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レース中にソフトとハードの2種類のタイヤを使うというルールは実現するという。しかし、ソフトタイヤの側面を赤く塗って、「レッドタイヤ使用中」のアピールを行うというアイデアは、チーム側の反発で実行されないらしい。どの段階で、どのタイヤを使用するかというタイヤ作戦を見抜かれるのは嫌いらしい。そこで、ソフトとハードの外観は同じになる可能性が高い。2種類のなかで、どちらを使っているかは見た目ではわからなくなる。 もともとのブリヂストンの狙いは、ワンメイクにより消滅するタイヤ論争に火をつけようというものだった。観客やTV視聴者がレッドタイヤを見るのを計算に入れて、チームの作戦をアピールするというのが目的になる。「いよいよ、レッドタイヤを使って勝負に出ます」のような中継を期待していたわけである。タイヤ交換時にレッドタイヤが使われるかどうかの興味を観客に持ってもらうことで、ブリヂストンをアピールすることに意味がある。 F1チーム側は2種類のタイヤを使うことはかまわないけれど、レッドタイヤがあからさまになると作戦に支障をきたすとして、赤く塗ることに否定的である。タイヤ作戦は秘密という方針は痛い。どちらのタイヤを使っているかわからなければ、タイヤ作戦をアピールすることができない。そこで、FIAが考えているのは、タイヤ作戦を秘密にすることを認めたうえで、スタート時に装着しているタイヤだけをレース開始直後に公表するというルールである。少しだけタイヤを推理する余地を残して関心を高める。 まったく秘密が保たれると、観客側には選択が伝わらないから、タイヤが注目を集めることはなくなる。これではせっかく投資を行うブリヂストンに、商業的なプラス面が消えてしまう。ワンメイクタイヤは独占供給することができる代わりに、タイヤそのものの関心を失わせる。これを避けるために、レッドタイヤのアイデアを生み出したのだが、勝負にこだわるF1チームは、そんなに甘くないということを示す結果になりそうである。
2007.01.31
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森本貴幸がヴェルディからデビューしたのは15歳のときだった。未完の大気と騒がれていたが、Jリーグでレギュラーに定着することはできずに、昨年イタリアのセリエAカターニアに移籍した。カターニアのユースチームで8得点をした森本は、それを評価されてアタランタ戦の後半に登場したのである。日本人選手としては、18歳という異例の若さでセリエAのピッチに立つことができた。 ゲームはアタランタが終始攻勢に出ていた。0-1という劣勢の試合の終盤に交代出場した森本は、起死回生の同点弾をゴールに叩き込んだ。センタリングを受けると、DFの圧力にも負けずに右足を振りぬいたのである。たくましささえも感じる豪快なシュートを決めてくれた。まだ、セリエAの玄関にたどり着いたという段階ではあるけれど、イタリアに通用する日本人選手の登場は、セリエAへの関心を呼び戻すかもしれない。 森本を囲んで大騒ぎするカターニアの選手を見ていると、無事に船出したことを素直に祝福しよう。中田や中村俊輔がイタリアの地を去ってから、セリエAの試合に日本人選手が無縁になってしまった。イタリアの壁は厚く、鹿島で実績を上げていた小笠原でさえも、ゲームに出場に出場するチャンスは少ない。森本がカターニアの定位置を手にするのは先の話だろうが、期待を持たせてくれる一撃になった。 オシム監督の国内組重視の戦略で、海外に挑戦するという気風が薄れている。伊藤翔や梅崎はフランス2部のグルノーブル、アレックスや宮本はオーストラリアのザルツブルグというように、微妙に激戦区のイタリアを避けている。出場する機会を失うことを恐れているのである。たしかに、小笠原や大黒の苦しい立場をみると、セリエAの壁の厚さを感じるのかもしれない。それでも、日本代表が世界に通用するには、セリエAで活躍できるレベルの選手が必要になる。何としても、森本にはその先駆けになってもらおう。
2007.01.30
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イスラエルがレバノンの住宅街でクラスター爆弾を使用したことが、米国議会で問題化している。クラスター爆弾は200以上の小型爆薬を内蔵させた兵器である。航空機から投下すると空中で広がり、一つ一つが落下爆発して広範囲に損害を与える。爆破の威力は小さいが、多数同時に爆発することで、一帯を制圧することができる対人兵器である。これを住宅街で使用すると、一般市民にも多くの被害を与える。 正規軍同士の地上戦だと、敵の戦車や陣地を破壊することを目的にしたロケット弾や通常爆弾が使われる。相手がゲリラ兵になると、建物や道路を破壊してしまう通常爆弾よりも、クラスター爆弾が威力を発揮する。アフガニスタンやイラクで、米軍はクラスター爆弾を多数使ってきた。対人殺傷兵器としては絶大な効果があるので、世界中の軍隊が装備している。これを非戦闘員の住む住宅街で使うことはあまりに危険なので、米国議会で問題化したのである。 イスラエルは長年にわたり、パレスチナのハマスやレバノンのヒズボラと戦い続けている。戦闘地域は市街地が多く、ゲリラ兵と一般市民の区別がつかない。すべての建物を一軒ずつ制圧していくのは大変なので、クラスター爆弾を使い続けてきた。市民の犠牲を覚悟すれば、一気にゲリラを制圧できる。爆破の後には多数の不発弾が残り、これを処理しないと二次的な被害をもたらす。回収するために原色に塗られている不発弾を子供などがおもちゃに間違えて事故を起こしやすい。 兵器の開発が進んで、劣化ウラン弾やクラスター爆弾が戦場に登場した。重戦車を一撃で破壊する劣化ウラン弾、一発で多数の人間に倒すクラスター爆弾は高く評価されて、量産化されている。軍人は兵器の破壊力しか評価の対象にしないから、戦いの終わった戦場には、残留放射能や不発弾が残される結果になった。地雷とともにクラスター爆弾を禁止せよという国際世論が広がっているけれど、絶大な威力を持つクラスター爆弾が消える日は・・・。
2007.01.29
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南極の越冬隊が3000メートルもの氷床を掘り進んだという。富士山の高さに匹敵する氷が蓄積しているのだから、南極は凄い。最深部は72万年前であり、氷を採取することで、72万年前までの気象データを入手することに狙いがある。現在の地球は氷河期にあたり、氷が大陸を覆う氷期が1万年ほど前に終わって、人類は間氷期をのんびりとすごしている。大陸の氷河が一時的に融けて、温暖な気候が数千年続いている。いずれ氷河に閉ざされる時代に戻るのだが、その時期を人類が知ることは難しい。 地球は数億年前から、何度も氷河期を繰り返してきた。現在の氷河期は南極大陸の移動によって開始されている。偶然に南極点に到達したために、大陸表層に氷床が厚く積み重なり、それによって地球全体の冷却化が始まったとされている。一度地球が冷えると温まるのに10万年近くかかり、極寒の氷期と温暖な間氷期が繰り返して訪れている。太陽のエネルギーが氷期と間氷期の気温の変動をもたらすとされている。 氷期に戻ると、シベリアなどの高緯度地方は氷河に覆われる。日本も東北地方などの山脈に氷河が発生する。動物は餌のない氷河地帯を生きられないから、一気に南下して熱帯地方などでは生存競争が激化する。動けない植物は氷河に覆われて絶滅するしかない。地球上の水蒸気は雪になり、氷として大陸に固定化されるので、海面は200メートルも低下する。北海道はアジアと地続きになり、東京湾は湿地になる。寒冷化に伴って植物分布も大きく変化していく。 現在の氷河期は、南極大陸が極点を外れるまで続くという。大陸移動には何千万年もかかるから、いつ氷河が襲ってくるかわからない。地球的規模の気候大変動には、人類も身動きできず、氷期が到来しないように祈るしかない。地球の歴史を考えると、小さな争いごとに憂き身をつやしている人類の小ささが際立っている。世界各地で自動小銃を振り回している人間に、南極の氷の話をしても・・・。
2007.01.28
