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FIAが12番目のチームとしてプロドライブを選択したとき、反発する声は強かった。純粋にレース参戦を希望しているというよりも、商業的な成功を狙っていることが明らかになっていたからになる。さらに、マクラーレンと契約するという方向性が毛嫌いされてしまった。マクラーレンMP4の性能が優れていると判明すると、フランク・ウィリアムズはカスタママシンそのものを批判し始めた。マクラーレンが4台走ることを認めたら、ウィリアムズの商業権が脅かされるという主張だった。カスタマカーを認めていたワークス陣営も、マクラーレンやフェラーリが4台ずつ走るという悪夢の到来を恐れるようになっていく。コンコルド協定の合意が先延ばしされたのも、カスタマカー問題に決着がつかなかったためである。 プロドライブの方針もあまりに露骨過ぎた。F1チームなのに、工場も開発部門も準備しない。マクラーレンの工場とスタッフをフルに活用するというアイデアは、他のワークスの反感を買っても仕方がない。さらに、スポンサーさえもマクラーレン経由で交渉しているという情報が流れると、プロドライブ批判はいっそう強まった。これでは、弱小チームを救済するというカスタマカー本来の狙いが崩されてしまう。単なる第2マクラーレンが誕生するのではたまらないという空気が強まったのは仕方がない。 エクレストンは妥協点として、カスタマカーチームにはコンストラクターズポイントを与えないという提案を行った。これならばプロドライブが活躍しても、各チームに損害が発生しない。総額500億円の報奨金は、コンストラクターズポイントの獲得数に応じて配分されるから、プロドライブにポイントが認められないと、数十億円の収入が消えてしまう。当然ながら、リチャーズは猛反対した。ウィリアムズはカスタマカーそのものを認めないという主張を繰り返した。カスタマカーはF1の精神に反するし、莫大な開発資金を投じているワークスさえも危機に陥ることを訴えた。プロドライブとウィリアムズの主張は妥協を許さない激しいものだったから、新しいコンコルド協定を葬り去ってしまった。来年度は旧協定でレースが行われる。つまり、カスタマカーそのものが認められない。 マクラーレンとの契約を白紙に戻されて、プロドライブは前にも進めず、後ろにも下がれない立場にある。開幕までに、F1マシンを準備することは到底不可能な話になる。あわてて、他のワークスと交渉してみたが、カスタマカーを供与するチームはない。工場もないプロドライブが開幕までにF1マシンを準備することは、事実上不可能になっている。開幕にF1マシンを並べないと、獲得した参入権さえも危うくなるので、お先真っ暗なのに、強気の姿勢を崩さないデビッド・リチャーズはどう動くというのだろうか。
2007.10.30
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シンガポールグランプリの開催が決定して、東アジア地域では日本、中国、シンガポール、マレーシアがF1開催権を手にしている。これに韓国とインドの開催も予定されているから、鈴鹿だけでF1が行われていた時代とは隔世の感がする。オーストラリアやバーレーンなども加えると、F1が欧州を中心にしていた時代は終わっている。大きく東アジアにシフトしてきた理由のひとつに、F1開催団体の抱える莫大な借金問題があるだろう。F1の興行権を手に入れるために、主催団体は借金で事業を買収したことが響いている。利子だけでも年間300億円を支払わねばならないので、甘いとか辛いとか言っていられない。期日までに金利を支払うために、大幅にF1開催権料を引き上げるしかなかった。 新たにF1を開催するためにはm年間30億円程度をFOMに納める必要がある。昔は数億円レベルだったから、この10年間で大幅に上昇している。そのため、サーキットの収益は大幅に悪化して、F1を開催したからといって大きな利益など出せない時代になった。やむを得ずに国や自治体が財政支援を行う状況になっている。財政の余力のある地域は、中東の産油国とアジアの新興工業国しかない。昔ながらの欧州の古いサーキットでは、赤字運営のためにコースや設備の改修さえも難しくなっている。欧州を中心にしている限り、利益率の向上はないと判断したエクレストンは、発展するアジア地域に目を向けたのである。 サーキット、自治体、国などにとって、F1レースを開催することによるメリットはある。国際的な知名度は上がるし、年に一度のお祭り騒ぎになる。海外から観光客も多数到来する。航空会社も、ホテルも喜ぶ。それらを合算すれば、サーキット単体の出す赤字などはたいした問題ではなく、補助金を出せば済むという判断が上回っている。シンガポールがF1開催にこぎつけたのも、観光名所としての集客力に目をつけたからになる。シンガポールの市街地レースが世界中に放映されることで、魅力を感じた旅人が訪れることを期待している。 夜間レースは欧州とアジアの時差を埋めるという発想から生まれてきた。シンガポールにしてみると、安全面や照明設備に課題はあっても、夜間レースを承諾しないと許可が出ないから承諾するしかなかった。サーキットに大規模な照明設備を設置するのは無駄に思えても、市街地コースならば照明設備は役に立つ。レースを夜間に行う危険性は緻密に計算しているから心配は要らないとエクレストンも楽観視している。市街地だとテストも行えないから、ぶっつけ本番になってしまう。さまざまな思惑をのせて、シンガポールGPは出発進行し始めた。
2007.10.29
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アーセナルのサッカーの評価が高い。ローマと共に欧州で一番魅力的なサッカーといわれるまでに進化している。主軸のアンリが抜けた穴は埋まらないと断罪されていたが、積極的に若手を登用することで危機を抜け出してしまった。アンリの個人技に頼りきっていた単発的な攻撃から、組織的で多様な攻撃を目指したサッカーはすばらしい。2年前のバルセロナとの対決に惜敗したのは、攻撃力の格差が原因だった。監督を続けることを決意したベンゲルの考え方は正当である。アーセナルは高額な移籍金を払ってまでスターを獲得することはなく、無名でも将来性のある選手に目をつけて育成することを旗印にしてきた。新世代を実らせることが難しいけれど、執念でトップクラスの選手に仕立て上げてしまうことが驚きになる。キーパーの一瞬のミスを見逃さずに蹴りこんでしまうウォルコットの俊敏性と中盤から突撃してくるファブレガスの突進は凄い。