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昨年12月に行われたクラブ・ワールドカップ。決勝では南米代表のインテルナシオナルが欧州代表のバルセロナを下し優勝したが、翌日のバルセロナの新聞の1面を飾ったのはどちらのクラブの関係者でもなかった。1面一杯に写っていたのは、バルセロナの敗戦に号泣する1人の日本人少年だった。その写真はバルセロナ敗北による失望を全面的に表しながらも、日本で行われた大会での日本人ファンの涙というユニークかつ強烈な印象を見たものに残す1枚になっていた。そしてこの写真がクラブ首脳始め関係者をも動かし、ついにその少年を発見することに成功し、このたび少年を含む家族がバルセロナに招待された。練習見学や選手との対面、地元テレビ局への出演など超VIPの対応を受けた少年であるが、本人は至って冷静で「いつかはバルセロナでプレーしたい」とインタビューに答えている。何でも親がバルセロナのソシオらしく、クラブ・ワールドカップにも家族で見に来ていたらしい。またコメントからも分かるように少年もサッカーをやっており、来日時に行われたクリニックなどにも積極的に参加していたようだ。もしかするとバルセロナに招待されたことを一番喜び、緊張していたのはむしろ親のほうだったのではないだろうか。このように海外のクラブでは「誰のためのクラブであるか」ということを様々な場面で見ることができる。最近のニュースではもう1つ、イタリアのパルマが52歳のコメディアンと契約を結んだのだが、この人はサッカー番組のコメンテーターも務めるなどサッカーには詳しく、「子供の頃からの夢がセリエ。5分でいいからプレーしたい」という思いにパルマが応えたわけだが、現在パルマは降格争いの真っ最中。残留が決まった段階でプレーさせる方向のようだが、この人にとってはプレー出来れば御の字だが、仮に出来なくても契約できた事実は残る。それは一生ものであり、それが愛するクラブとなれば尚更である。翻って日本である。もちろん歴史の深さや長さに大きな違いがある。だから現在のバルセロナや海外サッカーとJリーグを比べることは出来ず、無意味でもある。だが100年構想を謳うJリーグにとって今思う理想に近い状況は、バルセロナやパルマのような夢物語を未来のJクラブ関係者が当たり前のように行えるだけの精神を持っていることだと思う。それには多くの時間が必要であることは十分承知である。だが謳うからにはやらなければならない。手始めに行うこと、それは愛するクラブが負けて号泣する6歳の少年を生み出すことである。ほな、また。
2007.04.29
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レアル・マドリーからミドルスブラにローン移籍中だったウッドゲイトが、ミドルスブラと新たに4年契約の完全移籍を果たした。移籍金は約17億円。2004年にニューカッスルからレアルへ移籍したウッドゲイトだったが、入団当初から怪我に泣かされ続け、このシーズンは完全に棒に振ってしまった。次のシーズンには怪我も完治したもののそれほどの出場機会はなく、今シーズンから生まれ故郷であったミドルスブラにローンではあるが移籍した。昨年9月5日のこのブログで、ぼくはこの件についての記事を書いている。http://plaza.rakuten.co.jp/adios7210/diary/200609050000/当時はどちらかといえば、この移籍は失敗に終わるだろうと思っていた。フートについては毎週ハイライトを見ていても出場していないところを見ればそれは当たっているだろうが、ウッドゲイトについては成功だったといえる。ディフェンスの中心選手として、持ち味である1対1で相手を潰しながら、ラインコントロールで何度も失点のピンチを防いでいる。現在14位と順位上は苦しんでいるミドルスブラだが、ウッドゲイトがいなければ更に順位は下がり、今頃降格圏争いに巻き込まれていたことだろう。サウスゲイト監督も「今シーズンの残りだけでなく、次のシーズンのことを考えても クラブにとって(ウッドゲイトの完全移籍は)大きなプラスである。 これだけのレベルの選手を加える機会などそうあるものではない」とウッドゲイトを絶賛するとともに、完全移籍できたことを素直に喜んでいる。それでも17億円を高い買い物のように思うのだが・・一方でウッドゲイトを売却したレアルだが、ニューカッスルから獲得した際の移籍金は約27億円だった。つまりはウッドゲイト1人に対しマイナス10億円の計算になり、しかも在籍2シーズンで数試合にしか出場していないことを考えれば大損である。だが今シーズンの活躍を見ても売却を決定したということは、ウッドゲイトを戻す気はなかったということだ。単にカペッロの構想に入っていないからか、完全移籍による移籍金目当てなのか、そしてその金をある選手の獲得費用に使うのか。そういえば、レアルはローンでサラゴサに出していたディオゴも完全移籍で売却した。不要な選手は処分していき、そこで発生した移籍金で新たな選手を獲得する。狙うは当然、大物である。ほな、また。
2007.04.28
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先のバレンシア戦で復帰したレアル・マドリーのベッカム。途中出場した彼はFKから決勝点をアシストし、大きく勝利に貢献した。だが来シーズン、レアルにその姿はない。レアルのミヤトビッチ強化部長は、ベッカムとの契約延長を更新できなかったことを今頃になって後悔しているようだ。なんでも今シーズンで契約の切れるベッカムに対し一度は2年間の契約延長をオファーしたようだが、残留を疑わず減俸での再契約を提示したようだった。そしてベッカムはアメリカへ行くことを決断した。当時はビクトリアの意向を最優先にしていたと思っていたが、クラブから見下されていると感じれば、新しい何かを求めようとするのも無理は無い。それが見た目とは裏腹に、チームの勝利を第一に考えて献身的にプレーをするベッカムなら尚更、裏切れた感は強くあったのではないだろうか。ミヤトビッチはこのことについて「メディアを通した私やクラブ会長、代理人のコメントがベッカムを混乱させた。 本人としっかり話し合うべきだった」とコメントしている。ここ数週間のミヤトビッチのコメントや、我がユナイテッドのロナウド獲得に対する態度を見ていて、その高飛車な感じが無性に腹が立っていた。もちろんレアルは歴史あるクラブであるし、伝統もある。だからといってミヤトビッチ自身が偉くなったのではない。カルデロン現会長が選挙の際に自分を強化部長に選んだから今のポジションがあるわけで、独力でその座を勝ち取ったわけではない。にも関わらず、さも自分はビッグクラブの重要なポストにいる偉い人物だという雰囲気を醸し出していることに苛立ちを覚える。いつかのチャンピオンズリーグ決勝で唯一のゴールを挙げ、ビッグイヤーをクラブにもたらしたのは確かにミヤトビッチだ。だが98年のワールドカップ、決勝トーナメントでPKをクロスバーに当てたのもミヤトビッチだ。もっともっと後悔したらいい。ほな、また。