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レッドブルの新型RB3が完成して披露された。ニューウィのデザインは予想ほどマクラーレン化されていない。うねるような曲面は部分的であり、むしろレッドブルの伝統を生かしたものになっている。マシンの革新性よりも、狙いが安定性にあることを暗示している。レッドブル首脳が新型車に期待を寄せるのは当然だろう。ニューウィのデザインで、マクラーレン並みの戦闘力を確保できると期待を膨らましている。そんな甘い世界ではないのだが、首脳陣の期待が高まる背景には、カスタマカー問題が潜んでいるからになる。 08年度からは、ワークスマシンの販売が自由化される。豊富な資金力を持つレッドブルが勝利したければ、レッドブル独自マシンを開発するよりも、ルノーから買ったほうが話が早い。RB3に注目が集まるのは、その出来次第によって、レッドブルのマシン調達作戦が変化することが想定されるからになる。旧ジャガーを母体にして構成されているレッドブルは、400人というワークス並みの数のエンジニアを保有している。その開発部門を継続させるかどうかは、RB3の活躍次第になるから厳しい。 これまでのように、ルノーやフェラーリにまったく歯が立たないのならば、ワークスマシンを購入したほうが勝利に近づける。莫大な開発資金を使って、ワークスよりも性能の低いマシンを開発することは無駄というしかない。RB3に対する首脳陣の期待が高いのは無理もない。結果次第では、将来工場すら消える可能性がある。レッドブルのエンジニアにとっても、生き残りをかけたマシンがRB3になるから、熱くなるのも当然だろう。プライベーターといえども、開発部門を持つことが理想ではあるが、それにはフェラーリと互角の勝負できるという結果を残さねばならない。そこまで到達するのはとてつもなく厳しいから、レッドブルにとっては複雑な思いの1年間になるはずである。
2007.01.27
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静岡県で、深海魚ラブカの生きた映像が撮影された。グロテスクな表情とうなぎのような胴体は気色悪いというしかないが、デボン紀4億年前の生き残りといわれる。サメの祖先であるクラドセラケの末裔になり、その姿は獰猛な血を受け継いでいることを表している。古代魚のラブカが絶滅せずに生き残れたのは、海洋表層の生存競争に敗れたために海底深くに移住したおかげであろう。卵胎生で50センチに成長して生まれることも、卵で生まれる魚よりも生存率の高い理由になる。深海でラブカがどのような暮らしをしているかは、今のところほとんどわかっていない。 ラブカは口を開くと頭が半分に割れる。口をガバッと大きく開いて、大物に食いつくのが得意技になる。原始的な魚類の姿と習性を受け継いでいる。海底では餌を手に入れる機会が少ないから、自分よりも大きなイカやタコなどにがぶっと食いつかねばならない。口が大型化する原因になる。目は少ない光を集めるために反射板を内蔵している。すべてを深海に適応させた生物になる。 進化した新世代のホホジロザメは、鼻があってその下に口がついている。鼻先には何とレーダーを装備している。生物の出す微弱な電波を探知して、獲物の大きさや動きなどを探ることができる。すばやい魚でも動きを読むことで捕らえる技を持つ。ホオジロザメは研究が進んでいて、潜水艦並みの探知能力があることが知られている。2キロ先の獲物の音を聞いて接近し、1万分の一に薄めた血液さえもかぎ分ける嗅覚で獲物を探り、闇の中でも光を探知できる視力で襲い掛かる。南アフリカの沿岸では、海中からジャンプして、泳いでいるオットセイを一撃でしとめる作戦が知られている。知能も高く、獲物の動きを計算しながら襲い掛かるから、恐ろしい生物である。 ホホジロザメニ比較すれば、ラブカは原始的な生物にすぎない。サメの仲間は軟骨魚なので、全身骨格の化石が残りにくく、歯だけが化石になって残されていることが多い。歯の構造や大きさなどを現代のサメと比較して、進化の過程を想像している。ラブカの標本は、サメの進化を探る材料になる。あまりにまずそうな魚なので、猟師たちは網にかかっても捨てていたという。貴重な古代魚だと漁民に知れ渡って、ラブカが捕獲されるようになった。個体数は少なく、深海魚だから短時間のうちに息絶えてしまうので、生きた個体は水族館にもおらず、生態はほとんどわかっていない。海底に4億年もひっそりと隠れてきた古代魚ラブカの運命やいかに?
2007.01.26
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黒く塗られたRA107は凄みがある。これまでのデザインに比較すると、思いっきり先端を細く絞っている。Hマーク程度の太さしかない。これは削りに削ったフェラーリF2007に比較しても、鋭くとんがっている。狙いが空気抵抗の削減にあることは間違いない。V10エンジンの900馬力からV8エンジンの700馬力に低下して、エネルギーの推進力が弱まっている。そこで細身の胴体を採用して空気抵抗を下げ、マシンの速さを増す発想だろう。 後半部のボディも無駄をそぎ落として、空気の流れに配慮している。HONDAは2基の風洞を平行して使っているというが、その成果がようやく出ている。一部の隙もないボディにバリチェロが窮屈そうにしている写真が公開されている。バリチェロはRA106を厳しく批判していた。フロントサスペンションやブレーキ、トラクションコントロールなどに不満を並べていた。独自の技術にこだわっていたHONDAワークスが、バリチェロの意見を大幅に取り入れて、設計したのがRA107になる。 RA106の弱点は操縦性にあった。フルブレーキでタイヤがロックしやすく、トラクションコントロールが甘いので、後輪が空転しやすかった。ドライバーはコーナリングに無駄な神経を使わされていた。不満をぶつけたバリチェロの意見を大幅に取り入れたのが、新世代のRA107になる。フェラーリ並みの操縦性を持たなければ、フェラーリに勝てるはずがない。 シェイクダウンにバリチェロが真っ先に参加したのは当然だろう。その結果は満足度が高いということで、話が面白くなってきた。バリチェロの意見を門前払いにしていた開発部門が、柔軟な思考を持ったことだけも評価できる。残されているのは、ブリヂストンポテンザに対する新型サスペンションの適応性になる。はたして、RA107はフェラーリ並みのタイムを刻むことができるのだろうか。
2007.01.26
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中国の特別区であるマカオが急成長している。観光客の数は年間2000万人に迫っていて、中国本土だけでなく、香港や台湾からも押し寄せる。もちろん、観光客の目的は世界有数のカジノにある。賭博が自由化されている都市は東アジア地域で限られている。一夜の夢を求めてマカオに集まってくる。マカオ財政の70%はギャンブルからの収入なので、当面カジノ経営に頼らざるを得ない。ギャンブル関係の収入は前年比22%増の8400億円になり、ラスベガスを抜いて世界1位に成長した。 ポルトガルの寂れた植民地都市であったマカオは、財政収入を補う目的でギャンブルが自由化されてきた。マカオ返還時に50年間は自由経済を維持するという条約が交わされて、カジノは生き残ることができた。マカオの特異性を生かすには、賭博産業に賭けるしかない現実がある。マカオ当局は2002年にカジノ経営の国際入札を行い、これに香港資本や米国資本が飛びつき、2兆円を超える大規模なカジノ投資が開始されていった。ラスベガス規模のホテルが23も運営され、マカオは有数の観光都市に成長して、経済再建は軌道に乗った。闇の世界を支配していたマフィアも、強権を持つ中国警察には歯が立たずに声を潜めているという。ラスベガスではありえない健全なカジノがマカオでは運営されている。 社会主義経済と自由主義を組み合わせた中国式経済は、香港資本を取り組むことから始まり、湾岸地区の大発展に結びついた。貧富の経済格差は大きいけれど、豊かになった市民が香港やマカオを訪れて潤している。反面、自由都市の香港やマカオを抱えることで、犯罪組織の影響が地方に浸透していくことが避けられない。経済の成長とモラルの低下は比例するから、マカオのカジノ経営が順調でも、闇の世界が中国全土に広がる危険がある。マカオの大成功を喜んでばかりはいられない現実がある。
2007.01.25
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オーストラリア南東、ハウ岬沖であわびを獲っていたダイバーがホホジロザメに襲われて逃げ延びたという。頭を飲み込まれたが抵抗して脱出、胸部を負傷したけれど何とか救助された。ホホジロザメに襲われて生き残るか確率は低いから、奇跡が起きたというしかない。映画ジョーズが大ヒットしてから、ホホジロザメは人類の敵として乱獲され、個体数が激減してしまった。希少生物として、オーストラリアや米国では保護されている。 4億年前から生存しているサメの一族は進化の極限に到達している。多くのサメは魚やプランクトンを餌にしているおとなしい種族だけれど、ホホジロザメは凶暴で攻撃的である。全長は6メートル、体重に2トンに達するホホジロザメは、オットセイやアザラシなどの哺乳類を餌として捕獲するので、人類を襲うのも不思議ではない。血のにおいに敏感であり、凶暴な性格から狙われたら助かることはほとんどない。 このホホジロザメの祖先がメガロドンになる。日本でも1200万年前の地層から歯の化石が発見されて復元されている。全長は12メートル、シャチよりも巨大であり、鯨類を餌にしていた。恐竜絶滅後の空白化した海に哺乳類が進出して、鯨の一族が巨大化していくと、これを捕食するメガロドンが発生した。温暖化した地球と海洋哺乳類が豊富に生存できる環境が存在していたと思われる。最大20メートルにも達したメガロドンは、海洋生物として無敵であったけれど、気候の変動によって絶滅したと考えられている。小型化したホオジロザメが現存するのは、環境の変動による食糧不足を暗示している。 ホホジロザメはイルカやアザラシを捕食するので、その生息地帯のカルフォルニアやオーストラリアの海域に住み、北海道沖でも捕獲されている。海洋哺乳類の住む冷たい海を好んでいると考えられている。卵胎生で稚魚として生まれるから、魚類よりも生存率が高い。海洋でもっとも危険な生物なので、その生態については詳細がわかっていない。アシカやオットセイを一撃で食いちぎってしまう破壊力を持ち、獰猛さや肉食性でこれほど卓越している海洋生物はないが、シャチだけが天敵といわれている。日本人はフカヒレが大好きなので、人類も天敵かもしれない。