スラビア・プラハは一方的におしまくられて7-0で大敗させられている。(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2509.html)これから数年間はアーセナルの時代になるのだろうか。 バルセロナの変化も想定外のものであり、際立っている。エトーの負傷とロナウジーニョの不調で、今年もさえない1年になるかと思われたとき、アンリが威力を発揮し始めてきた。シェフチェンコを見ても大物の移籍は成功するとは限らないけれど、アンリは巧みにバルセロナに溶け込んでいる。14番(アンリhttp://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2331.html)と19番(メッシhttp://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2293.html)の相性が良くて、これまでのバルセロナになかったような華やかさを生み出している。これまでのバルセロナは個人技が独立していたのをパスでつなぐという方向に進んでいる。ドリブルによる突破と鋭いパスを組み合わせることで、平面的な攻撃から、立体的な複合サッカーに進み始めている。 分厚いバルセロナの攻撃に対抗するには、ロナウジーニョ、アンリ、メッシに網を張らねばならず、食い止めるには頑丈なDF陣が必要になる。スコットランド・プレミアはイングランドに比較すると評価が低かったけれど、バルセロナの猛攻を防ぎきった守備力といい、終盤の激しい攻撃を見ても、レンジャーズはなかなかのものである。次々と打ち出される猛攻に耐えて、グラスゴーでの対決は0-0(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2514.html)の引き分けに終わった。スペインでの戦いは別の話にはなるけれど、バルセロナを本当に抑えられるかが見ものになる。明日は欧州CLには、先の見えないチェルシーが登場してくる。はたして、チェルシーは断崖を乗り切ることができるだろうか。(YOUTUBE動画はサイズが小さいですが⇒をダブルクリックで見ることができます)
2007.10.24
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F1始まって以来の緊迫した舞台になったブラジルGPは、ライコネンの優勝という予想外の結末で落ち着いてしまった。それでも、アロンソを応援するスペイン人の思い入れは凄く、何とTV視聴率64%というワールドカップ並みの数字をたたき出した。スペインではタブロイド紙が「ロン・デニスの策謀に苦しめられるアロンソ」という筋立てを展開していたから、ラテンの熱い血が燃え上がって、大騒ぎでブラジルGPを見ていたのだろう。FIAのスペイン代表さえも冷静さを失い、マクラーレンの不公平を恐れて監視役の派遣を要請したほどである。一般市民がマクラーレンに疑惑を感じても仕方がない状況にあった。場所が遠いブラジルだったから、スペイン人に手の出しようがなかったのは幸いだった。 英国のタブロイド紙も過激な論陣を張って、アロンソ攻撃を続けていた。「ハミルトンに文句を言うやつは許さない」と声高に叫んでいたから、富士での走りを告発したウェーバーは集中砲火を浴びてしまった。こちらは「新人のハミルトンをいじめる王者アロンソ」という筋書きなので、「何が何でもハミルトンをチャンピオンに」という世論が湧きかえるのも仕方がない。マシントラブルで後退したハミルトンの姿に声もなかったというのは当然だろう。燃え上がっているときに突然冷や水を浴びせられたのだから、英国人は呆然としていたに違いない。 日本GPのときのTV視聴率は8%程度だったというから、ドライバーにもチームにも熱くなる対象のない日本人は、F1に関心すら薄い。確かにF1に興味を持つ人間は限定されている。F1という言葉は知ってても、8チャンネルに合わせてみようという興味さえも起きないのではどうしようもない。富士の白熱したレースが退屈な旅番組よりも見る人が少ないというのは悩みの種として残る。TV局側もさまざまな手を打ってきたが、ほとんど効果もなく、数字はジリ貧である。これでは中継の継続さえも怪しくなるのがTV業界の常になる。番組が消滅しないだけでもましという声が上がるのも不思議ではない。 ブラジルで中島一貴がロズベルグに負けないタイムを出したというのが救いだった。焦ってピットクルーを跳ね飛ばしたり、スタートで接触したミスはあっても、5位に入るラップタイムを出したことは評価できる。F1の世界の門を叩く日本人は多いが、ほとんどが無念の思いを残して脱落していく。ウィリアムズに中島が抜擢されるのであれば、来年度に少しは希望が出てくる。ルマン24時間の中継がなくなって、ほとんど無関心イベントになってしまったことを忘れるべきではない。何とかトップチームの座席を手にできる日本人が誕生して欲しいのだけれど・・・。
2007.10.23
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中国に「漁夫の利」ということわざがある。趙の恵文王が攻めてくるという話を聞いた燕の昭王は、蘇代を派遣して和平交渉をさせた。「シギと貝が争っていると、猟師がやってきて両方とも捕らえてしまいました」。「二つの国が戦い続けると国力が疲弊して、強国の秦が漁夫の利を得てしまいます」と蘇代が恵文王に和睦を説得した故事によっている。「マクラーレンのハミルトンとアロンソが互いに足を引っ張り合っていると、フェラーリのライコネンがやってきて優勝カップを横取りされてしまいました」という新たな説話が生まれそうである。あまりに派手にやり合っていたから、まさかライコネンがチャンピオンになるとは思わなかった人も多かっただろう。敵対心むき出しで応援合戦を続けていた英国人とスペイン人は「・・・・・?」とずっこけているはずである。 ハミルトンの焦りというのは仕方がなかろう。スタート時にアロンソとのバトルに競り負けて、コース外にはじき出されてしまった。その後にミッショントラブルで最後尾に落ちている。7ポイント差という優位が台無しなったのだから、悔しさが残る。アロンソに負けるならばともかく、計算外のライコネンに王座を奪われたことは大きな反省材料になる。ブラジルGP決勝のマクラーレンは、フェラーリの速さにまったくついていけなかった。土壇場での逆転劇を演出したのは、路面にタイヤを適合させたフェラーリの技術力にある。