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富士スピードウェイの降雨という状況に屈せずに、最高タイムを出したハミルトンは本物というしかない。雨で路面が濡れていれば、思わぬトラブルや事故が起こりうる。無理は禁物だし、慎重にトライするとアロンソにトップタイム持っていかれる。凄腕を自認していたアロンソを厳しい気象条件の中で2位に追いやった意味は大きい。とんでもない才能が開花し始めている。マクラーレンとフェラーリ以外のドライバーは、予選を戦う前からお手上げの状態にある。 ミハエル・シューマッハ時代は退屈だった。緊迫感が足らなかった。手ごわいライバルが存在しなかったからになる。フェラーリはセカンド・ドライバーにミハエルと同格の人材を求めなかった。対等の競争を望むような野心家はフェラーリから遠ざけられていた。フェラーリ時代が続くと、ミハエル・シューマッハは5年間も王座を独占するようになった。フェラーリに対して、二人目に腕利きドライバーを採用せよという批判が集まったが、フェラーリは黙殺した。二人の同格の腕利きを集めたら、何が起きるかを承知していたからである。野心家を抱えると危険な目にあうことを見抜いていた。現在のマクラーレン・ドタバタ劇を見ていると、フェラーリの主張は筋が通っていることが理解できる。 マクラーレンは意図的に二人を競わせている。アロンソの王座獲得の経験が役に立つと考えていた人々は、ハミルトンの成長に戸惑いを感じているだろう。F1世界において、トップ・ドライバーがハミルトンであることは、雨の富士を見れば理解できる。濡れた路面で安定したタイムを刻み続けるには、熟達の技がいる。アロンソが2ポイント差で追ってくることを意識しながら、圧力に負けていない。アロンソを力で押さえつけ、過去の人物にしようと狙っている。アロンソが必要以上に対抗心を燃やすのも無理はない。 雨の決勝レースは予測がつかない。降雨の中で、ハミルトンが最後までトップを維持できると考えるのは甘すぎるだろう。どこかでアロンソも、フェラーリの2台も仕掛けてくるはずである。それでも、トラブルさえ起きなければ、ポール・スタートは大きな意味を持つ。滑りやすい路面で勝負を仕掛けるのは危険度が高い。コースアウトしてゼロポイントに終わったら、対決は終幕を迎えてしまう。完走してポイントを稼ぎながら、なおかつハミルトンを抜かねばならないのは、アロンソにとっても辛い。観客としては、戦いが激しければ激しいほど面白い。内部でゴタゴタしているとマクラーレンは批判されているが、「アロンソとハミルトンの対決」という場面を演出できただけでも価値がある。残されている課題は、どのように王座争いの幕を引くかだけなのだが、明日はF1を堪能しよう。シャトルバスは渋滞せずに無事に到着できるのだろうか。
2007.09.29
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日本GP金曜日のタイムは、マクラーレンがハミルトン1位(1:18.734)とアロンソ2位(1:18.948)の圧倒的なタイムを出して終わった。18秒台を出せたのはマクラーレンの2台に過ぎず、富士スピードウェイでの戦闘力は他を圧倒している。直線の高速ストレートと低速コーナーのバランスを取らねばならないので、足回りのセットアップは難しいのだが、マクラーレンは苦もなくものにして見せた。チャンピオンを狙うハミルトンが金曜日のトップタイムをとった意味は大きい。土曜の予選でポールポジションを取れば、日本GPで勝つ可能性が高まる。それはハミルトンの王座獲得に大きな影響を与えるだろう。 アロンソは冷静さを取り戻している。来年度の移籍話で大騒動になっているけれど、本人はマクラーレンとの契約を守る意思を表明している。ブラジルGPが終わるまでは動かないと言明したことで、アロンソ待ちのルノーやトヨタは身動きが取れなくなった。来年度の戦闘力を計算に入れると、マクラーレンとフェラーリ以外に移籍することは、チャンピオン獲得から遠ざかることを意味する。フェラーリのマッサもトヨタへの移籍を否定したことで、移籍大騒動はねずみ一匹に終わる可能性もある。(再燃する可能性も高い)アロンソが王座を獲得すれば流れが変わるかもしれないが、現実にはマクラーレンよりも優れたマシンを手に入れられる可能性は少なく、アロンソが動きたくても動けないというのが本音だろう。 フェラーリのマッサが3位(1:19.483)、トヨタのトゥルーリが4位(1:19.711)のタイムを記録している。ただし、19秒台には僅差でライバルが並んでいるので、土曜日の予選順位は読みきれない。5位にはフェラーリのライコネン(1:19.714)、6位にはルノーのコバライネン(1;19.789)、7位にはルノーのフィジケラ(1:19.926)が続いている。地元のトヨタ勢が力むのも当然だろう。これまでの不振イメージを一掃したいはずだから、予選に対してはきわどい作戦を練っているはずである。8位のクルサード(1:19.949)と9位のラルフ・シューマッハ(1:19.969)までが19秒台のタイムを出している。 鈴鹿から富士に日本GPが移動したことで、関東に住む者には朗報になった。それでも周辺の市町村は固唾を呑んで、日本グランプリ開催に身構えているはずである。シャトルバスを運行する交通プロジェクトも、あまりにバスの数が多いので渋滞すら予想されている。サーキット周辺は完全な交通規制が行われるから、御殿場や富士五湖あたりでどのような出来事が起きるかを予測することも難しい。はたして渋滞を乗り切って、無事にサーキットに到着できるのだろうか。
2007.09.28
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メインスポンサーSSユナイテッド(石油取引会社)の資金不払いという契約違反で、財政的な危機に陥っていたSuperAguriに、複数の日系スポンサーが支援を表明している。新たにカロッツェリア(パイオニア)とフォーリーフ(健康食品)のロゴがマシンの胴体横に貼られている。日清食品とバージン・エア(航空会社)も加わるということなので、資金不足は一気に解消することになる。チーム設立からの苦労の連続が水の泡になる直前に、資金不足が解消したことは幸いだった。 SuperAguriはレースごとにマシンを自費でサーキットに搬送しなくてはならない。ホンダに支払うエンジン代やパーツ企業への支払にも事欠いていたというから、資金難は深刻だったはずである。F1は世界的にはメジャースポーツでも、日本国内ではマイナーなので認知度を優先するスポンサーは見向きもしなかったというのが現実になる。日本GPの段階になって有力スポンサーが名乗り出たのも、必死の説得工作が功を奏したのだろう。スペインや中東の石油資本に株式を売却するという噂もあったから、何とか日系F1チームとして生き残れることは幸運だったというしかない。 SuprAguriの最大の課題は、来シーズンのマシンをどう調達するかにある。100人程度の組織をマシンの自力開発が可能な体制にするには、少なくとも人員を200名程度まで拡大する必要がある。(それでも戦闘力はSA107レベルに終わるだろう)もうひとつの選択肢は、ワークスマシンを購入する道になる。これが一番有力と見られていたけれど、カスタマカー・チームにはFOMの分配金(総計500億円)が支払われない条項を加えることを討議しているために、コンコルド協定が締結されないという事態に陥っている。(自力でマシン開発するウィリアムズが強硬に条項を入れることを主張している。苦労して自力開発するチームよりも、楽をするカスタマカーチームが上位に来るのを嫌っている) HONDARA107の戦闘力は低く、ポイント獲得はSA107程度にとどまっている。RA107を採用すると相当苦戦することが予想できるから、それならばSA107改のほうがましと考えても無理はない。SA107(実質旧型RA106) のボディに最新のエンジンと空力パーツを加えれば、そこそこの戦闘力が期待できる。(ただし、多くの人が期待している佐藤琢磨の活躍は見られなくなるだろう)マクラーレンがポイント剥奪処分で圏外に落ちたことで、SuperAguriは7位になる可能性もあるから、それなりのFOM分配金が支給される。新たなスポンサー資金に加えて、FOM分配金(数十億円)を生かさない手はないから、悩ましい選択になる。 HONDAが本気になって開発している来年度型RA108をそのままリースしてもらえばありがたい。しかし、旧型と違って支払額は大幅に増える。HONDA側も常に4台のマシンのアップデートを行わなければならないから、おそらく嫌がるだろう。旧型マシンならば、改良する主体はSupeAguriとワークスではないHONDA埼玉になるから、資金負担が大幅に減る。マシンの戦闘力と分配金(来年度の成績)とスポンサー資金などを複雑に計算しなくてはならないから、頭が痛い問題なのだが・・・。