2007.01.24
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中東レバノンはイスラム教徒とキリスト教徒の内戦が続いている。イスラエルも過激派のヒズボラを爆撃したりするから、レバノンは危険地帯のひとつである。かつて商業都市として繁栄していたベイルートは度重なる戦乱で破壊され、近代都市の面影を失っている。多くの商業資本は戦火のないアブダビなどに移っていき、破壊されたベイルートは政治紛争に明け暮れている。 レバノンは古代フェニキア人の居住していた地域になる。かつてのレバノン山脈には森林が広がり、フェニキア人はレバノン杉を材料にしてガレー船を建造して、地中海を航行した。レバノン杉は年輪が緻密であるから、船舶や宮殿建築などにも多用される高価な木材だった。エジプトのミイラの棺がレバノン杉なのは知られている。フェニキア時代からレバノン杉の森林が伐採されてきたので、現在はガディーシャ渓谷などにわずか1200本が残っているに過ぎない。レバノン杉の森は世界遺産として認められている。 直立した幹の外観が杉に似ているので、レバノン杉と呼ばれているが、本来はマツの仲間である。日本でありふれた樹種の杉は、世界に10種類程度しか残存しない古代針葉樹であり、北米のセコイアや中国のメタセコイアなどが奇跡的に残存している。有名なヒマラヤ杉も同じくマツであり、レバノン杉とは近縁関係にある。レバノン杉の寿命は3000年近くあって、植林しても一人前になるには百年程度必要になる。レバノン山脈が草地になっているのも当然かもしれない。 レバノンは中東で唯一砂漠のない温暖な地域であり、この豊かな土地をめぐって古代から戦いが繰り返されてきた。レバノン杉を植樹するには、安定した経済と政権が必要になる。中東のパリと呼ばれるほど繁栄した歴史があるベイルートの現状は悲しい。容赦のない空爆を行うイスラエルと自爆テロを主張するヒズボラとは、永遠に和解する時代は来ないかもしれない。古都ビブロスには十字軍時代の要塞があるというから、厳しい宗教戦争が昔から続いていたのである。といっても、少しの慰めにもならないが・・・。
2007.01.23
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中東アラブ首長国連邦のアブダビで、F1フェスティバルが計画されている。お祭りの余興にF1マシンを走らせる企画は珍しくない。ほとんどは2~3台のマシンが招待され、F1チームも宣伝だと割り切って参加している。アブダビのF1フェスティバルには、エクレストンから全チームに声がかかっているということなので、桁違いの企画になる。アブダビの市街地で模擬レースを開催するつもりかもしれない。 全11チームをアブダビに招待するとなれば、相当資金も必要になるから、裏に何かがあると考えるのは当然だろう。アブダビは世界有数の石油産出国であり、将来的に市街地レースを考えているはずである。市街地レースを開催するには、安全面の設備投資が避けられないが、フェスティバルならばその必要がない。まずアブダビの市街地コースに慣れてもらうのが目的だろう。航空機による運搬費用などもアブダビが負担する必要があるから、相当太っ腹な企画である。もちろん、エクレストンへの謝礼も弾むだろう。 シンガポールやラスベガスの市街地レースが契約されていて、FIAも真剣に問題点を研究している。700馬力のF1マシンを使って、狭い街路でレースを行うことにはリスクが高い。モナコで経験を積んでいるとはいえ、F1チーム側やドライバーが抵抗するのは当然の動きになる。これまで蓄積してきた安全対策が無効になってしまう。そこでレースでなく、フェスティバルという形式で実験を行うと考えられる。F1チームを黙らせるアブダビの石油資金が背後にあればこその企画になる。 東京や名古屋などの大都市でF1フェスティバルを開催すれば、大騒ぎになるだろう。何万人という見物人が押し寄せれば、宣伝効果も大きい。市街地レースならば警察の規制が厳しくて不可能でも、フェスティバルならば公道をF1マシンが走ることも許されるかもしれない。アブダビの計画には、さまざまな思惑が秘められていると考えられる。それにしてもエクレストンの野望と石油資金と独裁政治が結びつくと、それを止められるものはいない・・・。
2007.01.22
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ロシアは世界最大の石油埋蔵量を持つ。シベリアには眠っている石油資源が数百年分もある。凍土地帯の厳しい環境にあることが、石油や天然ガスの開発を妨げてきた。原油価格の高騰は莫大な収入をロシアにもたらし、不可能とされていたシベリア開発を可能にしている。そこで、プーチン政権は石油資源の国有化を進めることにした。海外資本に頼ると、大部分の利益はメジャーが吸い取ってしまう。中東産油国と同じことを考えるのは当然だろう。 悩みの種は、複雑な利害関係が交わるパイプラインである。ロシアの石油や天然ガスは、ウクライナとベラルーシを通過して欧州にに流れている。旧ソ連だったウクライナとベラルーシは、独立後もロシアの国内価格で石油を入手してきた。この制度を利用すると、石油産出国並の利益を得ることができる。ロシアから安い原油を手に入れ、石油製品を国際価格で販売すれば大もうけできる。ウクライナとベラルーシの不当な利益に不満を持つロシアは、国際相場への値上げを狙っている。それではたまらないから、値上げしたらパイプラインを切断するとウクライナは脅している。ベラルーシは通過する石油に関税をかけようとしたため、ロシア側は石油を一時的に止めて最後通牒を行った。 ウクライナはロシア圏から脱出してEUに加盟したい願いを持つ。ベラルーシはEUとロシアを天秤にかけて最大の利益を得ようとたくらんでいる。大統領がにこやかに握手をしていても、本音では相手を屈服させたいのである。この騒動にやきもきしているのが西欧諸国だろう。中東産油国からロシアのパイプラインに切り替えた理由は安定供給なのに、原油や天然ガスが止まっては経済が大混乱する。パイプラインがゴタゴタすることで、欧州は高い原油や天然ガスを買わされる羽目になる。 ウクライナはロシアの安い石油価格を維持したままで、自由経済のEUに参加したいのが本音だろう。ロシア側がこの裏切り行為を値上げで脅すのも無理はない。パイプラインが油田よりも価値のあることに気がついてみると、この大動脈をゆさぶれば、欧州からもロシアからも大金が流れてくることがわかったから、将来も狐と狸の化かしあいを演じなければならなくなりそうである。
2007.01.20
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サッカー界には、理解しがたい数字が並ぶことがある。ベッカムの300億円にも驚かされたけれど、これは成功報酬なので全額もらえるかは女神のみぞ知る。それと異なって、イングランドのプレミアリーグ放映権料は、年間1500億円に上昇するという。英国向けが1000億円、海外向けの放送分を500億円をプレミアは要求している。これを飲み込まないと衛星テレビは放映権を失うから耐えるしかない。 放映権料が高騰している理由は、ケーブルTV局がドイツブンデスリーガの独占放映権を衛星TVから奪ったことに原因がある。サッカー放送という目玉商品を失った衛星放送は、経営危機に立たされるだろう。放映権を奪い取ったケーブルTVは、これから多くのユーザーを獲得できる。欧州のサッカー放送はメディアの将来さえも左右するから厳しい。プレミアの放映権料が高騰したのは、ライバルメディアに放映権を奪われないための防御作戦になる。 プレミアはリーグを一括して放映権料を管理している。ここがスペインなどと違う点になる。一括ならば、強弱に関わらず数十億円の配分を手にすることができる。弱小クラブには恵みの雨になる。スペインのように個別の契約になると、レアルマドリードは多額の契約料を手にできるが、弱小クラブは資金不足に泣かされることになる。リーグ一括方式か、弱肉強食方式のどちらが優れているかは、欧州でも議論が定まらない。プレミアは一括契約のメリットを生かして多額の資金を手にしている。レアルは個別契約の強さを発揮して、莫大な資金を手にすることができる。 悲しくなるのがJリーグだろう。一括契約なのに、桁違いの金額しか手にできない。視聴率の低さが契約額を低下させている。その人気の薄さがスポンサー獲得を難しくして、クラブ経営を圧迫している。プロ野球でもメジャーとの格差は際立っているが、サッカーはそれ以上の落差が欧州との間にある。レアルマドリードやマンチェスターの収入は300億円を超える。人気の差が収入の差を生み出す。Jリーグの人気を高めるには地上波中継が欠かせないが、サッカー視聴率の低迷で中継は減少する一方である。それが一般市民のサッカーへの関心をさらに薄れさせる。まだまだ、解決すべき問題は多いなあ。
