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F1の世界は何が起きるか読めない。速報によると、アロンソが英国ブラックレーのホンダF1基地でシート合わせを行ったと伝えている。現地に取材陣が殺到しているというが、いまだ確証は取れていない。(ホンダ代表に就任したロス・ブラウンが獲得に乗り出した模様だと伝えている)マクラーレンを追い出され、ルノーとの交渉も難航しているアロンソにとって、ホンダは願ったりの交渉相手であり、早速テストのためのシート合わせを行ったと速報は伝えているが、その真実は闇の中にある。 大騒ぎになったアロンソ騒動に関して、ホンダ側は契約交渉とシート合わせを強く否定している。アロンソ移籍情報がホンダ内部からのリークなのか、それとも単なるガセネタかを判断する材料がない。それでも、ホンダ側が明確にアロンソとの交渉を否定したという事実は重い。「あ~あ、やっぱり」で終わってしまうのか、それとも何らかの真実が隠されているかをかぎ分けることは、現時点で不可能になる。F1レースにはアロンソが必要だからというエクレストンの介入などという話が加わるから、本物らしく見えてしまうので始末が悪い。 アロンソの移籍先に関しては、やはりFIAの聴聞会の結果を見ないとなんとも言えないだろう。アロンソに残された切符が、ルノーとレッドブルとホンダ?であることは間違いないが、契約交渉の事実を認めたのは、ルノーしかない。そのルノーはスパイ事件を背負っている。FIAの裁定によって、総額100億円の罰金を課せられると、自動車会社としての面子を失ったルノーはF1から撤退すると噂されている。アロンソとの契約交渉が長引いているのは、FIAの最終判断を待っているためだと主張されている。つまり、ルノーと契約しても、ルノーF1チームが消える可能性があるところが厳しい。 レッドブルも難しい立場にある。F1チームの年間予算は200億円くらいなので、アロンソに契約金を50億円も支払ったら、マシンの開発費用に不足が出る。F1チームでは、50億円あれば500人分の給与が支払える。そんな無駄なことを中堅チームにできるわけがない。マテシッツオーナーは09年度からなら、アロンソと契約可能だと訴えている。つまりさまざまな前提条件が交錯しているわけであり、すべてを満たすことはありえないというのがレッドブルの現実になる。レッドブルとの契約が成立する可能性は少ない。 ホンダも大騒ぎに巻き込まれてしまった。アロンソの移籍先は論理的にルノーしかないが、そのルノーと交渉が難航しているとすれば、残されている駒はホンダしかない。アロンソが無駄に1年間の空白期間を過ごすか、それともF1レースに参戦できるかの分かれ道は、ホンダ首脳の判断にかかってくる。もし、本当にアロンソを受け入れる気があるとすれば、これは希望への第一歩になるだろう。今回の騒動が一気に発火したのも、多くの人が心を揺り動かされたのも、アロンソを獲得することに大きな意味があることを認めているからになる。といって、アロンソ獲得にホンダ首脳が本当に動き出すかどうかを見定めることはできない。しばらくは、アロンソから目を話せない状況が続くことになる。
2007.11.30
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27日と28日にUEFAチャンピオンズリーグの予選リーグが行われた。ほとんどが順当な結果だったけれど、アーセナルが今期初黒星を喫した。セビージャ3-1アーセナル(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2998.html)先制点はアーセナルのダ・シウバが押し込んだけれど、セイドウ・ケイタの見事なスーパーシュートが決まって同点、さらにルイス・ファビアーノのヘディングが決勝点になった。地元で戦うときのスペイン勢は強い。アーセナルの堅い守りをスーパーゴール2発で崩して逆転勝利した。(You Tube動画は⇒をダブルクリックすると再生します) FCバルセロナとリヨンは2-2の引き分け(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2999.html)に終わり、バルセロナの決勝T進出が決まった。見所は2本のジュニーニョのFKに尽きる。1本目は40mフリーキック弾をワンバウンドでゴールに叩き込む。2本目はわずかにポストの左に外れる。このブラジル人はFKの軽業師なのである。イニエスタの先制点を生み出したクルチッチの曲がるパスもスンバラシイ~。直線だと相手DFにカットされる。曲がりながらGKとDFの間をすり抜けて、イニエスタの足元に到着するという曲芸技をごらんあれ。 ベンフィカ対ACミランは1-1の痛みわけ。(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-3007.html)2本のロングシュートの応酬で引き分けに持ち込んでいる。ACミランの先制点はピルロの長距離弾であり、守備陣の隙を突いたフェイント気味の一発だった。こんな瞬間に打ち込まれるとは思っていなかったベンフィカ守備陣を切り裂いて決まった。同点にしたベレイラの長距離シュートもスゴ~イ。お互いに守備を固めている場合、DFラインの上を超える長距離砲に大きな効果が生まれてくる。ペナルティエリア内での密集した陣形を破るのは難しいけれど、前が開けた瞬間に打ち込む勝負師たちの度胸が結果を左右する。あっけないリーグ戦と違って、CLのミランは粘り強い。 予想外の大活躍をしているローゼンボルグを敵地で一蹴したチェルシーは、さすがにプレミアの強豪。(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-3008.html)0-4でローゼンボルグを叩きのめしてしまった。ドログバを1トップに据えて、ランパード、エシアン、ジョー・コール、フィリップスと4枚並べた中盤の威力で一気に吹き飛ばした。1点目を導き出したジョー・コールと2点目の起点になったフィリップスのドリブル&シュートが面白い。こぼれ球をドログバが拾って「ごっつぁんです」と決めてしまう。どの場面にでも的確に対応できるドログバの運動神経は鋭~い。 マドリードはブレーメンに完敗(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-3010.html)して、C組は大混戦に陥ってしまった。次回の最終戦の結果で、決勝T進出が大きく変化する。どこが抜けるかわからない。苦戦していたブレーメンにも可能性が生まれてきたのには驚かされる。マドリード敗戦の原因は、ローセンベリの当たりそこねが幸いしたブレーメンの先制点だろう。変なところでワンバウンドしてGKの頭を越えてゴ~ル。サノゴの足技2点目を演出したローゼンベリのドリブル突破力も凄い。DFの頭を越えてきたパスを「ぽん」と蹴ったフントの足技3点目でマドリードの息の根を止めてしまった。ゴールを外しまくったファン・ニステルローイがやっと決めたが「時すでに遅し」、ホンマにマドリードは何とかしないと・・・。
2007.11.29
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昔、昔、スペインに小さな王国がありました。フェルナンド王国の実権を握るフラビオ大臣と赤牛の独占販売でのし上がったマテシッツ卿の対立が激化していました。原因はアロンソ王子の取り合いにあります。国境を接するルノー王国カルロス・ゴン一世も領土拡大の隙をうかがっています。スペインの地は穀物も豊かで、ワインも美味しい。地中海料理もあるし、海の向こうはアフリカの大地。フランスのルノー王家とオーストリアのマテシッツ公国が野心を抱いたのも無理はありませんね。第1幕は、カルロス一世とフラビオ大臣の密談の場から始まります。(フェルナンド城中で開かれる舞踏会の楽屋裏というのが華やかでいいなあ~)カルロス一世「フラビオよ、アロンソ王子はどうして3年契約に署名しないのだ。他に行き場はないだろう。3年契約か、それともゼロというのがルノー王国の方針なのだ。それをお前が言い聞かせないと、話が進まないではないか」フラビオ大臣「そんなに焦らずに待ってくださらないと・・・。1年でも、2年でも、サインしてしまえばこちらのもの、後は延長すればよいのです。国王が3年契約にこだわっている間に、アロンソ王子を横取りされたのでは目も当てられませんぞ」カルロス一世「大金を払って横取りするやつなんかいるもんか。マック宮殿を追い出されたときから、この機会を狙っていたのだ。PS3でも、D3でも王子の欲しいものを与えるのだ。ともかく、サインさせないと始まらない」フラビオ大臣「なかなか素直には・・・。赤牛を売っているマテシッツという輩が王子を狙っていて、横槍を入れてきます。あ、王子がやってきましたぜ」カルロス一世「たった1年で逃げ出されたのでは、大金を支払う意味がないわ。何としても3年契約に持ち込むのだ。わかったな、フラビオ」(アロンソ王子が歌を歌いながら舞台の右手から登場します。カルロス一世はこそこそと姿を隠します)アロンソ王子「1年たったらフェラーリちゃん♪、1年たったらフェラーリちゃん♪お寺の鐘はゴ~ン、ゴン♪おや、フラビオ大臣、何か問題でも起きたのですか?カルロス国王と話しているのを見ちゃいましたよ」フラビオ大臣「はっは、密談ではありませんぞ。陰謀は嫌いですからなあ。今夜の舞踏会で、フェラーリ姫の相手をするのが誰かを相談していたところです」アロンソ王子「フェラーリ姫は誰とのダンスを希望しているのですか?僕もマック宮殿で踊り方を習いました。今夜はぜひ・・・」フラビオ大臣「王子、それはなりません。戦争が始まります。フェラーリ姫は北欧のライコネン伯爵と婚約したという噂があります。南米出身のマッサカ卿もひそかに・・・」アロンソ王子「黙りなさい!、フラビオ。マラネロ城のフェラーリ姫と会うのが私の希望なのです。ライコネンやマッサカなど物の数ではない。今夜は何としても・・・」(そこに暗がりからマテシッツ卿が登場する。どうやら話を立ち聞きしていたらしい)マテシッツ卿「ご心配なさるな、アロンソ王子。あそこに見える赤牛御殿には、フェラーリ姫など足元に及ばない美人が多数待ち構えておりますぞ。ぜひ、このマテシッツと契約して、赤牛御殿にいらっしゃ~い。私はいつまでも待テシッツ」フラビオ大臣「何を言うか愚か者、王子はルノー王家と3年契約を・・・し、しまった!」マテシッツ卿「ついに、本音が出ましたな、フラビオ大臣。カルロス国王は欧州一のけちけち長者。それに嫌気がさして、アロンソ王子は逃げ出したのではありませんか。いまさら、ルノー王家と契約するなど論外、赤牛御殿のあるわが領地に来ることが幸せにつながりますぞ」フラビオ大臣「金と女で王子を釣ろうとする愚か者はこうしてくれるわ」(大臣が短剣を持ってマテシッツ卿を追いかけるところで、舞踏会の第一幕は終わります)
