カイバーマンのお仕事2

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2006年08月16日

多少真面目に98話

カテゴリ：遊戯王SS

僕の時間は10年間止まったままだと言われた。

僕は複雑な人間のつもりでいたけれど、実際は非常に単純で、他人の上っ面しか見ることが出来ない子供だった。
DDが父さんの仇だなんて考えもしなかった。
斎王の苦しみも気づかなかった。
決闘者を襲っていけば、何時か仇に辿り着くと本気で考えてたんだ。……冷静になって考えてみると冷や汗が出てくる。

「エド、何やってるんだ？」
「詫び状」
「は？」
煩いな、色々あったんだよ。脈のある決闘者を本気にさせるためなら、闇討ちもしたし喧嘩も売った。これまではDDや斎王がもみ消してくれたけど、これからは自分で全ての責任を取らなきゃいけない。とりあえず、僕に遺恨を抱いている連中を何とか懐柔しないと。

「なあなあエド、たまには一緒に飯食おうぜ」
「御免だね。あんな粗食」
「つれないこというなよ。仲間じゃんか」
「……」
お前にも随分酷いことを言った気がするんだけどな。覚えてないのか、この鳥頭。
……楽でいいけど。
「いいよ、今日は僕がご馳走しよう」
「え、マジ？翔たちも呼んでいい？」
「何人でもどうぞ」
僕の口調はつっけんどんだけど、何故か要点は伝わったらしい。
「えっじゃあ……俺とお前入れて8人分な？今メール回すから」

僕からは厨房に連絡を入れる。
「親父さんの仇を討ったお祝いだもんな、派手にいこうな？斎王は……また今度ってことで」
「……ああ」
今度は、斎王と美寿知と、三人でお祝いをしよう。
僕は、「究極のDのカード」に勝つことが出来たんだから、きっとこの望みも叶えられるはずだ。

しかし君たちは、僕にとってまだ必要なものなんだよと、僕はLCDの中の美寿知に語りかけた。

2Dの彼女は、うっすらと笑ったようだった。

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