2007.09.28
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浦和レッズは昨年度のアジア王者である全北現代(韓国)を2-0で破って準決勝に進んでくれた。ところが、川崎フロンターレは2試合とも0-0という結果に終わり、最終章はPK戦決着になった。そこでアジアカップの悲劇が繰り返されてしまった。いつものことだが、日本人はプレッシャーに弱い。遠藤(G大阪)のようにPKを得意技にしている選手もいれば、羽生のように蹴りたくないと思う選手も出てくる。PKに失敗する理由はプレッシャーの重さと経験不足になる。練習では平気でも、大観衆の見守る緊張した場面では心理を不安定になり、思うようなキックが蹴れない。日本人はミスを極端に恐れるから、なおさら外しやすい。(Jリーグの引き分け試合の場合は、PK戦で決着をつけろと主張する根拠になる。そうすれば経験を重ねることができる) 川崎フロンターレが準決勝に進出できなかったのは力不足というよりも、過密日程にあることは間違いない。土曜日のリーグ戦の合間に、水曜日にイランに行って1試合をしてくるなどということは、日本とイランの時差を考えれば愚かな日程という話になる。協会が8選手を先発させなかったといって、川崎を批判するのは筋違いだろう。欧州CLでも勝ち残るためにはあらゆるアイデアを絞る。昨年度のACミランとリヴァプールが決勝に進出したのも、リーグ戦優勝に無関係だったことが大きい。選手起用に無理をする必要がなければ、リーグ戦とCLの過密日程に勝ち残れる。チェルシーは優勝がかかっていたので選手に無理をさせてしまったことが敗因になっている。 これまでJリーグのチームがアジアCLの予選リーグで敗退していた理由は、早く楽になりたいという心理であったことは間違いない。勝ち続ければ勝ち続けるほど厳しい日程が待っているというのでは、選手はやり切れなくなる。アジア一の実力と他のアジアのクラブ監督からも認められたガンバ大阪が敗退したのも、過密日程の疲労が重なったことが原因だろう。それを知りながら、このような日程を組む協会もどうかしている。川崎フロンターレがPK戦に負けても、スタジアムでは観客の暖かい拍手が続いたということがわずかな救いになっている。 浦和と川崎の奮闘で、アジアCLが大きく盛り上がったことは嬉しかった。これまでは話題にすらならなかったから、アジアCLの行われるスタジアムはがらがらだった。クラブ側も運営が赤字になることで、アジアCLは迷惑程度にしか考えていなかった。このマイナスの流れを断ち切ってくれたことが大きい。ジュニーニョの惜しいシュートを見ていると、川崎が勝てたはずなのにという思いが残るけれど、韓国遠征した浦和が勝ったことで埋め合わせはできた。川崎と韓国のスタジアムも昨年度までの空席状態ではなく、大いに盛り上がっていた。これはアジアCLが発展するチャンスがめぐってきたと証拠になる。そのきっかけを川崎フロンターレは生み出したのだから、谷口も肩を落とすことはない。あとは浦和レッズが横浜の決勝戦で、ACミランと戦うことができるのだろうかと思わせてくれるだけで・・・。
2007.09.26
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マクラーレン関係者を喚問したFIA聴聞会の議事録が公開されている。F1の世界は目に見える部分と見えない部分の落差が激しい。フェラーリの処遇に不満を抱いたナイジェル・ステップニーは、門外不出の機密資料を持ち出した真犯人とされている。このフェラーリ・スパイ事件が大きな波紋を引き起こしてしまった。マクラーレン内部では、ロン・デニス代表とフェルナンド・アロンソに深刻な対立を呼び起こしている。ハンガリーGP以来、二人は会話すら交わしていないという。話しをするような間柄ではないというロン・デニスの言葉に深刻さが表れている。このままでは、マクラーレンとアロンソが契約を延長することはありえないだろう。そこで、さまざまな噂が巻き起こっている。アロンソのフェラーリ移籍という爆弾さえも伝えられている。 FIA聴聞会にはロン・デニスが出席して、「メール事件」の背景を語った。フェラーリから機密資料を盗み出したと疑いをかけられているステップニーは、友人であるマイク・コフランに資料を渡した。FIAの1回目の査問では、フェラーリの資料がマクラーレンの開発に利用された形跡はないとの判断で、マクラーレンは無罪とされていた。メール事件はこの判断が誤りであったことを告げている。マイク・コフランはフェラーリのタイヤ・セッティングに関するデータをテスト・ドライバーのデ・ラ・ロサに渡して、サーキットで試すように依頼したらしい。フェラーリ出所ということは極秘にされていたので、マクラーレンの内部調査でも資料が流用されたことはないとされた。 テスト結果に驚いたデ・ラ・ロサはアロンソにメールを送り、極秘データがマクラーレン製でないことを語ったらしい。それほどの精密なブリヂストンのデータを作成できるのは、フェラーリしかいないという点で二人のドライバーは一致した。マクラーレン内部でも伏せられていたフェラーリのデータ流用は、別の事件により明るみに出ることになる。ハンガリーで起きたアロンソの降格事件である。スチュワードの裁定でポール・ポジションを奪われたアロンソは激怒して、ロン・デニスを訪れた。アロンソは「マクラーレンがNO1待遇を行わないならば、FIAにメールを告発する」という驚くべき言葉だったという。 事態の深刻さに驚いたロン・デニスは即座に弁護士を呼び、アロンソと同席させて善後策を話し合った。メール事件の真相を知らされた弁護士は隠すべきではなく、マックス・モズレーを探すべきだとアドバイスした。アロンソとの会談後、ロン・デニスがモズレーFIA会長に電話したのはこういう事情があった。まさにF1界を左右するアロンソの言葉である。翌日、決勝レース後にアロンソの弁護士がロンデ・ニスに謝罪に来た。アロンソの怒りに任せての暴言を謝罪している。メール事件は事実無根であるという内容だった。ロン・デニスは事態が沈静化したことをモズレーに連絡してメール事件は落着したかに見えた。その26日後に、マクラーレンのドライバーが喚問されることになり、マクラーレンは危機に追いやられる。FIAがメール事件の真相を追究する気になった理由は明らかにされていない。 ルイス・ハミルトンは10年間も育成プログラムで育てられてきた秘蔵っ子である。アロンソは2年連続の王者とはいえ、外様に過ぎない。新人と王者を対等に扱うという時点で、アロンソは不満を抱く立場に追いやられてしまった。ハミルトンが手ごわいライバルであったことも事態を複雑にしている。ミハエル・シューマッハに勝ちぬいたアロンソを上回るドライバーの出現を予測できなかったのは無理もない。これだけ首脳陣との対立が激しくなると、アロンソが契約を延長できるはずがない。そこでアロンソのマネージャーがフェラーリ移籍を狙っているという噂が流れてきた。ルノーは居心地は良くても、マシンに戦闘力がない。負けず嫌いのアロンソが勝てないマシンを選択するはずがない。席を奪われる立場に追いやられたマッサはトヨタと移籍交渉しているという。 ミハエル・シューマッハを上回る結果を出せるドライバーは、過去にも未来にも限られるだろう。フェラーリはシューマッハをNO1として優遇することで強く批判されたが、シューマッハは5度の王座に就くことができた。その姿を眺めていたアロンソは、マクラーレンの処遇が納得できないらしい。「王者のわがまま」といってしまえばそれで終わりなのだが、アロンソにはこれからの10年間が残されている。どうやって最高の条件を獲得して、タイトルに挑戦するかという難問を解かねばならない。そうやって、さらに多くの犠牲者が生まれることになるのだが・・・。
2007.09.24
