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金融機関に公的資金を投入する問題は、これからも紆余曲折するだろう。日本人はつらい経験を重ねてきたから、米国の混乱を見て苦笑いするだけだが、アメリカ人は激高している。金融機関のトップが手にしたボーナスは1兆円を軽く超えるという。経営破たんした銀行の頭取たちが、一人当たり何十億円ものボーナスを手にしているのを一般市民が見れば、激怒するのも無理はない。昨年度までは、投資銀行の新米社員ですら、数千万円のボーナスを手にしていた実績がある。それを急にゼロにすると、腕利きの金融マンが引き抜かれることを恐れている。 アメリカは実績主義で身分と賃金が決まる制度を持つ。出世の階段を上るには、画期的な数字を残さねばならない。日本のようにいくら稼いでも、賃金とボーナスが他の社員と同じということはない。投資の実質的な判断と運営は、個人の能力で行うしかない。秒単位で変動する株価や通貨取引の判断を会議などでやっていられない。最終判断を行うのは腕利きのプロであり、それを評価して雇い入れるのが首脳陣の役割になる。金融機関の業績が悪化するとトップは首になり、新たな経営陣と金融マンが雇われる。世界中に存在する腕利きのプロの数は限られるので、数億円の賃金やボーナスは当たり前の世界になっている。金融機関は、1年間で何百億円の利益を上げるプロを手放したくはない。香港やドバイやシンガポールなどの金融機関は、もちろん両手を挙げて歓迎する。 日本の金融機関で、個人に数十億円のボーナスを支給して、他の人間に数万円だけを支給すればトラブル起きる。実績主義と年功序列は相容れないシステムになっている。それゆえに、東京の金融機関が腕利きをNYからヘッドハンティングする可能性は少ない。狙うのは中東や東南アジアの新興勢力だろう。彼らの多くは、金融で儲ける手段を知らずに置き去りにされてきた。損失だけを押し付けられる世界金融体制にうんざりしている。経済成長が続けば投資は必ず増加する。途上国の金融機関は融資を行うことができる。先進国では、将来への先行投資が滅亡寸前にある。せいぜい、レジャー施設やマンション程度しか銀行は融資しない。メーカーが新規の工場を建設するといったらば笑われてしまう。 米国の金融不況はこれからやってくる。世界中から集まっていた資金がNYから逃避していくだろう。腕利きの金融マンも、原資がなくなっては運用ができない。といって、途上国市場は大荒れで損失のリスクが高い。これまでと同等の利益を上げることはできないのに、政府から公的資金返済を迫られる。NYの金融マンが半減するだろうといわれる根拠はここにある。莫大な知識を持つ金融マンを必要としているのは、むしろ発展途上国市場になる。世界の中心が崩壊したことで、金融バランスは改善していくはずである。米国一極集中が消える。しかし、それは米国経済の復興が難しくなることを意味している。返還する当てのない国債を大増発する時代が迫っている。
2009.01.31
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ランの養殖はプロでも困難を極める。東洋ランの多くが自然種を捕獲して株分けを行う理由だろう。このために野生ランの乱獲が行われて、絶滅の危機に陥っている。他の植物とは違って、種を蒔いて栽培できない性質が種族の滅亡を呼び込んでしまった。 シンビジウムは茎頂培養の技術によって育種が可能になった。茎の成長点を切り取り、それを培養液で育てて、一人前の株に成長させていく。ランが高価な植物であることがこの方法を可能にしている。東南アジア種は即座に葉が生えて来るので、育種の大量生産ができる。日本のシンビジウムである寒蘭と春蘭は、芽が出てから数年間の地下生活を送るために育種は不可能であり、自然種が捕獲される原因になっている。 シンビジウムはランの中で寒さに強い種族だろう。温室や暖房なしにランを育てることができるので、人気が高い。春になって気温が上がれば、屋外に出して太陽の光に当てる。(日焼けを防ぐために遮光が必要)シンビジウムの花の風情は言葉で言い尽くせない、不思議な魅力にあふれている。
2009.01.30
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朝になったら、再びバーレーンに負けていた。どうして負けたかは詳しく伝わっていない。試合内容を批判しようにも、中継がないと試合そのものが見れない。「見なくて良かったなあ」と言われるようでは岡田監督も終わりだろう。「南アではベスト4に入る」と豪語したそうだが、バーレーンに負けているのにブラジルやアルゼンチンに勝てるわけがない。ジーコだってそれほど楽観的ではなかった。退屈なサッカーが続いたので、代表戦に観客が入らないのも当然だろう。TV局が大金を支払ってまでサッカー中継をやる価値を消滅させた責任は重い。 バーレーン戦の試合内容は、一方的に攻められて終わったという。「本当にバーレーンを攻め切ることができなかったのか」という疑問が残される。戦術の錯誤か、選手起用の誤りか、バーレーンの罠にはまったのか、どちらにしても岡田監督の先は短いことを暗示させる。これでオーストラリアに敗北すると、まず監督解任は避けられなくなる。これほど理念のないサッカーを見せ続けられ、不人気の極点に達すれば、協会側も対策を打たないとサッカー人気が下火になってしまう。代表がクラブチームよりも弱くてどうする。 岡田監督の弱点は、マスコミに本音で語ることがないことに尽きる。何を考えているのか伝わらない。記者の質問がありきたりなのは、答えがわかりきっているからだろう。日本サッカーの歴史を振り返ると、まさかトルシエ時代が頂点だったとは不思議な気がしてくる。あの時代の気迫と精神が微塵も感じられないというのも、想像を絶する。おそらく、ドイツでの敗戦がすべてを焼き尽くしてしまったらしい。本当ならば、日本はゼロから再出発すべきだったのに、元の木阿弥に戻されている。悲しいことに、トルシエ以前に先祖がえりして、アジア相手に苦戦するようになった。 代役として期待されるの第一は、原博実だろう。日本代表に欠けている攻撃的サッカーを信条にしている。プレミアなどの知識も深い。世界のサッカーを知っているといないでは方向性に大差が出る。岡田監督をいつまでも引きずっていたのでは、日本サッカー界そのものが沈没してしまう。理解しがたい選手起用や敵を知らない戦術はもう飽き飽きしている。協会はまず原博実を技術委員長に就任させる方向で検討しているというが、それでは甘いだろう。外からのアドバイスでは変化は起こせない。多くのサッカーファンは何度も苦い目を見せられて怒っている。視聴率が10%程度なのも、そういうファンの怒りが目を背けさせているからになる。そろそろ、この問題を決着させないと。
2009.01.30
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オバマ大統領の力量は未知数だろう。それでも、対抗できる世界の政治家は限られてしまう。フランスのサルコジ大統領とロシアのプーチン首相が数少ない対抗馬になるだろう。オバマ政権が問われる政策は、中東地域で起こした二つの戦争の終結とロシアとの和平になる。簡単なようでややこしいのが中東の安定であり、さらに態度を硬化させているロシアとの和睦も難しい。経済政策に重点を置くとなると、軍事予算の大幅削減は避けられない。軍事費を削減するにはイラク戦争を終わらねばならず、軍縮を進めるにはロシアとの対話が必要になる。どちらもブッシュ政権の逆方向に進むのだから、舵取りが難しい。 日本の建設業と同じように、米国の軍需産業はワシントンを支配している。ミサイルや戦闘機の代金は合衆国政府が支払っているのだから、和平の時代になると軍需産業は衰退する。ゲリラやテロリスト相手に空母や潜水艦は大げさすぎる。大規模な空軍と大型空母を保有するには、説得力のある説明が必要になってくる。軍事面の仮想敵としてロシアが選ばれたことは無理もない。ロシアが軍拡に乗り出し、東西国境の緊張が高まれば、戦闘機と戦車が大量に必要になってくる。オバマ政権の外交政策がそのまま軍事予算の額に跳ね返るのだから、緻密な外交政策が求められてくる。 ロシアのプーチン首相が冷戦を望むのか、それとも和睦を期待しているかを読み取るのは難しい。グルジア戦争と天然ガス供給停止は強気のロシアを象徴する出来事になった。経済が破綻に追い込まれていたロシアは、軍事力を削減するしか方策がなく、欧米との和平路線を進めていた。ところが、NATOの旗がウクライナとの国境に迫ってくると、安閑として入られなくなった。東欧のミサイル防衛網設置も狙いは露骨にロシアだから、東西の軍事バランスをどうするかは難問になる。 内乱の続くアフリカと異なって、アジア地域は安定していて、飢餓や難民も少ない。同じ途上国として出発したのに、経済成長ではアジアとアフリカに大差がついている。アフリカの内戦を止めさせ、経済成長が進む方向に動かさないと、混乱と飢饉がこの先も続いてしまう。オバマ大統領がアフリカ問題解決に乗り出してくるのは必然であり、その結果として、アフリカで何が起きてくるかが問われるだろう。アフリカの貧しさと民族対立と内戦を本気でやめさせる方策を考え出さないと、悲劇のアフリカ大陸が終わらない。それを止められる政治家は本当に限られている。
2009.01.29
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ランは東南アジアでは珍しくもない花というが、日本では希少植物になる。それゆえに野生のランは乱獲されて滅びかけている。熱帯の密林で樹上生活を送るランを育成するのは難しく、毎年花を咲かせられるのは熟達者に限られてしまう。希少価値のある種族ほど高価に取引されるというのは、蘭にとって不運だったというしかない。熱帯原産の胡蝶蘭などは温室が必要になるけれど、比較的寒さに強いテンドロビウムは室内に入れておくと冬を越すことができる。テンドロビュウムの薄紫色の微妙な味わいに魅かれてしまう。
2009.01.29
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アドリアーノの武勇伝は語りつくされている。遅刻は日常茶飯事、夜遊びはロナウジーニョ級、気まぐれでパワフルなストライカーぶりは、まさに野獣の名にふさわしい。アドリアーノが能力を発揮するのは、90分の一瞬に過ぎない。その瞬間だけを楽しみにして、さまざまなトラブルを忍耐しているモーリーニョ監督には驚かされる。厳しい規律と徹底したチームプレイを求めるのが、本来のモウリーニョ流だろう。勝手気ままな振る舞いなどサッカーには無用と考えるモウリーニョが、どうして無軌道なアドリアーノを評価するのだろう。 イタリア・サッカーの閂作戦が外国人ストライカーを悩ましてきた。厳しいマークと強いブロックが多くの得点王を挫折させてきた。セリエAにやってきた外国人ストライカーが逃げ腰になるのは無理もない。こんな激しい守備をやるのはイタリアしかない。その守備重視の環境のために、爆発的なストライカーも育ちにくい。イブラヒモビッチはセリエAで最も有能なFWだが、徹底した包囲網に邪魔されて苦しんでいる。大柄で動きが読みやすいからになる。ところが、アドリアーノの動きは読みにくい。というよりも、アドリアーノは感性で前線に飛び出すので、予測が不可能になる。アドリアーノがゴール前で動き回ると守備陣は神経を使い果たしてしまう。得点できなくても、役に立つ。 並のストライカーは、イタリアの地ではほとんど役に立たない。多くのスター選手がやってきて挫折している。イタリア特有の守備重視の網を破るには、強烈な中距離シュートを打ち抜くか、細かいドリブルでDFを突破するしかないが、その確率は恐ろしいほど低い。インテルは豪華な攻撃陣を保有しているけれど、それが威力を発揮する試合はめったにない。モーリーニョは普通にやっているとリーグ戦を勝ち抜けないと判断して、攻撃重視サッカーに動き始めている。本来ならば、ブラジルへ帰国命令が出ても不思議でないアドリアーノがイタリアに残留しているのも、その爆発力が欲しいからだろう。 前任監督にいじめられて、ほとんど出場の機会すら与えられなかったアドリアーノが先発できるのも、爆発力を期待されているからになる。気まぐれなアドリアーノをマンチーニは使う気もしなかったろう。しかし、破壊的な爆発力がないとCLでは惨敗させられる。次の相手はマンチェスターUであり、Cロナウドも、ルーニーもいる。そのレベルの選手はイタリアにいない。これと互角に戦うには、堅い守備と爆発的な破壊力が必要になる。遅刻や夜遊びを大目に見てきたのも、このマンチェスターUとの決戦にあるからと考えるとわかりやすい。マンチェスターUにあっさり負けると、モウリーニョの首が危うくなってしまう。厳しいCLトーナメントに勝ち抜くには、アドリアーノの爆発力が必要になる。そういう圧力を全然感じないのも、アドリアーノの特技なのだが・・・。
