード,スキー,そしてジャンプなど,冬季スポーツの大ファンだ。ちょうど低迷から抜け出そうとしていたトリノオリンピックの頃の日本の冬季スポーツに対する取材と観戦記となっていて,なかなか楽しめた。ーーーーーーーーーー作品は,”元猫”の夢吉・青年というファンタジックな存在の視点で語られている。このおかげで生々しさが薄れて,”おっさん”と呼ばれている東野圭吾の暴走や,だらしなさが薄められていて,ひじょうに読みやすくなっている。単なる一人称の旅行記だったら,愚痴ばっかり言っていて,そのくせ飲んでばっかりいる”おっさん”こと東野圭吾に辟易して,最悪キライになってしまったかも知れない。ーーーーーーーーーーダラダラしたエッセイかと思いつつ手に取ったが,そうしたマンネリを打破する仕掛けはちゃっかりとあり,さすがは人気作家だと思った。せっかくのベストセラー作家なのだから,冬季五輪の旅に観戦記小説を出せばよかったのになあ。
2019.01.10
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あさのあつこの和風ファンタジーの第一部を読んだ。〇ストーリー古代の村・ウンヌで身分が低い〈クサジ〉の少年・ハギは,苦役を行う母とともに暮し,そして母が一方的な断罪で死刑になるのを見過ごせなかった。現代の日本の少年・トオルはマスコミで活躍する母,美しく外交的な姉に挟まれ,その影響で学校でいじめにあい不登校となっていた。夜にクスノキの大木に登ったトオルは,「ウンヌへ行け」という声を聞く。母に聞くとそれは,亡き父の故郷〈雲濡〉という村のことらしい。残されていた旧家で手伝いの老婆と過ごし始めたトオルは・・・ーーーーーーーーーーーずっと気になっていたあさのあつこのファンタジーを読み始めた。例によってあまり事前情報を採り入れずに読み始めたので,古代日本を舞台にしたハイ・ファンタジーかと思っていたのに,現代日本の少年が登場して驚いた。どうやら,2人の少年がクロスオーバーする,という展開になるようなのだが,第一部を読み終えた段階では,一時的にトオルがハギの世界に行っているようなので,先が読めない。なにしろトオルは,ハギたちの世界では畏れられている〈ヒト〉ではあるものの,〈ヒト〉としては少年だし,イジメの対象になるような性格と体格だし,早々にメッキが剝がれそうな不安感がある。あまりにも社会基盤が違い過ぎて,移住して一から頑張る,というものでもないだろうし。どうまとまるのだろう?ーーーーーーーーーーーあさのあつこは,〈バッテリー〉と〈No. 6〉を中心に読んだが,シリーズものの場合,出だしはいいものの,中盤以降は先を考えていなかったツケが来て,グダグダになる,というパターンとなり,あまりいい体験はない。このシリーズもそうなる予感がひしひしとするが,とりあえずいつものように出だしはとても良かった。ーーーーーーーーーーーこの先もきっと面白いに違いない・・・と,いいな。
2019.01.09
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朱川湊人の初期短編集を読んだ。〇ストーリー鶴ヶ崎は,やる気のない部下にも,ねぎらいの気持ちのない家族にも我慢しながら,小さな総合商社に勤めていた。だが突然,早期退職の打診を受けてショックを受ける。そんな彼の前に,悪魔と天使が現れて,「今日はあなたのサービスデーだ」で,全ての願いが叶えられると伝える。何かの妄想だと思っていた鶴ヶ崎だが,あらゆることが上手く行き,逆に不安になる。そして彼は,朝方にとんでもない願いをしてしまっていたのだった。それとは・・・?ーーーーーーーーーーーー映画『赤々煉恋』で朱川湊人を知った僕にとっては,「かたみ歌」などのレトロファンタジーの方が違和感があった。この作品を読んで,あれだと感じたのだけれど,古いファンにとっては別の感覚らしい。申し訳ないけれど,最近になって朱川湊人読み始めた身としては,自分が分かる感覚で評価をするしかない。この作品のホラーなんだけれど,どこかとぼけた味わいというのはひじょうに好きなテイストだった。大事なのは,終わってみればきちんとホラーとしても成立している,ということだろう。さりげない毒,違和感,トゲ,そうしたものがない作品は読む価値がないと思うから。