2007.01.19
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マクラーレンの06年は散々なものになった。05年度の最速マシンだったMP4/20から、MP4/21に切り替わったとたんに、予選落ちの悲哀さえも味わっている。不満を感じていたライコネンとモントーヤは愛想をつかして、飛び出して行った。マクラーレン不振の根底には、開発部門を仕切っていたニューウィの離脱がある。これによって、開発部門は中心軸を失い、迷走を始めていた。やむを得ず、マシンの改良を放棄して新型車の開発に集中するという一点突破の作戦を取るしかなかった。 MP4/22の設計は06年3月には開始されていたというから、開幕時点でルノーやフェラーリに対抗できないことを自覚していたことになる。他のチームが行うような改良を積み重ねての開発ではなく、すべてのパーツをゼロから見直した方針が、MP4/22の特色になる。技術の継続ではなく、設計の抜本的な見直しを行うには情熱と時間が必要だったことは間違いない。そのおかげで、秋には実験用のプロトタイプが完成していた。 マクラーレンが新型車開発に執念を見せたのは、アロンソの獲得にある。王者をチームに迎えても、マシンに戦闘力がなければトラブルになる。マクラーレンにとって、戦闘力のあるマシンを1月までに完成させるのは義務になっていた。エンジニアたちはようやく自信を持ってアロンソをコースに送り出せるという。アロンソも最初からフェラーリと互角に戦うのはブリヂストンタイヤの特性から無理としても、慣れてくれば勝つことは可能だと語っている。2秒の壁が崩されているかは、冬の合同テストで明らかになる。
2007.01.17
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フェラーリF2007は保守的なデザインを採用している。248F1の流れの中にあり、多くの技術が継承されている。最大の変更点はフロントサスペンションと新設計のカーボンギアボックスになるから、地味な新型車登場であることは確かだろう。FIAのクラッシュテストに耐えるように、ボディ強度を大幅に高めている。クイックシフトを採用した7速ギアボックスはさらに細く成形されて、空力重視が貫かれている。 スクープ映像が公表されたライバルのルノーR27は、独創的なサイド部分のデザインを採用して、空力性能を突き詰めている。大胆なデザインの採用を見ると、挑戦者はむしろルノー側になることを物語っている。凡庸な設計では、フェラーリにとてもかなわないことをルノー技術陣も自覚しているらしい。マシン性能がフェラーリと互角ならば、ルノーに勝ち目は薄い。ブリアトーレにしてみれば、エースのアロンソをマクラーレンに奪われたこととライコネンを横取りし損ねたことがよほど痛かったのだろう。ドライバー人事に関しては、ルノーのマイナスばかりが目立っている。 F2007の特色は、先端部分からリアエンドまで細く絞っていることにある。ダウンフォースだけでなく、空気抵抗の削減に執念を燃やしている。ウィングは旧型を流用しているから、赤い車体は同じように見えるけれど、カーボンギアボックスのリアエンドに秘密がある。コース映像をみてもリアエンドはただならぬ雰囲気がある。いずれ詳細が公表されるだろうが、この部分の空力設計でリードしたことは間違いない。 フロントサスペンションはブリヂストンの新型タイヤの剛性に合わせて、新設計されている。リアサスペンションは開発途上という。248F1の基本構造を変更しなかったのは、デザイナーの絶対的な自信があるからだろう。進化の度合いがライバルと同じ程度ならば、フェラーリにはプラスアルファの余力が残されていると思われる。1万9千回転に制限されたエンジンは、リミッターに当たる前に最高出力を発揮するように変更された。エンジンパワーとトルクもワークス間の差がなくなるから、過去にはなかった接近戦が始まる。マシンの安定性と操縦性がレースの勝敗を分けることになる。ブリヂストンタイヤの特性を熟知しているフェラーリが、ルノーやマクラーレンよりも優位に立つとされるのは当然である。その意味で、最初の合同テストのタイム差に注目が集まることになる。
2007.01.16
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英国のメディアは、ベッカムがプレミアリーグに戻ると信じていたようで、金で魂を売ったと厳しく批判している。ベッカムの契約金を支払えるイングランドのクラブは存在せず、大幅な減給を飲むしかプレミアには復帰できない。ところが、カルフォルニアに移籍すれば、最大300億円の収入が見込める。すでに峠を越えたベッカムがロサンゼルス行きを選択したのは当然だろう。 この契約にカペッロ監督が激怒しているという。レアルに事前の相談がなかったして、今後はゲームに使わないと切り捨てている。レアル・マドリードの中で何が起きているかは想像するしかない。ベッカムの契約は6月に切れ、それ以降は自由に他のクラブと契約できる。契約満了ならば移籍金も必要ではなくなる。50億円以上の移籍金を投じてマンチェスターから獲得したレアルにしてみると、ベッカムだけが莫大な利益配分を受けて、レアルは無償で放出を迫られるので腹を立てている。ロサンゼルスが1銭も払わずにベッカムを手に入れたのでは、収支が合わないのである。 カペッロ監督がロナウドとベッカムを先発から外していた理由は、1月シーズンに移籍させようというクラブ側のたくらみだろう。1月中に移籍交渉がまとまれば、レアルは移籍金を請求できる。ロナウドとベッカムは莫大な移籍金が発生するから、経営陣が策を練っていたのも当然だろう。それを無視する形でロサンゼルスと勝手に契約したので、はずれくじを引かされたレアル首脳は腹を立てている。 米国のサッカーのレベルはプレミアリーグやスペインほどではない。ロサンゼルスのスタジアムも収容人数は2万人程度なので、入場料をすべてつぎ込んでもペイしない計算になる。スポーツ企業がスポンサーになり、ロサンゼルスギャラクシーの人気が出れば、TV放映権が高騰するという読みである。この契約は300億円を保証したものではなく、観客動員などが計画通りに運べば、ベッカムにボーナスを出すという条件になっている。成功するかどうかはベッカムの活躍にかかっているから、本人はやる気を出すだろう。 ボストンが松坂を獲得したときにも100億円程度の支出をしているから、米国では驚く話ではないかもしれない。これによって、米国サッカーの人気に火がつけば、十分ペイするとロサンゼルスは読んでいる。見込みが外れた場合は、年間10億円程度が支払われるので、クラブ側が損することはない。金で魂を売ったとしても、サッカー不毛の地に植樹をすると考えれば、ベッカムにも戦う気力が出てくる。そのうち、ロサンゼルスのサッカーをネット中継で見られるかもしれない。
2007.01.15
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チェルシー監督のジョゼ・モウリーニョは、毒舌家の嫌われ者で通っている。チェルシーを2連覇した手腕が語られることは少なく、常に批判の嵐にさらされている。勝つことに徹したサッカーは嫌われやすい。温和な性格の監督が指揮するサッカーは、勝負に弱いことを歴史が示している。勝つためには戦力強化が第一になるが、それだけでは優勝には届かないのがプロリーグの現実である。単純な作戦では相手に読みきられて、トップを維持することは難しい。 モウリーニョがチェルシーを退団するという噂が流れたときには、賛同する声が各方面から上がった。オーナーと不仲になったことが退団の原因とされるけれど、毒舌家監督と富豪オーナーでは、確かに話が合うわけはない。チェルシーの戦力が強化されたので、誰が監督になっても勝てるという自信が経営陣にある。すでに退団の意思を固めたという情報が紙面に流れている。 このまま退団の流れが決まるものばかりと思われていたが、突然に反旗が上がった。チェルシーの選手たちがモウリーニョ退団に反対の意思を表明したのである。主将のテリーは首脳陣に続投を申し入れることを語っている。モウリーニョの指揮官としての能力を選手たちは理解していたことになる。首脳陣がこの動きをどう読むかはわからない。人々から好かれている人気監督ならば別だが、世論の流れは無視できない。サッカーファンの多くは強すぎるチェルシーが嫌いだし、それを指揮するモウリーニョは大嫌いである。強さを実現したチェルシーが次に目指すのは、人気クラブにあることは確かだから監督人事は微妙になる。 強烈な個性を持つ監督とプレミア一の選手たちがどのように理解し合っているかは興味深い。モウリーニョの言動や性格から、全選手が支持しているとは思えなかった。チェルシーの強さの秘密は監督と選手の信頼感にあったといえる。監督の作戦や戦術を理解していなかったならば、プレミア優勝には届かない。オーナーとの仲たがいが事実とすると、チェルシー退団は避けられない気もするが、モウリーニョのサッカーがプレミアから消えることも寂しい気がしてくる。