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予期せぬ出来事というべきか、予想された事態と考えるべきかはさまざまだろう。モウリーニョ監督とアブラモビッチオーナーの不仲は世間の評判になっていたから、チェルシー退団は驚くことではない。それよりも開幕したばかりで、公式戦が3試合という段階でモウリーニョが退団したことが衝撃を与えている。これならば、シーズン前にやめておくべきだったと反省しているだろう。契約社会の欧州でも、監督業の明日を予想することはできないという事例になる。オーナーと対立しても貫きたいという願望があった段階で、モウリーニョの退団は避けられなかった。 公式戦の初戦のアストン・ヴィラに0-2で完敗した。ブラックバーンには1-1で引き分けた。そして3試合目は、ローゼンボルグとのチャンピオンズリーグ予選だった。ホームゲームなのに1-1の引き分けという結果が重くのしかかっていた。結果よりも、内容のぶざまな姿がオーナーを怒らせたらしい。チェルシー不調の理由はFWドログバとピサロ、MFランパードとバラックが故障で出場できないことにある。攻撃陣が本来の機能を発揮しない。頼りになるのは期待はずれのシェフチェンコしかいないという緊迫した状況が生まれていた。故障者が多いことが、監督の責任なのかという面は判断しにくい。 解任という表現を双方が避けたのは、功労者のモウリーニョに影響を与えないという配慮だろう。もし、最初から自由の身だったならば、マドリードなどもほうっておかなかっただろうから、監督の進退の判断は難しい。針の筵の上で頑張るよりも、居心地の良い環境を探したほうが賢明なのは明らかだったが、チェルシーの選手が引きとめたことが判断を曇らした。モウリーニョも義理と人情には弱かったというのが退団の背景にある。上層部が陰謀を企てる前に椅子を蹴るべきだったから惜しい。 チェルシーの絶対的な権力はアブラモビッチが握っている。球団首脳はオーナー命令に逆らえない。わずかな弱点も見逃すまいと身構えていた。そこにドログバなどの故障者が重なるという偶然が起きてしまった。1年間を通しての結果は負傷者が回復してくるから、そこそこのレベルになることは見えている。実績を残す前にやめさせてしまおうという陰謀だから、モウリーニョにはどうにもならない。1年目はプレミア優勝、2年目もプレミア優勝、3年目は2位に甘んじている。これを見れば、モウリーニョは卓越した手腕を持つ監督であることは明白なのだが、喧嘩する相手がオーナーではまずかった。権力者にも屈服しない姿勢を打ち出したことも事態が深刻化した理由である。 さて、はて、チェルシーの未来はどうなるのだろうか。いずれ故障者たちが復帰すれば、最強の軍団に戻ることは見えていても、憎まれ役のモウリーニョがいないのは、少し寂しい気がする。ヤクルトの古田監督も退団するというし、世の中というものはうまくいかないものだなあ。嫌われ者のモウリーニョと発展期だったチェルシーのサッカーは筋が通されていて、面白かったのだが。
2007.09.20
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来年度から、新たなコンコルド協定が発足する予定になっている。ほとんどの条項は12チームで合意できているけれど、話がまとまらないのはカスタマカー問題になる。08年度からは自力でF1マシンを開発しなくても、レースに参戦できる特権が与えられる。マシン開発には少なくとも200億円程度の開発費が必要になるので、この負担に苦しむ弱小チームを救済するのがFIAの目的である。ところがこの方針にウィリアムズなどの中堅チームの反発が強まった。苦労して自力でマシンを開発しているチームと、ワークスからリース方式で参戦するチームが同じポイントでよいわけがないと訴えている。 ウィリアムズの主張はエクレストンを動かして、カスタマカーを使うチームには、コンストラクターズポイントが与えられないという方向で話は動いている。自社開発にこだわるチームを優遇しようという話でまとまりつつある。ところが、コンストラクターズポイントによって、F1チームの順位が決まり、FOMから賞金(TV放映権料など)が支払われている。トップクラスのチームには70~80億円、下位のチームには20~30億円が獲得ポイントに応じて支払われる。つまり、カスタマカーを使用するとマシンの開発費は浮くけれど、賞金がもらえなくなる。資金難に苦しむ貧乏チームには大きな打撃だろう。 プロドライブが協定にサインしていないのは、この条項に不満があるためだという。マクラーレンのマシンをリースするプロドライブは、初年度から強力な戦闘力を持つことになる。何の苦労もしていないプロドライブが上位の成績を獲得して高額の賞金を手にしたのでは、苦労してF1マシンを開発しているいる中堅のチームは救われない。そこで、手を汚さずに参戦するチームには、一切の賞金を与えないという条項がコンコルド協定に加わるらしい。これに反発しているのがSuperAguri、トロ・ロッソ、プロドライブになる。不公平だと主張して話し合いは平行線を保っている。とっくに合意できる予定だったのに、9月になってもコンコルド協定が決まらない。困惑したFIA側は、来年度は旧協定でレースを行うという提案をしているが、今度はコンストラクターズ側が反発してまとまらない。お金の問題が絡んでくると・・・。
2007.09.19
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コロンビアの麻薬組織はカルテルと呼ばれて、世界最強の組織を誇っている。これにはコロンビア政府も警察も手が出せない。すべては闇に閉ざされていて、組織の実態がつかめない。コロンビアの農家がコカの葉を栽培していることは目に見える。NYの裏通りでコカインが密売されているいることもはっきりしている。ところがこの中間の流通経路は依然として謎である。誰がコカの葉を買い取り、コカインを精製しているのか。どうやって大量のコカインが国境を越えているかを知ることは絶望的である。コカインの密輸に苦しむ米国政府はコロンビア政府を援助して、コカインの撲滅に動いてきた。しかし、その成果は微々たる物であり、徒労に終わろうとしている。参照(http://atfox.hp.infoseek.co.jp/xfile/drug/colombia.htm) コロンビアの特産物はエメラルドとコカインになる。両方ともシンジケートが存在していて、表と裏の顔を持っている。炭鉱で男たちがエメラルドの原石を掘り、流通業者に売る。業者は原石を加工して輸出する。エメラルドの原石は驚くほど安いのに、NYの宝石店に並ぶ頃には高額の値札が付けられる。原石価格と商品価格の落差が大きいほどシンジケートに利益が集まる。コカの葉も農民から売られるときには二束三文の値段しかつかない。ところがNYでコカインとして販売されるときには、信じがたい密売価格になる。当然麻薬カルテルはこの利益を独占できる。税関や国境地帯で監視が続いていても、コカインの密輸が絶えないのは、それによって多くの人間の生活が成り立っているからになる。 コロンビア政府は世界中から無策を批判されて、ようやくコカを栽培する農民を転作させようと動き出した。コロンビアの貧しい農民は、数少ない換金作物としてコカを栽培している。他の作物に転換すれば、差額を補償するという政策を進めている。これはコカイン対策として効果がある政策と評価されているが、少しも進まない。ほとんどの資金を米国政府に頼ることになるため、すべての農民に行き渡らず、農民の満足する保証金を与えられないという壁がある。結局、多くの農民は金の儲かるコカに戻ってしまう。 コカインの70%を生産するのはコロンビア、ヘロインの90%を生産するのはアフガニスタンであり、二つの国に共通しているのは、米国の関与した長引く内戦になる。二つの政府は当面のゲリラ対策に追われて、麻薬を取り締まることができない。政府内部にも麻薬業者は深く食い込んでいるから、警察も見て見ぬ振りをする。あまりに失業者が多すぎて、多くの者が危険を顧みずに麻薬販売に手を出す。すでに国際ビジネスとして確立されたので、マフィアが流通を取り仕切っていて手出しができない。かつては一攫千金の運び屋がボストンバックに隠した麻薬をもって国境をすり抜けていたが、税関や国境警備隊監視の強まった現在では、合法的なルートを通じて麻薬は供給されているという。(何億円もの麻薬が税関などで没収されることを恐れて、合法ルートが編み出された)どうやってコカインやヘロインが国境を潜り抜けるかをFBIさえも探知することができないために、麻薬対策はコカとケシの栽培農家を説得するしかないのだが・・・。
2007.09.18
