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例のカルチョスキャンダルによって、今シーズンはセリエBでの戦いを余儀なくされているユベントス。マイナスポイントからスタートしたものの確実に勝利を積み重ね、来シーズンのセリエA復帰は間違いない状況になっている。それに伴い、来シーズンを見越した補強も進めており、既にグリゲラとサリハミジッチの獲得が決定している。しかも2人は今シーズンで所属クラブと契約が切れるため移籍金が発生していない。スキャンダルによって暴落した株式による収入の減少やセリエAを乗り切るための厚い選手層を構築するには都合の良い2人の獲得だった。そんなユベントスのスポンサーに、来シーズンからフィアットがなることが決定した。契約期間は3年で51億円プラス成績に応じたインセンティブ契約になっている。これにより多くはないが懐に余裕が出来、選手獲得に資金を投入することができる。また去就が注目されているカモラネージ、トレゼゲ、ブッフォンらの引き留め資金にも少しの目処が立ったわけだ。だが、ユベントスとフィアットの関係は今に始まったことではない。そもそもユベントスの親会社であり株の60%を所有しているのがフィアットであり、フィアットの創業者であるアニエリ一族なのである。80年代前半まではアニエリ家の投資によって運営されていたユベントスだったが、モッジをクラブに招聘し、そしてジラウド、ベッテガとの3人体制でクラブの数度目かの黄金時代が築きあげられた。またフィアットの不振もあり、金銭面において徐々に独立採算制の道を進んでいくようになっていった。ユベントス以前にも多くのクラブを成功に導いたモッジが経営に加わったことで、さらにイタリア人の3人に1人がユベントスファンということもあって、ユベントスはすぐに安定した経営が行えるようになった。それは昨シーズンまで続くのだが、モッジ主導のスキャンダルによって3人体制は辞任を余儀なくされ、現経営陣が現在クラブの建て直しを任されている。このような状況になってしまった以上現経営陣は無茶な補強など出来るはずもなく、金銭面において堅実に、それでいてすぐにクラブに貢献できる能力の高い選手を求めるわけだが、ファンはそれでは納得しない。ファンからすれば、今シーズンは普通ではないシーズンであり、Aに昇格した来シーズンから普通のシーズンに戻るのである。ユベントスにとっての普通のシーズンとは優勝争いに絡む、優勝が目標のシーズンであり、クラブの補強に求めるのは大物選手なのである。そしてモッジらが作り上げた黄金時代なのである。つい最近の雑誌に載っていたのだが、ファンの間ではラポ・エルカンという人物のクラブ会長就任を支持する声が多いらしい。現在28歳のエルカンはフィアット創業者アニエリの孫にあたり、フィアット・グループ後継者ジョン・エルカンの弟らしく、ユベントスの熱烈なファンとしても知られているらしい。昨シーズン半ばにはクラブの戦略を巡ってモッジやジラウドと言い争いもしているようだ。ファンとしては、同じクラブのことを考えていても現実路線を採るより熱血漢タイプのエルカンを支持するのは当然のことのように思う。そこに今回のフィアットによるスポンサー契約である。ここ最近は、販売台数においてライバルであるルノーやプジョーが前年割れの中、前年増になるなど復活の兆しを見せているだけに、フィアットという会社として勢いを持続させ、増すために契約を結んだのかもしれないが、如何せん系列会社とはいえ親と子である。スポンサーと称した資金の出資の見返りに、何かしらの要求を突きつける可能性もなくはない。そしてその要求とはおそらくエルカンの経営への参加や会長就任だろう。スペインとは違い、クラブの会長を決めるのは経営陣である。ぼくは以前このブログで「ユベントスの将来はブッフォンにかかっている」と書いた。だが今となっては「ユベントスの将来は経営陣の決断にかかっている」と言わざるをえない。クラブ側に立ってファンに理解してもらいながらコツコツと建て直しを図るか、クラブとしてファンの要望をすぐに受け入れて一気に立て直すか。決断の目処はもうすぐだ。ほな、また。
2007.03.30
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親善試合も含めて5試合勝利のなかったイングランドだが、先日のEURO予選アンドラ戦では0対3の勝利を収めた。24日のイスラエル戦からの変更は3箇所。両SBにリチャーズ、Aコールが入ったのと、26日の練習中に右手を負傷したランパードに代わってダウニングが中盤左に入った。試合の方は見ていないのでレポートを読むしかないのだが、読む限りではイスラエル戦同様、終始優勢に試合を進めていたようだが前半は無得点のまま終了。後半9分にジェラードのゴールが決まり先制すると、31分にも再びジェラードが決め、ロスタイムには途中出場のニュージェントが代表初ゴールを決め、結果的には圧勝だったようだ。ただ満足できるのは結果だけで、内容には喜べない部分もある。まずアンドラ相手に前半を無得点で終えたこと。イングランドが格下相手に試合を行う際、なぜか前半にゴールを奪う割合が低い。ポゼッションは高いもののボールを回しているだけでチャンスを作れない傾向がイングランドにはある。この日は何度かチャンスを作っていたようだが、早めに先制し楽に試合を進めることのできないイングランドがこの日も見られた。また同じ相手とホーム&アウェイで戦う場合、ホームでは圧勝するにも関わらずアウェイでは苦戦する傾向もある。ちなみにアンドラとは昨年9月にホームで対戦しており前半だけで3点を奪い5対0で勝利している。今回も3点こそ奪ったものの前半は無得点であり、傾向どおりの試合展開と言って良いだろう。仮にこれらが、イングランド相手ということで引いてカウンターを狙う、あるいは最初から引き分けを狙っている相手国の作戦が理由なら、引いた相手を崩す術がイングランドにはないということで、何度か訪れる決定機を活かせない、決定力不足と捉えられても仕方が無い。実際、今回のアンドラ戦も含めて予選を6試合消化しているが、奪ったゴール数は9。前回と今回のアンドラ戦で計8ゴールだから、残りの4試合では1ゴールしか奪っていないことになる。ルーニーのワールドカップでもらった出場停止や、オーウェンの長期離脱に伴うルーニーの相棒探しなどFWだけを見ても理由はいくつかあるが、1番の決定力不足の理由はやはりランパードとジェラードの非共存ではないだろうか。プレースタイルはほぼ一緒であり、所属クラブでも同じような役割を担っている2人。個々の能力はワールドクラスでありどの監督ものどから出るほど欲しい選手だが、かといって似たような特徴の2人を一緒にプレーさせても能力をフルに発揮できるとは限らない。これまでの結果がそれを物語っているにも関わらず、マクラーレン監督はジェラードを右に回すことで2人を常に使い続けてきた。ジェラードは右サイドも出来なくはないが、あくまでセンターの選手である。右に出ることで怖さは少なくなるだろうし、飛び出しも少なくなる。ということは選手の能力を殺していることになり、決して良い使い方ではない。一方でランパードをサイドに回す手もあることはある。仮にランパードを外に出すなら左になるだろうが、ジェラードの右以上にランパードの左は能力を殺す結果になってしまう。それもバラックの入った現在のチェルシーで証明済みであることから、2人を同時に起用し、かつ機能低下を最小限に抑える使い方はやはり、ランパードがセンターのジェラードが右という形になってしまう。だがサッカーとはチームスポーツである。中盤の問題が解決しても、それが前線や守備との連動で機能しないことには勝利を得ることが出来ない。先も書いたようにジェラードは本来センターの選手である。プレーはどうしても真ん中に流れてしまうだろう。そうすればランパードとポジションもスタイルも被ってしまい、どうしてもお互いが遠慮してプレーすることになる。またその時点で右サイドが手薄な状態になり、主に右SBを務めるGネビルが守備に追われる事になりオーバーラップの回数が減り、攻撃のオプションが1つ減ってしまう。逆にサイドにいたらいたで、ジェラードの本来のスタイルが影を潜める結果になってしまうことになる。つまりは2人を同時に起用するということは、もったいない話ではあるが、試合開始の時点で攻撃における武器が少ない状態を意味し、得点の可能性を自ら少なくしていることになる。