ーーーーーーーーーーーー作品の構成は,半分近くを表題作の中編「本日、サービスデー」が占めており,それに続き4つの短編および超短編が収録されている。全体構成としてはややバランスを欠いていると感じるが,きっと表題作は筆が進んだのだろう。ーーーーーーーーーーーー各編について簡単に感想を述べる。「本日、サービスデー」:天使と悪魔から,なんでも願いが叶う〈サービスデー〉であることを告げられたリストラ予備軍の鶴ヶ崎は,あまり本気にしないで強気に仕事を進めるが,それが上手くいってしまう。驚いた彼が思い出したのは,朝方にある悪いことを願ってしまったことだった・・・作品のほぼ半分を占める中編で,少し冗長だ。けれども切羽詰まったサラリーマンが神のチカラで無双する,のも面白いし,全体のユーモラスな語り口が抜群に作品とマッチしている。「東京しあわせクラブ」:作家の〈私〉は銀座のクラブで知り合った女性に誘われて,故人ゆかりの品を品評し合うサークルに参加するのだが・・・読み終えた後に,あれ?と怖くなるタイプの短編だ。けれども,これもアイディアに比べて枚数が多い。「あおぞら怪談」:〈俺〉がまだ学生で下町に住んでいた頃,バイト先の先輩・日下部は,右手だけの幽霊と同居していた。その幽霊はるり子と言って,先輩の部屋や洗濯物をきれいに片付けてくれていた。だが・・・ユーモアとホラーが同居しているのが,いかにも朱川湊人だ。オチは落語っぽい。「気合入門」:団地に住む少年は,3才上の兄貴を見返してやるために,空き地の池のザリガニ取りの記録に挑戦する。だが・・・この風景は昭和40年代だなあ。調べたら作者同い年じゃないか!「蒼い岸辺にて」:早織が気付くと,彼女は三途の川の目の前にいた。さっさとあの世に行こうとする彼女の前に現れた三途の川の船頭は,彼女がこれから出会うはずだった未来を取り出して捨てるのだが,その内容を聞いていた早織は・・・ラノベあるいはライトホラーっぽいのだけれど,ちょっと主人公に対して親切過ぎるかな?
2019.01.08
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朝井リョウが小学生を主人公にして書いた作品を読んだ。〇ストーリー小学生3年生の太輔は急な交通事故で両親を失う。紆余曲折があり,「青葉おひさまの家」で暮らすこととなった太輔だが,両親と行くはずだった〈蛍まつり〉の時期に「家」の夏旅行が企画されていることを知り,それを邪魔する行動をとってしまう。だがそれから3年経ったとき,太輔はずっと頼りにしていた佐緒里姉ちゃんのため,そして仲間のために〈蛍まつり〉を復活させようと尽力する。その願いは・・・?ーーーーーーーーーーー最初は連作短編集のように始まるが,主人公も変わらないし,中盤からは短編もスッキリしないで終わるし,長編小説として受け止めている。たぶん,最初の短編から構想が広がって行ったタイプだと思う。良くも悪くも着地点が見えないまま,いろいろなエピソードが流れてくる作品だ。ーーーーーーーーーーー最初はトイレがどこかを他人に訊くことも出来ないキャラであり,憧れの佐緒里姉ちゃんが少し先の町で何をしているのかも訊けない主人公・太輔だが,あるきっかけがあるとかなりの行動力を発揮する。ただしそれが必ずしも褒められる方向ではないのが問題だと思う。もちろん終盤は建設的な方向へとそれぞれのチカラが噛み合って,ラストを迎えるのだけれど,途中まではムッツリストーカー気質が目立つ。ーーーーーーーーーーーこの作品を読んでいて,2つちぐはぐに感じる部分があった。1つは主人公の年令が小学生ということだ。それゆえのもどかしさは描写されているのだけれど,作品全体としては,もっと大きなことを描こうとしている。作者,主人公,描きたいこと,があまり上手くマッチしていない気がした。表紙の絵に救われているけれど。もう1つは,最後まで「これって辻村深月だっけ?」と勘違いをしたことだ。いかにも辻村深月作品っぽい,精神的にキツイ場面が何回も主人公と仲間たちに訪れる。ちょっと訪れ過ぎだけれど。読んでいてぐりぐりと心を削られる感覚,時系列の入れ替えでミステリーになっている流れなど,実に辻村深月だった。