2009.01.28
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人間が目覚めてやる気になると、険しい難関も突破することができる。それをモンゴル人横綱に教わるとは思いがけない出来事だろう。朝青龍の意地と孤独は、単純に外国人力士だからというわけではない。横綱審議会との対立などは演出効果にさえなって、朝青龍の人気を高めている。相撲界では、誰も朝青龍の強さを語ることはできない。これまでの常識とかけ離れ過ぎている。稽古不足で本場所に臨んだ力士が圧倒的な強さを発揮するなどは、過去の相撲の歴史にはない。場所前の稽古でだらしなかった力士が突然目覚めて、本場所で優勝するなどは相撲界ではありえない事実だった。その荒業を実現したのが朝青龍というのが世論を湧かせる原因になる。 サッカー事件でマスコミに叩かれ続けて、廃業の寸前まで追い詰められたことがある。何度もモンゴルに逃げ帰っている。もともと、相撲の正道ではなく、反逆道を売り物にする人間が心技体を備えるわけがない。稽古を十分行い、相撲道に精進すれば横綱になれるというのは戯言に過ぎない。そんなことでは、格闘技に勝つことはできないことは歴史が証明している。格闘技に勝つには強いことが第一であり、戦術や作戦が第二になる。最後に、精神的な強さが備わって世界一に座につける。五輪の柔道で敗北する日本人が連続するのも、根本的な戦術を誤っているからになる。技を磨き、稽古を重ねても、強い者には勝てないのが格闘技の世界になる。普通ならば、とても優勝には届かない朝青龍が初場所で勝ったのは、強い精神力と勝負度胸の切れ味にある。 日本人大関はモンゴル人横綱に、ほとんど歯が立たない。だらしないのではなく、必死に稽古に取り組んで勝負を仕掛けても、勝てない力の差がある。世界レベルと日本レベルの差を埋めるのは本当に難しい。単なる精神論やトレーニングでは埋められない溝が横たわっている。さらに、精神面のもろさがいざというときに出てしまう。これでは、日本人力士が優勝できないのも不思議ではない。同じような稽古をしていると、体力や腕力に勝る外国人力士にかなわない。まともにやって勝てないのに、「正面からぶつかれ」と叫んでいるようでは、いつまでも勝てないことに気がつかないと。
2009.01.27
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紫色の小さな花がたくさん咲いている。スイートアリッサムの花は、1ミリ程度の小さな花弁が細かく並んで構成されている。それらが一つ一つの花だとは思えないほど小さい。ピンクや赤などのアリッサムもあるけれど、好みの色は紫になる。えもいわれぬ深い色合いが北風を忘れさせてくれる。屋外に放置していたら枯れそうになったので、玄関に入れて保護している。本来は丈夫な種族であり、6月頃まで咲き続けるという。楽しみだなあ。
2009.01.26
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経営危機というのは、どこで起きるかわからない。ウィリアムズF1チームの運営資金はスポンサーに頼っている。金融危機の影響で、有力スポンサーの離脱が目立ち、それを補う新たなスポンサー探しは難しい。この2年間で60億円の実質赤字に落ち込んでいたという。年間の予算が120億円程度(1億ポンド)に過ぎないウィリアムズには、厳しい数字になる。金融危機以来、銀行にも融資を断られてしまう。F1参戦には、新型マシンの開発と製造が必要になり、パーツひとつにも現金を準備しなければならない。ウィリアムズの経営難に救いの手を差し伸べたのがエクレストンだったというのは意外だろう。 FOMは年度末に総額500億円の報奨金を配分する。ウィリアムズも受け取っているが、それだけでは来年度の参戦費用には足らなかったらしい。そこで、興行主のCVCは来年度分を前倒ししてウィリアムズに支給した。これ以上のF1撤退組の増加は、レースそのものを危うくするからだろう。分配金の前倒しで何とか予算を組めたウィリアムズは一安心だが、油断はできない。前倒しは一時しのぎにしかならないからになる。年度末に、もらえるはずの報奨金を使い切ってしまえば、来年度に苦労が回されるだけになる。前倒しの前倒しにならない工夫が必要になる。 5ワークスは本社が経営に責任を持つ。ルノーは100人の人員削減を決めていて、テストチームの解散と風洞部門のリストラを断行した。ルノー本社は09年度の参戦を承認しているけれど、経費を削減して黒字化しないと、ルノーのF1参戦継続は難しくなるだろう。トヨタは新執行部の判断次第になる。あまりに急激な販売台数の減少で、F1参戦を考えているゆとりがない。メルセデスとBMWは09年度の販売実績次第だろう。100年に1度の経済危機に対応できる自動車企業は限られてしまう。 レッドブルはオーストリアの富豪、フォース・インディアはインドのお金持ちが参戦資金の面倒を見ている。トロ・ロッソのだけはチームの将来が見えておらず、株式を保有しているレッドブル側はトロ・ロッソを売却したがっている。しかし、こういう不況のときに買い手は見つかりにくい。9チームの現状を見ると、数年後のF1を予測することはできないことがわかる。どこが残留して、どこが撤退するなど読みきることは不可能だろう。これからも、FIAの主導で経費削減が進められていくとしても、それは大幅な人員削減に結びつく。予算を半分に縮小すると、人員を半分にしないとつじつまが合わなくなる。F1チームの名前は残っても、皮と骨だけになってしまっては意味がない。ウィリアムズが生き残どうかは、いまだ見えてこない。
2009.01.26
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レアル・マドリードは発展途上のチームに変化している。きらびやかな豪華スターが並んでいた銀河時代とは様変わりしている。スターでなくて、未開の実力を持つ選手を育成していく方針で進んでいる。それでも、他のクラブに比較すれば、腕利きが揃うのでレギュラーは難しい。名門のバルセロナやレアル・マドリードに所属する選手は、先発メンバーになれない悔しさを抑えないと行き場がなくなる。 ハビエル・サビオラはバルセロナからレギュラーを狙って移籍してきた。ロビーニョやニステルローイが移籍や故障でピッチから消えても、サビオラにチャンスが回ってこない。これに耐えられないとサビオラは告白している。ロッベン、スナイデル、ラウル、イグアインが並んでいるとなかなか出番がない。バルセロナと同じサブの立場に我慢できなくなっている。サビオラに卓越した実力があるならばマドリードでも出番はありうるが、質実剛健を目指すクラブの中では居場所がない。サブに徹すれば、マドリードの居心地は最高だけれど、出場する機会を求めるならば、競争の厳しいマドリードはふさわしくない。 「構想外ならば、出て行かせてくれ」というのがサビオラの願いという。実のところ、バルセロナでもたまにしか出場機会はなかったから、真の実力を見せつける機会はなかった。本当にトップクラスの実力を持つかに疑問を持たれている。小さなクラブに移籍すれば出番はあるし、得点を取る自信があるのだろう。このままだとスペインの強豪クラブでベンチを暖めていた選手で終わってしまう。金銭的な欲望を満たすか、選手としての名前を残すかは難しい選択になる。不況の風が吹き荒れる欧州では、高額なプレイヤーは行き場が減っている。小さなクラブと小さな契約金でレギュラーの場を探すしかない。 マドリードのラモス監督は、不満発言を冷静に判断している。サビオラはサブにふさわしいと考えているらしく、卓越したストライカーと認めていない。スナイデルやラウルを押しのけるには、それなりの技をピッチで見せねばならない。サビオラに与えられるチャンスは少ないだろう。監督に与えられた任務は、成長株を鍛えることで、ライバルのバルセロナに負けない基盤づくりを行うことにある。つまり、成長過程にある選手を優遇していくしかない。サビオラが能力を発揮できるのは小さなクラブしかないことを突きつけたのは仕方がないだろう。この手の問題は、常に堂々巡りで終わる。ゲームに出られなくても、高い契約金と快適な環境でサッカーを楽しむか、それとも貧乏クラブで泥にまみれて戦うかの選択は悩みどころになる。どちらが良いかは、神のみぞ知るかな。
2009.01.26
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「花かんざし」はその名前と風情から日本原産の種族と思われている。実はオーストラリア産のアクロクリニウムという原種から生まれている。雨と暑さに弱く、日本の夏を越えることができないので、秋植えの1年草として育てられている。寒さには強く、1月なのに白い蕾を膨らませている。これほどさわやかで、すがすがしい花もないだろう。乾燥を好み、雨や雪に濡らさなければ、冬の寒さに耐えて白い花を咲かせてくれる。
2009.01.25
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クウェートのアルファラフィ一族がリヴァプールFC買収交渉を否定して衝撃を与えている。6億ポンド(730億円)による買収が消えると、リヴァプールの経営権が宙に浮いた形になる。2年前にリヴァプールは、アメリカ人のジレットとヒックスの二人によって買収された。そのときの買収費用は1億8000万ポンド(220億円)とされている。二人に経営権を与える条件として、新スタジアムの建設と過去の債務を背負うことを求められていた。二人は米国の大金持ちというふれこみだったが、買収劇の実態はリヴァプールの資産価値を抵当にして投資機関から借金をするLBO(リバレッジ・バイ・アウト)だった。 もし、リーマンショックがなければ、リヴァプールの転売によって二人は大儲けできたかもしれない。200億円で買収して700億円で売却できれば、500億円の差額を手に入れられる。投資銀行への返済やファンドへの支払いをしても、多額の利益を得ることができる。M&Aによる成功者としてたたえられたかもしれないのに、リーマンショックによる金融危機がすべての流れを変えてしまった。英国の金融機関は融資を取り戻すことで必死になっていて、いずれ返済を迫られる。さらに、リヴァプールFCの資産価値を理解できるのは、英国人しかない。他の国の銀行家にリヴァプールの価値を理解させるのは難しい。ほとんどは短期資金というので、2~3年後に返済期間が来る。そのときまでに、リヴァプールの買収交渉を完成させて、返済資金を手に入れておかないと危険な目にあう。危機にある世界の金融機関はどこも甘くない。 サッカークラブが買収の対象になったのは、チェルシーの成功からだろう。ロシアの富豪アブラモビッチによる買収劇は成功して、チェルシーは資産価値を大きく上げている。80億円の買収は1000億円近い資産価値を生み出したという。そのアブラモビッチも、ロシア株式の大暴落で資産を失い、チェルシーを手放す瀬戸際にある。マンチェスターユナイテッドは野心家のアメリカ人によって買収され、多額の借金を背負わされることになった。サッカークラブのような組織を株式会社にするのはそぐわないかもしれない。利益や知名度を狙う行為によって、クラブはたらい回しになり、地元ファンの怒りを買っている。サッカークラブの運営をどうやっていくかは、利益優先の世の中では本当に難しい。考え直さないと。