今回、突然の負傷でランパードが外れ、ジェラードとハーグリーブスが中盤センターを務めた。ハーグリーブスは守備能力の高い選手であり、ジェラードは守備を、そしてパートナーとの兼ね合いを気にすることなく、思う存分プレーに集中できたはずだ。2ゴールを挙げたことが出来たのも決して偶然ではない。イングランドが所属するグループEの順位表は以下のようになっている。1:クロアチア 5 132:イスラエル 6 113:ロシア 5 114:イングランド 6 115:マケドニア 6 76:エストニア 5 07:アンドラ 5 0上位2カ国が本選に進める今予選だが、予選突破は決して不可能ではないが、かといって現状は楽でもない。試合数でも不利であり、また上位陣との直接対決も残っている。逆にいえばそこで勝利を収めることで逆転すればいいのだが、最初に書いたような格下に苦戦する傾向があるのだから、まずは下位グループから確実に勝点3を奪うことが重要である。イングランドの次戦の相手はアウェイでエストニアである。「格下」「アウェイ」という傾向通りの相手であり、アンドラ戦でルーニーがイエローカードをもらったためにエストニア戦は出場停止である。オーウェンはおそらく復帰しているだろうが試合勘の問題があり、これからの間に何事もなければランパードとジェラードは出場可能である。一難去ってまた一難。マクラーレン監督の決断は。ほな、また。
2007.03.29
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多くの死傷者を出したユーゴスラビア内戦。クロアチアやスロベニアなどの国々がユーゴスラビアから分離・独立し、最後まで共同体として存続していたセルビア・モンテネグロも昨年のワールドカップを最後に袂を分けた。分離のタイミングが遅かったため、今回のユーロ予選にモンテネグロの名前はない。セルビア・モンテネグロとして今回の予選に登録しており、正式な引継ぎ権がセルビアに与えられたからだ。モンテネグロが公式な大会に参加できるのは2010年のワールドカップ出場国を決める来年から始まるヨーロッパ予選からとなり、今後最低1年は親善試合を通して強化を図るほかない。その第1歩となる、モンテネグロ初の国際親善試合が先週の土曜日に行われた。この日は各地でユーロ予選が行われており、セルビアもアウェイでカザフスタンと対戦していた。セルビアは予選Aグループに所属しておりポルトガルと同居している。前節までの順位を見ると、首位は意外なことに5試合を消化して勝点11のフィンランド。セルビアはフィンランドに比べ1試合消化が少ないながら勝点10の2位につけていた。ポルトガルもセルビア同様の消化試合数ながら勝点7の4位に沈んでいる。セルビアとしては明日水曜日にポルトガルとの直接対決があるだけに、カザフスタンから勝利を収め勢いを持ってポルトガル戦に臨みたいところだった。カザフスタンがUEFA加盟後、未だ公式戦未勝利となれば尚更であった。ところが、試合は序盤カザフスタンのプレッシャーに苦しめられ、セルビアはなかなかチャンスを作れない。するとスコアレスで折り返した後半、開始15分で2失点を喫し攻勢に出るセルビアだったが、カザフスタンGKロリアの好セーブの前に1点しか返せず、アウェイとはいえ敗北を喫してしまった。これによりセルビアは首位浮上のチャンスを逃しただけでなく、フィンランドと同試合数になり、同日アゼルバイジャンに勝利したポーランドにも抜かれ3位に転落した。首位ポーランドから4位ポルトガルまでの勝点差が4になり、混戦模様を呈してきた。ホームとはいえグループの本命といわれるポルトガルと戦う水曜日はまさに正念場であり、これを落とせば一気にユーロ本選の道が遠のくことになる。その意味でカザフスタン戦の敗北は痛恨の1敗だった。モンテネグロ初試合の相手はハンガリー。歴史的な試合とあってスタジアムには多くのファンが押し寄せ、スタンドは国旗の色である赤に統一されるなど、周囲の興奮は高まる一方であった。だが試合はハンガリーが先制する。開始わずか1分セットプレーからプリシュキンにゴールを奪われてしまう。歴史の1ページ目でいきなりの失点と降りしきる冷たい雨がモンテネグロの未来を暗示しているようにも見えたが、前半はこのまま終了する。後半、FWブロビッチを投入し攻撃的な布陣に変更したモンテネグロは19分、そのブロビッチがエリア内で倒されPKを得る。それをモンテネグロ最初の主将であるブチニッチが決め、モンテネグロ最初の得点を挙げる。勢いに乗ったモンテネグロは37分にもPKのチャンスを今度はブルザノビッチが決め逆転に成功する。そして試合終了となり2対1でモンテネグロが歴史的初戦を勝利で収めることができた。なんでもモンテネグロ人は旧ユーゴスラビアの中で最も誇り高い民族らしい。歴史的初戦を敗北で終わることなど彼らのプライドが許さなかったのかもしれない。だからこそ、最後まで勝利を諦めず攻め続けることでPKを獲得できたのだろう。後半だけで2つのPKとは、ごくわずかな政治的匂いがないわけではないが、それでも誇りがあるからこそ後退を恐れず相手に牙を剥き続けた結果が勝利という形になったのだと思う。昨年のワールドカップのセルビア・モンテネグロ代表22人中、モンテネグロ人は1人しかいなかった。国際的プレーヤーもローマ所属のブチニッチぐらいしかおらず、決して戦力的に充実しているとはいえない。だが暗示された未来をひっくり返すほどの誇りが胸にある限り、モンテネグロの前進は止まらない。ほな、また。
2007.03.27
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チェルシーのオーナーであるアブラモビッチ(40歳)が15年間連れ添った婦人と離婚した。原因は定かではないが、おそらくアブラモビッチの浮気が原因であり、ロシア人の元モデル(25)と何度か写真を撮られている。なおこの離婚で夫人はアブラモビッチの総資産の半分以上にあたる1兆3000億円程度の慰謝料と5人の子供の養育権、アブラモビッチが所有する複数の豪邸を譲り受けるほか、プライベートジェットやヨットも利用できるとのこと。この男には本当に驚かされる。30代だと思っていたら40歳だし、これが2回目の離婚だというし、子供は5人もいるという。それで浮気ですか?やっぱりお金ってそんなに素敵なものなんだなぁと変に感心しつつも、チェルシーへの影響を考えないといけない。一応声明によると、チェルシーを含む、アブラモビッチが関係しているビジネスへの影響はないらしい。例えば石油関係などであれば参画している会社のお金を使うのだろうし、投資においても一時的に懐が寒くなるだけで、これから見返りが帰ってくれば十分収入は増えるだろうから心配ないし、ぼくが心配する必要も無い。だが、チェルシーに関していえば少し状況は異なる。数年前まで借金まみれだったクラブを買い取ったのは、アブラモビッチのポケットマネーであり、ここまでの短期間でチャンピオンズリーグを狙える位置にまで持ってこれたのも、ポケットマネーによる選手獲得だった。クラブとして見た場合、チームが強くなったことで入場料収入の増加やグッズの売り上げアップ、世界的知名度のアップなどでテレビの放映権収入も増加している。他の多くのビッグクラブと同様の補強戦術を採り続ければ単年赤字になることはないだろうし、少し赤字が出たところでそれだけの有名選手を獲れば、グッズやその選手見たさのファンが増え、収入も増すだろう。だが、これまでと同様にアブラモビッチのポケットマネー目当てに大型補強を繰り返せば収入が支出に追いつくことはなく、クラブの存亡にもなりえない。昨年12月、つまり約3ヶ月前のインタビューでアブラモビッチは、チェルシーについてこのようにコメントしている。「下部組織に大きな投資を行った。 そこで選手たちを育てるのがわれわれの方針だ。 今後、数年間の移籍市場では出費を抑える。」さらにその数ヶ月前にはクラブのケニオンCEOも「今後5,6年で収支のバランスを釣り合わせたい」と話している。オーナー就任当初から補強への批判が相次いでいただけに、このニュースを見たときは「やっと分かったのか」と思ったものだ。実際にアブラモビッチの影響を少しずつ弱くしようと本当に考えていたのだろうが、別の部分では今回の離婚が昨年の段階で決定的になっており、その影響がチェルシーというクラブに及んだのではないかと思う。