60ばーばの手習い帳

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March 1, 2019
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​​​​​​星 ​豪…ゴウ 剛…ゴウ​


羅生門址


 3月1日は、文豪、芥川龍之介の誕生日です。
教科書にも取り上げられる『羅生門』は、下人の心の推移が巧みに描かれた作品
です。


 平安期の京都。仕事を失った下人が一人、雨宿りに羅生門の下にやってきました。ここ二,三年天災が続いたため、洛中は寂れていました。
羅生門は荒れ果て、盗人やら得体の知れないものが棲み着き、引き取り手のない
死人が捨てられていく有様でした。
 下人は、『生きていくためには手段を選んでいる場合ではない。選ばないと
すれば…』と考えます。

下人は「すれば」を肯定しつつ、その後に来るべき「盗人になるよりほかに仕方 がない」ことを肯定するだけの勇気が出ずにいたのである。

 それから何分かの後、一人の男が、と話は続きます。うっかりすると別の男が
登場してきたように思ってしまいますが、下人のことです。
明白な場面転換であり、大きな展開を予感させます。



 下人は楼の上に登り、死骸の中にうずくまる老婆を発見します。老婆は死人の
髪の毛を抜いているのでした。

 その髪の毛が一本ずつ抜けるのに従って、下人の心から恐怖が消え、老婆に対
する激しい怒りが湧きます。それはあらゆる悪に対する憎悪と言っていいもの
でした。

 太刀を抜いて老婆の眼前に突きつけた下人は、老婆の生殺与奪の権を握っている
事を意識すると、怒りが冷めてきました。老婆は、髪を抜かれている死人は、生前
蛇を魚と偽って売っていた者だと、自分を正当化します。

​わしはこの女のした事が、悪いとは思うていぬ。せねば、饑死するのじゃて、仕方がなくした事であろ。されば、今またわしのしていた事も悪い事とは思わぬぞよ。​

というのが、老婆の言い分でした。
 これを聞いて、下人もその論理を実行する心になりました。門の下で持つことの
出来なかった勇気が生まれたのです。

 下人は老婆の着物を剥ぎ取り門の外に出て行きます。

外には、ただ、黒洞洞(こくとうとう)たる夜があるばかりである。
​ ちょとしたきっかけで、悪にもなり、善にもなるのが人間です。
​​​「衣食足りて礼節を知る」も真でありましょう。​下人の姿は、明日のわが身かも
しれません。


               参照元:『芥川龍之介全集1』 ちくま文庫
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Last updated  March 1, 2019 12:00:43 AM
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