ーーーーーーーーーーーさすがに太輔と「家」で一緒の班にいる少年少女の生活が波乱万丈でディープ過ぎる,またあるトラブルを抱えてしまった子は3年経っても同じことに巻き込まれ続けているのは,やや不自然だった。主人公・太輔は,3年間で弱虫からクラスの背の高い方で,リレー選手にも選ばれるようになっていて,だいぶ主人公補正が入っていた。ーーーーーーーーーーーこの作品には『逃げてもいいんだよ』という明確なテーマがあって,それはきちんと伝わってくる。けれども主人公たちの1人は,家族のために自分の夢を犠牲にすることになっていて,その境遇とテーマでうたっていることのギャップについては,”これが大人の現実”として処理しているようで,違和感を感じた。『逃げてもいい』のは,小中学生限定なのだろうか?結局無責任であり続ける時代だけ,としたら,語っているテーマと合っていない気がする。もうちょっと違う流れでまとめてもらいたかった。せっかくの良い話だったのだから。
2019.01.07
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1月4日に休みを取って,明日月曜日の1月7日から今年の仕事始め,という人も多いと思う。僕は例年,1月は有給休暇を温存して,規定の日から出勤するのが常だ。今年で言えば,4日金曜日から既に出勤をしている。年末年始は末の姪が塾の特訓に行く,ということで姉と僕も毎朝6時近くには起きていたので,その流れだと思っていたが,数日ぶりの早起きはかなりツラかった。年末に休日出勤をしているので,実際は12月30日からしか休めていないので,休みは5日間なのだし,大晦日も紅白歌合戦が終わる前に寝ているので,日常サイクルを変えているつもりは無かったのだけれど,現実はきっちりと体力を追い込んでくる。世の中には,明日から仕事なのに,交通機関の乱れで困っている人もいるみたいだけれど,小心者の僕は,金曜日に出勤して,この週末も多少はお出かけをしたが,基本大人しくしていて,明日に備えている。良い年にしたい。
2019.01.06
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毎年冬休みと夏休みに公開されている仮面ライダーの映画の最新作を観た。〇ストーリー仮面ライダージオウの常磐ソウゴ,そして仮面ライダービルドの桐生戦兎たちの世界に異変が生じる。彼らの仲間が次々と,共に戦った記憶を失うのだった。それは,”スーパータイムジャッカー”・ティードの仕業で,ティードはそれだけでなく,全ライダーの記憶を抹消しようとするのだった。ソウゴと戦兎を助けに現れたのは,仮面ライダー電王の野上良太郎だった。そして・・・ーーーーーーーーーーー毎年新しいシリーズが展開される仮面ライダーだが,今年は20周年ということで,作品中に過去のライダーたちが登場する特別なシリーズとなっている。映画版も平成仮面ライダー全員が登場する,ということだったので,久々に劇場に足を運んでみた。ーーーーーーーーーーー基本のフォーマットは,前年のライダー・ビルドと今年のライダー・ジオウが協力しつつ敵を倒す,という冬休み映画のパターンを踏襲している。そこに,今年のシリーズのテーマである20年間のライダーを振り返る,という要素を色濃く出してくれているので,ファンとしてはなかなか楽しめた。さらに,ビルドとジオウは,サブキャラクターまで登場することで,ビルドのエピローグ的要素を担っていた。そしてこの映画の隠し要素として,仮面ライダー電王のオリジナルキャスト・佐藤健が登場することで,平成ライダーの中で一番人気だった電王のファイナルまで盛り込む,という豪華さだった。ーーーーーーーーーーーストーリーはあまり精緻ではなくて,冷静になるといろいろツッコミどころがある。けれども,平成になって見事に復活をした仮面ライダーの20シーズン,その主人公が勢ぞろいして,それぞれの得意なところを見せ,最後には必殺技をキレイに披露する,というだけでも,映画として十分に見応えがあった。ファンだからかも知れないけれど。ーーーーーーーーーーーこれまでのシリーズが仮に別世界の物語であったとしても,それを覚えている人が誰かいれば,それだけで意義がある,という流れには泣けた。そして平成シリーズの始まりにして頂点でもある仮面ライダークウガの第0話をなぞる展開にも泣けた。まあ,ファンだからかも知れないけれど。