2007.01.14
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スペイン警察はアルゼンチンの元大統領であるイザベル・ペロンを逮捕した。大統領時代の弾圧によって行方不明者が出ている事件の容疑によって、アルゼンチン政府から国際指名手配されていたからになる。イザベルはエビータとは別人であり、スペイン生まれの歌手である。55年に軍事クーデターによって、ペロン大統領がアルゼンチンを追放されると、南米を逃れてスペインで亡命生活を送っていた。その時代に知り合ったのがクラブ歌手だったイザベルになる。二人は61年に結婚してスペインに暮らしていたのだが、ペロン派の復権により大統領候補としてアルゼンチンに向かうことになる。 73年に大統領選挙に出たペロンは、副大統領にイザベルを指名する。さまざまな政治勢力を牽制する人事だったが、当選したペロン大統領が帰国1年で病死すると、イザベルの運命は大転回する。女性大統領として就任したのである。イザベル政権は2年続くが、石油ショックによって300%を超えるインフレに見舞われ、経済危機に立たされる。左翼テロと政治的混乱によって統治能力を失ったイザベル政権に対して、軍部がクーデターを起こして権力を奪った。逮捕されたイザベルは横領罪で5年間収監されたのである。釈放されるとスペインに帰国して余生を過ごしていた。 統治能力のないイザベルが大統領に就任したことがアルゼンチンの不幸だったといってよい。反対派はテロやデモで政権をゆすぶり、恐怖におびえたイザベルは反対派の弾圧に動いたといわれる。政治情勢に対応できない大統領の無能ぶりに怒った軍部がクーデターを起こし、イザベル政権を崩壊させた。混乱したアルゼンチンの政治情勢の中で、イザベル時代にも多くの行方不明者が生まれている。アルゼンチンの司法当局は、当時の事件の捜査を行う過程で、イザベルを国際指名手配していたのである。はたして運命のアルゼンチンに送還されるのであろうか。
2007.01.13
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シンガポールやラスベガスなどがF1市街地レース開催を狙っている。モナコGPの成功にあやかりたいという目的がある。FIA公認のサーキットを建設すると、数百億円の建設費が必要になるが、市街地コースならば建設費が無用になるので、各自治体もF1招致に熱を上げるのも無理はない。大分や函館でも市街地レースが計画されたが、コースの安全性を確保するのが難しく、事故などの責任を負わされることへの危惧が存在するためになるに実現していない。 市街地レースが実現しても、手旗信号とストップウォッチでレースを開始するわけには行かない。計時システムや無線通信、ピットやガレージなどの最新設備が必要になる。ガードレールだって、衝撃吸収できる特殊なものになる。コースは無料でも、設備投資の必要がないわけではない。最新式のサーキットと同等の機能を実現できなければ、F1チーム側も走行を拒否するだろう。サーキットならば他のレースに転用できる設備も、市街地では年に一度のお祭りのために倉庫に保存しなくてはならない。 閉鎖されたサーキットと違って、屋根からでも観戦できる市街地レースは、入場料の徴収が難しい。窓から見えるのに数万円の入場料を払う人間はいない。観光客だけが仮設スタンドから見るとなれば、運営面も黒字化するのが難しい。自治体はレース開催がお祭り騒ぎになって、観光客が押し寄せることが最終目的になるから、多少の赤字には目をつぶるだろう。それでも、地方自治体のレベルで安全にレースを開催することは難しい。 サーキットに巨額投資を行って、廃墟になっても困る。市街地ならば興行的に失敗しても、一般道路として使えるから、リスクが少ない。F1ならば大きな話題になり、世界中から観光客が集まるので、黒字になる確率は高い。それでもなかなか実現しないのは、安全面にある。ガードレールの外にビルが隣接する都市構造では、クラッシュが思わぬ事態を引き起こす。FIAも市街地コースの研究を重ねているようだが、50年以上の歴史があるモナコGPのようなわけにはいかないのが現実なのだろう。
2007.01.13
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マレーシアのマハティール前首相がグランプリを継続することが困難になっていると語っている。日本に続いてアジア2番目のF1開催国になったマレーシアも、予想外の観客数の低迷に悩んでいる。原因は先進国並みのチケット価格になる。こればかりはFOMが決める価格なので口出しできない。所得水準からすれば、数倍レベルになるからマレーシア人には手が出ない。シンガポールや日本、そしてオーストラリアなどの観光客を当てにしていたけれど、それほどの集客力がF1にはない。 赤字になる原因はエクレストンへの上納金にある。これを支払わないとF1を開催できない。この数年間で契約金は上昇を続け、20億円前後の負担をサーキットは強いられる。そのために、欧州の伝統的サーキットでも支払いが難しくなってきている。ドイツの二つのサーキットが隔年開催を承諾したのは、赤字が半減するからになる。黒字ならばF1開催はプラスになるが、赤字が累積するとF1を開催する意味がなくなる。途上国ではレースそのものがスポーツとして定着していないから、頼みのF1で赤字になると苦しい。 韓国、インド、ロシアなどでサーキットの建設が予定されている。FIA公認の設計を行うと数百億円の建設費がかかる。それだけの投資を行って、肝心のF1開催で赤字が出たのでは手の打ちようがない。マレーシアも政府の資金援助があるから、セパンで開催を継続できている。先進国を目指すというプライドと観光客の誘致が目的なので、政府も援助を続ける価値があると考えている。マレーシア側は踊らされているうちに、エクレストンの罠にはまっていることに気がついたのである。といって、いまさらどうにもなるものではないのだが・・・。
2007.01.12
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指揮をとり始めたカペッロ監督がレアル・マドリードに根本的に改革すること宣言している。あまりにふがいない豪華スターに怒りの炎を燃やしている。弱体化したマドリードの原因は、スターの甘やかしにあると断言する。軍規を重視するカペッロ将軍にしてみると、甘やかされたレアルマドリードのスターが許せないらしい。特にロナウドとベッカムが目の敵にされている。ロナウドが時間や規則を守らないから解雇しろというのは、よほど目に余る行為が目に付いたらしい。 マドリードの戦略は利益の拡大にあることは間違いない。スポンサー資金や多額のTV放映権料を獲得するには、大スターの存在は欠かせない。その辺の事情は選手だって百も承知だから、どうしても甘えが出てくる。監督よりも選手が大切にされてきたことは、この数年間の監督交代劇を見ればわかる。ブラジル代表監督でさえも結果を残せずに去っていくしかなかった。スターのわがままを叱ることのできる鬼軍曹は、レアル・マドリードに存在しなかった。これだけの戦力を保有しているのに、優勝に無縁なのは指揮官の責任であるとされて、毎年のように監督交代劇が続いてきた。 カペッロ監督は自信満々で就任したはずである。ユヴェントスの崩壊があったとはいえ、誰もが敬遠しているマドリードを引き受けるには、それなりの覚悟がないと指揮などとれない。結果が残せなければ、カペッロでさえもあっさりと首になるのがレアル・マドリードの宿命ならば、やりたいように行動してから首を差し出そうと覚悟を決めたのも当然になる。動きの鈍いロナウドはともかく、ベッカムまでも血祭りにするのだから、規律を求める姿勢は徹底している。 小うるさい人間が監督になると、それに調子を合わせる選手と無視する選手が出てくる。時間厳守などという規律を打ち出すカペッロに反感を持つ人間が出てくる。それを露骨に打ち出したのがロナウドとベッカムなのだろう。先発メンバーから外されたベッカムがカペッロの話を素直に聞くわけがなく、内紛の炎が上がるのは止むを得まい。頭を抱えているのが経営陣になる。チームが強くなって欲しいけれど、人気が薄れたり、トラブルを起こすのはご法度だからである。 ユヴェントスのような質実剛健のクラブにするか、それとも華麗な銀河軍団を維持するかは難しい選択になる。カペッロさえもてこずるのだから、多くの監督が途中で挫折してきたのは当然だろう。徹底的に強さを追求するか、どこまでも人気を追及するかの選択は、レアルマドリードの将来を大きく左右する。ロナウドやベッカムを放出するといっても、力の落ちた二人を受け入れられる金持ちクラブは、米国や石油産出国あたりにしかないから、レアル改革の前途は多難である。