同じスペックのタイヤなのに、これだけのラップタイムの差が生まれるというのがF1の特殊性になる。アロンソがフェラーリの2台を追撃できなかったのは痛かった。 この大番狂わせで、ドライバー大移動説も消えそうな雰囲気になっている。マクラーレンのどちらかがチャンピオンになれば、アロンソは移籍を決意しただろうが、二人とも挫折したのではゼロからやり直すしかない。内輪もめの挙句の自滅だから、文句も言えない。アロンソはマクラーレンの技術の高さを認識しているから、そう簡単にルノーに復帰するとも思えない。レース後のロン・デニスとの話し合いに注目するしかない。 エンジンが凍結されて、マシンのパワー差は消えている。エンジンの果たす役割が低下したのと同時に、空力の重要性が大幅に増している。空力実験には大型の風洞と多くの専門家が必要なので、トップレベルに到達するには時間がかかる。スパイ事件が起きたのも、他のチームの秘密情報を知りたいという執念が根底にある。圧倒的な優位を築いたマクラーレンが、スパイ事件に関与した罪でポイントを剥奪され、流れが変化してしまった。フェラーリとマクラーレンの優位が来年度も続いていくかどうかをアロンソは見極めるはずである。ライコネンが王座に就いたことで、アロンソのフェラーリ移籍も意味がなくなり、消滅するしかない。どこまでも、アロンソの一人旅は続く・・・。
2007.10.22
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最終戦のブラジル・インテルラゴスは、張りつめた緊迫感に包まれているはずである。予選の結果は「ハミルトン有利」という判定になる。熱帯の天候も安定しているようなので、突発的な事故は起きそうもない。予選1位がマッサ、2位がハミルトン、3位がライコネンという事実は重い。アロンソが4位にとどまったのは、2レース目のエンジンという重荷によるものと思われる。(ハミルトンとフェラーリの2台は1レース目)。1レース目のエンジンに比較すると、パワーが数パーセント劣っているという事実を重く見るか、たいした差はないと考えるかかは立場によって違ってくる。エンジン・トラブルの可能性は、圧倒的に2レース目が不利なので、アロンソは無理な仕掛けはできない。 上位の3台が軽めの燃料を搭載していることは想定できる。待機作戦のアロンソは重めのガソリンを積んでいるはずであり、チャンスを粘り強く待ち続けるしかない。予選の順位のままで推移すると、3位のライコネンにまったくチャンスがなくなるから、フェラーリは必ずどこかで仕掛けてくるはずである。マッサがポールを奪って、ハミルトンの頭を抑えつけて前に飛び出させないという作戦は成功している。上位の4台が数珠繋ぎで並んでいる間にフェラーリが仕掛けて、ライコネンがハミルトンを抜くチャンスを生み出させようとするだろう。そんなことがハミルトン相手に可能なのかはレースを見てみるしかない。 ハミルトンが2位になると自動的に優勝が決まる。アロンソとライコネンにとって、王座獲得の可能性がゼロになるから、スタートに勝負を仕掛けることは間違いない。アロンソが勝つ可能性があるのは、スタート時の追い抜きに成功した場合と遅めのピットストップで抜く場合しかない。アロンソが1位になっても、ハミルトンが2位になれば王座はハミルトンのものになるから、それを阻止するために知恵を絞るはずである。ハミルトン側は無理をせずに2位狙いに徹するだろう。アロンソを先に行かせても、4ポイントの差を逆転されることはないから、気楽といえば気楽である。 5位のレッドブルのウェバーと6位ハイドフェルドと7位クビサのBMW勢が不気味に見える。それにしても、このところのレッドブルの進化は目覚しい。ルノーやトヨタよりも上位に食い込んでくるから、インテルラゴスで何かが起きるかもしれない。ホンダ勢は相変わらずの大不振、3人の日本人は揃って第一ピリオドで予選落ちの憂き目をみてしまった。期待された中島はソフトタイヤをこなせなくて、脱落したという。それでも決勝では、金曜日に見せたロズベルグ並のパフォーマンスを期待したい。
2007.10.21
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ドログバが世界最高のストライカーの一人であることは言うまでもない。チェルシーに移籍してから、もっとも有名なアフリカ人になった。技術、体力、気力のすべてを網羅しているストライカーは欧州でも少ない。チームが苦戦しているときに、決定的な仕事ができることがドログバの得意技になる。チェルシーにとって、ドログバは手離せない存在になっているから、なおさら衝撃的な発言になる。ドログバを失えば、カフー、ピサロ、シェフチェンコでリーグ戦を戦わねばならない。強豪がひしめくチャンピオンズリーグのような重要な局面での勝負に影響が出てしまう。 「自分が何もかも悪いやり方をしてしまった事実を隠せない。そうなったのは、たぶん監督に深い愛着を抱くというミスを犯したからだ」とドログバは語っている。移籍希望の表明の背後に、モウリーニョ退団があることを隠さない。サッカー界の憎まれ役だったモウリーニョにドログバが親愛の情を寄せるというのが驚きである。ジョン・テリーやマケレレ、エシアンなどもモウリーニョ退団を悲しんでいる。一番動じないように見えたドログバが最初に移籍を表明するのだから深刻である。サッカークラブというのは、オーナーの玩具ではないことを主張しているようにも感じる。 モウリーニョは通訳出身の異例な監督だった。理論だけが突出して先行するタイプでもある。勝つためにはあらゆる戦略を練り、ピッチの芝の状態さえも勝敗を分ける要素に加える。試合開始の笛の時には、戦略の大部分は終わっていると考える監督でもある。現実にゲームが始まると監督にできることは選手交替くらいしかない。それでは、世界一厳しいプレミアリーグで優勝することはできないことを自覚していた。自分のスタイルに合わなければ、シェフチェンコでさえもベンチに置いておく。考え抜いた作戦を選手に詳細に語り、ピッチで何をすべきかを明確する。サッカーの勝負は、ゲームが始まらないとわからないという俗説を否定してみせる。 ドログバは4年間のチェルシー生活で、モウリーニョ理論に幻惑されたらしい。監督の抜けた穴が大きすぎて、気力が出ないらしい。「ここで、これ以上証明するものはない気がする。他の世界を見る必要がある」「気持ちは固まっている」インテル、ミラン、バルセロナ、マドリード、マルセイユを口に出して、新たな挑戦を始めることを表明した。おそらく、バルセロナに移籍したアンリの活躍が刺激しているのだろう。夢のあるサッカーをやりたいのは誰でも同じだが、もっともチェルシーに適応した選手であるドログバが移籍希望を宣言した意味は重い。モウリーニョの消えたチェルシーは、どうやってドログバを引き止めるのだろうか。