2009.01.25
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日本サッカー界の危機が始まっている。それは無関心という解決が困難な課題にある。ドイツワールドカップ直前の人気爆発とその後の低落が痛々しい。期待や興味をつなぎとめておくことほど難しいことはない。人々のスポーツに対する関心が分散して、サッカーマニアが減少してしまった。それをつなぎとめるべきメディアも、視聴率の低迷などでサッカーへの関心を薄めている。Jリーグ36チームは、まさしくあだ花になろうとしている。ほとんどのクラブが赤字経営に悩む時代が迫っている。リーマンショックは思いがけないところで、サッカーに影響を与え始めている。 日本代表試合の視聴率低迷がずっと続いている。イエメン戦は10%という低さであり、ゴールデンタイムの番組だったら打ち切りのレベルに到達している。高い放映権料に見合わない視聴率は中継の減少を予感させる。いつまで日本代表戦の生中継が行われるかも疑問になってくる。スポーツ番組が中継されるには、20%近い視聴率が必要になってくる。それは対戦相手や試合内容と密接に結びついている。公式戦はアジア相手が中心なので、サッカーそのものが面白いことは少ない。 日本代表の不人気には、ドイツワールドカップ崩壊のショックが後を引いている。急激に高まった期待と、あまりに情けない結果が重なり合って、日本人のサッカー熱を一気に冷やしてしまった。北京五輪の惨敗も輪をかけている。世界トップレベルとの格差が誰の目にも見えているから、盛り上がりようがない。世界レベルとの落差を認識したサッカーファンは、スタジアムから遠のいてしまった。視線はプレミアなどの海外サッカーに向かっている。プレミアリーグなどがTV観戦できるようになると、サッカーファンの目も肥えてくる。ファン自体も海外組と国内組に分かれてしまう。こうなると観客を集めるのは難しい。 地上波ではサッカー番組そのものが消えている。これで日本代表の試合がなくなると、サッカー中継が消えてしまう。イエメン戦は決してつまらない試合ではなかった。若手の力を知るチャンスがやってきたのに、それを見ようとする人々は限られている。起爆剤がどこにもない。日本にメッシやCロナウドが誕生するのは先の話なので、厳しい状況が続く。流れが始まるとそれをとどめることは難しい。F1にも、野球にも、サッカーにも全盛期があり、衰退期がやってきている。それをどうにかすることは不可能な話かもしれない。
2009.01.24
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冬に花を咲かせる植物は少ない。ほとんどの植物が土の中で眠っているときに、花を咲かせると勢力を拡大することができる。サクラソウは江戸時代から観賞用として育成されてきたが、自生するサクラソウの原種は環境破壊で絶滅の恐れがある。そこで、コーカサスの原種を改良して生み出したのがプリムラ・ジュリアンになる。小柄で美しい花が寒風の真っ最中に咲く。寒さに強いので、吹き荒れる北風に放置していても負けることがない。冬の冷たさや寒さを和ませてくれる貴重な花は嬉しい。
2009.01.23
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ホンダF1チームの買収交渉が難航している。「本社の取締役会が承認できる企業でないと売却しない」という方針が足かせになっているという。買収交渉に乗り出してきた人間は、ほとんどが野心家だろう。F1に進出して名前を挙げ、しばらくしたら転売して利益を稼ごうという人間が集まったことは間違いない。正常な経営哲学の持ち主ならば、年間200億円の運営資金が必要になるF1チームを欲しがったりはしない。ホンダF1チームの資産価値は、リーマンショックがなかったならば数百億円に達している。これはプレミアのサッカークラブと同等の価値がある。チームの資産価値を担保にして、金融機関から融資を受け、買収する野心家をホンダは恐れている。それでは、一時的に救われてもチームの将来は無茶苦茶になってしまう。 ホンダ本社は、転売で利益を狙わない正統派の登場を待っているのだが、そんな企業家は世界にいないはずである。金融危機による株価の暴落で、多くの資産家や投資機関は損失を出している。その穴埋めとして、資産価値のあるホンダF1チームに関心を寄せる人間が増えている。モナコやスイスに住所のある資産家や企業に売らない方針はそれを暗示している。ところが、普通の企業経営でF1チームを養える利益を出すことは難しい。タックスヘイブンに居住する野心家ならば、数百億円の隠し資産を持っている。そういう怪しげな人間でないとF1チームを買収する資金がないことも間違いない。 英国産業貿易商(DTI)が調査を開始したのは、ニック・フライの胸中にある。1ポンドでF1チームを手に入れられるチャンスに、自らが候補者として手を上げたらしい。125円で数百億円の資産を手にできるチャンスなどめったに転がっていない。中東や香港、シンガポールなどの投資家から資金を集め、ファンドを設立する。いずれ、欧州の景気も元に戻るから、その頃に売り払えば莫大な利益が出る。それに危険を感じた内部告発者によってニック・フライは調査されるらしい。自分が売り手と買い手を演じる買収劇を関係者が告発したのである。 この欧州不況のときに、ホンダ本社が主張する正統派の買い手を見つけることが難しいだろう。さしあたって、高値で買う野心家に売り払って時間を稼ぎ、経済が安定してくる数年後に立派な買い手を見つければよいと考えても不思議ではない。チームが生き残ることを重視するか、それとも整然とした運営を行える組織に託すかは判断が難しい。自動車産業が追い詰められている状況では、買い手が見つかる可能性は低い。となれば、資産を分割し、小口にわけて売却する方針を本社が認めるかどうかが鍵になってくる。
2009.01.23
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イタリアのフィアットは35%の株式を無償で所得して、クライスラーに資本参加する。株式を無償で手に入れるというところが、これまでの資本提携とは大きく異なる点だろう。経営危機にあるクライスラーの株式の資産価値はゼロに近いから、親会社のサーベラス側としても損ではないという認識になる。誰がクライスラーを救済するのかというテーマは、ようやく解決に向かうことになった。昨年度から、GMやルノーとの交渉を続けてきたが、話はまとまらなかった。最後にフィアットが舞台に登場して、クライスラー騒動は終わりを告げることになる。 サーベラスは約6500億円で買収したクライスラーの株式を無償で提供するのだから、覚悟を決めたことが理解できる。投資ファンドの役割は、企業再建を成功させて転売することなので、売り抜けられると損害を最小限に抑えることができる。もともと、自動車企業でないサーベラスがクライスラーを買収するというアイデアが誤りだった。ダイムラーは赤字の増大に悩まされていたので、サーベラスへの売却は渡りに船だった。サーベラスにクライスラーの差遣は不可能なので、世界企業のひとつが救済するしかない。フィアットが指名されたのは、アメリカ市場が未開拓だったことが影響している。有力候補だったルノーが救済に乗り出さなかったのは、さまざまな裏事情が存在するのだろう。 オバマ政権は自動車産業の再建を掲げている。アメリカ政府からの資金援助が得られると、倒産を避けることができる。政府融資の条件は、低燃費車生産への投資にあるので、小型車生産技術を持つ企業と提携しないと、政府融資を受けられない。残っている課題は議会の反対勢力の説得にある。議会が了承しないと救済法案は消滅する。議会の反対派を説得するのは骨が折れる。最終目標はフィアット社をクライスラーの工場で生産することだろう。それにどのくらいの時間がかかるかで、運命が決まる。アメリカでフィアット車が売れるという保証はない。 フィアットとしては、無償で経営権を所得して、アメリカで小型車の生産を行うことになる。すでにクルマそのものは存在しているから、クライスラーの工場設備をいかに近代化できるかが鍵になる。世界各地に工場を持つフィアットが対応できないことはないだろう。それよりも、議会の救済反対派を本当に説得できるかが問題になる。政府援助資金を生かして工場設備を更新することは難儀だろう。それでも、サーベラスに他の選択肢はなく、フィアットがその気になってくれたことを感謝するしかない。
2009.01.22
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夕闇が迫ると、冬の森は凍えそうに寒い。突き刺さるような風が体を押し流そうとする。森は闇に包まれ始めて、道も見えなくなり始める。冬の夕日は短く、即座に山の向こうに消え去る。静かな空間に川のせせらぎだけが響いてくる。
2009.01.21
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英国のポンドがものすごい勢いで急落している。すでに1ポンド125円に到達している。これからも下がるだろうから、先行きが見えない。英国経済の不振は深刻であり、金融機関も身動きできない状況が続いている。日本が克服したバブル崩壊以上の深刻な境遇に追い込まれていることは間違いない。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド銀が3兆円以上の赤字決算に追い込まれた事を嫌気して株価が売り込まれ、それに伴って危機がいっそう深まってしまった。 英国政府は金融サービス産業を保護して育成してきた。NYとの激烈な金融戦争に勝ち抜くために、大幅な自由裁量を金融機関に与えてきた。世界中の資金をロンドンに集めるために、意図的にポンド高を演出していた。為替差益を得たい人は英国に投資をというのが売り文句になる。あえて、ユーロ経済圏に加盟しなかったのは、ポンドを独立させておいて、自由な金融市場を運営させるためだったと言える。ポンドが存在すればこそ、為替取引とそれに伴う差益や差損が発生して、為替市場は活性化する。為替取引によって何兆円も資金が移動して、金融機関も利益を得られる。 意図的なポンド高によって、英国の製造業は衰退させられたけれど、英国はスイスと並ぶ金融王国に発展した。金融業は資金を貸して、儲けの上前を横取りするシステムになっている。借り手が必死になって稼いでも、儲けはすべて利息として銀行に持っていかれる。確かに、工場などなくなっても豊かな生活できる。金融危機が来るまでは、これに文句を言うやつはいなかった。 世界中から集めた金を集めても、それを運用して利益を出さないと信用を失う。NYに負けないだけの配当を支払うには、NY並みの汚い稼業に手を出さないと生き残れない。英国の銀行が信用度を度外視して融資していたことは確かだろう。返済が当てにならない借り手にまで、無理やり資金を押し付ける商法がまかり通っていた。そこに、サブプライムの振動が始まり、リーマン事件を起点とした金融危機で、英国の銀行は何兆円もの資産を一気に失った。救済方法は公的資金による支援しか残されていない。国有化されても、金庫がすでに空になり、返済不可能な負債が残されていた。これではポンドは下げるしかない。 ポンドが下がるとドルも下がる。同じ穴の狢になっているから、円高は進行する。日本の銀行が安定しているというだけで、円高は進んでしまう。衰退した英国経済にカンフル剤はない。オバマ大統領が就任するアメリカは積極的な手を打ってくる。それが成功すれば、危機的な円高はとどまるだろう。オバマ大統領の経済政策が失敗すると、一気に円高が加速してしまう。解決がややこしい局面が続いていく。