2007.01.11
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FIAは新たなF1委員会を承認した。新たに自動車企業が中核になる委員会が生まれる。F1チームと異なるワークス会議が生まれるというのが特色になる。長年にわたって、FIAはワークス側と対立を繰り返してきた。F1を管轄するFIAとF1チーム側では対立が表面化しやすい。GPMAとは利益の配分やF1規則の変更で角を突き合わせてきた。これを正常な関係に戻すのが委員会の役割になる。わかりやすくいうと、F1チームの頭越しに自動車企業が会議を開いて、重要な事項を決定するアイデアになる。 コストダウンひとつをとっても、F1チーム側と自動車企業側では考え方が180度違う。F1チームは勝利のために多額の資金を必要とする。自動車企業としては無駄な費用を消耗するよりも、純粋な投資に向けたいのが本音になる。運営の枠組みとして捕らえたときには、FIAと自動車企業に共通点が多い。ハイブリッドシステムの採用や低燃費エンジンの開発などは、性能を競うF1チーム側とって不満なのだが、乗用車生産を行っている企業としては歓迎する話になる。そこで、モズレー会長はワークスと対話するよりも、直接に自動車企業と対話するほうが効率的なことを発見したのである。 F1に参戦している自動車企業側は無意味なパワー競争に大金を消耗するよりも、効果的なエンジン技術の開発に使いたい。F1チーム側は本社に頭が上がらない。そこで重要な議題はまず本社側の意見を聞くことに切り替えていく。新委員会で話がまとまれば、F1チーム側は結論を飲み込むしかない。コンコルド協定をめぐってF1チームと議論を重ねても、なかなか合意に達しなかったのが、ワークス本社の参加で風向きが変わってきた。 委員会にはフェラーリ、BMW、ダイムラークライスラー、ルノー、トヨタ、ホンダが席を並べる。F1チームと異なって過去の因縁が存在しないから、冷静な議論が可能になる。無駄遣いに悩まされてきた本社が工場並みのコストダウンに取り組むことは確かだろう。F1チームにしてみると、敵は前方のFIAだと信じていたのに、背後に自動車企業が待ち構えているという挟み撃ちにあうことになる。はたして、どうなることやら。
2007.01.09
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プレミア最強のチームといわれたチェルシーが思わぬ苦戦を重ねている。シェフチェンコとバラックの加入で、攻撃力を増したはずなのに、なかなか強さを発揮できない。得意にしてきた1-0で勝つサッカーができなくなっている。GKツェフ、MFジョー・コールと負傷者が続き、DFジョン・テリーの腰の手術が重なって、チームは崩壊寸前になっている。1月の移籍シーズンを迎えて、守備力の強化が最重要課題だが、チェルシーレベルのDFは簡単に見つからない。 チェルシー包囲網がプレミアリーグに完成しつつある。ライバルから徹底的にマークされているので、過去2年間のような勝利は期待できない。他のクラブもチェルシーを研究して隙を狙ってくる。強すぎて嫌われてきたモウリーニョ監督にとって、ストレスがたまる日が続くことになる。マンチェスターUがプレミアの先頭を走っているのは、むしろ幸いだろう。チェルシーに対する風当たりが弱くなる。周囲の圧力にさらされ続けていたモウリーニョには、むしろ2位という地位は過ごしやすいはずである。 モウリーニョは今シーズン限りでチェルシーを去ると噂されている。数十年間も優勝に無縁だったチェルシーをトップクラブに押し上げたのに、イングランドでは悪魔のように嫌われて、チェルシーを批判する声ばかりが大きくなる。金をつぎ込んでスター選手を集めるという戦略がモウリーニョの本心ではないことを理解されない。自分の理想とするサッカーに合致した選手を集めてきただけなのに、石油マネーでチャンピオンを買ったと罵倒される。皮肉や失言が世論の怒りに油を注いできた。 モウリーニョに残された役割は、欧州CLで優勝することしかない。過去2年間はバルセロナやアーセナルに足元をすくわれて、チェルシーの持つ力を発揮する前に敗退してしまった。モウリーニョの最終年度であるならば、当然欧州CLの勝利を狙いに行く。その最初の標的がFCポルトであるというのは皮肉だろう。かつて優勝させたFCポルトを打ち破って、念願のCLチャンピオンの座に着くことができるか、それとも過去2年間と同じように、決勝トーナメントで挫折させられるかを読むことはできないだろう。ライバルの監督たちも、モウリーニョだけには勝利の美酒を味合わせたくないことは明白であり、チェルシー対策に知恵を絞ってくる。はたしてチェルシーは念願のバルセロナ打倒をはたすことができるだろうか。
2007.01.09
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屋久島と並ぶ自然遺産の森を持つタスマニアは、オーストラリアの南にある島である。大陸が乾燥化したオーストラリアとは離れていて、太古の原生林がいまだに残されている地域である。オーストラリアは英国の植民地時代に森林の伐採が急激に進み、原生林が残されているのは10パーセント程度に過ぎない。その中で、奇跡的に取り残されたのがタスマニア島になる。タスマニアの自然を詳細に紹介したサイト(http://hana-rebun.hp.infoseek.co.jp/auscene3.html)をぜひ読んで欲しい。 オーストラリア大陸はゴンドワナ大陸から分裂して孤立化し、独自の進化を遂げてきた。大陸移動にしたがって乾燥地帯になると、ユーカリやアカシアなどの植物がオーストラリアを占有していった。タスマニア島も乾燥化したが、高低差のある地形のために冷温帯多雨林地帯が残っている。この原生林に樹齢3000年の古代針葉樹ヒューオンパインなどのゴンドワナ大陸時代の生き残り植物が含まれているのである。 冷温帯多雨林は、まさしく白亜紀恐竜時代の自然環境を維持していると考えられている。ゴンドワナ大陸は二つに分裂する。西ゴンドワナは南米とアフリカ大陸に分裂し、東ゴンドワナは南極、インド、オーストラリアに分散していく。大陸移動と生物の生存競争が2億年にわたって続いたので、ゴンドワナ時代の自然や動植物は世界のどこにも残されていない。オーストラリアは乾燥化と人類によって破壊されたが、タスマニアは孤島であり、かろうじて影響を受けずにすんでいる。古代針葉樹の特色は、成長が極端に遅いことにある。そのために年輪が密で堅く、家具などの材料としては理想的なので、あっという間に乱伐されてしまった。タスマニアは世界自然遺産の指定でかろうじて絶滅を免れたといえる。 タスマニアには、もうひとつ秘境ターカインが存在する。世界にわずかしか残されていない温帯多雨林の中でも、貴重な動植物に満ちている森林地帯である。ターカインの高等植物のほとんどがタスマニア固有種であり、その多くが絶滅危惧種である。生息するザリガニがゴンドワナ時代の遺物と呼ばれるほど独特の生物環境を維持してきた。ところが、ターカインは世界自然遺産に指定されていないために森林開発の対象になり、伐採が進んでいる。 原生林を切り開き、新たにユーカリの苗木を植える人工林がオーストラリアに広がっていく。ユーカリ種は短期間に成長するので、世界各地で植林が進んでいる。見た目には同じ森林に見えるが、一度平地にすると貴重な動植物群は生存環境を失って激減する。タスマニアの自然は知られていないので、知らない間に破壊が進んできた。オーストラリアから輸出される木材の大部分はタスマニア産であり、その行き先は自然保護に熱心な日本であるというのが皮肉なのだが。
2007.01.08