だが、それを気に入らないのがモウリーニョだ。モウリーニョも勝って当たり前のクラブをプレッシャーの中で当然のように勝たせ、あれだけ多くのタレントが揃っているのだからと批判も多い。だが有名選手がほとんどいない中でポルトをチャンピオンズリーグ優勝に導き、自クラブの選手の批判を体を張って守る姿勢は多くの監督が見習わなければならない部分だ。また若手の選手起用にもあまり躊躇はせず、逆に若手を重要視しているような面も時々ある。だがモウリーニョとて一生チェルシーにいるつもりはない。自身で大切なのは現在であり、全てのタイトルを勝ち取るための選手層が必要なのである。しかもクラブからはチャンピオンズリーグの絶対制覇が言い渡されてる。だが今シーズンのチェルシーは怪我人に泣かされ、それがディフェンス陣に、そして12月以降に集中した。当然モウリーニョはクラブに補強を訴えたが、上層部はこれを却下した。厳密にはターゲットを絞ったのだが移籍金を出し惜しみしたために破談になってしまったのだ。そうなると優勝を目指せと言いながらも必要な補強を行わないクラブに不信感を持つのは自然であり、また自分が希望していない、アブラモビッチお気に入りのシェフチェンコを加入させたことも未だ納得はしていない。それらが少しずつ積み重なっているのが現在言われているクラブの内紛や2人の確執に繋がっており、今回の離婚がそれらの拍車をかけないとも言い切れない。先立つものは、お金である。ほな、また。
2007.03.19
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今週末の24日と翌週の28日水曜日に、来年にスイスとオーストリアの共催で行われるユーロの予選が行われる。出場枠は全部で16。そのうち開催の2カ国は予選無く出場できるから、残り14の座を巡って、欧州の約50の国が争っている。その50の中にはシードや前回優勝国特権のようなものはなく、強豪国も弱小国も同じグループに入ることになる。つまりは予選グループの組み合わせによっては、強豪国が集まる“死のグループ”が出来る場合もあれば、比較的中小国が集まるようなグループも出来、組み合わせの運が本選出場の大きなキーになっているのである。だが、それで全てではない。約1年以上に渡って総当りのグループリーグを戦うわけだから、その時々の選手のコンディションやその日の天候などにも左右されてしまう。また自分達だけではなく、相手のそれも大きなキーになる。例えば中堅国の場合、コンディション不良の状態で弱小国と戦えば足元をすくわれる可能性がある。逆に最高のコンディションで強豪国と戦えば互角以上に渡り合え、強豪国のコンディションが最悪なら勝てる可能性は大いにある。とはいえ、それも運である。なら確実に本選に出場するためにはどうすればよいか。答えは1つ。開催国になればいいのだ。開催国になれば確実に本選から出場でき、しかも毎試合自国のファンの大声援を背に受けて戦うことができる。もちろん開催国になるには様々な条件をクリアしなければならない。外国からのファンが大勢やってくるのだから、治安が良くなければならない。そしてスタジアムやホテルなどをつなぐインフラも整備されていなければならない。また、大人数の観客を収容できるスタジアムを多く保有していなければならないのは言わずもがなである。ただそれらをクリアして開催国に選ばれたなら、確実に出場の権利を得ることが出来るのである。そこで2012年に開かれるユーロの開催国だが、実は昨年の12月に決まっていた・・・はずだった。UEFAは決定を下す直前になって「最終判断を下す猶予を与えてほしい」と4月までの決定延期を要請したのである。その理由は具体的には明らかにはなっていない。だが開催に名乗りを挙げた国を見ると、容易に想像がつく。立候補したのはイタリア、ポーランドとウクライナの共催、クロアチアとハンガリーの共催である。名前だけを見れば本命はイタリアである。セリエという世界に通じる国内リーグを持ち、スタジアムやインフラに関しては何の問題もない。強豪国でもあるため勝ち進む確率も高く、イタリア国内も盛り上がりを見せるのは間違いない。それはユーロ自体が盛り上がりを見せているともいえなくはなく、大会を成功に収められそうなのはイタリア以外にはない。だが唯一にして最大の難問がイタリアにはある。安全性の問題である。毎シーズンファンによる何かしらの事件を起こしているセリエ、今シーズン開幕前に起こったカルチョスキャンダル、そして決定延期後に起こった警官死亡事故などである。スタジアムの整備やインフラなどは時間が解決してくれる部分があり、今は基準を満たしていなくても、本番までに間に合わせればいいことだが、安全の問題になるとそうもいかない。改善の余地が見られない協会にUEFAが不信感を抱くのは当然だし、上層部がスキャンダルを起こしている国に一大会を任せることに躊躇するのも当然である。つまりは、この安全性さえクリアできればイタリアで決まりなのだが、UEFAとしてはもう少し様子を見て判断したいと思ったのだろう。では様子を見てイタリアを否とした場合、残りの2共催のどちらかということになる。まずはポーランドとウクライナだが、先日ポーランドでも八百長事件が発生し選手や関係者など64名が逮捕されるという、イタリア以上のスキャンダルが発生し、事態の収拾に政府までが乗りだしている。さらには国土の広さも問題で、2カ国の端から端まで電車で33時間、ウクライナだけでも24時間かかるそうだ。これではファンも移動をしようとはせず、会場には足を運ばないだろう。また車での移動も、共産主義の名残か、ウクライナの入国ゲートは審査官の気の向いた時にしか開かないらしい。ならばクロアチアとハンガリーはどうだろう。この2カ国には観光名所も多く、インフラも整備されており集客・収入の面での問題はない。また両国の協会関係者が毎週のようにミーティングを重ねており関係は密接で、やる気も十分のようだ。イタリアがダメならクロアチアとハンガリーの共催で決まりだろう。と考えるなら昨年の段階でこの2カ国で決まっていたはずである。この2カ国に決められない理由は、クロアチアにある。そしてどうあがいても解決できない歴史的問題にある。そもそもユーゴスラビアとして共和国を形成していた時代が懐かしいほどに、現在は名残もないほど分裂してしまっている。クロアチアはもちろんその1つで、分裂したほかの国が本選に出場するとなれば、何かが起こりそうな予感はプンプン感じてしまう。そしてそれらの国と戦うことにでもなれば、どうなることか。ただでさえ戦争によって国を分裂させたのだから仲がいいはずがない。特にファンは相手国を目の敵にすることだろう。イタリアを含む各地で暴力事件が相次いでいるだけに、UEFAも慎重になっているのは確かである。先日、FIFAのブラッター会長は「ウクライナでユーロを開催してほしい」と発言した。発言の場所がウクライナの都市キエフということもあって、社交辞令と取れなくも無い。またブラッター会長にユーロの開催国を決める投票権も無い。だがサッカー界のトップのコメントだけに影響力は小さくないはずだ。本命どおりイタリアか、対抗のクロアチアとハンガリーか、それともお墨付きをもらったウクライナとポーランドか、3つ巴のサバイバルレースはもう少し続く。ほな、また。
2007.03.18