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さまざまなF1規制が強化されたことで、予選の重要性が大きくなっている。予選で上位になることが、勝敗を大きく左右する。ポールポジションを取れば、後はスタートでミスをしない限り、10ポイントを獲得できるチャンスが広がる。上位2台がフェラーリになると、これを攻略することはそうとう困難になる。アロンソにできることは、確実に3位の6ポイントを確保することしかなかった。ハミルトンは4位なので5ポイントを獲得できた。これだけスパで苦労しても、縮まったのは1ポイントに過ぎない。残りのレースの回数を計算に入れると、フェラーリよりもハミルトンを攻略することが王座獲得の条件になることが見えてくる。 FIAの1億ドルの罰金という裁定で終末を迎えたスパイ事件であるが、それにアロンソが関与していたという噂が絶えない。マクラーレンが有罪になった証拠は、アロンソの提出したデ・ラ・ロサとのメールと言うのだから、チーム内でも白い目で見られてしまう。それでも、疑惑のメールを提出したことで、アロンソとハミルトンは無事にレースに参戦できるのだから、全ポイントの剥奪を覚悟の上で証拠のメールを提出したアロンソの判断力は凄い。マクラーレンは罰金の支払いに応じる姿勢を示しているので、これでスパイ事件は幕が引かれるだろう。 富士を経験しているドライバーは少ない。アロンソとハミルトンの条件は同じであり、どれだけ富士のコースに適応できるかが勝負を分ける。長い直線と曲がりくねったコースを持つ富士に有利なのは、圧倒的にマクラーレンという声が強い。となれば、意地でもアロンソはポールを取りに行くしかない。焦るとスパの予選のようなミスが出てしまう。フェラーリの2台をライバル視するよりも、ハミルトンに焦点を合わせたほうが戦いやすい。同じチームならば作戦は筒抜けになる。相手の戦略を読み切って戦うことができる。もちろん、それはハミルトンも同じだから、アロンソが特に有利に立てるわけではないけれど、白紙で臨むよりも戦いやすいはずである。 フェラーリのライコネンも何とかマッサを抑えて、トップでゴールできた。この勝利によって、フェラーリのNO1の座がどちらにあるかを世界に示すことができた。レースのラップタイムは互角であり、わずかに予選の瞬発力でライコネンがマッサを上回る。予選でトップを取れさえすれば、同性能のマシンに乗るマッサがコース上で抜くチャンスはほとんどない。ピット作業にミスさえ出なければ、予選でポールをとったほうに勝利のチャンスがめぐってくる。フェラーリ移籍以来、さまざまな苦労を重ねてきたライコネンにやっと出番が回ってきた。 ライコネンが逆転を狙うならば勝ち続けるしかない。アロンソはハミルトンの1つ上のポジションを狙えばよい。避けなくてはならないのは、ハミルトンよりも下の結果を出すことにある。というわけで、アロンソとハミルトンは最後まで仲良くなれないだろう。2ポイント差というのは、フェラーリ次第で逆転する可能性がある。アロンソは富士で優勝を狙うしかなく、ハミルトンを2位に抑え切れば、富士で獲得ポイント数が同点になる。ブラジルGPまでの道のりは単純に見えるが、アロンソとハミルトンの複雑な心理的駆け引きの局面が続く。さて、日本GPではどのような舞台が待っていることやら。
2007.09.17
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マクラーレンのロン・デニス代表はFIAの罰金支払い命令を受諾する意向であることを明らかにした。史上最高額の罰金も緩和処置があり、115億円すべてを支払う必要がないことが大きい。もともとがきわめて政治的色彩が強いな判決であり、アロンソとハミルトンが免責されるという条項もある。控訴して、万が一厳しい判決が出た場合は、身動きが取れなくなることを恐れた判断だといえる。FIAは当初07年度と08年度の出場停止を主張していたので、判決はかなり緩和されたものになっている。ドライバーズ・ポイントの剥奪と2年間の出場停止が避けられただけでも、マクラーレンに幸いだったというエクレストンの読みは正しいだろう。 無罪を主張するマクラーレンの根拠は、スパイ事件がマイク・コフランの個人的な行動に過ぎないという考えに基づいている。組織としてのマクラーレンは一切関与していないというのがロン・デニスの主張になる。ところが、テストでフェラーリのデータが使われていたという情報が流れてきた。その証拠として、デ・ラ・ロサとアロンソがメールの中に、フェラーリのデータを参考にしたと思われるやり取りを発見したのである。首脳陣は関与しなくても、現場ではフェラーリのデータが使われていたというのが、FIAの有罪の判断になっている。フェラーリのデータが使われていたのは、ドライバー個人の判断というよりも、マクラーレンの組織が準備して行ったはずだから、チーム側に責任の所在があると判断したのだろう。 アロンソとデ・ラ・ロサのメールに、どのようなことが書かれていたかが有罪か無罪かの分かれ目になった。それゆえに、FIAは二人にメールの提出を求めたのだが、どうやって内容を探知したかは謎だろう。メールの内容を調査する権限は、司法当局しか認めていないことなので、捜査権を持たないFIAが探知できるはずがない。おそらく、スパイ事件を捜査中のイタリア当局から情報がリークされたものだろう。それがフェラーリを通じてFIAに届けられた。建前上、FIAはメールの内容は知らないことになっているから、自主的に提出を求めたのである。その段階で、ドライバーに対して免責の特権を与えたと思われる。メールが提出されないと有罪の証拠がなくなってしまうからになる。 誰もが驚くのは、これほどの事件の裁定が出たのに、何の支障もなくスパでレースが行われるという現実にある。レースに差し障りがないのであれば、控訴する必要はないとマクラーレンが考えても不思議ではない。スパイ事件がこれだけの騒ぎを呼び、議論の対象になっているのに、アロンソとハミルトンは王座争いをかけて戦い続けるという状況が生まれている。たしかに余計なことをするよりも、平然としてレースをしているほうが・・・。
2007.09.16
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イスラム諸国でどのような世論が構成されているかを知ることは難しい。絶対王政の国や独裁国家が多いので、自由な言論が認められている国がもともと少ない。世論の形成に大きな影響を与えるのは、本来マスコミになる。統制国家では、TVやラジオは国営放送なので政府批判は行われない。(中東の衛星放送に人気がある理由になる)反対勢力は武力で抑え込まれてしまう。これでは世論調査が行われにくいという状況にあることは間違いない。トルコやパキスタンは、数少ない言論の自由を手に入れている地域になる。そこで米国の調査機関とパキスタンの世論研究所がパキスタン人の意識調査を行った。 ビンラディンの支持率は46%に達する。ムシャラク大統領は38%に過ぎないから、パキスタン人が何を考えているかが浮かび上がってくる。テロリストや犯罪者扱いされる西欧とは発想が異なる。ビンラディンはどこまでも「イスラムの戦士」なのである。米国によるテロ対策はイスラム教徒の弾圧が目的と考える人は66%にも達する。米軍によるアルカイーダやタリバンの掃討作戦には、パキスタン人の74%が反対している。比較的自由な報道がなされているパキスタンですら、民衆はこのように考えている。アメリカにとっては衝撃的な結果だろう。 いつまでたっても終結しないアフガニスタンの内戦には、こういうイスラム諸国の世論が作用していることが理解できる。政府が露骨な米国寄りの政策をとるパキスタンですら、こういう世論が形成されている。アフガニスタンの内戦が深刻であり、解決が難しく、長期化する理由も理解できる。他のイスラム諸国では、アルカイーダに対する支持率はもっと高くなるだろう。ビンラディンが「イスラムの戦士」だと思われているならば、米軍がアルカイーダを爆撃しても、アフガニスタン問題は解決しない。いつの間にか、かつてのソ連と同じ運命にNATO軍が立たされていたのである。 長期間戦闘と続けるには武器と弾薬が必要であり、兵士の食料や住居も欠かせない。イスラム戦士は世界各国からアフガニスタンに送られて、無報酬で戦い続ける。そのイスラム戦士を支援しているのは政府でなく、無名のイスラム教徒になる。タリバンがアフガニスタンの地で孤立していては、とても長期間戦えない。ゲリラ勢力は民衆から支持されていないと政府軍に包囲されて殲滅させられる。これだけの期間、タリバンがNATO軍と戦闘を続けている意味は大きい。おそらく、武器弾薬の補充や必要な生活資金はアラブ産油国の民衆が負担しているはずである。戦争を継続させるために必要な金額は想像を絶するほど大きい。1日の生活費が300円程度のパキスタンではとても負担できる金額ではない。豊かな石油産出国の民衆の義捐金が抵抗勢力に送られていると考えないとつじつまが合わない。 ブッシュの対テロ戦争の目的が、イスラム教徒の弾圧にあるとパキスタン人が感じている事実は重い。そもそも、ビンラディンはソ連のアフガニスタン侵略に抵抗するためにサウジアラビアからアジア大陸に渡った。その当時の米軍はビンラディンに武器や弾薬だけでなく、対空ミサイルや対戦車ロケット弾などを供与している。ビンラディンの役割や目的は、敵がソ連から米国に変化しただけで変化していない。アメリカ人はビンラディンをテロリストに指名したが、イスラム教徒の考えはソ連時代から変化していないことになる。そうなると、いずれアフガニスタンからも米軍は撤退を迫られる。キリスト教徒中心で編成されているNATO軍が撤退した後には・・・。
2007.09.15