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南米コロンビアの政治情勢は複雑怪奇である。6年前にコロンビア革命軍に誘拐されたアラウホ元大臣が脱出して、5日間ジャングルをさまよった後に救出された。政府軍がゲリラの基地を急襲した隙を突いて逃げ出したのである。それにしても、6年間の人質生活というのは気の長い話である。短気なイスラム過激派には不可能な行動だろう。人質を殺しもせずに監禁していたゲリラ側も気が長い。6年間の交渉期間というのは想像を絶している。 コロンビア政府は、すでに革命軍は討伐されて、ゲリラ組織は崩壊寸前だという。麻薬カルテルは壊滅しているというのだが、いまだに世界のコカイン生産の80%はコロンビア産である。政府が統治するのは都市などの点部分であり、地方の農村部やジャングル地帯は革命軍やこれに対抗する右派民兵組織が支配している。この情勢に麻薬シンジケートが複雑に絡まっている。米国は革命軍がコカインの生産に関与していると断言するのだが、実態は武器弾薬の購入のために、上納金や年貢を取り立てているだけらしい。 コカインの密輸取引によって、コロンビア革命軍が200億ドル(2兆円)の現金を保有していると米国政府は叫ぶ。ところが、総勢2万人の兵士たちは自動小銃とラジオと懐中電灯程度しか持っていない。コカを栽培している農家も貧しい。麻薬取引の利益は、流通業者か米国のマフィアが独占しているというしかない。現金が下流まで流れてこない麻薬取引の仕組みは、世界共通である。コロンビアの農村地帯の貧しさがコカ栽培に走らせている原因になる。 コロンビア南部のコカ栽培地帯を撲滅するために、軍事支援のヘリを使って除草剤を散布したことがある。コカの栽培地帯に除草剤をまけば、コカインの米国流入が止まると考えたのだが、結果はコロンビア全土にコカの栽培が広がるきっかけになってしまった。コカインの生産増加によって市場価格は大幅に低下し、世界各地の麻薬需要を増大させてしまった。コカインは高価な麻薬から庶民的価格に変化して広がっている。 コロンビアは天然資源に恵まれている国である。石油や天然ガスから、金や銀にいたるまで南米有数の天然資源がある。ところが、政治的な混乱と長期の内戦によって、資源開発は遅れている。生産流通施設はゲリラの標的になり、なかなか開発が進まない。熱帯地域という地理条件では、ジャングルなどを軍事的に制圧することは不可能になる。現在でも60人の政府関係者が人質として監禁されている。一般人を含めると年間3000件の誘拐事件が起きるというから観光客はとても近づけない。コロンビア政府はすべて解決の方向に向かっていると断言するのだが、そんな日がくるのだろうか。
2007.01.07
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愛すべきボーイングジャンボが日本の空から消えていく。原油の高騰によって、ジャンボの燃費の悪さが引退を加速させている。エンジン4発の大型機から、2発の中型機に流れが移行しているのである。ジャンボの後継機と見られていたエアバスA380の生産の遅れも、大型機の将来を不安定にさせている。世界の航空会社は効率を追及していて、ボーイング787などの軽量な中型機に人気が集まっている。 数年前までは、ハブ空港思想が蔓延していて、各国は大型飛行場建設に励んでいた。大型機で中軸のハブ空港に移動してから、乗り換えてローカル空港に向かうという2段階思想だった。これを実現するためには、数本の滑走路をもつ大型空港が不可欠になる。ところが、日本では実現不可能な話だろう。成田が複数の滑走を持ち、地方空港と直結されることはありえない話になる。そこで生まれてきたのが、燃費の良い中型機で二つの空港を直行するプランになる。これならハブ空港は要らない。これに適した航空機が787などの長距離中型機になる。 世界の航空機需要は拡大している。大型化による座席数の増加で、30%程度の乗客数があれば、航空会社の採算は取れるという。そこで空気を運ぶよりも格安航空券を乱売する時代が始まった。エアバスA380は最大800人を乗せることができるから、運航を開始すると衝撃的な運賃が実現するかもしれない。公正取引委員会も運賃の国際協定を認めない方向に動くというので、流れは格安旅行の方向にある。 日本ではきめ細かいサービスを要求されるので、エアバスA380に日本の航空会社が乗り気でないのも当然だろう。あまりに乗客が多すぎて日本式サービスが難しくなる。国内にハブ空港がないだけでなく、4発エンジンの大型機の燃費の悪さで利益が上がらない。というわけで、ボーイングは大型機の開発を諦めている。世界がハブ空港の時代になると、日本は取り残されると噂されていたのだが、技術の進歩が壁を乗り越えさせてくれた。確かに、成田から羽田に移動する時間を考えると、ロサンゼルスから直接ローカル空港に乗り入れるほうが効率が高い。残された課題は、世界初のプラスチック胴体になるという787の安全神話になるのだけれど、こればかりは・・・。
2007.01.07
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ドイツのニュルブルクリンク・サーキットが、過去2年間で2200万ドル(26億円)の赤字を生み出していたことが明らかになっている。F1を開催できれば、大儲けできるという時代ではなくなっている。他のレースはすべて黒字だというから、F1の赤字の穴埋めをしているような皮肉な立場に立たされている。シューマッハの全盛期には観客数が大幅に増えたので、莫大な利益を得ることができた。エクレストンへの上納金も負担にはならなかったが、動員数が75%前後にまで落ちてくると、ドイツでも赤字運営を強いられることになる。 07年度から欧州グランプリが廃止され、ドイツGPはホッケンハイムと隔年開催になった。2年に1度の開催に反対の声が上がらなかったのは、赤字が半減するからになる。公的支援の期待できないサーキットは、F1開催を断念するしかない。さもないと、破産の危機が待っている。ホッケンハイムは過大な投資が原因になって、経営危機に追い込まれた。FIAの要求する設備投資を行う余裕は、赤字開催が続く限り生まれてこない。 バーレーンや中国などに新しいサーキットが建設できたのは、石油資金や公的資金が投入されたからになる。観客動員に限界がある途上国が採算を度外視してF1を開催するのは、先進国の仲間入りをしたいという執念にある。それゆえに、政府や自治体も資金を提供してくれる。F1以外に使い道のない新設サーキットに莫大な資金を投入できるのも、国家の面子がかかっているからになる。独立採算が建前の先進国では、赤字をどうやって回避するかに経営手腕が試される。 隔年開催でニュルブルクリンクの負担は事実上半減した。シューマッハの引退で観客がさらに減少しても、何とか乗り越えることができる。最盛期を基準に上納金が決定されると、F1人気が低下したときに厳しい状況にさらされることは事実だろう。上納金のもっとも少ない国が途上国でなく、インディアナポリスだというのも、エクレストンの政治力と算盤勘定の巧みさである。赤字になればやめるしかないインディと政府が支援してくれる途上国では、立場が逆転しているのも興味深いのだが・・・。
2007.01.06
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トロロッソのベルガー代表が強気の姿勢を打ち出したので、STR2をめぐる論争が再び巻き起こってきた。昨年度のSTR1は、レッドブルをベースに開発したことをFIAも認めている。独立して開発生産を行うというFIAの規則にSTR1が合致していると判断したのは、モズレー会長だった。STR1の著作権が撤退した旧ジャガーにあるという理由で、トロロッソSTR1は合法と認められたのである。独立した開発生産はマシンの著作権に集約されるという解釈が下されたのである。これが波紋を広げている。 レッドブルとトロロッソのマシンを正式に統一するのは、08年度からといわれてきた。弱小チームの救済を目的にした規約の変更で、F1マシンの販売が08年度から自由化されるが、07年度はカスタマカーは認められていないことが問題になる。そんなことは百も承知なのに、ベルガーの強気の発言をするから疑惑を呼ぶ。STR1が合法かどうかは、FIAの審査を待たねばならない。レッドブルRB3とSTR2の設計は徹底的に検証されるはずなので、同一のマシンかどうかは一目瞭然になるだろう。 トロロッソが07年度に使うことを想定されるマシンは3種類ある。レッドブルRB3と同一設計とされるSTR2、昨年型のRB2、あるいはSTR1を2年続けて使うという3案しかない。ベルガー代表が何を考えているかは鮮明でないが、STR2をFIAが認可しない場合は、合法とされたSTR1を再利用する作戦かもしれない。いずれにしても、100人程度の組織が短期間にできることは限られている。 この作戦にスパイカーが反撃するのは見えている。孤立無援のスパイカーにしてみれば、レッドブルやホンダの支援を受けるトロロッソとSuperAguriが許せない。最下位に転落すると、数十億円のTV放映権料などを失うことになる。スパイカーにとって死活問題になるから、必死なのである。レッドブルは資金力と政治力を駆使して、この問題を切り抜けようとするだろう。F1マシンの中身は当事者とFIAしか知ることができないから、なかなか議論が噛み合わない。合法かどうかの判断を下すのはFIAであり、スパイカーが不満ならば訴訟に訴えるしかないのだが・・・。
2007.01.05