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先月起こった、イタリアでの警官死亡事故。協会や政府を巻き込んで対策が講じられようとされているなかで、暴力撲滅へ向けての成功のモデルケースとしてイングランドの名前をよく見かける。「イングランドに出来るのだからイタリアに出来ないはずがない」と。確かに現在のイングランド・プレミアリーグは隆盛を極め世界中で人気を博しているが、80年代にはヘイゼルとヒルズボロの悲劇により、多くのファンが死亡するという大惨事があった。1985年5月、チャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)決勝、リバプール対ユベントスの試合がベルギーのブリュッセルにあるヘイゼル・スタジアムで行われた。試合前からテンションの上がっていたファン同士が小競り合いを起こし、その1部のリバプールファンが暴徒化。ユベントスファンが陣取る観客席になだれこんでいった。暴徒達に驚いたユベントスファンは逃げようと壁をよじ登ろうとしたが、老朽化や大勢の人間の重さに耐えられなくなった壁は崩壊。もろくも崩れ落ちた壁に下敷きになるなどして死者39人、重傷者400人を越える悲劇となった。1989年4月、FA杯準決勝のリバプール対ノッティンガム・フォレスト戦がシェフィールドのヒルズボロ・スタジアムで行われた。当時はまだほとんどのスタジアムに立見席が多数存在しており、熱狂的なファンの低位置でもありチケットの値段も安かった。そのため試合前からファンが殺到し、立見席はアリの入る隙間も無いほど混乱状態になっていた。その結果、壁やフェンスで圧死したのが96人、重傷者200人以上という悲劇になった。93年から始まるプレミアリーグに向けての準備という理由もあるだろうが、主にこの2つの理由から、現在のプレミアリーグは立見席はなくすべて座席でスタジアムが構成されている。これにより観客席での事故の危険性は減り、フーリガンと呼ばれる集団の動きも小さくなった。結果としてスタジアムは老若男女全てが楽しめるエンターテインメント施設に生まれ変わったのである。ところが、最近のイングランドのメディアのアンケートによると、イングランドのファンの92%が立見席の復活を求めているらしい。理由を問うと、現在の座席による観戦では圧迫感を感じるらしく(座っての観戦だけでなく、明確な理由が無い限り試合中に立つことすら出来ないため)立見席のほうがより自由に感じるからだという。確かに芝居や舞台を見るならともかく、ファンはサッカーを見に来ているのだ。多くが愛するクラブを応援するために、自分では叶わない非現実の世界を堪能するために、スタジアムに足を運んでいる。癒しを求めるなら落ちついたクラシックでも聴きにいけばいいのであって、ストレスを発散させたいがためにロックを求めてライブを見に来ているわけだ。ロックを聴きに来てタテ乗りが出来ないのであれば、ストレスは発散されるどころか逆に溜まる一方であり、応援するクラブの出来が悪ければ尚更のことである。ただそうして溜まったストレスがある瞬間に爆発したのが、ヘイゼルの悲劇であり、イタリアの警官死亡事故に繋がっている。クラブとしてはファンの要望に応えるのと同様に安全も守らなければならない。どちらに優先順位があるかといえば当然、安全であり、少数の恥ずべきファンによって起こされた暴挙によって、多数派である立派なファンが嫌な思いをしているわけである。またヒルズボロの遺族会などは立見席反対の宣言を行っており、データ的にも立見席の方が安全だと証明されている。多数派のファンの要望を取り入れれば安全性の低下が懸念される。少数派(と呼んでいいのか)の遺族会の要望を聴けばファン離れが心配される。また、同じ面積なら立見席よりも座席のほうが収容人数は少なくなり、チケット代を上げなければ収入を確保できない点も考慮しなければならない。時代の流れに沿って安全重視でやっていくのか、流れに逆らってファンの要望を取り入れるのか、クラブは本音を隠しつつ妥協点を見出さなければならない。ほな、また。
2007.03.16
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ようやくイングランド・サッカーの聖地が復活することになった。2000年の試合を最後に取り壊され、新しく生まれ変わろうとしていたウェンブリー・スタジアムだが、当初は2005年の完成予定だった。ところが度重なる完成延期によってファンや関係者を大きく心配させていたが、このほど無事工事が終了し、ようやく完成披露及び再オープンまでこぎつけることに成功した。こけら落としの試合になるのは今月24日に行われるU-21のイングランドとイタリアの親善試合で、設備点検や安全性の問題、または警備テストも合わせて行われるため、9万人収容のウェンブリーだが24日の試合は6万人に限定して行われる。ウェンブリーの歴史は古く1889年、ウェンブリー・パークに350mのタワーを建設する計画が発表されたが、初期段階で資金難により61mの段階で建設は中断された。1918年博覧会会場に頭を悩ませていた政府はウェンブリーを会場にすることを思いつき、わずか300日でスタジアムを作り上げた。費用は75万ポンド、2万5000トンの鉄、1000トンの銅、50万本の杭が使われたという。ウェンブリーにおけるサッカーの第1歩は、1923年に行われたFA杯決勝であった。ボルトンとウェストハムが戦ったこの試合の公式入場者数は12万6000人で、一説には20万人以上とも言われている。その後イングランド代表の試合やFA杯、リーグ杯の決勝は必ずウェンブリーで行われるようになった。逆に言えばどこのクラブの所有でもないため、選ばれた選手しかウェンブリーの芝を踏むことが出来ず、高校野球でいうところの甲子園のような、まさに「聖地」と呼ばれるようになっていった。1955年に照明が、63年には電光掲示板が設置されたが、基本的構造は完成した1924年当時のままであり、老朽化が進んでいた。数度の改築でなんとか当時の名残を保っていたが、2000年、これ以上の改築は困難と判断され、歴史に幕を閉じることになった。新しくなったウェンブリーは、旧スタジアムの名物であったタワーこそないものの、133mの高さにかけられたアーチを利用して屋根を可動式にし、座席数も1万8千人多い9万人が収容でき、その全ての座席が屋根で覆われているという近代的なスタジアムに生まれ変わった。旧ウェンブリー最後の試合は2000年10月に行われた02ワールドカップ欧州予選のイングランド対ドイツであった。雨のなかで行われたこの試合はハマンのFKによる1点を守りきったドイツが勝利を収め、イングランドはウェンブリーでのラストゲームを勝利で飾ることができなかった。その後すぐキーガン監督が解任され、後任にエリクソンが就任した。そしてこれもまた今は無きミュンヘンのオリンピック・スタジアムでドイツ相手に5対1の大勝を収め、ベッカムの歴史に残るFKなどもあって、イングランドは2002年のワールドカップ出場権を獲得した。あれから7年、正直現在のイングランド代表はキーガン監督時代よりも内容は悪く、結果も出ていない。問題はいくつもあるだろうが、3月末にはEURO予選が再開される。試合は工事完成日と違い延ばすことは出来ないし、待ってもくれない。藁をもすがる思いで、イングランド代表が生まれ変わっていることを期待する。ほな、また。
2007.03.15
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マンチェスター・シティ所属のMF、ジョーイ・バートンが逮捕された。バートンは3月上旬、リバプール地区でタクシー運転手と口論になり暴行を加えた容疑にかけられている。現在は保釈されているが、次回の取調べが行われる5月までの仮措置であり、今後も捜査は継続して行われるらしい。1世代前のトラブルメイカーがガスコインなら、現代のトラブルメイカーはこのバートンだろう。今回のような暴行容疑で警察のお世話になった事例は数知れず。そしてそれはピッチ外に限らずピッチ内でもそうであり、今シーズンだけでも、ある試合終了後、相手ファンの前でパンツを脱いで尻を露出したり、別の試合終了後にも相手ファンを下品なジェスチャーで侮辱したりしている。一方で彼のプレースタイルといえば中盤の潰し役であり、ハードなタックルで相手の攻撃の芽を潰し、味方の攻撃に繋げる役目を担っている。攻撃時にはパサーとして味方の攻撃を演出したり、2列目からの飛び出しで積極的にシュートを放つなど、クラブにとってはかなり貴重な戦力である。今年2月のイングランド代表の親善試合、スペイン戦に向けてバートンは初めて代表に召集された。しかしそれは物議を醸す召集であった。それは素行の悪さもさることながら、昨年6月のワールドカップでのイングランド代表の敗退はランパードとジェラードの責任であると公に批判し、仮に自分が出場していればイングランドはもっと好成績を収められていたと自身満々にバートンが話していたからである。まがりなりにも現役選手が、しかも当時代表歴が1度も無い選手がそんな批判をするのだから、メディアの格好の的になるのは当然である。そんなバートンだから、相手ファンにとってはブーイングの1番の対象であるが、本人に気後れする様子は少しも無い。ピッチ外はともかく、ピッチ内ではそれがプレースタイルであり、それがなくなれば単なる1選手にしか過ぎないであろうし、シティでこれだけ重宝されることもなかったであろう。そういえばバートンの実の弟も殺人容疑で指名手配されたことがあるのを思い出した。そういった家庭環境に育ったのか、別の理由があるのかは知らないが、いずれにせよバートン家とは言いたいことはハッキリ言い、すぐに手が出てしまう荒々しさを持ち合わせた性格なのだろう。イングランドらしいといえばらしいタイプの選手ではあるが、生まれてくるのが少し遅かったように思う。80年代後期ぐらいまでならこのような選手は多くいたし、今よりももっと人気があっただろうと思う。だが今は2007年である。暴力や人種差別根絶を掲げるサッカー界において、綺麗で華麗なスタイルが人気を博すサッカー界においてバートンのスタイルは時代遅れであり、ピッチ外の素行は、将来のサッカー界を背負って立つであろう子供達には悪影響である。せめてピッチ外だけでもおとなしくしておけば、もう少し人気も出ているだろうに。ほな、また。