2009.01.21
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英国の新聞がチェルシーの身売り説を流したことで、プレミアリーグは新たな問題を抱え込むことになった。チェルシーがアーセナルと並ぶロンドンの有力サッカークラブに成長したことは疑うべくもない。マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールを合わせて「トップ4」と呼ぶほどの地位を確保した。チェルシーの業績はマンチェスターUと同等であり、プレミアリーグの有力クラブに数えられるようになった。チェルシーの資産価値が上昇した瞬間に身売り話が出てくると、アブラモビッチに対する疑惑に揺れるのは仕方がない。 オーナーのロマン・アブラモビッチがロシア有数の資産家であった瞬間は終わっている。ロシア株式市場の大暴落によって、莫大な資産を失ったアブラモビッチにサッカークラブで遊ぶゆとりはなくなっている。世界の金融危機が背景にあるので、失った資産を取り戻すことは難しい。さらに、チェルシーは1000億円の負債を抱えている。多額の報酬や移籍金によって生まれた赤字が累積したものという。数年間で返済するのは難しい額になっていて、どうやって銀行から借り替えるかも難問になる。イングランド自体が緊迫した危機にあり、アブラモビッチがかなりの資産を失ったことは金融界に鳴り響いている。 アブラモビッチがチェルシーの株式を売却したくても、クラブに1000億円の負債が残っていると、まず買い手はいない。買収した人間はクラブの赤字を背負うことになり、その金額が1000億円ではアラブの資本家といえども腰が引けるだろう。資産価値を高めて売却するつもりがあったならば、赤字は最小限に抑えるべきだった。好きなだけ貸してくれた銀行が扉を閉じるとき、チェルシーも危うくなる。オーナーの資産を当てにして融資していた銀行は焦っているだろう。 マンチェスターU、リヴァプール、チェルシー、マンチェスター・シティなどが外国資本に買収されて、プレミアの経営理念が激変してしまった。ファンの支持を頼って地味にサッカークラブを運営するという伝統は消え、金を餌に有力選手を移籍させて戦力を高め、資産価値を高める路線に乗ってしまった。その先頭を突っ走ってきたのがチェルシーだったけれど、ここまでクラブが成長すると売り飛ばされることは悲しいだけでなく、金儲け主義の行き先を見せつけられる。アブラモビッチが買い手を捜しに中東に向かったという話も、イングランド国内では手に負えないことを意味している。サウジの王様レベルならば、金庫の札束でチェルシーを買えるだろうと思うのは甘い。アラブの投資機関は、遊びでサッカークラブを経営しない。これまでのような放漫経営が許されるはずがなく、サッカーを知らない人間が金儲けのためにオーナーになることは地獄を意味する。といっても、チェルシー売却は少し遅すぎた気がしないでもない。これほどの累積赤字がたまる前に声をかけるべきだった。
2009.01.20
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暖かい日差しが降り注ぐと、冷たい水にも触れることができる。水面に夕日に輝く樹木が映っている。北風に波が揺れる川には、冬の静けさだけが残る。水の流れる音以外には何も聞こえない空間に足を止めるとき、人は孤独とコタツの暖かさを思い出す。
2009.01.19
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航空機の最大の敵は鳥だということを知らしたのが、ハドソン川不時着事故だろう。ジェットエンジンは大量の空気を吸い込んで燃焼させ、エネルギーを後方に噴射する。それによってジェット機は浮かぶのだから、常に大量の空気を吸わねば飛行できない。ジェット機が鳥の群れに突っ込むと、必ずエンジンに吸い込まれる鳥が出てしまう。精密機械であるエンジンに鳥が吸い込まれるとトラブルを誘発する。これまで鳥による人身事故がなかったというほうが奇跡に思える。鳥の吸い込みで推力を失ったエアバスが、NYのビル街に激突しても不思議ではなかった。 鳥にとって飛行場は天国だという。自然の少ない都市部において、飛行場には緑が多く、鳥を襲うような獣も少ない。海岸地帯の飛行場には干潟などもあり、餌が豊富に存在する。飛行機の爆音さえ我慢すれば、鳥にとって安全で暮らしやすい環境になる。羽田沖にも多数の鳥類が生存しているから、ハドソン川の不時着は他人事ではない。野鳥が邪魔だといっても、追い払うことは環境問題から不可能になる。といって、鳥を放置しておくと、生息数が増えすぎて事故に結びつく。解決が困難な問題が提起されている。 鳥にしても、ジェット機に接近すれば危険なことを本能的に感じているだろうから、無理に航空機に接近することはありえない。鳥の習性として、同一方向に集団で飛んでいく。そのコースが航空機の飛行コースと重なると、急接近して危険が発生する。鳥のリーダーは賢いから、衝突コースに入る誤りをめったに起こさないというところだろう。それでも、現実に事故が起きてみれば、鳥対策を行わないわけには行かない。 エンジンに鳥が吸い込まれると機関が停止する。旅客機には2発以上のエンジンが搭載されていて、ひとつが故障しても墜落しない仕様になっている。今回のように2発ともダウンすると、どこかに不時着するしかない。たまたま、ハドソン川が流れていて救われた。エンジンが停止してから墜落するまでの時間は限られているので、パイロットは何もできない。暴風雨や強風は予知できるから避けられるが、鳥が相手では偶発性が高過ぎる。 最新型のエアバスやボーイングは燃費重視の設計を行っている。エンジン2発の大型機が登場したのも、燃費を稼ぐためだろう。燃費効率は上がったけれど、エンジントラブルには弱くなってしまった。2発とも同時に故障する確率は低いというのが製造メーカーのうたい文句だが、ハドソン川の事故は2発とも同時にダウンすることがありうることを証明した。大型ジェット機が動力を失うと即墜落する。腕利きのパイロットも、推力を失った機体をコントロールすることはできない。滑空している数十秒間で着陸地点を決めて、不時着を決断しなくてはならない。そういう訓練を普段からしておかないと、事故のときにうまく対応できない。航空路の過密ダイヤルの上に、鳥までに中止しなくてはならない現代は、パイロットにやりにくい時代になっている。
2009.01.18
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ワールドカップがスポーツイベント化して久しい。FIFAは商業権を拡大して、ワールドカップを開催することに目的化している。FIFAはすべての収入をTV放映権や入場料に頼るシステムを構築した。こうなると金が入らないと、ワールドカップを運営できなくなる。そこで巨大スタジアムの義務化が課せられることになった。ワールドカップ開催を希望する国は、8万人収容のスタジアムを建設しなくてはならない。1回限りのイベントに豪華なスタジアムを建設しても、サッカー途上国の日本では、スタジアムの使い道がないという深刻な話が起きた。さらに巨大化したのでは、普通の国ではワールドカップなど開催できなくなる。もちろん、それがFIFAの狙いだと指摘する声もある。 南アフリカはワールドカップの実験台だろう。資金の乏しい途上国が無理をして巨大スタジアムを建設させられる。それもすべて新規の専用スタジアムの建設が義務付けられる。南アフリカだと、ワールドカップが終わった後に再利用する方法がない。プレミアやセリエAのようなトップクラスのサッカーリーグが存在していれば、スタジアム建設はプラスに働く。バルセロナのように8万人の観客が集まればサッカーは繁栄する。しかし、途上国のサッカーリーグには夢物語だろう。 驚いたのは、FIFAはスタジアムに新基準を設定したので、過去に日本に建設したスタジアムの再利用はできないという話だろう。日本がワールドカップを開催するには、複数の巨大スタジアムを新たに建設する必要がある。このFIFAの陰謀には驚かされた。旧スタジアムを再利用させないために、新基準を設定して建設させる戦略なのである。国内にある旧スタジアムを再利用すれば、破格の低予算でワールドカップが開催できる。それは金儲けを狙うFIFAにとって鬼門らしい。過去の巨大スタジアムをもてあましている日本人には、8万人収容スタジアム建設の目的が理解できない。どう見ても、野外コンサート以外に使い道がない。 調布スタジアムの芝生が荒れたことがある。コンサートに使ったところ、天然芝が踏まれて凸凹に荒れてしまい、サッカーの試合に支障が出た。主催者側は金儲けのために音楽業者に貸したのだろうが、コンサートに使うことは芝生を痛めることが浮かび上がった。サッカーの試合が不可能なほど荒れてしまうのでは、見直しが必要になる。つまり、サッカースタジアムは大規模な催しやイベントには向いていないことになる。やはり、使い道のない巨大スタジアムが誕生することに変わりはない。これが日本にワールドカップ開催反対論が強い理由だろう。すべての負債は地方公共団体が抱えて、人々の記憶から消えることにはならないなあ。
2009.01.17
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夕日の木漏れ日がとげとげした葉を照らしている。太陽は見えなくても、日の光を感じることができる微妙な時間帯だろう。オレンジ色の光は心を和ませてくれる。暗い森の中ではなおさら暖かく感じる。寒さを切り抜くような鋭い葉が頼もしいのだけれど。
2009.01.15