2007.10.19
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F1世界のドライバー人事ほど読み解きがたいものはない。何とマッサがフェラーリと契約延長にサインしたという。「驚き、桃の木、山椒の木」である。これではアロンソ移籍問題が再び堂々巡りになってしまう。マクラーレンから脱出を狙うアロンソの目的地がフェラーリにあることは知れ渡っている。ところが、フェラーリのジャン・トッド代表は「アロンソの言動が大嫌い」ということで、もめそうな予感がしていた。素直で言うことを聞く人間でないと危険であることを何度も実感させられているのだろう。ミハエル・シューマッハは偉大なドライバーだったが、ライバルのフェラーリ入りを排斥し続けてきたことでも知られている。誰だってNO1を独占したいし、NO2の境遇に我慢できない。ライコネンが存在するフェラーリにアロンソを呼び込むことは、火薬庫の導火線に火をつけるようなものである。アロンソをフェラーリに勧誘することは、この上なく危険であることをジャン・トッドは熟知している。 マッサのドライバーとしての力量は、アロンソに比較すれば見劣りするだろう。腕だけがF1ドライバーの条件ならば、マッサの居場所はフェラーリにはない。しかし、F1チームが組織として動かねばならないのなら、内部で対立を起こさないマッサにポイントが上がる。二人のドライバーが喧嘩もせずに親密な関係を維持できるなら、わざわざ災いを呼び込むことはない。フェラーリにはマッサのほうが向いていると判断したのである。もちろん、この保守的な発想を批判する空気はフェラーリ内部にも強いだろう。フェラーリがアロンソに門を閉じたことは、フェラーリが衰退に向かう危険すら予感させる。 アロンソを獲得できる絶好のチャンスを見逃したことは、幸運が他のチームに向かうことを意味している。行き場のないアロンソを獲得したチームは、2・3年後に強力な競争者に成長してくるはずである。ルノーやトヨタが裏で動くのも無理はない。ハミルトンやアロンソ級のドライバーを獲得できるチャンスなどそんなに転がっていないからになる。 フェラーリは自社の技術に自信があるのだろう。アロンソなしでも、ハミルトン+マクラーレンに勝てると考えているらしい。しかし、2年間はルノー、この1年はマクラーレンに劣っていたことも事実である。そして、どちらのチームにもアロンソがいた。フェラーリを超えるチームにしたいならば、「アロンソを獲得すればよい」と考えるのも無理はない。アロンソがどこに向かうかで、F1世界の流れが変化していくことは避けられない。フェラーリ首脳陣だって、そんなことは百も承知でマッサを選択したのだから、強い確信があるはずである。それでも、未来を予測することほど難しいものはないから・・・。
2007.10.18
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人を信じられなくなると、あらゆる動きに疑いの目が向かう。マクラーレンはランキング1位のハミルトンと2位のアロンソを平等に扱うと宣言しているが、スペイン人たちはその言葉が信じられないようである。そこで、FIAは監視団をブラジルに送ることにした。アロンソに対する不利な行動を起こさないようにマクラーレンを監視するのである。もちろん、ピット内部で行われるマシンの整備を外から監視などできないのだが、威圧して不平等をおこさないように牽制することにした。比較的冷静に眺めている日本人からすると、滑稽にさえ見える出来事なのだが、英国とスペインの対立はそれほど凄まじい。 日本GPのときにハミルトンの雨中走法にクレームをつけたウェバー(レッドブル)は、英国のマスコミの餌食にされて、強いバッシングを浴びてしまった。英国人のハミルトンに対する思い入れは凄まじく、敵対するものは一人として許さない姿勢を強めている。もちろん、アロンソに対する憎悪は激しく燃え上がっている。マクラーレンは英国のチームであり、構成員も英国人が多い。ハミルトンは10年間もマクラーレンと手を取り合ってきたので組織になじんでいる。スペイン人のアロンソが入り込める隙間は、最初から小さかったのである。とはいっても、マクラーレンMP4の性能はトップクラスだから、おいそれとルノーに戻るわけにも行かない。 スペインのマスコミもハミルトン憎しに炎上している。上海でリタイヤしたハミルトンが、すぐにマシンを離れなかったのは規則違反だと抗議している。スペインではアロンソ神話が絶対なので、誰もがマクラーレンの陰謀をありうる話として信じ込んでいる。FIAのスペイン代表がモズレー会長に持ちかけて、ブラジルに監視団を送ることにしたのも、スペインの世論の激烈ぶりを示している。ロン・デニスの陰謀に苦しむ「悲劇の主アロンソ」という扱いだから、英国とスペインの対立は延々と続くことになる。 ハミルトンは上海で勝ちを意識しすぎて、タイヤのリスクを冒してリタイヤに追い込まれた。アロンソは上海予選で4位に終わったのはチームの陰謀のせいだと感じて、オフィスのドアを蹴破ってしまった。どちらも頭に血が上っていることは間違いない。ミハエルとの戦いでは常に冷静さを保ったアロンソが、怒りや暴言を重ねているのはラテンの血のなせる業だとしても、大人気ないだろう。熱帯のブラジルでは気候が安定しない。インテルラゴスで何が起きるかを予想することは難しい。最後には、冷静さを保ったドライバーが勝つのだろうが・・・。
2007.10.13