2007.03.14
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バスコ・ダ・ガマに所属する元ブラジル代表ロマーリオがマドゥレイラ戦でハットトリックを決めた。後半19分に味方のクロスを押し込むと、23分にはヘディングで、32分にはPKとわずか13分でハットトリックを達成した。1966年1月生まれのロマーリオは現在41歳。ブラジルのオラーリアというクラブでプロ生活をスタートさせたロマーリオはバスコ・ダ・ガマへ移籍。ここでプロとしてのデビューを飾り活躍を見せる。その活躍により欧州上陸を果たしたロマーリオはPSVを経てバルセロナへ移籍。当時のバルセロナはクライフ監督の元、ストイチコフやラウドルップ、さらにはグアルディオラを擁し、魅惑的なトータルフットボールでスペインを、そして欧州を席巻していた。ロマーリオもまた移籍初年度は33試合に出場し30得点を挙げ得点王に輝くとともに、クラブをリーグ優勝に導いた。またブラジル代表においても90年と94年のワールドカップに出場し、94年には決勝でイタリアを下し、自身も5得点を挙げ優勝に大きく貢献した。プレースタイルとしてはゴール前でのポジショニングの巧さと、彼の辞書に「プレッシャー」の文字は載っていないとしか思えないほどの冷静さを兼ね備え、次々にゴールを量産していた。また169cmという低身長からも想像がつくようにドリブルも得意であり、クライフをして「ロマーリオは止まった状態からでも30センチのスペースがあれば相手を抜ける」と言わしめたほどだ。ピッチ内、特にゴール前では冷静沈着で何事にも動じないロマーリオだが、一旦ピッチの外に出ると自由奔放な本来の性格が顔を出し、野次を飛ばしたファンに殴りにかかったり、嫌いなチームメイトとの同席を拒否したりと問題児ぶりを発揮している。それは本人も自覚しているようで「自分が監督なら絶対関わりたくない」とコメントしている。ロマーリオに関する有名なエピソードが1つある。94年のワールドカップ南米予選で、ブラジルは予選敗退の危機に瀕していた。だが当時の監督との間に確執があったロマーリオは代表に召集されずにいた。しかし母国の危機を憂うロマーリオは「代表に召集すれば次の試合で2点取る」と公言。やれるものならやってみろ、と言わんばかりに召集された彼は本当に2点を取って、ブラジルの危機を救って見せた。このようにプライベートでの自由奔放さや好き嫌いのハッキリとした性格と、ゴール前での冷静さと絶対的な得点力とのアンバランスさが、今もブラジル国内で人気の高い理由である。バルセロナを退団したあとは、主にブラジルのクラブを中心に移籍を繰り返してきたロマーリオだが、今年1月からプロデビューを果たしたバスコ・ダ・ガマに在籍している。41歳といえばほとんどの選手が現役を引退し、第2の人生を送っているところである。だがロマーリオは今も現役にこだわりを見せている。プレーに衰えが見られないこともあるが、引退しない一番の理由は、自身通算1000ゴールを達成するためである。今回のハットトリックで通算ゴール数は995になった。残りゴール数はわずか5である。ロマーリオはこの目標を達成することができたら引退すると言っている。だがここまできたら1日でも長くプレーをして、どこまで記録を伸ばせることが出来るのかに挑戦してほしい。なぜなら、普通の41歳ならここからが長い道のりだが、ロマーリオならあっという間である。今年2回目のハットトリックなのだから。ほな、また。
2007.03.12
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予想通りの低調なパフォーマンスだった守備陣と、予想以上のスリリングな展開を見せた試合内容と、予想外の結末を見せた今回のクラシコ。やはり主役は今年の6月で20歳になるメッシーだった。試合は5分、テュラムのクリアボールをニステルが拾い、ゴール右に確実に決めレアルが先制。11分にスルーパスからメッシーが決めバルセロナが同点に追いつくも13分、PKのチャンスをニステルが決めレアルが勝ち越す。だが28分、ロナウジーニョの放ったシュートのこぼれ球をまたもメッシーが決めまたも同点に。前半終了間際にオレゲールが2枚目のイエローで退場になったあとはレアルペースで試合が進み、73分、FKからセルヒオ・ラモスのヘディングシュートでレアルが三度勝ち越す。その後も何度か決定機を作るもバルデスの好セーブに阻まれ追加点を奪えない。逆にバルセロナはロスタイム、ロナウジーニョのパスからメッシーが持ち込み三度同点に追いつくゴールを決め、試合終了となった。バルセロナはこの試合でも3-4-3のフォーメーションで臨んでいたが、明らかにチームとして機能はしていない。ディフェンスラインに3人しかいないことでサイドからの攻撃の厚みが生まれず、中盤は厚くなったものの真ん中に集まりたがる選手がほとんどなので攻撃が中一辺倒になってしまう。さらにはサイドががら空きのためにカウンターを喰らった際のレスポンスが遅く失点の危険性が非常に高い。このフォーメーションを最初に使ったのはオサスナかサラゴサ戦だったが、相手のレベルが幾分落ちるということで一応は成功したフォーメーションだが、その後の強豪相手(バレンシア、セビージャ、リバプール、レアル)には弱点を否応無く突かれ、以前に比べディフェンスの数は減っているのだから失点は増えている。また仮にボールを奪い返したとしても攻撃の開始位置が低いためスピードは落ちている。また新フォーメーションの完成度の低さなのか、それとも別の問題か、以前のような組織としての連動性はなく、ボールを保持している支配率の高さではなく、持たされている支配率の高さに繋がっている。ここ数試合の強豪との連戦に備えてのオプションであったろう新フォーメーションだが、ある程度のレベルならともかく、強豪には通用しないことが分かったのだから、すぐに戻すべきである。それでも3点を奪うことが出来たのは、やはり個々の技術の高さによるところが大きい。今回の試合において、見た目ですぐ分かるエトーの良さはあまりなかったが、それでもスペースを作ったりボールキープなどでタメを作れるのは前線ではエトーだけだ。それは後半からエトーが下がったあとのバルセロナの攻撃を見ても明らかだ。またロナウジーニョには89分仕事をしなくても最後の1分で試合を決めることの出来るパス能力やドリブルがあり、メッシーもまたスピードとドリブルで相手に脅威を与えることができる。正確な長短のパスを自在に操れるデコやシャビ、2列目からの飛び出しも得意なイニエスタなど、個々の能力は高いだけに、やはりそれらを埋没させることなく組織として機能させるためには3-4-3ではなく4-3-3だろう。一方、レアルの方は怪我人や出場停止が多くベストメンバーとはいえない。またガゴやイグアインなどの新加入選手も多く、これが本当のレアルの実力ではないように思う。だがベストメンバーになったところで格段に良くなるかといえば、そうとも思えない。メンバーは変わってもカペッロの戦術は浸透しているはずだし、代わって入っている選手のレベルが極端に低いわけでもないからだ。これまで試合に出ていなかったのは、単にカペッロに気に入られているかどうかだけの話であって、他のクラブに行けば間違いなくレギュラーであろうレベルの選手達である。要するに、怪我人や出場停止の多さは不振の言い訳や批判の対象にはならず、これがチームとしての現時点での実力といっていいだろう。