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13日にパリで行われていたモータースポーツ評議会は、スパイ事件に関与したとしてマクラーレンの07年度の全コンストラクターズポイントの剥奪を決めた。08年度に関しては、提出されたマシンのデータの精査を行って、12月に判断する。フェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンについては、「証拠提出の見返りとして二人に免責をあたえた」として処分しないという異例の処置を行った。これまでの違法行為の場合、チームだけでなく、ドライバーズポイントも剥奪されるのが通例であり、このFIAの裁定が極めて政治的な思惑で行われたことを暗示している。 フェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンは免責されたので、スパ以降のグランプリに出場できる。つまり、マクラーレンは出場停止に追い込まれたわけでなく、07年度のコンストラクターズ選手権から除外されるだけという判断になる。F1はドライバーズ選手権が本命だから、アロンソとハミルトンがレースに出場することを認められれば、さしあたり支障はない。これまで二人が獲得したドライバーズポイントも維持される。08年度以降も、グランプリに出場することも許されるだろう。マクラーレンが出場停止になると、事実上F1選手権が成立しなくなり、興行に深刻な影響を与えるために、二人のドライバーは免責されたと思われる。(ドライバーを補佐するという名目でマクラーレンは出場が許可される?) FIAが処分を行う場合、チームとドライバーは一体として出場停止処分が行われてきた。(HONDAの出場停止処分のときは、バトンと琢磨は救済されなかった)マクラーレンが出場停止処分になると、ドライバーが免責されていてもレースに出場できなくなる。結果的にF1グランプリ興行は、観客の動員やTV視聴率などで深刻な被害を受ける。そこでFIAはチームとドライバーを分離して、マクラーレンはポイント剥奪と罰金を課し、ドライバーは救済するという方法を選んだのである。もし、FIAが強硬姿勢を打ち出していたら、レースを主催するFOMは莫大な損害を受けることになっただろう。それは同時にFIAも収入源を失う意味しているから、政治的な決着が図られた背景が見えてくる。 ともあれFIAの異例の処置で、グランプリは最終戦まで続くことになる。3ポイント差で並ぶハミルトンとアロンソの王座争いも残された。フェラーリのライコネンによる逆転劇も可能になった。マクラーレンの二人が失格になっていたら、前代未聞の大騒動になったはずだが、ドライバー選手権の舞台は平和裏に維持される。マクラーレンにとって、1億ドル(115億円!)という罰金だけが残されるけれど、実質的にはマクラーレンが07年度に受け取るはずだった分配金(TV放映権料プラス賞金)で相殺されるという。(ロン・デニスは実質50億円の負担になると語っている)07年度のコンストラクターズポイントとの剥奪は最下位を意味するから、これによってスパイカーは選手権10位に繰り上がるSuperAguriも7位になるので分配金が増額されるだろう。これならば、他のチームはマクラーレンの処分について文句を言わないはずである。これが政治的な決着の舞台裏ということなのだが・・・。
2007.09.14
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協会内部で反町監督に対する疑問の声が高まっていることは確かだろう。せっかくカタールに1-0で勝利したのに、反町監督を賛辞する声はない。カタールに最後まで苦しめられた展開が首脳陣には気に入らないらしい。それにしても、本田拓也のレッドカードは危険だった。万が一、同点や逆転の展開になっていたら、反町解任騒動が起きていたことは間違いない。一人でゲームをぶち壊す選手はどこにもいるものだが、それを先発させたのも監督の選択だから、結果責任がかぶさってくる。あのきわどいシュートをGKが左足で弾かなかったら、どんな運命に立たされていたかは読めない。 1-0でも勝ちは勝ち、勝ってしまえばこちらのもの。「勝てば官軍」とはまさしく名せりふである。カタールに負けていたならば、今頃は解任大騒動が起きていただろうから、しぶとく1点差で逃げ切ったことは幸いだった。これは偶然でもあり、幸運でもある。勝ち点7でトップに立てば、協会も形式的に文句をつけられない。ぎりぎりにしのいでいく監督はトルシエ以来になる。批判に耳を貸していたのでは代表監督などできない。国際経験の乏しい反町監督には、北京五輪まで茨の道が続くことになる。勝負でなく内容まで問われたら、U22段階でできることはない。 それにしてもレッドカードは危機一髪だった。11名の先発メンバーを選ぶときには、選手の性格や普段の振る舞いまで計算に入れておかないと墓穴を掘ることにつながる。ボランチのポジションは攻守の要になるから、相当な実戦経験が必要になる。反町監督は谷口(川崎)を評価せずに本田拓也を使ってきた。Jリーグのレギュラークラスを外すのだから、何らかの狙いがあるはずなのに読めない。谷口はU22に召集されても先発で使われていないから、評価の対象外なのかもしれない。それが反町監督のこだわりなのだが、今回のような展開になるとリスクが高まる。 韓国で行われたU17ワールドカップの決勝戦は、ナイジェリアとスペインという強豪同士の組み合わせで行われた。運動能力と個人技で勝るナイジェリア、欧州的な組織サッカーに徹するスペインは延長戦でも決着がつかず、PK戦でナイジェリアが栄冠を獲得した。基礎体力や運動能力という面では、U17レベルにおいても日本と海外に大きな落差がある。ほとんどプロレベルの技を持つナイジェリアと戦った日本が歯が立たなかったのも無理はない。パスやシュートの技の高さ、勝負度胸やゲームを見渡す判断力、さらに国際経験や強豪国と戦う知恵などが備わっていないとサッカーをさせてもらえない。 U17から5年間の制約の中で、世界レベルに鍛え上げることがU22代表監督の責務になる。U22クラスになると、クラブのレギュラーも存在するから、基礎的なトレーニングだけをするわけにもいかない。召集される段階で、基礎的な修行を終わらせておく必要があるから厳しい。どの段階で基礎を学ばせるかといえば、Jリーグのファームかクラブユースしかないというのが現実になる。高校のサッカー部ではプロレベルのトレーニングはできない。といって、U17段階では他に選択肢はない。 少し前まではバレーボールがスポーツ界の花形だった。オリンピックで金メダルを取ったこともある。それが落ちぶれて、金銀のメダルどころの話ではなくなっているが、それでも世界ランクではサッカーよりも上だろう。サッカーはアジアの強豪といわれても、世界レベルでは40位前後の評価でしかない。それを一切忘れて、反町監督批判を繰り返しても意味がない。教育システムとしてのユース育成を行ったうえで、ナイジェリアに負けたのでは仕方ない。すべてを高校サッカー部に頼り切っているのに、「どうして日本は弱いのか」と批判しても意味がない。 目の前の北京オリンピックに目がくらんで、協会首脳部がイライラしても仕方がない。アジアやアフリカ諸国は欧州から監督やコーチを招いて強化を始めている。多くのサッカー学校がアフリカ諸国に建設されていて、身体能力の優れた少年を集め、世界レベルのサッカー選手を育成するプログラムが始まっている。そのあたりの対策を地味にやらないと、いつまでたっても日は昇らないはずなのだが・・・。
2007.09.13
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ひ弱さを痛感させられていたU22代表が、一試合ごとにたくましくなるのは面白い。親善試合と本番の五輪予選では、選手の気迫が異なる。それを何試合も続けていると、昨年まであったチョンボや隙がなくなってくる。U22守備陣がたくましくなったことは間違いなく、危険な場面でも冷静に適切に対応できる段階まで成長している。青山、水本、伊野波にU20の内田を加えたDF陣は冷静沈着に対応する。危険な場面でもあわてない。後半のカタールは総攻撃を仕掛けてきたが、何とか無失点で終わったのは、適切に対応できる判断力が大きい。 FW森島とMF水野と家長を加えた実質3トップは、2試合目で有効に機能し始めた。短期間の間にチーム戦略が進化したのは、まあまあ上出来だろう。それぞれの得意技を遠慮なくピッチの上で見せられるようになったのは、緊迫したゲームでの経験を積み重ねたことが効いている。この3人がやるべきことをやれば、相手をかなり翻弄することができることは間違いない。(本人たちもボールで遊んだりしなくなっている)水野は別人のように切れのある動きをするようになり、不遇だった家長はようやくレギュラーに認められて満足だろう。実戦で鍛えられているうちに、勝負度胸まで身に付けている。ボールをとられない家長の技は、アジアの中でもトップクラスである。(誉めすぎか) FWは森島を登用したことで、前線から勝負を仕掛けるサッカーに進みつつある。完成度は低くても、「攻撃しよう」という精神が芽生えている。待ち受け型の平山や敢闘精神に欠けるカレンロバートに比較すると、森島には攻撃スピリットがある。シュートの失敗や枠の外に外すことを恐れない。それが周囲にプラスの影響を与えている。連鎖反応が起きるのである。ゴールに向かってシュートを打ち込むというエネルギーが不足していたU22世代を刺激している。おそらくイタリアの森本との厳しいポジション争いが待っている。 レッドカードを受けた本田拓也は悔しいだろうが、それにしてもあの行為は愚か過ぎる。相手がカタールだったから救われたけれど、サウジだったら終盤に何が起きていたかわからない。予選敗退の可能性すらあった。レッドカードでゲームの流れがまったく変化したから、本当に危ないところだった。ボランチは複雑で微妙なポジションなので、ゲームの経験が重要になる。ゲームを数多くこなしている谷口(川崎)あたりを呼んだほうが賢明かも知れないのだが・・・。 カタールに勝ったことで、さまざまな思惑も消えていくだろう。カタールに負けていたならば、反町解任も起きていたかもしれない。それを選手が敏感に感じ取って、負けないサッカーに徹したのは成功だった。1名少ないことがこれほどの苦痛を伴うことを経験すれば、意味のない反則を犯す選手はいなくなる。国際試合は外国人が審判になるのだから、日本の慣習も役に立たない。本当に危ないところだった。