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世界一のマンチェスターUとの決戦に勝たないとチェルシーに明日はない。ここで敗北したら、言い訳の許されない立場に立たされる。マンチェスターU戦がスコラーリ監督にとっての運命を左右する戦いになることは予想できた。プレミアの優勝戦線から遠ざかることになると危険が増す。逆転を可能にする起点にしなくてはならない。わざわざ、モウリーニョやグラントの首を切ってまでしてスコラーリを就任させたのに、モスクワ以来負け続けでは集中砲火を浴びる。 モウリーニョ解任の騒ぎを見れば、監督の進退に対して、チェルシー首脳は冷酷な判断を下すことができる。モスクワで敗れたグラント将軍を解雇した残酷さも持ち合わせている。このまま情けない戦いを続けると、ブラジルやポルトガル代表で名をはせたスコラーリも危うくなるだろう。マンチェスターを倒すことほど難しいことはない。対戦相手がチェルシーだから人々は期待する。そこで、0-3で完敗したのでは批判の声が高まる。力の差が歴然という事実が衝撃を与えている。モスクワではそんなことはなかったのだから。 マンチェスターと戦うときは守りを固めて戦う。失点したら終わりなので、低く構えるのがプレミア流になる。マンチェスターの前衛はCロナウド、パクチソン、ルーニー、ベルバトフであり、この速さとパワーを防ぐには、徹底したマークが欠かさせない。少しでも網目を緩めると、鋭いシュートを打ち込まれる。チェルシーは何とか押さえ込んでいたのに、セットプレイの弱点が露呈してしまった。チェルシーは守りの弱点を突かれてボールをクリアすることができなかった。これほど鮮やかなセンタリングも少ないだろう。それを確実にしとめる技にも衝撃を受ける。チェルシーは太刀打ちできなかった。 ブラジル流のサッカーは攻撃に重点を置く。FWドログバを先発させ、MFにバラック、デコ、ランパード、ミケル、ジョー・コールを並べる重厚作戦に出たが、なかなか噛み合わない。ボールを支配する戦術は動きの速いマンチェスターU相手には難しい。セットプレイから、ほとんどフリーでシュートを叩き込まれている。ゴール前でワンタッチしてボールを落とす動作があり、これがフェイントになってDFをかく乱させてしまった。マンチェスターの戦術を予測していないとパスが速くて動きについていけない。 チェルシーが完敗すると、残されている対抗馬はリヴァプールだけになってしまう。実力では互角とはいえないので、リヴァプールには荷が重いだろう。アーセナルは負傷者の続出で戦闘力を失っている。チェルシーだけが頼みなのにという声が聞こえてきそうな敗戦になった。戦術に疑いを持たれたスコラーリは、危険な状況を把握しているから、攻撃的な戦術に出て来るはずである。すでに尻尾に火がついている。こうやって見ると監督の交代劇は本当に難しい。プレミアを経験しない人間はその独特のプレイスタイルになじめないうちに決戦に挑まねばならない。この危機をスコラーリはどうやって克服していくのだろう。
2009.01.15
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連日放映されるガザの惨状は言葉に尽くしがたい。エジプトとの国境が閉鎖されていて、逃げ道のない都市を爆撃したらどうなるかは理解できる。それを放置している国連やブッシュ政権にもあきれるが、黙ってみているだけのアラブ首脳にも驚かされる。これでは何億人のイスラム教徒に、新たな啓示を与えてしまう。アラブ首脳は自らの権力の維持に熱心であっても、ガザの悲劇を見ようとしない。自らの国においても、原理主義者が政権を狙っているからだろう。ハマスはイスラエルだけでなく、自分たちにも危険な存在になりつつある。 閉ざされた都市での市街戦は、他に類を見ない惨劇が起きる。日本人は「硫黄島」や「沖縄」の悲劇を知っていて、ガザの痛みを感じることができ、国際世論を黙殺するイスラエルの暴虐ぶりに腹を立てている。ところが同盟国であるアメリカはイスラエルを支援していて、ガザの悲劇に沈黙している。ここには、国際政治の裏面が隠されていて、日本人には理解しがたいアラブとユダヤの論理が対決している。解決策はなく、どちらかが絶滅するまで戦いは続く。イスラエルと和平を語るものは裏切り者扱いをされて消されてしまう。 イスラエルはガザが抵抗できないことを承知の上で爆撃している。ハマスは単純な手製ロケット弾で応戦するけれど、近代戦にはならず、一方的な虐殺が続いてしまう。無差別に都市を破壊するというのは、第二次大戦の空襲以来の出来事だろう。フランスやエジプトが仲介しても、ハマスの論理からするとイスラエルとの交渉そのものが裏切り行為になるので、戦い続けるしかない。ハマスを絶滅させることで、イスラエルは平和を手に入れようとしているけれど、そんなことはとうてい不可能だろう。 ハマスはアラブ側の勇者であると同時に、ガザの戦禍の種をまいている災いの主にもなる。問題はガザの住民が戦いを続けることを支持することだろう。戦禍に巻き込まれた住民がハマスを支持し続ける限り、イスラエルとの和平はない。数十年前に故郷を追い出されたパレスチナ難民が祖国復帰を願う以上、イスラエルと戦い続けるハマスはガザ住民の支持を受けてしまう。過酷な状況がむしろ徹底抗戦派を増加させていく。 イスラエルとの共存成立は、難民のパレスチナ復帰を断念させる。難民キャンプで暮らしている人々は、戻るべき故郷そのものを失う。イスラエルに占領されたままの故郷を失うことが恐ろしい。ガザに平和が訪れても、難民キャンプの人々に戻る土地がないのでは、和平は長続きしない。200万人が暮らすにはあまりにガザは狭すぎる。解決策はどこにも存在しない。
2009.01.14
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森の中で見ると夕日は原始的な姿に映る。森にはかつて数多くの動物が生息して、生存競争を続けてきた。闇が狩の合図になる。身を潜めていた草食動物たちが闇に紛れて餌をあさる。それを野獣たちが狙って飛び掛る。そういう原始的な森を闇が再現する。それゆえに、闇に閉ざされる直前の夕景の森は美しい。
2009.01.13
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ロシアが欧州向けパイプラインによる天然ガスの供給を再開する。これによって、東欧などで起きている緊急事態は緩和される。資源問題の解決は生易しくないことを刻み付けられた。天然ガスは暖房用だけでなく、発電から生活用品にまで深く関わってくるので、パイプラインの途絶は厳しい冬を生み出していた。寒いだけでなく、工場そのものが操業を停止させられている。EU側の必死の調停によって、ようやく天然ガスパイプラインが再開されるらしい。 ロシアとウクライナの不仲は戻すことが難しいだろう。同じソ連構成国であったゆえに、互いに歴史的憎悪の感情を持っている。ウクライナ側に被害者意識が強いので、両国の仲直りは不可能だろう。ウクライナはNATO加盟とEU加盟を強引に進め、米国は後押ししている。孤立するロシアはNATOとの対決を真剣に検討する段階に来ていた。天然ガスパイプラインの停止に踏み切ったのは、ロシア側の覚悟と姿勢を表明したものだろう。ロシアは「よい子のアヒル」ではないことをNATOに突きつけたといえる。NATOがロシア国境に防御ラインとミサイル防衛網を設置すれば、それ相応の対策を打ち出すこと突きつけた。「雪解けは終わった」とネドベージェフ大統領は考えているらしい。 ロシアが国際主義を採るのか、孤立主義に走るかを予測することは難しい。クレムリンの政治動静を探ることは難しく、さらに原油価格の乱高下が続いている。世界2位の原油生産量に達したロシアには、未開発の資源がシベリアの地下深くに眠っている。それを開発するには、莫大な資金が必要になり、それを持つのはEUになる。政治面での交渉が必要になる。石油バブルの崩壊によって、ロシアは財政面でも大きな痛手を受けた。原油や天然ガスの国際相場を押し上げるには、意図的に緊張関係を生み出すしかない。パイプラインの停止は驚きと緊張を欧州に与え、ロシアを孤立化させると何をしでかすかわからないことを印象付けた。 ウクライナはEUの調停に不満を持っている。ウクライナは欧州向けの天然ガスや石油をパイプラインが通過している。そこから巧みに抜き取っていたらしい。厳密な測定が行われていなかったので、どこからどれだけ抜き取られていたかも不明になっている。それを防ぐために、国際監視団がウクライナに派遣され、パイプラインの実態を調査する。これは痛手になる。 ウクライナはロシアから安く石油や天然ガスを手に入れて、それを再輸出して外貨を稼いできた。安い石油を輸入してガソリンや軽油を精製し、高く売りつければ大儲けできる。ロシアは同盟国なので黙認してきたのに、NATO側に寝返るならば国際価格で払ってもらおうと決意している。国際価格だとウクライナの儲けはゼロになるから、とうてい受け入れられない。ウクライナの石油精製施設は存在する意味を失う。これが国際価格に値上げすることを拒否してきた理由になる。 EUの調停案は、ウクライナの抜き取りを禁止することを目的にしている。途中でウクライナが天然ガスを抜き取ったのでは、欧州側も困る。ウクライナが国際価格を拒否して供給停止にされるのは勝手だが、不足分を抜き取られると欧州が影響を受ける。ロシアは抜き取りを防止するために全面的な供給停止を断行している。国際監視団が天然ガスの輸送量を監視することで抜き取りを防止できれば、ロシアは供給を再開する。つまり、ロシアとウクライナの仲直りは計算に入っていないことになり、トラブルは続くしかない。
2009.01.13
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企業による「派遣切り」が社会的な話題になっている。不況になると、まず派遣社員の首が切られる。それも日本を代表するようなメーカーが残酷な行動に出たということになって、マスコミの大批判を呼んでしまった。しかし、ほとんどの日本人は派遣制度の実態を知らない。偶然に、三河地方の部品メーカーのビデオを見て、これが日本の現実かと驚かされてしまった。新聞やTVにに登場する派遣社員と、三河地方の派遣社員では、天地ほどの差がある。 派遣社員は契約期間がある。普通は半年か、1年の契約を結ぶ。期間が短い理由は、仕事が長続きしないことにある。三河の派遣社員は、半年で50%がやめていく。1年を全うできるのは少数に過ぎない。2年目の契約を交わす人はさらに少ないので、新たなメンバーが続々と送られてくる。ビデオは昨年度の取材なので、最盛期の様子を示している。それでも、ほとんどが仕事をやめてしまうというのを見ても、派遣業務が厳しくつらい仕事だと理解できる。派遣社員をパートと同類だと思っていたことは愚かだった。考えてみると、自動車メーカーは「派遣切り」をすることはなかった。黙っていても、ほとんどの派遣社員は1年で辞めていく。これが三河の実態である。 朝7時に仕事は始まる。工場で8時間労働をこなして、寮やアパートに帰る。住宅は派遣会社が工場近くに準備する。家賃は無料なこともあるし、1万円程度でも借りられる。ただし、3人部屋に耐えねばならない。個室を確保できるのは恵まれた人らしい。昼と夜の2交代制で工場は稼動するから、勤務時間が異なると、互いに眠りを邪魔する。寝ている同居者を起こさない心遣いが必要という。 昼と夜の工場勤務は1週間ごとに交代する。1週目が昼ならば、2週目は夜勤になる。8時間の時差があるので、2交代制の自動車産業に働くことはつらい。工場に着くと体操をしてから、担当部門に配置される。目の前にカウンターがあり、今日の目標が示されている。2列目は生産実績。3列目は残りの数になる。目標を達成できないと残業をしてこなさねばならない。つまり、目標は必達であり、達成せずに帰宅は許されない。8時間立ちっ放しで作業するから、相当タフでないと勤まらない。わずか1週間で逃亡する人間が出るのも無理はない。 最後まで頑張るのは、家族持ちの地方出身者になる。彼らは月25万円の収入のほとんどを家族に仕送りしてしまう。やめたくても、やめられない人々を集めてくるのが派遣会社の役割になる。まさしく出稼ぎといったほうがふさわしい。それでも、2年目の契約をするかは迷うという。精神的にも肉体的にも限界に達している。3年仕事を続けると正社員にという話は奇跡だろう。ブラジル人たちは大部屋の集団生活に耐えられるから、三河の工場の重要な担い手になっていた。今では、彼らの多くがブラジルに帰国してしまった。 今度の派遣切り騒動で、派遣契約をしてはいけないことが全国に知れ渡った。家族が派遣社員になろうといえば、皆止めるだろう。それは「いつ首になるかもしれない」という不安からだったが、真相は別にある。普通の人間には、とうてい耐えられないような過酷な勤務が派遣なのである。工場側としては、正社員とまったく同じノルマをこなし、給料は半分以下の契約社員を大事にすべきだった。今後は派遣社員を集めるのが難しくなるだろう。新聞を読むと、ほとんどの派遣社員は契約延長を希望しているのに、メーカー側が切り捨てたという話になっているけれど、それは甘い。逃亡や脱走が日常的な派遣労働者の実態を取材すべきだろう。そうしないと、未来社会はとてつもなく暗くなってしまう。