レアルの問題点としてはグティの代替選手の不在と、FWの層の薄さがある。中盤なら守備的にも攻撃的にも使えるグティだが、カペッロは主に攻撃的に起用している。例えば先日のバイエルン戦はベンチからのスタートだったが、ロベカルのミスなどもあって前半30分あたりでグティがピッチに登場するまでのレアルの攻撃には、正確さもなければスピードもなく落ち着きのなさが一目が分かるほどだった。だが登場後は支柱が1本入ったように、グティを中心に流れるようなパス回しとスピードで相手を圧倒していた。今回のクラシコでも前半は中盤左に位置することが多く、そこを起点として、またバルセロナのフォーメーションもあって、何度もチャンスメイクをし得点にも結びつけた。だが後半から底にポジションを移すと、途端に攻撃のスピードは失われパスもそれほど回らなくなった。グティのポジションやいるいないによって極端にレアルは別のチームになる。ならばグティがいなくてもチームとしてのポテンシャルを落とさないような選手の獲得が必要になってくるのではないか。カペッロとの確執によってロナウドを放出したレアルのFW陣はニステル、イグアイン、カッサーノのみ。レジェスやロビーニョも使えないことはないが、どちらかといえば中盤のサイドアタッカータイプなので、レアルには3人のFWしかいないことになる。このうちイグアインはまだ若く加入まだ2ヶ月なので結果を求めるのは性急すぎる。またカッサーノや、あえてFWに入れるとロビーニョはカペッロの信頼をそれほど得ておらず、コンスタントな成績を望めない。つまり信頼できるFWはニステル1人ということになり、ビッグクラブでなくても絶対的に数は不足している。ロナウドを放出した際に、カッサーノとオリベイラのトレードをミランに試みていた(結果破談)レアルだが、代わりのFWを獲得できなかったのはクラブのミスであり、今シーズンはこのメンバーで戦う以外にない。以上、クラシコを見た後の感想や今後のクラブの方向性をまとめたが、今回のクラシコは、なんといってもメッシーのためのクラシコだった。1987年6月24日生まれの19歳が魅せたプレーはネガティブなイメージしか沸かなかった両クラブの将来に唯一見せた、明るい光だった。といってもレアルには関係ないけど。ほな、また。
2007.03.11
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数時間後に行われるクラシコ、バルセロナ対Rマドリー。両クラブともチャンピオンズリーグでの敗退が決定した後の大一番なわけだが、勝ち点差を縮めたいレアルと、下位との差を離し首位セビージャに近づきたいバルセロナと、因縁の相手以上にリーグの順位を単純に考えても、両クラブとも絶対負けられない試合である。だが、両クラブ共にクラシコに向けて一致団結していないのが現状である。レアルは昨日も書いたとおりチャンピオンズリーグでの不甲斐無さとロベカルの退団宣言、逸れに伴うカペッロ監督の解任騒動と、もし負ければ何かしらの変化が起こるのは必至な状況だ。対するバルセロナもエトー問題が収束したように見えた矢先のセビージャ戦の敗北とチャンピオンズリーグからの敗退。さらにはグジョンセンのチーム批判ともとれる発言が飛び出した。「われわれはもっと仲間意識を持つ必要があるし、協力してプレーする必要がある。 他人のためにプレーすることも必要だ。 バルセロナはリバプールよりも能力のあるチームだが、 選手が走らないようではその能力のみで勝つことはできない。 重要なのはピッチ上でのことでピッチ外で全選手が仲良くなる必要はないが、 ピッチに入ればチームメートやチームのために各選手がプレーする必要がある。」これにチームメイトのシャビは「そういったテーマはチーム内ですべきで、 外に向けて話すことはなんらチームのためにならないし、 選手が落ち着いて仕事ができなくなる。」とコメント。またバルデスも「グジョンセンの意見に敬意は持っているし、各自が自分なりの意見を持っているものだ。 だが同意はできない。 チームにはピッチ内外で仲間意識があるし、互いを助け合おうという意識もある。」とグジョンセンのコメントを否定するようなコメントを残している。思えばエトー騒動の際も、エトー自身の口からチームを批判するようなコメントが出、チームメイトがそれを否定し、ロナウジーニョとエトーが練習中に抱き合う“演出”で解決した(ように見えた)。今回のグジョンセンのそれも、今のところエトーと同じ経緯を辿っている。前回は次の試合まで1週間あったこともあり、問題解決までに十分な時間を取ることが出来た。だが今回はわずか数日しか解決の時間は無い。ある記事には「マイナス要素を考える時間がないのがプラス」とあったが、逆に一度湧き上がった疑念を試合までに消化できるだけの時間がないのも事実である。今回のクラシコは、両クラブの今後を左右する大一番である。バルデスはこうもコメントしている。「この試合の勝者は、モラルにおいても、重要な勝ち点においても、 すべてのレベルにおいて強みを持つことになるだろう。」勝利で危機を帳消しにするか、敗北で崩壊の道を辿るのか。レアルにとってもバルセロナにとっても、絶対に負けられない試合である。ちなみにエトー騒動後、最初の試合でバルセロナはバレンシアに敗れている。ほな、また。
2007.03.10
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チャンピオンズリーグ・ベスト16第2戦、バイエルン対Rマドリーは2対1でバイエルンが勝利。この結果トータル4対4になったものの、アウェイゴールの差でバイエルンが準々決勝進出を決めた。敗退したレアルであるが、現在戦犯に挙げられているのはロベルト・カルロスである。それもそのはず、レアルボールで始まった最初のプレーでトラップミスを犯し、マッカーイにチャンピオンズリーグ史上最速となる開始10秒でのゴールを決められてしまったからだ。第1戦を3対2で終えていたのだから、レアルは第2戦を負けなければ次のラウンドに進むことの出来た。負けないサッカーとはカペッロの代名詞であり、レジェスとベッカムの怪我の影響もあっただろうが、案の定エメルソン、ディアッラ、ガゴと中盤を固める作戦を採ってきた。だが先制を許したことで作戦の変更を余儀なくされた。しかもそれが開始10秒での出来事なのだから誰もが予想することなどできず、そんな大問題を引き起こしたロベカルには非難が集中するのは仕方がない。結局ルシオに追加点を奪われ、ニステルのPKで1点を返したものの逆転できず敗退が決まり、ロベカルのミスがよりクローズアップされる形になってしまったわけだが、それならば第1戦のファンボメルのゴールにも焦点を当てないといけない。第1戦の前半を3対1とリードして折り返したレアルだったが、余裕か気の緩みか、後半はバイエルンの猛攻にあっていた。だが守備陣がなんとか踏ん張り、またバイエルンのまずい攻撃にも助けられ2点差のまま試合を終えようとしていた。しかし88分ファンボメルのミドルシュートで1点差に詰め寄られた。試合は制したものの、最後の最後で失点を喫したショックは言わずもがなであり、アウェイゴールというおまけまでつくものだった。もしファンボメルのゴールがなければロベカルのミスがあってもトータル4対3で逆にレアルが準々決勝進出を決めていた。敗退の責任はロベカルだ、と思う人がいたらそれは間違いではないが、正解でもない。確かに失点を喫する、チームの作戦を10秒で水の泡にしたロベカルにも小さくない責任の一端はある。しかし第1戦と第2戦を通して仕事を全うできなかった選手は他にもいるし、ロベカルを含むディフェンスラインもカシージャスがいなければ完全崩壊していたはずだ。さらにディフェンスラインの前で機能すべきフィルターが働いていなかったから、ディフェンスラインにまで影響が出てくる。チームの勝利も敗北も決して1人のせいではなく、選手全員及び監督を含む関係者全員のそれである。敗退の戦犯にされているロベカルだが、今シーズン限りでのレアル退団を発表したようだ。「今シーズンで切れる契約は更新しない。 レアルでの選手生活に終止符を打ち、新たな挑戦を始めるときが来た。 レアルにいるときは終わった。 過去3シーズンは無冠に終わったこともあり、決断しなければならなかった。」「11年間も在籍して多くのものを勝ち取ってきた。 しかし1試合に負けて、全ての責任をかぶせられた。 受け入れられない。」これを読む限りは、前々から去り際は考えていたように思う。それは自身のパフォーマンスであったりクラブ事情であったり、またファンなど周囲からのプレッシャーなど総合的に判断してのことだったと思う。実際バイエルンとの試合を見ていても全盛期の面影を見ることはほとんどなかったし、マルセロという同じブラジル人の後継者もこの冬に入団している。だが最終的に決断付けたのは、コメントの最後にある「全ての責任をかぶせられた」ことだろう。最近は結果を残せていなかったものの、ロベカルが11年という在籍中にレアルに残した功績はあまりにも大きい。そういう世界といってしまえばそれまでだが、もしかしたら結果が全てという周囲の声に耐えられなくなったのかもしれない。ただ、発表のタイミングは最悪である。自分のミスもあってチャンピオンズリーグ敗退が決まった直後であり、逆ギレとも取られかねないコメントも出している。これではよりイメージが悪くなるだけだと思うのだが。いずれにせよファンボメルのシュートから開始10秒のゴールまでの約5分が、レアルの敗北もロベカルの退団も決めてしまったようだ。ほな、また。