2007.11.28
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レッドブルのベテラン・ドライバーのクルサードが、多くの話題について語っている。その論理は筋が通っていてわかりやすい。さまざまなことについて語っているが、アロンソとスパイ事件、トラクション・コントロール廃止と中島一貴についての言葉を並べてみたい。「アロンソはレッドブルに移籍しない。噂が流れたときも、残留について心配したことはない。レッドブルと締結した契約書には拘束力がある。それは単なる紙切れではなく、具体的なものだ。結婚生活のように一方が続けたくなければ、終了させる方法を見つけるというわけにはいかない。オーナーのマテシッツは約束を守る男である。アロンソが優勝チームを去って、発展途上のチームに移籍する理由があるか考えて欲しい。アロンソは1年の休みをとっても、復帰できるほど若い。論理的な移籍先はルノーだが、ダメなら雇えるのはトヨタしかない、だが、その可能性は低い。レッドブルはアロンソと契約する可能性の最も低いチームであり、いずれにしろ、彼が求める給料を支払うことはできない」「アロンソはマクラーレンで批判されたが、それでも方法論を変えなかったことに感心させられた。スタッフによると八つ当たりすることは日常的だったらしい。今年の出来事はスポーツらしくなかったが、人間は自分の行動に一貫性を持たせることで信頼を得ていくものである」「メルセデスは公平だった。最高のエンジンを2基持ち込み、どのエンジニアがどちらのマシンを担当するかはくじで決めている。優遇はまったくなかった」「情報をディスクに記録するのと、頭に記憶するのでどう違うのだろうか。いずれにしろ、移籍すればすべては再現される。ディスクを渡されてもどうしようもない。解析するには専門家が必要になり、情報は時代遅れのものになっている。はたして、移籍するスタッフを止められるだろうか。学んだことを忘れることはできない。物理的に持ち出した場合に比較して有効性が下がるわけではない。今後はもっと目立たない形で続くと思っている」「バルセロナの話題はトラクションコントロールとABSリアブレーキの廃止だった。若手のドライバーが反対せず、ドライブが楽しくなると言ったことに嬉しい驚きを感じている。TCがレースをつまらなくしたという話は俗説である。TCはリアが流れることを心配せずにパワーをかけられるので、レースを助けることもできると反論できたが、今度は変数が増えることになる。冬の終わりまでには、全チームがきめ細かな解決策を見出しているだろう。それでも、スタートは不安定になり、雨の走行はかなり危険になると思う。ウエットでは安全装置であるから、来年雨が降るとクラッシュが続出するだろう」「ブラジルでもクラッシュを経験した。中島はターン1で僕をアウトサイドから抜いた。これはフェアな戦いだったが、その後に前を横切る必要はなかった。ブレーキング中、他のドライバーの前を横切らないことで合意している。マシンが宙を飛ぶからだ。こういうことは経験豊富なドライバー間では起こらない。GP2の基準はかなりワイルドだ。ルーキーがF1に参戦する前に、達成すべき高い基準が必要になる。中島は数人のメカニックを倒して入院させてしまった。キミ、ルイス、フェルナンドがメカニックを倒したことがあっただろうか。ウェバーがF1は花嫁学校ではないと言っていたが、まったくその通りだと思う」
2007.11.26
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南極海クルーズの観光船が氷塊と衝突して沈没したというニュースには驚かされた。南極を見たいという物好きが、世界中のどこにも存在するのである。幸いに近くを航行していた南極観光船!に全員が救助されたというのにもびっくりさせられる。南極クルーズは意外と人気が高いのに恐れ入った。(当然ながら、救助された人々に日本人も含まれている)南極海は大陸の氷山が崩れた氷塊が大量に流れているので、操船が難しい。小さな氷塊ならば鋼鉄の客船は壊れないが、大物の氷山と衝突するとタイタニックの二の舞になる。問題は砕氷船でもなく、二重の船底を持たない普通の客船が勇んで南極海に船出することにあるだろう。 南極海は太平洋や大西洋とつながっているから、同じ海に見える。ところが南極海には水の壁が存在して、そこを魚は通り抜けることができない。水量が毎秒1億トンにも達する南極環流が大陸を取り巻いている。これが暖流を遮断するために、南極海は水温が低く、塩分濃度も濃い。このため太平洋や大西洋の魚類は、南極海に侵入できない。この海域にまったく異なる生物環境が存在する理由である。こんな寒い海に住む魚がいることが不思議だけれど、氷の海に春から夏にかけてプランクトンが大発生する。その密度は太平洋やインド洋など物の数ではない。 シロナガスクジラが南極海に回遊するのは、巨体の食欲を満たすためである。プラントンが無尽蔵に存在する南極海は、鯨にとって理想に近い。夏に飽食して脂肪をためたシロナガスクジラは、秋になると南の海域を離れ、太平洋の熱帯地域でお産をして春に戻ってくる。太平洋にはシロナガスクジラの食欲を満たすプランクトンは存在せず、母鯨は半年間絶食状態で育児をするという。航海の途中には、シャチなど天敵に幼鯨が襲われるから、危険な大航海になる。それでもプランクトンのために南極海に戻ってくるしかない。地球でもっとも豊穣な海が南極にある。 ゴンドワナ大陸から分離した南極大陸が極点に到達し、地球に大変化をもたらした。南極大陸の氷の成長によって、地球の大気の温度が大幅に下がり、氷河期を招いたことは知られている。3000万年前までは、南アメリカ大陸と南極大陸は地続きだった。そのために暖流が海岸線に沿って流れていたから、南極大陸も温暖であり、植物なども繁茂していた。南アメリカ大陸との間にドレーク海峡が生まれて、二つの大陸が分離すると暖流が届かなくなり、積もった雪により氷床に閉ざされていく。地球に製氷室ができたようなものだから、氷河期になったのは無理もない。 南極大陸ほど不毛の世界はない。ペンギンやアザラシなどの数少ない生物が生息している。植物も苔などが生えているだけである。白亜紀までは緑の大地だったから、地中には豊富な資源が埋まっている。ところが、氷に邪魔されて掘り出せない。日本も観測基地を設けていたが、不毛の大地には対抗出来ず、ほとんど成果を上げることができない。領土的な野心で進出した各国も、南極をもてあまし気味である。南極の変動が氷河期を招くことは間違いないので、触らぬ神に祟りなしなのだが・・・。
2007.11.25
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レッドカードというのは、試合への興味や熱気をそいでしまう。2年前の欧州チャンピオンズリーグ「バルセロナ対アーセナル」の最終決戦で、レーマンがレッドカードを食らって退場させられたシーンは記憶に新しい。あそこで「レッドか、イエローがふさわしいか」で激しい議論を呼んだ。最高の決戦の場で、一方を有利にする笛が吹かれると、すべての熱気が冷めてしまう。バルセロナが勝利しても、ぜんぜん楽しくなかったことを思い出す。審判のなすべき仕事は、試合の雰囲気をぶち壊すのではなく、選手の力をすべて引き出す方向に持っていかねばならない。もちろん、不正な行為や危険なプレイは見逃してはならないけれど。 最近行われた決戦では、アジアCL「浦和対セバハン」と五輪予選の「日本対サウジ」の笛が印象に残っている。冷静に的確に笛を吹くことで、熱く燃える試合にも関わらず、フェアプレイが最後まで維持された。国際大会では、国際審判が試合を仕切るので、Jリーグとは笛のレベルが違うことも理解できる。決戦の場になると、双方が激しい闘志を燃やすから、冷静に裁く知恵が必要になる。その意味では「日本対サウジ」の国際審判団は見事だった。ゲームの展開もラフなプレイがなく(アジアでは珍しい)、この試合を見たアジアの選手や監督に強い刺激を与えたことは確かだろう。アジアだってやればできるのである。最終決戦の場で、敗者側が納得できる笛というのはめったにない奇跡だろう。 「浦和対鹿島」で起きた2枚のレッドカードに対しては、これから審議されるだろうから、結論を出すのは早い。ただし、やっと燃え上がってきたJリーグの決戦の場に泥水をかけたことは間違いない。私自身も前半で見るのを中止したくらいだから、視聴率は低かったはずである。楽しみにしていた試合が、悪意で汚されるのは悲しい。今朝スポーツ新聞を見たら、鹿島が勝っていたので驚いた。2枚レッドをもらって、相手が浦和にも関わらず、1-0で勝負に勝ってしまったというのは奇跡に近い。怒ってTVを消すんじゃなかったと反省しても遅い。それにしても、Jリーグだって、重要な試合には国際審判級の人間を手配するくらいの細心さを持つべきである。見ていて、失望した人が多ければ、次の試合は見なくなる。こんなことを続けていると、サッカー中継の視聴率が極端に低いままで終わってしまうぞ~。
2007.11.24