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収集家にとって、個人の美術館を建設するのは人生の夢なのだろう。奈良の大和玉仙閣美術館から、丸山応挙の掛け軸など23点が盗難にあった。美術品が盗まれたのは、お宝鑑定団が放映された翌日だというので、番組を見た古美術専門家がさっそく忍び込んだのだろう。応挙の本物は数少ないので、偽物ならば笑って番組が終わりになったはずなのに、番組で本物と鑑定されたことで盗賊団に狙われてしまった。警報装置もない個人美術館の悲劇でもある。 古美術は秘蔵しておく限り、めったに盗難にあうことはない。本物かどうか判断できないからになる。高価な本物だと判明すれば、公的な美術館に寄贈するのが賢明なのだけれど、本物を手元に置きたがるのが収集家の宿命だろう。それゆえに、美術品の価値が理解できない家族などによって流出することも多い。盗まれた作品でも購入する者がいるのは、古今東西同じである。本物を所有すればするほど、危険なのが収集家の運命になる。誰も気がつかないうちに、古い所蔵庫や倉が空っぽになっていた例もあるので、盗賊団もプロ化している。 掛け軸の本物は1%もないといわれる平成の世の中だから、真偽を確かめるために鑑定団に出品するのは仕方ない。個人に鑑定してもらうとだまされたり、すりかえられたりして予想外の事態に展開することが多い。所有者以外は偽物と思い込んでいるのが古美術の世界なので、遺産などで残された古美術品は、一山いくらで買い叩かれることが多い。真偽を見極めるには熟練した眼力が必要になるから、古美術収集家の心が休まる日は来ないのかもしれない。それにしても、善意の美術館がこんな目にあうのも時代の流れなのかもしれないが。
2007.01.04
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コカはコカインの原料になる植物である。南米以外の地域では、麻薬として取締りの対象になっている。コカインの最大の産地は南米コロンビアであり、メデジン・カルテルが生産と流通を独占して、コロンビア政府と内戦を続けてきた。反政府ゲリラも、密輸業者も、資金源をコカインに頼っている状況にあった。コカインの流入に手を焼いた米国政府は、陸軍部隊をコロンビアに送り、麻薬カルテルの壊滅に協力してきた。軍事的圧力によって衰退させられた麻薬組織は、コロンビアから南米各地に離散していった。 麻薬犯罪に悩む米国政府を激怒させたのが、ボリビアのエボ・モラレス大統領になる。コカの生産業者であったエボ・モラレスはコカの薬用効果を説いて、コカ生産を増大させる政策をとっている。南米地域では、薬やお茶としてコカが利用されてきた歴史がある。コカを麻薬に変えたのは欧米諸国であり、南米本来の薬用植物に戻す運動を起こしたといえる。古くから麻薬とは異なるコカの生産販売ルートが南米諸国には存在して、全面的に禁止できない事情がある。その上、闇ルートに流せば、他の農産物とは別格の利益が上がる。コカ栽培を禁止できない社会的背景があった。どれくらいがコカインの原料として使われているかは、ボリビア人も知らないだろう。 ボリビアの政治情勢が複雑なのは、世界有数のガス油田が発見されたことが起爆剤になっている。米国と友好的だった前政権は、この天然ガスを米国に輸出する計画を立てて、投資資金を石油メジャーに依存しようとしていた。これに反対していた民族勢力の代表がエボ・モラレスであり、天然ガス資源の国有化を主張して、大統領選挙を勝ち抜いたのである。天然ガスの利益をすべてボリビア国民のものとする政策は、圧倒的な国民の支持を得て当選を果たした。18%といわれる国庫収入は、国有化によって100%に上昇するが、設備投資や資金調達を自前で行う必要がある。利権を奪われた米国が天然ガスの輸入制限に出る可能性もあるから、販売先も探さねばならない。一筋縄ではいかない資源戦争が待ち構えている。 ボリビアでは、古くからコカは薬やお茶として使われてきた。米国の意向を配慮した前政権は、コカ栽培の排除に乗り出していたから、インディオ出身の民族主義者モラリスが50%以上の支持を得られたのは当然とも言える。難しいのは、米国資本やドルを排除して経済成長を続けることは難しい点にある。当然ながら、CIAは闇で政権転覆に動いていくだろう。モラレス大統領が政権を維持できるかは不透明であり、経済政策が失敗する危険も大きい。多くの南米政権が経済の破綻によって崩壊している。コカ茶を公認しても、それだけで国際政治を生き残ることはできない現実がある。ボリビアで07年に何が起きるかを予測することは・・・。
2007.01.03
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野球でも、サッカーでも、苦手意識が生まれると崩すことは難しくなる。圧倒的にボールを支配していても、シュートを20本以上も打っても、ガンバは得点することができない。マグノアウベスは余裕のあるときには見事なシュートを決めるけれど、焦ってくると簡単なシュートを外してしまう。勝たねばならないという圧力が心理的にマイナスに作用していた。決定機を外すというのは日本のクラブの宿命なのだろうか。弱体化していた浦和にベストメンバーをぶつけて、勝てなかったショックは大きいだろう。 主力が欠場していた浦和レッズは、ほとんど攻め込むことができない。攻撃の核であるワシントンと守りの要の闘莉王の重さを実感することになった。主力メンバーが欧州に移籍した後の浦和の戦力は、絶対的ではないことを予感させるゲーム展開になった。代表主力に昇進した選手の欧州移籍は避けられなくなる。阿部の獲得に必死なのは、闘莉王や鈴木の年代が欧州移籍を考えているからだろう。 ワシントンのいない攻撃陣は、ボールをキープすることもできなかった。細かいパスもつながらない。痛みに悩まされる小野は、足首の故障を直すことに専念すべきだろう。無理をして故障を長引かせることはマイナス面のほうが大きい。ガンバのように厳しく守られると小野とポンテだけでは、攻撃が機能しない。闘莉王のいない防御ラインもお寒いものだった。堅くて厚い浦和のディフェンスという特色が消えて、平凡な守備力になるのは驚かされた。それでも得点を許さないのが浦和のよさなのだが、闘莉王の欧州移籍を認めることは危険な賭けになる。 浦和がガンバに4連勝したのは、作戦や選手交代などの指揮系統の能力差によるものといえる。ブッフバルト作戦はシンプルだけれど、納得できる作戦を貫く。これに対して、西野監督は状況に応じた作戦や選手交代が苦手である。あれほど有利な立場だったのに、3人の交代枠を生かすことができずに、むざむざと敗戦に追い込まれている。点を取るためには、攻撃陣を交代させて活性化する必要があった。終盤にもろくなるガンバの防御網にも手当てをしないと、肝心なときに失点をして負けることになる。天皇杯の決勝を見れば、浦和とガンバの戦力差は予想外に縮まっている。07年度は、浦和も簡単に優勝できないはずである。
2007.01.01
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年末に不思議なドライバー契約が交わされた。SuperAguriは山本左近を第2テストドライバーとして採用したのである。佐藤琢磨とデビッドソンの正式ドライバー契約によって、マシン開発の体制は整ったといってよい。ホンダチームで長期間テストドライバーを経験してきたデビッドソンが、最大の役割をこなすことになる。琢磨も開発ドライバーの役割を行った経験があるので、テストドライバーの役割は少ない。オランダ人のバン・デル・ガルデはユーロF3で6位の成績を残しているが、F1の経験はなく、開発ドライバーはこなせるようになるには時間がかかる。 不可解なのは左近よりもガルデが上位の地位にあることだろう。ガルデも左近もマシン開発には力不足だから、育成ドライバーとして採用されたというしかない。ガルデは金曜日も走行できる契約になっているというが、これは左近の走行距離がかなり限定されることを意味する。F1チームにおいて、第4ドライバーは合同テストで短時間しかドライブできない。とても腕を鍛えるというわけには行かない。 資金不足のSuperAguriが、スポンサーがらみの契約をガルデと行った可能性もある。資金持込契約ならば、F3ドライバーが優遇される理由も理解できる。そうなると、山本左近はほとんどドライブする時間がもらえないことになるから、GP2などの別カテゴリーに進出しないと腕が錆付いてしまう。背景やチーム事情が明白ではないけれど、4人のドライバーはかなりの格差がつく待遇になると思われる。左近はF1にこだわって何とか残留できた。それでも、時々しかマシンに乗れないという立場に格下げにされたことになる。このままでは、F1世界で生き残ることは難しい。 新型車SA07が期待できそうなマシンになることは予想できる。デビッドソンが開発を担当すれば、セットアップなどもワークスホンダに接近していく。SuperAguriのメインスポンサーが未定なので、チームが資金獲得に苦しんでいることは想像できる。バン・デル・ガルデのスポンサーが救いの神になっても、開発やレース戦略にプラスになるかは疑わしい。予算の少ない小規模チームが、やむを得ずに4人のドライバーと契約した背景は、くっきりと浮かび上がってくるのだけれど・・・。
2007.01.01
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