2007.03.09
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チャンピオンズリーグのベスト8進出をかけたバレンシア対インテルの試合。言うまでもなく今から書くのは試合内容ではなく、試合後の乱闘事件のことだ。経過を説明すると、試合終了の笛と同時にバレンシアのマルチェナとインテルのブルディッソが言い争いを始めた。そしてブルディッソがマルチェナを殴る形で乱闘スタート。2人を止めるために両クラブの選手や関係者がその場に集まったが、なぜか出番のなかったバレンシアのナバーロがブルディッソを不意なパンチでノックアウトさせる。これに怒ったインテルのサネッティ、マイコン、クルス等が逃げるナバーロを追い掛け回す。どうにかしてナバーロに報復しようとしたインテル勢は後ろからスライディングタックルや蹴りをいれようとするも、ナバーロは逃げ切り成功。しかし他のインテル勢も加わりバレンシアのロッカールームにまで追いかけ込もうと、選手や関係者、セキュリティーを巻き込んだ大騒動だった。ナバーロにパンチを喰らったブルディッソは鼻骨骨折の重傷を負い、UEFAの規律委員会によって多くの選手が何らかの処罰を受けることになるだろう。以下はフローレス・バレンシア監督とモラッティ・インテル会長のコメント。「私はロッカーへ向かっていたから、騒動は見ていないし議論するつもりもない。 多くの混乱があったが、それは高い緊張感を持った試合だったからだよ。」「試合後のことは本当に残念だ。 UEFAの代表者が状況を調査するためにロッカーに来たが、 この先我々は何のアクションも起こさないと思うよ。」第1戦を2対2の引き分けで迎えた今回の第2戦。インテルは勝利が求められるなかで、無得点のまま時間だけが経過していくことに苛立ちを覚えていたことは致し方ない。両クラブは02-03シーズンにも対戦しているが、この時はインテルが勝利を収め次のラウンドに進んだ。バレンシアからすればリベンジを果たすチャンスでもあり、否が応にもテンションは上がっていた。だからといって、それらが暴力や乱闘を肯定する理由にはならない。フローレスのいう「高い緊張感を持った試合」は過去にいくつもあった。バルセロナとチェルシーの3年抗争や同日行われたリバプール対バルセロナの試合もそうだ。小さな小競り合いこそあったものの、3年抗争において、ロッカーまで殴り込みにいくような乱闘はあっただろうか。リバプール対バルセロナ戦の試合後に暴力はあっただろうか。インテルは引き分けに終わったことでチャンピオンズリーグからの敗退が決まった。国内リーグではダントツの首位を走っているものの、怪我人が多くベストの布陣を組めないのが唯一の種だ。今回の乱闘事件でバレンシアよりも多くの選手が何らかの罰則を受けるだろうが、これだけの大きさなのだから、罰則の対象が国内リーグに波及するとも限らない。また先に手を出したのはインテルのブルディッソなのだから、発端はインテル側にある。これ以上騒ぎを大きくしないためにも静かに処罰を受け入れることで、被害を最小限に食い止めようとするクラブの意思も見え隠れする。サッカー界では今年に入って、多様な暴力事件が相次いでいる。そのどれもが、当事者たちは懺悔や謝罪の言葉は発しつつも責任逃れに必死であり、自分達さえ良ければそれでいいような態度でいるとしか思えない。確かに今までは事件のほとんどが一部のファンと呼べないファンによる騒動であり、いくらクラブとはいえ責任の範疇を越える部分は確かにあった。そしてファンが起こした騒動によってダウンしたイメージを回復できるのが選手だった。しかし今回は選手が起こした騒動である。「全くばかげたことだ。 スタジアムから暴徒を追い出し、暴力を排除しようといつも言われている。 でも、グラウンドの中の僕らが率先して暴徒と化してしまうようでは、 信頼してもらうのは難しくなる。」バレンシアDFモレッティのコメントである。社会に多大な影響力を持つまでになったサッカーだが、ネガティブなイメージを払拭させることは出来るのだろうか。ほな、また。
2007.03.07
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せっかくリバプール対我がユナイテッドの試合を見ようと思ったのに、画面に映っているのは砂嵐だけ。どうも引っ越してきてからというもの、立地条件のせいもあって少しの天候不順で映らなくなってしまう。そんなわけでリーガの1位と2位の直接対決、セビージャ対バルセロナを見た。ホームのセビージャは勝点47の2位に対し、バルセロナは勝点49の首位である。つまりバルセロナは負けない限りは首位をキープすることができ、このセビージャ戦から火曜日のリバプール、来土曜日のRマドリーとのクラシコと、今シーズンの行方を大きく左右するかもしれない3連戦の初戦である。ここで冴えない試合を見せれば後の2試合に影響を与えるかもしれず、結果同様に内容も問われる試合であった。前の試合より採用している3-4-3で試合に入ったバルセロナは中盤を圧倒し、なおかつ左右を大きく使った攻撃でペースを握る。14分、ザンブロッタのクロスをロナウジーニョが頭で合わせて先制。さらに28分、セビージャDFのパスミスを突きロナウジーニョがエリア内へ突入したところでオシオがファウル。バルセロナにPKが与えられると同時に、オシオは1発レッドで退場となった。ここまでの展開を、そして1人少なくなったセビージャを考えると、PKが決まれば勝負はついたも同然だった。しかしロナウジーニョ自らが蹴ったPKは正面に飛び、右に跳んだセビージャGKパロップの残った足によって弾き出される。その後すぐにレナトが怪我をする想定外があったものの、これで息を吹き返したセビージャは39分、ダニエウ・アウベスのパスをケルジャコフが反転してシュートを決め同点に追いつく。後半は徐々にセビージャのペースになり61分、ダニエウ・アウベスのFKが壁に当たってコースが変わりゴールに吸い込まれ、セビージャが逆転に成功する。バルセロナもエトーやサビオラを投入し巻き返しを図るものの、ジュリーの1発レッドとザンブロッタのこの日2枚目のイエローでそれぞれ退場となり万事休す。逆にセビージャは後半5分のロスタイムの間に、前がかりになっているバルセロナの裏を突き2,3度決定機を迎えるも枠を外れ、2対1でホームのセビージャが勝利した。これによりセビージャが勝点50となり首位に浮上した。上にも書いたように、バルセロナは結果同様に内容も問われる試合だった。にも関わらず、1人少ない相手に対し追加点を決められずに逆転負けを喫してしまった。この試合のポイントは2つあった。1つはロナウジーニョのPKミス。もう1つはジュリーの1発レッドである。さっかーにおいて「たら・れば」は禁句だが、もしロナウジーニョのPKが決まっていれば、バルセロナは勝利、悪くても引き分けていただろう。実際そこまでのバルセロナは完璧なゲーム展開を見せていたし、付け入る隙は全く無かった。試合はこのあと60分以上も残っていたが、この2点目でセビージャの戦意を喪失させるには十分なPKであった。しかしPKは決まらなかった。解説はPKが止められた直後、「今シーズンを左右するPKになるかもしれない」と言っていた。