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地球最初の花は、どんな姿をしていたのだろうか、どんな色をしていたのだろうか。遺伝子解析技術の進化で、植物図鑑の分類は大きく変化している。これまでは、植物の姿と形で分類を定めてきた。それ以外に系列を分類する方法があるとは思えなかったが、DNA解析の技術が進化して、過去の植物図鑑が役に立たなくなる日が来ている。(あまりに膨大なデータを書き直す必要があるために、遺伝子解析による新植物図鑑は出版されていないという)http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/9-1.html 地球で最初に生まれた原始的な花は、遺伝子の配列からアンボレラ科(http://www.ucalgary.ca/~laidlaw/amborella/amborella_web.html)であることが判明している。アンボレラはニューカレドニア島という限られた地域に生存する希少種であり、原初の花の遺伝子を保持している。滅びかけている種族であり、生存競争を生き残ったことが奇跡でさえある。2番目に分化したのはスイレン(http://www.b-net.kcv.jp/~miyagawa/tropical.html)になる。現在水辺に咲き誇っているスイレンは進化の極限にあるから、白亜紀に咲いた原初の姿を想像することは難しい。それでも、地球2番目の花がスイレンであるのは嬉しい。 なぜ、スイレンの花が地球で2番目に咲き始めたかが、花の誕生の謎を解く鍵になる。当時は裸子植物(針葉樹やシダ類)の全盛期であり、生息範囲を水辺に限定することで領土を確保したのだろう。針葉樹の大森林が続く大地では、小さな花の生き残る場所は少ない。針葉樹に太陽の光を独占されて光合成が難しい。太陽の光を手に入れられる限られた場所が熱帯の水辺にあることは今でも同じである。 花が咲いた理由は昆虫と深い関係がある。花粉を運んでもらうには、空を自由に飛んでいる昆虫が役に立つ。そのことに針葉樹は気がついていない。昆虫を引き寄せる目印が花であることも今と同じだろう。スイレンの先祖に当たる植物の葉に変化が起きて、昆虫を引き寄せる機能が生まれた。これによって、小さな花は受粉して種をまくことができたのである。花は世代交代が早い。1~2年で次の世代に移行する。針葉樹が数十年かけてゆっくり生長するのとは進化の度合いが違う。 花の時代が始まると、短期間のうちに地球を席巻していく。老いた針葉樹が倒れると、その空間を花が占領するようになる。花がいなければ、成長の遅い針葉樹の苗木でも光を独占できた。成長の早い花が空白部に進出すると、針葉樹の苗木は太陽をさえぎられて、脱落していくしかなかった。白亜紀の大陸を覆っていた針葉樹の大森林は急速に草原に変化させられていく。 当時の地球を支配していた生物は恐竜だった。植物を餌にしていた恐竜を草食恐竜と呼ぶのは正しくない。草(被子植物)が生まれたのは白亜紀であり、ジュラ紀までは針葉樹の葉を食べていたからになる。光合成をめぐる生存競争に敗れた針葉樹が衰退すると、大森林を餌場にしていた大型恐竜(首と尻尾の長いやつ)も衰退していく。針葉樹の森は寒冷地帯や山間地などに追いやられてしまった。カナダの極北地帯から恐竜の化石が見つかっている。こんな寒い地域に恐竜が住んでいるのは不思議なのだが、餌場を失った恐竜たちは、針葉樹を追いかけて極北地方まで進出するしかなかった。スイレンの花が厳しい植物の生存競争を生き残ったゆえのたとえようもない美しさを持つのは当然かな。
2007.11.23
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国立で行われた北京五輪最終決戦は久しぶりにスタジアムも満員になった。大観衆の声援がサウジをひるませなかったことには驚かされた。中東のサッカーは「引いて、守って、カウンター!」がセオリーなのに、この日のサウジはまるで異なっていた。最終決戦に勝たなければ、五輪予選に敗退するからである。その気迫がひしひしと伝わってくる。サウジの選手もその気になれば、全員攻撃ができる。思いっきり前線からプレスをかけて、前にボールを出し、突破を狙う。サウジの正攻法の猛攻撃が始まると、日本は守勢に立たされるしかなかった。前半はシュートさえも打たせてもらえない状況が続く。サウジの激しいサッカーが90分続くと、宿敵の欧州勢も恐れる必要はなくなるはずである。 後半はスタミナが切れたサウジに対して、日本の逆襲が始まる。日本の攻撃は方向が定まっていない。というよりも徹底した攻撃的サッカーに慣れていない。Jリーグでレギュラーを確保している選手が限られているのが弱い。実績を残している本田圭と水野が主軸になるのは当然としても、他の選手もレギュラーを奪う気迫を持つべきだろう。FWに李が出てきて、やっとメンバーが揃い始めている。もう一人突破力のあるFWが見つかれば、長年の宿題も解決に向かう。シュートを打てるときに、ついパスを出してしまう弱さを解決するには、リーグでレギュラーポジションを奪うしかない。試合に出ていないと、なかなか実戦的な勘は身につかない。 浦和と対戦したセバハンも別人のような攻撃サッカーをしてきた。この日のサウジも前半は攻撃に徹する姿勢を見せている。アジアの試合がつまらないのは守備重視のサッカーが蔓延しているためだろう。それは政府がスポーツに関与しているからになる。面白いサッカーよりも、勝つサッカーを命じられると、監督は守備的な配置と戦略をとらざるを得ない。どちらかは負けるのだから、激しく燃えて戦えばアジアも盛り上がるのに、勝負を重視しすぎて選手の能力を生かしていない。勝つサッカーを試してみたサウジはそのことに気がつくだろうか、それとも元の木阿弥に戻ってしまうのだろうか。次の試合が楽しみになってきた。
2007.11.22
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トヨタを追放されたラルフ・シューマッハがチームの体質を批判している。トヨタ方式が敗因になっているとラルフは主張するのだが、どうも批判の切れ味が鈍い。マイク・ガスコインの解任やロス・ブラウン招致に動かなかったことが勝てない理由とラルフは考えているけれど、トヨタの不振はそんな単純なものではあるまい。マシンに戦闘力がなかったのは、ライバルとの技術力に格差が存在したからであり、技術の差を埋め合わせないと、いつまでもフェラーリと互角に戦うことはできない。エンジニア一人でどうにかなる問題ではないだろう。 ラルフ・シューマッハは3年間をトヨタで過ごしている。兄ミハエル・シューマッハがフェラーリを改革したようなチャンスは存在したはずである。それを無為に過ごしてきて、トヨタ流を批判しても意味がない。問題はマシンの戦闘力のなさに尽きる。それを立て直すのは技術の高度化しかない。技術部門に独裁者がいたとしても、それが技術の進化に結びつくわけではない。むしろ、独走するガスコインとその他のエンジニアの対立が激化して、身動きできなかったというのが事実になる。トヨタのような合議制のシステムを持っていると、権力をかざす独裁者とは話が合わない。ガスコインと契約してみて、それを痛感させられたのだろう。 トヨタがトヨタ流であるのは当然になる。どこのチームにも企業風土は存在する。フェラーリがイタリア流から離れられないのと同じである。トヨタがマクラーレン流やウィリアムズ流に染まろうとしても、無駄というしかない。企業体質や思考法を論じてみても、そこから技術力が向上するわけではない。細部に至るまで緻密に設計するというトヨタ方式が、技術の遅れを生じる原因になるとは考えにくい。技術の進化が遅い理由は、エンジニアの開発能力が生かされていない状況にある。他を驚かすような画期的なアイデアがどうして生まれてこないかを考えないと始まらない。 トヨタ流が変えられないとすれば、それを生かした技術開発を進めるしかない。会議、会議で決定が遅れ、いつも間に合わないとすれば、会議のシステムを変える必要がある。斬新なアイデアが見捨てられているとすれば、それを救済する方法を考える必要がある。予選タイムだけを見ると差は縮まってきても、レース本番になるとあっという間に脱落していく。3年間共に戦ってきて、ラルフ・シューマッハにトヨタが理解できなかったとすれば、向いていなかったというしかない。テスト・ドライバーに日本人を登用することで開発システムに変化が起きるだろうか。トヨタ首脳が深刻であることは理解しても、トヨタ本社に対策は打てない。F1チーム内で解決するしかない。このこんがらがった糸とを解きほぐすには、何をすればよいのだろうか。
2007.11.21
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南米にはサッカーの原始的な炎が残っている。日本はもちろん、欧州でもこんな激しい戦いは少ない。サッカーそのものの思想が変化して、価値観が異なっている。厳しい戦いの中に身をさらしているブラジルの選手たちが、世界中のクラブに分布している理由も納得できる。ワールドカップ南米予選「ペルー対ブラジル」(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2882.html)の映像は凄まじいものだった。ロナウジーニョやカカが地面に転がされる。ペルーの選手たちは、大スターにまったく遠慮しない。ロナウジーニョが技をかける前に、ペルー人たちの激しいタックルが見舞うのである。南米には、いまだ格闘技であった時代の精神が息づいている。(You Tube動画は⇒をダブルクリックすると再生します) 欧州で活躍するブラジル人選手がペルーに集結する。ブラジルには、ワールドカップ予選を戦い抜いた者だけが、ワールドカップのピッチに立てるという不文律がある。それゆえ、過密日程をものともせずに、欧州クラブの有力選手が大西洋を渡って来る。ワールドカップに出なければ、富も名声も手にすることはできない。無名のブラジル選手も野心満々でその地位を狙っているから、大スターであっても油断できない。ブラジル代表の枠の中に入るだけで、世界のトップクラブから声がかかることがわかっているから必死なのである。ペルー人を恐れてはいられない。南米サッカーの激しさを乗り越えられないと、名誉と富のチャンスすらも目の前に来ない。 ペルー代表の気迫と攻撃精神も凄い。日本とやったときには、おとなしい地味なサッカーだったはずなのに、別人のように格闘精神が燃焼している。南米には、強国ブラジルとアルゼンチンが存在するから、ペルーはいつも格下扱いにされる。この試合を見ると、ホームでやるときのペルー人には凄みがある。この激しいサッカーをワールドカップでやれば、イエローやレッドのカードが続出するだろうが、本拠地でブラジルと互角に戦うには、この戦術しかないことを自覚している。このタックルをかわす技を身に付けないと生き残ることはできない。 欧州ではアーセナルなどの洗練されたサッカーが主流になっている。格闘技の精神を受け継いだ原始的なサッカーは、南米やアフリカなどのローカルカラーになっている。しかし、そんな厳しい環境で育ってきた南米やアフリカの選手が生き残るために身に付けていく技が、大陸を渡ると無敵の個人技として爆発するのは当然だろう。カカが打ち込んだループシュートが生き残り術を物語っている。日本人はこのような原始的な段階を素通りしてきたから、ガツンとぶつかり合う格闘技サッカーに驚きあきれるだけなのだが・・・。