2009.01.12
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冬の太陽はすっと沈む。西日のオレンジ色は、人間の記憶に深く刻まれている。針葉樹の幹に差し込んでいる西日を見ていると、さまざま過去の思いが浮かび上がるだろう。原始の時代から、夕日の情景はオレンジに包まれていた。そして暗闇がじっと近づいてくる。まさにそんな時代が迫っている。
2009.01.11
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運命というものは、不思議なめぐり合わせだろう。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントは、そこで勝ち抜かないと生き残れない、紆余曲折してイタリアにたどり着いたモウリーニョに待っていたのは、まさに巌流島だった。いきなり、マンチェスターUとの決戦が始まる。インテルが強引にモウリーニョを招請した意味はあるのだから、イタリア陣営は負けるわけに行かない。チェルシー時代、いつもCLになるとリヴァプールに邪魔されて挫折させられてきた。それが怨念のマンチェスターUになるのが面白い。相手は世界一だけれど、インテルとしてはイタリア一の看板が問われる。 実力はマンチェスターのほうが上と見るのが自然だろう。Cロナウドとルーニーがいるのが圧倒的な差に見える。守りは互角としても、攻撃力には露骨な差がある。この差をどうやって埋めて、決戦に備えるかが勝負を分けてしまう。遅刻常習犯のアドリアーノを解雇しなかったのも、この日のための備えだろう。マンチェスターUの陣形を突破して、豪快に叩き込む野生を持っているのはアドリアーノくらいしかない。Cロナウド、ルーニー、パクチソン、テベスと並ぶと、さすがにインテルも守りには苦労させられるはずである。 インテルは外国人選手が多いけれど、スターは少ない。地味で実用的な選手が多い。ここがバルセロナとの違いだろう。予選段階では危うい守備が多かったインテルだが、マンチェスターU相手だと即座に失点につながってしまう。破壊力と鋭さがイタリアとは違うので、おそらく守備重視のサッカーにならざるを得ない。そのままだと圧迫されて終わるから、どこかで切札を投入する必要がある。それが遅刻常習犯のアドリアーノになる。好不調の波が激しく、爆発したときは、ドログバやアデバヨルを超える破壊力がある。湿ったときには情けないプレイに終始する。 マンチェスター戦はとてつもなく厳しい。まさにモウリーニョの真価を問われる。情けない敗戦をすると「何のためにイタリアに来たか?」が疑問形になってくる。勝たねばならないけれど、これほど勝つことが難しい相手もいない。熟達の頂点にあるマンチェスターUを相手にするのは苦しい。といって、ここで惨敗したらモウリーニョの首が危なくなる。やはり、イタリア得意の閂サッカーをやるしかないかな。ゼロに抑えてしまえば、何かが起きるかもしれない。終盤になれば、マンチェスターの堅い守りも乱れてくる。G大阪のように真正面から仕掛けていくのか、それとも守りを固めて終盤のきわどい勝負に持ち込むのか。これは面白くなってきた。
2009.01.11
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ワールドカップの評価は厳しい。そこで結果を出せば、監督と選手に明るい未来が待っている。結果を出せなかったものには、つらい旅が続く。トルコ、ウズベキスタン、ロシアとジーコの旅は続いている。イタリアやスペインにたどり着くかに興味が出てくる。日本人はほとんどJリーグにとどまるので、海外リーグの厳しさを知らない。日本では、可能性や将来性を計算に入れてくれるけれど、海外では数字だけが評価を決める。数字は勝つ数に比例するから、まさに戦術と戦略を試される。 もちろん、それだけでは監督業は勤まらない。選手からの信頼を獲得することと観客からの支持を勝ち取らねばならない。強くても、つまらないサッカーをやっているとファンの不満が爆発する。ブラジルでは観客の目が特に厳しいので、監督業を2年続けることさえも難しい。そこを耐えてクラブで実績を残しても、代表監督の座にたどり着ける人間は限られている。ワールドカップ予選を切り抜けて、やっと一人前と判断される。予選落ちさせた監督には声がかからなくなる。こうなると、日本人には無縁の世界であることが理解できる。 工業製品の世界進出に比較すると、サッカー界の序列の厳しさが理解できる。日本人がほとんど相手にされない現実がある。まず、東南アジアやアフリカなどの無名クラブで実績を挙げ、代表監督になり、ワールドカップ出場を果たす。ここまで来るには絶望的な壁を乗り越えねばならない。そしてワールドカップで強豪国を破る。そこから、無名監督の名前が世界に知れ渡り、チャンスが生まれる。そこが第一歩ということがサッカー監督のつらい点になる。 日本にはJリーグがあり、居心地がよい。わざわざ、熱帯や砂漠の無名クラブに向かう人材はいない。それが日本代表監督の人材払底の原因だろう。候補者が代表監督の経験がないのでは話にならない。日本チームを率いていると、ワールドカップで結果を出すことが難しい。育成、戦術、人材発掘、すべてに能力を必要とされるのが代表監督になる。結果を出して当たり前、出せなければ失格の烙印を押される。ジーコが苦労するのも当然であり、むしろ目の前にチャンスがあるだけ幸運なほうだろう。 CSKAモスクワは結果を要求してくる。ブラジル人を監督にすえたのに、そこそこの数字では満足されない。ジーコは泥んこになることをずっと避けてきた。日本代表監督就任で泥んこになる意味を知った。ブラジルの宝であったジーコには、耐えられない屈辱だったろう。ブラジルの英雄といえども泥をこねないと茶碗は創れないから、モスクワの冬を乗り越えるしかない。そう考えてみると、チェルシーのスコラーリはとんでもないやつだと理解できる。そういう人材が日本に生まれる可能性はあるだろうか。
2009.01.11
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たそがれの光は美しい。寂しささえも感じさせる。枯れた草なのだけど、夕日に映えると美しく感じる。太陽光線の悪戯なのだろうか、それとも目の錯覚なのだろうか。普段見過ごしていた草にも、存在感を感じる瞬間が訪れていた。こういう冬の風情が懐かしささえ感じさせてくれる。
2009.01.10
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オシム監督が欧州に帰国した。これで安堵した人は多いだろう。療養中のオシム監督が騒々しい日本にいるだけで、さまざまな噂に悩まされてきた。どうしても「現役監督に復帰」などという話が祭り上げられてしまう。それはマスコミの演出に過ぎないのに、サッカー関係者は踊らされて波紋が広がる。それに決着をつける意味でも、欧州帰国は正しい判断になる。日本人は静かに見守ることなどできない騒動の好きな民族だし、サッカー界は騒動を起こしやすい体質を持つ。 サッカー監督は精神的にも、肉体的にも頑強でないと続かない。タフな人間でも耐えられなくなって辞表を出す世界がサッカーになる。夜眠れなくなるで済めばましだろう。災難は本人だけではなく、家族や関係者にまで及ぶ。勝てばすべては解決するけれど、必勝と行かないのがサッカーの運命というしかない。野球でも「星野バッシング」が起きてけれど、同じことは次のワールドカップでも起きるはずである。「代表監督にだけはならないで」と家族がすがりつくのも無理はない。勝って当たり前、負けると総批判が待っている。近親者は昼間街を歩けなくなるという。そんなんでは監督業は長続きしない。 オシム理論に心酔するプロ選手は多い。引退を惜しむ声が上がるのも当然だろう。しかし、医学的な見地から見れば、オシム監督が生き残ったことが奇跡であり、静かな余生を送ることが望ましい。それが許されるのは欧州の地であり、故郷になる。アマル監督の最後などを見ると、日本のサッカー業界はそんなに楽しい場所ではないし、居心地もよくない。オシム一家が帰国しても、心残りはなかろう。 オシム理論はたしかに傑出していた。トルシエに始まった改革路線はジーコで挫折し、オシム就任で強制的に転換させられた。緻密な分析と効果的な戦術を組み立てられなかったジーコはW杯で惨敗する。傍若無人なトルシエですら、日韓WCで結果を出したのに、ドイツの惨敗は甘い野望を消してしまった。それ以来、サッカー悲観論が続いている。オシム監督といえども、日本サッカーの本質を変えられることは不可能になる。小学校から始まるサッカーの流れの中で、代表監督にできる範囲は狭い。ジーコはそれをさらに限定してしまった。ジーコ時代に甘やかされて、緊張感の切れた選手を本当に再生できるかがテーマだった。病に倒れるとそれも終わりを告げている。 寄せ集めの選手で戦うワールドカップ大会は、日本人特有の緻密な連係プレイが期待できない。豪華スターだけ集めても、軽業師を集めても、それだけで強豪に勝つことはできない。新たな戦術とそれを可能にする厳しいトレーニングがオシム作戦だった。本音ではバルセロナのような攻撃サッカーを目指していたのだろうが、日本代表には戦力が足らない。不足する分を速さと訓練によって補おうとした。アジアの世界では珍しい速いパス回しと攻撃重視のサッカーは驚きを与えた。その意味でも、結論が見えないうちに病に倒れたのは実に惜しかった。 オシム理論は独自すぎて真似ができないという。日本人で理解しているのは千葉の旧戦士たちや代表選手の一部に過ぎない。細かい蓄積がオシム理論に結びついているのだから、外野が読み取ることが難しい。一つ一つは理解できても、全体を把握することは不可能だろう。それでも、オシム理論を学んだ監督が世界に輩出している。少なくとも、選手から信頼される監督になるには、どうすればよいかを示す手本にはなる。現実の世界では、選手から信頼される監督は少ない。これは他の社会でも同じだろう。心優しい人間は弱肉強食の世界を生き残れず、その例外がオシム監督だったのかな。
2009.01.09