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ルノーが日本GPのときに、アロンソと秘密交渉したことがスペインで暴露されている。ルノーが王座から転がり落ちた第一に要因はアロンソの移籍だったから、必死に取り戻そうとしていることは間違いない。来年度の計画やマシンの仕様等を説明して、ルノー復帰を勧誘したという。アロンソはマクラーレンとの契約がどう動くかことわからないことを説明して、1年契約なら可能性があることを話したらしい。マクラーレンとの契約は1年間残っているので、それを肩代わりしてもらうならば(同じ契約条件という意味らしい)、ルノー復帰もありうるとルノー側は解釈している。 ところがパリの本社側でゴーン社長の否定的な発言があり、話し合いはブラジル以降に持ち越されたという。ルノーには慣れ親しんでいるので復帰したいのが本音だろうし、周囲が敵ばかりのマクラーレンでは息が詰まってしまう。ところが、最大の障害はルノーR28の性能が不透明な点にある。今年のR27程度の戦闘力だと、とてもマクラーレンと戦えない。ハミルトンが表彰台でシャンパンを浴びるのを黙って見ているしかない。これでは屈辱の1年間になってしまう。アロンソとしては、何としても同等のマシンが欲しい。フェラーリ移籍が不可能ならば、マクラーレンで我慢するという手も残されている。ロン・デニスと会話しなくても、サーキットで戦うことに不都合はないからになる。 フェラーリがアロンソを狙っていることは、経営陣の発言からも想定できる。レースに勝たねば金庫が干上がるのは、どこのチームも同じである。ハミルトン+マクラーレンに対抗できるのは、アロンソ+フェラーリしかないのは明らかだろう。フェラーリはライコネンとマッサの契約が残っているから、来年度に移籍させることはできない。二人の契約が切れる09年度からだったら、アロンソを誘致できる。問題はその1年間をどうやって過ごすか決定できないことにある。アロンソは劇薬であり、効果も大きいけれどマイナス面もある。 ゴーン社長がアロンソとの1年契約を気に入らないのは、ルノーからフェラーリに渡り歩かれることを危惧しているからになる。それではルノーの立場がない。アロンソは来年度以降のルノーの戦闘力を見極めてから契約したいはずである。トヨタもアロンソを獲得したいだろうが、レースで実績を残さないと話し合いにも入れない。ロン・デニスが嫌いでも、ハミルトンと互角に戦うにはマクラーレン残留が近道になる可能性が高い。マクラーレンから嫌がらせを受けるくらいなら出て行くべきとスペインのマスコミは主張するのだが、勝たねばならないアロンソは感情だけで動けない。さて、どうなることやら・・・。
2007.10.11
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金をめぐる争いになると、なかなか妥協というのはできないものらしい。プロドライブがFIAからF1参入を認められて以来、マシンの供給先はマクラーレンが有力と見られていた。ロン・デニスもデビッド・リチャーズと交渉中であることを公にしていたくらいである。ところが、10月になってもプロドライブのF1計画は白紙のままである。どのようにして参戦するかさえも闇の中にある。マクラーレンとの金額交渉が難航しているのかと思われていたが、ここにきて契約そのものが決裂寸前にあることが明らかになってきた。 プロドライブのF1チーム設立計画は、独特の方法論になっている。工場や開発部門を設立せずに、ワークスマシンを購入する(リース)方式を導入する計画を立てていた。マクラーレンのマシンを購入できれば、初年度から高い戦闘力を有することができる。問題はマクラーレン側の要求する金額が100億円以上と噂されている点にある。これでは、よほど運営を効率化しないと採算が合わない。そこでプロドライブは他ワークスともマクラーレンと平行して交渉を進めていたらしい。(プロドライブ側は可能性のあるワークスは3社としている)。1ポンドでも安くするために金銭の駆け引きにとらわれていたことが明暗を分けてしまった。そこにスパイ事件が起きた余波が重なり、合意に達していた計画そのものが打ち切られてしまったという。 プロドライブにしてみると、マクラーレンと提携することは最強の武器を手に入れることと同じである。それでも、マシンは相当高価だし、チームの主導権をマクラーレン側に握られる危険がある。リチャーズとしてはビジネスとして成功させる腹づもりだから、マクラーレン側は単なるマシン提供者に限定させたい。チーム運営や主導権を握られることを恐れていたはずである。ところが、マクラーレン側は利益を2倍にする戦略を考えていたから、話がまとまらない(スポンサーなどはすべてマクラーレンを通じて交渉していた)。マクラーレンを2つ設立すれば、利益は2倍になるという計算である。そこにリチャーズの活躍する余地はほとんどない。さらに、スパイ事件やアロンソ騒動でマクラーレン自体が揺れ始めている。自分のビジネスに赤信号が灯ったのである。 プロドライブを一番悩ましているのは、「新コンコルド協定」にある。多くのチームはマクラーレンが4台登場したのではたまらない。そこでカスタマカーを使うチームにコンストラクターズ・ポイントを与えない条項を盛り込むことにした。こうなると、プロドライブが上位に進出しても、FOMの報奨金(総額500億円)を受け取れなくなる。(SuperAguriやトロロッソもこの条項を盛り込むことに強く反対している)。それゆえに、新コンコルド協定の締結は不可能な情勢になっている。あまりに対立が激しいので、来年度は現行の協定を延長させたいというのがFIAの意向であり、そうなるとカスタマカー自体が禁止になってしまう。そこで控訴裁判所でプロドライブの参入問題を審理することになっている。その判決が出るまで、プロドライブも動くことができない。 プロドライブの08年度参戦の方法は3つ考えられる。(1)FOMの報奨金(総額500億円)を諦めて、新コンコルド協定に署名して成立させ、マクラーレンに頭を下げて参戦する。(2)工場を建設して開発部門を設立し、F1コンストラクターとして出発する。(来年の3月までにF1マシンを完成させる時間がない)。(3)マクラーレン以外のワークスと交渉して、何とか開幕までにマシンを手に入れる。(余りに時期が遅いので、倉庫に眠っている旧型車を借りて参戦するしかなく、スポンサーが納得しない)。プロドライブのF1参戦には難問が山積みにされていて絶望的ではある。とはいっても、何が起きるかわからないのがF1の世界なので・・・。
2007.10.10