2007.04.26
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いよいよ大詰めを迎えた海外リーグ。先週末はイタリアのインテル、フランスのリヨン、スコットランドのセルティックがそれぞれ優勝を決めた。なかでもセルティックは後半ロスタイムの中村俊輔のFKによる劇的な勝利優勝を決め、日本人からすれば最高のエンディングを見せてくれたように思う。さて今シーズンのヨーロッパにおける優勝争いだが、「順当と混戦」がピッタリと当てはまるようなシーズンだったように思う。とはいえまだ優勝の行方が決まっていないクラブもあるのだが、先週末に優勝を決めた3クラブはいずれも開幕前から優勝候補の筆頭に挙げられており、仮に優勝を逃せば大波乱ともいえるべきポジションでシーズンを迎えた。インテルは昨シーズン終了後のスキャンダルの影響でユベントスが降格、ミランも勝点減からのスタート、さらにはユベントスからの選手大量獲得という、棚からぼた餅と呼ばれても仕方が無いほどの内外における充実振りのなかでのスタートだった。そして予想通り18日のローマ戦に敗れるまで31試合無敗の快進撃を続け、昨日のシエナ戦の勝利で見事スクデッドを勝ち取った。リヨンやセルティックもまた、前評判を覆されること無くセルティックは2シーズン連続、リヨンに至っては欧州主要クラブの中では最多となる6シーズン連続となる優勝を飾った。この3クラブが「順当」だとすれば、残りのリーグは「混戦」となる。まずはイングランド。何度もこのブログで書いているが我がユナイテッドとチェルシーの一騎打ちである。直接対決も残している両クラブの勝点差はわずか3。土曜日にユナイテッドが引き分けに終わったため、日曜日に試合のあったチェルシーは勝点を縮めるチャンスだったが、こちらもユナイテッドに付き合うように引き分けに終わり、勝点差はそのまま。残り試合数はともに4試合。次にスペイン。土曜日に勝点54の3位レアル・マドリーと勝点53で4位バレンシアの直接対決はマドリーに軍配が上がり優勝戦線に踏みとどまった。逆にバレンシアは脱落を余儀なくされただけでなく、同勝点ながら得失点差でサラゴサにも抜かれ5位に転落し、チャンピオンズリーグ出場権争いからも後退した。2位のセビージャはビルバオ相手に順当に勝利を収め勝点を58に伸ばした一方で、首位バルセロナがアウェイとはいえビジャレアルに敗れた。なんとか首位は守ったバルセロナだが3位マドリーとの勝点差さえ2しかなく、残り7試合は「全ての試合が決勝戦(カペッロ・マドリー監督)」のような戦いになるだろう。そしてドイツ。こちらも土曜日に3位シュツットガルトと4位バイエルンの直接対決があった。ドイツは3位までしかチャンピオンズリーグ出場権が得られないこともあって、バイエルンとしてはリーグの覇権だけでなく、出場権を得る意味でも絶対落とせない一戦だった。だが0対2とまさかの敗北を喫し、シュツットガルトとの差は5に広まった。1位シャルケ、2位ブレーメンは順当に勝利を収め勝点を伸ばした。この結果残り4試合で、シャルケ62、ブレーメン60、シュツットガルト58となったが、今後この3クラブの直接対決はもう残されていないだけに、どれだけ取りこぼし無く勝点を積み重ねられるかが鍵になってくる。最後になんといっても一番の混戦のオランダ。今週末が最終節のオランダは、一時は首位を独走し2位に勝点10以上の差を離していたPSVが終盤に来て失速しまさかの混戦模様になった。そして残り1試合となった現在の順位表は以下の通り。1位 AZ 勝点72 得失点差プラス532位 アヤックス 72 473位 PSV 72 463クラブが勝点で並んでおり、得失点差で順位が決まっているという史上稀に見るものになっている。最終節AZはエクセルシオール(16位)と、アヤックスはヴィレム(15位)と、そしてPSVはフィテッセ(12位)とそれぞれ戦うことになっている。一番有利なのは順位的にも得失点差を考えてもAZである。仮に3クラブともに勝利の場合、AZが1対0ならアヤックスは8対0以上のスコアで、PSVはそれ以上のスコアでないと逆転優勝の可能性はない。また3クラブとも敗戦の場合でもAZが8点以上取られる大敗でもしない限り、2クラブに優勝は無い。だが、3クラブの星取が一致しなかった場合はどうなるか。それは他クラブの結果次第である。「順当と混戦」の今シーズンだ(った)が、こんな言葉は結局のところ結果論であり、基本的にサッカーは何が起こるか分からない。だから最後まで目を離せないのである。そして俊輔のような最後の最後に起こるドラマだって楽しむことが出来るのである。ほな、また。
2007.04.23