2007.11.20
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フェルナンド・アロンソとルノーとの交渉が難航している。マネージャーがレッドブルと交渉を始めたので、すでに交渉は破綻しているという情報も流れている。アロンソは1年契約を主張してきた。ルノーに手足を縛られたくないというのが本音だろう。1年間はルノーで我慢して、その後はフェラーリに移籍するという3段とび作戦を狙っている。ルノー側は1年で逃げ出されたのではたまらない。そこで、ゴーン社長は3年契約を厳命したという。この条件を受け入れないとルノーはサインしないはずである。交渉相手が豪腕のゴーン社長という点がきつい。一度言い出したら後に引かないから厄介である。ブラジルGPからかなり時間がたっているのに、いまだに契約がまとまらないのは、契約交渉が深刻な状態にあることを予感させる。 アロンソのマネージャーとレッドブルが交渉を開始したという事実をトロ・ロッソのベルガー代表も認めている。アロンソの契約金は35億円以上だから、ウィリアムズのような貧乏チームでは支払えない。レッドブルはお金持ちだが、それでも年間予算は200億点程度に過ぎない。ドライバーに支払える契約金に限度がある。さらに、アロンソの満足するようなマシンを持ち合わしていない。1年すれば、性能に不満を感じたアロンソは飛び出していくだろう。それがわかっていても、アロンソを獲得すれば大きな宣伝効果がある。年に何回かは表彰台にも上れる。レッドブルと妥結する可能性は大いにありうる。 資金力のあるトヨタは、正式ドライバーとしてティム・グロッソを登用するらしい。契約書にもサインしているという。トヨタの幹部も「アロンソを受け入れるパッケージを準備できない」と語っている。多額の契約金やアロンソの不満を考えると、わがままな1年契約の王者よりも、素質のある新人を抜擢するほうが賢いと考えるのは無理もない。資金力のあるトヨタが契約交渉に応じないというのは、アロンソ側にとって痛かっただろう。エクレストンが「アロンソは1年間の休暇をとって・・・」と予言したことが現実味を帯びてきた。プライベートチームはどこも年間予算が100億円程度しかないから、とても契約金が支払えない。たしかに、アロンソの行き場は見えてこない。 アロンソの選択肢としては、ルノーとの3年契約(ゴーン社長が契約書を振りかざしている)、レッドブルとの1年契約(その後、フェラーリに移籍できるか不透明である)、1年間のヨットと魚釣り休暇(今では一番可能性が高い)の3つしかない。マクラーレンとの契約を破棄したときに、この状況は予想されていた。それを覚悟の上でマクラーレンを飛び出した判断が甘かったというしかない。アロンソにとって悩みの種は、1年後にフェラーリが契約してくれるかが不明なことに尽きる。フェラーリはマッサとの契約を延長したので、空席ができるのは3年先になる。アロンソはそんなに待てないだろう。BMWはハイドフェルドとクビカに満足している。ホンダはバトンとバリチェロとの契約を延長している。(アロンソとバトンのトレードが成立すれば、ホンダ移籍の可能性がないわけではない)ドライバー獲得の動きのないマクラーレンの動向を重ねると、どうにも先が読めないのが・・・。
2007.11.19
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日本のU22代表はベトナムの地で4-0で勝利した。李のヘッドによる2得点の功績が大きい。やっと反町監督に使ってもらって、悔しさを晴らしたというところだろう。これまでと違って、本田圭や水野の動きにも切れがあり、本拠地に強いベトナム(サウジと引き分けている)を圧倒している。「このできじゃ、オシム監督に叱られる」と語った水野が先制点を演出した。点差では圧倒したが、内容ではそうともいえない。いや、タフさや精神力ではベトナムのほうが上かもしれない。厳しいマークと執拗な攻撃に日本勢も悩まされていた。代表レベルよりも力の差が接近している。堅く守って失点しなければ満足していた東南アジアのサッカーから、ベトナムは離陸しようとしている。何名かの素質を持つ選手の動きもすばらしかった。唯一の弱点はシュートの決定力不足になる。それでも、東南アジア出身の選手がJリーグに登場する時代も近いだろう。 サウジアラビアでは、中東の最終決戦が行われていた。グループCトップのカタールと逆転を狙うサウジアラビアの緊迫した対戦である。力はサウジのほうが上だけれど、勢いはカタールにある。後半にカタールが得点して1-0になったときには、五輪出場が見えていた。開催地がカタールだったならば、このまま終わっていたかもしれない。ところが主審からレッドカードが提示されて、最終決戦の流れが激変する。人数不足に追い込まれて苦しくなったカタールはDFが痛恨のファールをしでかしてしまう。相手を押し倒したと判断されて、PKを食らったのである。サウジのPKが決まって1-1の絶体絶命の立場に立たされると、経験不足のカタールに弱さが出てしまう。終盤にサウジのゴールが決まって、2-1で逆転勝利を収めた。これで日本が1位、サウジが2位になり、国立競技場でグループCの最終決戦が行われる。日本は勝ち点10、サウジは勝ち点8なので、最終戦に勝利したほうが北京五輪の出場権を獲得する。 サウジと日本の力は互角と考えておくべきだろう。サウジのカウンター攻撃を甘く見たアジアカップでは、A代表が敗北している。けっして油断できない相手なのである。最終戦を勝たねばならないサウジは前に出てくるから、これまでの守備的サッカーとは激変するはずである。加速したときのサウジの速さは、アジアカップでも身にしみているから、守りを固めての積極的な攻撃が必要になる。前線からプレスをかけられるかが勝敗の分かれ目になるだろう。ここで引き分け狙いのサッカーをやったのでは、ドバイでの二の舞になってしまう。攻撃型サッカーが見えてきたのだから、本田圭、水野、家長、李、森島を並べれば面白い。結果は選手たちの気迫次第になるけれど、何とか五輪出場が・・・。
2007.11.18
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ブラジルGPで冷却燃料をBMWとウィリアムズが使用した問題の裁判が行われ、マクラーレンの控訴は却下された。ブラジルGPの結果は変更がなくなり、フェラーリのライコネンのチャンピオン獲得は確定された。FIAの聴聞会では、違反を告発するマクラーレンの弁護士と反論するBMWとウィリアムズの弁護士との間で、のしりあう場面が演じられたという。「大気温よりも10度以上低い燃料を使用してはならない」という規約をめぐる裁判は、その結果がチャンピオン争いに影響を与えるために注目を集めていた。というよりも、マクラーレンのしつこさにあきれていたと言ってもよい。まさしく、ロン・デニスの性格がにじみ出る裁判になった。 冷却燃料が禁止されている理由は、エンジンパワーが増大するからになる。冷却燃料によって生み出される吸気ガスは温度が低い。低い温度の吸気ガスによって、シリンダーヘッドなどのエンジン部品を内側から冷やし、ガソリン濃度を高めることができる。結果的にエンジンパワーを増大させることになるから、FIAによってガソリン温度は厳しく管理されている。(冷えたドリンクを飲むと、体が内側から冷やされると同じと考えるとわかりやすい) ブラジルGPの大気の温度は、測定した機関によってまちまちだった。熱帯地域では、太陽の直射部分と日陰では大きな温度差が生まれる。気温測定箱のような閉じ込められた空間では気温が低く、温度計を太陽にさらすと一気に上がる。インテルラゴスで測定した気温の数字がまちまちだったので、混乱が生まれたのは仕方がない。BMWとウィリアムズの契約している機関の気温測定では、使ったガソリンと大気に10度以上の差はなく、問題はなかった。レーススチュワードがBMWとウィリアムズを無罪としたのは、どの数字が正確なのかを断定できなかったからになる。 マクラーレンが食い下がったのは、やはり優勝できなかった悔しさだろう。BMWとウィリアムズが失格になればポイントを失い、ハミルトンは4位に上昇する。その結果、大逆転でハミルトンの優勝が決まる。マシントラブルによって最後尾まで脱落したハミルトンを救済できるのは冷却燃料裁判しかなかった。それにしても、却下の裁定の論拠は不明確であり、本当に審理を尽くしたのかもよくわからない。もともと政治的な思惑の裁判なので、審理するほうもマクラーレンを厄介払いするという考えに立っていたのだろう。 FIAが厳密に問題を取り上げて詳細に議論すれば、公式の気温とBMWとウィリアムズのガソリン温度に10度以上の開きがあったことは事実だから、失格の裁定を下さねばならない。そんなことをすると、大逆転が起きて世の中が騒然となる。マクラーレンの控訴を却下すれば詳細に検討する必要はない。2チームの依頼している機関の測定した気温と公式の気温に10度以上の差があったことは不問にされた。現実に2つの気温が存在したのでは、議論が堂々巡りになる。まさか、BMWとウィリアムズも公式の気温と依頼した気温測定に10度以上の差があったなどとは思わなかっただろう。 世論はレース結果を裁判で変更しようとするマクラーレンの姿勢に批判的なので、却下の裁定も受け入れられて終わるだろう。マクラーレンの訴えは控訴には当たらないと門前払いの形にしたのは賢明だった。公式の気温とガソリン温度に10度以上の差があるのに、BMWとウィリアムズはどうして無罪なのかと突っ込まれると答えに窮するから、門前払いの形にしたのである。めでたし、めでたし?