2007.09.12
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スイスは先月オランダを破っているので、油断ならない相手と言える。タフで、頑丈で、当たりも激しい。オーストリアにPK負けした日本は、力技で押さえ込まれそうな空気が流れていた。わずかなミスから2失点した前半には、とてもスイスにかなわないという雰囲気が漂っていた。その流れを変えたのは「ルマン松井」になる。前半のフェイントからのシュートは欧州修行の技であり、後半にも突破力を生かしてPKを呼び込んだ。頑丈で強いDF陣を崩すには、松井のような熟達した業師が必要になる。性格がおとなしい中村俊輔や遠藤、それに輪をかけた巻などに攻撃精神を注入することができた。攻撃には導火線が必要なのである。アジアカップ以来のイライラする流れを松井が断ち切ってくれた。 1トップは欧州の代表やクラブなどでも採用されている戦略になる。理由の第一は、トーナメントの勝率が高いことが上げられる。国際大会の決勝トーナメントで強豪とぶつかると、ほとんどの弱小国やクラブは粉砕されて終わる。手ごわいライバルを抑えるために編み出されたのが1トップであり、多少攻撃力を低下させても、中盤でボールを奪い、流れを支配することで勝ちにつなげる。FWの得点をあてにせず、中盤の組織を使って失点を最小限に抑え、勝つ戦法と言える。 FW層が薄く、中盤に人材の多い日本に向いた戦法なのだが、1トップに慣れていないために使いこなせなかった。ACミランは1トップを得意にしているが、カカという人材を擁していることが効果を発揮している。1トップはFWが孤立して、前線にパスがつながりにくいので、アンリのような突破力のあるFWが欠かせない。1トップに巻、2列目に松井、中村俊輔、遠藤を並べた攻撃陣が威力を発揮するには、全体の押上が必要になる。後半に入るとサイドバックの加地と駒野だけでなく、闘莉王も前線に上ってきた。パスをつなぐことで我慢していたのを、スイスのDFラインの突破にまで進む激しさを見せた。確かに松井と闘莉王の敢闘精神は、オシムジャパンになかった激しさを芽生えさせている。 ACミランを見ていると、DFの背後を突いてインザーギが飛び出すタイミングがポイントになる。オフサイドを恐れずに飛び出しを繰り返していると、相手のDFラインは自然と下がって、網目もゆるくなる。強豪を相手にすると、ペナルティエリアでフリーになれることは少ない。どうやってDFをかわしてシュートに持ち込むかが鍵になる。得点力不足を批判され続けた巻がゴールを決めれば、ずっと楽な展開に持ち込める。決定機に外さなければ、頼もしいFWになれるのに、惜しい男である。 スイスの厳しい守りが攻撃精神に火をつけたともいえる。敵のサイド攻撃を防ぐためにはあらゆる手段を使うというスイスの発想には、欧州大会を勝ちぬくことの厳しさが存在するだろう。国際親善試合で激しい当たりを仕掛けることは少ないだけに、日本は貴重な経験を積み重ねることができた。イライラしていたオーストリア戦の反省も生かすことができた。成功者が少なくなったことで、数が減っている欧州武者修行の価値も、ルマン松井によって示された。厳しい戦いの場で生き抜いてきた男には、それなりの技が身につくのである。闘莉王や今野なども遠慮せずに欧州に突き進むのがプラスになるのさ。
2007.09.12
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スパイ事件を審理するために、FIAはマクラーレン関係者を13日に喚問する。この査問にアロンソとハミルトンが召還されていることがスパイ騒動を拡大している。フェラーリスパイ事件に二人のドライバーが関わっていた可能性があるという情報は深刻だった。その証拠をFIAが握っていることを明言しているから、さらに謎めいている。リーク情報によれば、フェラーリのタイヤ・データがテスト・ドライバーのデ・ラ・ロサに渡り、それがアロンソとハミルトンに伝わってテスト走行が行われたという話になっている。フェラーリのデータを盗み出したのは例のナイジェル・ステップニー、それを受け取ってデ・ラ・ロサに渡したのはマイク・コフランというスパイ事件の骨格に変化はない。 アロンソとハミルトンがフェラーリのタイヤ・データを使用してテストを行ったとすれば、無罪というわけにはいかないだろう。これが事実と認定されると、マクラーレンは07年後半と08年の2年間出場停止になり、二人のドライバーもF1レースに出ることは事実上できなくなる。もちろん、今年度のチャンピオンポイントも剥奪されるから、07年度はフェラーリの優勝という幕引きになる。この事実が政治的な思惑と考えられている背景にある。スポーツ競技としての司法判断を下すのか、それともFIAの政治的な思惑で判断されるかを問われているのだが、先行きは読めない。 前回行われたFIAの査問では、スパイ行為はマイク・コフラン個人の犯罪であり、チームとしてのマクラーレンは関与しておらず、無罪ということになった。フェラーリのデータを使用していないということが判断の根拠になっていたので、テストでフェラーリのタイヤデータが使用されていたとすれば、マクラーレンに反論の余地はなくなる。その証拠はデ・ラ・ロサとアロンソのメールに残されていたとする情報も流されているので驚かされる。 ポイントの剥奪と出場停止が決まると、F1世界に大混乱が起きることは避けられない。マクラーレンがF1活動を2年間停止すれば、スポンサーなどの資金も途絶えて、チームは解体の危機に立たされる。マクラーレンを救済する方法は、08年度から出場するプロドライブにスタッフとドライバーを移すというアイデアくらいしかない。マクラーレンが活動を停止しても、プロドライブとして代理運営すれば、組織の崩壊を防ぐことができる。もちろん、フェラーリ側は反発するだろうし、FIA首脳が代理運営を認めるかも疑問になる。 マクラーレンが1年半に渡って活動を停止すると、かなりの数の犠牲者も出ることになるだろう。スポンサー資金が途絶えて、財務体質が悪化する。人員やスタッフを解雇すると、F1に復帰したときにレースができない。開発部門も設計を続けていないと技術の進歩に取り残される。スポンサー資金が途絶えると、場合によってはマクラーレン売却という話が起きる可能性がある。FIAが有罪の判決を下すと、これだけの犠牲者が発生するとなれば、政治的な収拾策が始まる可能性もある。エクレストンも影で動き始めるだろう。そうなると、FIAの最終判断がどうなるかを読むことは難しい。追い詰められたマクラーレンはどこに向かうのだろうか。
2007.09.11