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ナイジェリアで大統領選挙の投票が行われたようだ。立候補者数は与野党合わせて25人にも上り、数日中には大勢が判明する見通しらしい。だが、選挙管理委員会の本部が爆破未遂事件に遭った様に、投開票での混乱や暴乱が予想され、全てが確定するまでは予断を許さない状況でもある。アフリカに限らず途上国での国の未来を決める選挙では、このような出来事がよく起こりえる。これらの国々では持つ者と持たざる者との差が極端であり、持つ者は下へ落ちないようになりふり構わずその地位にしがみつこうとあの手この手で策を繰り、持たざる者は自分達の地位向上を目指すべく存在を示しているためだと思う。ワールドカップに初出場しアフリカ勢で唯一決勝トーナメント進出を果たしたガーナで今、ちょっとした問題が起こっている。アベディ・ペレなる人物が八百長疑惑によってサッカー協会から1年間の資格停止処分を受けたのだ。元ガーナ代表として活躍し、フランス・フットボール誌が選定するアフリカ最優秀選手賞を91年から93年にかけて3年連続で受賞したペレ氏は、同国代表の最多出場・最多得点記録を持つガーナの国民的英雄である。今で言うドログバやエトーのような存在といえば分かりやすいことだろう。目下大使として同国サッカーの普及・発展に努めているペレ氏が、ナニアFCというクラブを設立したのは今から10年前のこと。少しずつ結果を出し現在は2部リーグに所属しているナニアFCは1部昇格を目前に控え、先日オクワウ・ユナイテッドと対戦した。結果ナニアFCはこの試合で勝利を収めたが、この試合に八百長疑惑がかけられているのだ。これについてペレ氏は「スコアが問題になっているのだろうが それが試合で不正が行われた証拠にはならない」主張し、徹底抗戦の構えを見せている。さて、その気になる八百長疑惑がかけられたスコアであるがなんと、31対0!!ちなみにグレート・マリナーズ対マイティ・ジェットというクラブの試合も別の日に行われていたのだが、その試合のスコアは28対0。サッカー協会は該当の4クラブに八百長があったと判断し、クラブに対しそれぞれ罰金2万ドル(約240万円)と3部への降格処分、さらに八百長に加担したとされる計46選手に対し来シーズン一杯までの出場停止処分を課した。たしかにスコアだけで八百長かどうかを判断することは、八百長が行われた確固たる証拠にはならない。だが仮にこの2試合が八百長ではなくガチンコの試合だったなら、リーグの正当性・正常性が疑われても不思議ではない。ほかの対戦でのスコアがどのようなものか知らないが、この2試合に関しては裏で何らかの操作があったと捉えるのが妥当といえるだろう。92-93シーズン、フランスのマルセイユは国内リーグとチャンピオンズリーグの2冠を達成した。だがその後八百長が発覚し、2つのタイトルは共に剥奪され、国内では下部降格の憂き目にもあった。そしてその時のマルセイユの中心選手にいたのがペレ氏だった。いくら八百長が悪だと分かっていても、それにより辛い非難を浴びようとも、持つ者の仲間入りをするためになりふり構わず地位や栄光を手に入れようと策を練る、それがアフリカ人なのだろうか、そうでなければヨーロッパの白人達が植えつけたものなのだろうか。ちなみにニャホ・ニャホ=タマクローは元ガーナ・サッカー協会会長であり、ガーナつながりというだけで本文とは一切関係ないのであしからず。ほな、また。
2007.04.22
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プロ野球界で世間を賑わせている裏金問題。Jリーグでは川淵キャプテンが「一切無い」と語っていることを信じたい気持ちだが、秘密裏で金銭の授受を行ったり制限を越えた贈与を行うことが問題なわけで、公にされており、かつ制限のない場合での金銭授受は、一部の反発こそあれ、決して罰せられることはない。いよいよシーズンも佳境を迎えたプレミアリーグは、残り5試合の現時点で首位ユナイテッドと2位チェルシーとの勝点差は3。怪我人続出で不安定な守備を爆発的な攻撃力で補うユナイテッドに対し、常に苦戦を強いられらながらも気が付けば勝利を掴みとっている、負けないチェルシー。最終節の1つ前にはチェルシーのホームで直接対決が残されているため、リーグの行方はまだ分からない。またFAカップは共に決勝進出を果たし、チャンピオンズリーグでも準決勝進出を決めていることから、ユナイテッドには3冠、チェルシーに至っては4冠の可能性が残されているわけだ。ここで面白い話題を1つ見つけた。それは我がユナイテッドのルーニーに関するものだ。現在リーグ13得点はチーム2位の得点数であり、1位のロナウド(16得点)と共にユナイテッドの攻撃を支えているルーニーだが、彼は2004年の夏に移籍してきたのは周知の通り。ニューカッスルとの争奪戦の末に約50億円の移籍金でエバートンから獲得したのだが、契約条項の1つに次のようなものがあったようなのだ。「ユナイテッドが国内リーグで優勝した場合は50万ポンド(約1億2千万円)が、 チャンピオンズリーグで優勝した場合は100万ポンド(約2億4千万円)が、 FAカップで優勝した場合は15万ポンド(約3千6000万円)が、 ユナイテッドからエバートンにそれぞれ支払われる」つまりはルーニー加入後のタイトル獲得には、ルーニーを放出したエバートンの力も少なからず影響しているということで、それに対する恩返しのような金銭の贈与である。もし仮にユナイテッドが3冠を達成することができた暁には、エバートンに約4億円の臨時収入が転がり込むというわけで、現在5位のエバートンとしては、このまま行けば来シーズンのUEFAカップ出場権が手に入る。国内とヨーロッパの2足のわらじを履くには選手層を厚くするための先行投資的な支出が必要になる。現代のサッカー界で4億円で出来ることといえば限られてくるが、ないよりはあったほうがいいに決まっている。エバートンは今月28日にユナイテッドと、最終節にはチェルシーとの試合が残っている。UEFAカップ出場権争いもタイトル争いと同様混戦であるが、2試合に限って言えばすることは1つしかないのではないだろうか。ほな、また。
2007.04.20
