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2008.06.29
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カテゴリ: 昆虫(甲虫)


 このWeblogでは余り甲虫を紹介していない。勘定してみると、全部でたったの13種、「原色日本甲虫図鑑」に拠れば、日本では今のところ約8,800種が記録されていると言うから、甲虫全体の約1/700でしかない。

 しかし、ゴミムシ類はよく見かけるが、どうせ種類が分からないだろうから撮る気がしないし、コガネムシ類は結構居るのだが、ネキリムシの被害を可能な限り少なくする為に見付け次第あの世へ行って貰っているので、写真を撮る機会がないし・・・。

 それは兎も角、不思議なのは、カミキリムシがこれまで1回も登場していないことである。昔は、ゴマダラカミキリ(以下長くなるので「カミキリ」を省く)、ノコギリ、シロスジ、タケトラ、エグリトラ、キクスイ、リンゴなどは普通に居たし、ヤマ、ヒゲナガ、キボシ、ミドリなども時々現れたと記憶している。名前の分からないサビカミキリ類を庭で見付けたことも何度かある。今日紹介するルリカミキリも、極く普通のカミキリであった。何故、こうもカミキリムシが少なくなったのであろうか。


ルリカミキリ1
ハナカイドウの中肋を囓っているルリカミキリ.高い所に居るのを

300mm望遠と外付けストロボで撮影、こう言う撮り方もある

(2008/05/25)



 カミキリムシは、何れも幼虫が植物組織に穴を空けるので、基本的に害虫である。しかし、中には腐りかけた木しか食べない種類もあるので、森林の掃除役として役に立っている場合もある。

 成虫はどうかと言うと、これも葉や果実を食害したり、産卵の為に木に大きな傷を付けたりする。まぁ、一言で言えば、ロクでもない虫と言える。このルリカミキリもナシ、カマツカ、カナメモチ等、各種バラ科の木を食害する害虫である。上の写真は、 ハナカイドウ の中肋を囓っているところ。何れ、何処かに産卵するつもりであろう。

ルリカミキリ2
ハナカイドウの下にあるシャクナゲの葉上で

寝ているルリカミキリ(2008/05/25)



 しかし、姿が美しかったり魅力的であったりすると特をするのは人間だけではない様で、カミキリムシは子供ばかりでなく大人にも人気がある。私の様な貧乏人には手が出せないほど高価なカミキリ専門の図鑑が出版されている位である。

 このルリカミキリも、大切なハナカイドウに悪さをしにやって来てのだが、カナブンとは待遇が大いに異なり、あの世に送られることもない。

ルリカミキリ3
シャクナゲの葉裏に逃げたのをひっくり返して撮影(2008/05/25)



 最初の写真以外は、夕方になって殆ど寝ているところを撮ったものである。正面から見ると(下の写真)、何か不始末をしでかした会社の役員が、報道陣の前で謝罪している様な格好である。しかし、このカミキリ、チャンと前を見ている。と言うのは、複眼が触角の上下に分かれていて、2対4個あるからである。触角の間に見える1対の小さな黒斑も複眼の一部なのである。謝罪している役員も、屹度、心の眼で前方の報道陣の反応を窺っているに違いない。

ルリカミキリ4
正面から見たルリカミキリ.「ゴメンナサイ」的姿勢(2008/05/25)



 複眼が2対4個ある昆虫は、甲虫類には珍しくない。ミズスマシ科全種(水中と陸用の2対)、カミキリムシの一部、センチコガネの一部、キクイムシ科の Polygraphus (ヨツメキクイムシ?)属、タマガムシ等が2対の複眼を持つ。しかし、触角により2分されるのはカミキリムシだけの様である。







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最終更新日  2008.06.29 16:30:27
コメント(11) | コメントを書く
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ルリカミキリ  
るる555  さん
複眼が二対あって触角の神経とつながっているのでしょうか。同じところから できた器官なのでしょうか?色も似ているし・・・

蛍?とも似ていますので 親戚のようです。 (2008.06.29 16:10:04)

ほーーー  
kotiaiti  さん
上から見た写真はなかなか、かわいい顔のように思えます。農家の方にとっては嫌な虫でしょうが・・

触覚で目が分かれているって興味深いです。 (2008.06.29 17:13:39)

Re:ルリカミキリ(06/29)  
いつも鮮明な昆虫の写真に感動しています。
 今回の後の方の写真は、葉裏に逃げたのをひっくり返して撮影されたと言うことですが、ということは葉を持ちながらカメラは片手で撮影と言うことでしょうか。それとも何か他の方法を取られているのでしょうか。いつの質問ばかりですみません。 (2008.06.29 18:40:25)

^^u  
snowrun29  さん
>「ゴメンナサイ」的姿勢
…なかなかに面白いです♪

複眼を2対で4つ持ちますか。
それで視野はどれ位をカバーしてるんでしょうね。

また「寝ている」
それはどこで解ったんでしょうか。
アゲハの幼虫は食べてたのがふと止まり
うつらうつらと「揺れます」
こちらもそんな感じなのでしょうか?

