( 承前 )
昨日の記事の一応の続編になります。花より団子ではありませぬが、秋は実ですね。銀輪散歩の「花遍路」もいつしか「実遍路」となりました。
柿が色付いているのも目にしましたが、写真は撮っていなかったよう。山上憶良は「瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして思はゆ・・」と詠いましたが、山中家持は、
柿見れば 秋と思ほゆ 栗見れば まして思はゆ いづくより 来たりしものぞ 銀輪の 旅こそ今と われ誘ふらし (銀輪家持)
とでも詠いましょうか(笑)。
ヤマボウシの実がたわわに赤く・・。
写真を撮っていると通りかかられたご婦人が「これは何ですか?」とお尋ねになる。「ヤマボウシです。」とヤカモチ。「あの白い花の咲くヤマボウシですか。実は初めて見ました。」と仰る。「美味しくはないですが、実は食べられます。」と知ったかぶりで説明するヤカモチ。「珍しいので少し戴いて帰りましょう。」と手近の枝から2~3個、実を摘んで行かれました。
次はマユミの実。ヤマボウシの実も形が独特であるが、マユミの実のデザインもそれに劣らない。如何にも可愛らしい赤い実であるが、殻が弾けて黄色い中の種が見え出すとこの眺めも一変して、何やら凄まじき眺めとなるのであります。
虫こぶのような奇妙な形の実はコブシの実。この実の形が「拳・こぶし」に似てもいる処から「コブシ」という名になったということのよう。花の姿の可憐さを裏切る実の形姿と言うべきか。
ガマズミの実がひと際赤く・・小鳥たちに「食べてェ~」と言ってでもいるか。
これは何の実だったかな、と一瞬思いましたが、アカメガシワのそれだと気づきました。
上の状態のものはよく目にするのだが、弾けると下のように黒い種子が姿を現すのですね。これは余り目にした気がしないので、直ぐに地面に零れ落ちるのかも知れません。この夥しい数の実を見ると、河原のあちこちでこの木を目にするのも成程と思えます。旺盛な繁殖力。万葉で「久木」と呼ばれているのも頷けると言うものである。
そして、葡萄をグンと小さくしたような実。美しい青紫色の実。これで真っ赤だと迷わずサネカズラ、と言う処ですが、これはなんという植物なんでしょう。蔓性ですからナントカカズラ、カントカカズラとでも呼んで置くこととしましょう(笑)。
何故か見飽きない実の色・形であります。
(同上)
<追記>これはアオツヅラフジという名の植物だそうです。小万知さんが教えて下
さいました。
タラの芽ならぬ「タラの実」であります。
実はいかにも小鳥たちに「食べて下さい」と高い位置に生っているのに、木には一杯の棘、棘。拒否しているのか誘っているのかよく分からぬ木である。
ブロ友のウーテイス氏が、ハイビスカスだったか別の木だったか、枝を切ると新しく生えて来る枝には棘を生ずるようになる、とか仰っていましたが、タラの木は年中、新芽を切り取られるので、ストレスが常態、その結果、棘を生ずるようになったのかも知れませんですな。
出たら芽を 切られ続けの タラの木の 棘は恨みの 言の葉ならむ(棘家持)
もみつ葉の ときは未だなり 数々の
実をば訪ねて 秋をぞ見しか(偐家持)
<参考>「花」関連の当ブログ記事は下記からご覧戴けます。
花(1)2007~2011
花(2)2012~
墓参・壱師の花の咲く道を 2024.10.04 コメント(6)
墓参・チョウセンアサガオなど 2024.09.07 コメント(6)
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