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2012年に開かれるユーロ(EURO)の開催国が決まった。以前にこのブログで取り上げたように候補は3つ(イタリア、ウクライナとポーランドの共催、クロアチアとハンガリーの共催)だったが、結局のところ、ウクライナとポーランドの共催で開かれることになった。FIFA会長であるブラッターのお墨付きをもらった?ウクライナが選ばれたのは、いくら投票権がないとはいえ政治的匂いがしないでもないが、サッカー界ではある意味当然の疑問点であり、決して公になることはないことなので何が起こったかは知る由も無い。一方で中堅国の支持を取り付けて会長に当選したプラティニを考えれば、政治云々は関係なく当然の結果と言えなくも無い。さてウクライナとポーランドが選ばれたのは事実であり、今後は開催に伴う問題点を解消していく必要がある。だがその前に、残りの2候補が落選した理由を考える。まずイタリアだが、今シーズン開幕前に起こった一連のスキャンダルと2月の悲惨な死亡事故がやはり印象を悪くしたと考える。もちろんEURO開催が決まれば腐敗撲滅に向けて政府・協会が団結して動き出すだろうが、これまでも同様の事件が繰り返されてきた事実、そしてイタリア人の気質やサッカーの生活への密着度を考えて、腐敗はなくならないだろうと考えたのだと思う。またスキャンダルのインパクトの大きさはもちろん、プラティニが関わった最初の決定が大国寄りというのも方針にはそぐわなかったとも考えられる。次にクロアチアとハンガリーだが、事前の予想では開催に最も近かった。共催ながらインフラも十分整備されており、また観光名所も多数あることからUEFAの金庫を考えても問題はないように見える。だが唯一にして最大の問題である歴史的問題がやはり引っかかったのだろう。特にクロアチアには消えることのない問題であり、イタリアの腐敗同様に開催までに無くなる問題でもない。こちらもクリーンなイメージを取り戻したいUEFAとしては見過ごすことのできない課題でもあった。そうなると消去法でウクライナとポーランドは決まったように思えてくる。3候補のうち最もクラブ・代表レベルとも一番下でありプラティニの方針に一致する。ポーランドでもイタリア同様のスキャンダルが発生しているがそれほど世間には知られておらず、政治力でなんとか押さえつけることだって可能だ。国土の広さや入国ゲートの問題も、開催まで5年もあるのだ。国の特別予算やUEFAが出資することでインフラの整備をすることなど、腐敗や歴史的問題に比べればそれほど難しい問題ではない。だが問題はもう1つある。EUROの現在の大会方式は16カ国を4カ国の4グループに分け総当りの予選を行い、上位2カ国ずつの計8カ国が決勝トーナメントに進出できる仕組みなのだが、前回2004年のEUROまで第12回を数えたなかで、開催国が決勝トーナメントに進出できなかったのは2000年のベルギーだけである。このときはオランダとの共催でオランダが決勝トーナメントに進出したおかげで大会が盛り下がることはなかった。そこでウクライナとポーランドである。ウクライナは建国自体が日が浅いため比較はできないが、昨年のワールドカップにも出場し力はある。だがシェフチェンコ頼みの感も否めず、5年後も現在と同様の強さを維持出来ているかは分からない。ポーランドも2002年のワールドカップには出場したものの、ここ20年は暗黒の時代を送っている。過去12大会の開催国(2000年の場合はオランダ)はいずれも準決勝以上まで進出している。過去の開催国はいずれもイタリア、フランス、ドイツなどの大国ばかりで単純比較もできないが、開催国が決勝トーナメントに進出することはいわば義務であり、大会が盛り上がる上での重要な要素である。ウクライナは別としてポーランドにとってはかなり難しいミッションになることが想像できるが、時間はまだ5年ある。協会は緻密なプログラムを立てて代表を強化する必要があり、5年後には大国に引けを取らないチームを作り上げなければならない。選手の発掘に若手の育成、組織の徹底など越えなければならない課題は山ほどあるが、これらを越えて義務が遂行されたとき、ウクライナとポーランドのミッション同様にUEFAとプラティニの方針であるレベルの底上げというミッションも同時に遂行されることになる。やはり政治的匂いが感じられる今回の結果である。ほな、また。
2007.04.18
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少し前の話になるが、先月の18日、アルゼンチン・リーグのリーベルプレートはアウェイでキルメスと戦い1対0で勝利した。後半ロスタイムに決勝点を挙げたのが、後半途中から出場し、これが2ヶ月ぶりの出場になるオルテガだった。リーベルプレート下部組織出身のオルテガは、ドリブルのセンスを認められ17歳のときにプロデビューを果たす。このとき既に彼のプレースタイルは完成されており、得意のドリブルを武器に「マラドーナの後継者」と謳われるほどだった。それを受け継ぐかのように、94年のワールドカップで初めてマラドーナが途中交代した際の出場者がオルテガだった。リーベルプレートをリーグ制覇やリベルタドーレス杯優勝に導いたオルテガは、トヨタカップこそ獲得できなかったものの、十分すぎるほどの置き土産をクラブに残し、ヨーロッパへの参戦を決意する。97年、当時のリーベルプレート史上最高の移籍金でバレンシアに渡ったのだが、練習方法を巡って監督と対立し、目立った活躍を見せることは出来なかった。アルゼンチン時代からそのプレースタイルによって「ボールを持ちすぎだ」「早い流れが止まってしまう」という批判も賛美と同様にあったこと、そして完成されてしまったプレースタイルゆえに今更変えるわけにもいかず、いつのまにか「自分の信念を曲げない」=“問題児”扱いされるようになってしまった。一方、まさにマラドーナの後を受けた代表では、96年のアトランタ・オリンピックでは中心選手として出場し、決勝ではナイジェリアに敗れるも銀メダル獲得に貢献。98年のフランス・ワールドカップでも主力として出場を果たした。だが準々決勝のオランダ戦、1対1のまま迎えた後半終了間際に相手GKを頭突きするという行動に走ってしまい退場してしまう。その後ベルカンプの美しい決勝ゴールもあり、アルゼンチンはここで大会を去ることになってしまい、愚行によって退場したオルテガが戦犯として批判の槍玉に挙げられた。バレンシアを追われたオルテガはセリエのサンプドリア、パルマと移籍をするも、ここでもクラブを救う活躍をそれほど見せることも出来ずに、2000年古巣リーベルプレートへの出戻り復帰を果たす。当時の若手有望株だったアイマールやサビオラとプレーするうちに自らの輝きを取り戻し、再びクラブにリーグ制覇をもたらした。この活躍によって日韓ワールドカップのメンバーにも選ばれたオルテガは、トルコのフェネルバフチェへと移籍を果たす。彼にとって2度目のヨーロッパ挑戦はリベンジの場でもあったが、ここでもクラブに馴染めず、わずか半年あまりでアルゼンチンへ帰国してしまう。だがこの帰国がクラブに無断でのものだったことから、クラブから多額の違約金を請求される羽目になってしまった。