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上海GPで予選4位にとどまったアロンソは、これがチームのハミルトン優位の策略と感じて、マクラーレン・オフィスのドアを蹴破って破壊してしまった。ヘルメットも床に叩きつけてしまい、決勝では別のヘルメットを着用したという。怒りの原因は、ハミルトンよりも0.6秒も遅いタイムに納得できないことにあるとアロンソ本人が語っている。上海のレース本番を見ると、これはポール・ポジションを狙ったハミルトンの燃料軽量作戦だとわかるのだが、事情を知らないアロンソはメカニックが遅くなるようにセットしたと錯覚して、激怒したのだった。チーム内で孤立しているアロンソには正確な情報が伝わらず、焦っていることが感じられる。 タイヤ・トラブルでリタイヤしたハミルトンの状況を説明したロン・デニスは「我々が戦っていたのはキミ(ライコネン)ではなく、フェルナンド(アロンソ)だった」と語っている。「キミが優勝して、ルイスが2位になるのが妥当だった」と言うロン・デニスの言葉にも、アロンソがチームを信用していない状況を露骨に表している。スペイン人のアロンソにとって、英国風のマクラーレンは異質の文化だったとしか言いようがない。 アロンソが出て行けば、その代わりにマクラーレン入りするのがバトンというのも面白い話題だろう。忍耐強いバトンならば、同じ英国人のハミルトンとうまくやれるはずという評価を喜んでいいのやら。バトン自身はHONDAとの契約を優先すると離しているけれど、マクラーレンはよほどラテン系ドライバーに懲りたのだろう。アロンソの悪行が次から次に出てくるのも、内部の反発の強さを暗示している。たしかにアロンソとハミルトンのタイム差は0.01秒程度しかないので、0.6秒の差があるとアロンソが疑惑を感じてしまうのも無理はない。それを感じさせる空気がマクラーレン内部に満ちていることにもなる。これではメカニックともうまくいかないし、かなり辛い立場に立たされている。スペイン人と英国人では互いに協調するという熱意がないらしい。 現在、バーニー・エクレストンとルノーのブリアトーレ親分がそろって急遽欧州に戻っている。この二人が共同で謀議しているのだから、ルノーF1に何かが起きていると噂されるのも無理はない。ブリアトーレは中国GPを欠席さえしている。過去にこのような行動はなかったと言うから、よほどの緊急事態が起きているというしかない。それが何なのかは謎なのだけれど、ルノーF1あるいはアロンソに関しての緊急会議であることは確かだろう。大西洋に嵐が近づいていることは確かなのだが・・・。
2007.10.08
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上海のピットレーンで何が起きたのだろう。レインタイヤの磨耗に悩んでいたハミルトンは、何とか31周目まで粘ってピットレーンに向かった。その瞬間にコースアウトしてリタイヤしてしまう。(本人はミスだと語っている)。路面が乾いてきて、磨耗が明らかになった段階で、タイヤ交換などの対応をすべきだったろうが、確実にポイントを獲得するために、ピットインのタイミングを遅らせたことことがアダになってしまった。濡れた路面を恐れないハミルトンの優れたドライブ能力が、逆の運命を呼び込んでしまったといえる。たしかに、レインタイヤの使い方はベテランのライコネンのほうが巧みだった。無理をせずにタイヤの磨耗を抑えて、一気にハミルトンを抜き去っていった。 アロンソはおそらく諦めの心境だったので、ルノー時代のような待ちの作戦に切り替えていて救われた。無理をせずに生き残り、ポイントを蓄積するのがアロンソの得意技だったのに、雨の富士では焦りの心境からかリタイヤに追い込まれている。この反省もあったのだろうが、雨の上海のコースに適応したドライブで、フェラーリのマッサを抜いて2位の8ポイントを獲得した。リタイヤしたハミルトンは総計107ポイント、アロンソは103にまで接近している。ライコネンは100ポイントに到達して、わずかなチャンスを残した。これでブラジルで何が起きるかわからなくなったといえる。相変わらずハミルトン有利だが、ブラジルの荒れた路面と不安定な気候は混乱を起こす要素になる。チャンピオンシップは最後まで気を抜くことはできないことを立証した上海のレースになった。 ベッテルは死に物狂いの走りを見せ、ごぼう抜きをして驚きの4位でフィニッシュした。17位からの急上昇であり、ドライバーとしての才能をようやく披露できた。マシンがハミルトンと同等のものならば、最強のライバルになれるはずである。惜しいのは、レッドブルとの長期契約があり、フェラーリやマクラーレンに移籍できないことにある。このまま埋もれてしまうとしたら、これほど惜しいドライバーはない。バトンも不死鳥のようによみがえった。予選でも何とか10位に食い込んでいたから、マシンさえ良ければと言う格好の見本になる。同じマシンを使うバリチェロの不振がなぜなのかを疑うような走りを見せてくれた。(バリチェロはよほどRA107が嫌いなのかもしれない)。HONDAがはたして復活できるのだろうか。すべてはブラジルの地で明らかに・・・。
2007.10.07
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ルイス・ハミルトンに対する包囲網が強まっている。強ければ強いほど、ライバルたちの反発を受けるのは当然だろう。新人でチャンピオン獲得というのは画期的な業績なので、一方でこれを賛美する立場が出てくる。スパイ事件でマクラーレンが全ポイントを剥奪されたのに、ドライバーが救済されたことはその典型になる。これまでの判例では、チームが不法行為を問われると、ドライバーも運命を共にしていた。アロンソとハミルトンの救済されたのは異例な判断であることは間違いない。 それとは逆に、ハミルトンの王座獲得をぶち壊そうとする企みが起きても不思議ではない。雨の日本GPはさまざまな出来事に満ちていたが、ハミルトンはまったく危なげのないドライブで勝利した。ところが、ベッテルの追突事故をめぐるビデオの提出で、緊迫した事態が生まれていた。セイフティカー出動中の危険なドライブ(急加速と急減速)を指摘され、危うく日本GPの10ポイント剥奪を受けそうな立場に追い込まれた。ベッテルの追突事故の原因はベッテルの不注意ではなく、ハミルトンの急減速にあると判断された時点で、危険度は最高潮に達したといえる。ベッテルの無罪が認められた時点で、追突の原因をつくったハミルトンにペナルティを与えるかで審議が続いたはずである。この最終判断はきわめて難しい。直接にチャンピオンシップに影響を与えてしまうからになる。 トロ・ロッソ側の抗議は、「ベッテルの10位降格のペナルティ」に対するものであり、ベッテルが無罪とされた時点でその要求は満たされている。トロ・ロッソはそれ以上の追求を望んでいなかったので、結果的にハミルトンは救済されたといってよい。ハミルトンにペナルティを与えようという動きがあったことは間違いなく、それが政治的な色彩を帯びてきたことで、日本GPの結果を変更することは危険だと考えたのだろう。 もし、ハミルトンが有罪になり、日本GPの10ポイントが取り消されでもしたら、大混乱が始まったことは間違いない。中国GPの予選10位降格はありうる事態だったけれど、これも影響が大きすぎるという判断で見送られている。残り2戦の最終段階で、チャンピオンシップを争っているハミルトンを罰することはできない。それによって、ハミルトンが王座を逃せばFIAのせいにされる。露骨にアロンソ有利に動くことはさすがにできなかった。場外乱闘ではなく、コース上で結果を争ってくれというのがFIAの本音だろう。