2007.11.17
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バルセロナテストで衝撃を与えたのは、ミハエル・シューマッハの速さと共通エンジンECUの遅さに尽きる。各チームの開発してきた最新スペックのECUに比較すると、共通ECUはいまいちの性能らしい。競争社会から切り離されている技術が中途半端なのは仕方がないだろう。生きるか死ぬかの激しい開発競争に無縁の共通ECUはエンジニアに魅力的でなかろう。そもそも、過剰な開発競争を抑えるために投入されたパーツに期待するのが間違っていることになる。 独自開発してきた旧ECUが高性能であればあるほど、落差に悩まされることになる。電子機器にとって、反応の遅さというのは致命的になる。共通ECUの標準プログラムでなく、カスタムプログラムを開発すれば、少しは役に立つようになるというが、それには時間が必要になる。3月までにECUの機能をマスターしないと競争力が大幅に落ちてしまう。マクラーレンだけは使いこなしに熟達しているから、時間との競争は必死にならざるを得ない。8月頃には、まったく動かないエンジンが続出したというが、バルセロナではまあまあ使いこなせるレベルに来ている。エンジンを動かすだけでなく、特性も思うようになる段階に達するには時間が足らない。そもそもマクラーレン製だから、信頼性に問題のないことがとりえだろう。 ルノーはデータのやり取りを高速化するために、エンジンECUとボディECUを一体化したシステムを開発していたという。エンジンとボディのデータのやり取りする時間を短縮させるアイデアになる。1つのECUでエンジンとボディを同時に制御させることで、速度は100倍にも向上している。その最新型のスペックに比較すると、共通ECUは古いシステムであり、情けないほど遅いと嘆く。さらに言語が異なるから、分析するだけでも頭を悩まされる。本当にマクラーレンはこんなECUに満足していたのかというのがルノーの本音だろう。 FIAが共通ECUを強制した理由は、トラクション・コントロールの廃絶にある。タイヤの空転を感知して、エンジン出力を制御するトラクション・コントロールは、最高のドライバーエイドとして採用されてきた。これを禁止するために、ECUそのものをFIA公認のものに切り替えることにした。(独自のECUでは、内部にトラクションコントロール機能が隠されているかどうかを見極められない)この方針により、スロットル全開でコーナーに飛び込む電子制御ドライブは消滅させられる。スロットルに細心の注意を払わないとタイヤが空転して、スピンを起こしてしまう。700馬力のエンジンを人為的にコントロールさせるいうのがFIAの方針になのである。 スペインのバルセロナテストで、相変わらずフェラーリが速いということは、エンジンよりも車体設計に勝利の鍵があることを暗示している。ECUを開発していた技術者は、別の部門に移って何かをしでかすことになるから、やはりコスト削減にはなりそうもない。今度は車体の電子制御化が進行することになるだろう。FIAは共通ECUがドライバーの能力をレースに反映させていく主張するが、それで過当競争が収まるはずがない。規制強化と技術開発のいたちごっこは果てしなく続いていく。さて、どうなることやら。
2007.11.16
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スペインのバルセロナで行われているテストで、ミハエル・シューマッハが2日間トップタイムを出したという事実は衝撃を与えている。1年間の空白があるにも関わらず、シューマッハは他のF1ドライバーよりもタイムが速い。体力を消耗するレースでなく、合同テストでのトップタイムというところが皮肉である。何のためにフェラーリはシューマッハの復活を企画したのだろう。シーズンオフのお祭騒ぎを演出したかったのだろうか。来年度仕様のフェラーリには戦闘力がある。全チームのエンジンに搭載される共通ECUを使いこなしている、マクラーレン製のECUがどのような効果を発揮するかは、少しずつ見え始めている。 ロス・ブラウンのホンダ代表の就任に時を同じくして、フェラーリも人事の刷新を発表している。ニュースの扱いとしては小さいのだが、奥深い内容が含まれている。中心はF1レース監督の地位にイタリア人ステファノ・ドメニカリが抜擢されることにある。この職はフェラーリチームの中心であり、ジャン・トッド代表が兼務していたものである。この重要な地位にイタリア人が就任するということが、フェラーリの政変を予感させる要因である。ジャン・トッドは事実上レースの指揮から引退することになる。 トップ人事というのは、日本とイタリアでは大きな違いがある。日本では鎌倉時代の北条執権以来、将軍職は飾り物にすぎない。徳川時代も将軍は置物であり、実権は幕閣が握っていく。日本では会長や社長は顔であり、実質的に企業を動かしているのは下部の組織であることが多い。トップが先代のお坊ちゃまでも、企業経営に影響が出ないようにする知恵でもある。イタリアは違う。絶対的な権力を持つドンがすべてを取り仕切る。権力の移譲が行われた場合は、ひざまずいて新たなドンに忠誠を誓うことを求められる。反逆者は許されない。(映画ゴッドファーザーを見た人は理解できるだろう) ステファノ・ドメカリがイタリア人というところが鍵になる。単なる監督後継者というよりも、フェラーリの新たなドンに選ばれた可能性がある。最終戦でライコネンが王座を獲得したことが、この政変の起きた要素と思われている。新たな「フェラーリのドン」になるためには、血で実績を示さねばならない。激しい権力闘争の果てに、フェラーリの頂点に上り詰めたドメニカリは覚悟している。この新体制に反発したステップニーがスパイ事件を起こしたことは知られている。ドメニカリがイタリア人であるということを考えると、ジャン・トッドの後継というよりも、モンテツェモロの権限を受け継ぐ可能性が高い。 フェラーリがロス・ブラウンを手離した理由が取りざたされている。新執行部が優勝という結果を出したことで、ロス・ブラウンの必要性が否定されたのである。新執行部にしてみると、もう「よそ者」は要らないという強い姿勢を打ち出したことになる。多国籍軍と呼ばれていたシューマッハを中心とした旧首脳陣の多くはフェラーリから去ることになるだろう。そして、どうやら「イタリア人によるイタリア人のためのフェラーリ王国」が始まるらしい。ドメニカリがどれほどの権力を握れるかは、レースの実績にかかってくる。それさえやり遂げれば、新たなドンとして認知されていくだろう。もし、つまずくと不満を持つ挑戦者が現れるはずである。イタリア人社会にドンは一人しか存在しないから。
2007.11.15
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アジアで行われた最高の試合だろう。得点は2-0だが、これほど迫真のゲームはなかった。セバハンの戦い方は、負けを恐れぬ気迫に満ちていた。不利な状況になっても、全力で前に突き進む姿勢は、Jリーグのクラブにも存在しない攻撃的精神に満ちていた。カウンターは少数の突撃部隊によって行われるのが常なのに、セバハンは数人が一気に前線に駆け上がって、集団の厚みのある圧力を浦和に加えていく。DFラインも前に出てくるから、前進する圧力が強い。唯一の弱点はシュートの正確さに欠けていることに尽きる。それが無得点になった原因になるが、ここにブラジル人のストライカーがいたら恐ろしい存在になっていた。イラン人たちの魂は凄まじかった。セバハンが最終決戦に生き残ったのは当然ともいえる。 浦和レッズの強さも実感させられた。決勝リーグの厳しくつらい連戦を見れば、過去のJリーグのクラブが予選で敗退させられたのもうなずける。チャンピオンズリーグになると、アジアの選手たちの気迫が高まるから、生半端な甘い気持ちでは挫折させられる。セバハンの猛攻に耐えられるクラブは、アジアで浦和しかなかったことは事実だろう。サッカーの戦術論や技術論を超えたところにチャンピオンズリーグの勝利が待っている。この試合を見ていたアジアの監督や選手たちも、攻撃型サッカーの醍醐味を認識したと思う。アジアのサッカーが変化するきっかけになるゲームだと思う。 浦和の驚きはいくつもある。イランまで遠征して、なおかつリーグ戦も戦うという過密スケジュールに耐え切ったことが凄い。ワシントンや阿部は痛みに耐えながら戦い続けてきた。来年度からはスケジュールも考え直すべきだろう。リーグ戦と平行して、ナビスコカップや天皇杯の予選を行うことは磨耗につながる。浦和の選手に故障者が続出したが、これはスケジュールを決めた協会の責任である。ベストな体調を維持させるような日程を組まないとこれからも選手が泣かされる。それに耐えてきた浦和の選手たちを評価しよう。 ワシントンが交代を告げられたときに「俺が?」という表情を見せたことにもやる気が感じられた。勝利するという執念がこれほど全員に染み渡っているチームは世界にだって珍しい。最近のACミランのだらしなさを見れば、チャンピオンズリーグとリーグ戦の両方に勝つことの困難さがわかる。永井の豪快なシュートと阿部のヘディングは、アジアサッカーの歴史に残るシーンになる。何よりも、アジアCLの価値を無関心な日本人に認識させてくれたことが大きい。CLに勝つことの意味を赤い軍団は力で証明してくれた。残された目標は、クラブワールドカップでACミランを倒すことに尽きる。「そんなことは不可能さ」と笑われていた時代は終わったことを実力で示してくれた。欧州のトップクラブに比較しても、見劣りしない力を持っていることを横浜の決勝戦で示して欲しい。アジアサッカーの流れが変わるはずである。(チャンピオンリーグのテーマ曲が欲しい~)
2007.11.14