問題は長期化したもののFIFAが仲介に入ったことで、長期の出場停止の代わりに和解が成立した。だがこれによりオルテガのサッカーに対する情熱は失せ、一度は現役引退を決意した。2004年8月、アルゼンチンのニューウェルズというクラブで現役復帰を果たしたオルテガは昨年リーベルプレートへの3度目の復帰を果たしたものの、今度はアルコール依存症であることを公表し、これを克服するためにクラブを離れリハビリに専念することも合わせて発表した。キルメスとの試合はこのリハビリからの復帰であり、そこで決勝ゴールを決められたことはオルテガの今後を予想させるものだった。「落ち着いてプレー出来たし、情熱も抱き続けている。 調子は良いし、もっと良いプレーがしたい。 この勝利はリーベルプレートのファンに捧げる。」と試合後にコメントを残したオルテガ。“マラドーナの後継者”と言われ、天才ゆえの問題を抱えながら、文字通りマラドーナの後を受け継いできたオルテガ。違う点といえば、リーベルプレートを愛するオルテガに対し、マラドーナは最大のライバルであるボカ・ジュニオルズを愛していることぐらいだろうか。ちなみにキルメス戦の決勝ゴールを決めた部位は、左手だった。ほな、また。
2007.04.14
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先週末のポーツマス戦で痛い敗戦を喫した我がユナイテッド。これで2位チェルシーとの勝点差は3になった。そして今週末にはアウェイに乗り込んでの直接対決が行われる・・はずだった。だが今週末はFAカップの準決勝が予定されており、ユナイテッドもチェルシーも準決勝進出を果たしているため、直接対決は5月9日に延期されることになった。これに関してチェルシーのモウリーニョ監督は月曜日にこうコメントした。「試合が延期されたことはユナイテッドにとってとてもラッキーだ。 私達を相手に勝ち星を落とすはずだったからね。」チャンピオンズリーグ準々決勝第1戦を1対2と落としたユナイテッドは、ポーツマスにも敗れ公式戦2連敗中だった。そんなネガティブな状況で行われるアウェイでのチェルシー戦は、おそらく精神的に厳しいものになっていただろう。だが、幸運にも直接対決が5月に延期されたことで少なくない怪我人、特にディフェンス人の怪我人の復帰が見込める。勝利には100%の体力と精神力、そしていくつかの運が必要である。プライオリティをプレミアの覇権奪回においているユナイテッドにとって、この日程変更は有利であり、ユナイテッドがプレミアを制するための幸運の1つである。だが、その考えも月曜日まで。火曜日に行われたチャンピオンズリーグの第2戦で、ユナイテッドはローマに7対1という記録的勝利を飾った。試合は残念ながらまだ見ていないが、試合後のコメントを聞く限り、チャンスが全てゴールに結びついたような試合だったようだ。こんなことなら、この勢いを持続したままチェルシー戦に臨みたかったところなので、日程変更が不利とは言わないが決して有利ともいえなくなった。チェルシーは同じ日、バレンシアを相手にチャンピオンズリーグを戦っていた。第1戦を1対1の引き分けで終えアウェイに乗り込んだ第2戦は2対1で勝利し、準決勝進出を決めた。前半モリエンテスのボレーでリードを許したチェルシーは、後半開始からJコールが出場する。そしてディアッラではなく怪我から復帰したばかりの、前半ですでにイエローカードをもらっていたエッシェンを右サイドバックに残した。後半7分にはそのエッシェンのクロスからシェフチェンコがゴールを決め同点に追いつく。その後もJコールの緩急から何度もチャンスを作るがバレンシアの守備、GKカニサレスのファインセーブもあってゴールは奪えない。迎えたロスタイム。エリア内でパスを受けたエッシェンが角度の狭いところからのシュートが決まり勝ち越しに成功した。ユナイテッドとは違いチャンピオンズリーグが至上命題といってもいいチェルシーにとって、この勝利はチームに勢いを与える。長い戦いを乗り切る上では、ユナイテッドのように他の試合に回せば良いのにと思えるような大勝の試合もあれば、今回のチェルシーのようにチームに勢いを与える劇的な勝利が必要である。ユナイテッドがトレブルを果たした“カンプ・ノウの奇跡”しかり、ポルト時代のモウリーニョが経験したユナイテッド戦しかりである。プレミアに戻ると、チャンピオンズリーグでより勢いを得たのはチェルシーではないかと思う。ユナイテッドは大勝によって自分達の実力を再確認できたのは事実であり自信も戻ったのは間違いないが、マイナスが元に戻っただけの話しである。一方でチェルシーはリーグ8連勝で自信はあったし、アウェイで逆転勝ちを収め、かつロスタイムのゴールは周囲に強さを改めて示すことになり、チームとしても「負けていても逆転できる」という精神的余裕を与えることにもなった。ならば変更になった日程がどちらに幸運をもたらすかといえば、やはりユナイテッドということになる。チャンピオンズリーグで勢いが生まれたのは両クラブとも間違いないが、プラス面の質や量はチェルシーに分がある。難しい試合を勝ち抜いたチェルシーに対し、ユナイテッドには大勝による気の緩みということも有り得る。チェルシーの本拠地で戦うこと、追われる者の苦しみを考えても、プレミアにおいての幸運はユナイテッドに傾いていることだろう。だが残念なことにリーグもチャンピオンズリーグも、さらにはFAカップも独立して行われているわけではない。全てが同時進行で行われている。だから1部分だけを切り取って運がどうのこうのと言っても単なる妄想に過ぎない面もある。現在リーグではユナイテッドが首位でチェルシーが2位、チャンピオンズリーグ、FAカップとも両クラブ準決勝進出を果たした。イングランドにおける獲得可能なタイトル全て(カーリングカップはチェルシーが獲得しているのでここでは除外)において直接対決で雌雄を決する可能性もある。3つ全てを獲得することも可能ならば、3つ全てで2位に終わる可能性もある。勝利を得るために必要なもの、それは運を掴み取り、そしてそれをどのように利用するかだ。ほな、また。
2007.04.13