2007.10.06
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本拠地グラスゴーで戦うときのセルテックは強い。昨シーズンも王者ACミランと対等の試合を1繰り広げている。昨年度のミランが苦戦したのはセルテックだけだったから、スコットランドをなめてはいけない。浦和の活躍で、アジアでもチャンピオンリーグが盛り上がってきた。しかし、スコットランドの声援の凄まじさは言葉では表せない。スタジアムの振動でTVカメラが揺れるのである。大合唱と大声援が相手チームを惑わせ、混乱させる。セルテックはホームゲームでほとんど負けることはないが、敵地ではすごく弱い。シャフタル・ドネツク(ウクライナ)との初戦にはあっさりと敗北している。負けるわけにはいかない戦いだった 1点目はミランのオウンゴールのような点の入り方に見える。コーナーキックのボールをクリアし損ねたというのが本当のところだろう。それでも、スタジアムには激しい炎が燃え上がってしまう。こうなるとミランとはいえども心理的な圧力がかかる。いつもの積極果敢な攻撃は影を潜めて、PKで同点になるまでは流れを呼び込むことができなかった。愚かなセルテックのDFのおかげでPKを獲得できたミランは、引き分けに持ち込むことを狙って引き気味の布陣を敷く。引き分けでは決勝リーグ進出が絶望的になるセルテックは、39分に中村俊輔を投入する。膝が痛いなんていっていられない状況だった。 決勝点は90分を過ぎてから生まれた。それも俊輔のスルーパスがミランのDFの横をすり抜け、それを後方にパス、これをコールドウェルが思いっきりシュート、何とジーダが弾いてしまい、つめていたマクドナルドが切れ味よくハンバーガーゴールを決めた!満員のスタジアムが轟音に揺れる中でゲームは終了した。ジーダに何かが起きたようだが、スタジアムはそれどころではない。ACミランには前シーズンのような破壊力がなく、カカも疲れからか動きが鈍い。スコットランド流の激しいプレスにミランの選手は立ち往生してしまった。これでD組はシャフタル・ドネツク(ウクライナ)が1位になるという番狂わせを演じている。ミランとセルテックは本調子ではなく、残り4試合の行方は読みきれない。 ローゼンボリとの引き分けで、予選落ちの危機に追い詰められていたチェルシーは、ドログバの信じがたい個人技によってバレンシアに逆転を食らわせた。ロングパスを最前線で受けたドログバはDFと競り合いながらも、キーパーをすばやくかわしてシュート!、これが見事にゴールへ突き刺さった。スペインのバレンシアは強くて、チェルシーも苦戦の連続だったが、敵地スペインでの1勝は大きい。(何とリヴァプールはマルセイユに敗北したという。CLだけには強かったリヴァプールが予選落ちの泥沼にはまっている)。グラスゴーの敗戦で水面下に沈んでしまったミラン、そして何とか1勝1敗に持ち込んだセルテック、連勝で1位を突っ走るドネツク、はたしてどこが予選リーグを突破できるのだろうか。
2007.10.04
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ハミルトンの優勢が続いているF1世界で、マクラーレンの野心的な計画が浮上してきて衝撃を与えている。単純に言えば、マクラーレンを2分割して、正統マクラーレンとプロドライブ+メルセデスの2チームを創造するというアイデアである。マシンはまったく同じものを4台使う事になる。開発部門は共通であり、マシンの細部だけが好みで調整されることになるだろう。このアイデアの凄い点は、売り上げや利益を倍増させるという最終目的にある。最新型の4台をそろえれば、対等に戦えるのはフェラーリ程度になる。開発費は2チーム分を投資できるから、圧倒的に有利な立場を築くことができる。 FIAのコンコルド協定がもめているのも、カスタマカーチーム(トロロッソ、SuperAguri、プロドライブ)の扱いをどうするかで意見が分かれているためである。ウィリアムズは自社製作するチームと借りるだけのチームを対等に扱うのはおかしいと主張している。そのために、カスタマカーチームのコンストラクターズポイントは削減される方向に進んでいる。マシンを借りて戦っているだけのチームに、ポイントを与える必要はないと言う意見は強い。ところが、FOMの分配金(総額500億円)はコンストラクターズポイントの獲得数に応じて配分される。要するに、カスタマカーチームは賞金が減らされることになる。3チームが反発して、会議がまとまらないのは当然だろう。 カスタマカーは本来弱小チームを救済することが目的になっている。資金や開発能力によって、自社開発のできない弱小チームがワークスと対等に戦える環境をつくるというのが究極の目的になる。ところがマクラーレンのアイデアは、2つの強力なF1チームを持つという発想だから、反感を買うのも無理はない。マクラーレンの4台が確実に表彰台を独占するようになると、スポンサーや広告代理店もマクラーレンに接近するだろう。ワークスチームさえも入賞できない事態も予想される。中堅チームや弱小チームには何も残らない。美味しい部分はすべてマクラーレンの4台に獲られてしまう。いずれ、フェラーリも同じアイデアを実現するだろうから、逃げ場がなくなる。ウィリアムズの主張が理解される要因である。 ハミルトンとアロンソの対立は解決策がないように思われていたが、マクラーレン分割で正統マクラーレンにハミルトン、プロドライブ側にアロンソという組み合わせで問題が解消できる。アロンソの決断を待っていたルノーやトヨタはがっかりするだろうが、両チームとも深刻さに気がついていない。マクラーレンの4台とフェラーリの2台がコースを席巻すると、ルノーやトヨタはいっそう目立たなくなる。HONDAがSuperAguriに最新型を供与する余裕がないと話すのも当然である。プロドライブ計画が進行すれば、ワークスさえも脇役を演じる時代が到来する。才能あるドライバーにとって、マクラーレンの空席が2つもあるという点が強烈な魅力になる。トヨタを追い出されたラルフ・シューマッハでも交渉次第で・・・。
2007.10.04