2019.01.05
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2018年のミステリー賞のトップ1となった大山誠一郎の連作短編集を読んだ。〇ストーリー県警捜査一課の新米刑事の〈僕〉は,自宅近くの商店街の美谷時計店で,行き詰っている事件のアリバイを解いてもらう。美谷時計店の若い店主は,若く美しい娘・美谷時乃だった。〈僕〉が依頼をした事件とは?ーーーーーーーーーーー題名にまで”アリバイ”と銘打っているだけあって,本格ミステリーの短編集となっている。7つの短編で構成されていて,刑事の〈僕〉が,時計店店主の美谷時乃に事件を説明する,彼女が謎解きをする,というシンプルな展開となっている。美谷時乃は時計店から一歩も出ていないので,パターンとしては”安楽椅子探偵”モノとなる。他の書評でも言われているように,困っているとは言え,捜査一課の刑事が民間人に事件内容をぺらぺらしゃべるなど,現代的なリアリティをすっ飛ばしたシリーズとなっている。ーーーーーーーーーーーリアリティ無視は,ストーリーにも現れている。正直,第1短編を読み終えた時は倒れそうになった。これはミステリーでも,ロジックだけを追求したパズラーだ。・・・と思っていたら,フツーの本格ミステリーの短編もある。連作短編集としては,作風が一定していなくて読みづらい。ーーーーーーーーーーー各編について簡単に感想を述べる。「時計屋探偵とストーカーのアリバイ」:研究者の女性に,ストーカーと化した元夫が会いに来る。その直後に彼女は死んでしまった。解剖から元夫にはアリバイが成立したのだが?・・・読み終えて倒れそうになった。リアリティ完全無視のパズラーだったのだね。「時計屋探偵と凶器のアリバイ 」:郵便ポストから拳銃が発見され,その近郊でそれを利用された殺人が起きていた。アリバイに守られた容疑者は?・・・短編1作目に続き,リアリティのない展開。小説というよりクイズだよなあ。「時計屋探偵と死者のアリバイ 」:〈僕〉が遭遇した交通事故の被害者は,殺人事件を自白してから死んでしまう。・・・2人の会話から謎が解かれる。なるほど!!「時計屋探偵と失われたアリバイ 」:殺害された女性の妹は夢遊病の間に姉を殺めたのか?・・・2重のトリックになっていて読ませる。ある〇〇〇の量をどうしたのかは気になるが,それ以外は見事な切れ味の短編だ。「時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ 」:店主・美谷時乃が,亡き祖父から出されたアリバイトリッククイズとは?・・・最初の箱に対する説明が不足していると思ったが,なかなか斬新で爽やかなミステリーだ。「時計屋探偵と山荘のアリバイ 」:雪の山荘で起きた殺人の真相とは?・・・雪の山荘ならではの証拠はあるのだけれど,スカスカな内容で脱力。「時計屋探偵とダウンロードのアリバイ」:ある1日だけダウンロードが可能だった曲があった。それを友人に見せていた男が容疑者となった。・・・ネタとしては新しいが,内容はスカスカ。ーーーーーーーーーーー構成が悪くて,脱力ミステリーを読んだような読後感が残ってしまう。
2019.01.04
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年末の挨拶に見えた日本で一番有名なセキュリティ会社の方が,箱根駅伝のリーフレットをくれた。会社がオフィシャルスポンサーをしているということだった。三浦しをんの「風が強く吹いている」は箱根駅伝を目指す青年たちを描く青春群像小説だが,ちょうど正月を挟んでアニメ化されて放映されている。毎年3月に旅行をする元同僚の1人が駅伝ファンで,毎回熱くその年のハイライトを語ってくれる。いろんなことが重なって,生まれて初めて真面目に駅伝を観た。ただし3日の復路だけだけれど。ーーーーーーーーーーーランドマークが記された地図がリーフレットに載っているので,見ていて場所が分からなくなってしまうこともない。連覇をかけた大学が往路で順位を落としてしまい,それがどこまで順位を回復するか,というのが見どころだった。もう1つの見どころは,翌年のシードに入ることが出来る10位までにどの学校が入ってくるか,というポイントだった。