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イラク戦争には表の顔と裏の顔がある。厳しい統制の元で、米軍に関わる情報はほとんど入ってこない。表側では、市街戦やテロも減少して、イラクは平和になってきたとされる。次の戦地はアフガニスタンとオバマ大統領は語っている。本当に米軍の派遣地域切り替えがうまく行くかは疑問だろう。アフガニスタンに何が待っているかを予測することは難しい。政治家の本音と建前のずれが大きいのも中東情勢の特色だから、武力でテロ押さえ込むことはなかなかできない。テロリストの予備軍は世界各地で育っていて、パキスタンは武装勢力の聖地にすらなっている。そういう複雑で混沌とした情勢に目をつけたのが傭兵ビジネスになる。 イラクに派遣されている米軍は、日常的に兵力不足に泣かされている。アメリカ国内にイラク戦争反対論が強く、派兵を増やすことは難しい。裏側で活躍しているのが警備会社になる。要人の警護や物資運搬などを担当する民間会社がイラクに多数設置されている。イラクには数万人の傭兵部隊が存在し、それによって何とか治安が保たれている。この経費をすべて負担しているのは米軍であり、いずれイラク撤退により、傭兵ビジネスは終わるはずである。そういう展開に仕事を失う軍需産業は抵抗するだろう。 米軍は主に軍事作戦を行うけれど、それだけではイラクの治安を保てない。グリーンゾーンと呼ばれる重要地区の警護や政府要人の護衛には、警備会社のプロが登用されている。多くは元特殊部隊と陸軍出身者で構成されている。正規の兵士との違いは、どこまでも後方支援という役割と多額の報酬になる。1年間勤務すれば1000万円から2000万円の報酬をもらえるので、これを目当てにして命知らずの猛者が南米などから多数参加している。戦闘の危険性は、正規軍に比較すれば低いし、突発する市街戦に巻き込まれることも少ない。金目当てのビジネスと割り切れば、殺人にも罪悪感を感じなくてすむ。 警備会社はさまざまな側面を持っている。傭兵の実態は公開されておらず、どれくらいの兵士がいるのか、どういう任務についているかも不透明になる。武器を使用するのは、攻撃を受けた場合に限定される。ただし、兵士の外観は米兵に類似しているから、ゲリラに襲撃されることも起こりうる。現地のイラク人ではなく、外国人傭兵を使っていると言うのが傭兵の複雑な立場を物語る。警備などをイラク人を委託するところまで到達していない。 イラクの傭兵の実態はわからない。多くの傭兵が死傷しているはずだが、活動の詳細は明らかになっていない。どこまでもビジネスとして割り切って行われている。米軍から多額の報酬が警備会社に支払われているはずだが、実態は闇の中に閉ざされている。要するに、傭兵ビジネスの裏側で何が行われているかを知るすべがない。さまざまな闇黒部分が生まれてくても見ることができない。傭兵ビジネスは、新たな戦争請負人として誕生している。消すことは難しい。世界中から集めた腕利きを生かすだけの洗浄が必要になる。イラクの次はアフガニスタンと呼ばれる理由だろう。 アフガニスタンではさまざまな政治情勢が渦巻いていて、政府ですら一枚岩ではない。南部地方は政府の権限が及んでいない。そこには屈強なパシュトン人が待ち構えている。パシュトン人を甘く見てはいけない。彼らはアフガニスタンから英国とソ連を追放したことを誇りに思っている。自分たちの強さに自信を持っている。そしてこれを支援するアラブ勢力も世界各地に存在する。アフガニスタンは本格的な反政府ゲリラが存在し、それを支援する国や地域も多い。タリバンは強硬派が残存していて、政治的な妥協が不可能になっている。NATO軍すら行動を制約されているアフガニスタンで、傭兵ビジネスは存在感を試されることになる。おそらく、相当の犠牲を払うことになるだろう。
2009.01.08
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ナンテンは冬に赤い実をつける。これは鳥にとって、餌の不足する時期のご馳走になるらしい。江戸時代から観賞用として栽培されてきた。さらに、アルカロイドが含まれる実は、薬効のある実として利用されてきた。確かに、苦い薬に比較すると、南天の実は実に美味しそうに見える。これでさまざまな薬効があるのだから、冬の観賞用植物としては言うことない。それにしても、美味しそうな赤い実だなあ。
2009.01.07
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プレミアリーグで一番魅力的なサッカーを目指していたのはアーセナルだった。縦横無尽のパスワークと切れのある速攻は、プレミアの魅力のひとつになっていた。無敗で優勝した当時よりも、サッカーとしての魅力度は高かった。世界のサッカー史と発展する方向を占うシステムを完成させようとしていた。ところが、それを阻んだのはスタジアム建設に伴う予算の逼迫と、偶発的に起きた選手の負傷だった。完成間近だったアーセナルスタイルは、誤算によって消滅しようとしている。 中軸を構成していたフレブ(バルセロナ)とフラミニ(ACミラン)の移籍は痛かった。しかし、サッカーにおいては契約の自由が認められている。クラブとの契約が終了すれば、どこに移籍しようと自由になる。契約が残っていれば、移籍金を支払えばよい。いずれにしても、選手が他のクラブに移籍することを決めると、アーセナルと言えどもとどめることは難しい。その上、アーセナルは契約金で引き止めるつもりがまったくない。高い契約金で引き止めるよりも、若い選手を育成して戦力の低下を食い止めることに主眼を置いている。この戦略を貫くうちに、20代前半の選手がアーセナルを背負うようになってきた。 エレミーツ・スタジアム建設費用が、クラブ経営に大きな負担を与えていることは間違いないだろう。日本と違って、イングランドのサッカークラブは自力でスタジアムを建設する必要がある。プレミアリーグが設立されたのも、老朽化したスタジアムを刷新する費用を手に入れるためだった。スタジアム建設のための費用は、ほとんどが入場料によってまかなわれている。それゆえに、選手への報酬は限界があり、不満に感じる選手は高額な報酬を求めてアーセナルを去る。 ロシスキー(チェコ)、セスク・ファブレガス(スペイン)、ウォルコット(イングランド)と長期離脱が続いている。サッカーに負傷はつき物だが、ロシスキーとセスクの負傷は悪質なファウルによるものだった。アーセナルの中盤は崩壊に近いダメージを受けている。それでも、ナスリ、デニウソン、エブエ、ディアビ、ソングなどを組み合わせて、何とか崩壊を食い止めている。アデバヨルの不振も攻撃力を大きく低下させている。ファンベルシとベントナーでは、爆発的な破壊力が足らない。プレミア5位は不満だろうが、これを逆転させるエネルギーが切れている。対策として、若い未知の戦力を発掘するしかないのはつらいだろう。サッカークラブと言うのは、計算通りに行かない砂上の楼閣に見えてくる。
2009.01.06
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アフリカ大地に生まれた国々の多くは、経済困難に直面している。先進国からの援助はほとんど役に立たず、近代的な産業も育たない。そもそも、工場を建てる資金が足らない。教育水準が低く、子供たちは小さい頃から働いていて、文字さえも知らない。親が教育の価値を認めないと、村の学校さえも無用なものとして見捨てられてしまう。 アフリカ諸国が独立を手にして数十年間も経つのに、些細なことから民族対立を繰り返し、武器を手にして内戦に明け暮れている。西アフリカのギニアビサウは、これらのアフリカの運命をすべて背負う最貧国のひとつになる。そこに目をつけたのが、コロンビアの麻薬カルテルになる。欧州へのコカイン中継基地として活用を始めたという。コロンビアのカルテルが西アフリカ海岸に進出してきたのである。 南米コロンビアの特産品は、コーヒーとエメラルドとコカインになる。原油や石炭も採掘されているが、利益は資本家が独占してしまう。そこで一攫千金を狙うコロンビア人は、まずコカインの密貿易に手を出す。麻薬取引には、メキシコを通過する北米ルートとアフリカ西海岸を通過する欧州ルートがある。いずれも密輸によって巨額の利益を手に入れられるので、ルートの争奪戦が起きている。メキシコでは麻薬戦争が起こり、毎年数千人の犠牲者が出ている。それでも、100倍もの利益を出すコカインの取引に手を出す人間を止めることができない。 素朴な生活をしてきたギニアビサウの島にマフィアが上陸した時期は、あまりはっきりしない。政治家の買収や警察への賄賂などで、事実上麻薬の取り締まりは途絶している。密輸を握るマフィアは投資を拡大して、ギニアビサウを中継貿易港に成長させている。港の建設費用や船の購入資金を融資さえするという。そんな行為は欧米の政府もできないので歓迎されている。まず、アフリカの地元民から信用を得て、有力政治家と結託し、コカイン貿易の利益を独占することがカルテルの狙いだろう。何の産業もないギニアビサウにとって、コカイン取引は貴重な外貨を稼ぐ手段になってしまった。 国連はギニアビサウ政府に圧力をかけて、コカインの取引の横行をやめさせようとしている。アフリカ弱小国を見捨ててきたのに、急に取り締まれと命令しても、取引で潤っている人々は反発するだけになる。地元民は貧しすぎて高価なコカインは買えず、素通りするコカインの取引額だけが増えていく。麻薬取引に代わる産業をアフリカに与えないと、泥沼に落ち込むだけだろう。 コカイン汚染に悩む米国や欧州の政府は密輸を取り締まることができずに、生産国であるコロンビアに圧力をかけている。コロンビア政府は麻薬カルテルの取り締まりに乗り出しているが、組織が強大なので取り締まりに手を焼いている。麻薬カルテルは一国政府の手に負える代物ではない。先進国で消費されるコカインの需要がなくならない限り、麻薬取引は絶えることがない。コカインを運ぶルートはさまざまに姿を変えて世界中を移動する。目で見る限りは、南米コロンビアの農場も、西アフリカの港も、NYやロンドンの街も平和な風景に見える。闇取引されるコカインを撲滅しない限り、南米とアフリカの貧しい国はコカインの密輸に明け暮れる日々が続くだろう。
2009.01.05
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落葉樹の葉が落ち、赤茶けた針葉樹が並ぶ真冬には、椿と山茶花は貴重な存在になる。室町時代には、すでに椿が寺社の庭に植えられていたという。冬の乾いた空気の中で、寒さに耐えて赤く咲いている姿を見ると、たしかに心が休まる。境内に必ず植えてあるのもうなづける。 独特の深い色合いをした赤い花だけでなく、葉も緑に茂っている。椿は見かけよりもはるかに生命力のある植物になる。蝶も蜂もいない1月に花を咲かしているのに、結実すると言うのは不思議な話だろう。どうやって虫に花粉を運ばせているのだろうか。
2009.01.04
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海洋で最も獰猛な生物はホホジロザメだろう。これほど凶暴な生物は少ない。撮影するカメラマンを守る鉄柵に激しく襲い掛かってくる。多くのサメ族は人間を襲わない平和的な種族である。ところが、海洋哺乳類を好物にしているホホジロザメは、まったく容赦なく人間を襲って食いちぎる。血のにおいにも敏感で、かぎつけると数キロ先から駆けつけてくる。ホオジロザメは生息数が少ないので、出会うチャンスが少なく、人類は救われている。サメ類は原始的な生命体であり、数億年を生き抜いてきたけれど、フカヒレの味に負けた人類によって滅ぼされようとしている。 日本でも絶滅したメガロドンの歯が発見される。親族であるホホジロザメと比較すると長さは3倍、体重は30倍もある巨大サメになる。そんな巨大サメが生存できた環境が、200万年前の地球には存在していた。氷河期に入る前の地球は温暖な気候が続き、緑の植物とプランクトンに満ちていたらしい。南極大陸が大陸移動で南極点に入ると、氷の大陸が地球に誕生する。これが地球全体の気温を冷やし、氷河期が始まるきっかけになった。氷河地帯が大陸に広がると森林は氷の下に埋もれ、苛烈な生息環境が始まる。 哺乳類の時代は、巨大隕石の衝突によって始まった。気候変動によって恐竜が絶滅すると、哺乳類が地上を制覇する。その一部は海に進出して、クジラ類に進化していく。クジラやイルカは海洋に見事に適応して、哺乳類全盛時代を迎えた。その中で、唯一ホホジロザメの仲間だけが哺乳類を捕食していた。クジラが巨大化すると、メガロドンも平行して大型化していく。なんと全長15メートルの巨大ザメが生まれた。これほど恐ろしい海の略奪者はいないだろう。クジラの骨にメガロドンの歯の跡が残っていることから、クジラを餌にしていたことがはっきりしている。やがて、地球の気候が寒冷化するとプランクトンと魚類が減少して、大型クジラも減少したと考えられる。餌を失ったメガドロンは絶滅するしかなかった。 現在の海にはサメは少ないし、クジラも少ない。間氷期と呼ばれる気候の下では、プランクトンの数も、植物の数も、生息数が制限される。数が増えているのは人類だけになる。数万年後に地球は再び氷河期に突入すると、人類が生存していける確率は低い。気温の低下による食糧生産や環境問題に直面すれば、人類は原始時代に戻るしかない。その頃には、地上の植物と動物は人類に食べつくされているだろう。温暖化は人類の知恵で防ぐことができても、氷河時代を乗り越える知恵はない。絶滅したメガロドンを笑うことはできない。