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プレミアリーグ、フルアムのクリス・コールマン監督が解任された。理由は成績不振であり、今シーズンの残りの試合は北アイルランド代表のサンチェス監督が暫定的に指揮を執ることになった。各クラブの消化試合にばらつきはあるものの、フルアムは33試合を消化(残り5試合)して15位に低迷。18位以下が降格になるため、順位だけを見ればそれほど問題はないようにも見える。だがフルアム以下の順位と試合数、勝点を見ればフルアムの危うさが顕著に現われる。15 フルアム 33試合 勝点35 得失点差-1816 ウィガン 33 34 -1717 チャールトン 33 32 -2018 シェフィールド・U 32 31 -2119 ウェストハム 32 29 -2520 ワトフォード 33 23 -29最下位のワトフォードは別として、19位ウェストハムとの差はわずかに勝点6の差しかなく、消化試合数でも不利である。次にリーグ過去10戦の勝敗を見ると、フルアム 1勝4分5敗ウィガン 3勝3分4敗チャールトン 4勝4分2敗シェフィールド・U 2勝2分6敗ウェストハム 3勝2分5敗となり、フルアムのみがわずか1勝に終わっている。フルアムの次に勝点を得ているのはシェフィールド・Uだが、シェフィールドの場合、10戦中8戦がトップ10圏内のクラブとの試合であり、残り2クラブの1クラブは11位との試合、残りのもう1クラブがフルアムとの戦いでありシェフィールドが勝利を収めている。また今シーズンから昇格したことを考えれば、よく戦っているといえるのではないか。ウェストハムは現在3連勝中、チャールトンは6試合負けなしであり、なおかつこの2クラブは消化試合数が1つ少ない。最後に今シーズン残りの対戦予定を見ると、5クラブの直接対決が4試合も残っている。その内訳は14日 シェフィールド・U対ウェストハム21日 チャールトン対シェフィールド・U28日 ウィガン対ウェストハム5月13日 シェフィールド・U対ウィガンとなっており、シェフィールド・Uが4試合中3試合に絡んでいる。一方でフルアムは降格争いのライバルとは直接対決を残してはいない。直接対決が多ければ多いほど星の奪い合いが予想される。そしてシェフィールド・Uの場合、ウェストハム戦で敗戦を喫するようなことがあれば精神的ダメージが後々まで尾を引き、ズルズルと連敗していくだろう。それは相手からすれば勝利を手にすることになり、勢いに乗って連勝していく可能性もある。フルアムはこれらの星の奪い合いには参加していない。だが言い換えれば、残りの5試合は全て順位上の格上との対戦になるのである(最下位ワトフォードとはもう戦わないので)。しかもその内の2試合は3位リバプール、4位アーセナルとの対戦が控えている。特にアーセナルは最近不調であるが、5位ボルトンとの差が勝点2しかなく、チャンピオンズリーグ出場権を得られる4位以内を死守しようと是が非でも勝点3を狙いにくるだろう。残りわずか5試合というところでの監督解任。そして暫定とはいえ、後任にはフルアムのフットボールを知っているのかどうかが疑わしい北アイルランド代表監督。ここまでくれば求められるのは内容ではなく結果である。フルアムの決断は吉と出るか凶と出るか。そして来シーズンもプレミアで姿を見せることのできるクラブはどこなのか。イングランドのシーズンは残り1ヶ月である。ほな、また。
2007.04.11
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今月4日のナビスコ杯のこと。柏レイソルは大宮アルディージャと対戦したが、先発メンバーを前回の試合(3月31日の東京戦)から11人総入れ替えという前代未聞の策を採った。主に海外のカップ戦では若手に経験を積ませる意味も含めて多くの主力を休ませる例はあるものの、総入れ替えというのは個人的には見たことがない。Jリーグには「試合にはベストメンバーで臨まなければならない」という規則が設けられている。細かく言えば、直前のリーグ戦5試合のうち、1試合以上先発した選手を6人以上スタメンに含まなければならない、というものである。これはクラブによってリーグやカップ戦の優劣を決めさせることなく、全ての試合で本気に勝ちに行く姿勢を示すようにさせるためであり、またチケットを買ってスタジアムへ足を運んだファンに対しての礼儀という意味も含まれていると思う。だが今回の場合、リーグ戦が序盤であり4試合しか消化していないため規則は適用されない。また石崎監督曰く「(入れ替わった先発の半数近くが昨シーズンの主力であり)実力的に先発と控えの差はあまり変わらない」と、相手の大宮を見下しているわけでもなく、カップ戦を軽視しているわけでもないようだ。そもそも「ベスト」とはどういう意味なのか。新グローバル英和辞典によると「一番良い、最高の、最適の、最善の」という意味らしい。では今回における「ベスト」なメンバーとはどのようなものなのか。そもそも「ベスト」なメンバーを決めるのは誰なのか。それは誰でもない、石崎監督である。選手の体調を一番良く知っているのは監督であり、自分の戦術に合っているかを判断するのも監督である。またどの選手とどの選手を組ませれば一番チームのためになるかを判断するのも監督である。時期、自チームの選手の体調、相手チームとの相性など全ての要素を考慮して「ベスト」と判断した11人が、その時点におけるチームの「ベスト」なのではないか。もちろん観る側からすれば「お気に入りの選手が出ていない」「この選手を出せ」という批判はあるだろうし、「普段出ていない選手が出ているのだからベストメンバーではない」という意見もあるだろう。そして海外の例に漏れず、このような問題が起こるのは常にカップ戦である。本当に相手を見下していなくカップ戦軽視でもないのなら、通常のリーグ戦からそれらの選手を先発として使うことも出来たはずである。実力的に大した差はないのなら。とはいえ柏は現在リーグ戦首位。「勝っているときは動かさない」という格言に目を背けることは出来なかったのだろう。ほな、また。
2007.04.10