その際の「複眼」はどんな風でしょう? (2008.06.30 00:36:15)

Re:ルリカミキリ(06/29)  
るる555さん
>複眼が二対あって触角の神経とつながっているのでしょうか。同じところから できた器官なのでしょうか?色も似ているし・・・
-----
 複眼と触角との間には関係は全くないと思います。

>蛍?とも似ていますので 親戚のようです。
-----
 ホタルはホタル上科、カミキリムシはハムシ上科でかなり遠い間柄です。ホタル上科にはホタル科、ベニボタル科、ジョウカイボン科などが属し、鞘翅や体が柔らかいのが特徴の1つです。甲虫の中では例外的な一群として、軟鞘類と呼ばれることもあります。
(2008.06.30 09:31:42)

Re:ほーーー(06/29)  
kotiaitiさん
>上から見た写真はなかなか、かわいい顔のように思えます。農家の方にとっては嫌な虫でしょうが・・
-----
 かなり毛深いので、輪郭がボヤ~としてます。撮る方としては、厭な相手です。

>触覚で目が分かれているって興味深いです。
-----
 かなり稀なケースの様です。
(2008.06.30 09:33:47)

Re[1]:ルリカミキリ(06/29)  
ヤスフロンティアさん
>葉を持ちながらカメラは片手で撮影と言うことでしょうか。
-----
 左手で葉や枝を持ち、右手でカメラを操作しています。相手が逃げないと分かれば、屡々この手で撮影します。これをやらないと、3方向(背、横、正面)からの写真を撮るのが難しい場合が多いです。
(2008.06.30 09:38:25)

Re:^^u(06/29)  
snowrun29さん
>>「ゴメンナサイ」的姿勢
>…なかなかに面白いです♪
-----
 ほぼ毎回、正面から撮った写真を入れていますが、これ程「ゴメンナサイ」と言う感じのするのは少ないです。

>複眼を2対で4つ持ちますか。
>それで視野はどれ位をカバーしてるんでしょうね。
-----
 複眼の機能については分からないことが多いようですが、ほぼ360度カヴァーしているのではないでしょうか。

>また「寝ている」
>それはどこで解ったんでしょうか。
-----
 この虫、結構素早く逃げますが、この時はノソノソ歩いたかと思ったら、直ぐに止まってしまいました。それで、「殆ど寝ている」と書いたわけです。

>その際の「複眼」はどんな風でしょう?
-----
 別に変化は有りません。
(2008.06.30 09:44:45)

Re:ルリカミキリ(06/29)  
ukon6624  さん
私があの世に送るのは今のところナメクジだけですね
あ、でもトウモロコシの雌花についたヤツを毎朝、木切れで突っついて落としただけですが・・

今度ハエをUPします。素性を追求していくとセンチニクバエに行き当たりましたがまたご指導下さい。 (2008.06.30 10:17:04)

Re[1]:ルリカミキリ(06/29)  
ukon6624さん
>私があの世に送るのは今のところナメクジだけですね
>あ、でもトウモロコシの雌花についたヤツを毎朝、木切れで突っついて落としただけですが・・
-----
 我が家では根きり虫が原因で木が枯れたと思われることが20回位あるので、コガネムシ類は根絶の対象です。

>今度ハエをUPします。素性を追求していくとセンチニクバエに行き当たりましたがまたご指導下さい。
-----
 ハエ類の検索は、ハモグリバエの所で書いた様に、翅脈と体(頭部と胸部、時に腹部)に生えている毛(一本一本に名前が付いている!!)が鮮明に写っている必要があります。これがないと、科すら分かりません。毛1本で科が異なる場合もあります。蠅類はかなり撮っているのですが、科が分かる場合は稀です。
(2008.06.30 11:47:10)

Re:ルリカミキリ(06/29)  
夢のはし  さん
謝罪しているように見えながら、
実は、きちんとこちらを伺っている・・・というところを拝読して、
思わず、くすくす笑ってしまいました☆^^☆

この虫さん、うちの庭でも、よく見かけます☆
カミキリ虫さんだったのですね^^;

(2008.06.30 23:44:03)

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