2009.01.04
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イタリアのカロツェリアであるピニンファリーナが破産を免れて、銀行管理下で存続することが決定した。昨年ベルトーネが破産に追い込まれ、デザインビジネスの厳しさを実感させられたが、ピニンファリーナまでが滅亡のふちに追い込まれている。才能あるデザイナーを擁して、世界中のカーデザインに影響を与えてきたピニンファリーナが、累積赤字に追い詰められる時代が到来した。デザイナーが自由にデッサンを描ける時代はとうに終わっている。デザインを見る目は一段と厳しさを増しているから、カロッツェリアの需要はあるはずなのに、工場の生産性やコスト追求が重要な要素になると、トリノデザインの介入する余地が減ってしまった。生産性優先の時代に、「ピニンファリーナは贅沢」の一言で片付けられるようになったのだろう。各メーカーがデザインスタジオを設立して、自社デザイナーを数多く抱えるようになると、カロッツェリアの存在感は消え、わざわざトリノに依頼する必要もなくなった。これがカロッツェリア衰退の背景にある。 ピニンファリーナが銀行管理下におかれた理由は、ベルトーネの破産が影響している。創業者一族の対立と内紛、労働組合との軋轢などによって、ベルトーネはあっけなく破産に追い込まれている。古い経営感覚と最先端アートがマッチしなくなった。それを断ち切るには、銀行管理下に移行するしかない現実がある。伝統的にフェラーリをデザインしてきたピニンファリーナが、合理的な経営感覚を失っていたのは仕方がない。すべてを倹約する生き残りの時代になると、イタリアのカロッツェリアそのものが贅沢に見えてくる。ピニンファリーナは危機を打開するために、電気製品から時計や二輪車までデザイン事業を広げてきた。スポーツカーのデザインだけでは食べていけない厳しい現実がある。 ピニンファリーナの改革は難しい。デザイン開発部門よりも、スポーツカー生産部門が赤字を生み出してきたことが痛かった。アルファのスパイダーなどがピニンファリーナ工場で受託生産されている。熟練した技を持つトリノ工場が少量生産のスポーツカーを引き受けてきた。スポーツカーの世界的な販売減少がピニンファリーナをまさに押しつぶそうとしている。銀行団としては、黒字部門に経営資源を集約して、ピニンファリーナの存続を図るしかない。ピニンファリーナという言葉が魔術を生み出さなくなった現代には、カロッツェリアは茨の道を歩まねばならない。 ピニンファリーナの希望の星は、ゼロと呼ばれる電気自動車プロジェクトになる。フランスのボロレと共同開発したPゼロは、リチウムイオン電池とキャパシタを採用した複合電気自動車を標榜している。この開発に成功すれば、ピニンファリーナは新たな事業分野に進出でき、競争に生き残ることができる。大手メーカーが参入をためらっている分野にリスクを冒して飛び込むことで、独自の存在価値を見出す作戦だろう。重量が300キログラムあるというリチウムイオン電池を搭載したPゼロが本当に成功することができれば、すべての課題を解決できるはずだが、そんなに甘くはないのが現実社会になる。
2009.01.03
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ジェラ紀は針葉樹の時代だった。大陸の乾燥地帯に進出できたのは裸子植物だけだったから、大繁栄の時代を迎えた。当時の地球は温暖な気候に恵まれ、針葉樹の大森林が地上に広がっていた。これを草食恐竜が餌にして、巨大な恐竜が生息する時代が始まった。すべては針葉樹の進化と勢力拡大のおかげになる。この時代の針葉樹は葉が広く、熱帯地方から極北地帯まで地上を制覇していた。 白亜紀に最初の花が咲き、植物の歴史は塗り替えられていく。花が咲く被子植物は、環境への適応力が強く、あらゆる空間を急速に埋めて行った。被子植物との生存競争に敗れた針葉樹林は、寒冷地帯に逃げ出すしかなかった。寒さや乾燥に強くなるために葉が針状になっていき、針葉樹が完成した。高山や寒冷地帯に細々と生存していた杉やヒノキに建築木材としての価値に目をつけた人間は、大規模な植林を開始する。日本の山はたちまち針葉樹に覆われていった。人間による針葉樹全盛時代の復活をどう評価すればよいのやら。
2009.01.02
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日本人から見ると、同じソビエト連邦を構成していたロシアとウクライナは同類にしか見えない。ロシアとベラルーシとウクライナの違いを指摘できる人は少ないだろう。ところが、ウクライナ人はロシアによる歴史の屈辱を忘れることができないらしい。ソ連時代は、ロシア人によって支配されていたと言う歴史観が存在する。それがロシア敵視政策に結びつき、経済の混乱と動揺を導き出している。金融危機を食い止められずにIMFから支援を受けたのは、ウクライナとアイスランドになる。それほど、ウクライナ経済は深刻な状況に落ち込んでいる。そして、ロシアはガス供給を停止すると宣言した。 ロシアのガス・パイプライン停止は、ウクライナの未払いが原因になっている。ウクライナ側は安い天然ガスや石油をロシアから手に入れて、それを割高な欧州に輸出することで莫大な利益を得てきた。ロシアの国内格安価格で手に入れた天然ガスや石油が国際価格に値上げされると、加工貿易による利ざやのメリットが消えてしまう。ガソリン輸出で大儲けしたウクライナは、なんとしても格安天然ガスと石油の輸入を維持したい。これが値上がり分を支払わない政策に結びついている。天然ガスの国際価格が値上がりしている事実は消せないので、差額が生まれてしまう。 ウクライナは「同盟国なのに」とロシアに泣きついて安い天然ガスと石油を入手してきた。ロシアもそれを認めて割安価格で提供してきた。双方にメリットがある価格協定が破れたのは、ウクライナの政変に原因がある。オレンジ革命は反ロシアの政治運動に結びついた。ウクライナ東部には多くのロシア人が住んでいて、彼らを保護するにはウクライナとロシアの友好関係が必要になる。ところが、オレンジ革命で成立した政権は、露骨に親西欧と反ロシアの姿勢を強めてきた。それに伴って、ウクライナ国内のロシア人たちも抑圧され始めている。それを探知したロシア政府は、ウクライナに圧力を強めてきた。安い価格で輸出されていた天然ガスと石油を国際価格に値上げしたのは脅しになる。同盟国でなくなれば、西欧並みの価格で支払ってもらうしかない。経済が困窮しているウクライナは、この価格差を持ちこたえることができない。結果的に、ウクライナの経済は破綻に追い込まれて、政府は身動きできなくなった。 経済優先の政治家ならば、数年間ロシアに頭を下げて安い天然ガスと石油を供給してもらい、経済成長してから反ロシアの姿勢を打ち出せばよい。ロシアに原材料を頼っている段階で、反ロシアを打ち出すのは危険すぎる。アメリカは経済支援を口にするけれど、ウクライナへの投資額は知れている。ブッシュ政権がウクライナを救ってくれると信じていたウクライナの政治家は愚かと言うしかない。オレンジ革命は挫折し、経済は混乱している。それをロシアのせいにして、体制の維持を図ろうとするのはご都合主義だろう。ガスライン停止の段階になって、輸入価格を協議しているようでは遅すぎる。いつも損をさせられるのは、ウクライナ国民になってしまう事実が悲しい。
2009.01.02
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サッカーのトーナメントは戦い方が難しい。リーグ戦では、敗北を取り返すことが可能になるけれど、トーナメントでは負けたら一巻の終わりになる。さらに、勝ち抜くと日程がきつくなり、負傷者や故障者が激増する。G大阪はそれに耐えて、アジアCLと天皇杯を勝ち抜いた。圧倒的な強さを発揮したにも関わらず、Jリーグでは8位に低迷する結果を残している。リーグ戦、天皇杯、アジアCLの3つを同時に攻略することは、本当に難しいことを示している。鹿島や川崎とG大阪のどちらが本当に強いのかも疑問が残されて終わってしまった。 トーナメントに勝ち抜くには、まず戦力が必要になる。厚い選手層が背景にないと、過密日程と負傷者続出によって、どこかで思わぬ敗戦に追い込まれる。レギュラーを固定して戦うG大阪には、連戦による過密日程がこたえた。中2日で天皇杯の決勝が行われると、ほとんど休息する時間がない。12月のトヨタカップに出たことは、プラスにもマイナスにも働く。最大のメリットは、マンチェスターUと果敢に戦った事実だろう。日本サッカーの真髄を世界にアピールできたことは大きかった。守って耐え抜くアジア式サッカーでなく、積極的に攻めて、マンチェスターを崩すサッカーができたことが高く評価された。G大阪には当然の出来事なのに、過去のアジアサッカーでは成し遂げられなかった課題を克服できたことが刺激を与えている。 Jリーグでは、G大阪の弱点が研究され尽くしているので、相手側は序盤から攻勢に出てくる。G大阪相手に守っていると、一方的な攻勢にさらされて終わってしまう。逆に1点を取ってしまえば、前に出てくるG大阪を攻略しやすい。防御がG大阪の弱点であることは共通認識になる。そこで、G大阪側は前半には守りを固め、失点しない作戦に出た。これはトーナメントに勝ち抜く知恵だろう。前半は動きを抑えて、相手が疲れるのを待つ作戦を取る。連戦の消耗を考慮した作戦を取らないと大敗を喫する。 横浜戦も、柏戦も、前半は相手側に攻められている。それに耐えて前半に失点しなければ、G大阪式持久戦の効果が出てくる。横浜と柏は攻め続けたが、ついに1得点もできなかった。持久戦を意識したときのG大阪は普段と違ってなかなか失点しない。その代わり、攻撃的な場面を少なくなる。相手が攻めあぐねて、疲れるのを待つ作戦は効果的だった。柏の要だったフランサと李は攻めの威力を発揮できずに、ボールにさえ満足に触れない状況が続いた。体力を温存したG大阪は延長戦では有利になる。それが柏の狙いのPK合戦に持ち込めなかった理由になる。こういう負けない粘りのサッカーをものにしたG大阪は、厳しい日程で大きく成長したと言うしかない。 柏が1得点でも入れると、圧倒的に有利になっただけに石崎監督は無念だったろう。疲れがたまって動きが鈍ると、柏に点が入る可能性が少なくなる。PK戦が意識され始めたとき、播戸がシュートを決めて勝負は決した。しぶとくパスを続けるG大阪のポゼッションサッカーの術中にはまって、終盤に柏が攻め切れなかったことが悔やまれる。フランサと李のコンビは絶妙なのに、ボールを渡さない工夫をするのがG大阪の知恵だろう。こういう緊張した場面になると、柏の選手たちもタフさと精神力を発揮することも理解できた。 それにしても、過密な連戦の続いたG大阪は、春からのリーグ戦で苦労することが予想できる。簡単には癒すことのできない重い疲労を蓄積させてしまった。春キャンプや開幕への備えを慎重にしないと、厳しい局面が待っているはずである。それをG大阪は無事に乗り超えられるだろうか。
2009.01.01
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