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イタリアでサポーター同士の騒動が発生したとき、警官が威嚇射撃をして犠牲者が出てしまった。これに怒ったイタリア全土のサポーターが各地で決起したために、サッカースタジアムは大混乱に陥っている。世界一燃えやすいイタリア人サポーターとスタジアムを警備する機動隊とは仲が悪い。サポーター側の犠牲者が出たのに、平気で試合を開催したクラブ側に抗議する運動が広がったのである。スタジアムの規制強化で頭を押さえ込まれていたサポーターの不満が爆発したともいえる。いずれ、冷静になって落ち着くだろうが、荒れたスタジアムでは、しばらく無観客試合が続くだろう。まあ、嘆いていても始まらない。そこでスーパープレイの特集を・・・。 ます、バルセロナ対レンジャーズの戦い(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2741.html)から。アンリ、メッシ、ロナウジーニョのトリオの技は見所満点。1点目はロナウジーニョのロングパスをメッシが頭で落としたボールをアンリが飛び込んでゴールに押し込むと言う神業をごらんあれ。このタイミングでボールが来ることを予感してゴールに飛び込むわけだから、アンリの嗅覚にも驚かされる。2列目から飛び出してくるシャビとイニエスタも危険な存在であることを見て欲しい。2点目は、ロナウジーニョとメッシのワンツーからGKにシュートがはじかれたところをメッシが押し込んでいる。レンジャーズのガードは固いから、このレベルの技を発揮しないとゴールが決まらない。付録として、メッシのスーパー17ゴールをぜひ(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2351.html#more)(You Tube動画は⇒をダブルクリックすると再生します) イタリア人選手がいないとFIFA会長から叱られたインテルのスーパープレイも紹介してみたい。CSKAモスクワとの合計6ゴール(http://coop46.blog91.fc2.com/blog-entry-2739.html)はいずれも極限技に近い。こんなに見事に決まる6ゴールは、欧州CLでもなかなか見れるものではない。1点目はCSKAのジョーがワンツーから叩き込む場面になる。何と左隅にカーブをかけて打ち込んでいる。これは凄いぞ、ロシアを侮るなかれ。2点目は、CSKAのラブが二人のDFをフェイントでかわしてシュートを打ち込む場面になる。インテルのDFに囲まれても、あわてずにフェイントをかけてからキーパーの逆を突くという技が恐ろしい。 3点目は2点を先制されて燃えてきたインテルのイブラヒモビッチのダイレクト・ボレーの大技になる、FKを蹴るキッカーとの視線コンビネーションと正確に捕らえて打ち込むボレーの決定力が見所になる。4点目はスルーしたパスを打ち込んだカンビアッソの鋭い一撃になる。CSKAの守備網をかいくぐって、チャンスを見逃さないのはさすがというしかない。なおかつ、ゴール左隅に打ち込んでいる。これではCSKAのキーパーもどうしようもない。 5点目は言葉もない。ショートコーナーからヒールキックでつないで、カンビアッソがドカンと打ち込む。あんな瞬間にヒールキックでパスするなんて、インテルのアイデアの豊富さに衝撃を受ける。カンビアッソの決定力も見事だろう。6点目はイブラヒモビッチの長距離砲がドーンと爆発する。DFの穴を見つけると即座にロングシュートを打ち込む判断力の鋭さがポイントになる。CSKAモスクワもこのような大技を連発されてはたまらない。やはり、インテルはつわものの集まりであることを痛感させられる。 BSでイングランド・プレミア中継が始まった。最近はサッカーの囲い込みが激しくて、地上波だけでなく、BSでも、ローカル局でもサッカー中継が減っている。昨年までは浦和がTV埼玉、ジェフ千葉が千葉TVで見れたのに、今シーズンは中継が激減させられている。Jリーグでさえも、金欲しさに独占放映権を売るとは、自分の首を絞めることにつながる。メジャーリーグの中継が増加したことで、巨人戦の中継は魅力が薄れてしまったことを忘れるべきでない。リヴァプール対フルハムの緊迫した試合を見ていると、Jリーグとは歴然とした差があることを実感させられる。これでは、海外クラブにファンを獲られてしまうぞ。協会は金儲けだけを考えずに、サッカーファンのことを第一に考えないと・・・。
2007.11.13
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ロス・ブラウンはフェラーリの知恵袋として最前線の指揮をとってきた。ミハエル・シューマッハ時代を演出したエンジニアである。ベネトン時代に頭角を現し、ミハエル・シューマッハと共にフェラーリに移籍して、その才能を開花させている。本来の立場は技術部門を束ねるチーフエンジニアであり、フェラーリの技術的な方向性を決定する立場にあった。守備範囲の広いロス・ブラウンは開発部門に閉じこもることに満足せず、レースの現場に飛び出していった。エンジニアがレースの指揮をとり、不足する技術を探知して、それを開発部門に要求していく手法は画期的な成果を生み出した。技術部門とレース部門のパイプ役もこなしたのである。 多発するトラブルに悩まされていたフェラーリの信頼性を高めたのは、ロス・ブラウンの功績になる。実験的な部品の採用を禁止して、徹底的に耐久テストを行ってから、マシンに組み込むという方法論にこだわり続けた。イタリア的な大まかな開発方法から、精緻で厳格な方法論に変更させることで、フェラーリのマシンは壊れにくくなった。他のチームから批判されながらも、自社サーキットでのテストを繰り返し、弱点を補強させてきた。フェラーリの圧倒的な信頼性は、ロス・ブラウンの頭脳から生まれている。 フェラーリにおいては、マシン開発の任務をになうだけでなく、作戦参謀として最前線を取り仕切ってきた。レース開始時にガソリンをどのくらい積んで、いつピットストップさせるかを複合的に戦略化したのもロス・ブラウンである。それまでは単純にガソリンがなくなるとピットインさせていたのを、相手よりも多めに燃料を積んでピットストップを遅らせ、数周軽いタンクでタイムを稼いでからピットインさせるというような戦術である。コースのマシン分布を計算して、一番渋滞の少ないタイミングでピットインさせるなどは、ロス・ブラウンにとって朝飯前だった。その戦術を確実に達成したミハエル・シューマッハとの共同作戦は大きな成果を生み出した。そのシューマッハが引退すると、ロス・ブラウンはなぜか長期休暇に入り、フェラーリの現場を離れている。 ロス・ブラウンがフェラーリを離れた理由はさまざま憶測されている。ロス・ブラウンが去ると組織改革が行われ、その才能を縦横無尽に働かせる場所が消えてしまった。ロス・ブラウンの功績が評価されて、フェラーリのチーム代表に就任すると噂されていたけれど、ジャン・トッドが引退せずにとどまることが明らかになって、居場所がなくなったのが移籍を決断した一番の要因と思われる。ロス・ブラウン配下のエンジニアも大挙してホンダに加わることが予想されるから、ホンダ本社もロス・ブラウンにマシン開発と最前線の指揮を一任することに同意したのである。 フェラーリとホンダの間には底知れぬ技術格差が存在している。それを埋め合わせることはほとんど不可能とされてきたが、ロス・ブラウンの移籍で一気に差は縮まるはずである。フェラーリのすべての情報を握り、マシン開発の根幹を知る人物がホンダに加わるのだから、あちこちから歓声が上がるのは当然だろう。前衛的実験、失敗、保守的な設計、失敗を繰り返して、方向性を見失ったのがホンダになる。そして、やっと勝つマシンを開発できる人物が登場することになった。これは限りなく大きい財産になるはずであり、迷っていたホンダF1にようやく先が見えてきただけでも・・・。
2007.11.12
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FIAがルノーを喚問する。マクラーレンから移籍したエンジニアが持ち出したデータが、ルノーのコンピューターに取り込まれていたというスパイ疑惑は、予想外の広がりを見せている。マクラーレン・スパイ事件はマイク・コフラン個人が起こした事件と言う面が強かった。組織としてのマクラーレンは直接関与していないと主張していた。ところが、例のメール騒動で、フェラーリのテスト・データを使用していたことが明るみに出て、100億円の罰金と獲得ポイントの剥奪と言う処分を受けている。二人のドライバーは免責になったので、アロンソとハミルトンは救われているが、FIAはマクラーレンの監視を続けている。 この処分が前例となれば、ルノーのポイント剥奪と100億円の罰金は避けられそうもない。マクラーレン側の調査によると、ルノーチーム幹部の15人がデータを所有していたことになる。つまり、組織的にスパイ活動が行われていた形跡が残っていた。ルノーのブリアトーレ親分は、マシン開発にマクラーレンのデータを活用した証拠はないと断言しているが、それを証明することほど難しいものはない。複数のパソコンにデータが残されていただけで、組織的なスパイ犯罪であると主張されると、その論理を破ることは難しい。 アロンソとの契約成立直前でご機嫌だったゴーン社長も、ルノーチームが処分されるとなると激怒するだろう。F1チームの存在そのものに関わる重大な事態に発展する危険がある。実際にマシン開発に使われたかどうかではなく、15人もの幹部のパソコンにデータが残されていただけで、罰せられる危険性が高い。同じスパイ事件でも、個人的な犯罪と組織的な犯罪では、おそらくFIA側の姿勢は大きく異なってくる。場合によっては、昨年度のチャンピオンシップにまで影響が出る可能性すらある。ルノー側はすべての情報をFIAに提供してマシンを詳細に検査してもらい、無実を証明するといきまいているが、データを幹部が所有していただけで有罪という判決が出る可能性があるから苦しい。 シーズンオフになって、ロン・デニスがルノーをスパイ容疑で告発したという真意が量りがたい。F1チーム間では、これ以上スパイ事件を荒立てずに収束に向かわせると言う話し合いが進んでいたから、マクラーレンの行動が波紋を呼んでいる。多くのチームには移籍したエンジニアが数多く存在している。彼らに求められるのは、前のチーム時代の経験になる。露骨にデータを持ち出さなくても、頭の中にある数値やアイデアを使うことは避けられない。トヨタも同じような事件を起こしているが、そのときにはフェラーリ側は検察の捜査に一切を任せていた。FIAはトヨタの処分に動かなかった。それを考えると、ルノーを告発したマクラーレンの動きは、政治的な謀略にも見えてくる。スパイ事件が明るみに出れば、FIAも黙殺することはできない。ルノーは事前にマクラーレンやメルセデスと話し合うべきだったと反省しているだろうが、マクラーレン・バッシングに腹を立てているロン・デニスを止められそうもない。アロンソの悩みがまたひとつ増えることになる。