事実、この後の流れは徐々にバルセロナの手から離れていった。そして逆転を許すことになってしまった。だが逆転を許したのは61分だった。ロスタイムを含めれば、試合時間は30分以上残っていた。そこで2つ目のポイントである、ジュリーの1発レッドである。ジュリーが犯したファウル。確かに後からエルボーを出しているように見えなくも無い。だが相手選手には当たっておらず、ボールの競り合いのよくある光景と捉えるのが無難なシーンだった。出てもイエロー程度のファウルだった。これで1発レッドが出たことでバルセロナの冷静さや審判への信頼感が失われていき、負けている事実もあいまって頭に血が上るようになっていった。ザンブロッタの2枚目もプジョルの抗議も普段ではあまり見られない勢いであったことからも試合への焦りと審判への怒りが見て取れた。ただ1つ救いなのは、3点目を奪われなかったことだ。スペインでは同勝点でシーズンが終わった場合は得失点差ではなく当該クラブの直接対決で順位を決めるらしい。バルセロナホームの試合は3対1でバルセロナが勝利していることから、仮にこの2クラブが同勝点でシーズンを終えた場合、バルセロナがセビージャを下回ることはない。だが一方で、セビージャが勝利し、なおかつ3位のバレンシアも勝利を収めたことで勝点差が縮まったのも事実。バレンシアや4位のRマドリーさえ、この2クラブの上でシーズンを終える可能性も広がった。結果も内容も伴わなかった運命の3連戦の初戦。本当にロナウジーニョのPKは今後を大きく左右するのか。勝利は収めたセビージャだが、後半ロスタイムに追加点を奪えなかったことが最後に影響するのか。混戦極めるリーガ・エスパニョーラ。勝者は一体?来週はクラシコ!ほな、また。
2007.03.04
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先日行われたカーリング杯決勝はチェルシー対アーセナルの戦いだった。普段リーグ戦で出場機会を得られていない若手選手にとっては絶好の舞台ではあるが、クラブ側から見ればそれ以上の価値は少なく、日程のハードさもあって必要性の是非が叫ばれているこのカップ戦。同じ1つのタイトル、と普段と変わらないベストメンバーを組んできたチェルシーに対し、大会を通して若手選手を起用してきたアーセナルは、この日も若手主体のメンバー構成で挑んだ。試合は前半、見事なワンツーからウォルコットがゴールを決めアーセナルが先制。しかしすぐにドログバのゴールで追いついたチェルシーは、後半にもドログバがゴールを決め勝利を収めた。どちらもビッグクラブとはいえ、ベストメンバーのチェルシーに対し常にゲームを優位に進めた若手主体のアーセナル。ベンゲルの先見の明や整備されたスカウト網、そして積極的に起用できる大胆さ。若手の積極起用について1,2年前は批判していたぼくだったが、それらの選手がいまやレギュラーに定着し、アーセナルの名に恥じないプレーを披露していることは素直に賞賛できることだ。しかも以前と以後でチームのスタイルがそれほど変わっていないのだから、クラブのベンゲルに対する信頼性の高さと、ベンゲルの自身のスタイルに対する自信が見て取れる。ただ1つ譲れない問題がある。実例を挙げれば、カーリングカップで先制点を挙げたウォルコットは以前から肩を痛めており手術も予定されていた。しかしながら、これが延期されたようなのだ。理由を聞かれたベンゲルの答えはこうだった。「カーリング杯でディアビが怪我をしたからだ。 彼(ウォルコット)が来シーズン問題なくスタートするためにも、 私は手術を受けさせたかった。 それは大掛かりな手術ではないが、彼にとって必要だった。 幸い今のパフォーマンスは非常に良いし、ゴールも決めた。 それは我々にも、イングランドにとってもいいことだ。」アーセナルにとってはここでウォルコットがいなくなれば選手層が薄くなり、今後の過密日程を乗り切るだけの体力が落ちることもあって、若さもあって多少は無理をさせたいところだ。しかし、だからこそここで手術を受けさせるのが良いのではないだろうか。ウォルコットからすれば試合に出たいのはもちろん、そのようなチャンスがあれば100%以上の力を出してアピールしようとする。それが普通である。しかし怪我があるのであれば、いくら若くても無理をさせてはいけない。怪我の無いサッカー選手なんて皆無なのは分かっているが、治せるものなら早めに処置しておいたほうがいい。万が一無理をして一生ものの傷にでもなればどうするのか。それによってウォルコットのキャリアが短くなったら、その後の保障を全てアーセナルが見るのか。試合に出すのも監督の仕事なら、出さないのも監督の仕事である。性格に問題があるのなら仕方ないが、怪我をおして出場させるのを止めるのも監督の仕事である。若いからこそ無理が出来るのと同時に、若いからこそ怪我による負担を少なくさせるべきなのだ。ルーニーや同じアーセナルのセスクのように蓄積による怪我の少ない選手が若い頃から活躍している例もある。しかし彼らは彼らであって、ウォルコットはウォルコットである。チーム事情がそれを許さないこともあるだろう。しかし放っておけば、今はよくても来シーズン、再来シーズンにウォルコットがルーニーやセスクと違った道を辿る可能性もある。その時になって「手術を受けさせていれば・・」と思わないことが、アーセナルにとってもイングランドにとっても、ウォルコットにとってもいいことではないだろうか。ほな、また。
2007.03.03
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はや3月。昔から「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」と言われるが、もう今年も2ヶ月が終わってしまった。年齢のせいもあるのだろうが、月日が経つのは早く感じる今日この頃である。2月のサッカー界の話題といえば、まずイタリアの警官殺人。なんでも17歳の少年に逮捕状が出たほか、数十人の少年の身柄が拘束されているようだ。加害者の年齢には驚くばかりだが、これで事件解決ではない。スタジアム内外の状況を改善しないことには、同様の事件がなくなることは決してないだろう。安全基準をより厳しくした法律に改訂するなど、段階的にではあるがスタジアムの開放も行われており、見た目には改善の兆しが窺える。だが、過去のイタリアの処罰は上訴を繰り返すことで最終的罰則が甘くなる傾向にあり、一時の痛みは我慢し長期的な視野に立って厳しい態度で改善に努めてもらいたい。また審判による疑惑判定や誤審騒動もあった。このブログでも書いたとおりなので詳細は省くが、この問題も簡単に解決できる問題では決してないので、少しずつ辛抱強く解決していかなければならない。2月の被害者は警官に審判だったが、3月の第1被害者は監督だった。コロンビアのデポルティボ・パストというクラブに所属するGKのゴメス選手が、クラブから謹慎処分を言い渡された。理由は先発を外されたことに腹を立て、監督である、こちらもゴメスの顔面を殴ったため。クラブ側は「団結が重要なサッカークラブで、こういった無秩序な行為は見過ごせない」と声明を出し、ゴメス選手を非難している。最近は暗い話題が続いていたので少しは明るい話題を書きたいのだが、今月もそういうわけにはいかないようだ。ただこの件に関しては、ゴメス選手の精神年齢が子供だったとしか言いようがなく、ただ呆れるばかりである。とはいえイタリアの件もそうだしゴメス選手の件もそうだが、確かにサッカー界に、いやスポーツ界に存在すべき秩序が失われているのは事実だと思う。サッカーは戦争だとよく言われるが、本当の戦争ではない。サッカーとはスポーツであり、スポーツであるということは、そこに暴力的要素が入り込んではいけない。戦争は罪の無い人物を大量に殺しあうことで勝敗を決するものだが、スポーツはお互いがお互いを尊重しながら、自分(達)の技術を披露して勝敗を決するものである。個人プレーで己の強さを磨き、チームプレーで協調性を学び、相手を尊重することで優しさを育む。これもまたスポーツである。そしてこれらは選手や監督に限らず、関係者やファンも例外ではない。ただ、アンダルシアで起こった悲劇に比べれば、ゴメス選手のパンチなど大人と子供である。ほな、また。
2007.03.01
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