かつて何回も駅伝を制覇した名門校が12位に固まっていて,どこが抜けて来るのか,そして11位を抜くことが出来るのか,という争いも面白かった。駅伝という競技も面白いが,10位までのシード制というシステムも,誰が考え付いたのかは知らないが,ひじょうに燃える要素だ。ーーーーーーーーーーー今年の年末年始の休みは週末と重なっていて,3ヶ日開けの1月4日は金曜日の平日だ。ダメ人間になるのを避けるために,カレンダー通りに4日は出勤する予定だ。駅伝って,長い正月休みの途中でダラダラ観る,という印象だったけれど,翌日の出勤のためにアイロンがけをしていたら,あっという間に過ぎてしまった。さて仕事しないと。
2019.01.03
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永野護が総指揮をした『ファイブスター物語』の外伝映画を観た。〇ストーリー惑星連合から見下されている植民地の惑星〈カーマイン〉で,珍しく評価されているのが何千年もの記憶を継承しているという聖人・詩女(うため)だった。新しい詩女として継承の儀のために首都を目指す少女・ベリンの前に,連合から護衛のために派遣されてきた大国・〈ドナウ帝国〉の皇子トリハロンが現れる。反発し合う彼らだが,自分たちが目指しているものが近いことに気付き,徐々に打ち解け合う。だが彼らの前に,ベリンを狙うテロリストが現れ,そのピンチにトリハロンはゴティックメードを出動させる。それは・・・ーーーーーーーーーー『ファイブスター物語』の過去編として,〈フィルモア帝国〉の建国のきっかけとなった事件のことが描かれている。もっとも公開当初は,これが物語の一部なのかどうかは不明なため,よく似たオリジナルなストーリーではないかとも思われていた。実際にエピローグ以外では,『物語』との関連は薄く,いくつかのデザインを除けば独立した作品と解釈することも可能だった。中近東や,古い時代の中国をモチーフにした旅物語というのもなかなか斬新で,あまり見かけない世界観だった。これまで観たアニメとも,ジブリとも異なる世界観。なかなか出来ることではない。ーーーーーーーーーーこの作品が何よりも有名なのは,現在の技術ではソフト化が不可能な情報量であり,それゆえに劇場公開でしか視聴することが出来ない,ということ(あるいはその噂)だ。そのため,これは幻の作品として,2012年の公開以来限定された場所でしか視聴することが出来ない状態だった。今回,新宿の角川シネマが改装され,その記念の一環としてこの作品が上映されることになった。ーーーーーーーーーー素人の僕には,この作品のどこがそんなに情報量が多いのかは分からないが,サウンドエフェクトは聞いたことのないレベルだったと思う。永野護がイメージしているヘビーメタル,あるいはゴティックメードの機動音がどうしたものなのかは,だいぶイメージすることが出来た。ーーーーーーーーーー正月に良い環境で観たかった映画を観ることが出来た。今年は良いことがあるに違いない。
2019.01.02
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何年かぶりに姉と元旦の初詣に行った。なにしろ末の姪が受験生で,それなのに成績がまったく伸びないという状況で,姉も神頼みをしたくなったらしい。出ていた新宿から豪徳寺で下り,世田谷線で1駅だけ乗って宮の坂で下りた。駅前すぐに世田谷八幡宮があるが,もうすでに行列が見えている。その終わりは境内を越えて,道路沿いに流れていた。若者4人組の後ろにつき,徐々に住む順番を待つ。角を回り,厳島神社を模した池がある境内に入り,土俵を右側に見つつ階段を登り,本殿が見え始めた。ようやく順番となり,賽銭を投げお参りをした。とにかく願うのは学業成就だ。そのあと,僕が行ったことがなかったので,豪徳寺の招き猫の祠を見てから帰った。姉がすっかり身体が冷えたというので,家の最寄り駅でカフェで休憩した。けっこう混んでいたのに,皆静かに勉強だか,調べものだかをしているので,いきおいこちらも静かな声でしゃべった。元旦に正月らしいことが出来て,満足だった。
2019.01.01
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