2007.11.12
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ついにこの日がやってきたのは感慨深い。アジアクラブ王座をめぐる争いの終着点に、ようやく浦和レッズはたどり着いたのである。城南一和にはPK戦で勝ちぬいたのを見ても、クラブサッカーのレベルはイランや韓国とは、ほぼ同等だろう。過去の日本チームがアジアCL予選で脱落してきたのは、けっして偶然ではない。浦和レッズと川崎フロンターレがCLに登場して、何とか互角に勝負できる段階までこぎつけられたと言うのが実情になる。アジアを甘く見た過去の出場クラブが挫折したのは仕方がない。それほどイランで行われた第1戦は厳しかった。一方的に攻められ続ける浦和などは、Jリーグでもあまり見たことがない。アジアのサッカーは予想外に進化を続けていることを実感させられる。 イラン・イスファファンで行われた第1戦の中継を見ていたら、日本風の声援がマイクを通じて聞こえてくる。中東のイスラム教徒も変化したなあと感じていたら、赤い応援団が映し出された。数百人のレッズ党がイランまで海外出張していたのである。クラブ対抗の試合なので、イラン人たちも穏やかで楽しそうにサッカーを見ている。代表戦の燃え上がる炎の凄まじさに比較すれば、無風状態とも言えるほどのんびりした光景だった。中東での試合は、時差や環境の変化が影響して、常に厳しい内容になる。圧倒的にボールを支配していたのはセバハンであり、ポンテの中距離弾が決まらなかったら危なかった。セバハンに決定力のあるブラジル人がいたらと思うと背筋が凍りつく。 セバハンの攻撃型サッカーは、プレスからして異なる。Jリーグでは、プレスは威嚇や牽制に過ぎない。相手を制御して飛び込ませないことを第一にしている。イラン人のプレスはボールを奪うことを第一にしている。そのために間合いや接近のタイミングが違う。あっという間につめられてボールを奪われてしまう。次の瞬間には鋭いカウンターにつながり、浦和のDFラインも戻りきれない場面が続出していた。こぼれ球もセバハン側が拾って、次の瞬間に攻撃の起点になることが多かった。中盤を完全に支配されたことが苦戦の原因だろう。防戦一方になっても、土俵を割らなかったのはさすがと言うしかないが、内容は誉められたものではない。相手の戦力や作戦を知らないことが苦戦の要因になる。 最終決戦はさらに攻撃姿勢を強めてくることが予想されるから、試合内容は厳しくならざるを得ない。ホームの埼玉の試合というのが救いになるけれど、同じことを繰り返せば勝つことは難しい。露骨な引き分け狙いも、セバハン得意ののカウンターを食らうと危険度が高い。守りに追われて、中盤が下がったことがボールを支配された要因なので、危険を覚悟してもラインを上げるしかない。ワシントンの1トップにして中盤を厚くし、闘莉王と阿部の最終ラインを構成するしかない。課題は選手とのつばぜり合いを繰り返すオジェック采配になる。アジアCL最終戦に勝つためには、強い団結と精神力が必要になるが・・・。
2007.11.11
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サッカー選手の外国籍問題はEUで深刻化しつつある。イングランドやイタリアにおいてトップクラブを維持するには、外国籍のスター選手は必要不可欠な存在だろう。欧州が素材の宝庫だった時代は去り、南米とアフリカの選手がEUに流れ込んでいる。途上国の選手たちは、海外移籍を目指して生き残り競争を戦い、世界中に分布している。貧しい経済から抜け出す唯一の手段がサッカーでの成功を収めることにあるから、ハングリー精神は突き抜けている。外国人選手なしではプロリーグが成立しないほどである。それをブラッター会長が逆流させようと言うのだから、賛否両論が沸き起こるのは当然だろう。 外国人選手の自由化が加速したのは、EU憲章の精神にある。EU域内の国籍を持つ選手はどの国でも働くことができる。勝つために優秀な選手を求めるクラブは、東欧だろうとアフリカだろうと遠慮はしない。それを加速させたのが市民権の獲得にある。ブラジルは二重国籍を認めているから、ブラジル人選手がイタリア国籍やスペイン国籍を獲得してもかまわない。ブラジル人はいずれ本国に帰国するから、ブラジル国籍を失いたくない。そこで、クラブ側はスペインやイタリアの市民権を獲得させて、名目上EU圏内の選手にしてしまう。こうなると厳しい外国人枠を決めておいても意味がなくなる。 ユヴェントス対インテルの試合、生粋のイタリア人がインテルに一人もいなかったことが批判の起爆剤になった。イタリアのトップチームにイタリア人の先発メンバーが入れないことがサッカー王国の危機感を生み出している。そんなことを急に言われてもと言うのがクラブ側の反応だろう。外国人5人と代表に出場できる自国籍選手6人と言うのがブラッターの理想だと主張しているが、そんな手品みたいなことが可能になるかどうかはEUの政策にかかってくる。いずれ、スポーツ選手の国籍規制が開始されることは間違いない。問題は必ず抜け穴が発生して、規制が有名無実になることにある。 インテルでイタリア人の先発がゼロというのは確かに行き過ぎている。クラブ側にしてみれば、リーグ戦に勝たねば監督の首が飛んでしまう世界だから、国籍などにこだわってはいられないと言うのが本音だろう。多国籍軍を編成して、スター選手を集め、スタジアムに観客を集める手法がトップクラブでは一般化している。有能な外国人を獲得するには多額の移籍金が必要になり、中堅のクラブには財政的な負担が大きすぎてついていけない。欧州にお金持ちクラブがはびこるのは無理もない。考えてみると、インテルから有力イタリア人選手が消えたと言うのも、別の意味で深刻な話なのだけれど・・・。
2007.11.07
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F1会議の決定は、全員一致の原則が貫かれている。重要な決議や規則の変更などは、すべてのチームが同意しないと合意できないことになっている。これは少数派の保護と言う名目がある。フェラーリを中心とする強大なワークスに中堅チームは対抗できない。多数決だと、ワークスに都合の良い事項が会議で決まってしまう。これを避けるために、全員一致の原則が貫かれている。ところが、自分に都合の悪いことに腹を立てて、1チームでも反対すると会議は前に進まなくなる。紳士の集まりということで激論はあっても、ごり押しや強行突破などを許さない精神が守られてきたけれど、前に進まないことにブリアトーレ親分は怒り心頭である。 コンコルド協定が承認されなかったことをブリアトーレは嘆いて、多数決システムの導入を主張している。51%の賛成で案件が承認されるならば、F1会議はずっとスムーズになる。ゴタゴタや嫌がらせや牛歩戦術も消える。ところが、多数決を採用するにも、全員の一致が必要になるから、マンションの立替と同じだと嘆いている。日本ではマンションの建替えに成功した例はごくわずかであるが、どうやら欧州でも同じらしい。誰だって自分が不利になることに参戦票を投じないから、話はまとまらない。 コンコルド協定が合意できなかったのはカスタマカー問題に尽きる。問題点は二つあった。(第1)そもそもカスタマカーの導入を認めるかが議論されている。これにはウィリアムズが強硬に反対論を唱え、おかげでコンコルド協定調印は延期されてしまった。(第2)カスタマカーを認めるとしても、工場や開発部門を持たないカスタマカーチームにコンストラクターズポイントを与えるかが議論されている。マシンを借りてくるだけのチームが好成績を上げた場合、賞金の配分が多くなるのは許せないと言う声が高まった。トロロッソやSuperAguriはせっかくの賞金を減らされてはたまらないと反対している。さまざまな妥協案が提案されたけれど、どちら側も譲らずに時間切れになった。おかげでプロドライブは斬り捨てられようとしている。 ウィリアムズの主張する「マクラーレンやフェラーリが4台ずつ走ったら怖いぞ~」という説はワークス側さえも動揺させている。確かに8台の高性能マシンがグリッドに並ぶと、トヨタやホンダが表彰台にたどり着く日が大幅に遅れる。BMWもせっかく3位に到達したのに、圏外にはじき出される。弱小チームを救うカスタマカーが、ワークスさえも脅かすことがはっきりしてくると、なんだかなあと言う雰囲気になってしまった。議論は来年度に持ち越しになるのも当然だろう。大金を投じて開発したマシンが借り物に足蹴にされたのではたまらない。カスタマカーを認める立場だったワークス側もウィリアムズの主張に耳を貸すようになっている。 FIAのモズレー会長も、FOMのエクレストンも、ルノーのブリアトーレ親分も、進まない会議に腹を立てて、多数決の導入を探っているのだが、そんなことが不可能なのは明らかになっている。プロドライブがマクラーレンと交渉を開始したときは、弱者同士だったから誰も反感を持たなかった。急激にマクラーレンの性能がアップして、プロドライブが危険な存在になった瞬間に雲行きが変化してしまった。モズレー会長としては無念やるかたないだろう。プロドライブがホンダやトヨタと交渉していればと悔やんでも遅すぎる。さらに、スポンサー契約などもマクラーレンを通じて交渉していたと言う話が流れてくると、カスタマカーに対する疑問が噴出してしまった。とばっちりを食ったトロロッソとSuperAguriは、予定していたカスタマカーが使えないことになって怒っているだろう。解決策は・・・。
2007.11.07