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サウジの恐ろしさは夜間気温が35度という気象条件にある。(昼間は45度でサッカーなどできない)敵地で勝つことは難しいと判断した反町監督は、露骨な引き分け狙い作戦に出たことは間違いない。ダンマンで負けなければ、サウジは自滅に追い込まれるだろうという狙いが隠されている。サウジは1戦目にカタールに敗北している。そのカタールは2戦目のベトナム相手に引き分けている。それを計算に入れると、サウジと引き分けても日本が有利に立てる。なんと言っても、1チームしか五輪に出場できないという枠を破るには、策略を練らないとかえって墓穴を掘ることになる。アジアカップでカウンターを食らったA代表を忘れるわけにはいかない。サウジ、カタール、ベトナムという組み合わせは、どう見ても日本楽勝のケースなのだが、中東の砂漠地帯2カ国と東南アジアの熱帯1カ国と予選リーグを行うのは大変な苦労を伴うことを思い知らされている。 サウジが強いのは、アジアカップ準決勝を思い出せば理解できる。油断したA代表はサウジに完敗している。暑さで足が止まったところをカウンター攻撃するというのがサウジの作戦ならば、それを予防するしかない。1トップと3バックという奇妙な布陣は「失点しない」という意思の表明になる。水本、青木、伊野波というDFラインは有効に機能した。たしかに2人のセンターバックよりも、3人のほうが日本人選手に慣れていて安心感がある。 1トップはU20の森島を登用した。(これは前線からの守備を重視するという狙いだろう)派手に動き回ると汗が出てバテてしまうという気象条件では、サウジの術中にはまらないことが第一になる。緩慢なサッカーも仕方がない。暴れまわれない気象条件を無視すると、中東では何が起きるかわからない。攻撃の中心は、水野と家長の2列目になる。森島、水野、家長の組み合わせはとても面白いのに、一度も試されていないというのが不思議な思いがする。確かに3人とも個性が強すぎて、五輪代表の枠に収まらない。勝手に好きなサッカーをやるという3人を封印していたけれど、さすがにサウジクラスになると策略を使うのはやむをえない。守るだけでは前半で疲れて足が止まる。相手も動かさないと引き分けに持ち込めない。サウジの守備陣を混乱させ、動揺させるには、この3人の予測不可能な動きが面白い。 機能した守備と機能しなかった攻撃陣とでは評価が分かれるだろう。久しぶりの3バックは安定していて、サウジに得点のチャンスを与えなかった。3バック作戦はいずれ見直されるはずである。(オシムサッカーの4バックは事実上2バックを意味し、カウンターに弱い側面を持っている)前に出てプレスをかけるという日本式サッカーは、熱風の砂漠地帯に向いていない。単純に守っていたのでは疲れ果ててカウンターを食らう。そういう意味では1トップ3バックの布陣も効果があったといえる。昨年度の韓国戦あたりに比較すると、さすが経験を重ねてに精神的にも進化している。あとは厄介なカタールに確実に勝つことができれば五輪出場は目の前に来る。サウジは1敗1引き分け、カタールは1勝1引き分け、ベトナムは1敗1引き分けを見ると、アジア全土を走り回ったU22の苦労が少し報われてきた気がして仕方がない。12日のカタール戦に気を緩めさえしなければ・・・。
2007.09.10
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モンツァのテスト段階から、マクラーレンの圧倒的な速さが目立っていた。アロンソのタイムに追いつけるマシンはなく、相当気合が入っていることを感じさせた。同時に、疑惑の黒雲にも覆われていたから、二人のドライバーには強い圧力がかかっている。アロンソとハミルトンがFIAの喚問に呼び出されるという状況の中で、冷静に戦い、1位と2位で勝ちぬけた精神的なタフさに驚くしかない。マクラーレン内部のゴタゴタも、いつのまにか小さな過去になってしまうほど、現在のマクラーレンはFIAに追い詰められている。 速さで劣ることを認識したフェラーリが、博打を打って1ストップ作戦を選んだことは当然ともいえる。大量の燃料を積んで予選に出るリスクを冒してまで、本拠地での勝利にこだわっていたのに、ライコネンの信じがたい大クラッシュが起きた。時速300キロでクラッシュしたマシンは粉々に砕け散ってしまった。その痛みに耐えて、決勝に出場したライコネンの根性も凄い。やわな北欧人との噂は明白に否定された。レース終盤にはアクセルを緩めてエンジンを温存したというけれど、全身の痛みに耐えて戦ったことは間違いない。マッサはサスペンションのトラブルでリタイヤしたから、フェラーリは1ストップの奇跡にかけるしかなかったのが少し悲しい。 BMWのハイドフェルドとクビサは、確実に4位と5位のポイントを獲得し、目標の100ポイントに到達したというのは見事だろう。わずか2年間で、トップチームの仲間入りをしたのだから、F1チームとしては驚くべき実績になる。クビサは粘り強くライバルをねじ伏せて上位に進出してきた。一度失ったポジションをモンツァで奪い返すのは大変なのに、やり遂げてしまうクビサもただものではない。ロズベルグとコバライネンは不利な立場をものともせずに、6位と7位に食い込んでいる。ウィリアムズとルノーのマシンで戦う不利を計算に入れると、この二人がぬきんでた才能を持つことを理解できるだろう。 接近した中位グループの中で、バトンが抜け出して8位を獲得した。何度もフロントタイヤがロックして飛び出しそうになったと本人は言うけれど、我慢我慢の連続で久しぶりのポイントを獲得することができた。わずか1ポイント獲得よりも、マシンの戦闘力が復活したことを喜んでいるらしい。8位に入ることがこれほど困難なんて、開幕前は誰も予想しなかったはずである。段違いの3強が生まれると、それ以外のチームがポイントを獲得する機会は激減することを思い知らされた。それでも、来年度のHONDAの新型車開発に大きな影響を与える1ポイントになったはずである。 モンツァで一番苦しんでいるワークスがTOYOTAになっているのも予想外になる。トゥルーリが毎度脱落する理由は何なのだろうか。信頼性や耐久性に問題があって脱落するならば仕方がないけれど、予選ではそれなりのタイムを見せておいて、決勝ではゼロポイントを続けるというのも不可解だろう。FIAの判断によっては、マクラーレンがグランプリから消える事態になると予想されているから、いずれTOYOTAにもチャンスはめぐってくる。もっと気を引き締めないと・・・。
2007.09.09
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これは歴史的大事件だと思う。これまで意地を張り合ってきたTOYOTAとHONDAが、F1GPの富士と鈴鹿の隔年開催に合意したのである。提案したのはFOMということだが、これを両社が素直に受け入れるとは予想されていなかった。長年の宿敵であり、世界有数の自動車企業であり、プライドが高い。それゆえに、面子をかけた意地の張り合いが続くと思われていた。それがF1GPの隔年開催に同意したというから驚きである。多額の開催権料の負担を回避したいという思いや双方が綱引きをすることによる無益な争いを終結させたいという考えが芽生えたのだろう。 開催権をTOYOTAに奪われた鈴鹿が本格的な反撃を計画していたとしても不思議ではなく、新たな開催権を手にした富士も交通事情という弱点を抱えている。ゼロか100かという選択よりも、50で互いに満足するという判断を選んだのも日本的な解決になる。徹底した交通規制が求められることへの過重負担が影響したかもしれない。F1を開催することがプラスだけでなく、マイナス面をもたらすことがTOYOTAにとって予想外の展開になったかもしれない。 和を尊ぶという建前とは違って、TOYOTAとHON|DAのライバル心は激しい。互いに本音は一歩も譲れないのに、隔年開催で妥協するしかなかったというのは屈辱だろう。FOMが動かなければ来年度のF1開催計画は不透明だったはずである。FIAはTOYOTAに1年限りの認定しか行わなかった。GPが混乱すれば鈴鹿に戻すと通告していた。富士は国立公園内にあるから開発規制が厳しく、道路建設などは難しい。08年度からシンガポールにバレンシア、さらに韓国とアブダビというように、次々に新興国がグランプリの名乗りを上げている。双方が希望していた1国2開催は幻になるしかなかったという現実も影響している。 F1開催権を独占すると言う欲望を引っ込めた要素のひとつは、いつまでたってもトップクラスになれない二つのF1チームのだらしなさにもあるだろう。たとえ鈴鹿で開催しても、HONDAが最下位争いをしていては失笑を買うしかなく、TOYOTAはF1最大の資金を浪費していると批判されている。せっかくの地元GPで、フェラーリやマクラーレンの足元にも届かないのではF1を開催する意味がない。いつまでも解消しない技術不足と燃え上がらない国内のF1人気が重なって、双方の独占欲を弱めたことはよかった。赤字に悩んで隔年開催に切り替えたドイツと異なって、毎年15万人もの大観衆が押しかける日本人にも朗報になった。後は、チャンピオンシップに勝つ課題が残されているけれど、こればかりは・・・。
2007.09.08
