窓辺でお茶を

窓辺でお茶を

February 12, 2008
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カテゴリ: 舞台
 東京国立劇場小劇場にて文楽「義経千本桜」を観ました。今回の上演は狐忠信が登場する「伏見稲荷の段」「道行初音旅」「河連法眼館の段」です。

 「伏見稲荷の段」は歌舞伎では「鳥居前」と呼ばれていると思うのですが、桜の花盛りの中、上手に朱塗りの鳥居があって華やかです。そこで落ち延びてゆく義経一行に静御前が置き去りにされるのですが、追っ手に捕まりそうになったとき、佐藤忠信が登場し、助けます。だいたい、静御前がすがりつくからといって縛って置いていったら危険だと思わないのか?などと言いっこなし。ところが忠信の様子がちょっと変です。まず狐が登場し、花の陰にはいったと思ったら義経の家臣佐藤忠信が登場するのですが、狐のいかにも狐らしい仕草が勘十郎さんはとても上手です。

 「道行初音の旅」は忠信につきそわれて花盛りの吉野山を静御前が義経の後を追って旅をします。もともとは桜の季節の話ではないそうなのですが、舞台の効果を狙って桜が描かれるようになったとか。忠信が合戦の様子を語って聞かせます。静御前が投げた扇を忠信がはっしと受け取って拍手喝采を浴びていました。

 「河連法眼館の段」は歌舞伎では四の切りと呼ばれる場面で、猿之助歌舞伎だと猿之助さんが欄間から出てきたり欄干の上を歩いたり大活躍の見せ場でしたね。文楽も途中ちょっと眠くなるところがありましたが、狐があちこち思わぬところから登場してけれん味たっぷりです。この段で忠信がふたり登場して、静御前につきそっていたのが実は狐で、鼓の革にされている両親を慕ってついてきたのだったとわかります。鼓をもらって大喜びして去っていくところは、なんと文楽も珍しい宙乗りです。

 華やかで楽しい公演です。ひと足早いお花見も楽しんだ気分になりました。






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最終更新日  February 13, 2008 02:54:02 PM
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