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パキスタンが全土に非常事態宣言を公布した。これは憲法の停止を含む大規模なものであり、パキスタンは内乱状態に向かうことを暗示している。クーデターで政権を獲得したムシャラク大統領は軍人出身であり、民主政治とは本質的になじまない。パキスタン政府が制圧しているのは国土の限られた地域でしかなく、国土の大部分は部族の族長が実権を握っている。ムシャラク大統領の再選が憲法に抵触するという最高裁の判断が出ると、ムシャラク政権は法的なよりどころを失うことになる。イスラムの法律家は強い使命感を持って判決を下すから、政府の圧力や脅しは効かない。大統領選が憲法違反という判決が出る前に憲法を停止して、最高裁を軍が包囲するのは必然だったと言える。判事も威嚇や武力行使を恐れない人々であるから、政治的妥協は難しい。 90%の国民はブット前首相(初代大統領の娘、クーデターで国外追放された)を支持している。カリスマ的な魅力を持つブット人気を恐れて、先日の暗殺未遂事件が起きたといわれる。130人以上の犠牲者を出した爆破事件は、イスラム過激派のテロといわれているが、政府工作機関の仕業だと言う声も強い。ブット前首相の国内居住を認めることの危険性を大統領府も痛感していた。ブット元首相の自宅を包囲したのも、反乱を許さないと言う脅しになる。ブットを支持する野党側も力で抑えることは難しい。反政府勢力が武器を持って立ち上がると、内戦に突き進むことになる。それはムシャラクとブットにも避けねばならない危機が生まれる。 力で発言を抑えつけてきたイスラム聖職者たちが動き出すと、イスラム教徒が蜂起してパキスタン内戦が開始されてしまう。内乱が始まると、政府軍は核兵器を所有しているから、どちらが勝利しても危険この上ない。ムシャラクの独裁を押さえつけられるのは米国の圧力になる。民主主義を旗印にイラクやアフガンを攻略した米国にしてみると、あからさまなムシャラクの弾圧政治を容認することはできない。ブット自宅の包囲網を解いたのは、国際情勢の思惑によるものになる。テロ対策を主張しながら、判事や弁護士を拘束したのでは嘘がばれてしまう。 パキスタンの敵はインドと主張されてきた。カシミール地方を奪われた恨みである。インドに対抗するために核兵器さえも開発している。そのために国際的な経済制裁を受けて、パキスタン経済は破綻状態にある。高度成長を続けるインドとは大きな経済格差が生まれつつある。生活の貧しさに対する怒りや不満が大統領府に向かうのは仕方がない。ほとんどが貧困層のパキスタンでは、政権を握っているほうが苦しい。まさか、最高裁が大統領再選を憲法違反に認定しようとは思わなかっただろう。軍事政権打倒を目指す動きが拡大していたのである。 ソ連のアフガン侵攻以来、多くのイスラム戦士がパキスタンを通じて戦場に向かった。現在でも、パキスタン人はタリバンを強く支持している。多くの族長は武器や弾薬をタリバンに密輸して支えている。資金の多くは貧しいパキスタン人からではなく、豊かな石油産出国から集まってくる。衛星放送の進歩により、アフガニスタンやイラクのニュースは即座にイスラム社会に広がる時代になった。米軍の空爆が繰り返されるたびに、イスラム社会で反米思想は強まり、親米派のムシャラクは追い詰められていく。アフガニスタンの米軍やNATO軍は、かつてのソ連軍の悪夢を繰り返えそうとしている。米国と結ぶことで、多額の経済支援を手にしようとしていたムシャラク政権が挫折するのは必然だろう。いつどのような形で、ブット政権が誕生するかが、唯一の内乱を起こさない方法なのだが・・・。
2007.11.04
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フェルナンド・アロンソがマクラーレンとの契約を解消することが公表された。双方が合意の上で、3年契約は無効になった。双方の関係が想像以上に深刻化していたことを感じさせる。マクラーレンを出てもフェラーリと契約できなければ、王座を奪還するチャンスはほとんど消える。その不利を承知の上で契約を解消するということが、アロンソの心境を暗示している。とてもやっていられないという本音を貫いたのである。ルノーにしても、トヨタにしても、レッドブルにしても、移籍先の戦闘力は大幅に激減する。1年間はライコネンやハミルトンがトップ争いをするのを遠くから見ていることになる。それを覚悟で離脱するのだから、よほどマクラーレンが嫌だったのだろう。 マクラーレンは悩みの種からようやく解放される。違約金などの支払いは一切なしというから、最終段階でアロンソと和睦にこぎつけたのである。厄介払いができたということで、ロン・デニスは素直に喜んでいるはずである。ほとんどが英国人で構成されるマクラーレンは、スペイン人のアロンソに不向きな組織だったと言うしかない。ハミルトンはチームに残ることになるから、この内部紛争において首脳陣から信頼されていたのは、やはりハミルトンということになる。 二人のドライバーの激しいトップ戦い、アロンソとロン・デニスとの底知れない不信感、世論の集中砲火を浴びたスパイ事件、全ポイントを剥奪されるきっかけとなったメール事件、最終戦でライコネンに横取りされたチャンピオンシップ。マスコミをにぎわす話題は豊富だったが、終わってみるとアロンソに残されたものは少ない。ハミルトンがスイスに移住するというだけで、節税狙いという批判が降り注いでいるのを見ても、アロンソが去った後はマスコミの攻撃の刃がハミルトンに向かい始めるだろう。 アロンソが起こした無益な行動はいくつかある。ハンガリーのピット・ストップ嫌がらせ事件、優遇しなければメールの内容を告発するとロン・デニスを脅した事件、極秘だったメールを世間にばらしてしまったこと、スタートのコーナーでハミルトンと何度も絡み合いそうになったシーン、どれをとってもアロンソが不利であり、世論はハミルトンを支持した。F1は英国を本拠地にしているから、情報もハミルトン有利に流れてしまう。チーム内だけでなく、世界からも孤立していたのがアロンソだろう。唯一の救いは地元スペインの声援だった。そのつらい立場をあと1年も引きずることはできないというアロンソの思いがマクラーレン脱退につながっている。 アロンソはどこに向かうのだろう。フェラーリはマッサとの契約延長を決めているから、門前払いの形になる。BMWはハイドフェルドとクビサに満足している。不満で飛び出してきたルノーでは、なかなか勝てそうもない。空席はあっても戦闘力のないトヨタ、高額契約金を払えそうもない赤字のウィリアムズ、お金持ちだが表彰台に遠いレッドブル、バトンの二の舞になる危険があるホンダ、どこを向いてもアロンソの王座を奪回できるチームがない。1年契約を結んで、09年度からはフェラーリに移籍するという声が強いけれど、ライコネンがいるフェラーリ側が素直に受け入れてくれるかどうかわからない。下手をすると、ヴィルヌーヴの不遇を受け継ぐことになりかねない。アロンソとバトンを交換するという夢のようなプランも噂されているが、実現性は低い。いったいアロンソはどこに行くつもりなのだろうか?
2007.11.03
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オーストラリアGPはビクトリア州メルボルンで開催されている。現在の契約は2010年までのものであり、それ以降もF1を継続するのか、やめてしまうかは決まっていない。2007年度の赤字額が2000万ユーロ(34億円)に達したということが危機感を生み出している。すべての赤字はビクトリア州が補填する契約なので、年々高まる赤字をどうするのかが問題になってくる。F1を推進する立場と財政的な赤字を批判する立場では論議が噛み合わないから、解決は難しい。 F1によって大もうけした時代は終わっている。サーキットの看板さえもすべて張り替えるほどの利益追求に専念しているFOMを相手にすると、どう計算してもサーキット側に赤字が発生する。多くの国は「知名度アップ」や「観光客の増加」をあてにして、F1開催を続けている。バーレーンやシンガポールは露骨に観光客誘致を目的にしている。F1開催で赤字が発生しても、宿泊施設や観光業界が潤えば元は取れると踏んで突き進んできた。政府や自治体が赤字の面倒を見れば、主催者団体は利益を度外視してF1レースに専念できる。サーキット単体でグランプリを開催することは年々難しくなっている。ドイツは隔年開催に同意している。米国のインディアナポリスさえも開催を断念したことが深刻さを物語る。政府や自治体の補助金なしで運営することは、サーキットの経営破綻に結びついてしまうのが実情である。 政権が変化すると、F1に対するスタンスも変化せざるを得ない。オーストラリアでは前知事は推進派であり、現知事は批判派である。年間30億円も無駄に税金を浪費したら、知事といえども有権者に怒られてしまう。F1開催によって地域を潤すという旗があるから、批判を抑えられてきた。モータースポーツに無関心な政治家が当選すれば、流れは大きく変化してしまう。このために、FOMの契約は厳格化していて、途中でやめても多額の違約金を支払わされる条項が加えられている。多くの政治家は目の前の餌に釣られて長期契約にサインしてしまうのだが、あとで赤字が判明して大慌てすることになる。といっても、F1開催を希望している新興国が多いので、エクレストンは少しも恐れることなく、無理難題を押し付けることができる。他の国と契約するよと脅せば、泣く泣く無理難題を鵜呑みにするしかない。主催団体は昔から権力に弱いのである。オーストラリアGPもビクトリア州が赤字補填をしなくなったら、開催を断念するしかない。世界にアピールするという言葉は政治家を動かしやすい。豊富な石油資金を持つバーレーンやアブダビが豪華な施設を建設するのを真似るのは危険な行為なのだが、それに気づく政治家が少ないのにも驚かされる。日本のように政府が無関心すぎて、トヨタやホンダが力みかえっているのもバランスが取れないけれど・・・。
2007.11.01
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