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チャンピオンシップというのは勝者は一人限定だけなので、ライバル同士の人間関係は泥沼に浸かってしまう。シーズン序盤、友情で結ばれていたはずの人間関係は破綻して、とても維持できる状態ではなくなっているらしい。「アロンソには出て行ってもらいたい」。「アロンソはフェラーリ、僕はマクラーレン」という言葉には、チームの信頼を勝ちえた自信がみなぎっている。マクラーレン内部の支持率はハミルトンにあることは間違いない。 ロン・デニス代表はシーズンが終わってから契約の話し合いをすると語っているので、アロンソ待ちの状況は続くことになる。アロンソのルノー復帰をブリアトーレ親分は心待ちにしているが、戦闘力不足のルノーをアロンソが選ぶ可能性は少ないだろう。ラルフ・シューマッハの解雇を決めたとトヨタも性能不足のマシンを抱えていて動けない。ハミルトン+マクラーレンの組み合わせに対抗できるのは、たしかにアロンソ+フェラーリしかないというのが硬直化している原因でもある。負けず嫌いのアロンソが年に一度の表彰台や7位のランキングに満足できるわけがない。 フェラーリ首脳がどのように動くかは不透明である。ジャン・トッドはトレードに強く反対しているけれど、フェラーリの経営陣は2年連続の王者獲得に熱意を持っているという。アロンソが移籍すれば、ライコネンとマッサのうち一人は出て行かねばならない。トレード候補にされたマッサは悔しいだろうが、サーキットで見せた力量はライコネンが一枚上だから文句も言えない。最終的にはフェラーリとマクラーレンに契約を守る義務があることが関門になる。分厚い契約書を無視して、無理やりトレードすることなどできない相談になる。 エクレストンが語ったという08年度アロンソ休養説も面白い。アロンソが1年間休養した後で、フェラーリに移籍するという説である。ロン・デニスとアロンソとハミルトンの人間関係を勘案すれば、この提案が一番穏当だろう。負ける選択肢を選ぶくらいならば、休養したほうが賢明な策になる。アロンソが魚釣りやヨットの生活に満足できるかが難問になるが、ライバルのハミルトンがシャンパンを浴びるのをTVで見ているしかないという生活に納得できる男でもあるまい。 欧州では契約書が優先される。一度契約書にサインすると、破棄することは莫大な損失をこうむる。アロンソがマクラーレンで戦うと決意すれば、それを止めることができるものはない。富士で見たように、ハミルトンの速さに対抗できるのはアロンソしかいない。独走、また独走の退屈な08シーズンにするよりも、危険をはらんでいてもハミルトン対アロンソの対決を見せたほうが演出効果は高い。NO1待遇をしないとメールを暴露すると脅したアロンソが簡単に引き下がるはずもないし・・・。
2007.10.02
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日本GPの結果は世界中に配信されて、富士スピードウェイの最新設備のすばらしさも絶賛されている。その影で、シャトルバスを待たされた14万人の悲劇についてはほとんど語られていない。そこでヤジ・キタグランプリ珍道中を一席。野次さん「凄い広いねえ!さすがに世界一を自慢するだけのことはあるねえ」喜多さん「トヨタが贅を尽くして設計したサーキットだから、F1ドライバーも驚くしかない」野次さん「それにしても、雨の中をとことこ歩かされるのには驚いたっす」喜多さん「バスはターミナルまでだから、サーキット内はすべて歩くのさ。バス&テクテク」野次さん「C席は1コーナーだから、最終コーナーに近いターミナルからだと、ストレートを超えてコースを半周も歩くことになっちまう。とほほ、疲れる」喜多さん「とうりゃんせ、とうりゃんせ、行きはよいよい、帰りは・・・」野次さん「あれれ、C席は1コーナーのブレーキングが見ものなのに、じゃんじぇん見えん」喜多さん「設計ミスの仮設スタンドの悲劇じゃな、誰も視界を考えずにデザインしてシマッタという話じゃ。シマッタ、後の祭」野次さん「雨でセーフチイカーが先導しているけれど、このままパレードで終わりかなあ」喜多さん「心配御無用!、チケット販売や世界中のTV放映を考えると、エクレストンは無理やりでもスタートさせるはずさ。ほれ、始まった」野次さん「何とアロンソがクラッシュ・・・(泣く)。それでもベッテルは3位に食らいついている。あああ、2位のウェバーに追突しちまった。ウェバー怒ってる、怒ってる。ベッテル泣いてる、泣いてる」喜多さん「セイフチイカー出動中、ハミルトンの急ブレーキに驚いて追突するなんて・・・。表彰台3位をふいにしちまったのだから、今夜はベルガー親分から絞られるぞ」 野次さん「レースが終わりましたぜ。ハミルトンはさすがでしたね。喜多さん、どうしてそんなに慌てて出口に?」喜多さん「とうりゃんせ、とうりゃんせ、帰りは14万人がバス停に一気になだれ込むから、いそいでターミナルまで行かないと」野次さん「す、凄い。こんな行列見たことない。ラーメン屋もびっくり、ざっと数千人は並んでますよ。ま、前が見えないス」喜多さん「提灯みたいな行き先灯が立っているだけで、表示板もないから、どこの行列に並べばよいやら」野次さん「暗くなってから、誘導員が消えちゃいましたよ。真っ暗闇で何も見えなくなっちゃった」喜多さん「きのう、ターミナルの陥没事故でシャトルバスがストップ、群集が怒って係員を取り囲んで大騒動になったらしい。それで全員怖くて逃げ出したようじゃな」野次さん「バスは見えるのに、行列は弓の字に曲がりくねっているから、なかなかバス停までたどり着けませんね。雨は降っているし、地面は泥だらけで座れないし、4時間も待たされるし、バスは並んでるのに乗れないし、踏んだり蹴ったり」喜多さん「シャトルバスを3000台集めたというけれど、富士の接続道路は細く、サーキットの出入り口も2箇所しかなく、渋滞が起きるのも当たり前。渋滞でシャトルバスが動けなくなり、数千人がバスを降り、徒歩でゲートを突破して開始の1時半に間に合ったという。情けなや。見てごらん。バスターミナルには照明もなく、じっと待たされるだけ。観客のことを忘れておるわい。コース脇の大型スクリーンを移動させて、最新映画でも見せればよいのに、ぶつぶつ。バス停には乗客誘導員が一人しかおらず、バスに乗せるためにてんてこ舞いの忙しさ。なかなかバスが発車できないのも無理はないわい」野次さん「やっとバスに乗れそうだけど、後ろを見るとまだ何千人も並んでますよ、怖い~」喜多さん「雨で煙る暗闇に、無数の人影が浮かび上がって・・・」
2007.10.01
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