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ある雑誌に、現在スイスのバーゼルで活躍する元日本代表、中田浩二のインタビューが掲載されていた。その中で興味深く感じたのは、海外移籍を希望する理由を問われた部分だった。相当する多くの選手は「自分を試したい」という答えが返ってくることだろう。そしてそれを聞き、読んだ人間は「海外はレベルが高い」という情報や知識を得ているからそれに納得し、無意識のうちに「日本のJリーグは海外に比べレベルが低い」と感じてしまう。だが中田浩二は言う。Jリーグのレベル自体はそんなに低くないと。ただ、海外でプレーすることによる自分への跳ね返りが違ってくるだけなのだと。日本代表に選ばれた中田の実力は、日本では上位に位置するだろう。だが「井の中の蛙大海を知らず」という言葉があるように、外に出て初めてわかることもある。日本と同じようなレベルの海外リーグでも、相手が日本人と外国人では自分に返ってくるものは違う。1人のサッカー選手として常に上手くなりたいと思うから、海外でのプレーを希望し自分を試したいと思うのだ。先日行われたチャンピオンズリーグとUEFAカップで、イングランドのクラブが絡んだ暴動がそれぞれ起こった。チャンピオンズリーグではローマ対ユナイテッド戦、UEFAカップではセビージャ対トットナム戦のことである。それぞれ敵地に乗り込んだユナイテッドとトットナムの1部のファンがきっかけで暴動に発展したようだが、詳細は今のところ調査中らしい。考えれば、ローマは2シーズン前のチャンピオンズリーグで主審にコインを命中させ、頭から血を流した主審はそのまま審判を引退した。ユナイテッドは先のリヨン戦でもファンが暴れ、地元警察と衝突を起こしている。セビージャの場合は被害者だったが、相手ファンが投げたペットボトルが監督に命中し、意識を一時失うという重傷を負った。そしてFAカップでチェルシーに負けたトットナムのファンがピッチに乱入し、ランパードに襲い掛かるという事件を起こしている。4つとも全てがここ2シーズンの間に起こったことであり、ローマを除く3クラブの件に関しては今シーズンの出来事である。これではサッカーを知らない人々は「サッカー観戦は危険」と思うだろうし、セリエ=死亡事故、イングランド=フーリガンという思想はいつまでも経ってもなくならないことだろう。今日行われたJリーグ、鹿島対大宮戦はスコアレスの引き分けに終わった。ここまで5試合を消化して2分3敗と未だ勝ちの無い鹿島ファンが、試合終了後にチームバスを囲み、出発が数分間遅れる騒ぎがあったらしい。応援しているクラブが負けたのだから、勝てないのだから気持ちが分からないでもない。そして鹿島の場合、数シーズン前までは磐田と共に2強時代を築いていた時とのギャップも考えないといけない。だからといってそれがチームバスを囲んでもいいということには繋がらない。そしてほんの1部のファンの行為とはいえ、サッカーを知らない人々は「鹿島ファンが囲んだ」から無意識のうちに「鹿島ファンは大概が暴れだす」という考えを持ってしまうようになる。この点においては海外のレベルに近づく必要は、決してない。ほな、また。
2007.04.07
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今日は短く。この後行われるチャンピオンズリーグ準々決勝のチェルシー対バレンシア。見所としては、ロッペン不在により中央からの攻撃がより多くなるであろうチェルシーに対し、アルベルダとアルビオルのボランチがどこまで対処できるか。バレンシアは薄くなるであろうチェルシーのサイドをビセンテとホアキンの両ウィングで切り裂こうとしているだけに、ボランチが攻撃を止められなければ両ウィングが守勢に回らざるを得ず、バレンシアの攻撃のチャンスは半減してしまう。チェルシーの攻撃の柱はドログバ。今シーズンは絶好調で、シェフチェンコ加入が結果として良い方向に出ている。ドログバを止めるのはバレンシアのアジャラ。来シーズンからビジャレアル移籍が決定しているだけに、チャンピオンズリーグでの勇姿は最低1年見ることができない。この2人は昨年のワールドカップと数年前のUEFAカップ決勝で対戦している。初顔合わせとなったUEFAカップ決勝では、開始わずか数十秒で、競り合いの過程でアジャラのヘッドバッドが決まり、その後の89分間ドログバは沈黙し続けることになってしまった。チェルシーがドログバならバレンシアはビジャ。ここ2シーズンで頭角を現したビジャは、現在のサッカー界では遅咲きといえるかもしれない。ゴール前での冷静さとFKも決められる正確さを兼ね備えたストライカーには、モリエンテス不在の影響もあってかなりの重圧が肩に圧し掛かることになる。そんなビジャにはチェルシー移籍の噂が後を絶えない。この件に関してコメントを求められたモウリーニョ・チェルシー監督はこう答えた。「ビジャは偉大な選手で、すぐにでもビッグクラブでプレー出来る。 だがチェルシーが彼と契約することはない。 なぜなら既に我々には素晴らしいセンターフォワードがいるからだ。 (移籍や移籍金についての噂があるのは知っているが) もうこれ以上チェルシーが愚かなお金を使うことは無い。」意外かもしれないが、数クラブを除いて基本的には対戦相手に敬意を払うモウリーニョ。社交辞令も幾分あるだろうがビジャを褒めると同時に、試合前の余計な雑音を防ぐために噂を否定し、さらにその理由としてビジャよりも優れたフォワード(ドログバ)と比較することでクラブの優位性や選手に対する自信・信頼感を表している。そしてもう1つの理由である金銭面に“愚かな”の単語を付け加えることで、未だ納得していないシェフチェンコ獲得に対するアブラモビッチへの批判も暗に示している。中央対サイド、ドログバ・テリー対ビジャ・アジャラ、モウリーニョ対シェフチェンコ等々。軍配はどちらかに上がるか。ほな、また。
2007.04.04