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3カ国対抗の欧州遠征そのものは価値がある。欧州諸国はユーロ予選の最中であり、日本との対決には興味がないのに、腕試しができるのだから幸運だろう。オーストリアはFIFAランク80位前後、スイスは40位前後で日本と同クラスである。ここでオシムジャパンの腕試しと力んだのは間違いない。日本人が驚かされたのは、オシム監督がオーストリアで尊敬されているという事実だろう。毀誉褒貶の激しい日本では、サッカーの監督が尊敬されることはめったにない。オーストラリア人が難しいオシム節を喜んでいるのは不思議な気がする。 国際親善試合なのに、PK戦がおまけについていた。その瞬間にアジアカップの悪夢がよみがえる。中村俊輔が最初にPKを蹴ったことは意味がある。(この男は失敗を恐れない)遠藤は例のフェイントで満員の観客を沸かせてくれた。ところがPKに慣れていない今野が外してしまう。GKの読み筋に止めごろのボールを素直に蹴ってしまった。男気の中沢も力んで枠に当てて外してしまう。何度もPKの練習はしていても、本番の緊張は別物になる。やはり代表選手は、クラブのゲームでPKを蹴らしてもらう習慣を作るしかない。こんな場面で外すのはつらい。(遠藤のように経験を積んでおけば、恐れずに蹴ることができる)国際試合のトーナメントではPK決着が多いから、オーストリアに負けてもマイナスではない。(いずれ役に立つときが来る) 問題は試合内容にある。誰もがアジアカップを思い出させられるのはうんざりだろう。サッカーの発達段階は日本のほうが上でも、ゲーム内容をリードしていても、得点できないと最後に追い詰められてしまう。せっかくカメルーン戦で光明が見えていたのに、アジアカップ段階に戻ってしまったのは無念になる。せっかく召集したルマン松井も後半に出場した程度で終わっている。(短期間ではチームになじめなかったらしい)こんなサッカーの内容では、相手がイングランドのような強豪だったら、あっという間に蹴散らされて終わる。心残りはPK戦の敗北ではなく、得点力不足の解決策を見出すことなくゲームが終わったことにある。 2戦目のスイスにはどう対応したらよいのだろう。スイスはワールドカップで無失点で終わっている。欧州の強豪に包囲されているスイスは、守備重視に活路を見出すしかなかった。失点しなければ、勝つか引き分けに終わる。普通に日本代表がスイスと戦うと、0-0のまま引き分けに終わり、PK戦の悪夢が繰り返される。そうなる前に総攻撃するしかない。FWがいないならば、闘莉王を前線に置くのもひとつのアイデアだろう。(一度やってみたい!)1トップ2シャドウの配置は闘莉王(あるいは巻)、松井、山瀬の3人を抜擢するしかない。3列目は俊輔と遠藤にする。ボランチはやはり鈴木、センターバックは中沢と坪井を使い、サイドバックはいつも通りに加地と駒野にする。スイスが失点しないのならば、こちらも失点できない。いざというときは遠藤が下がって守りを固めればよい。 堅い守備を崩して得点するには、俊輔のFKしかない。FKをもらうには最前線で走り回り、スイスを脅かす人間が必要になる。巻や矢野では力不足だし、田中達也や佐藤寿人では簡単に転がされてしまう。そこで闘莉王に暴れまわってもらおうというわけである。理論を外れた危険な賭けだが、普通にやっては得点できないのならば、地雷を仕掛けるべきだろう。(国内でこういう博打を打つと怒られるし、公式戦では試せない)俊輔のFKを演出できないような攻撃陣では、いらいらするだけで終わる。いつまでも高原頼みでは進化がない。闘莉王の高さはCKなどでは役に立っているから、面白いと思うのだが・・・。
2007.09.07
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大型恐竜がどのくらいの速さで地上を走っていたかは謎になる。体重が数十トンもあるティラノザウルスの速さを計測するのは難しい。英国の研究チームがシュミレーションした結果、時速39キにアップしたという。少し前までは時速15キロ前後と推定されていたので、地上をモソモソ歩いていたことになり、肉食恐竜には不自然な動きだった。時速39キロならばバイク並の速さだから、逃げ回る草食恐竜を追いかけられる。ダチョウサイズの恐竜がダチョウ並みの速さで走れたことは間違いなく、キリンサイズの体格を持つ恐竜はキリン並みのすばやさで動けたはずである。ところが、ティラノザウルスのような大きさの動物は地上に存在しないから、計算で求めるしかない。データの取り方によって結果が異なってくるのは仕方がない。 哺乳類も環境さえ整えば、鯨のように巨大化できる。緑の豊富な熱帯地域に、恐竜並の大きさの草食動物がいても不思議ではないけれど、現実の地球には象以上の陸上哺乳類は存在しない。巨大化の芽は、寒冷化した地球のために妨げられてしまった。マンモスは地上最強の哺乳類だったはずなのに、氷河期に滅んでいる。寒冷化した地球では、巨体を満足させる餌を探すのに骨が折れ、探せなければ絶滅するしかない。 恐竜時代の地球が温暖な気候だったと考えられているのは、草食恐竜を満足させる豊富な植物群が存在したからになる。草食恐竜が巨大化していくと、それに比例して肉食恐竜も巨大化する。現在のアフリカ草食動物は機敏で、ライオンさえも常に飢餓状態にあるくらいだから、肉食獣が大型化することはなかなかできない。白熊は半年間絶食状態にあるという。大型肉食獣にとって、アフリカの草原も、アラスカの氷の大地も、アマゾンの密林地帯も、餌を確保するには厳しい環境になる。肉食獣は餌を捕食できないと餓死するしかないことが悲しい。 ティラノザウルスの化石に骨折の跡が見つかっている。肉食動物が骨折すると餌を捕食できなくなり、餓死するしかない。ティラノザウルスは集団生活を営んでいて、骨折で動けないときには仲間が助けたらしい。恐竜は卵から孵化するけれど、どうやって卵を温めていたかも謎になってきたが、家族で暮らしていたとすれば謎の一部分は解ける。子孫の鳥と同じように恐竜も卵も温めないと孵化しないのに、体重が60トンもあるティラノザウルスはどうやってつぶさずに卵を孵化させていたのだろう。 飢えたライオンの群れが象を襲う場面をドキュメンタリーで見たことがある。1対1では象に勝てないライオンも、集団で襲えば倒せる。多数のライオンに全身を噛み付かれた象は痛さの余り、悶絶して地面に倒された。同じような光景が恐竜時代にも繰り返されたはずである。大型草食恐竜を襲うのは常に危険がつきまとうが、集団で襲えば負傷する危険は少ない。巧みに危険を避ければ個体は生き残り、種族は繁栄する。モサモサからスタスタくらいに走る速度が上がったことで、ティラノザウルスはのろまという評判が消えてくれれば・・・。
2007.09.04
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追加召集で混乱する発表とは異なり、オシムジャパンの代表メンバーは安定してきている。アジアカップを中心とした選手が、次第に固定化されつつある。GKは川口、楢崎、川島、DFは闘莉王、中沢、坪井、加地、駒野、MFは中村俊輔(セルティック)、松井(ルマン)、稲本(フランクフルト)、遠藤、橋本、阿部、中村憲剛、鈴木、今野、山岸、羽生になる。この中で新戦力は松井一人に過ぎない。すでに新戦力を吟味する時期は終わり、習熟の時期に入ろうとしていることがあからさまになっている。 それに反して、FWは予想外の展開になっている。代表の座をめぐる競争が激化してきた。カメルーン戦に先発した前田と大久保が外され、巻が復活している。欧州遠征には巻、佐藤寿人、田中達也、矢野、山瀬の5人が選ばれている。これがどのような狙いを持つかはオシム監督しか知らない。カメルーン戦で高く評価された前田(磐田)は落選させられた。大久保も除外されている。田中達也の抜擢は順当としても、普段はワシントンの陰に隠れている事実は隠せない。(浦和では1シーズンを通じて活躍しているわけではない)山瀬が生き残れたのはカメルーン戦の得点にあるのだろう。(FWは得点しないと黙殺される運命にある) オシムジャパンのFW戦略が不鮮明になっている。その場しのぎと批判されても仕方がない。イタリアやフランスなどの確固たる路線や戦略がない。選手が入れ替わるだけでなく、作戦も揺れ動いている。高原一人では心もとないし、巻には決定力が不足している。どうやれば得点力アップにつながるかをオシム自身が迷うのも仕方ないが、それがFWを焦らせている。欧州遠征では、ルマン松井の動きが鍵になる。松井を2列目左に使うと、右は俊輔になるので、FWの使い方は難しい。故障で高原がいなくなると急に線が細くなる。批判覚悟の上で巻を召集する理由は、最後まで音を上げないタフさにあるが、得点を逃しているようでは主軸に離れない。(大久保を外したのは、おそらく途中で動きが鈍るFWを使うことはないと宣言しているようなものだろう) 結局、現有戦力をどう並べてみても、帯に短したすきに長しで、あまりワールドカップの役にたちそうもない。こうなると、セリエAで先発に定着し始めた森本に期待するしかない。欧州にいる屈強のDFを押しのけて得点するだけの破壊力がないと、ワールドカップではとても通用しない。その条件を満たせるのは高原と森本くらいしかない。前田や大久保を育てるのかなと思っていたら、あっさりと斬り捨ててしまったオシム監督を納得させるのは大変そうだなあ。
2007.09.03
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