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約2ヶ月前、UEFA会長にプラティニが当選を果たした。そして彼が会長就任に際しての公約の1つに、チャンピオンズリーグの改革案があった。現在のチャンピオンズリーグは大国により多くの出場枠があり、1ファンとしては強豪同士の試合が数多く観戦出来るのだが、サッカー界全体を考えた場合、中小国の発展の妨げになっているという問題もあり、プラティニは大国の出場枠を減らし、その分を中小国に分け与えることでレベルの底上げを成そうとし、ひいてはこれらの国々の選挙時の賛同を得ていた。だが、もちろんのことではあるが大国はこの案には否定的だ。ビジネスとそれに伴う金銭問題が蔓延してしまった現在のサッカー界において、たった1つでさえ出場枠が減るという事は各国協会にとっては死活問題であり、クラブにとっても出場によって得る収入を見越して予算を組んでいるため、それが根本から崩れるプラティニの改革案を肯定することは到底出来ないものである。そこでプラティニ及びUEFAが今回、1つの妥協案を提示した。それは現在4つの出場枠を持っているスペイン、イングランド、イタリアの3カ国に対して、3プラスカップ戦の優勝クラブに出場枠を与えるというものだ。現在の4つは前シーズンのリーグ戦の上位4クラブに与えているのを、上位3クラブとカップ戦王者に与えることで出場枠を減らすことなく、一方で顔ぶれが変わらない上位が出場権を得るよりも何が起こるか分からないカップ戦の王者が出たほうが新鮮味が出る。またカップ戦の面白さの1つに「大番狂わせ」がある。リーグでは下位に低迷するクラブや2部、あるいは3部に相当するクラブが優勝してもおかしくないのがカップ戦であり、そういったクラブが出場権を得ることでクラブが日の目を見ることになればサッカー界の発展・希望につながる。そして中小国のクラブから見れば、大国の上位と対戦するよりは大国の下位や下のリーグとの対戦の方が勝利のチャンスは増えることになる。このようにこの改革案は、大国の機嫌を損ねることなく自らの公約を実行に移せ、全てのクラブにチャンピオンズリーグの門戸を広げた画期的な案といえなくもない。だが仮にカップ戦の王者にチャンピオンズリーグ出場権を与えると、UEFAカップの存在意義が問われるようになってくる。UEFAカップは現在、各国カップ戦の王者とリーグ戦の順位におけるチャンピオンズリーグ出場権すぐ下の数クラブに与えられている。これもまた各国によって出場枠は様々だが、基本的にカップ戦の王者は自動的に出場権が自動的に与えられている。だが今回の改革が正式に決定すれば、UEFAカップは各国カップ戦王者のいない単なるヨーロッパのカップ戦になってしまい、チャンピオンズリーグよりレベルの下がる大会と見られても仕方がなく、大会自体の権威を下げてしまうことになる。それでもチャンピオンズリーグ出場が奇跡に近いクラブにとっては、存在するだけでヨーロッパの舞台に立つという目標になるし、収入を得られる場があるということで重要な大会なのかもしれない。しかし「カップ」と名がついているだけに、最低カップ戦王者は必要なわけであり、カップ戦王者がいなくなれば出場クラブを決める方法も新たに構築しなければならない。もし「カップ」の名を外し新たな名称で大会を継続させるなら、“あるから残す”ではなく、ハッキリとした理由が必要になってくるのではないだろうか。おそらくUEFAカップの今後も含めた今後のビジョンがあるからこそ、プラティニは今回の妥協案を提示したのだと思う。中小国を味方にして会長に当選したプラティニだが、大国の影響力は決して無視できないものだ。ちょうど無所属で県知事に当選したタレントのようなものである。大国とどうやって折り合いをつけながら公約を実行していくのか、手腕に注目である。ほな、また。
2007.04.03
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サッカー選手に怪我はつきものである。よく「怪我のない選手はいない」とはいうものの、それだけ体力を酷使しハードなスポーツであるということだ。また体の中で使う部分がほとんど足しかないため、大怪我が即選手生活に影響を及ぼすことになる。先日、スコットランドのレンジャーズに所属するプルソが今シーズン限りでの退団を発表した。元クロアチア代表でもあるプルソは、モナコ時代の03-04シーズン、チャンピオンズリーグ・デポルティボ戦で1試合4得点という記録を出し世界にその名を知らしめ、チャンピオンズリーグ準優勝の大きな原動力になった。翌シーズンから現在のレンジャーズに移籍し、現在までリーグ91試合に出場し31得点を決め、04-05シーズンのリーグ優勝などに貢献した。だがその代償として常に膝の怪我に悩まされており、定期的な医師の観察が必要なほどだった。そして最近の専門医による診察で「これ以上膝が良くなることはなく、さらなる療養が必要」であり、「これ以上トップレベルでプレーすることが難しい」ことから退団を決意したようだ。来シーズン以降の予定は未定であり、このまま現役を引退するのか、レベルの落ちるところでプレーを続けるのかは決まっていない。プルソの名が世界に知れ渡ったチャンピオンズリーグのデポルティボ戦。試合は結局8対3という、およそサッカーとは思えないスコアで決着が付いた。デポルティボにとってはアウェイの試合だったとはいえ惨敗、屈辱以外の何物でもなかった。サッカー界のサイクルは早く、現在もデポルティボに所属しており、この約3年前の屈辱を知っている選手は決して多くない。そんな数少ない選手の1人、バレロンも現在膝の故障に苦しんでいる。「スペインのジダン」とも評されていたバレロンだったが、昨年1月のマジョルカ戦で左膝の前十字靱帯を断裂し全治6ヶ月と診断される。苦しいリハビリを経て今シーズン開幕に何とか間に合わせたバレロンだったが、プレシーズンマッチとなったベンフィカ戦で再び同じ箇所を怪我し2度目の手術を行うことに。そして今年1月に入りようやくプレー再開の許可が医師から下りたが痛みが引くことは無く、「現在の状態ではトップレベルでのサッカーの負担には耐えられない」ことから3度目の手術を行うことになった。そして昨日、「回復までの時間がどれくらいかかるかは分からず、医学的見地からどのようなリハビリを行うかも決めていない」という今回の手術が行われ、無事成功したようだ。だが、膝が動かせるようになるまで半年、完治まで約1年、そして復帰時期は未定という、今年で32歳になるバレロンにとっては辛い診断結果になってしまった。それでもバレロンは言う。「復帰への熱意はあるが、引退の可能性があることも分かっている。 もしサッカーを続ける可能性がないと分かったなら 幸せな気持ちで家族の元に帰るだろう。 人生においてサッカーはすべてではないのだから。」ほな、また。
2007.04.01
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